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マルティニークからの祈り

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  • 【PHOTO】コ・ス、映画「マルティニークからの祈り」のインタビューで見せた“温かいビジュアル”

    【PHOTO】コ・ス、映画「マルティニークからの祈り」のインタビューで見せた“温かいビジュアル”

    俳優コ・スがTVレポートとのインタビューでポーズをとっている。最近公開された映画「マルティニークからの祈り」でフランスのオルリー空港で麻薬の運び屋だと勘違いされ、訳も分からないまま刑務所に収監された妻ソン・ジョンヨン(チョン・ドヨン)のために奮闘する夫イム・ジョンベ役を熱演した。

    TVレポート
  • 「マルティニークからの祈り」コ・ス、実は一枚上手の役者

    「マルティニークからの祈り」コ・ス、実は一枚上手の役者

    SBSドラマ「黄金の帝国」を見て、コ・スはチャン・テジュのキャラクターを簡単に抜け出せないだろうと思った。いや、むしろ不可能だ。こんな強烈なキャラクターから抜け出すのは不可能だと思った。だが、僅か3ヶ月しかかからなかった。コ・スはたった3ヶ月でそんな予感が間違いだったということを、映画「マルティニークからの祈り」を通じて見事に証明してみせた。2004年に起こった主婦チャン・ミジョンの実話を基にした「マルティニークからの祈り」は、確かに女優チョン・ドヨンの映画である。しかし、主演女優チョン・ドヨンがより目立ったのは、パートナーであるコ・スの生活感のある演技があったからこそ可能だったと思う。まだ演技が難しくて大変だというコ・スが、実は意外にも一枚上手だったことが分かったインタビューだった。―震えていますね。寒いですか?コ・ス:はい。妙に寒いです。どうしてだろう?―冬の撮影に比べると、この程度の寒さは全然問題ないのでは?(笑)コ・ス:本当ですね。心が寒いからかな?―心がどうして寒いのですか?コ・ス:(「マルティニークからの祈り」で演じた) キム・ジョンベを再び思い出して寒くなったようです。―「高地戦 THE FRONT LINE」の撮影時も、とても寒くてかなり大変だったと聞きました。コ・ス:「高地戦 THE FRONT LINE」の撮影は本当に大変でした。体感温度がマイナス20℃でしたからね。服を何枚も重ね着しても鳥肌が立つんです。山の中で雨に濡れるシーンを撮影した時は、雨粒が手のひらに落ちるとすぐに凍りました。船のシーンを撮る時もびしょびしょに濡れながら海風と戦わなければならず、本当に寒かったです。―そんな状況で撮影すると、どんなことを考えますか?コ・ス:ぼーっとしてきます(笑) 第3者の立場で自分の体を眺めるようになります。―「黄金の帝国」を見て、コ・スさんがチャン・テジュのキャラクターからは簡単に抜け出せないと思いました。けれども、「マルティニークからの祈り」のキム・ジョンベを見て無駄な心配だったことに気づきました。コ・ス:撮影したのは「黄金の帝国」より「マルティニークからの祈り」が先でした。最近、思っていることですが、キム・ジョンベを演じたからチャン・テジュというキャラクターが心に入ってきたんだと思います。キム・ジョンベは自力で何かをする人物ではないじゃないですか。彼はいつも現実の壁に押されて、苦しむんです。そんなキャラクターを演じながらもどかしいと感じていたのか、終わってから欲望に燃えるチャン・テジュというキャラクターが心にぐっと入ってきました。―仰った通り、チャン・テジュとキム・ジョンベは正反対のキャラクターです。一人はとても出世志向が強く、もう一人は人が良すぎて詐欺に遭うほどです。いずれも極端なキャラクターではありますが、それでもコ・スさんはどっちにより近いと思いますか?コ・ス:僕ですか? 普段はただ(手で水平線を描きながら)こんな感じです。穏やかになろうと努力しています。―コ・スさんは優しくて静かな人だという話をたくさん聞きました。また、答えが短くてインタビューが大変な俳優という話もありました(笑)コ・ス:間違った固定観念です(笑) 実は僕の中では情熱が燃えているのに。―良い人という話を聞き続けていると、優しい男コンプレックスのようなものができたりしませんか?「僕は優しくならなければならない」というような。コ・ス:そんな考えはありません。人はみんな同じように生きているじゃないですか。僕も腹が立ったら怒ったり、悪口や文句を言ったりします。俳優は感情労働者であり、感情の変化が激しいキャラクターと頻繁によく会っているので、普段は穏やかでいようと努力するのです。そして、僕は自分で「僕は優しい人です」と話したことはありません。それはある意味、メディアが作り出したキャラクターや性格です。かといって、わざと「僕は悪いやつだ!」と言えるような行動を取るのもおかしいですし。ただ僕がそれを認めるか認めないか、もしくは頷くか頷かないかの違いだと思います。―どうですか? 認めていますか?コ・ス:今はあまり気にしていません。でも、最初は気にしました。昔はそれについて本当にたくさん悩んだものです。でも、僕がいくら違うと言っても仕方ないじゃないですか。先ほど話したように、わざと悪い行動をとるわけにもいかないし。僕は他人に迷惑をかけたくないと思うタイプなので、そういった意味ではそのように見える可能性もあると思います。―映画の話をしてみましょう。女優チョン・ドヨンさんと向き合うシーンより、電話や手紙で感情を交わすシーンが多いです。つまり、それぞれ撮影した後、編集で繋いだということですが、そういった点でこの映画は役者たちにとっても完成版を見る楽しみが格別な作品だったと思います。コ・ス:技術試写会の時、初めて完成版を見ました。初めてだったので、その時は映画を客観的に見ることができませんでした。全体的なストーリーより、どのシーンがカットされ、どのように編集されたのかに目が行きました。それで、マスコミ試写会の時にようやくちゃんと見れたのですが、その時は心が痛くなりました。台本で感じた切なさが蘇りました。ソン・ジョンヨン(チョン・ドヨン) がとてもかわいそうで、キム・ジョンベの無能さがもどかしくて、娘のヘリン(カン・ジウ) がとても気の毒だと思いました。この家族はどうなるんだろうかと思いながら、シナリオを読んだことを思い出しました。―チョン・ドヨンという女優と共演してみてどう感じましたか?コ・ス:ソン・ジョンヨンという人物は感情を絶えず噴出しなければならないキャラクターなので、演じるのが大変です。しかし、チョン・ドヨンさんはものすごい集中力と根気を見せました。感情をずっと維持しているときっと疲れるはずなのに、粘り強く演じる姿に「すごい」と思いました。作品で直接向き合うシーンがもっと多かったら良かったのに、それが残念です。―「黄金の帝国」ではソン・ヒョンジュさん、「マルティニークからの祈り」ではチョン・ドヨンさんという、韓国でも演技が上手いことで有名な俳優と相次いで共演を果たしました。そのような俳優と出会うと、演技がより楽しくなると思います。コ・ス:新しい世界に出会った気がしました。けれども、それはどの俳優に会っても同じです。人はそれぞれ、自分の小さな世界を持っているじゃないですか。演技が上手い、上手くないかは関係なく、僕と違う世界を持った人に出会うということはいつもワクワクして嬉しいことです。―コ・スという小さな世界もあるはずですが、自分の世界を他人にたくさん見せる方ですか?コ・ス:それは見ようとする人には見えて、見ようとしない人には見えないと思います。僕からあえて見せようとはしません。そして、俳優は自分だけの世界がより強い方じゃないですか。その世界を邪魔したくありません。尊重すべきだと思います。―それは逆に自分の世界も邪魔されたくないという意味でもありますね。コ・ス:そうです。―「マルティニークからの祈り」は実話を基にした映画です。実在する人物がいるということが、演技に影響を及ぼしましたか?コ・ス:たぶん多くの観客たちが実在の人物について考えると思います。でも、僕は映画だけでアプローチしたため、実在する人物とキャラクターは違うと思いました。私はキム・ジョンベをもう少し無能な人物として表現したかったです。映画的に劇化し、できるだけ情けない姿を見せたいと思いました。周りでよく見られる平凡な父親、人に騙されやすくて、人の話にすぐ食いつくような父親を演じたかったんです。そういう意味で「マルティニークからの祈り」は、この年代の多くの家長たちに見てほしいと思います。事件の中心にはソン・ジョンヨンがいますが、一方では家族に何もしてあげられなくて苦しむ家長の話でもありますから。―コ・スさんはどうですか? コ・スさんも人の話をよく信じる方ですか?(笑)コ・ス:僕は中間かな?(笑)―作品を選ぶ時もそうですか?コ・ス:作品をする時は常に人の話を聞こうとするタイプです。一本気ではありません。昔は一本気なタイプだったと思います。人の話をあまり聞こうとしなかったし、僕の主張も強かったです。でも、徐々に変わってきています。最近は「人の話をよく聞くことも重要だ」というような本も多く出ているじゃないですか。―デビューしたての頃のインタビューで「現実とキャラクターの間で激しく混乱するタイプだ」と話しました。だが、ある時点を超えてからは「現実とキャラクターは完璧に分離しておく」と言っています。それは経験から得たノウハウですか?コ・ス:昔はそのやり方を知らなかったんです。ただ撮影現場に行き、演じるキャラクターの立場でずっと考えていたから、現実と作品をよく混同していたようです。そうするうちに経験が積まれ、年も重ねて自然と分離する方法を身につけました。日常生活に影響を与えてミスを犯してはいけないので、気をつけなければならないという考えを意識的に持ったのです。―作品に深く没頭すると、日常でミスを犯すこともあると考えているんですね。コ・ス:そうです。それは仕方ないことです。俳優も人間だから、状況に合わせて完璧に変身することはできないと思います。心に残っている感情もありますから。だから、分離しておこうと努力するのです。―最近、コ・スさんを一番熱くさせているものは何ですか?コ・ス:次の作品?(笑) ―とても安全な答えですね(笑) 次回作は決まりましたか?コ・ス:まだ確定はしていないのですが、見ているシナリオはあります。(インタビューから数日後、コ・スがカン・ジェギュ監督の短編映画「あの人に逢えるまで」へのキャスティングのニュースが伝えられた)―音楽を聞くことや本を読むことが好きだと聞きました。以前、10asiaの「おすすめの映画」記事で自ら紹介していた映画を見てみると、感性的な映画(「Love Letter」「冷静と情熱のあいだ」「シャイン」など)が多かったのですが、好みなのでしょうか?コ・ス:好みじゃないかもしれません。僕は何かについて「これはこれだ!」とはっきり言うのが怖いです。すべてのことは動いて変わりますから。―動いて変化するものが怖いんですか?コ・ス:何かに閉じ込められるのが怖いんです。固定されるようなことが。同じシナリオでも、2年前に読みながら感じたことと、今改めて読みながら感じることは違います。だから、2年前の感情を持って演じることはできません。結局、変わった時の僕の気持ちをどれだけよく把握して、受け入れられるかが重要だと思います。―映画「超能力者」では超能力が通じないたった一人の人間イム・ギュナムを演じましたが、世界中の人たちには通じて、コ・スさんには通じないことがあるとすれば何ですか?コ・ス:ハハハ。僕に通じないことですか? いや、しつこく食い下がられたら何でも通じると思いますよ(笑) それにも関わらず、僕に通じないことがあるとしたら答えになっているかどうか分かりませんが、僕は役者じゃないですか。それで、「演技とは何だと思いますか?」という質問を多く受けますが、演技に関してはいくら質問されても答えられないと思います。本当に分かりませんから。―いつか正解を見つけられるのでしょうか?コ・ス:いいえ。一生分からないと思います。あまり見つけ出したくもないですし。―え? どうしてですか?コ・ス:演技も生きて動くものだと思うからです。何かに閉じ込められることを恐れるのと相通じるものがあります。僕は演技が何なのか本当に分かりません。僕がやったことが演技だったのかどうかも分からないです。演技という言葉自体も正確ではないような気がします。ただカメラの前で何かをやるという感じに近いものだと思います。―コ・スさんにとって演技は難しい領域のようですね。コ・ス:はい。僕にとって演技はとても難しくて大変です。だから作品に入る前はいつも怖くなりますし、あまり眠れなくなります。―怖くて難しいのに続けている理由は何ですか?コ・ス:たぶんとても切実だからだと思います。切実だからこそ怖いと感じているはずです。―それでは、2008年に演劇「帰ってきたオム社長」に出演したのは、どのような意図があったのでしょうか? 自分なりの挑戦だったとは思いますが、その時はどんな気持ちで演技に近づいて行ったのですか?コ・ス:様々な気持ちがありました。除隊してから初めて選んだ作品だったので、格別でもありました。挑戦というよりはもっと好奇心に近かったです。舞台という場所や舞台に立つ人たちのことがとても知りたかったし、その中で僕は何を考え、感じられるのかということが気になりました。演技をするというよりも新人の気持ちで臨んだと思います。―好奇心は解決しましたか?コ・ス:もちろんです。「このような空間があるんだ」と感じ、「自分はこんなにも足りない人なんだ」と気づきました。また、「もっと頑張らなければならない」ということも感じた新しい経験でした。―自分を過小評価する傾向があるように思います。コ・ス:何かに満足する性格ではありません。―演技をしながら満足する日が来るのでしょうか?コ・ス:何かと妥協する日は来ると思います。―妥協? どんな意味での妥協ですか?コ・ス:妥協(姿勢を正しながら) 安住とも言えます。皮肉な話ですが、現実に安住した瞬間、演技にも満足するようになると思います。そういう意味で安住したり、妥協する時が来なければ良いですね。来てはいけない時でもあるし。―演技を山に登るという感じでやっていますか? それとも、一緒に歩くという感じでやっていますか?コ・ス:(再び姿勢を正しながら) 僕はこんな話をあまりしたことがありません。質問してくれる人もいないですし。―質問が抽象的で難しかったですか?コ・ス:いいえ。考えてみるきっかけになるので嬉しいです。じっくりと考えながら答えなければならないので、より慎重になりますし。質問はああ、山ですね! 僕にとって山は登ったら終わる対象ではありません。山を越えたら、より高い山が見えるじゃないですか。それで、その山を越えたら、今度はまた違う山が出てきたり、海が出てくることもあります。そういう意味で、演技というものは登るものではあるが、登って終わるものではないんです。頂上を目指して行きますが、結局は征服するためではなく、一緒に歩くのです。―自分を過小評価しているという話、取り消します。実は一枚上手ですね!コ・ス:僕がですか? ハハハ。

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  • 「マルティニークからの祈り」コ・ス“平凡ではない?私もみんなと全く一緒の、平凡な家長です”

    「マルティニークからの祈り」コ・ス“平凡ではない?私もみんなと全く一緒の、平凡な家長です”

    俳優コ・スが平凡な家族の家長、そして父親に戻った。2004年10月30日にフランスのオルリー空港で麻薬の運び屋だと誤解され、遠く大西洋に漂う孤島マルティニーク島の刑務所に収監された平凡な韓国人主婦の実話を描いた作品「マルティニークからの祈り」でコ・スは、ソン・ジョンヨン(チョン・ドヨン)の夫キム・ジョンベ役を演じた。「平凡な家長のキム・ジョンベに惹かれました」ハンサムな顔立ちと憂愁に満ちた眼差し、低音の声に至るまで、ロマンチックな姿をすべて備えたコ・スに平凡さは似合わないようだった。しかし、映画「マルティニークからの祈り」でのコ・スは平凡そのものだった。とても平凡な家庭で平凡に生きていく妻と娘、彼らを見守らなければならない家長キム・ジョンベ役で帰ってきたコ・スには、今まで女心を揺さぶってきたロマンチックな姿は見当たらなかった。自分の無能さに涙を流して、悩み苦しんだ思いから声を張り上げる。「どうして何も言わずにそこで大変なことをしでかすんだ!」と大声を上げるキム・ジョンベの姿は、日常のごく平凡な家長の姿だった。このような平凡な家長の姿は、コ・スを「マルティニークからの祈り」へと導く大きな理由として作用した。コ・スは「マルティニークからの祈り」を選択した一番大きな理由として平凡な家長という点を挙げた。「キム・ジョンベは今まで私が出演してきた作品の中のキャラクターとは少し違います。平凡な家庭の家長の姿なので、特に魅力を感じたようです。平凡な家庭に起きたある事件を通じて、キム・ジョンベが成長して変化が生まれます。だから出演を決定しました。シナリオを読みながら家族を思い出して、家族のことを考えるようになりました」「マルティニークからの祈り」は、映画を見る観客たちの感情を辛くさせる。演技をする俳優たちも体力的にではなく、感情的に辛かった作品であることがはっきりと見てとれた。コ・スもこの点に同意した。「何よりも妻があんなに遠い所にいること、ソウルに残されて私が何もできないということ、妻を連れ戻すために努力するが限界があり、結局は何もできないということ。このような点が大変でしたね。基本的にソン・ジョンヨンもキム・ジョンベも感情が落ち着いた状態ではありません。大変な状況に置かれているということだけでも大変でした」コ・スはキム・ジョンベの気持ちを100%理解して、キム・ジョンベの感情に入り込んだ姿を見せた。映画の中で「どうして行ったんだ」と叫ぶシーンについて話すときは、実際に残念そうな表情になって、「あの時は本当に腹が立ちました。どうして行ったのかと本当に怒っていたんです」と言うほどだった。「あの時は本当に苛立って腹が立ちました。私がキム・ジョンベを表現するうえで、そういった姿が良かったんです。そのような状況でも役者として表現することがありますから。本当に多くの男性たちがそうした失敗をしているようです。外ではソフトですが、家の中では優しくなく、身近な家族に対してちょっとないがしろにする部分があるじゃないですか。キム・ジョンベもやはりそうです。もちろん、すべての男性がそうではありませんが、平凡な家長の姿です。そのような部分をお見せしたいと思いました」キム・ジョンベはストーリーが進むにつれて、次第に変化を見せていく人物だ。もちろん状況が与える変化であり、話が終わりに差し掛かる頃には、一層成熟した家長の姿に変わっている。自信満々に「俺が全部ちゃんとするから」と威勢よく話していたキム・ジョンベは、いつしか「俺が悪かった」と弱気になってしまう。「序盤には虚勢もあり、優柔不断で、大声を張り上げる。そんなキム・ジョンベでしたが、後半になるにつれてどんどん弱く、不安になり、意気消沈するように変わっていきます。ソン・ジョンヨンも遠い他国で苦労をして、もどかしく思っていますが、キム・ジョンベもまた帰って来ない返事にもどかしさを感じます。徐々に変わっていくキム・ジョンベの姿を観客たちが感じることができるように、感情の変化を考えながら演技をしました」「平凡じゃないですって?私も平凡な家長です」映画には、チョン・ドヨンとコ・スだけではなく、二人の娘のヘリン役を演じた子役カン・ジウが登場する。天真爛漫な笑顔と優れた感情演技により、人気上昇中の子役女優の一人である。カン・ジウの話を持ち出すとコ・スは笑顔を見せた。「本当に可愛いです。立派だし誇りに思います。ですが子供なので、大人たちのように感情をコントロールすることができず、監督とスタッフたちが待ちながら自然に感情を引き出しました。お昼寝をする時間になると撮影を中断して、お昼寝をしてから撮影を再開しました。また、居眠りをしてても『ジウが眠そうだから撮るの止めよう』と言うと、『撮影しなきゃ』と言って起き上がります。大人でも大変な現場なのに本当に感心しました」「マルティニークからの祈り」の中でキム・ジョンベが妻と娘がいる平凡な家長のように、コ・スもやはり妻と息子を持つ家長だ。コ・スと主演女優のチョン・ドヨンが「マルティニークからの祈り」にキャスティングされた際、人々は「コ・スとチョン・ドヨンはビジュアルが平凡じゃない」と話した。コ・スは「違います。私は平凡な顔立ちです」と述べた。「平凡じゃないですって?違いますよ。私は平凡な顔立ちです。家でも平凡な人です。家ではどんな父親ですかって?同じです。生きるのはみんな同じでしょう。子供も可愛いですし」実際に平凡な家長だというコ・スに、「マルティニークからの祈り」のようなことが起こったらどうだろうかと尋ねると、コ・スは「そんなことは考えたくも、想像もしたくないです」と体を震わせた。「とても辛いことなので想像もしたくないですね。普通、男性は自分はキム・ジョンベとは違うと思います。キム・ジョンベを見ながら、もどかしさを感じて涙を流したりもするでしょう。それでも劇場を出ると『私はあんな人間じゃない』と思います。しかし、キム・ジョンベは実在しそうな人物だと思います。だから感情移入がすんなりとできたようですが、実際には絶対に嫌です(笑)」

    マイデイリー
  • チョン・ドヨン、グラビアで見せるナチュラルな魅力「“最高の姿”と評価されることは嫌い」

    チョン・ドヨン、グラビアで見せるナチュラルな魅力「“最高の姿”と評価されることは嫌い」

    女優チョン・ドヨンが自然体の素顔を公開した。チョン・ドヨンは韓国で今月発売されたスタースタイルマガジン「HIGH CUT」のグラビアでデビュー23年目を迎えた女優の内面を見せ付けた。すっぴんに近い素顔、無造作なヘアスタイルでナチュラルな魅力を披露した。誰かを恋しく思っているような表情、何かを恨んでいるような眼差し、幸せいっぱいの笑顔など繊細な内面の演技とラフなポーズが調和し、グラビアの完成度を高めた。チョン・ドヨンは続けて行われたインタビューで最近韓国で公開された映画「マルティニークからの祈り」、18日に前夜公開となった「弁護人」(監督:ヤン・ウソク)そして24日に公開される「サスペクト 哀しき容疑者」(監督:ウォン・シンヨン)が年末にスクリーンで対決を繰り広げることについて「結果のことを心配するよりは、見る映画が多くて楽しい気持ちでいたい。3本の中で1本だけが生き残るということだったらあまりにも熾烈で、ストレスになると思う。観客が選ぶことのできる映画が多ければいいと思う」と伝えた。また、チョン・ドヨンは「トガニ 幼き瞳の告発」(監督:ファン・ドンヒョク)と「マルティニークからの祈り」の共通点について「観客に、『この映画は怖い』と言われた。『トガニ 幼き瞳の告発』もそうだし、『マルティニークからの祈り』もそうだが、共通点があるとしたら実際の事件を描き『今この瞬間にもこのようなことが起きている』と思わせるところだと思う」と語った。また「シークレット・サンシャイン」当時、演技で好評を得たことについては「私が一番嫌いな、またプレッシャーを感じる話。例えば『シークレット・サンシャイン』が公開された時、『これがチョン・ドヨンの最高の姿であり、ピークである』という風な私の限界を決めるような言い方が嫌いだった。なぜなら、私はまだ伝えたい話も多いし、今まで伝えてきた話よりは伝えていない話のほうがもっと多いから」と伝えた。チョン・ドヨンのグラビアとインタビューの詳細は韓国で19日に発売された「HIGH CUT」第116号で確認できる。「マルティニークからの祈り」は、フランスのオルリー空港で麻薬の運び屋だと誤解され韓国から飛行機で22時間離れたマルティニーク島の刑務所に収監された平凡な主婦と、その妻を救うため世の中に切実に訴える夫の実話を描いた作品だ。チョン・ドヨン、コ・スが出演し、「容疑者X 天才数学者のアリバイ」「オーロラ姫」を演出したパン・ウンジン監督がメガホンをとった。

    TVレポート
  • 「マルティニークからの祈り」パン・ウンジン監督“事件の主人公に降りかかった現実に注目”

    「マルティニークからの祈り」パン・ウンジン監督“事件の主人公に降りかかった現実に注目”

    「藁にもすがるその気持ちに共感できなかったら、演出もできなかったと思います」名前さえ馴染みのないフランスの離れ島マルティニーク島の監獄。平凡な主婦がここに収監され、2年後にやっと家族のもとへ戻ってきた。フランスのオルリー空港で麻薬の運び屋に誤解され、韓国から飛行機で22時間、1万2400kmも離れている地球の反対側で悪夢のような毎日を過ごした。アメリカドラマの題材になりそうなこの事件は、2006年に韓国の主婦チャン・ミジョンさんに起きた実際の事件だ。いわゆるチャン・ミジョン事件を題材にした映画「マルティニークからの祈り」(監督:パン・ウンジン、制作:CJエンターテインメント、多細胞クラブ)はある瞬間壊れてしまった平凡な家族の日常と地球の反対側である女性が経験した侮辱、そして韓国の国民である彼女から目を逸らした人たちの姿をカメラにおさめた。パン・ウンジン監督は最近TVレポートとのインタビューで「試写会に来てくれたチャン・ミジョンさんはたくさん泣き、私を抱きしめながらありがとうと言いました。チャン・ミジョンさんがこの映画のせいで傷つくのではないかと心配していたので胸がジーンとしました」と話を始めた。「麻薬であることを知っていたのか知らなかったのかは重要じゃない」映画はオルリー空港で尋常ではない気配を感じたジョンヨン(チョン・ドヨン)の姿から始まる。夫の後輩の死、借金の保証、滞った家賃、目に見えて大きくなる娘。肩にのしかかる生活の重さに耐えていたジョンヨンは夫ジョンベ(コ・ス)の後輩の提案で南米のガイアナからフランスに原石を運ぶ。運ぶだけで数ヶ月の生活費を稼げるのだ。しかし原石だと思っていたかばんの中にはものすごい量の麻薬が入っていた。麻薬の運び屋だと勘違いされたジョンヨンは現場で逮捕された。彼女のかばんに入っていた麻薬は、オルリー空港でこれまで発覚された麻薬の中で一番多い量だった。「チャン・ミジョン事件に対するネットユーザーの意見がまちまちなのは知っていました。私たちの映画はチャン・ミジョンさんに過ちがないと主張する映画ではありません。家族の大切さ、人と人の力について語りたかったのです。『どんなにたくさんのお金をくれると言っても私ならできない』『麻薬であることを知らなかったはずがない』という気持ちは少しもありませんでした。チャン・ミジョンさんに共感したからこの映画を作ることができました。家賃が8ヶ月も滞った韓国の主婦に、『麻薬であることを知っていたのか、知らなかったのか』という質問は重要じゃないかもしれません。藁にもすがるその気持ち、原石でも運ばなければならないその現実に注目しました」「マルティニークからの祈り」はこの過程でジョンヨンとジョンヨンの家族から目を逸らす在仏韓国大使館の姿を詳しく描いた。「一度だけ私たちの話を聞いてほしい」という叫びに、「韓国の公務員がそんなに暇そうか」という答えをロボットのように繰り返す彼ら。ジョンヨンの弁護に必要な通訳を雇うための予算はないときっぱり言いながらも高級マカロンを食べたり、2年間裁判を受けることができなかったジョンヨンにとって何よりも重要な陳情書にコーヒーをこぼしたりする。「在仏韓国大使館を多少意図的に戯画化しました。アンタゴニスト(主人公と対立する人物)ラインを立てたわけです。コミカルまでではないですが、ある程度彼らを戯画化したいと考えました。映画の中で明確に見せるため戯画化しましたが、実際にも在仏韓国大使館の職員たちが更迭されましたよね。事実に基づきました。もちろん領事の仕事も重要ですが、こちらの話を聞いてほしいだけなのに無関心で一貫されましたので。在仏韓国大使館の職員を演じたペ・ソンウ、リュ・テホさんの演技がとてもよかったと思いませんか。ペ・ソンウさんが映画の中で食べたマカロンは、実際に現地でとても有名なマカロンです。『おい、それ一つが3000ウォンだからね。NG出さないで』と言いましたね(笑)」「気の毒だったチョン・ドヨン、庶民的だったコ・ス」「マルティニークからの祈り」はチョン・ドヨンにとって「カウントダウン」以来2年ぶりの復帰作であることでも映画界内外から注目を浴びた。常にカンヌの女王という重たい修飾語がつくチョン・ドヨン。彼女は今回の作品でも誠実かつ鳥肌の立つ演技で観客の期待を裏切らなかった。チョン・ドヨンは化粧気のないむくんだ素顔でジョンヨンが2年間不慣れな土地で経験した地獄のような日常の空気感をスクリーン越しに伝えている。「撮影に入る前にチョン・ドヨンさんと話したのは、『ジョンヨンをひたすら暗く描かないこと』でした。純真で少しは明るい人物に描きたかったのです。チョン・ドヨンさんは普通の人は経験さえしない大きな感情を演じながらも、細かい変化をうまく表現してくれました。ジョンヨンが仮釈放された後にむしろ苦しむでしょう?カリブ海の美しい風景と異なって撮影スケジュールはすごくハードでした。暑さに疲れましたし、休息時間もなかったですし。その時、ドヨンさんを見て『ジョンヨンそのものになって生きているんだな』と思いました。素晴らしいことですよね。気の毒でしたし」前作の「容疑者X 天才数学者のアリバイ」でリュ・スンボムの新しい顔を発掘したパン・ウンジン監督は、今回の作品でも男性俳優の新しい一面を引き出すことに成功した。妻のジョンヨンを助けるために世の中に訴える夫ジョンベ役のコ・スは実際意外なキャスティングだった。コビッド(コ・ス+ダビッド)というあだ名があるほど彫刻のようなルックスのコ・スが借金の保証で小さなカーセンターまで失った、生活の匂いがするキャラクターをいかに説得力のある演技で表現するのか期待と共に懸念も多くあった。「コ・スさんが演じるジョンベはどんなジョンベなのか、気になりました。予想可能なキャスティングではなく、ぶつかってみたかったです。コ・スさんの実際の性格はとても庶民的です。人に対する配慮がすごいというか。映画の中でジョンベがジョンヨンに酷いことを言うシーンを撮りながらも『愛する妻にどうしてこんな言葉を言うのですか』と苦しんだくらいですから(笑) 今回の作品のために体重を8キロも増やされましたが、途中ノロウィルスに感染して痩せてしまいました。そのため、撮影現場で他の人たちが休んでいる時にコ・スさんは食べ続けました。美少年のイメージが強い俳優である彼は、自ら従来のイメージを捨てたいという欲求が強かったです。結果的にもうまくやってくれました」「誰にでも落ち込む時はあるはず」パン・ウンジン監督は「マルティニークからの祈り」を通じて、最終的には人の力を語りたかったという。チャン・ミジョン事件が放送を通じて世の中に知られ、チャン・ミジョン家族が力を得たのも結局人がいたから可能だったということだ。絶望の真ん中にいても、真心を込めた誰かの一言は希望になる。「人が持つ力を信じたいです。チャン・ミジョンさんもネットユーザーの力、夫の力、家族の力があったからこそ耐えることができたでしょう。私たちにチャン・ミジョンさんのように劇的な事件が起こる可能性は非常に低いですが、誰にでも落ち込む時はあるはずですから。人生には予想もできなかった瞬間にどん底に落ちることもありますし、親しい後輩に騙されることもあります。そうなるたびに人を信じて乗り越えてくださいと言いたかったのです。睨んで嘆いてもすでに過ぎたことじゃないですか。もちろん生きていると本当に悪い人もいるみたいですが(笑)」1989年に演劇「妻の妹の私生活」でデビューしたパン・ウンジン監督は1994年の映画デビュー作「太白山脈」(監督:イム・グォンテク)以来、「学生府君神位」(監督:パク・チョルス)、「悪い女~青い門~」(監督:キム・ギドク)などを通じて印象深い演技力を披露してきた。俳優出身の監督だからこそ持っている力について聞くと「俳優たちが私を怖がることがあります」と冗談まじりで答えた。「『容疑者X 天才数学者のアリバイ』の時は(チョ)ジヌン、(リュ)スンボムは私が怖くて演技ができないと言いましたね(笑) ほかの監督は知らない、俳優しか知らないことを私が知っているからなのか。私は『これもいいけど、次のテイクではもっと出せるかな?』と聞くタイプです。それがもっと怖いようです。『オーロラ姫』のオム・ジョンファさんもそうでしたし。私は俳優と合わせていくタイプです。具体的なディレクションよりは俳優が持っている魅力をそのまま観客に伝えようと努力します。もちろん編集や後半作業である程度は細工しますけどね。『マルティニークからの祈り』も俳優たちと合わせる過程が大事でした」

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  • 「マルティニークからの祈り」チョン・ドヨン、実際の事件の主人公と会う“本当に自分を見ているような感じ”

    「マルティニークからの祈り」チョン・ドヨン、実際の事件の主人公と会う“本当に自分を見ているような感じ”

    映画「マルティニークからの祈り」(監督:パン・ウンジン、制作:CJエンターテインメント、タセポクラブ)のチョン・ドヨンが実際事件の主人公であるチャン・ミジョンさんと出会った。「マルティニークからの祈り」でジョンヨン役を熱演したチョン・ドヨンと、実際この事件の主人公は今月6日、ソウル城東(ソンドン)区杏堂洞(ヘンダンドン)CGV往十里(ワンシムニ)で開かれた映画「マルティニークからの祈り」のVIP試写会で、ドラマチックな出会いを果たした。現場で二人は熱くハグし、心より励ましあった。チャン・ミンジョンさんは、「チョン・ドヨンさんの演技が本当に上手で、まるで私を見ているようだった」とし、「娘の写真を持って刑務所のベッドに寝ていたシーンや、夫がマルティニーク島に来たとき、意地悪なことを言ったシーンを見るとあのときの感情と本当に似ていてびっくりした」という心のこもった感想を伝えた。続いて「映画を見ると昔のことを思い出して、涙をたくさん流した。当時、家に帰るということだけでも本当に嬉しく、有り難かった」と率直な心境を明かした。チャン・ミジョン事件を初めて世間に公開した当時、KBS「追跡60分」のチョン・テクスプロデューサーも現場を訪れ、映画を応援した。チョンプロデューサーは「映画を作ると聞いて心配もして期待もしたが、映画を見て時事ドキュメンタリーを作ることも、映画を作ることも一番の根幹を成すのは人を思う気持ちだと思った」と打ち明けた。「マルティニークからの祈り」はフランス・オルリー空港で麻薬犯に誤認され、韓国から飛行機で22時間離れたマルティニーク島の刑務所に収監された平凡な主婦と、妻を救うために切実に世の中に訴える夫の実話を描く。チョン・ドヨン、コ・スが熱演し、「容疑者X 天才数学者のアリバイ」のパン・ウンジン監督がメガホンを取った。

    TVレポート
  • 【PHOTO】チョン・ドヨン、映画「マルティニークからの祈り」インタビューで見せた“信頼できる女優のオーラ”

    【PHOTO】チョン・ドヨン、映画「マルティニークからの祈り」インタビューで見せた“信頼できる女優のオーラ”

    映画「マルティニークからの祈り」の女優チョン・ドヨンがOSENとのインタビューでポーズを取っている。「マルティニークからの祈り」は、10年前に発生した実話チャン・ミジョン事件を映画化した作品だ。チャン・ミジョン事件とは2004年10月30日にフランスのオルリー空港で麻薬の運び屋だと誤認され、遠く離れた大西洋のマルティニーク島の刑務所に収監された平凡な韓国人の主婦チャン・ミジョンさんの事件のことだ。劇中でチョン・ドヨンは、麻薬の運び屋と誤認される主婦ソン・ジョンヨン役を熱演し、俳優コ・スがソン・ジョンヨンを韓国に連れ戻そうと奮闘する夫キム・ジョンベ役を演じた。「マルティニークからの祈り」は公開から6日で観客動員数100万人を突破し、順調な滑り出しを見せている。

    OSEN
  • 「マルティニークからの祈り」チョン・ドヨン“事件そのものよりも、温かい家族映画として観てもらいたい”

    「マルティニークからの祈り」チョン・ドヨン“事件そのものよりも、温かい家族映画として観てもらいたい”

    彼女のいなかった2年間の忠武路(チュンムロ:韓国映画の中心地)はタフな男で溢れかえった荒地であり、寂しかった。誰も彼女の不在を埋めてはくれなかった。荒れ果てた忠武路に早い春が訪れた。閉じていたつぼみを咲かせた女優チョン・ドヨン(40歳)。久しぶりにスクリーンに花が咲いた。 KBS 2TV「追跡60分」を通じて話題となったチャン・ミジョン事件をモチーフにしたリアリティ映画「マルティニークからの祈り」(監督:パン・ウンジン、制作:CJエンターテインメント、タセポクラブ)。チョン・ドヨンは麻薬密輸の疑いで大西洋の遠くにある孤立したマルティニーク島の刑務所に収監された唯一の韓国人、ソン・ジョンヨン役を演じた。言葉も通じない場所で犯罪者扱いされ、誰一人として手を差し伸べてくれない極限の状況の中で、彼女は崖の端に立っているか弱い女性そのものだった。久しぶりに戻ってきたチョン・ドヨンは「観客に会うのがまだちょっと慣れなくて、慣れるために努力中だ」と伝え、恥ずかしがった。以前より痩せた彼女の身体が物語っているように、チョン・ドヨンにとって「マルティニークからの祈り」は苦難と逆境の連続だった。目まぐるしい海外ロケの現場では、繊細な感情を維持することに苦労した。それでもか弱いその身体を奮い立たせて最後まで臨んだ。果たしてチョン・ドヨンはなぜ茨の道を歩み続けるのだろうか。―2年ぶりのカムバックだが、これまでは育児に専念していたのか?チョン・ドヨン:故意に作品への出演を避けていたわけではありません。育児のためなのかとよく言われますが、そうではありません。昔も今も、特に作品数を減らそうとは思っていません。何よりも私は引き続き作品に出演していきたいです。実は「カウントダウン」(2011年、監督:ホ・ジョンホ)以降、ドラマをやってみようと思っていました。けれど、私に合うシナリオがありませんでした。一時期、男性の俳優がメインの映画がたくさん作られていましたよね。その分、女優の出番は少なくなっていたわけです。―今回の映画で体力的にも感情的にもとても苦労したと聞いた。チョン・ドヨン:決して容易くはない作品でした。海外ロケが多かったので、さらに苦労したと思います。ソン・ジョンヨンのエピソードが、ほとんど海外で撮影されたので大変でした。みんな時間に追われながら撮影をしました。特に、空港ではアクシデントが多かったです。交渉の際に撮影に関する料金なども許可を得たのですが、いざ撮影が始まると「ここはダメ」「あそこもダメ」という制約が多かったです。空港のシーンを一日で全部撮る必要があったのに、「ダメ」と言われると困りますよね。乗客の邪魔にならないように、また空港の職員の機嫌を伺いながら目まぐるしく撮影をしました。―メイキング映像ではフランスで授与された勲章でも見せてあげたかったと話していたが、それだけ空港での撮影は大変だったのか? チョン・ドヨン:どれだけ辛くて勲章の話まで出したんでしょうかね(笑) 不平や不満を口にする時間もなく、撮影を続けました。結局、最後のワンシーンは撮影できないまま追い出されました。もともと約束の時間が12時までだったんですが、11時30分から「出て行け」と言うんですよ。「出ないと警察を呼ぶ」と言われ、みんな後ろも見ないで逃げるように荷物をまとめました。途方に暮れましたね。悔しくて怒りも感じましたよ。帰り道に「私はフランスで名誉のある勲章をもらったこともある女優なのに、それを持ってくれば良かった」と思えてきて、メイキング映像で言ってみたんです(笑)―カンヌの女王とも呼ばれているのに、空港で気付いた人はいなかったのか?チョン・ドヨン:誰も気付いてくれませんでした(笑) 乗客の方だけ何人か気付いてくださいました。その方々は、韓国の監督にも詳しい方々でした。イム・サンス、ホン・サンス、イ・チャンドン、パク・チャヌク監督に詳しく、私のことにも気付いてくださいました。ですが、空港の職員の中では気付いてくださる方がいなくて撮影に役立つことはありませんでした。―実際に4歳の娘を育てる母親として、ソン・ジョンヨンの状況に大きく共感できたと思う。チョン・ドヨン:娘がいるのといないのとは少し違う問題でして。ソン・ジョンヨンを演じるにおいて、今の私に課せられた現実的な部分と劇中の状況を関連付けようとは思いませんでした。本当のソン・ジョンヨンの姿をお見せしたくて、ありのままにソン・ジョンヨンを演じようとしました。どこにもいそうな平凡な姿を演じたかったです。すでにドキュメンタリーで露出された題材なので、演じることにおいてさらに苦労した部分はありますが、観客がソン・ジョンヨンに共感してほしいと願う気持ちで一生懸命に頑張りました。ストーリーそのものがドラマチックなので、映画の中のソン・ジョンヨンも同じく目立ってしまうといけない映画だと思いました。―「マルティニークからの祈り」のモチーフとなったチャン・ミジョンさんと実際に会ったことは? チョン・ドヨン:直接会ってたくさんの話を交わすことはできませんでした。遠くで挨拶だけでしたね。「マルティニークからの祈り」のVIP試写会に来てくださったと聞きましたが、実はあの方に近付いてああだこうだと話すのは申し訳ない気持ちです。とりあえず、あの方にとっては被害であり、傷である事件なんでしょう?映画をご覧になって辛い思い出が蘇るのではないかと心配しましたが、幸い傷になる映画ではなく、癒されるような映画だとおっしゃってくださいました。むしろチャン・ミジョンさんのほうが「撮影大変だったでしょうね」と心配してくださって、その言葉がありがたかったです。―「マルティニークからの祈り」では、これまでとは違って綺麗ではない顔でスクリーンに登場するが、女優としてプレッシャーはなかったのか?チョン・ドヨン:私は外見に対するプレッシャーは全くありません。映画の中で醜くなり、老いていく姿を見せるとしても気にしません。自然な、ありのままの私の姿が好きです。―刑務所で取調べを受ける過程で、強制的に洋服を脱がされたり暴行を受けるなど、人権侵害の問題が赤裸々に描かれていた。チョン・ドヨン:私もあのシーンを撮影する時に、人権侵害を思いました。本当に誰かが私の隣で死んでいくとしても、自分も怖いのでその人のことは見えないふりをします。信じがたい現実であり、衝撃的でした。―夫キム・ジョンベ役を演じたコ・スさんはどんな俳優ですか?チョン・ドヨン:とても深く考える俳優だと思います。(演技について)たくさん悩みました。実はこの映画はキム・ジョンベとソン・ジョンヨンがお互いに離れている中で話が進むので、後で映画がどのように出来上がるのかとても心配をしたんです。ソン・ジョンヨンからキム・ジョンベが見えて、キム・ジョンベからソン・ジョンヨンが見えるべきでした。映画を観たら、キム・ジョンベのことが理解できたんですよ。そのような部分から、私とコ・スさんの表現方法は通じていたと思います。―先輩女優であり女性監督でもあるパン・ウンジン監督との撮影はどうだった? チョン・ドヨン:コ・スさんや私に特別に指示を与えることはありませんでした。俳優たちの感情をとても尊重してくださいます。パン・ウンジン監督も私やコ・スさんを通じてこの映画のエネルギーを引き出すべきだと思ったんでしょうね。女優として、また女性同士、心理戦がものすごかっただろうと予想する人が多いようですが、全くそのようなものはありませんでした。パン・ウンジン監督はただパン・ウンジン監督だったんですよ。もっと正直に言いますと、先輩としてはまだ少し接するのが難しいんです。今もなぜか少しそのような部分が残っています(笑)―今はイ・ビョンホンと「メモリーズ 追憶の剣」(監督:パク・フンシク)を撮影している。チョン・ドヨン:「マルティニークからの祈り」の撮影が終わってすぐ「メモリーズ 追憶の剣」のアクションの練習に入りました。練習だけでも3ヶ月かかったのですが、感覚としては3年間近く撮っているような感じです。容易くはない作業ですね。「マルティニークからの祈り」のPR活動と「メモリーズ 追憶の剣」の撮影が同時にあって本当に目まぐるしくて。イ・ビョンホンさんが私のスケジュールを聞いて「どこのガールズグループの所属ですか?」と聞いてきました(笑)―怖い新人キム・ゴウンとの共演の感想は?チョン・ドヨン:最近の子は本当にしっかりしていると思いました。根性もありますし、何でも一生懸命なので可愛いです。昔は若い子がここまで可愛いと思ったことはありませんでしたが、彼女は若いのに考え方もしっかりしています。―最後に「マルティニークからの祈り」を観覧する観客に一言。チョン・ドヨン:実話ということで「マルティニークからの祈り」を怖く思う方も多いみたいですね。けれど、すでにドキュメンタリーとして事件のことは接したと思うので、この映画は温かい家族映画として観てくだされば嬉しいです。事件そのものよりも家族のことを語りたかったです。この映画を観て、心が穏やかになってもらえたら嬉しいです。また、いつも傍にいてくれる家族を一度くらいは思ってみるきっかけになったらいいなと思います(笑)

    TVレポート
  • 【PHOTO】ユンナ「マルティニークからの祈り」シネマコンサートで熱唱“映画館に響く温かな声”

    【PHOTO】ユンナ「マルティニークからの祈り」シネマコンサートで熱唱“映画館に響く温かな声”

    18日午後、CGV永登浦(ヨンドゥンポ)店で開かれた映画「マルティニークからの祈り」(監督:パン・ウンジン)シネマコンサートで歌手ユンナが素敵なステージを披露している。「マルティニークからの祈り」は、10年前に実際に発生したチャン・ミジョン事件を映画化した作品である。チャン・ミジョン事件とは、2004年10月30日にフランスのオルリー空港で麻薬の運び屋だと誤認され、遠く離れた大西洋のマルティニーク島の刑務所に収監された平凡な韓国人の主婦チャン・ミジョンさんの事件のことだ。コ・スとチョン・ドヨンが主演を務める「マルティニークからの祈り」は、家に帰りたい主婦と妻を取り戻すため必死に努力する夫の756日間の壮絶な死闘を描いた作品で、チョン・ドヨンがマルティニーク島の刑務所に収監された唯一の韓国人ソン・ジョンヨン役、コ・スがソン・ジョンヨンの夫キム・ジョンベ役を演じた。

    OSEN
  • 【PHOTO】チョン・ドヨン&コ・ス&カン・ジウ「マルティニークからの祈り」シネマコンサートに出席“家族団欒”

    【PHOTO】チョン・ドヨン&コ・ス&カン・ジウ「マルティニークからの祈り」シネマコンサートに出席“家族団欒”

    18日午後、CGV永登浦(ヨンドゥンポ)店で開かれた映画「マルティニークからの祈り」(監督:パン・ウンジン)のシネマコンサートに俳優コ・ス、チョン・ドヨン、カン・ジウ、パン・ウンジン監督が出席してポーズをとっている。「マルティニークからの祈り」は、10年前に実際に発生したチャン・ミジョン事件を映画化した作品である。チャン・ミジョン事件とは、2004年10月30日にフランスのオルリー空港で麻薬の運び屋だと誤認され、遠く離れた大西洋のマルティニーク島の刑務所に収監された平凡な韓国人の主婦チャン・ミジョンさんの事件のことだ。コ・スとチョン・ドヨンが主演を務める「マルティニークからの祈り」は、家に帰りたい主婦と妻を取り戻すため必死に努力する夫の756日間の壮絶な死闘を描いた作品で、チョン・ドヨンがマルティニーク島の刑務所に収監された唯一の韓国人ソン・ジョンヨン役、コ・スがソン・ジョンヨンの夫キム・ジョンベ役を演じた。

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  • 「マルティニークからの祈り」公開7日で100万人を突破!

    「マルティニークからの祈り」公開7日で100万人を突破!

    映画「マルティニークからの祈り」が公開7日で観客動員数100万人を突破した。映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワークによると、映画「マルティニークからの祈り」は17日に10万1927人の観客を動員した。累積観客動員数は101万5794人で、公開7日で100万人を突破した。「マルティニークからの祈り」は2004年10月30日、フランスのオルリー空港で麻薬の運び屋だと勘違いされ、韓国から飛行機で22時間の距離にあるマルティニーク島の監獄に収監された韓国人主婦の実話を描いた作品で、16日から「ホビット 竜に奪われた王国」をおさえて興行成績1位となった。この日興行成績2位は「About Time」だった。「About Time」は8万9850人の観客を動員し、累積観客動員数は155万1754人である。「ホビット 竜に奪われた王国」は7万9661人を動員して興行成績3位となった。この日まで累積観客動員数は113万269人である。「インシディアス 第2章」「Escape Plan」「結婚前夜」「ハンガー・ゲーム2」などがその後に続いた。

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  • コ・ス&チョン・ドヨン主演「マルティニークからの祈り」興行成績1位を奪還!“100万人突破秒読み”

    コ・ス&チョン・ドヨン主演「マルティニークからの祈り」興行成績1位を奪還!“100万人突破秒読み”

    映画「マルティニークからの祈り」が興行成績1位を奪還した。映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワークによると、映画「マルティニークからの祈り」は16日に9万2500人の観客を動員して興行成績1位を記録した。この日までの累積観客動員数は91万3875人で、観客動員数100万人突破まで秒読みに入った。「マルティニークからの祈り」は2004年10月30日、フランスのオルリー空港で麻薬の運び屋に勘違いされ、韓国から飛行機で22時間の距離にあるマルティニーク島の監獄に収監された韓国人主婦の実話を描いた作品で、公開初日に興行成績1位となったが、「ホビット 竜に奪われた王国」が公開され、2位となっていた。この日「ホビット 竜に奪われた王国」は8万1129人の観客を動員して興行成績2位を記録した。この日までの累積観客動員数は105万615人で、公開5日目の記録である。3位は7万9044人を動員した「About Time」で、5位は1万4234人を動員した「インシディアス 第2章」が獲得した。「Escape Plan」「結婚前夜」「ハンガー・ゲーム2」「くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密」がその後に続いた。

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