共謀者
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「共謀者」キム・ホンソン監督“道徳不感症の時代について、悩んでみて欲しい”
映画「共謀者」が「王になった男」や「バイオハザードV リトリビューション」などの攻勢にも関わらず、150万人の観客を動員し長期ヒットを予告している。イム・チャンジョン、チェ・ダニエル、オ・ダルスなどが出演する「共謀者」は、他の期待作に比べ、華やかなキャスティングではない。さらに、演出を担当したキム・ホンソン監督は、多くのドラマで助演出を担当してきたが、長編映画で演出を務めるのは初めてだ。「共謀者」はスター俳優とスター監督の組み合わせではないにも関わらず、衝撃的なテーマとどんでん返し、完成度の高い構成で観客から根強い人気を得ている。キム・ホンソン監督は最近、Oh!mystarとのインタビューで「先端医療が腐敗した社会に会ったときに生じる副作用を背景にし、逆説的にまだ残っている人間に対する暖かな愛と希望を直接的に語りたかった。想像から生まれた話だが、より真実味のあるテーマで表現したかった」と演出の意図を説明した。彼は「韓国で臓器移植が必要な患者の数は年に10万人ほどで、1年に脳死や臓器提供で得られる臓器の数は約90個、中国で移植手術を受ける人が約1万人だ。このような理由で行われる違法臓器売買の実態を通じて、現代社会の弊害に対する根本的な問題点を提起したかった」と伝えた。劇中でチェ・ダニエルはお金と保険金のために偽りの結婚をし、妻を臓器売買犯に売り渡す。そうしながらも「結局お前らも『お金』なしでは生きられないし、お金が好きではないのか」と卑劣に笑って見せる。キム・ホンソン監督が「正義と不義の区分が曖昧になり、倫理、道徳、法律、常識の価値判断が薄くなる道徳不感症の時代が生み出した、生計型悪人を通じて、逆説的に人間の尊厳に関する話をしたかった」と語った。またキム監督は、俳優たちの熱演に対し「イム・チャンジョンが、演技変身において僕を信じ、従ってくれてありがたかった。チェ・ダニエルとオ・ダルスはもちろん、今回の映画で観客もチョ・ダルファンという俳優を発見してくれて感謝している」とした。キム・ホンソン監督とインタビューに応じたチョ・ダルファンは「映画がクランクインする前から、殆ど毎日監督に会い、ジュンシクというキャラクターを作った。いざ撮影が始まってからは、監督の特別な指示なく、スムーズに行われたと思う」とした。チョ・ダルファンは「今は周りで少しずつ僕のことに気づいてくれる。機会をくださった神様に感謝する。僕には特別な恩人だ」と付け加えた。キム・ホンソン監督は「映画が150万観客を超えた。人間にできるもっとも邪悪な犯罪が臓器密売だと思う。この作品を長い時間構想し、取材した。観客も臓器密売をテーマにした『共謀者』を見ながら、この時代の道徳不感症についてもう一回悩んでみて欲しい」と語った。
チェ・ダニエル、日本でファンミーティングを開催“韓流スターの仲間入り”
俳優チェ・ダニエルが日本でファンミーティングを開催し、韓流ブームに合流する。チェ・ダニエルの日本ファンミーティングは、17日にスポーツ韓国が報じた。同メディアはチェ・ダニエルの所属事務所のコメントを通じて「チェ・ダニエルが29日、日本の東京にあるヤクルトホールでファンミーティングを開催する」と報じた。チェ・ダニエルの日本ファンミーティングは日本で広がっている彼の人気を実感できるイベントでもある。チェ・ダニエルはMBCシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)「明日に向かってハイキック」、KBS 2TVドラマ「童顔美女」などが日本で数回放送され、人気が急上昇した。チェ・ダニエルは28日から10月1日まで日本に滞在し、ファンミーティングの他日本のメディアとのインタビューを行う予定だ。チェ・ダニエルは先月韓国で公開された映画「共謀者」が良い反響を得ている。現在はチョン・ジェヨン、キム・オクビンらと映画「AM 11:00」を撮影中だ。
「王になった男」イ・ビョンホン&「共謀者」イム・チャンジョン、スクリーンで“親友同士”の正面対決
芸能界の親友であるイ・ビョンホンとイム・チャンジョンが、スクリーンで運命的な正面対決をすることになった。イム・チャンジョンが主演した映画「共謀者」が8月29日に公開されている中、イ・ビョンホンの時代劇デビュー作「王になった男」が13日に公開される予定で、二人の演技と興行成績対決が避けられなくなった。当初、映画「王になった男」は20日に公開される予定だったが、イ・ビョンホンの海外スケジュールのため、一週間前倒しされた。それだけにイム・チャンジョンとのスクリーン競争日数が増え、運命的な対決を余儀なくされた。二人は、兄弟のように親しい間柄として芸能界で有名だ。イム・チャンジョンが1990年代初期、故郷である京畿道(キョンギド)利川(イチョン)から上京して演技や歌を習う間、イ・ビョンホンの家で共に暮らすほど親しい関係だった。また二人は、KBSドラマ「太陽が昇る日」で共演したこともある。彼らは1990年代後半、ソン・スンホンと共に「親友三銃士」という私的な集まりを作り、より関係が深まったことは当時芸能界で有名な話だ。特にソン・スンホンはイ・ビョンホンを手本として演技をした。また1997年にイ・ビョンホンやシム・ウナが主人公として出演したSBSドラマ「美しい彼女」では脇役として出演し、イ・ビョンホンと共演した。都市男のイメージを持っているイ・ビョンホンの初となる時代劇映画の挑戦で話題となっている「王になった男」は試写会後、マスコミと映画を見た観客たちの好評が相次いでいる。「王になった男」は朝鮮時代光海8年、毒殺危機に陥った王光海の代わりに偽王の役をすることになった賤民(センミン:最下層の階級の身分)のハソンが、王の代役になることから繰り広げられる話で、歴史から消えた15日間の隠された物語を描いた作品だ。イ・ビョンホンは朝鮮時代の王光海と賤民ハソンに扮して一人二役を披露し、これまで築いてきた演技力を爆発させる予定だ。特に試写会後、イ・ビョンホンの一人二役に観客からの好評が相次いでおり、公開後の興行成績にも期待が高まっている。従来のコミカルなイメージから脱し、演技変身に成功した「共謀者」のイム・チャンジョンも、演技力の高さで批評家や観客らから好評を受けている。8月29日に公開され、高い人気を集めている「共謀者」は、韓国と中国を行き来する旅客船で旅行者たちを対象に臓器を摘出し、組織的に売買する企業型犯罪集団の衝撃的な真実を描いた犯罪スリラーである。劇中のイム・チャンジョンは、臓器密売の現場総責任者ヨンギュ役を演じ、カリスマ性溢れる演技を披露した。コミカル俳優というイメージを持っていた彼が、既存のコミカルなイメージから抜け出し、男性美溢れる強い演技で大変身した姿は、公開前から高い注目を集めた。とりわけ、体重減量から、完璧な訛りを駆使するために1ヶ月間釜山で暮らしながら方言を習得したり、肋骨を骨折したまま、難易度の高いアクションシーンを見事にこなすなどの熱演をし、イム・チャンジョンの再発見という話を聞くようになった。演技でいえば、達人のような実力を持っているイ・ビョンホンと完璧な演技変身を見せたイム・チャンジョンが、今年の初冬から始まる各種映画祭の受賞式で主演男優賞候補として対決することも期待されている。
Vol.1 ― 「共謀者」チョ・ダルファン“絶対に逃せない命の糸…命がけでやった”
「共謀者」でヨンギュの右腕、ジュンシクを演じた俳優チョ・ダルファン俳優チョ・ダルファン(31)は2001年、ドラマ「ハニーハニー」でデビューし、その後、約20作品に出演した。端役や脇役として名前が挙がっている。11年間俳優として生きてきたが、現在のように彼の名前が話題になったことはなかった。そうそうたる作品を押さえ、映画「共謀者」が公開1週目で興行収入1位を記録した。イム・チャンジョンの演技や臓器密売というショッキングな題材、イム・チャンジョンを巡る周辺人物の演技もすべてが強烈で、しかも安定していた。チョ・ダルファンは映画でイム・チャンジョンの右腕である臓器密売の運搬担当、ジュンシクを演じた。ヨンギュ(イム・チャンジョン)の右腕に相応しく、兄貴に従う責任感はもちろん、ころころ変わる目つきや長い歳月を裏の世界で生きてきた荒々しい暴力性や怒りまで備えていた。映画の中でチョ・ダルファンは強烈な印象を残した。実はチョ・ダルファンは最初からジュンシク役ではなかった。当初はワンシーンだけの役だったが、監督の信頼を得て、はるかに役割の大きいジュンシク役にキャスティングされた。僕はリーディング俳優だった。ジュンシクを演じるまでは「僕は監督のリーディング俳優でした。6ヶ月間で『共謀者』の俳優30人分の台詞をすべて試してみました。1週間のうち6日間を監督と一緒に過ごし、1日3食を監督と一緒に食べました。スタッフのように給料を払うとおっしゃいましたが、僕は断りました。リーディング俳優とは、オーディションを受けるために来た俳優と台詞を読み合わせる俳優ですが、監督がシナリオを完成させる過程においても、リーディング俳優として台詞の読み合わせをよくしました」このように6ヶ月間、無給で監督のそばでリーディング俳優をしていたチョ・ダルファンは、ついに監督の信頼を得て、ジュンシクという大きな役にキャスティングされた。オーディションを受けるために来た人々をサポートするリーディング俳優ではなく、映画の中で大きな役割を担うジュンシク役を実際に演じることになったのだ。絶対に逃せないチャンスだったという。「入隊する前まではかなり収入がありました。一般のサラリーマンより多く稼ぎ、大学時代の借金も返済し、兄の学費にも当てました。それくらいの余裕はあったのですが、除隊後は、雰囲気がかなり変わっていました。僕に関心のある人はいませんでした。除隊してからの2年間での収入は500万ウォン(約35万円)にもなりません。本当にとても大変でしたね。『共謀者』は厳しい状況の中で、絶対に逃せない命の糸でした。命がけで準備しました」「演技が上手いことも重要だが、尊敬される人になりたい」「共謀者」の臓器密売の運搬担当であるジュンシクになるため、チョ・ダルファンはきれいな歯を荒く削り、体重を5kg落とした。あまりに白い肌も気になって、屋上でむやみに肌を焼いた。乱暴に生きてきたジュンシクを表現するため、外面的に表現できる、あらゆることを試したという。そうやってジュンシクの容姿を作り上げたが、映画の中ではジュンシクの過去のストーリーが出ないだけに、ジュンシクを理解するための設定や想像も必要だったはずだ。「ジュンシクは性的暴行のような犯罪もした人だと思いました。少年院に行った経験もあって、懲役も何年か受け、殺人も犯した人物として設定しました」イム・チャンジョンとは、映画「セックス イズ ゼロ」で共演したことがある。チョ・ダルファンは「すでに僕についてよく知ってらっしゃったので、よくリードしてくださった」と伝えた。各種ポータルサイトで数日間にわたって、検索語ランキングに上がり、話題の中心になっていた俳優チョ・ダルファン。「共謀者」は彼の俳優人生において最も大きなターニングポイントになるはずだ。今後、彼はどんな俳優になりたいのだろうか。彼は「演技が上手いのも重要だが、私生活でも尊敬されて、仲間の俳優、監督、スタッフからも尊敬される人になりたい」と話し、「キム・ガプス、ソン・ヒョンジュ、キム・イングォン先輩のように、人間的に優れた俳優になりたい」と感想を伝えた。Oh My Friend「共謀者」のキム・ホンソン監督チョ・ダルファンはOh My Friendとして「共謀者」を撮影したキム・ホンソン監督を選んだ。キム・ホンソン監督は、ドラマ「スタイル」「レディプレジデント~大物」「90日、愛する時間」などの作品に携わったが、映画は「共謀者」が初めてだ。「監督は最後まで僕を信じてくださった方です。完全に信頼してくださいました。『お前は最高だ』『お前は、俺が見た俳優の中で一番演技の上手い俳優だ』と、いつも褒めてくださいました。監督は兄であり、父であり、友達のような方です。演出の面ではとても直接的で、ディレクションが正確です。曖昧さがありません。現場で俳優たちとよく話し合いますが、監督の頭の中にはしっかりした枠組みがあります。勢いもありますね。ポジティブなパワーがすごい。良くない話が入ってきても、状況が悪いときでも『公開できる、信じるんだ』と話し、『良くない話には耳を貸さないで』というほど、ポジティブな考え方の持ち主です(笑)」
「共謀者」公開後、初の週末興行成績1位!75万人動員
俳優イム・チャンジョンの演技変身が引き立つ映画「共謀者」(監督:キム・ホンソン)が、公開後、初の週末興行成績ランキングで1位を獲得した。「共謀者」の共同配給会社であるタイムストーリーによると、本作は先月30日に公開して以来、31日から今月2日に続く初の週末興行成績で、累積観客数74万9172人(韓国映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワーク基準)を動員し、1位を記録したという。「共謀者」は、公開初日の興行成績でも1位を獲得し、期待を高めた。「共謀者」は、韓国と中国を行き来する旅客船で旅行者たちを対象に臓器を摘出し、組織的に売買する企業型犯罪集団の衝撃的な真実を描いた犯罪スリラーである。タイムストーリーは、「現在、映画振興委員会を含め、主要な映画館と前売りサイトでも圧倒的な前売り率を見せており、公開2週目にもさらに勢いを増していく予定だ」と期待を表した。
韓国の映画界には名助演俳優が必要!
今、忠武路(チュンムロ:韓国の映画界の代名詞)は名助演俳優たちの黄金期と言っても過言ではない。キム・ソンギュン、チョ・ジョンソクなど、新人俳優が助演としてデビューし、主演顔負けの存在感を放ってその名を馳せた。そして様々な作品に出演してきたが、あまり知られていなかったクァク・ドウォンやチョ・ダルファンのような俳優は一つの人気映画でターニングポイントを迎えた。さらに最近助演として活動してきた俳優たちが複数の主人公が登場する映画で堂々と主人公を務め、俳優として確固たる地位を築くなど、変化の風が吹いている。このように長い間無名あるいは観客の記憶から消えた俳優たちがその存在感を放って演技力を認められているのは良いことだが、残念なこともある。それは俳優不足がテレビドラマだけでなく、映画界でも起こっているということである。このような現象を端的に示すのが、オ・ダルス、ソン・ドンイル、コ・チャンソクである。これは40代俳優不足の現象に直結している。今年オ・ダルスは映画「10人の泥棒たち」「リターン・トゥ・ベース」「共謀者」「みにくいアヒルの子」に、ソン・ドンイルは映画「ミスGO」「追従の王」「風と共に去りぬ」に、そしてコ・チャンソクは映画「死体が帰ってきた」「ミスGO」「私は公務員だ」「追従の王」「風と共に去りぬ」に出演した。特にオ・ダルスは8月に自身の出演した4作が韓国で公開された。彼は映画「10人の泥棒たち」では控えめでどこか抜けているような泥棒アンドリュー役に扮し、映画「リターン・トゥ・ベース」では21戦闘飛行団の整備隊を率いるミン曹長を演じて観客の笑いを誘った。さらに8月29日に公開された映画「共謀者」では臓器の密売に加わって人の臓器を摘出する出張専門外科医ギョンジェ役を務め、最低の医師をリアルに表現した。一方、8月30日に公開された映画「みにくいアヒルの子」では知的障害を持つ父親だが、子供への純粋な愛は誰にも負けない人物を見事に演じきって観客に感動を与えた。もちろん演技派俳優の演技が沢山見られるのは良いことだが、言い換えればその役を演じることができる俳優が多くない。これと関連してある映画界の関係者は「最近、助演俳優の出演が重なっている。テレビでその演技力を認められた俳優たちが映画にも出演してほしい」と述べた。現在韓国の映画界には良い俳優が大勢いる。彼らは俳優としてその役割を見事に果たしている。しかし限られた俳優が様々な作品の様々なキャラクターを演じるのは無理があるのも事実である。今、韓国の映画界には名助演俳優が必要である。
「共謀者」残酷に心臓を剥ぎ取るこの男、でも“悪人”ではない?
「共謀者」生命軽視の風潮に警鐘を鳴らす話題作企業型臓器売買組織の実体を取り扱い、公開前から話題になっていた映画「共謀者」は予想していた通り残酷で恐ろしい。特に、2009年、ある週刊誌に報道された新婚夫婦の臓器密売の実話をベースに再構成したというストーリーはショックと同時に警鐘を鳴らす。2時間もの間、血生臭かった映画は、スタートも強烈なものであった。臓器密売組織の総責任者で最高の実力者とされるヨンギュ(イム・チャンジョン)は、作業途中のミスで同僚を失い、3年間臓器密売から手を引いていた。その後、密輸入を始めたヨンギュは増えていくばかりの借金に耐え切れず、最後に臓器密売をし、完全に手を引くことにする。彼が探している対象は、夫のサンホ(チェ・ダニエル)とともに中国行きの旅客船に乗ったチェヒ(チョン・ジユン)である。3年前に不慮の事故により下半身が麻痺した障がい者となった彼女は貴重な血液であるRH-Aの血液型を持っていた。彼女の心臓を狙ったヨンギュ一味は、チェヒを拉致し、サンホは行方が分からなくなった妻を探して旅客船を探しまわる。「共謀者」が言いたかった言葉は別にあった以前にも臓器売買の実体は、ウォンビン主演の映画「アジョシ」で取り上げられたことがある。「アジョシ」では凶悪な犯罪の被害者になる所だった幼い少女を救出する、ある男の武勇伝に臓器売買が題材となったのなら「共謀者」は臓器密売が映画の中心でありテーマである。確かに臓器密売組織の実体を告発することに集点を当てた映画だが、「共謀者」が衝撃的な題材や予想を超えるどんでん返しを通じて言いたかった言葉は別にあった。「モラル欠如の時代が生んだ生計型の悪人を通じて、逆説的に人間の尊厳を語りたかった」というキム・ホンソン監督の願いのように、映画は善悪が完全に変わってしまった残酷で現実的な設定を通じて、現代社会の根本的な弊害と問題点を提起する。3年前、同僚の死による良心の責任を感じ、これ以上臓器売買をしたくなかったヨンギュは、お金のために仕方なく再び臓器密売の総責任者となる。ここに発作症状を起こす父親を助けるために違法な臓器移植を受けようと、借金をして中国行きの旅客船に乗るユリ(チョ・ユニ)に対する恋心と3年前に死んだ同僚の妹と分かったチェヒとの縁が絡み、ヨンギュの悩みは深まるばかりだ。許せない明らかな悪人だが、映画は主人公ヨンギュを心まで売ってしまったチンピラではなかったと定める。むしろ、映画はヨンギュを悪魔にさせる暗い環境を集中的に表立って取り上げている。ここにヨンギュを再び臓器売買に引き入れたドンベ(シン・スンファン)と仲間や親友まで裏切るジュンシク(チョ・ダルファン)そして彼らの背後で全体的な作業を指揮する衝撃的な組織システムの中の悪人まで、彼らの姿は、彼らを怪人に変えてしまった非情な現実を振り返らせる。生命軽視風潮が蔓延し、人より金を優先する世の中を鋭く批判する「共謀者」は、衝撃的な題材や新人監督のデビュー作とは信じられないほどしっかりとした演出と完成度、そして俳優たちの好演により、19禁の残酷な犯罪サスペンスの限界を破り、観客の心を掴めるのかが注目されている。
「共謀者」イム・チャンジョン、ぞっとするほど見事な演技を披露!
映画「共謀者」(監督:キム・ホンソン)は韓国と中国を行き来する旅客船で繰り広げられる臓器密売という刺激的な素材を扱った映画である。劇中のシーンは衝撃的である。映画の設定からそうである。何も知らないまま中国へ向かう女性を拉致し、旅客船で臓器を摘出して売買することだけでも、観客は驚きを禁じえない。しかしさらに衝撃的なのはイム・チャンジョンの演技である。劇中のイム・チャンジョンは私たちが知っていたイム・チャンジョンではない。観客の笑いを誘った、明るい笑顔、心優しい彼の姿は見当たらない。どこか寂しげで傷ついたような眼差しに方言を使うイム・チャンジョンが存在しているだけだ。残虐な犯罪も厭わない臓器密売の現場総責任者ヨンギュ役を演じたイム・チャンジョンは、冷やかな眼差しでカリスマ性溢れる姿を披露する。彼は体重を減量してシャープなイメージで観客の視線を引き付けるスリラー映画の主人公となった。さらに、映画「共謀者」で他のどんなキャラクターよりも重要な人物であるサンホ役のチェ・ダニエルは、細かな設定と繊細な演技で観客から注目を集めた。臓器の密売に加わって人の臓器を摘出する出張専門外科医ギョンジェ役のオ・ダルスは、最低の医師をリアルに表現して観客の心を重たくする。これらは映画の暗い雰囲気を作り出すのに一役買った。イム・チャンジョンの他にも、注目すべき人物は摘出した臓器を運ぶチョ・ダルファンと拉致されたチェヒ役を演じたチョン・ジユンである。チョ・ダルファンは「共謀者」で観客の視線を引き付ける名助演俳優としてその存在感を放った。チョン・ジユンは初めて映画デビューしたにも関わらず、ルックス、安定した演技、露出シーンを熱演して忠武路(チュンムロ:韓国映画産業の中心地)を代表する新人女優の誕生を予感させた。このようなキャラクターは映画「共謀者」をさらにリアルに表現した。彼らを見ていると、私も犠牲者かも知れないという恐怖に震えてしまう。悔しいが患者は助かるからいいし、そのおかげで生活している人もいるから、臓器密売をするしかないというセリフをただ単に否定することはできない。映画「共謀者」は実際に起きた事件をモチーフにしているためより衝撃的である。劇中のキャラクターたちが生きていくために犯した犯罪であり、さらにほろ苦く感じる。緊張感が漂うストーリーとアクションシーンに付いていくと、映画のエンドロールで公開される衝撃的などんでん返しにほろ苦さを感じる。
「共謀者」チェ・ダニエル“マニアには朗報”
俳優チェ・ダニエルが、映画「共謀者」(監督:キム・ホンソン)を通じてイメージチェンジを試みた。チェ・ダニエルはこの映画で、従来のジェントルなイメージをかなぐり捨てた。もちろんスクリーンの彼は相変わらずジェントルだが、映画を全て見た後のチェ・ダニエルの姿は、俳優としての幅を一層広げた感じだ。実はこの映画のストーリーを引っ張る力は、チェ・ダニエルから出ている。観客は彼が必死になって妻を探すシーンで感情移入して、拉致されたチェ・ダニエルの妻が臓器摘出されることに怒りを感じる。この二つの感情は、観客を最後まで映画に没頭させる原動力になる。チェ・ダニエルが「共謀者」に出演することになったきっかけは、キム・ホンソン監督だった。チェ・ダニエルが受け取ったシナリオには、「チェ・ダニエルへ」という文句で書き出された手紙で埋め尽くされ、こんな監督の真心が一人の俳優を動かした。おかげで観客は、チェ・ダニエルという俳優の新しい一面を見ることができるようになった。チェ・ダニエルは、「監督がシナリオの章ごとに、『チェ・ダニエルへ』というように手紙を書いて渡した。内容も印象深かった。これほど真心を込める監督を見て、少なくとも『キャスティングした俳優やキャラクターを無駄にしないな』という気がした。そんな信頼から出演を決めた」と説明した。俳優と監督の信頼を土台に完成された映画は、観客を衝撃と恐怖に追いこむ。我々の予想よりもさらに残忍な現実が盛り込まれているからだ。チェ・ダニエルは、「実はこの映画には、直接臓器を取り出すシーンはない。残忍なシーンは多くない方だ。しかし雰囲気もちょっと陰気で、心理的に想像させる恐怖がある」と説明した。彼の言葉のように「共謀者」は残忍なようだが、臓器密売を扱ったR指定の映画という点で見た時、比較的残忍ではない。しかし、目の前で腹が切られて臓器が一つずつ取り出されるシーンがないとしても、「目の前にいる人が、この後あんな目に遭う」というのを予感させると、観客が感じる残忍さは倍増される。チェ・ダニエルは、「こんなジャンルが好きで見た人々は、『共謀者』を好きになるはず」と言いながら、「マニアたちには韓国にもこんなどんでん返しを秘めたスリラーがあるということが朗報だと思う」と言った。続けて「二時間をフィクションとして楽しんでくれたら嬉しい。実話をもとにしたが、モチーフにしただけのフィクションだ。イム・チャンジョン兄さんの変身、このごろ人気の『棚ぼたのあなた』のチョ・ユニさんのはつらつな姿よりはダークな面、オ・ダルス兄さんの全裸や、チョ・ダルファン兄さんの特別な姿など、映画の全体的な意外性に観点を置けば面白いだろう」と、映画の観覧ポイントを明らかにした。
「共謀者」チェ・ダニエル、イム・チャンジョンの熱狂的ファンであったことを告白
俳優チェ・ダニエルが、過去にイム・チャンジョンの熱狂的ファンであったことを告白した。歌手で俳優のイム・チャンジョンとチェ・ダニエルは、映画「共謀者」で出会った。チェ・ダニエルは「共謀者」で何の痕跡も残さず消えてしまった妻を捜すために奮闘する夫サンホ役を務め、イム・チャンジョンは臓器密売組織の現場総責任者であり、業界最高の実力の持ち主であるヨンギュというキャラクターを通じて強烈なカリスマを披露する。今まで韓国コメディ映画を代表する俳優として評価され、哀れみを感じさせる小市民を演じてきたイム・チャンジョンだったからこそ、彼が犯罪スリラー映画「共謀者」で真面目な演技をすることに懸念の声があったことも事実だ。これにチェ・ダニエルは最近行われたOSENとのインタビューで「(イム・)チャンジョンさんはコメディの要素を豊富に持っているキャラクターとして登場してきたけれど、初対面のときに見たチャンジョンさんは、コミカルな顔立ちではなかった」と初対面の印象について語った。また「チャンジョンさんが映画で面白い行動をいっぱいされるので、そういう風に見えないかも知れないけれど、とても聡明な目を持っている。タレント性の溢れる顔立ちだ。顔に今までの歳月の痕跡もたくさん付いているので、映画のキャラクターによく似合っていたと思う」と、俳優イム・チャンジョンの奥行きを賞賛した。普段のイム・チャンジョンに対してどう思っているのかを尋ねるとチェ・ダニエルは歌手イム・チャンジョンの熱狂的なファンだったと告白した。彼は「俳優としてのチャンジョンさんも好きだったけれど、歌手イム・チャンジョンが本当に好きだった。ファンだった。歌を覚えるほどだったし、カセットテープもかなり買っていた」と当時を思い返した。また「ファンとして好きだった方と、実際会って話をすることはとても不思議な感じだった。機会があれば、チャンジョンさんの歌をライブで聴いてみたいとも思ったけれど、さすがにそれは聞けなかった」と気恥ずかしげに笑った彼は「カラオケでチャンジョンさんの前で、本人の歌を歌いながらじゃれた」とエピソードを語った。イム・チャンジョンは来年の頭、歌手として復帰する予定だ。彼は最近OSENとのインタビューで「来年1、2月くらいにデジタルシングルをリリースする。早いテンポの曲一つと遅いテンポ一つだ。『イム・チャンジョン流のバラード』をお見せできると思う。また面白いダンスも踊る予定だ」と活動計画を明かしている。「共謀者」は韓国映画としては初めて企業型臓器密売の実態を本格的に取り上げた犯罪スリラーで、2009年にある新婚夫婦の妻が中国旅行の際に拉致され、2ヶ月後、臓器が全て無くなった状態で発見されたとう、衝撃的な事件をモチーフにしている。韓国で29日に封切られる。
「共謀者」イム・チャンジョン版スリラー、公開初日にボックスオフィス2位
俳優イム・チャンジョンが、コメディ俳優から離れ、スリラーに挑戦する「共謀者」が、公開初日にボックスオフィス2位にランクインした。30日、映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワークの集計結果によると、29日に公開された「共謀者」は、一日で9万7427人を集め、「隣人」に続いてボックスオフィス2位になった。「共謀者」は、臓器密売という素材の残忍な描写とオ・ダルスのベッドシーンなどが話題になっている。さらに、忠武路(チュンムロ:韓国映画産業の中心地)を代表するコメディ俳優であったイム・チャンジョンが、笑いを投げ捨て、臓器密売の現場総責任者ヨンギュに扮する。俳優としては絶好のチャンスであるが、映画が公開されるまでの紆余曲折もあった。イム・チャンジョンは最近行われたインタビューで、「私のせいで公開が難しい状況であれば、私をキャスティングしなくてもいいと監督に話した事がある」と明かした。好スタートを切った「共謀者」が、公開初日の勢いを続けていけるのか注目を集めている。1位の「隣人」は同じ日、10万6053人を動員し、累積観客数140万3614人を超えた。
Vol.2 ― 「共謀者」イム・チャンジョン“アドリブを入れたくて口がむずむずした”
イム・チャンジョンが、顔から笑いを消した。これまで観客の笑いを誘ってきた彼のことを考えると、意外だと言える。彼は、キム・ホンソン監督の犯罪スリラー映画「共謀者」で臓器密売組織現場の総責任者であり、最高の実力者でもあるヨンギュ役を演じ、冷静な悪人に扮した。彼が悪のかなりの部分を占めているだけに、映画の中で彼のコミカルな姿を期待したら、がっかりするかもしれない。それだけに、今回の映画は暗くて慎重な雰囲気の中で行なわれた。強い男性的なイメージを強調するために釜山方言まで駆使した。そのため、いくらアドリブの達人と言われるイム・チャンジョンだといっても、即興でアドリブを考えることは容易ではなかった。彼は、「口がむずむずした。この台詞の後にアドリブをしたいが、方言でしなければならなかったので、心の中でしかできなかった。アドリブは浮かんできたが、できなくて気が狂ってしまった。NGを出した後、どうすればいいのかと聞いてみた。その台詞を言おうとしても撮影現場で方言を学んだため、上手く表現できなかった。そして、監督さんが『なるべくアドリブをしないように』とおっしゃった。監督さんがヨンギュではなく、イム・チャンジョンの姿が見えるのを嫌った」と説明した。イム・チャンジョンは「共謀者」を撮影しながら、肉体的に辛い時間を過ごした。彼自ら「映画『南部軍』以来、こんなに肉体的に大変だったのは初めてだ」と打ち明けたほどだ。零下20度の厳しい寒さと戦わなければいけなかったし、肋骨を骨折したまま、難易度の高い自動車のアクションシーンを見事にこなした。また、心的な負担も彼を苦しめた。劇中、ヨンギュが釜山(プサン)の方言を使うため、1ヶ月間釜山で暮らしながら方言を習得したが、彼は満足できなかったのだ。イム・チャンジョンは、「方言は長い間、その地域で暮らしてきた人々の情緒が盛り込まれている。同じ抑揚で話しても、情緒まで代弁することはできないと思う。いくら頑張っても真似するだけで、その地域で暮らしている人にはなれない。これは演技者としてはいけない言い訳だが、努力をしなかったという話ではなく、その情緒を表すためには、長い間その地域で暮らしてみなければならないということだ」と大変さを打ち明けた。だが、こうした困難を乗り越えて誕生した「共謀者」は、彼に異なった世界を広げてくれた。コミカル俳優というイメージを払拭させただけではなく、スリラー映画にも合う俳優だという事実を証明してくれた。彼は、「いつかということに対する強迫観念はない。昔からスリラー映画が好きで、『共謀者』のような映画にも出演したかったが、『僕にこういう役を演じさせてください』ということではなかった。僕は待ち続ける。『いつか、その時になり、時間が経てば、僕にも変化というタイトルが付くだろう』『いつか、その時になると僕にも来るだろう』と思う。僕は仕事が与えられると、どんなことであれ自分の心を動かすことができるし、これを通じて人々の心を動かすことができるのならば、どんな本、どんなポジションでも頑張るだけだ」と語った。映画「共謀者」は、韓国と中国を行き来する旅客船で旅行者たちを対象に臓器を摘出し、組織的に売買する企業型犯罪集団の実態を描いた犯罪スリラー映画だ。イム・チャンジョンの他、チェ・ダニエル、オ・ダルス、チョ・ユニ、チョ・ダルファン、チョン・ジユンなどが出演した。韓国で29日に公開される予定だ。