チャン・ジュンファン
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【PHOTO】ユ・ジテ、イム・スジョン、シム・ウンギョンら「第14回ミジャンセン短編映画祭」開幕式に出席
第14回ミジャンセン短編映画祭「ジャンルの想像力展」の開幕式が25日ソウルアートナインで行われ、俳優ユ・ジテ、イム・スジョン、シム・ウンギョン、ピョン・ヨハン、イム・ソンオン、キム・コッピ、イ・ビョンホン監督、カン・ヒョンチョル監督、ヤン・ウソク監督、チャン・ジュンファン監督、キム・ヨンファ監督らが出席した。短いランニングタイムに凝縮された強烈なエネルギーと個性、センスの溢れる想像力をベースにジャンルの限界を痛烈に乗り越える韓国の短編映画の祝祭である第14回ミジャンセン短編映画祭「ジャンルの想像力展」は、25日から7月1日まで7日間アートナインとMEGA BOX梨水(イス)店で行われる。
Vol.2 ― 「ファイ」チャン・ジュンファン監督“ヨ・ジングは深海を遊泳するサメの子”
子役と呼ぶにはどこか成熟して、だからと言って成人俳優と見るにはまだ初々しさが残るヨ・ジング(16歳)。10年ぶりにカムバックしたチャン・ジュンファン監督(43歳)は、そんな妙な雰囲気を持つヨ・ジングにファイを預けた。神話の一場面から飛び出してきたかのような凄まじい重さのファイを、恐れを知らないヨ・ジングに何でもないかのように着せるチャン・ジュンファン監督のチャレンジ精神には再び感嘆せざるを得ない。映画「ファイ 悪魔に育てられた少年」(監督:チャン・ジュンファン、制作:ナウフィルム、以下「ファイ」)はタイトル通り、ファイのための映画だ。もちろん、ファイの後ろを頼れる犯罪者である5人の父親たちが守っているが、とりあえず何といってもファイのファイによるファイのための126分だ。チャン・ジュンファン監督のカムバック作として話題になった「ファイ」は、制作段階から果たして誰がファイを演じるのかについて様々な議論が起こった。17歳の少年を青少年の子役俳優が演じるのか、または新鮮な俳優が演じるのかに関心が集まった。韓国で演技力に定評のある子役たちがファイの前に列を作ったが、結局チャン・ジュンファン監督はヨ・ジングを選んだ。ファイの父親であり犯罪組織の冷酷なリーダー、ソクテ役を演じたキム・ユンソクも、ファイ役にヨ・ジングを選んだことに対する懸念が大きかった。重く、暗く、深く、難しいファイを10代の俳優では絶対に演じられないと思っていたためだ。しかし、その心配は杞憂だった。ヨ・ジングは違ったと口を開いては賞賛を並べた。キム・ユンソクはヨ・ジングをスポンジのように凄まじい吸収力を持っていると表現した。チャン・ジュンファン監督もキム・ユンソクの反応に満足した。まるでこうなることを予想していたかのように、余裕たっぷりの笑顔で頭を縦に振った。彼はヨ・ジングとの初対面の印象について「子供でもないし、大人でもないし」とかみ締めた。チャン・ジュンファン監督もヨ・ジングの妙な魅力にはまっていた。「不思議です。みんなヨ・ジングを見て子役と呼ぶべきか、成人俳優と呼ぶべきか分からないと言います。僕もそうでした。撮影に入る前はわんぱくな10代の少年なのに、撮影に入ればいつからそうしていたのかとぞっとするくらい一変します。そしてクリスタルのように変わる瞬間があります。様々な不思議な光を放つその瞬間、モニターを見ていて鳥肌が立ちます。そんなクリスタルのような子が素晴らしい俳優に出会って、素晴らしい養分を吸い上げるのが僕の目に見えて、すごくじーんときました。今でも鮮明に覚えています(笑)」 ヨ・ジングを思い出すチャン・ジュンファン監督の目がきらきらと輝いた。自分の作品に出演した俳優を可愛がらない監督はいないと思うが、ヨ・ジングを思うチャン・ジュンファン監督は喜びでいっぱいだった。このようにヨ・ジングを絶賛する理由は誰にもマネできない彼の内面の純粋さのためだった。「ヨ・ジングはほかの子役とは違います。子役を見ると小さいころから演技をしてきたので、映画やドラマで特有のテクニックを使います。もちろん、上手な人が多いです。ですが、人為的に作られた演技が見えます。ヨ・ジングはかなり小さなころから演技を始めたのに、それがありませんでした。ファイにはものすごい演技領域があり、強い力で物語を引っ張っていく主人公ですが、すべての瞬間、本当に演技が上手でした。真正性を損なわないところが良かったです。僕たちの映画は真正性がないとそのまま壊れてしまいます。ヨ・ジングは深い深海を遊泳するサメの子みたいです」このようにヨ・ジングを絶賛していたチャン・ジュンファン監督だがこれまで打ち明けられなかった心配も多かったそうだ。ヨ・ジングが険しいファイを演じながら、もしかして悪い色に染まってしまうのではないかという父親のような気持ちで慎重になったそうだ。「キャスティングをしながらかなり心配しました。ヨ・ジングだけでなく、ファイを演じることになるであろう俳優に対する心配でした。ファイを演じるとき、若い子たちにはプレッシャーが相当大きいと思います。オーディションを受ける俳優としては欲が出ると思いますが、いざ演じることで迫ってくるプレッシャーはものすごいものです。それに負けてしまった子役たちが変わることを超えて、変質してしまうケースもかなり見ました。僕が一人の少年の未来を変えてしまうのではないかと怖かったです。しかし、ヨ・ジングは不思議にも、そして幸いにもうまく乗り越えてくれました。体力的にも精神的にも非常に健全な少年です。本当に、しっかりと育ってくれてありがたいです。ハハ」
Vol.1 ― 「ファイ」チャン・ジュンファン監督“案外淡白でシンプルな映画なんです”
奇才な監督チャン・ジュンファン(43)は10年前に「地球を守れ!」を持って突然現れ、映画界を騒がせた後に忽然と消えた。液状パス(液状の湿布薬)の匂いが無くなりそうな2013年、彼は再びとんでもないモノを持って突然姿を現した。今回は液体パスを手に持ったビョング(シン・ハギュン)よりもっとひどい。怪物を飲み込んだファイ(ヨ・ジング)の手をつないだ彼が、恥ずかしそうに微笑みながらスクリーンの戸を叩いた。「地球を守れ!」以来、10年ぶりに復帰したチャン・ジュンファン監督は、久々の映画公開で非常にわくわくしていた。一方、あごの無精ひげはおそらく公開前日まで緊張を緩めることができない彼の心理を表しているようだった。それだけ、チャン・ジュンファン監督にとって「ファイ 悪魔に育てられた少年」(以下「ファイ」、制作:ナウフィルム)は歓喜であると同時に彼を緊張させる存在だ。10年も待たせたファンの代わりに愚痴をこぼしてみたが、彼は満面に余裕のある微笑みを浮かべて恥ずかしそうに笑うだけだった。自身なりに様々な試みをし、結婚して父親になりこの10年間忙しく生きてきたというチャン・ジュンファン監督。言われてみれば彼は休まずずっと走ってきた。わずか1作品だが、彼が見せてくれた前作のカラーは非常に強烈で、センセーションを巻き起こすのに十分だった。しかし前作のオーラが強すぎて、「ファイ」もその延長線にある作品として考えようとする観客が多い。多くの人々が懸念する部分の一つだ。「『地球を守れ!』はユーモアのある楽しい映画で、『ファイ』は重みがあって古典的な、真正性が際立っている映画です。自分のスタイルがどちらであるかと選ぶのは難しいです。二つとも私の作品なんです。確かに、『ファイ』は『地球を守れ!』とは異なる演出法でアプローチしました。映画ごとに文法的にも美学的にも異なるアプローチが必要じゃないですか。観客のみなさんに隠されている私の洗練された(笑) スタイルを見つけてほしいです。私は時にはティム・バートン監督のように、時にはフランシス・フォード・コッポラ監督のようになりたいです」もしかすると我々はチャン・ジュンファン監督に「地球を守れ!」のような映画を望んでいたのではないだろうか。だから彼が異なるジャンルに挑戦するまで10年という歳月がかかったのかもしれない。ファンタジーを除いたチャン・ジュンファン監督はどこか不自然な感じがして「より商業的に変わった」と言うと、「『地球を守れ!』もとても商業的に作った映画なんですが?」という意外な答えで笑いを誘ったチャン・ジュンファン監督だ。「『地球を守れ!』も商業的に作った映画なんですが?観客がすごく喜ぶと思いました。その時は新鮮で変わっていたので。楽しんで見ることができるジャンルとしてアプローチしましたが、思ったほどではありませんでしたね(笑) 『ファイ』は正統スタイルでアプローチしたため、たぶん商業的に見えたと思います。『地球を守れ!』を見て作家主義的だと評価されるけれども、個人的に私は芸術映画があまり好きではありません。ハハ。どんな芸術であっても観客と交感できないのは芸術じゃないと思いますので。もちろん『ファイ』が資本的に優れていて、それによる最小限の責任感もあります」チャン・ジュンファン監督は観客の、観客による、観客のための映画を作るのが真のコミュニケーションだと話した。観客が目を逸らせば、映画として、監督として力を出しにくいというのだ。だからなのか。チャン・ジュンファン監督は1年間「ファイ」を脚色した。もっと観客の目で映画を見ようと努力し、ファイの心を伝えようと努力した。「非常に魅力的で、強烈だった『ファイ』のシナリオをもらって、とても嬉しかったです。観客が好む要素がいっぱいだったからです。ところが、一方ではあまりにも洗練されているのではないかと疑ったりもしました。人間の深い内面に触る映画なのに、このような部分で真正性を損なう気がしました。観客がもっと楽に見られる映画にするために、脚色にすべての力を注ぎました。最初は簡単だと思いました。まずジャンル的にかっこいい映画ですから。ところがストーリーがあまりにも深いものでした。脚色が大変で諦めようかとも思いました。でも無事に終え、今の『ファイ』が生まれましたね。私たちの映画、思ったより難しくありません。案外淡白でシンプルなんです(笑)」