オフィスの女王
記事一覧
2013年 韓国ドラマの5大ニュース…ありえないストーリーから予想外の大ヒットまで
2013年の韓国ドラマ市場は波乱の連続だった。議論も多く、事故も多かったドラマ市場は、マクチャン(日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる韓国特有のドラマ)議論から予想外のヒット作まで、様々な作品で視聴者たちから関心を受けた。2013年の一年間、ドラマの5大ニュースを調べてみた。マクチャンの終着地はどこ? 議論へと続く2013年には特にドラマが多くの議論を巻き起こした一年だった。特に必然性のないストーリーや極端な展開によってマクチャンという汚名を着せられたドラマが多かった。中でも、SBS「野王」、MBC「オーロラ姫」、KBS 2TV「王(ワン)家の家族たち」が主な作品として挙げられている。自身の成功のために義理の父親を殺害したチュ・ダヘ(スエ)は、「野王」をマクチャンにさせた根本的な人物だった。彼女は義理の父親を殺害し、愛するハリュ(クォン・サンウ)を共犯にさせ、再び自身の成功のため、夫のペク・ドフン(東方神起 ユンホ)を殺し、ファーストレディーを夢見る人物だった。この過程を見せているチュ・ダヘの悪行は極端に描かれ、多くの酷評を浴びた。2013年最高のマクチャンと呼ばれている「オーロラ姫」は、オ・デサン(ピョン・ヒボン)の幽体離脱を始め、登場人物の突然死など12名の俳優が次々と降板した。108拝(自己修養のために108回拝むこと)をすることで同性愛を解決し、「がん細胞も生命だ」という非常識なセリフと展開で、2013年最悪のドラマとして連日のように議論が巻き起こった。8月にスタートした「王(ワン)家の家族たち」は、とんでもない事件だらけだ。一人息子チェ・サンナム(ハン・ジュワン)のために嫁を選抜する嫁オーディションを開く父チェ・デセ(イ・ビョンジュン)、金持ちの女性と出会い金の味を知り、妻ワン・ホバク(イ・テラ)と「よっしゃ」と離婚する夫のホ・セダル(オ・マンソク)、浮気した夫の心を取り戻すために自作拉致劇を繰り広げる妻ワン・ホバクなど、刺激的な人物を描いたファミリードラマで悪評を受けているのが実情だ。韓流に続き、これからは日本ドラマが人気? リメイクドラマの成功SBS「その冬、風が吹く」「怪しい家政婦」、MBC「女王の教室」、KBS 2TV「オフィスの女王」。これらの共通点は日本のドラマをリメイクした作品であることだ。マニアから愛されていた日本のドラマが今、韓国の作品として再現される傾向にある。「その冬、風が吹く」は2002年に日本で大ヒットした「愛なんていらねえよ、夏」の韓国版で、一度映画でリメイクされたが大きな反響を得ることはできなかった。厚いマニア層を持つ脚本家ノ・ヒギョンとソン・ヘギョ、チョ・インソンが手を組み、韓国版ドラマとして変身した。「オフィスの女王」は職場で起きるエピソードを描いた全10話ドラマ「ハケンの品格」を全16話にリメイクし、キム・ヘスならではの主人公を誕生させミス・キムブームを呼び起こした。甲乙関係(上下関係)が社会問題として挙げられたタイミングと重なり、韓国の乙を癒したという評価を受けた。「女王の教室」は同名の日本ドラマを原作にしたドラマで、気難しくて冷たい女性教師が小学校の担任先生として赴任してから広がる、ある小学校クラスのいじめ、成績至上主義などのエピソードを描いた。子役たちの優れた演技力とコ・ヒョンジョンのカリスマ性は好評を得たが、それほど人気は得られなかった。先日最終回を迎えた「怪しい家政婦」は、歴代日本ドラマ視聴率第3位を記録した「家政婦のミタ」の韓国版で、放送序盤から「原作をコピーしただけだ」という議論が起きたが、視聴率2位を記録して終了した。映画だけではなくドラマにもいる! スクリーンの俳優たち、ドラマに復帰映画を通じて姿を見せてきた俳優たちがドラマに復帰し、その役割を充実にこなした一年だった。前述した「その冬、風が吹く」のソン・ヘギョ、チョ・インソンが5年、8年ぶりにドラマに復帰し、大成功した。「オフィスの女王」のキム・ヘスも3年ぶりにカムバックし、前作の不振を乗り越えて良い成績を挙げた。また、デビュー13年ぶりに初めてドラマに出演したMBC「馬医」のチョ・スンウもいる。全50話の大長征を繰り広げ、彼は「馬医」で「MBC演技大賞」の大賞を受賞した。彼らとは異なり、期待よりも低調な成績を挙げた俳優たちもいた。3年ぶりにドラマに復帰したソン・イェジンとキム・ナムギルの「サメ ~愛の黙示録~」は好評を受けたが視聴率はそれほど振るわなかった。そしてコ・ヒョンジョンも「女王の教室」で2010年以降久しぶりにドラマに出演したが、ヒットには失敗した。一方、チョン・ジヒョンはSBS「星から来たあなた」で14年ぶりのドラマ復帰を果たし、今後の活躍に期待が高まっている。ベテラン脚本家たちを緊張させた新人脚本家の反乱2013年には新人脚本家の躍進が目立った。特にKBSは「ドラマスペシャル」を通じて選抜された脚本家たちの予想を越えた活躍で、話に花を咲かせた。イ・ヒョンジュ、コ・ジョンウォン脚本家が共同執筆した「ゆれながら咲く花」は、いじめや校内暴力、墜落する教権、私教育のブームなど、韓国の学校が直面している現実的な問題を赤裸々に描き、好評を得た。また、ユン・ナンジュン脚本家(仮名)が執筆した「オフィスの女王」は日本のドラマのリメイク作品で放送前から多くの懸念を受けたが、独特のセリフとキム・ヘスの演技力で韓国にミス・キムブームを呼び起こした。先日最終回を迎えた「秘密」の脚本家ユ・ボラも、一般的な正統派恋愛ドラマを緻密な事件構成と緊張感のある展開で成功に導き、ベテラン脚本家たちを緊張させた。俳優イ・ジョンソクとイ・ボヨン、チョン・ウンインの存在感を際立たせたSBS水木ドラマ「君の声が聞こえる」を執筆した脚本家パク・ヘリョンも、この作品を通じてミニシリーズ(毎週連続で2日間に2話ずつ放送されるドラマ)に足を踏み入れた。この他にも「応答せよ1997」から「応答せよ1994」まで、連続でヒットさせた脚本家イ・ウジョン、「イニョン王妃の男」と「ナイン~9回の時間旅行~」を執筆した脚本家ソン・ジェジョンなどがいる。体感視聴率はもっと高い! 地上波を超えるケーブルドラマのブーム昨年から反響が尋常でなかったケーブルチャンネルと総合編成チャンネルが、2013年に入り本格的に恐ろしい勢いで浮上し、地上波ドラマまで脅した。2013年上半期の話題作は、tvNの「ナイン~9回の時間旅行~」だった。20年前に戻ることができる9本のお香を焚いて過去を変えるというタイムスリップは、しっかりしたストーリーと融合し、独特のジャンル的な特性を乗り越え、視聴者たちをナイン病に陥らせた。名不虚伝(名声や名誉が広く知られるのにはそれだけの理由があるという意味)脚本家キム・スヒョンとチョン・ウリョン監督が再び手を組んだJTBC「限りない愛」は視聴率10%台を記録し、同じ時間帯に地上波で放送されたドラマの視聴率まで超えた。特にイ・スンジェ、ユ・ドングン、キム・ヘスク、ソン・スンファン、オム・ジウォン、オ・ユナなど名俳優たちが大勢出演し、地上波とケーブル、総合編成チャンネルの境界を越えたという評価まで受けている。ここに、2013年下半期に最高の人気を誇っている「応答せよ1994」がこれらの後を続き、毎回のように最高視聴率を記録している。前編「応答せよ1997」に続き、90年代の郷愁を呼び起こし、視聴者を魅了した。
【KBS演技大賞候補】「オフィスの女王」キム・ヘス vs 「グッド・ドクター」チュウォン…栄光を勝ち取るのは誰?
2013年、KBSのドラマは全盛期と暗黒期を繰り返し、波乱の一年を送った。昨年の演技大賞では視聴率40%超のドラマ「棚ぼたのあなた」がキム・ナムジュの大賞受賞に続き7冠に輝くなど勢いを見せたが、今年は予想もしなかったドラマが人気を集めたり、むしろ期待が高かったドラマの成績が振るわず、悲喜こもごもとなった。そのうち、良い成績を上げた作品は「オフィスの女王」「グッド・ドクター」「秘密」などである。これらはユニークな題材にクオリティの高い脚本と優れた演出をもって高い評価を受けた。何よりも主演を務めたキム・ヘス、チュウォンらの抜群の演技力があったため、彼らの演技大賞受賞の可能性が高まる見込みである。◆論議にも屈しなかったヒロイン「オフィスの女王」キム・ヘスキム・ヘスの3年ぶりのドラマ復帰作「オフィスの女王」は、出だしは不調だった。放送開始を控え、論文盗作疑惑が浮上し、降板説まで飛び出したからである。しかし、彼女は屈することなく「オフィスの女王」を導き、抜群の演技力で論議のマイナスイメージを振り払い、「オフィスの女王」を同時間帯の視聴率1位に引き上げた。また、日本の原作との比較があったにもかかわらず人気を集めたのは、キム・ヘスの演技力のおかげである。彼女ならではの演技力で表現したミス・キムはミス・キムブームを呼び起こし、韓国の会社員たちを癒してくれた。◆視聴率製造機、「グッド・ドクター」チュウォン「グッド・ドクター」のチュウォンも、大賞の候補者として挙げられている。2010年「製パン王キム・タック」をはじめ、「烏鵲橋(オジャッキョ)の兄弟たち」「カクシタル」など次々と良い成績を上げ、KBSのヒーローになっているが、今年放送された「グッド・ドクター」も同時間帯1位を逃さず、好評を博した。サヴァン症候群を持った天才医師パク・シオンを完璧に表現したと評価され、多少難しく思われがちな医療ドラマというジャンルの特性を彼の天真爛漫な演技をもって童話のようなストーリーで打ち勝ち、幅広い年代の視聴者から愛された。◆抜群の演技力「サメ ~愛の黙示録~」キム・ナムギル、「剣と花」チェ・ミンス、「秘密」ファン・ジョンウム「サメ ~愛の黙示録~」のキム・ナムギルは3年ぶりにドラマに出演し、人に傷つけられ、愛する人の家族に復讐するハン・イス役を熱演した。細かい表現力とカリスマ性の溢れる眼差しを思う存分アピールし、ドラマの視聴率は振るわなかったにもかかわらず、彼の演技力だけは視聴者に強烈な印象を与えた。「剣と花」で存在だけでドラマの中心を捉えたチェ・ミンスも大賞候補として挙げられる。少ない台詞と最小限の動作にも、彼ならではの強烈な演技力を披露し、大きな存在感を見せた。ファン・ジョンウムも「秘密」を通じ、以前と比べて視聴者の評価が完全に変わるほどの熱演を披露した。愛する人に裏切られ、全てを失ったキャラクターに入り込み、多様な感情を表すシーンも自然に披露するなど、高い評価を受けた。
ソ・ジソブ、イ・ジュンギ、イ・ボヨン…今年最高のドラマ俳優は誰?本日「2013 APAN STAR AWARDS」で決定!
2013年テレビ界を輝かせた最高の俳優は誰だろうか?テレビドラマで最高の演技力を発揮した俳優を選ぶ「2013 APAN STAR AWARDS」(以下「APAN」)が本日(16日)、大田の忠南(チュンナム)大学チョンシムファホールで第2回の幕を開ける。今年は合計20の部門に分けて受賞が行われる。昨年11月1日から今年の9月30日まで、韓国の地上波、総合編成チャンネル、ケーブルチャンネルなどで放送された合計75本のドラマに出演した俳優が候補に上がった。彼らの中から大賞、最優秀演技賞、演技賞、新人賞などが選ばれる。ソン・ヘギョ、チョ・インソン、イ・ボヨン、コ・ス、キム・ヘス、スエなど約60人の俳優が善意の競争を繰り広げることになる。「韓国のエミー賞」とも呼ばれる「APAN」は公正な審査がベースとなる授賞式だ。昨年の初めての授賞式ではSBSドラマ「追跡者」のソン・ヒョンジュが大賞を受賞し、公正性が高く評価された。審査委員は文化評論家、脚本家、プロデューサー、記者など各分野の専門家で構成された。候補選定から受賞結果まで投票を経て、透明な結果を出すというのが目標だ。審査基準も演技力を最優先にし、ドラマ視聴率なども考慮する計画だ。「APAN」側は「私たちの授賞式は俳優の演技力とスター性、ドラマ視聴率などの成績を均等に反映し、審査する」とし、「韓国ドラマのプレゼンスに相応しい審査をする。視聴者らが受賞結果に共感できるようにする」と抱負を明かした。 今年の大賞は最優秀演技賞の候補の中から選定される。ソン・ヘギョ(「その冬、風が吹く」)、チョ・インソン(「その冬、風が吹く」)、コ・ス(「黄金の帝国」)、イ・ボヨン(「いとしのソヨン」「君の声が聞こえる」)、ソ・ジソブ(「主君の太陽」)、コン・ヒョジン(「主君の太陽」)、イ・ジュンギ(「TWO WEEKS」)、チュウォン(「グッド・ドクター」)、キム・ヘス(「オフィスの女王」)、スエ(「野王」)など10人の俳優たちが名前を挙げている状態だ。
Vol.5 ― 【TVキャラクターアワード】ソン・ジュンギからキム・ヘスまで…キャラにはまった俳優たち
「TVレポートキャラクターアワード99」はここ1年間、韓国で放送されたドラマを通してもっとも印象的なキャラクター99人を選定し、受賞するイベントで、毎年9月に発表します。計74本、1419人のキャラクター。昨年7月から今年7月までの1年間、地上派とケーブル及び総合編成チャンネルで放送されたドラマとキャラクターの数だ。見るものがないと言ってチャンネルを変えた瞬間が存在しないほど多くのドラマが放送され、多くの俳優たちが最善を尽くして熱演を繰り広げた。しかし、記憶に残っているドラマは指で数えられる程度であり、またそのドラマの中で視聴者に認識されたキャラクターも数えられるほどしかいない。数多くのドラマとキャラクターがお茶の間を訪ねたが、残念ながら鮮明に覚えられたドラマは多くない。特に、1419人のキャラクターのうち、視聴者に名前を刻み込んだ人物はさらに少ないだろう。そのため、選んでみた。TVレポートは創刊9周年を迎え、1年間に放送されたドラマの中の最高のキャラクター101人を選定する「第1回TVレポートキャラクターアワード99」を開催した。キャラクターとの最高の相性を発揮した俳優は果たして誰だろうか。彼らの中にはシリアスなキャラクターに出会って第2の人生を切り開いたり、格別な演技力で平凡なキャラクターを特別なものへと作り変えた俳優もいた。また、すべての条件を揃えて、キャスティングランキングでぐんと順位を上げた俳優もいる。俳優が自分にぴったりのキャラクターに出会ったとき、どんなことが起こるのだろうか。この1年間、キャラクターを通して逆転のチャンスを迎えた俳優たちをタイプ別に分けてみた。もともとイケてた?今はもっとイケてる!オ・ス(チョ・インソン)今年の春、もっとも若い男女の胸をときめかせたドラマはSBS「その冬、風が吹く」だと断言できる。毎日を意味もなく過ごす男オ・スと、目が見えない大企業の会長の一人娘オ・ヨン(ソン・ヘギョ)のラブストーリーは甘くも苦かった。個性的なキャラクターに二人の俳優の魅力が加わったとき、その相乗効果は凄まじかった。除隊後、主演にキャスティングされていた映画「クォン・ボブ(拳法)」の制作に問題が起こり、2年間のブランクがあったチョ・インソンは「その冬、風が吹く」をきっかけに人々に存在を再認識させた。特に、オ・スというキャラクターはチョ・インソンを俳優として世間に認識させた映画「卑劣な街」で見せたキャラクターと似ている。自分にぴったりのキャラクターに出会ったとき、俳優は輝く。チョ・インソンにとってオ・スはそんな存在だ。カン・マル(ソン・ジュンギ)2012年がキム・スヒョンの年だったとしたら、今年はソン・ジュンギの年だ。下半期を迎えた現在まで、彼の人気に立ち向かえる人はいない。軍人になってもその人気は有効だ。KBS 2TV「優しい男」は、ソン・ジュンギが注目すべき若手俳優から名実共にトップスターとなる、いわゆる決定打となったドラマである。世の中のすべての女性を誘惑できる魅力の持ち主だが、どこかさびしげなカン・マルの姿に女性たちは熱狂した。ソン・ジュンギはカン・マルの二面的な魅力を虚ろげな瞳で表現し、キャラクターに奥行きを持たせた。口では愛を語るも、目は冷たかった。ソン・ジュンギは単純な悪い男をオムファタール(魔性の男)へと作り上げた。ミス・キム(キム・ヘス)ミス・キムと対決を繰り広げたら、誰が勝つだろうか。スーパー契約社員が誕生した。今回の授賞式で1位に選ばれたキャラクターでもある。キャラクター自体が強烈でも、それを演じた俳優の努力を知らなくては話にならない。KBS 2TV「オフィスの女王」は日本のドラマをリメイクした作品で、韓国でも通じるのかどうか心配が先行した作品だった。しかし、フタを開けてみると全く状況は異なった。キム・ヘスは資格を100も持つミス・キムそのものだった。ミス・キムは契約社員だが、みんなから尊敬される。何を依頼してもすぐにやってのけるマジシャンのような存在であり、契約社員だが、プライドは天にも届きそうな勢いだ。上も下にも人がいない、ただ自分だけしか知らない個人的な人物である。キム・ヘスはミス・キムのユニークな話し方とジェスチャーを考案し、漫画のようなキャラクターに息を吹き込んだ。パク・スハ(イ・ジョンソク)1本のドラマから新たなスターが誕生するのは、最近の芸能界では夜空の星を掴むこと同じくらい難しいことだ。しかし、今年はそんなドラマが誕生した。SBS「君の声が聞こえる」のイ・ジョンソクがその主人公だ。認知度が高くてファンも多いが、スターと呼ぶには多少もの足りなかったイ・ジョンソクは、この作品で一躍スターとなった。相手の目を見れば気持ちを読み取ることができる少年パク・スハは、超人的な能力を持っているがモンスターのような存在ではない。一人の女性(しかもかなり年上)だけを想うパク・スハは母性本能をくすぐった。さらに、頼りになる余裕を持った男でもあり、年上の女性が好きになる条件をすべて兼ね揃えたのだ。モデルのようにスリムな体格に童顔で、意志が固く気前のいいイ・ジョンソク特有の雰囲気は、キャラクターの魅力を倍増させた。大当たり?キャラクター1つで大ヒットチェ・イニョク(イ・ソンミン)外科医のチェ・イニョク。今回の授賞式でミス・キムと僅差で2位に選ばれたキャラクターだ。金と権力に集中するほかの医師とは違い、患者の命を最優先する理想的な人物である。妥協を許さない意地っ張りだが、ヒューマニズムが生きているキャラクターで、視聴者の心を虜にして、メンター(良き指導者)を捜し求める現代人の渇きを解消してくれた。もちろん、イ・ソンミンの抜群の演技のおかげで共感することができたのだ。かつてイ・ソンミンはドラマキャスティング2、3位にも含まれない俳優のうちの一人だった。しかし、MBC「ゴールデンタイム」ですべてが変わった。単なる脇役だった彼は、このドラマをきっかけに主演クラスの俳優へと成長した。イ・ソンミンにとってチェ・イニョクは、宝くじに当たったようなプレゼントとなった。キャスティングの順位が上がったのはもちろん、出演料も大きく変わった。ミン・ジュングク(チョン・ウンイン)シットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)「3人の友達」以来、長い低迷期を送ったチョン・ウンインはSBS「君の声が聞こえる」を通じて第2の全盛期を迎えた。主人公であるパク・スハの父親を殺した殺人鬼のミン・ジュングク役で初めて悪役に挑戦した彼は、久しぶりに自身の経歴に色をつけることに成功した。さらに大きな収穫は、出演量よりも大きかった存在感である。すべての主人公たちの敵がミン・ジュングクであり、この設定のおかげでチョン・ウンインの存在感は一気に増した。「今度は何か見せる」という俳優本人の覚悟も実った。長い経歴に比べて、特別なヒット作がなかったチョン・ウンインは、このドラマで新たな人生を切り開き、次回作のMBC新月火ドラマ「奇皇后」でも悪役を演じる。もう一度人々に自分を知らしめるという覚悟だ。魅力がHOT!ダイヤの原石は?ユン・ユンジェ(ソ・イングク)、ソン・シウォン(Apink チョン・ウンジ)昨年の夏、レトロに染まったブラウン管を覚えているだろうか。tvN「応答せよ1997」の人気は一大ブームに近かった。1990年代H.O.T.、SECHSKIES(ジェクスキス)などアイドルに熱狂していた高校生たちの物語は、深いノスタルジーを呼び起こした。特に、二人の主人公ソン・シウォンとユン・ユンジェは、視聴者たちをまるで自分の過去を見ているかのような気持ちにさせた。「応答せよ1997」は、アイドル歌手であるソ・イングクとチョン・ウンジが俳優として認められる決定的なきっかけになった作品でもある。Mnetオーディション番組「SUPER STAR K」出身というレッテルを剥がせずにいたソ・イングクはそのイメージから抜け出し、チョン・ウンジは演技力を評価されることに成功した。現在、二人とも地上派のミニシリーズ(毎週連続で2日間に2話ずつ放送されるドラマ)で主演または助演クラスの俳優として活躍している。ク・ウォルリョン(チェ・ジニョク)たった一本の作品で名前を知らせた。MBC「九家の書」で人間ではない智異(チリ)山の守護神ク・ウォルリョン役を演じたチェ・ジンヒョクは、デビュー8年目にして初めて検索ワードランキングで1位になった。これこそがドラマの力であると彼自身が一番実感したことだろう。ク・ウォルリョンは愛する人間の女性ユン・ソファ(イ・ヨニ)のために神であることを諦め、人間になろうとするキャラクターである。人間の姿をしているが、神としての威厳を保たなければならなかった。その点でク・ウォルリョンはまるでチェ・ジニョクのために作られたキャラクターのようだった。高い身長と広い肩、低音で響く彼の声は守護神のク・ウォルリョンと非常にシンクロ率が高かった。チェ・ジニョクは人々にこのキャラクターをきっかけにして確実に認識された。小さな脇役でさえ激しい競争が繰り広げられるキム・ウンスク脚本家の新作であるSBS新水木ドラマ「王冠を被ろうとする者、その重さに耐えろ-相続者たち」にキャスティングされるという幸運を手に入れた。ク・ウォルリョンくらいにキャラクターが良ければ、スターダムを駆け上がることは確実ではないだろうか。
Vol.4 ― 【TVキャラクターアワード】人気ドラマにはこんなキャラクターが必ずいる!
「TVレポートキャラクターアワード99」は、ここ1年間韓国で放送されたドラマの中から最も印象的だったキャラクター99人を選定しランク付けするイベントで、毎年9月に発表される。芸能専門メディアTVレポートは創立9周年を迎え、この1年間(2012年7月~2013年7月)で放送されたドラマの中から特に印象的だったキャラクターを選定し、1~99位にランク付けした。この1年の間に数多くのドラマが誕生し、お茶の間を沸かせた。ラブストーリー、ホームドラマ、スリラーなどジャンルも豊富で、選ぶ楽しさも提供した。ジャンルが変化したためキャラクターも多様化した。これはドラマへの注目度を高めるだけでなく、視聴者をテレビの前に集めるための大きな原動力として作用した。視聴者を泣かせ、笑わせてくれた作品に登場するキャラクターたちの特徴を探ってみる。◆追いつけるものなら追いついてみて個性的なキャラクター今回はとりわけ個性的なキャラクターが多かった。一人でドラマを引っ張っていたといっても過言ではないほどだった。そこに俳優たちの熱演が加わり、世界で二つとないキャラクターに生まれ変わった。KBS 2TV「オフィスの女王」のミス・キム(キム・ヘス)は最高のキャラクターだった。このほかMBC「ゴールデンタイム」のチェ・イニョク(イ・ソンミン)、SBS「野王」のチュ・ダヘ(スエ)、そしてMBC「女王の教室」のマ・ヨジン(コ・ヒョンジョン)も周りの人物を圧倒するカリスマ性溢れる演技が好評を博した。ドラマのタイトルを聞いただけでこのキャラクターを思い出すほどである。tvN「ナイン~9回の時間旅行~」のパク・ソヌ(イ・ジヌク)も同様だ。悪役の頂点を走り抜けたMBC「オ・ジャリョンが行く」のチン・ヨンソク(チン・テヒョン)と、男女の間を行き来してコミカル演技の真髄を見せたKBS 2TV「ウララ・カップル」のコ・スナム(シン・ヒョンジュン)、非の打ちどころの無い魅力の持ち主であるSBS「その冬、風が吹く」のオ・ス(チョ・インソン)、それにSBS「おバカちゃん注意報」に登場する世界中探してもどこにもいないような優しいコン・ジュンスも欠かせない。◆主人公を羨ましく思えない強烈な存在感いわゆる強烈な存在感をもつキャラクターたちの活躍はいつになく豊富だった。凄まじい存在感のあるキャラクターは、比重は高くないながらもドラマになくてはならない存在だ。主人公たちを圧倒する彼らの登場は、毎回待ち遠しくなるシーンの一つだ。中でもSBS「君の声がきこえる」のミン・ジュングク(チョン・ウンイン)はとりわけ話題に上った。温厚な微笑みを浮かべながらも、主人公を威嚇する恐ろしい人物に変貌し、極端から極端に走った。さらには胸を締め付けるような過去まで判明し、憎めないキャラクターとなった。SBS「その冬、風が吹く」のチョ・ムチョル(キム・テウ)は特別出演でありながら、存在感だけは誰よりも強烈だった。同様にSBS「チャン・オクチョン」のチャン・ヒョン(ソン・ドンイル)も主人公以上に愛された。そしてMBC「九家の書」のク・ウォルリョン(チェ・ジニョク)は、ドラマに再登場するという異色の記録まで残した。また、MBC「オーロラ姫」のトクデは、ペットの犬であるにもかかわらず主人公に負けないほど活躍した。◆これ以上有り触れたキャラクターはいない片思いのキャラクターどの作品にも片思いという設定はほぼ欠かさず登場する。キャラクターの切ない恋が、より一層視聴者の感情に訴えるからだ。片思いの葛藤を描いたり、胸が痛くなるシーンを演出したりする。SBS「君の声が聞こえる」のパク・スハ(イ・ジョンソク)は、初恋のチャン・ヘソン(イ・ボヨン)に対し純粋で切ない気持ちを見せ、女性視聴者の心をわしづかみにした。一人の女性だけを見守る一途な心が視聴者に通じたのだ。最終的には片思いを実らせ、チャン・ヘソンと恋人関係に発展した。そしてtvN「応答せよ1997」のユン・ユンジェ(ソ・イングク)は、ソン・シウォン(Apink チョン・ウンジ)を見守る足長おじさんとなり、彼女の心を得た。SBS「私の10年の秘密」のホン・ギョンドゥ(ユ・ジュンサン)も愉快で真面目なチョン・イヒョン(ソン・ユリ)を描き、思い続けた結果、振り向いてもらうことに成功した。他にも、tvN「となりの美男<イケメン>」のエンリケ・グム(ユン・シユン)と、MBC「会いたい(ポゴシッタ)」のカン・ヒョンジュン(ユ・スンホ)も初恋の代名詞として挙げられる。◆見れば見るほど惹かれる男×男カップル男性同士のカップルは、いつの間にか一つのトレンドとなった。各授賞式で彼らは賞を受賞したりもする。男女の間なら不可能であろう奇妙な関係を形成し、視聴者から応援されている。KBS 2TV「ゆれながら咲く花」コ・ナムスン(イ・ジョンソク)とパク・フンス(キム・ウビン)は、熱い友情を分かち合う姿が視聴者から支持された。過去に辛い出来事があってもお互いを許し合い、和解する男性カップルの姿が描かれ、ここにさらに問題児のオ・ジョンホ(クァク・ジョンウク)も加わった。SBS「私の恋愛のすべて」のキム・スヨン(シン・ハギュン)とキム・サンス(チン・テヒョン)は、国会議員と補佐官であるが、ゴタゴタしたコミカルなシーンを演出し、大きな笑いを誘った。KBS 2TV「一抹の純情」のチョン・ウソン(キム・テフン)とハ・ジョンウ(イ・フン)は仲のいい先輩・後輩だが、時には恋のライバルと協力者を行き来する奇妙な関係を築いた。KBS 2TV「オフィスの女王」のチャン・ギュジク(オ・ジホ)とム・ジョンハン(イ・ヒジュン)、tvN「青い巨塔」の新兵(イ・ヨンジュ)と上等兵(キム・ホチャン)もそれぞれ男性カップルの姿を描いた。このようにドラマによって異なるが、似たようなタイプのキャラクターが多かった。そして視聴者から愛され記憶に残るキャラクターも多数生まれた。今後もまた、どのようなキャラクターがお茶の間の目と耳を楽しませるか、注目が集まる。
Vol.2 ― 【TVキャラクターアワード】プロデューサーと俳優が考える“良いキャラクター”とは?
「TVレポートキャラクターアワード99」は、ここ1年間に韓国で放送されたドラマを通して、最も印象的なキャラクター99名を選定し授賞するイベントで、毎年9月に発表する。芸能専門メディアTVレポートは、創立9周年を迎え、ここ1年間(2012年7月~2013年7月)韓国で放送されたドラマの中から最も印象的だったキャラクターを選定し、1~99位にまとめた。今年はKBS 2TV「オフィスの女王」のミス・キム(キム・ヘス)とMBC「ゴールデンタイム」のチェ・イニョク(イ・ソンミン)がそれぞれ栄光の1位、2位を手にした。続いてSBS「君の声が聞こえる」のミン・ジュングク(チョン・ウンイン)、MBC「百年の遺産」のパン・ヨンジャ(パク・ウォンスク)、SBS「その冬、風が吹く」のチョ・ムチョル(キム・テウ)、tvN「ナイン~9回の時間旅行~」のパク・ソヌ(イ・ジヌク)、KBS 2TV「優しい男」のカン・マル(ソン・ジュンギ)、MBC「九家の書」のチョ・グァヌン(イ・ソンジェ)、SBS「野王」のチュ・ダヘ(スエ)、SBS「君の声が聞こえる」のパク・スハ(イ・ジョンソク)がキャラクターべスト2~10位にランクインした。今回の調査で注目すべき点は、ベスト10以内で悪役(ミン・ジュングク、パン・ヨンジャ、チョ・グァヌン、チュ・ダヘ)が圧倒的な割合を占めたことだ。その他、イケメンキャラクター(カン・マル、パク・スハ)とユニークなキャラクター(ミス・キム、パク・ソヌ、パク・スハ)もたくさんの支持を受けた。だとすると、ドラマの持ち味を生かす良いキャラクターとは、どのようなキャラクターを指し、俳優たちが演技したいと思うキャラクターとは何だろうか。ドラマプロデューサーと俳優、俳優側の関係者を通して良いキャラクターの条件をまとめてみた。ドラマのプロデューサーたちは「共感はできないが典型的ではない立体的なキャラクター」「ストーリーに命を吹き込みながら衝突し合い、それを意欲的に解決していくキャラクター」などを良いキャラクターとしてあげた。この場合も主演と助演に差があるのが特徴だ。助演は主役を引き立てながら存在感を放つキャラクター、主演はドラマの中心となって物語の性質を強く表現するキャラクターが良いキャラクターだとプロデューサーたちは口を揃えた。あるドラマプロデューサーは「良いキャラクターを生み出すためには、まず良いシナリオと、その次に俳優の良い演技が必要だ。演出の役割はそこまでだ。いくら良いキャラクターでも俳優がそれを生かせなければ終わりだ」と俳優の演技とキャラクターとの関連性について説明した。他のドラマプロデューサーも「どの俳優を起用するかによってキャラクターが明らかに異なる。だからどんなに大変でもキャスティングには慎重にならざるを得ない」とキャスティングの重要性を強調した。このプロデューサーは、特に主人公とライバル関係にある悪役が良いドラマの必須条件だとし「主人公のキャラクターがどんなにかっこよくても、対立する悪役の印象が弱いとドラマの内容が豊かになりにくい。悪役が強く絶大で複雑なほどドラマが盛り上がる」と説明した。良いキャラクターを演じる俳優については「頭ではなく、心で演じることのできる感情豊かな役者」「ドラマと役に対する情熱が大きく、頭のてっ辺からつま先、魂まで役になりきる覚悟のある役者」などの意見があがった。また、俳優たちが実際に演技したいと思う役は今まで演じたことのない個性的な役とありふれてはいるが、違う風に解釈する余地のある役に意見が分かれた。前者はクリエイティブな俳優たちの挑戦意欲をかき立て、後者は演技力を確実に披露できるチャンスになるからだ。ある俳優専門マネジメントの関係者は「俳優たちが一番避けようとする役は存在感のない役だ。視聴者に強烈な印象を与えることができれば、登場回数はそれほど重要ではない」とし「悪口を言われても多くの俳優たちが悪役を演じたがる理由もこれと同じだ。悪役はその分存在感があり、自身のすべてを見せることができるので俳優たちが好む」と説明した。これに関してあるドラマプロデューサーは「ソン・ガンホ、チョ・ジョンソクなど、抜群の演技で注目を浴びた俳優たちは、無名時代に注目をあびた名シーンを一つは持っているという共通点がある。多くの俳優が出番の数よりワンシーンでもいいから役者として強くアピールできる役を好むのはそのような理由からだと思う」と話した。その一方で、今回キャラクターアワードのベスト10に名前があがった俳優の所属事務所関係者は「俳優によって違うし、状況によって異なる場合が多いが、うちの俳優はキャラクターよりはシナリオの全体的な完成度を見て判断する方だ。今回の作品はまずシナリオが面白かったし、キャラクターが多少目立っていても作品に上手く溶け込めると判断して出演した」と伝えた。
Vol.1 ― 【TVキャラクターアワード】韓国版「ハケンの品格」キム・ヘスがキャラクターBEST1位を獲得(総合)
「TVレポートキャラクターアワード99」は、ここ1年間に韓国で放送されたドラマを通して、最も印象的なキャラクター99名を選定し授賞するイベントで、毎年9月に発表する。毎年年末に開かれる授賞式をスターの宴と呼ぶ。ドラマあるいは映画の主人公たちの祭りになりかねない。それに授賞式に出席するかどうかや放送局の利害関係などによって受賞者が変わる場合もある。あまりにも多い共同受賞者が出るなど、公正性を失った授賞式に関連した噂がはびこっている。芸能専門メディアTVレポートは、創立9周年を記念しこのような問題点を認識したうえで、有意義な授賞式を準備した。「第1回TVレポートキャラクターアワード99」だ。専門的かつ深みのある放送レビュー記事を初めて披露したTVレポートは、その正統性を活かしてここ1年間KBS、MBC、SBS、ケーブルチャンネル(tvN、OCN、Mnet、tvNなど)、総合編成チャンネル(JTBC、TVCHOSUN、CHANNEL A、MBN)のドラマの中で最も印象的なキャラクターを演じた俳優を選定し、毎年授賞することにした。「第1回TVレポートキャラクターアワード99」には多様かつ専門的な視覚を持つ自社編集局と業界従事者が投票者として参加した。対象となる作品は8月の第2週から9月の第1週までにここ1年間(2012年7月~2013年7月)放送されたドラマで、キャラクター分類、投票作業を経て最も高い点数を記録したキャラクターを1位から99位までまとめた。参考:KBSは合計18編(以下、月火、水木、毎日、週末、シットコムを含めた基準)で約415名(以下、カメオを除いた人員基準)のキャラクターを、MBCは合計15編の作品で約317名のキャラクターを、SBSは合計19編の作品で約387名のキャラクターを、CJと総合編成チャンネルは合計22編の作品で約300名のキャラクターをそれぞれ輩出した。ここ1年間に放送されたドラマは全部で74編、これらが排出したキャラクターは約1419名だという結論を出すことができる。キャラクターBEST10、栄光の1位は全知全能ミス・キム約1419名のキャラクターのうち、1位に選ばれたのはKBS 2TV「オフィスの女王」(脚本:ユン・ナンジュン、演出:チョン・チャングン、ノ・サンフン/16部作/2013.4.1~2013.5.21/最高視聴率14.6%、ニールセン・コリア集計全国基準)のミス・キム(キム・ヘス)だ。「今までこのように頭からつま先まですべてが独特なキャラクターはなかった」というのが回答者たちのミス・キムを選んだ主な理由だ。3ヶ月間勤務する契約社員としてY-Jangグループに採用されたミス・キムは、正社員が恥ずかしくなるほど数多くの資格と優れた業務能力を持つスーパー派遣社員だ。ヘアゴムできれいに結んだヘアスタイル、暗い系統のパンツスーツ姿、黒い書類バックなど、ミス・キムの出勤服は彼女のトレードマークだ。これにキム・ヘスの演技が完璧に調和し、最も印象的なキャラクターを作り出した。わずかな差で2位となったキャラクターはMBC月火ドラマ「ゴールデンタイム」(脚本:チェ・ヒラ、演出:クォン・ソクチャン、イ・ユンジョン/23部作/2012.7.9~2012.9.25/最高視聴率15.5%、ニールセン・コリア集計全国基準)のチェ・イニョク(イ・ソンミン)だ。チェ・イニョクは重症外傷患者を受け入れて手術する、国内でも数少ない医師だ。権力争いに偏る他の医師と違って、患者の命を最優先に考える、理想的な医師のキャラクターだった。本分を大事にし、根気ある性格が彼の魅力として挙げられた。また、イ・ソンミンの好演のおかげで医療界だけでなく、すべての人が手本にすることができる、正義感溢れる人間的な人物だという評価を受けた。ベストキャラクター3位はSBS水木ドラマ「君の声が聞こえる」(脚本:パク・ヘリョン、演出:チョ・スウォン/18部作/2013.6.5~2013.8.1/最高視聴率24.1%、ニールセン・コリア集計全国基準)の殺人鬼ミン・ジュングク(チョン・ウンイン)が獲得した。「君の声が聞こえる」はファンタジー、ロマンス、コミック、スリラーなどが混ざった複合ジャンルドラマで、緊張感を高める悪役を演じたミン・ジュングクは視聴者の没入度を高めることに一役買った。「殺すぞ」などの強烈なセリフで視線を捉えたのはもちろん、最後まで二重的な態度を見せて緊張感を高めた。また悪行を行うしかなかった事情で訳ありキャラクターに仕上げた。ミン・ジュングクのキャラクターをより立体的なものにしたチョン・ウンインのリアルな表情演技や扮装も注目を浴びた。キャラクターを生かすことにおいて、悪役ほど強い一発はない。ミン・ジュングクの他にも半分に近い悪役がキャラクターベスト10にランクインしたのはこの事実を裏付ける。キャラクターベスト4位はMBC週末ドラマ「百年の遺産」(脚本:ク・ヒョンスク、演出:チュ・ソンウ/50部作/2013.1.5~2013.6.23/最高視聴率30.3%、ニールセン・コリア集計全国基準)のパン・ヨンジャ(パク・ウォンスク)が獲得した。パン・ヨンジャは息子と嫁を離婚させるために嫁を精神病院に入院させ、暴行を加えるなど、最強の怖い姑の姿を見せた。やぶから棒で勝手な悪役だったが、憎めない可愛い面もあり、視聴者に愛された。「百年の遺産」の中の悪役を一人で引き受け、視聴率けん引の一番の貢献者となった。絶対悪女として視聴者に憎まれたSBS月火ドラマ「野王」(脚本:イ・ヒミョン、演出:チョ・ヨングァン/24部作/2013.1.14~2013.4.2/最高視聴率25.8%、ニールセン・コリア集計全国基準)のチュ・ダヘ(スエ)はキャラクターベスト8位となった。チュ・ダヘは身分の上昇のため、愛したハリュ(クォン・サンウ)と娘(パク・ミンハ)を捨てたひどい人物。貧しさから抜け出した後、どん底に落ちないために嘘と裏切りを躊躇なく繰り返した。視聴者はチュ・ダヘの悪行がどこまで続くかを知りたがりながら見守った。現実にはありえそうもないキャラクターであるため共感を得ることはできなかったものの、スエの強烈な演技は視線を捉えた。彼女が笑っていても鳥肌が立つという評価が多かった。MBC月火ドラマ「九家の書」(脚本:カン・ウンギョン、演出:シン・ウチョル、キム・ジョンヒョン/24部作/2013.4.8~2013.6.25/最高視聴率19.5%、ニールセン・コリア集計全国基準)のチョ・グァヌン(イ・ソンジェ)がキャラクターベスト10位に名を挙げた。チョ・グァヌンは成功や出世のためならなりふり構わないキャラクターだ。他の悪役には一抹の同情心を感じるところが少しでもある一方、チョ・グァヌンは絶対悪の象徴であるためむしろ魅力的だった。舌を巻くほど非人間的だった。良心の呵責はまったくない朝鮮版サイコパスだ。悲劇的なキャラクターも支持を受けた。SBS水木ドラマ「その冬、風が吹く」(脚本:ノ・ヒギョン、演出:キム・ギュテ/16部作/2013.2.13~2013.4.3/最高視聴率15.8%、ニールセン・コリア集計全国基準)のチョ・ムチョル(キム・テウ)がキャラクターベスト5位、tvN「ナイン~9回の時間旅行~」(脚本:ソン・ジェジョン、キム・ユンジュ、演出:キム・ビョンス/20部作/2013.03.11~2013.05.14/最高視聴率1.95087%、ニールセン・コリア集計ケーブル加入世帯基準)のパク・ソヌ(イ・ジヌク)が6位となった。チョ・ムチョルは主名公オ・ス(チョ・インソン)を脅かしながら劇の緊張感をピークに引き上げた人物。しかし初恋の女性がオ・スのせいで死ぬところを目撃したという悲しい事情を持つ、訳ありの悪役として視聴者の感性を刺激した。また後半になるにつれてオ・スを殺すかも知れない悪役からオ・スを見守る兄貴に変化し、憎めないキャラクターになった。特にキム・テウのカリスマ性溢れる低い声と強烈な表情演技がチョ・ムチョルというキャラクターをより生かしたという評価を受けている。パク・ソヌは自身と家族、恋人を守らなければならないという義務感で時間旅行を続けた人物だ。不幸を巻き起こしたものの、彼の時間旅行は誰もが共感できる名分から始まった。時間旅行者を演じたイ・ジヌクは深みのある、抑え目の感情演技で視聴者を虜にした。愛と悲しみ、絶望と憤り、苦悩などの様々な感情を眼差しで表現した。骨を惜しまないアクション演技も際立った。イケメンキャラクターは20~30代女性視聴者の絶対的な支持を受ける。7位となったKBS 2TV水木ドラマ「優しい男」(脚本:イ・ギョンヒ、演出:キム・ジンウォン、イ・ナジョン/20部作/2012.9.12~2012.11.15/最高視聴率18.3%、ニールセン・コリア集計全国基準)のカン・マル(ソン・ジュンギ)と9位を獲得した「九家の書」のク・ウォルリョン(チェ・ジニョク)は女性視聴者をときめかせたイケメンキャラクターだ。カン・マルは「優しい男」で最も変化が多く、悲劇性が強い人物だ。彼は初恋の女性を守るために医師の夢を諦め、殺人者になった。自身を裏切った初恋の女性に復讐をすればするほどむしろ傷つくカン・マルの姿は母性愛を刺激した。映画「私のオオカミ少年」の大ブレイクで株を上げているイケメン俳優ソン・ジュンギは、カン・マルに高いはまり具合を見せドラマの成功をけん引した。ク・ウォルリョンは神獣だが、人間であるユン・ソファ(イ・ヨニ)への純愛でギャップのある魅力をアピールした。千年悪鬼になった後もソファに対する彼の恋心は変わらなかった。特にク・ウォルリョンを演じたチェ・ジニョクのキャスティングは神の一手と呼ばれるほど完璧だった。鋭さと温かさを行き来する彼の演技は全国をウォルリョンアリ(ウォルリョンに夢中)に陥らせた。チェ・ジニョクは「九家の書」を通じてスターに浮上し、来月9日にスタートするキム・ウンスク脚本家のドラマSBS「王冠を被ろうとする者、その重さに耐えろ-相続者たち」にもキャスティングされた。KBSドラマ3編が最高視聴率1、2、3位にランクイン調査の結果、KBSが26名(月火ドラマ13名、水木ドラマ4名、毎日ドラマ1名、週末ドラマ6名、シットコム2名)でキャラクターベスト99ランキングの中に最も多くキャラクターをランクインさせた。その次にわずかな差でMBCが25名(月火ドラマ6名、水木ドラマ6名、毎日ドラマ5名、週末ドラマ8名)、SBSが23名(月火ドラマ3名、水木ドラマ9名、毎日ドラマ3名、週末ドラマ8名)、ケーブルチャンネルが20名、総合編成チャンネルが5名をランクインさせた。地上波放送局の場合は、連続ドラマより短くても強烈なミニシリーズ(毎週連続で2日間に2話ずつ放送されるドラマ)が良いキャラクターを多く排出し、編成方式が地上波とは違うCJや総合編成チャンネルのドラマはジャンル別にキャラクターにも差を見せた。総合編成チャンネルの場合は、2011年に発足したJTBCドラマのキャラクターだけがキャラクターベスト99ランキングに名を挙げた。今年、地上波とケーブルチャンネル、総合編成チャンネルを合わせて最も高い視聴率はKBS 2TV週末ドラマ「いとしのソヨン」(脚本:ソ・ヒョンギョン、演出:ユ・ヒョンギ/50部作/2012.9.15~013.3.3/最高視聴率47.6%、ニールセン・コリア集計全国基準)が記録した。続いてKBS 1TV毎日ドラマ「がんばれ、ミスターキム!」(脚本:チョ・ジョンジュ、演出:キム・ジョンヨン/124部作/2012.11.5~2013.4.26/最高視聴率30.8%、ニールセン・コリア集計全国基準)とKBS 2TV週末ドラマ「最高です!スンシンちゃん」(脚本:チョン・ユギョン、演出:ユン・ソンシク/50部作/2013.3.9~2013.8.25/最高視聴率30.8%、ニールセン・コリア集計全国基準)が共同2位となった。これでKBSは今年のドラマ最高視聴率ランキングの上位に合計3編を挙げた。最多キャラクター輩出ドラマ「オフィスの女王」今年のキャラクターベスト99ランキングに最も多いキャラクターをランクインさせたドラマはどんな作品なのか。調査の結果、ミス・キムをはじめとする5名のキャラクターを出した「オフィスの女王」が1位となった。ミス・キムのほかに、チャン・ギュジク(オ・ジホ、42位)、コ・ジョンド(キム・ギチョン、62位)、チョン・ジュリ(チョン・ユミ、60位)、ム・ジョンハン(イ・ヒジュン、73位)が良いキャラクターに選ばれた。最多キャラクター輩出ドラマ2位はそれぞれ4名ずつ選ばれた「九家の書」(ク・ウォルリョン9位、チョ・グァヌン10位、チェ・ガンチ(イ・スンギ)31位、タム・ヨウル(miss A スジ)38位)、「いとしのソヨン」(イ・サムジェ(チョン・ホジン)12位、イ・ソヨン(イ・ボヨン)16位、チャ・ジソン(キム・ヘオク)28位、チェ・ホジョン(チェ・ユニョン)52位)、「君の声が聞こえる」(ミン・ジュングク、パク・スハ(イ・ジョンソク)、チャン・ヘソン(イ・ボヨン)16位、オ・チュンシム(キム・ヘスク)25位)などの3作品だ。それぞれ3名ずつランクインさせたドラマは「その冬、風が吹く」(チョ・ムチョル、オ・ヨン(ソン・ヘギョ)17位、オ・ス20位)とSBS「私の恋愛のすべて」(キム・スヨン(シン・ハギュン)24位、ノ・ミニョン(イ・ミンジョン)92位、キム・サンス(チン・テヒョン)89位)、「百年の遺産」(パン・ヨンジャ、キム・チョルギュ(チェ・ウォニョン)23位、ヤン・チュンフイ(チョン・インファ)59位)、MBC毎日ドラマ「オーロラ姫」(ナターシャ(RUN)55位、トクデ(犬)68位、オ・ロラ(チョン・ソミン)76位、tvN水曜ドラマ「青い巨塔」(末年(チェ・ジョンフン)19位、新兵(イ・ヨンジュ)49位、上兵(キム・ホチャン)51位)、KBS 2TV月火ドラマ「ゆれながら咲く花」(パク・フンス(キム・ウビン)31位、コ・ナムスン(イ・ジョンソク)32位、オ・ジョンホ(クァク・ジョンウク)46位)など、地上波とケーブルチャンネルで均等に名を挙げた。良いキャラクターとして2つも挙げられた名俳優は?イ・ジョンソク、イ・ボヨン、チン・テヒョン、ソン・ドンイル、イ・ミスクは今年のキャラクターアワード99位の中に自身が演じたキャラクターの名前が2つ挙がった俳優だという共通点を持っている。イ・ジョンソクは「君の声が聞こえる」のパク・スハと「ゆれながら咲く花」のコ・ナムスンを、イ・ボヨンは「いとしのソヨン」のイ・ソヨンと「君の声が聞こえる」のチャン・ヘソンをそれぞれ演じ、今年のキャラクターアワード99位に堂々と名を連ねた。またMBC毎日ドラマ「オ・ジャリョンが行く」(脚本:キム・サギョン、イ・ジェジン)/129部作/2012.11.19~2013.5.17/最高視聴率21.3%、ニールセン・コリア集計全国基準)のチン・ヨンソク(27位)と「私の恋愛のすべて」(脚本:クォン・ギヨン、演出:ソン・ジョンヒョン)/16部作/2013.4.4~2013.5.29/最高視聴率7.4%、ニールセン・コリア集計全国基準)のキム・サンス(89位)を演じたチン・テヒョンは相反するキャラクターを魅力的に表現したという評価を受けた。ソン・ドンイルもSBS月火ドラマ「チャン・オクチョン」(脚本:チェ・ジョンミ、演出:プ・ソンチョル/24部作/2013.4.8~2013.6.25/最高視聴率11.4%、ニールセン・コリア集計全国基準)のチャンヒョン(33位)とKBS 2TV水木ドラマ「チョンウチ」(脚本:チョ・ミョンジュ、パク・デヨン、演出:カン・イルス、パク・ジンソク)/24部作/2012.11.21~2013.2.7/最高視聴率15.2%、ニールセン・コリア集計全国基準)のポング(71位)を演じながら同じ時代劇であるにもかかわらずまったく違う重みをアピールした。JTBC月火ドラマ「私たち結婚できるかな?」(脚本:ハ・ミョンヒ、演出:キム・ユンチョル/20部作/2012.10.29.~2013.1.1/最高視聴率2.82005%、ニールセン・コリア集計有料放送世帯基準)のトルジャ(44位)と「最高です!スンシンちゃん」のソン・ミリョン(58位)を演じたイ・ミスクはまったく違う雰囲気の母親キャラクターを作り出したという評価を受けた。イ・ミスクのカリスマ性溢れる演技力は、キャラクターをより強烈に印象付けた。今年の放送局別ドラマの成績と今後の見通し昨年水木ドラマと週末ドラマで視聴率1位を記録し、良い評価を受けたKBSドラマは今年「いとしのソヨン」を除けば全般的に暗い時期を過ごさなければならなかった。巨額の制作費を投じた水木ドラマ「チョンウチ」「IRIS 2」「天命」は期待ほどの成績をおさめることができず、週末ドラマ「最高です!スンシンちゃん」は前作「棚ぼたのあなた」「いとしのソヨン」の陰に隠れ、ライバル週末ドラマに脅かされた。毎日ドラマ「がんばれ、ミスターキム!」「天まで届け、この想い」も期待したほどの視聴率を確保できなかった上、視聴者の評価もよくなかった。しかし新人脚本家を発掘するKBSの能力は評価できる。良いキャラクターを輩出したと同時に作品性を認められた「ゆれながら咲く花」と「オフィスの女王」は新人脚本家のミニシリーズデビュー作だ。地上波の中で唯一短幕劇の制作を続けているKBSの努力が新人脚本家を通して人に知られるようになったのだ。現在月火ドラマ視聴率1位をキープしている「グット・ドクター」と23日にスタートする水木ドラマ「秘密」も新人脚本家の作品だ。他にも「未来の選択」「総理と私」「感激時代」、来年1月4日放送予定の時代劇「鄭道傳」など、様々なジャンルのドラマが視聴者との出会いを待っている。今年のMBCドラマは昨年と同じく、主に時代劇だった。しかし人気の差は激しかった。「九家の書」は大きな人気(平均視聴率10%台後半)を博しながら新しいスター(チェ・ジニョク)まで誕生させたが、後番組である「火の女神ジョンイ」は同時間帯の最も低い視聴率で屈辱を味わっている。イ・ビョンフンプロデューサーの「馬医」は酷評を受け、前作の期待を超えることができなかった。「ホジュン~伝説の心医~」は予想外の成功をおさめ、毎日時代劇の可能性を認められた。この勢いを継ぎ、後番組(「帝王の娘 スベクヒャン」)も編成が確定された状態だ。一方、現代劇はあまり人気を博せなかった。正統派ラブストーリー「男が愛する時」からスリリングな追撃ドラマ「TWO WEEKS」まで様々なジャンルが試みられ、ソン・スンホン、コ・ヒョンジョンなどトップスターのラインアップも華やかだったが、成績は低かった。来年も今年と同じくMBCは時代劇「奇皇后」「パチョン王」などが強勢である見通しだ。現代劇はメディカルドラマ「メディカルトップチーム」が10月2日にスタートする予定だ。SBSドラマは今年、時代劇(「大風水」)より現代劇(「その冬、風が吹く」「私の恋愛のすべて」「君の声が聞こえる」)、その中でも恋愛ドラマ(「その冬、風が吹く」「君の声が聞こえる」)が強勢を見せた。特に恋愛ドラマだけでなく、コミック、スリラー、ファンタジーなどが加えられた「君の声が聞こえる」と「主君の太陽」などが爆発的な人気を博した。SBSはこれからより激しいドラマ競争を繰り広げる見通しだ。トップスター(チェ・ジウ、チョン・ジヒョン、イ・ミンホ、キム・スヒョン)、スター脚本家(キム・スヒョン、キム・ウンスク、パク・ジウン)、スタープロデューサー(チョン・ウリョン、キム・ヒョンシク、チャン・テユ)を前面に出したドラマを多数編成したからだ。特異点は時代劇がまったくないということだ。今年SBS時代劇がおさめた低い成績が編成に影響を及ぼしたという。今年、ケーブルチャンネルのドラマは質的量的な向上を成し遂げた。シーズン制ドラマ(「バンパイア検事」シーズン2、「ブッとび!ヨンエさん」シーズン11、「特殊事件専門担当班TEN」シーズン2)は相変わらず愛され、メディカル・子供・ラブコメなど様々なジャンルのドラマが放送された。「応答せよ1997」と「青い巨塔」のように社会的なブームを巻き起こしたドラマも登場した。これから放送されるケーブルドラマもこれに劣らない華やかな編成を誇る。tvNは「応答せよ1997」のシーズン2とも言われる「応答せよ1994」をはじめ、「チュノ~推奴~」クァク・ジョンファンプロデューサーのバスケットボールドラマ「バスケットボール」、人気シットコム「ハイキック」シリーズのキム・ビョンウクプロデューサーの「ジャガイモ星2013QR3」、映画「逮捕王」を手がけたイム・チャンイク監督のOCN「幽霊を見る刑事チョヨン」などが9~10月中の放送を控えている。総合編成チャンネルのドラマは地上波やケーブルより、ターゲットとする視聴者の年齢層が高かった。家族の愛を実感させるホームドラマ(「限りない愛」)と時代劇(「宮中残酷史-花の戦争」)、恋愛ドラマ(「私たち結婚できるのかな?」)などが主に放送された。これからも中高年層の好みに合わせたドラマが着実に披露される予定だ。「6兄妹」の2013年版と呼ばれながら注目を浴びている「長女」と「彼女の神話」の後番組で、刺激的ながらも社会の現実をコミカルに描いた「隣人の妻」が視聴者の評価を待っている。
「ハケンの品格」から「家政婦のミタ」まで?…韓国ドラマ界を訪れる、日本の“強い”女たち
ミス・キム、女王に続き「家政婦のミタ」までリメイクブームが意味することは?2011年日本テレビで放送されたドラマ「家政婦のミタ」は日本で11年ぶりに視聴率40%を超えるパワーを見せた。母が亡くなったということ以外は、我々の周りにある普通の家庭に家政婦の三田が入り、その家庭の問題点が一つ一つ暴かれ何でもしてくれる三田のキャラクターが強調される。「家政婦のミタ」は最近韓国でもリメイクに関する議論が行われている。日本ドラマのリメイクブームに乗ったもう1本のドラマだと捉えることもできるが、最近リメイクされているドラマを見てみると「家政婦のミタ」のリメイクに対する議論は決して偶然とは言えない。まず、三田のキャラクターを見てみよう。三田はドラマの中で自らを「ロボット」と称する。三田を紹介してくれた紹介事務所の社長は「この子は命令なら何でも従う」とし「人を殺せと言えば殺すかも知れない子だ」と警告する。彼の言葉通り三田は感情を排除し、決して泣いたり笑ったりせず、家政婦として如何なる命令にも従うキャラクターだ。そして注目すべき点は、三田がものすごい能力の持ち主だということだ。三田は家政婦として料理や掃除、洗濯などを完璧にこなすことはもちろん、数学の問題を暗算したり、他人の声を真似るなど、様々な能力を持っているキャラクターだ。ここまで来れば、我々にも馴染み深いキャラクターが思い浮かぶ。最近リメイクされた「オフィスの女王」と、現在放送中の「女王の教室」の主人公たちだ。「家政婦のミタ」の三田が出るまで、日本には「ハケンの品格」(「オフィスの女王」の原作)と「女王の教室」というドラマがあった。「ハケンの品格」の大前春子は、自身の感情を表すより、数多くの資格を土台に完璧に仕事をこなし、会社から認められる能力者だ。「女王の教室」の阿久津真矢も同じだ。先生として児童たちの成績を向上させることはもちろん、スポーツや武術にも長けたものすごい人物だ。このようなキャラクターは「家政婦のミタ」で頂点に至る。大前春子や阿久津真矢はそれぞれの職場と学校で能力を披露し、実は温かい本音を次第に表しながら共感を得た。しかし、三田は命令であれば如何なることも躊躇わない。さらには未成年者との性的関係を要求する命令にも「かしこまりました」と答える大胆な心を持つ。このような設定が韓国の情緒にどれだけ合うのかも問題だが、このような設定を外したときに、家政婦の三田のキャラクターがどれだけ活かされるかも問題だ。それだけではない。「家政婦のミタ」をよく見てみると、とんでもないマクチャン(日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる韓国特有のドラマ)の要素が散在している。一つの家庭に不倫、いじめ、性的関係、自殺、暴力など、深刻な問題がすべて混ざっている。このようなマクチャン要素もやはり、韓国の情緒での非難のレベルを勘案するとしても、どこまで通じるかは未知数だ。にも関わらず「家政婦のミタ」は日本に置いて多大な成功を収めた。そして「ハケンの品格」や「女王の教室」も一緒だ。これらのドラマはいずれも日本で20%半ばを超える高い視聴率を記録した。日本の視聴率集計方式は韓国とは異なるため、20%を超えれば大ヒットドラマといえる。このようなキャラクターたちが韓国で「オフィスの女王」のミス・キム(キム・ヘス)と「女王の教室」のマ・ヨジン(コ・ヒョンジョン)で再現された。そして今やそのラスボスとも言える「家政婦のミタ」のリメイクまで議論されていることが示唆することは大きい。職場や学校を乗り越え、家庭でも感情を排除した能力者が出演を待っているのだ。「家政婦のミタ」が視聴率40%を超えたことから、日本ではその現象を多くの評論家たちが分析した。その結果導き出された答えは、日本の人々は新しい英雄を求め、感情や情報などに振り回されるのではなく、全ての問題において明快な回答を持ち、実質的な解決を助けてくれる三田のような救いの手を求めていたというものだった。韓国社会も、もしかすると救いの手を待っているのかもしれない。「オフィスの女王」でミス・キムが何の仕事でも解決してみせる時に感じるカタルシス(解放感)と「女王の教室」のマ・ヨジンが子どもたちをあざ笑いながら教訓を与える教育方式は、ドラマ的なファンタジーではあるが、同時に韓国の社会像を反映した姿だ。契約社員への差別が社会問題となっている中、ミス・キムは一種の英雄だった。学校教育への不信と、極端な方向に向かって走る子どもたちの姿が可哀相に思えるこの頃、マ・ヨジンもやはり彼らを統制するための唯一の手段に思える。彼女たちは優れた能力を土台に、自身の存在感を視聴者たちに刻印する。韓国社会に否定的で暗い気運が満ちている時、彼女たちが見せる能力はとてつもない喜びに感じられる。もしかすると我々も今、能力者を待っているのではないだろうか。職場で、学校で、そして家庭で起きる様々な問題を自ら解決するには、我々は力が弱すぎる。そこで何か確実で明快な答えを出してくれる人物、そして問題を解決する能力を持つ人を求めているのかもしれない。ただ一つ、問題はそのような能力者たちが日本で人気を集めたほど、韓国では注目されなかったということだ。「オフィスの女王」のミス・キムは好評を得たが、視聴率は同時間帯2位にとどまり、「女王の教室」のマ・ヨジンはストーリーが進むほど共感を得ているものの視聴率10%を超えられずにいる。彼女らは日本では無敵のヒーローかも知れないが、韓国では多少その波及力が物足りない。ドラマの一律的なキャラクターから逃れたユニークなキャラクターが韓国でも注目を浴びることは良いことかも知れない。しかし、単純に日本式のキャラクターに頼り、リメイクブームに便乗し日本式のキャラクターをなりふり構わず受け入れることは無分別なことかも知れない。日本から来たキャラクターたちは視線を集めるが、その能力だけを強調しているため、疲れを感じてしまう面もある。更に、6年をかけて構築されたこのようなキャラクターたちが、韓国では僅か2年で全てが紹介されている。このようなキャラクターが陳腐になってしまう可能性もある。そのようなキャラクターたちが持つ長所ももちろん無視できないが、今や感情を排除し、能力だけを見せつけるキャラクターから逃れ韓国式ヒーローが必要な時期ではないだろうか。韓国には韓国式に問題を解決する人物が必要だ。微妙に違う情緒は、より多くの人をテレビの前に集めることができない。これからは単純なリメイクで続いている日本の強いキャラクターブームから逃れ、独特な韓国式ヒーローが登場することを期待したい。「OhmyStar」ではスターはもちろん、バラエティ、ドラマなど、様々な市民記者のレビューや主張を幅広く掲載しています。もちろん、いかなる反論も歓迎します。いつでもノックして下さい。「OhmyStar」は市民記者の皆さんの参加をお待ちしています。―編集者コメント
「オフィスの女王」イ・ヒジュン“魅力のないムチーム長、人気の理由がわからない”
※この記事にはドラマ「オフィスの女王」の結末に関する内容が含まれています。通常のドラマの中では悪い男が人気を得ている。男性主人公は気難しい魅力で「天上天下唯我独尊」と叫びながら自分勝手に行動し、ヒロインとごたごたしながらの暴言も辞さない。そうした挙句、最終的にはヒロインへの愛により変化する姿を見せ、母性愛を刺激して愛を勝ち取る。ところが、放送が終了したKBS 2TVドラマ「オフィスの女王」のム・ジョンハンチーム長は違った。いつも笑顔で配慮溢れる行動を見せ、女子社員やと弱者の味方になった。実直な彼は、やさしく優柔不断なところが短所だったが、自分が損をしてでも常に正しさを追求し、害のない笑顔で女性視聴者の心を盗んだ。そのようなムチーム長を演じたイ・ヒジュン(33)も、ムチーム長に押し寄せた声援は予想できなかったという。「人気の理由がよくわかりません。優しすぎて魅力のない男を演じてみようと思っただけで、人気への期待はまったくなかったです。ムチーム長の言いたいこともうまく言えない姿をもどかしかく思いました。しかしドラマ放送後に『あんな上司がいてほしい』という反応を見て、現実で会社のマネージャーたちがムチーム長のキャラクターを見て感じるものがあるならば、このドラマは成功したことになるのではないかと思いました」ムチーム長を完璧には理解できなかったというイ・ヒジュンの正直な告白が続いたが、ムチーム長がイ・ヒジュンに出会ったからこそ、これだけの大きな声援を受けたことは間違いない。イ・ヒジュンの人が良さそうな笑顔と、方言が混ざった口調、包容力があり温かい印象が醸し出す余裕は、お茶の間を癒した。「原作の感じとは違う路線でやりたかったです。ムチーム長に僕の個性をもう少し入れようとしました。ただ優しいだけのキャラクターはリアリティがなさそうだと思いました。ムチーム長は優しく振る舞っているけれど、不快感やプライドが傷つく気持ちもあるだろうと思いました。同じ人間でも、天使のように行動しようと努力する姿にポイントを置きました」特にムチーム長は、ドラマでミス・キム(キム・ヘス)、チャン・ギュジク(オ・ジホ)との三角関係でも関心を集めた。これまで一度も異性と交際したことがないことが明らかになったムチーム長がミス・キムに勇気を出して告白するシーンでは、彼らがカップルになるかどうか注目を集めた。しかしムチーム長はミス・キムにひどく振られ、それからも何一つ変わらぬ姿で会社生活を忠実に遂行する姿で現実味を倍増させた。「原作ではムチーム長の役割が小さいので愛の告白はできないんですが、『オフィスの女王』ではチョン・ジュリ(チョン・ユミ)を世話したりミス・キムに告白できる機会を与えてくれた脚本家に対してありがたく思いました。本当は弱いミス・キムが強く振る舞おうとする姿を慰めたかったです。かといってムチーム長が女性にばかり優しいという偏見は持たないでください。男性社員にも公平に優しかったですから。ハハハ」「オフィスの女王」は、正社員と非正社員の関係を痛快に風刺し、好評を博した。これは、非正社員である俳優たちにも異色な経験であったはずだ。「僕も正社員だったことがありません。汝矣島(ヨイド)を通りながらサラリーマンを見た時(汝矣島は金融街でも有名)、漠然と『僕とは違う人間なんだな』と思っていました。このドラマをやる前までは、スーツをそんなに着たことがありませんでした。本当に不便な服なのに、それを着て毎日働かなければならないということは簡単ではないだろうと思います。尊敬しました」「サラリーマンはスーツを着て、毎日同じ時間に出社して同じ時間にランチを食べます。ランチに何を食べるか悩むことが小さいながらも大きな楽しみで、『明日会おう』という言葉にそれほど大きな意味があるとは知りませんでした。帰宅の度に挨拶する、そんなことが特別に感じられてきました」大きな愛を受けた「オフィスの女王」は、ミス・キムが韓国に帰国し契約するシーンで終わり、シーズン2への期待を高めた。ロマンスでも開かれた結末を披露し、視聴者の好奇心を高めた。「劇中の人物たちが誰ともつながらず、余地を置くことがもっとも現実的な結末だったと思います。その後のストーリーが気になるでしょうが、シーズン2は難しいと思います。すでに完成度が高かった作品でしたので」前作「チョンウチ」を終えてすぐ「オフィスの女王」に取り掛かり、少しの間の休息も取れなかったイ・ヒジュンだった。彼は、キム・ヘス、オ・ジホなどの出演俳優たちを見て、共演したいという思いで躊躇いなく作品を選択したと話し、彼らのおかげで疲れなど感じず楽しく撮影することができたと感謝を伝えた。「視聴者の皆さんにも、毎瞬間が大切であり幸せになって欲しいです。義務感のために仕事をするよりは、仕事そのものを楽しめるようになることを、お祈りしています。優しすぎて魅力のないムチーム長のことを愛してくださいまして、ありがとうございました」
「オフィスの女王」2AM チョグォンが見せた“アイドル出身俳優”の良い例とは?
2AMのチョグォンが最近韓国で放送を終了したKBS 2TV「オフィスの女王」を通じて、正統派ドラマに初挑戦した。チョグォンは「オフィスの女王」で、どんでん返しのある新入社員、ケ・ギョンウ役を演じた。名前はケ・ギョンウ(韓国語で無礼という意味)だが、礼儀正しい青年で、派遣社員であるチョン・ジュリ(チョン・ユミ)に片思いするキャラクターだった。チョグォンはこれに先立って、MBCシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)「まるごとマイ・ラブ」を通して演技を始めた。正統派ドラマへの挑戦は「オフィスの女王」が初めてで、スタートする前から高い関心を浴びていた。「オフィスの女王」でチョグォンの演じたキャラクターは重要度の高い役ではなかった。他の脇役俳優たちと同じか、それよりも下だった。チョグォンの「オフィスの女王」での出演分量が少ないため、「チョグォンをちゃんと活用していない」と評価する人もいた。しかし、これは2AMとしてたくさん愛されたチョグォンを考えたからこそ可能な評価である。アイドルが演技に挑戦する場合、歌手としての人気に支えられ、演技力に比べ重要度の高いキャラクターを務める場合が多い。演技に初挑戦するアイドルが主人公に抜擢されるのも珍しいことではない。これは、役者としての実力ではなく、トップスターの仲間入りを果たした知名度によるものである。すべての演技アイドルがそうだとは言えないが、多くの演技アイドルは自身が演じきれない大役を務めることによって、演技力騒動に巻き込まれ、厳しい役者デビューとなる。しかし、チョグォンは違った。歌手としては高い人気を博しているスターだが、演技者としてはまだ実証されていない新人にすぎないチョグォンである。他の若手俳優たちと同じ立場から見ると、「オフィスの女王」でのチョグォンの出演分量は適切だった。スターのチョグォンではなく、若手新人俳優チョグォンとして適切な分量、適切なキャラクターを演じたのだ。チョグォンの所属事務所の関係者は「最初から出演分量が少ないということを知って出演を決めた。チョグォンが上手く演じられると自信をみせたので、ドラマに出演することにした」と語った。今回チョグォンの出演は演技アイドルのいい例として残るだろう。スター性に頼るのではなく、演技者としての才能と実力に合うキャラクターを選んで、演技力騒動に巻き込まれず、一歩一歩俳優としてのキャリアを積んでいく演技者として成長していく可能性を見せたのだ。
「オフィスの女王」2AM チョグォン“ドラマ出演は今年一番頑張ったこと”
草食系男子でいつも正しいことばかり言う礼儀正しい青年。実力派ボーカルグループ2AMのチョグォンをよく知っている人なら想像できないイメージだろう。しかし彼はこのような偏見を果敢に破った。チョグォンは最近韓国で放送終了したKBS 2TVドラマ「オフィスの女王」(脚本:ユン・ナンジュン、演出:チョン・チャングン、ノ・サンフン)でY-Jang食品の新入社員ケ・ギョンウ役を熱演した。キム・ヘス、オ・ジホ、チョン・ユミ、イ・ヒジュンなど優れた演技力を持った俳優たちがタッグを組んだ作品にチョグォンが合流したのである。これに対してチョグォンは「今年一番頑張ったことだと思います」と語った。「『オフィスの女王』はキム・ヘス先輩が出演なさると聞いて、出演オファーを受けると同時に出演を決めました。また、原作『ハケンの品格』を見てとても面白かったということもあり、一ファンとして出演を決めたのも事実です。『僕がキム・ヘスという女優と共演できるチャンスは2度とないかもしれない』と思うとこのチャンスを逃してはダメな気がしました。作品が大ブレイクするかどうかはさておき、僕がキム・ヘス先輩に教えてもらえるというのが良かったですね。結果的に今年一番頑張ったことだと思います(笑)」女性より柔軟な動き、女性歌手よりセクシーなダンスを踊るチョグォン。それで多くの人は彼をカプグォン(チョグォンのニックネームで、ふざけるチョグォンという意味)と呼んだ。バラエティ番組に出演して多くの人にカプグォンというイメージで認識されていたが、彼は「オフィスの女王」で正反対のキャラクターを選んだ。「初めから演技がしたかったんです。でも、多くの人にカプグォンというイメージで認識されたので、正劇(シリアスで深みのある内容を扱ったドラマ)への挑戦に負担を感じていました。それでカプグォンやチョグォンではなく『ケ・ギョンウみたいだね』と言われるのが僕の目標でしたし、大きな課題でした。先輩たちの演技を頭の中で覚えようと頑張りました。幸いなことに先輩たちの演技に自然と溶け込め、ドラマをダメにするようなこともなかったので安心しました」インタビュー中、チョグォンはキム・ヘスに賛辞を惜しまなかった。実際キム・ヘスも最近行われたマイデイリーとのインタビューで「チョグォンは賢い俳優だ。秘められた才能がとても多い俳優だ」と絶賛した。キム・ヘスの賛辞の言葉を伝えるとチョグォンは恥ずかしがりながらもとても喜んだ。実際チョグォンはミス・キム体操を作ることに一役買った。撮影現場で体操を作っていたキム・ヘスは彼に体操のアドバイスを求めたという。急で戸惑ったというチョグォンだが、瞬発力を発揮し肩こりや首の凝りに効く動作を提案し、快く彼の提案を受け入れたキム・ヘスはその動作を加えてミス・キム体操を完成させた。「ミス・キムが見せた動作を除いて、新しい動作を作らなければというプレッシャーを感じていたんですが、幸いなことにすぐ作ることができました。後で放送を見たら、僕が振付師になったようで嬉しかったですね。まるで自分がデビューさせた歌手たちのステージーをモニタリングするかのように見ました。キム・ヘス先輩はダンスに才能があるんです。グルーヴ感のあるダンスが踊れるんですよ。先輩にはできないことなどないです(笑)」チョグォンはキム・ヘスだけでなく、オ・ジホにも助けられた。2010年チョグォンはMBC毎日シットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディードラマ)「まるごとマイ・ラブ」を通じて演技を始めたが、正劇は「オフィスの女王」が初めてである。何をどうすればいいか、正劇とシットコムはどう違うか散々悩んでいたチョグォンにオ・ジホは先輩として正劇とシットコムの違いについて教えてあげた。「オ・ジホ先輩の言葉を借りると、正劇はその空間の中ですべてを表現しなければならないし、眼差しで感情を伝えなければならないんです。シットコムは正劇より動きも多いし、カメラを見つめる方法も相手とコミュニケーションする方法も違います。オ・ジホ先輩に教えてもらえなかったら劇中チョン・ジュリ(チョン・ユミ)にもじもじしながら恋心を表したり、ケ・ギョンウ特有の澄ました表情をしたりするときも大げさに表現したかも知れません。今回のドラマ撮影は本当に良い勉強になりました」ドラマが放送終了したあとミュージカルに情熱を注いでいるチョグォンには、まだ秘められた才能と魅力がたくさんある。今後どんな人になりたいかという質問に彼は「賢く仕事をしたいです」と答えた。「僕の最終目標はすべての分野で活躍できるアーティストになることです。特に歌手出身の俳優でも圧倒的なオーラが感じられるオム・ジョンファ先輩、イ・ジョンヒョン先輩のような俳優になりたいです。それで20年後はチョグォンのようになりたいという後輩やそんな僕を見て俳優を夢見る人がいてくれたらいいなと思います」
「オフィスの女王」キム・ヘス“自分を捨ててミス・キムとして過ごしました”
名不虚伝(名声や名誉が広く知られるのにはそれだけの理由がある)。この言葉こそがKBS 2TV「オフィスの女王」の中のキム・ヘスを最もよく表す言葉ではないだろうか。キム・ヘスは、「オフィスの女王」でスーパー契約社員ミス・キムを演じた。資格だけで124個、一分一秒たりとも時間を無駄にせず仕事に忠実なミス・キムは、契約社員として3ヶ月間勤務する。残業や飲み会などに参加する際は残業手当が発生し、契約延長はない。最近、甲の横暴(雇用主、賃主、売主など契約において立場の強い側が立場の弱い側に対して横暴を働くこと)に関連して、多くの社会問題が溢れかえっているなか、ミス・キムの修飾語「スーパー派遣社員」は、一見矛盾しているように見える。しかし、ドラマの中のミス・キムは、その言葉通り、誰一人として軽々しく接することのできない契約社員だ。ドラマの中の人物は、加工された人物である。ミス・キムは、その中でも現実には存在しないファンタジー的キャラクターだ。「甲」に堂々と要求することができるミス・キムのストレートな台詞と行動は、大韓民国の「乙」に痛快さを与え、「ミス・キムブーム」に繋がった。「オフィスの女王」が終わっても、まだ多くの人々に余韻を残している主人公、キム・ヘスに会った。キム・ヘスはインタビュー中ずっと「ミス・キムだけのやり方があるのではないかと考えていました」と言う言葉を何度も繰り返した。それだけ彼女は3ヶ月間、女優キム・ヘスではなくミス・キムとして過ごし、だから幸せだったと語った。「私はミス・キムを演じながら、多くの勇気と元気をもらい、慰められました。演技をしている間は個人的な悩みはすべて忘れて、ミス・キムのことだけ考えました。『オフィスの女王』を撮影した3ヶ月間、ミス・キムに没頭することができ本当に幸せでした」キム・ヘスの言葉のように、彼女はインタビュー中ずっと満足げな表情をしていた。無表情でタンバリンダンスを踊ったり、体格のいい男たちと相撲や柔道をした場面を説明しながら、彼女は「あざができたり、生傷が絶えなかった」と話した。それでも彼女は微笑んでいた。「タンバリンダンスは、地下のカラオケで6時間撮影しました。本当にたくさん汗もかいたし、疲れて倒れそうでした。後半には、練習したことすら思い出せなくなり、即興でダンスをしたりもしたんです。相撲や柔道の撮影現場では、投げ飛ばされて何度も怪我をしました。ミス・キムを通じて生まれて初めてしたことがたくさんあります」ミス・キムを演じたキム・ヘスから見ても、ミス・キムはすごい人物だった。撮影前、脚本家はキム・ヘスにミス・キムの説明書を差し出した。そのミス・キムの説明書によると、ミス・キムは、実際に紹介された124個の資格を取得しているほか、スペースが足りず書けなかった170個以上の資格をさらに持っている。キム・ヘスは、このような奇想天外で奇抜な資格を説明しながら、脚本家の才能に舌を巻いた。「『オフィスの女王』は、脚本家の力が非常に大きかったんです。ミス・キムを語るとき、何を描いても常に理解できました。それくらい私は演技をしながら脚本家の能力を疑ったことはありません。俳優が熱演して一人で孤軍奮闘しても、ドラマは上手くいかないんです。一方、『オフィスの女王』は、脚本家が本当に才能があって、原作に頼らずに節度をよく守っていました。タンバリンダンスや海女のウェットスーツ、赤い下着を着るなど、一度も恥ずかしいと思ったことはありません。すべて状況に合わせて動いたんです。キャラクターの持ち味を一貫して守ってくれて、脚本家には本当に感謝しています」キム・ヘスは「オフィスの女王」が成功した理由を二つあげた。一つは、演技に集中できるような環境を提供した制作陣とスタッフたちであり、もう一つは、自分を心から愛してくれた同僚の俳優たちだった。「監督は声を荒らげたことは一度もなく、いつも笑っていました。現場はいつも笑いが絶えませんでした。韓国のドラマ制作は環境上、常に徹夜するしかありません。ですが、同じ徹夜でも『オフィスの女王』のようにしっかりした台本と細心をはらった演出力に支えられていたので、演じている間ずっと楽しかったですし、思う存分演技をすることができました。彼らの愛が、今のミス・キムを作ったんです」二つ目の成功要因としてあげた同僚の俳優らについて、キム・ヘスは、まるで噴水のように賞賛を惜しまなかった。「『オフィスの女王』に出演した俳優は、分量の面では足りなかったと思いますが、演技の面から見れば、皆さん完璧に準備された俳優でした。チャンスが少なかったために発揮されなかっただけなんです。俳優は優れた演技力も重要ですが、節度を保てることがとても重要です。特に、分量が少ないほど度を超える可能性の大きいケ・ギョンウ(2AM チョグォン)やク代理(イ・ジフン)、シン・ミング(ナ・スンホ)たちは誰一人として出しゃばったり、目障りになったりすることはありませんでした。だからといって、彼らが静かに隅に追いやられてしまったわけでもないんです。十分に視聴者の記憶に刻まれました。この俳優たちの隠れた貢献は大きかったです」非の打ち所のないミス・キムを卒業し、キム・ヘスは、再び彼女の日常に戻った。まだ自分が40代の女優であることにこだわらないというキム・ヘスは、新たなキャラクターを模索している。「年齢に合わせて、他の人たちがそのように生きるからという固定観念は初めからありませんでした。もちろん、物理的なコンディションは確かに変わりましたが、年齢に合わせて、私がそれに合わせる必要はないと思います。年甲斐という言葉自体、客観的な基準はなく人々の先入観によって作られた言葉です。年齢は別として、私がしたいことを見つけようとしています。また、どんなキャラクターと演技できるかは保証できませんが」