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乱暴なロマンス

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  • 「棚ぼたのあなた」「優しい男」「ギャグコンサート」など…ドラマ、バラエティの天下が完成した2012年KBS総まとめ

    「棚ぼたのあなた」「優しい男」「ギャグコンサート」など…ドラマ、バラエティの天下が完成した2012年KBS総まとめ

    KBSは今年1年間、ドラマとバラエティで全般的に高い人気を得た。ドラマは水木と週末ドラマで他の放送局を圧倒し、バラエティは特に、日曜日の「ギャグコンサート」の活躍が目立った。今年のKBSドラマとバラエティを振り返ってみる。◆ドラマ―水木・週末は晴れ、月火・毎日は曇りKBS 2TV水木ドラマ、スタートダッシュはあまり良くなかった。1月4日から競争が始まったMBCのフュージョン時代劇「太陽を抱く月」に「乱暴なロマンス」は打ち勝つことができなかった。「太陽を抱く月」が40%を越える視聴率を記録し、国民的ドラマの座に着く間、「乱暴なロマンス」は5%の低い視聴率で静かに幕を下ろした。視聴率は低かったものの、評価は良かった。競争相手が悪かったのだ。しかし、「太陽を抱く月」の放送が終わると、水木ドラマの王座はKBSが手に入れた。「赤道の男」「カクシタル」「優しい男」まで、視聴率と話題性はすべてKBSのものだった。現在第6話まで放送されている「チョンウチ」も、水木ドラマ視聴率1位の座を守っている。週末ドラマもKBSの年と言っても過言ではないほど、良い成績を挙げた。特に40%を超える視聴率で国民的週末ドラマとなった「棚ぼたのあなた」は、シーワールド(夫の実家)という流行語まで生んだ。主・助演問わずすべての出演者が注目を浴びた。「棚ぼたのあなた」が成功したことでプレッシャーを抱えながらもスタートした「いとしのソヨン」も、女性視聴者の共感を得て善戦している。KBSはこれまで、週末ドラマで絶対的な強者だったキム・スヒョン、ムン・ヨンナムからイ・ジョンソン、パク・ジウン、ソ・ヒョンギョン脚本家たちの年齢層を大幅に下げる試みを通して、週末ドラマの脚本家の世代交代とともに若い週末ドラマを作るという目標を達成した。一方、月火ドラマは華麗なキャストとスタッフにも関わらず、低い成績で苦い後味を残した。人気アイドルのキャスティングでも低迷しているKBS 2TV月火ドラマの雰囲気を逆転させることはできなかった。月火ドラマ「ブレイン 愛と野望」の束の間の1位以降、「ドリームハイ2」「ラブレイン」「ビッグ~愛は奇跡~」「海雲台(ヘウンデ)の恋人たち」「ウララ・カップル」まで、人気監督と脚本家、トップスターがKBS 2TV月火ドラマに流れ込んだが、暗雲に覆われてしまった。「ウララ・カップル」に続いて放送されている「ゆれながら咲く花」が、10年前の「学校」シリーズの栄光を再現し、月火ドラマの呪いを解く救世主になれるかに関心が高まっている。同じ時間帯に競争作がないKBS 1TVの夕方毎日ドラマ(月~金曜日に放送されるドラマ)でもあまりいい反応が得られず、心残りとなった。「あなただけよ」「星も月もあなたへ」は、両方ともスタートは良かったが、後半に行くに連れて、方向性を失ったストーリー展開と無理な設定、マクチャン(日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる)などで視聴者の機嫌を損ねた。そんな中、「星も月もあなたへ」の後番組として放送されている「がんばれ、ミスターキム!」は、温かい題材と感動的なエピソードで毎回視聴者の気持ちを温かくしている。夕方の毎日ドラマに背を向けた視聴者までも戻ってきている。現在30%近い視聴率で善戦し、かつてKBS 1TVの夕方毎日ドラマの栄光を再現できるか、視聴者の期待が大きい。◆バラエティ―新旧が満遍なく人気、バラエティ王国へ2012年KBSバラエティは言葉の通り黄金期だった。毎週視聴率1位はもちろん、様々な流行語とパロディーが登場し、その人気を証明した。バラエティのパワーを証明するかのように、お笑いタレントのものだったコメディのステージに、今や俳優や歌手が顔を出し始めた。何よりもKBSバラエティは、古くからの番組も新しい番組も全般的に人気を得て、バラエティ王国となった。流行語を作り出す番組の代表は、断然「ギャグコンサート」だ。放送13年のバラエティ番組の威厳を誇示するかのように、「ギャグコンサート」は現在20%を越える視聴率を記録し、10週連続視聴率1位の座を守っている。今年も無数の流行語が作られた。「ギャグコンサート」のコーナー「非常対策委員会」のそう~?、だめ!ならびに、「コッキド」の~ダラムジュイ(~ダで終わる言葉の後ろにつけるダジャレ)、~カブリ(~カで終わる言葉の後ろにつけるダジャレ)、「メンブン(メンタルが崩壊するほど慌てること)スクール」の人間じゃありません、いやいや、それじゃなくて、「乞食の品格」の知りたい?知りたかったら500ウォンなどの流行語が相次いで誕生した。また、現実を反映する風刺ギャグが大きな人気を得た。「ネガジ」は外見至上主義社会を批判し、「甲乙カンパニー」は階級社会に置かれている会社員の苦渋を反映している。また、「勇敢な奴ら」は世の中に叫ぶ勇敢さと、しっかりとした考えのある発言で視聴者の大きな反響を得た。シーズン2の制作が知られ、期待と懸念を一身に受けた「ハッピーサンデー-1泊2日」シーズン2も放送から9ヶ月が過ぎた今、新メンバーと旧メンバーの調和がシーズン1とは違う面白さがあるという評価を受け、人気を得ている。しかし一方で、新しい番組の明暗は極端に分かれた。最近100回の特集として国民的トークショーの座を作った「国民トークショー アンニョンハセヨ」と、番組廃止となった「青春不敗2」がそうだ。2010年11月、パイロット番組(レギュラー化される前に制作されたテレビ番組)として放送された「国民トークショー アンニョンハセヨ」は、豪華出演者が売りのSBS「ヒーリングキャンプ~楽しいじゃないか~」との視聴率競争でも決して負けず、一般人の強いパワーを見せている。昨年11月、大阜島(テブド)に根拠地を決め、G5(miss A スジ、Jewelry キム・イェウォン、少女時代 ヒョヨン、KARA ジヨン、SISTAR ボラ)が軸となり、青春民宿を前面に出した「青春不敗2」。しかし、先月17日、ガールズグループの涙の中で1年間の放送を終えた。低い視聴率のためだった。もはやアイドルが視聴率を保障することはないということを気づかせてくれた。◆シットコム―復活の成績表とその可能性KBSシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)が4年ぶりに復活した。スタートを切った「天女がいなきゃ?!」は少しだけ地上に降りてきた変わった天女の親子チェファ(ファン・ウスレ)とワンモ(シム・へジン)が天の羽衣を無くしたため、地上で暮らすことになったことで経験するハプニングを描いた。チャ・インピョが初めてコミカル演技に挑戦し、関心が高まったが、反応は微々たるものだった。「天女がいなきゃ?!」の後番組として放送されている「ファミリー」(旧「黙ってファミリー」)も初めは苦戦を強いられた。しかし、回を重ねるごとに自己最高視聴率を更新し、凄まじい底力を発揮している。最近、メインキャストはもちろん、年寄りと子供、周辺人物まで自分の居場所を見つけ、ヨル・ヒボン(パク・ヒボン)、チャ・ジホ(シム・ジホ)、ウ・ジユン(パク・ジユン)、アル(ミン・チャンギ)のラブラインが本格化し、面白さが高まっている。KBSシットコムの華麗なる復活になるかは「ファミリー」の活躍にかかっている。また、「ファミリー」後番組として知られている「一抹の純情」にも注目が集まっている。2組の夫婦と子供たちの愛と友情を描いたこの作品は、シットコム「オールドミスダイアリー」のチェ・スヨン脚本家とJTBC「清潭洞(チョンダムドン)に住んでいます」、映画「朝鮮名探偵 トリカブトの秘密」のイ・ナムギュ脚本家が執筆を担当したということだけでも視聴者の反応が熱い。

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  • 批判を受ける俳優たち、イ・シヨンさんのように頑張ろう

    批判を受ける俳優たち、イ・シヨンさんのように頑張ろう

    MBC「太陽を抱く月」とSBS「お願い、キャプテン」で、二つの水木ドラマの女性主人公の演技力が非難されました。まな板の上に乗せられた当事者は世間の批判をひどいと思うかも知れません。そして一部では情けない女性の見本だとか、ただけちを付けているだけだと、かばってくれる意見もあるみたいです。今は有名である何人かの演技者も一時期は恥ずかしい演技を披露したことがありました。時間が薬ということもあります。時間が経つにつれて、だんだん経験も積まれていき、安定して行くのです。しかし、今回の問題は、批判された主人公が新人ではないということです。デビューしてすでに十年目前後、それも毎回主人公を演じており、時間から見ても、作品数から見ても、今はもう安定した演技を見せる時です。だから視聴者の立場からすると満足できない時は、けちを付けてしまうのです。しかし、視聴者が必ずしも多くのことを望んでいるわけではありません。前よりも一歩進んだ姿、努力した跡がちょっとでも感じられれば、期待を持って見守る人々の心も和らぐのではないでしょうか。当事者が最善を尽くして努力をしたにもかかわらず、多くの人々が見て、変化がなければ、自分の適性に合っているのかもう一度振り返ってみることです。もしそうでなければ努力が足りなかったからでしょう。日増しに伸びていく演技力に拍手を送りますその点で同日に放送されていたKBS「乱暴なロマンス」のイ・シヨンは最善を尽くして努力した良い例です。「太陽を抱く月」でのイケメンの勢いに押されたうえ、ドラマ自体の視聴率があまりに良くなかったため、話題にはならないが、イ・シヨンさんの演技には拍手を送りたいです。共に泣いて、共に笑うという言葉があります。イ・シヨンさんの感情線についていくと、自分も気づかない内に共に悲しんで、腹を立てて、喜んで、そしてときめくようになります。個人的な好き嫌いの問題でもあるけれど、少女漫画から抜け出したような、少年のように気さくな女性主人公のための動作であり、手振りや目つき、表情、そして場面一つ一つ、研究に研究を繰り返して、緻密に作られていることが感じられます。7話を見て下さい。家出をしたパク・ムヨル(イ・ドンウク)を探しに出て、身も心も疲れ果てて、ついに病気になってしまった時のことです。「今まで痛かったことなかったのに、何でこんな時に痛くなるの」と泣いていた日です。うるうるとした表情が素晴らしかったので、手を伸ばして涙を拭いてあげたくなる程でした。そのときは単純に同僚愛だったけど、ムヨルがウンジェ(イ・シヨン)を抱えて「別に何かしようとしてるんじゃないから、そのまま寝ろ」と慰めてくれた彼はどんな気持ちだったのか十分理解できました。あ、そうだ。突然現れたムヨルの初恋カン・ジョンヒ(少女時代 ジェシカ)のせいで落ち込んで鏡を見ながら「もう少し綺麗だったらな」と愚痴を言う場面も忘れられません。その瞬間、「それ以上美しくなれないよ!君はすごく綺麗だ!」という声が知らないうちに飛び出してきました。コミカルなエピソードが多いこの作品でコメディアン顔負けのギャグと真剣な姿、両方とも立派に表現した能力は本当に素晴らしいです。歪んだ目線で見て、心よりお詫び申し上げます前の作品がいくつかありますが、イ・シヨンさんが人々に知られ始めたのは、多分KBS「花より男子~Boys Over Flowers」からだと思います。クム・ジャンディ(原作での牧野つくし:ク・ヘソン)の唯一の友達だったけど、ク・ジュンピョ(道明寺司:イ・ミンホ)に片思いしたせいで、結局、ジャンディを落とし穴に落としてしまうオ・ミンジ役を演じました。その時が2009年、仮想結婚バラエティMBC「私たち結婚しました」に出演していた時のイメージもあまりよくなかったので、ある面では好感を持てない状態から出発したかもしれません。しかし、わずか2、3年の間で、イ・シヨンさんは驚くほど変身していて、恐ろしいほど成長をしました。翌年、KBS「セレブの誕生」のプ・テヒの役でやっと注目を浴びたけど、その後も主人公の役に執着せず、役の比重が大きくても小さくても、最善を尽くしてきた姿が何より良かったです。「乱暴なロマンス」でウンジェがムヨルのアンチファンクラブの会員たちを手なずけて、名誉を取り戻すために頑張ったように、イ・シヨンさんも自分のアンチファンを克服するために根性を見せたみたいです。現在、演技力で批判されている俳優も、今がまさしく苦難の時間と考えてみたらどうでしょうか。本当に才能がないのでなければ、今の世論もいつかは努力で克服できますから。そして、この場を借りて恥ずかしい告白をしなければなりません。以前、ガンダムのフィギュアを集めて、ボクシングを楽しんでいるイ・シヨンさんの趣味を、ひょっとして作り出したコンセプトではないかと、歪んだ目線で見ていました。心よりお詫び申し上げます。

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  • 2012年上半期決算 ― 「キング~Two Hearts」「屋根部屋のプリンス」など王様がドラマに来た理由は?

    2012年上半期決算 ― 「キング~Two Hearts」「屋根部屋のプリンス」など王様がドラマに来た理由は?

    2012年は私たちにとってどんな年として記憶に残るだろうか。まだ6月も終わっていない今、こんなことを考えるのは意味がないかもしれない。しかし、6月まで私たちの目の前で起きたことは、もうそれだけでも1つのドラマと言える。人々は国会議員の総選挙の結果に笑ったり泣いたりして、選挙が終わった後は政治家たちの争いで傷ついた。同じ時期、MBC放送局でのストライキは100日を超え、「無限に挑戦」はその間放送されることはなかった。今年上半期の最高の流行語の1つがメンタル崩壊ということは、こうしたすべての状況を含蓄的に物語っているのかもしれない。信じがたいことが平気で起きて、人々のメンタルは崩壊しないように無理して努力するほどストレスは溜まっている。そんな中で放送されたテレビドラマやバラエティ番組は番組内外にこの世の中のすべてを反映していた。理解しがたいくらいに作品の完成度が落ちたり、ありえない放送事故が起こった。斬新な試みは退屈な展開に妨げられたが、その反面お決まりのストーリーの中から新しい可能性が発見された。「10asia」では、この複雑で答えのない2012年の世の中とテレビについて整理してみた。世界が滅亡しても楽しく上半期を決算する「10asia」も帰ってきた。KBS「赤道の男」のイ・ヨンベ(イ・ウォンジョン)は言う。「俺の息子は賢いけどお金がなくて罪を犯した」と。すると息子のイ・ジャンイル(イ・ジュニョク)は答える。「あんたが俺の人生をめちゃくちゃにしたんだ」父は豊かさとともに一生息子を苦しめる問題も与えた。イ・ジャンイルは父の罪を背負って生き、MBC「キング~Two Hearts」のイ・ジェハ(イ・スンギ)と、MBC「太陽を抱く月」のイ・フォン(キム・スヒョン)は父もしくは父の代わりだった兄の後を継ぎ国を治めるという課題を抱えるようになる。SBS「ファッション王」で財閥の父を持つチョン・ジェヒョク(イ・ジェフン)は父親を恐れながらも彼から逃げることができなかった。そしてKBS「ラブレイン」のように初恋をたたえる作品も親世代と子世代の葛藤を中心に置いた物語だった。親に逆らうもしくは親と違う世界を夢見る。「赤道の男」は2012年の上半期ドラマがなぜ両世代の問題をテーマにしたのかを表している。罪の根源であるノシク(キム・ヨンチョル)は建設事業に関する不正で富を築き、そのお金でイ・ヨンベの息子が検事になるよう支援した。開発時代の財閥が未来のためにスポンサー検事(特定企業・団体・個人をかばっていると思われている検事)として育て上げたのだ。世代の問題はすなわち韓国現代史の起源と密接な関係があり、新たな世代は過去から逃げ出すことが簡単ではない。「キング~Two Hearts」や「太陽を抱く月」、そしてSBS「屋根部屋のプリンス」など若き王様の物語はそうした問題に対する1つの解決策であった。新しい王様が旧態依然とした政治を終わらせ、新しい世界を作る。そうした期待は韓国の現実と噛み合っている。MBC放送局の社長になれば法人カードで毎年数億ウォンのお金を使うことができて、人事システムを変え記者や番組の司会者を契約職員として採用することもできる。その反面、そんな彼らを一線から退かせる方法はそう多くない。国民が誰かを選ぶ自由はあるが、リーダーの独占を防げる権力は持っていなかった。それはSBS「サラリーマン楚漢志」で財閥との戦いを王様の戦争に例えたのが不自然ではない理由だ。現実の財閥はすでに王様のようなもので、人々は新しい善良な王様が登場することを待ち望んでいる。2012年のドラマ、現在を語るふりをして過去に留まるしかし「キング~Two Hearts」の秘書室長(イ・スンジェ)はイ・ジェハに「王としての素質がまだ足りない」と話す。新しい王が前の世代から認められるためには、前の世代とは違った方法で成果を出さなければならない。上半期ドラマのジレンマはここから始まる。「屋根部屋のプリンス」ではタイムスリップを、「赤道の男」では重い復讐劇を、「キング~Two Hearts」では韓国の南北問題を扱っている。しかし「屋根部屋のプリンス」のほとんどは善悪がはっきりと分かれている4人の男女によるラブストーリーだった。「赤道の男」では、10代の頃から始まったキム・ソヌ(オム・テウン)とハン・ジウォン(イ・ボヨン)の切ない恋は、タフな男とピュアで元気な女の愛と言う典型的な設定に従った。「キング~Two Hearts」では男女の恋愛を現実の政治と繋げて、現実の政治問題は生まれつきの悪党であるキム・ボング(ユン・ジェムン)のせいにした。KBS「乱暴なロマンス」ではユ・ウンジェ(イ・シヨン)の母親が彼女に自分の問題を親のせいにするなと言っている。だがミステリー手法と個人それぞれの内面に踏み入っていた「乱暴なロマンス」でさえ、男女主人公の恋愛だけは偶然や誤解、そして迷惑がごちゃ混ぜになった典型的な方法を使った。青春もドラマも過去から逃れることを望んでいるが、なかなか過去の枠を飛び越えることは容易ではない。むしろ「太陽を抱く月」のように黒魔術、ファンタジー、若い王の王権確立という最近の流行をテーマに初恋や記憶喪失という古い題材を入れた作品がミニシリーズ(毎週連続で2日間に2話ずつ放送されるドラマ)の中で最も高い視聴率を記録した。新しい題材に典型的な構成という結果はディテールの欠如から来ている。「ファッション王」でカン・ヨンゴルが東大門市場の商人たちと連合して会社を経営する過程は、すべてチョン・ジェヒョクの部下によって説明される。「赤道の男」のノシクの秘書と「キング~Two Hearts」の秘書室長もまた事業の現状や国際情勢をすべて話してくれる。視聴者はカン・ヨンゴルがドラマチックに会社を興す過程も、「The king 2heats」で朝鮮半島の情勢変化による国民やマスコミの反応を見ることができない。ディテールがないから題材の斬新さやメッセージの重ささえ軽くなってしまったのかもしれない。MBC「ハイキック3~短足の逆襲」(以下「ハイキック3」)は第1話からお金が最も重要な価値となってしまった韓国社会を風刺し、ストーリーの中心に実質的な一家の大黒柱である若い医者と10代の少女を登場させた。しかし、彼らはほとんどのエピソードで遊んでは食事をし、恋愛をしている姿が繰り返された。10代の少女が好きな人のために進学を諦めるという決心をし、そのときに感じるであろう現実的な生き方の重みは消えた。「ハイキック3」が従来のシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)のように日増しにキャラクター中心のコメディと恋愛の役割が大きくなってしまった理由である。今の人生に対する具体的なディテールをなくしてしまえば過去に依存するしかない。未来を迎える準備が出来ているのかむしろ細かいディテールを作り上げたことは最も典型的だと思われたドラマから見ることができた。JTBC「妻の資格」は父親が朝食の食卓で勉強がらみのテーマを引き出すべきだと言われている大峙洞(テチドン、韓国で教育熱の最も高い地域)に暮らす家族の教育現場を怖いほど詳しく描いた。大峙洞に住む中流家庭の生き方に関するディテールが大峙洞の主婦、ユン・ソレ(キム・ヒエ)の不倫、または新しい恋が可能となる確かな理由となった。ありきたりな不倫物語がしつこいほどの膨大な情報により、新しい道へと進んでいった。数多くの総合チャンネル(今年新設された民間放送局をすべて引っくるめて総合チャンネルと言う)で放送されたドラマが失敗を重ねる中で「妻の資格」が成果を上げたのはそれなりの理由がある。KBS「棚ぼたのあなた」の既婚女性が夫の実家に感じる恐怖、それは姑が週末という時間を邪魔し、家の鍵の暗証番号を教えることを要求する小さいエピソードにより実感を与えた。嫁姑問題と言うありきたりな題材を細かく掘り下げていくと、結婚も、子供も、夫の実家も恐れてしまう、今時の女性たちの挑戦的な問題提起があった。重要なことはどんなストーリーなのかではなく、どう扱うのかということであり、作り手は過去よりもっと熾烈に自分が作ったストーリーを掘り下げるときが来た。過去からの独立はそこから始まるのだ。だから、MBC「無限に挑戦」の放送休止はドラマやバラエティはもちろん、放送業界全体にとって象徴的な事件である。「無限に挑戦」が放送されなかったことは、今年上半期のバラエティ番組の不振をよく表している。オーディション番組もこれ以上Mnet「スーパースターK2」のような熱い瞬間を作り出せない。そして、KBS「ハッピーサンデー」のコーナー「1泊2日」はシーズン2に入ってから過去の栄光から遠ざかっている。カン・ホドンやキム・グラの不在とともにトーク番組のパワーはより落ち込んだ。だからと言って「無限に挑戦」をまた呼び戻すか、もしくはキム・グラを復帰させるか。「無限に挑戦」を再開すれば興味を示す視聴者もいるだろう。しかし、「無限に挑戦」の制作者が望んでいる、まともな番組を作る機会を失ってしまうだろう。キム・グラのトークは面白い。だが彼の過ちをこのままうやむやにすることはできない。現在に留まるか、試練を覚悟してより素晴らしい未来を望むか。または誰かの罪に対し反省するか、処罰するか、それとも葬るか。過去と未来、または陳腐さと新しさの中でドラマも、バラエティも、その番組を見ている私たちも選択の分かれ道に立っている。私たちはこの厳しい時期を乗り越えて新しい時代に到達できるだろうか。

    10Asia
  • 水木ドラマ第2回戦、より熾烈な戦いへ

    水木ドラマ第2回戦、より熾烈な戦いへ

    地上波水木ドラマの競争は、まさに戦争だ。2012年、同じ日、同じ時間に始まった水木ドラマの戦争は、5ヶ月が経った今でも終わる気配が見えない。むしろ、より熾烈な戦いを繰り広げている。2012年1月4日同時に始まった水木ドラマはMBC「太陽を抱く月」、KBS 2TV「乱暴なロマンス」、SBS「お願い、キャプテン」だ。フュージョン時代劇とミステリアスラブコメディ、航空ドラマなど、ジャンルもそれぞれ。しかし、水木ドラマの第1回戦は最初から最後まで「太陽を抱く月」の完全なる勝利だった。初回の放送で18.0%(AGBニールセン・メディアリサーチ)の全国視聴率1位を記録し、2位の「お願い、キャプテン」と2倍近くの差を作った「太陽を抱く月」はその後、視聴率40%を越え、国民的ドラマとなった。主人公のキム・スヒョンとハン・ガインはもちろん、主演や助演問わず、すべての出演者が話題となった。また、「太陽を抱く月」が話題を一人占めしている間「お願い、キャプテン」は1桁後半の視聴率でかろうじて2位の座を守り、「乱暴なロマンス」は5~7%を行き来し、最下位となった。「太陽を抱く月」の強力なパワーによりMBCに敗北したKBSとSBSは水木ドラマ2回戦を敢行した。MBC労働組合労のストライキで「太陽を抱く月」の放送が計画通りに行われず、放送終了日が延期されるとKBSとSBSも「太陽を抱く月」に合わせて後続番組の放送日を遅らせ、戦意を固めた。2局待機の末、水木ドラマ第2回戦が始まった。「太陽を抱く月」の後続番組「キング~Two Hearts」(脚本:ホン・ジナ、演出:イ・ジェギュ、チョン・デユン)、「お願い、キャプテン」の後続番組「屋根部屋のプリンス」(脚本:イ・ヒミョン、演出:シン・ユンソプ)、「乱暴なロマンス」の後続番組「赤道の男」(脚本:キム・インヨン、演出:キム・ヨンス、ハン・サンウ)が3月21日、同時に放送を開始した。「キング~Two Hearts」はブラックコメディ、「屋根部屋のプリンス」はファンタジー・ラブコメディ、「赤道の男」は正統派復讐劇と、ジャンルも水木ドラマ第1回戦と同じくそれぞれ。さらに、3本共に豪華キャストと制作スタッフを誇る点も同じで、勝敗の結果を予測することは容易ではなかった。初回の視聴率競争は16.2%を記録した「キング~Two Hearts」の完勝だった。3位の「赤道の男」(7.7%)と2倍以上の差を見せたのも「太陽を抱く月」のときと同じだった。「キング~Two Hearts」は第2話で第1話より0.3%上昇した16.5%の視聴率を記録し、水木ドラマトップの座を固め始め、第5話まで一度も1位の座を譲らなかった。しかし、水木ドラマ競争は第6話で興味深い変化を見せ始めた。「屋根部屋のプリンス」が0.4%の差で「キング~Two Hearts」を追い抜き、水木ドラマ王座を手に入れたのだ。「屋根部屋のプリンス」は4月11日の総選挙の翌日に行われた再対決でも1位となり、ファンタジージャンルが持つ力を見せつけた。また、その後それまで3位から抜け出せなかった「赤道の男」が凄まじい勢いで反撃に出た。先月18日の放送で「赤道の男」が12.0%の視聴率を記録、水木ドラマ1位になったのだ。一方「屋根部屋のプリンス」は11.4%、「キング~Two Hearts」は10.8%を記録した。一度上昇基調に乗った「赤道の男」は正統派復讐劇の勢いで2日に放送された第13話まで5回連続で1位を守ることに成功した。「赤道の男」が水木ドラマ1位を守っている間、「キング~Two Hearts」と「屋根部屋のプリンス」の順位は入れ替わり、どのドラマが最終的に1位となるのか、ますますわからなくなった。そんな中、底の見えない墜落の中、ハンア(ハ・ジウォン)とジェハ(イ・スンギ)の復讐が本格化した「キング~Two Hearts」は2日の放送で、唯一視聴率が小幅上昇し、水木ドラマ第2回戦の今後を予測出来ないようにした。一方、1位の「赤道の男」は0.5%下落した14.7%、3位の「屋根部屋のプリンス」は1.0%下落した10.3%の視聴率をそれぞれ記録した。

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  • 少女時代 ティファニー、イ・ドンウクのファンであると告白“恥ずかしい~” 

    少女時代 ティファニー、イ・ドンウクのファンであると告白“恥ずかしい~” 

    ガールズグループ少女時代のティファニーが、俳優イ・ドンウクのファンであることを告白し、話題となっている。韓国で24日に放送されたSBSバラエティ番組「強心臓(カンシムジャン)」に出演したティファニーは、イ・ドンウクのファンであると話し「ドラマ『女の香り』はもちろん、その前に出演されたドラマも全部見た」と打ち明けた。「昔の作品で、思いに残るものがあるのか」という質問にティファニーは「『マイガール』(2005)が面白かった」と即答し、イ・ドンウクのファンであることをアピールした。ティファニーは特に「女の香り」に本部長役として出演したイ・ドンウクに当時「本部長だ~!」と声を出して喜んでいたと打ち明けた。また「ある日、ジェシカとともにドラマ『乱暴なロマンス』に出演するというニュースを聞き『シカちゃん(ジェシカの愛称)、うちの本部長によろしくと伝えてね』と言った。するとシカちゃんが本当に私の言葉を伝えた」と明かした。するとイ・ドンウクは「ジェシカさんがその言葉をそのまま伝えてくれた。『兄さん、ティファニーがね、うちの本部長によろしく、と言ってました』と言ってくれた」と話した。彼の言葉にティファニーは「今、すごく恥ずかしい」と照れた顔を隠しきれない様子だった。タレントのブームは「イ・ドンウクさんは軍隊でも少女時代のファンだった」と明かし、和気藹々として雰囲気を醸し出した。この日の放送でティファニーはお洒落をしていくと写真を撮られないという空港ファッションに対する悩みに言及し、注目を集めた。

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  • 「乱暴なロマンス」 vs 「乱暴なロマンス」 私の心は温かいストーブのように

    「乱暴なロマンス」 vs 「乱暴なロマンス」 私の心は温かいストーブのように

    タイトルからロマンスを掲げたが、KBS「乱暴なロマンス」は主人公の愛に焦点を当てたドラマではなかった。むしろ様々な登場人物たちの傷や劣等感などが隠されている洞窟の中にスポットライトを当てた。ある人は洞窟の暗闇の中から最後まで抜け出ることが出来なかったが、またある人は洞窟から出て自分だけの光に付いて行くことが出来た。その結果、甘いロマンスを期待していた視聴者は満足出来なかったり、ドラマから目を背けてしまったりしたのかもしれない。しかし、誰でも持っている心の中の暗闇を認め、それを乗り越えて行こうとするキャラクターたちを見守った視聴者には「乱暴なロマンス」が満塁ホームランのようなドラマであったに違いない。同ドラマの最終回を控え、チョ・ジヨン、ユン・イナTV評論家がこれまでの放送を振り返った。/編集者注1年前に放送されたKBS「ホワイトクリスマス」のエンディングシーンまで遡ってみよう。脚本家パク・ヨンソン先生はその作品を通し「モンスターは生まれるものか、作られるものか」という質問を視聴者に向かって投げた。「乱暴なロマンス」の中に描かれているミステリーやそのミステリーを作り出す人物の状態を考えれば「乱暴なロマンス」は「ホワイトクリスマス」の延長線上にある作品と言える。それは「乱暴なロマンス」で潜在的なサイコパス(精神病質)に登場するユニを演じるホン・ジョンヒョンが「ホワイトクリスマス」でヨハン(キム・サンギョン)を一口ずつ噛んで殺した子供達の中の1人だからではない。「ホワイトクリスマス」で深い山奥に位置し、外の世界から完全に孤立したスシン高校のモンスターは「結局、全ての人間の中にはモンスターが存在する」と話した。そして「乱暴なロマンス」では笑ったり泣いたり恋をしたりする平凡な日常の中でもモンスターは目覚めることが出来ると話している。モンスターから呼ばれた時、何を選択するか自分がモンスターであることを隠さず、様々な実験を押し切ったヨハンと違って、ムヨル(イ・ドンウク)の家事手伝いでありながら彼のストーカーでもある叔母(イ・ボヒ)は完全な暗闇の中に隠れている。ストーカーの存在が初めて知らされてから犯人の正体が明らかになるまで、ムヨルの周りにいる人々が次々に疑われる。周りの人々がムヨルに危害を加えそうな、様々な理由や複雑な感情をそれぞれ持っていたからだ。ドンス(オ・マンソク)とコ記者(イ・ヒジュン)はムヨルに対する劣等感や嫉妬を抱いて、スヨン(ファン・ソニ)やジョンヒ(少女時代ジェシカ)との関係まで絡んでいる。そして、外部から登場したユニは人々が持つ悪意や憎しみに近い感情を持っている。もし、彼らが自分たちの中にある僻み、ヨハンの表現を借りるとモンスターを引き出したとしたら、誰もが家政婦の叔母のような行動をしたかもしれない。そして、家政婦の叔母は彼らの中で何人かの感情や考えを後ろで操りながら、ムヨルが自分だけに頼るようにするといった間違った欲望の実現に少しずつ近づいていく。この作品で、野球とパク・ムヨルを分けずに描く理由は、野球が人々が切実に欲張る、または夢見る象徴を意味するからだ。しかし、みんながその欲望の中に埋没されてモンスターになる道を選んだりはしない。それぞれが違うバックグラウンドや性格を持ってドラマの中で生きている「乱暴なロマンス」の登場人物たちは、モンスターから呼ばれた時、自分が直面した苦しみの中でそれぞれ違う選択をする。結局「乱暴なロマンス」は作品を通して、人間に隠されているネガティブな感情をどうやって克服すればいいか、またはどうやって抱いて生きればいいかという質問を視聴者に投げかけたドラマである。ロマンスは他にあるしかし「乱暴なロマンス」は必要以上にたくさんのジャンルが入り交じって、これがテーマだという話を見つけ出しにくい。球界のスターであるムヨルとアンチファンであるウンジェ(イ・シヨン)がぶつかり合った4話まではロマンティックな要素が一切ないコメディだった。その後、ムヨルの受難とウンジェの片思いが終わり、ミステリーの比重が大きくなった。ストーカーとの事件が進展していく中でロマンスの部分を厳かにしていたため、ムヨルはまるで雷にでも打たれたかのように、自分の感情に気付くしかなかった。関連性のないロマンスと穴が見えるミステリーがお互いに交わることなく、笑うべきか泣くべきか分からない曖昧な瞬間があまりにも多すぎた。乱暴さはムヨルとウンジェが、ロマンスは2人を取り囲む登場人物であるキム室長とドンア(イム・ジュウン)が担当するのは、結果的には悪くはないが、ストーリーを進める過程の中では良かったとは決して言えない。伝えたい全ての話をドラマの中に溶け込ませるのは、訓練やボランティア、2人の女性の間でのロマンスまで、全てを一度にやらなくてならないムヨルと同じく、手に余ることだ。ロマンスを期待しても、コメディを期待しても、ミステリーを期待しても、この全てのもののバランスが全く取れていない「乱暴なロマンス」の世界では、何1つとして十分に満足することが出来ない。それでも「乱暴なロマンス」は1人の人間として自分の中に存在するモンスターを目覚めさせないように努力する過程を描く。その過程の中で、ある人は「才能を見る目には嫉妬だけがあるわけではない」ということを、またある人は「一瞬に人生をかける」ということの意味を知っていく。この作品で野球という名前で呼ばれる切実な何かは時には人を救うが、時には人を地獄に落とす。ウンジェが話したように、それぞれの地獄で人間は苦しんで痛みを感じる。しかし、1人で我慢したりその苦痛の中に沈むことで、地獄から抜け出すことも、モンスターが開いた傷口から突き出さないように防ぐことも出来ない。そのため、キム室長とドンアのように、人間にはお互いの最も弱い部分を見せても目を背けない誰かが必要である。そして、野球をどれだけ愛してもみんながムヨルのようにはなれないし、誰より長い間絵を描いてもジョンヒにはなれない世界で、お互いに向かって「君は君のままでいい」と話す必要がある。それが、自分の中に存在するモンスターの寝かせ方であり、この小さな連帯がもしかしたら「乱暴なロマンス」が言う本物のロマンスなのではないだろうか。/記事:ユン・イナモンスターは近くにいる。平凡な顔をして毎日を生きていくそれぞれの心の奥には、大小様々なモンスターが身を潜めている。心の奥に隠れた暗闇の中で成長するそのモンスターの名前は、劣等感や嫉妬、もしくは片思いかもしれない。「乱暴なロマンス」ではそのモンスターがどうやって生まれて成長するかを観察することが出来る。ドラマはムヨル(イ・ドンウク)を苦しめるストーカーが誰なのかを明らかにするため、まるでフーダニット(whodunit、内容とあらすじが犯罪とその解決に主に照明を当てるミステリー映画や番組、小説などを指す言葉)の探偵小説のように、ムヨルの周りにいる多くの人々を容疑者として設定する。11話でようやく犯人の正体が明らかになるが、容疑者リストに上がった人々の心の中でも、モンスターが突然現れた瞬間があったりした。キャラクターは強み、ロマンスは弱み学生の頃、野球をしていたが、夢を叶えることが出来なかったコ記者(イ・ヒジュン)、ムヨルの暴力事件の被害者でありその原因提供者でもある貧しい大学生ユニ(ホン・ジョンヒョン)は、少しの間だけではあるが、同じの感情を共有する。自分が持つことが出来なかったものを当たり前のように楽しむ人への憎しみ、そして、その人の全てを奪いたくなる心が、彼らがお互いに共有した感情だ。ジョンヒ(ジェシカ)に対するスヨン(ファン・ソニ)の感情も彼らのものと似ている。切実に願ったが、自分が持つことが出来なかった才能を、生まれる時からすでに持っていて当たり前のように思う人に向かって感じる劣等感も、モンスターが非常に好む暗闇だ。モンスターは主に自分の幸せより他人の不幸を願う時にその姿を現すが、ほとんどの人は想像以上にそのように危ない瞬間をたくさん経験する。結局、ドンス(オ・マンソク)をはじめ、容疑者たちの疑いが晴れた時、奇妙にもそれぞれの厳しい人生が、しつこく後を付け回した偏見や涙のストーリーが、1つずつその姿を表す。見た目は大丈夫そうに見えても、内面に傷をまったく持っていない人は誰一人なく、みんな1人で涙を流したことがある人達だった。自分の心の傷を癒すためにそれぞれ孤軍奮闘する姿が可哀想に見える。そのため「乱暴なロマンス」では、ある一人の人物の人生を説明したり、ロマンスを仕上げるために使われたり犠牲にされる舞台装置のようなキャラクターは存在しなかった。そんな過程を通してキャラクターの一人一人が上手に表現されたのはドラマのメリットになったが、ロマンスに割愛した時間があまり長くなかったのはデメリットであった。出塁は多かったが、得点においては決定打が出なかったことになる。自分の中のモンスターがいなくなる時間少し遅れた感はあるが、ロマンスこそがこのドラマが提示する、モンスターに対抗する最も確実な作戦であり、処方箋である。モンスターに心を奪われないためには、ドンア(イム・ジュウン)とキム室長(カン・ドンホ)のように素直で乱れた恋をして血の味がするファーストキスをしたり、ムヨルとウンジェ(イ・シヨン)のように一緒にボクシングや柔道をしたりする中で頭をなでてあげればいい。ウンジェは悪いやつあいつと言っていた人をなぜ、どうして愛するようになったのか、ウンジェの父親(イ・ウォンジョン)は他の男が好きだと言って家族を捨てたウンジェの母親(イ・イルファ)をなぜ今でも愛しているのか、ウンジェの家族は何の繋がりもないブルーシーガルズの優勝をなぜそこまで願っているか、誰もその理由を知らない。ただ、もしかしたらそれが愛なのかもしれなくて「わざと理由をつけて好きにならないように努力してもなかなか出来ない」という感情があることに頷くだけだ。ムヨルが淡々と「野球はたまに人を助ける」と言う時、この台詞に共感する人は必ずしも野球の開幕シーズンを待ち遠しく思っている全国の野球ファンだけだとは言えない。野球は他の物になれるし、人に替えることも出来る。ただ、心が向かう対象が上手くいくことを願う気持ち、そのお返しは全く期待しないが思うだけでも胸が一杯になる時、身を潜めている寂しさや劣等感、嫉妬といった名前を持つモンスターは、その瞬間だけでも消滅したり弱くなる。「乱暴なロマンス」はおとなしい。親を言い訳にしたり恨んだりする数多くの甘えん坊に捧げられた他の恋愛話とは違って、自分で心の傷を癒そうとしたり、友達や同僚に手を差し伸ばしたり、差し伸ばした手をすぐ掴むような話だ。「あえて選べと言われたら、ヒョウ柄のワンピースより韓服」という正直さ「大好きで逃げました」という本心が、愛する妻のために罪をかぶろうとするその心が輝くドラマだ。「乱暴なロマンス」は引き続きアウェーゲームばかり行うような不利なトーナメント運など全く気にせず、いつも最後まで最善を尽くすウンジェのように、凛々しく愛くるしかった。

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  • 少女時代 ジェシカ&イ・ドンウク、親しげな姿をアピール「どんな仲なの?」

    少女時代 ジェシカ&イ・ドンウク、親しげな姿をアピール「どんな仲なの?」

    俳優イ・ドンウクと少女時代のジェシカの仲良しのシーンが捉えられ、話題となっている。韓国で14日に放送されたSBS芸能情報番組「SBSテレビ芸能」の「スターウォッチ」コーナーでは映画「最強のふたり」のVVIP試写会に出席したイ・ドンウクとジェシカの姿が放送された。この日、イ・ドンウクは久しぶりに会ったジェシカを見て喜んで挨拶をした。特に、自然に手を握ってスキンシップをするなど親しい間柄をアピールして注目を浴びた。このシーンを目にしたネットユーザーは「2人の仲、何なんでしょう。なんでこんなに親しいの?」「ジェシカの手を握るなんて羨ましい」「熱愛説でも出てきたら」などのコメントを残した。イ・ドンウクとジェシカはKBS 2TVドラマ「乱暴なロマンス」で共演した。

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  • 【Dr.アル】イ・ドンウクがセクシー過ぎて狂ってしまいそうです。

    【Dr.アル】イ・ドンウクがセクシー過ぎて狂ってしまいそうです。

    好きだというレベルを超えてアリ(恋の病で寝込むような)の境地になる時がある。見ないと死にそうで見ていると会いたくなる、今日もどこかで苦しんでいる全国に数多くいるアリ患者のための「10asia」の相談コーナー「Dr.アル」。今回の悩ましいアリの対象は、「乱暴なロマンス」など、数々のドラマで涙を流し、その涙でテレビの前の女性を虜にしてきたイ・ドンウク。QUESTIONKBSドラマ「乱暴なロマンス」で、みんながウンジェ(イ・シヨン)にハマっていることは分かっています。同じ女性から見ても愛らしいということは、私も充分分かっています。それでもなぜ私はどんどんムヨル(イ・ドンウク)が気になっていくんでしょう?ウンジェに「時に野球は人を救ってくれるんだ」と話した後、家に入る時、退出される危機に陥ったドンス(オ・マンソク)を訪ねて「今まで間違った人生を生きてきた」とため息をついた時のムヨルの後ろ姿がどんなに寂しかったか。そこまでは耐えられます。しかし、イ・ドンウクの血の気のない顔と焦点の合わない瞳が頭から離れません。セクシー過ぎて本当に狂ってしまいそうです。(孔陵洞/ユ某さん)Dr.アルの処方箋患者様、この方はイ・ドンウクです。水に溺れて風邪をひいた時の重くなった肩が妙にセクシーに見えたり、美人に詐欺に遭うところだった時も、ムヨルの腰に巻いたタオルだけが目に入ったり、発作を起こすジョンヒ(ジェシカ)を安心させるために、ぎゅっと抱きしめる姿もそれとなくセクシーに感じたでしょう。患者様がこの男をパク・ムヨルでなく、イ・ドンウクとして見たから、このような症状が表れたのです。女心も分かってくれない、愚かなパク・ムヨルではなく、軍隊に行っても肌の色が変わらなかった白い天使イ・ドンウクだからです。なぜ、ウンジェがムヨルの顔をじっと見つめていたのかお分かりになったでしょうか。欠点の一つもない顔ですね。それだけではなく、勝手に伸びているヒゲまで素晴らしいです。普通、愛する人の寝ている姿を見たら、赤ちゃんみたいだと思うけど、イ・ドンウクだけは例外です。彼は男です。見つめるだけで心臓が震える男です。もちろん患者様の心臓が最も震える時は、世の中で最も孤独な人になって、今でも倒れそうな顔をしてウンジェとドンスを探し出す瞬間でしょう。理性的に考えたら、ムヨルが冷たく見えても、彼の顔が何度も目に浮かぶのは、患者の方々が既にイ・ドンウクの作品に見慣れているからです。友達であるソング(チョン・ギョウン)を死なせたという罪悪感を無理に背けて生きてきたMBCドラマ「甘い人生」でのジュンスも、余命を宣告された恋人のヨンジェ(キム・ソナ)のためにできることは、そばでできるだけたくさん抱きしめ愛してあげることしかなかったSBSドラマ「女の香り」での、ジウクも胸に傷を抱いた男でした。だからムヨルのヒゲを見るたびに、いつもジュンスの姿が浮び上がったり、ムヨルの上半身を脱衣した姿を見るたびに泣きながらシャワーを浴びていたジウクの姿が浮か上がるのです。今まで、イ・ドンウクが演じた人物をよく考えてみて下さい。水際で遊んでいる子供のように、いつも心配になってかわいそうに思えて、自分の広い肩を貸してあげたくなったのでは。イ・ドンウクがそっと顔を上げて涙ぐむ目で、行かないでくれと、一日だけでも一緒にいてくれないかと言われたら、それを冷たく拒んで帰る女性はいないと思います。医師として責任を回避するための言い訳ではなく、正直、イ・ドンウク病は予想できた病気でした。患者の方々もイ・ドンウクの出演作を見るたびに感じていたと思います。自分が彼のトリコになっていくことを。けれど、時には最後まで痛みを我慢してこそ、その病気が治ると思います。だから、今日は薬でなく読むこと、目で読むだけで全身がしびれてくる、イ・ドンウクの残像をお勧めします。Dr.アルのポイント:イ・ドンウクが痛い『甘い人生』―「明かりがついた家が見たくて来ました。もしかしたら窓側に立っているかも知れないので」ソングの遺骨を川岸にばら撒いて家に来る途中、ジュンスは地下駐車場でソングの父の手先からめちゃくちゃに殴られた。血まみれになったまま、ヘジン(オ・ヨンス)の家に行くジュンスのふらつく足取りを見て、泣かなかった人は誰もいないだろう。口を開くことさえ、苦しい状況にも関わらず、ヘジンに会ったことで薄い微笑を見せながら、「もう一度初めからやり直しても、あなたの傷ついた魂を見ることができる」と確信するジュンスの切ない告白が心を痛める。『女の香り』―「こんな時はどうしたらいいんですか。怖いです」服を脱ぐことを忘れたのか、それとも脱ぐ力がなかったのか。ヨンジェが癌になったという事実を知って、一晩中飲めないお酒を飲んだジウクは服を着たままシャワーを浴びながら、その場に座り込む。何のセリフもない短いシーンだったが、愛する女性が先にあの世に行ってしまうという恐怖がよく表現できた感じそんなことは関係なく、 シャワーシーンの余韻が最も長く残る場面である。ジウクが母の墓参りに行って泣き崩れたように、こんな時本当にどうしたら良いのか分からない。『乱暴なロマンス』―「野球は時に人を救ってくれる」ある人はムヨルを野球するチンピラと呼んだり、またある人は野球をただのボール遊びと言うけれど、ムヨルにとって野球というものは自分をこの世に出してくれた、一種の救世主だ。だからムヨルは何の縁故もないブルーシガールズの優勝に自分が貢献したと信じているウンジェの話をあざけ笑ったり、無視しない。「野球は時に人を救ってくれるんだ」と言った後の約2秒間の沈黙は「野球をしなかったら死ぬしかない」彼の切迫感を感じさせる。野球は時に人を救うが、イ・ドンウクはいつも私たちを泣かせる。

    10Asia
  • 「乱暴なロマンス」打ち上げパーティの写真を公開

    「乱暴なロマンス」打ち上げパーティの写真を公開

    KBS 2TV水木ドラマ「乱暴なロマンス」の打ち上げパーティでの写真が最近、GnGブログ(http://blog.naver.com/gngstar/)に公開された。最終回の放送があった23日に開かれたドラマ撮影終了記念打ち上げパーティでは、酷寒の寒さに共に耐えながら撮影してきたスタッフと俳優たちの絆がさらに固くなった様子だった。特に、スタッフに挟まれ赤くなった顔を両手で包んでいるイ・シヨンの姿が視線を引きつけている。特にインターネットで大掛かりな支持をしてきたDC Inside(韓国の電子掲示板サイト)の「乱暴なロマンス」ギャラリー会員たちが、最後の撮影日におやつと応援ブックなどの差し入れを直接渡したのに続き、打ち上げパーティでも俳優たちの顔を入れて作った2段のケーキと奇抜な内容の賞状を送り、冷めない「乱暴なロマンス」への愛を伝えた。これにイ・シヨンとイム・ジュウンは差し入れと台本を手に、明るい笑顔でギャラリー会員たちのためにセルフショットを残した。また、スタッフと俳優たちは手を合わせてケーキカットを行い、打ち上げパーティの始まりを知らせた。「乱暴なロマンス」のチーフプロデューサーであるファン・イギョン氏自ら出演俳優たちに賞状の授賞式を行い、パーティの雰囲気を盛り上げた。この日、最終回を一緒に視聴した「乱暴なロマンス」のスタッフと俳優たちは、エンディングクレジットが流れると皆同じ気持ちで拍手を送り、お祝いの時間を過ごした。

    TVレポート
  • 幕を下ろした「乱暴なロマンス」下手なロマンス?それでも価値のある挑戦

    幕を下ろした「乱暴なロマンス」下手なロマンス?それでも価値のある挑戦

    23日、KBS 2TV水木ドラマ「乱暴なロマンス」が16回という短い航海にピリオドを打った。「型にはまったようなラブコメディで、夢を語りたい」という企画意図から始まったこのドラマは、一般的という言葉とはかけ離れた人物たちの恋愛をコミカルかつ淡々としたタッチで描き、視聴者から愛された。王者「太陽を抱く月」の高い視聴率に押され、16回までずっと一桁の視聴率にとどまったが、個性あふれる展開でマニア層を形成、記録以上の成果を作り上げた。見たことのない人物たち、変わってるけれど憎めないマニアたちをとりこにしたこのドラマの魅力は常識とは程遠いキャラクターたちにあった。乱暴だけどかわいらしい魅力でイ・シヨンのための、またイ・シヨンによるドラマを作ったイ・シヨンのウンジェキャラクターをはじめに、日非常識的なストーカー行為で周囲を追い込むが、その裏にはつらい過去と愛があったイ・ボヒの家政婦キャラクターまで。立体的なキャラクターたちが、普通ではないドラマを作った。その中でも目立つのは、悪役がないという点。キャラクターそれぞれにエピソードを与えることで、ドラマに健康的な笑いを与えた。このドラマでメインとなる対立は、ほかのドラマのように人間関係によるものとは距離があった。ストーリーの初め、悪役に描かれていたコ記者、イ・ヒジュンが代表的なケースで、彼がムヨルに執着せざるを得ない理由と野球に対する真心はキャラクターの動きに説得力を与えた。中盤から合流したジェシカが演じたジョンヒも同じ。主人公の初恋の相手で、ヒロインのウンジェ(イ・シヨン)と対立する人物だが、愛情がある人に噛み付くというディテールと変わった性格と、ウンジェに手を差し出すまでの過程をドラマチックに描写し、愛らしいキャラクターを完成した。このようにドラマは、人物関係に中心をおき、善と悪を分ける、従来のドラマとは違う選択でマニアの心をつかんだ。完璧とは程遠い、だが、試みだけでもドラマの初頭で、お互いに目の敵になった男女主人公のエピソードを描き、典型的なラブコメディだったドラマは、中盤を基点に方向を変えた。人物と人物をつなぐ短いエピソードにとどまると思ったミステリーがドラマの前面に出て、本格的なミステリーロマンスとしての歩みだした。早くから犯人と予想されていた人物をひねりなくそのまま出す、直球勝負は、ミステリーの基本となるスリルと緊張を与えることはできなかったが、その試みだけでも十分意味があった。説明したように、人物間の対立を際立たせ、一律的に展開されるほかのドラマとは違い、「乱暴なロマンス」は恋のケンカといった陳腐な対立は省略、無駄のない展開を完成させた。これを可能にしたのがミステリー設定で、ドラマの頭にストーカーやアンチといったキーワードでスリルを設定し、休まずエピソードを作り出した。早くから完成されたキャラクターたちは、対立にとらわれることなく、自由に動き回り、魅力を見せた。このように強い個性で、マニアドラマとなった「乱暴なロマンス」だが、記録に対する残念な気持ちを隠すことはできない。緻密とは距離のあるミステリーラブコメディというジャンルと、エピソード中心の展開は大衆受けが足りず、同じ時間帯で視聴率最下位という結果を生んだ。差別化に先立ち、すべての視聴者をターゲットにした要素が必要であることを裏付けているのだ。ポピュラー性と、個性の二つを手に入れた第2の「乱暴なロマンス」の誕生を期待してみる。

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  • イ・ドンウク、主演ドラマ「乱暴なロマンス」終了の心境を告白

    イ・ドンウク、主演ドラマ「乱暴なロマンス」終了の心境を告白

    俳優イ・ドンウクが、主演したドラマ「乱暴なロマンス」の撮影を終了した心境を語った。 イ・ドンウクは24日午前、所属事務所を通じて23日に最終回を迎えたKBS 2TV水木ドラマ「乱暴なロマンス」の撮影終了の心境と撮影現場の写真を公開した。写真の中のイ・ドンウクは、プールに落ちてびしょぬれになったシーンを撮影して、服の上から体にバスタオルを巻いている。イ・ドンウクは、憂いに満ちた表情からセクシーな眼差しまで多彩な魅力を見せている。彼は、「気持ちの良い誠実なスタッフのおかげで、いつも楽しく幸せな雰囲気の現場でした。寒い中、一緒に震えて撮影を影で支えてくださった方々に感謝しています。『乱暴なロマンス』を応援してくださったTVをご覧の皆様にも感謝しています。これからもっと良い姿でお目にかかりたいと思います」と語った。 「乱暴なロマンス」は、デリカシーのない野球選手パク・ムヨル(イ・ドンウク)と乱暴な警護員ユ・ウンジェ(イ・シヨン)のドタバタラブコメディ。視聴率は、伸び悩んだが、独特なラブコメディドラマという点で好評を得ていた。

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  • 「乱暴なロマンス」放送終了…視聴率以外の全てを得た!

    「乱暴なロマンス」放送終了…視聴率以外の全てを得た!

    KBS 2TVの水木ドラマ「乱暴なロマンス」(脚本:パク・ヨンソン、演出:ぺ・ギョンス)が23日の放送を最後に、視聴者に別れを告げた。敵対する仲だったムヨル(イ・ドンウク)とウンジェ(イ・シヨン)が初めてキスを交わし、永遠の愛を誓うというハッピーエンドだった。ムヨルとジョンヒ(少女時代ジェシカ)を精神的に苦しめてきたストーカーの家政婦は(イ・ボヒ)は、犯行現場で逮捕され、ムヨルに「勝手に愛してごめんね」と薄気味悪くも真心のこもった告白をした。真犯人が捕まったことで、妻スヨン(ファン・ソニ)をかばうために、ムヨルのストーカーを自ら名乗ったドンス(オ・マンソク)の疑いは晴れた。しかし、ドンスとスヨンが帰郷を決める姿から推測されるだけで、ドンスの誤解が解けるシーンは描かれなかった。そしてジョンヒはムヨルとクールな別れのあいさつをして、イギリス行きの飛行機に乗った。ムヨルを嫌っていたコ・ジェヒョ記者(イ・ヒジュン)はムヨルを主人公にした本を書くために取材に熱を上げ、ドンア(イム・ジュウン)とキム室長(カン・ドンホ)は少し変わっているけれど、お互いにぴったりの恋愛に夢中になっている。母の浮気で崩壊したウンジェの家族たちは、過去を忘れ新しい未来を作るために努力している。放送序盤で登場したムヨルを誘惑しようとした女も、オーディションを受けながら自分の夢に向かって走っている。家政婦によって命を失ったユニ(ホン・ジョンヒョン)以外は、「乱暴なロマンス」の登場人物がすべて変化と痛みを経験し、一回り大きくなった。今年1月14日から放送スタートとなった「乱暴なロマンス」は、単純で無知な野球選手ムヨルと、男勝りな女性SPウンジェが偶然に出会い、ムヨルの周りで起きる事件を経験しながら、互いへの思いが憎悪から理解へ、理解から愛へと変化していく様子をコミカルかつ興味深く描いた作品だ。しかし、同じ日に放送が始まったMBC水木ドラマ「太陽を抱く月」との競争に負け、視聴率に苦戦していたのは事実だ。それでも「乱暴なロマンス」は、視聴率がすべてではないことを認識させ、シーズン2の製作を求める声が殺到するほどコアなファンを作った。俳優たちの個性満点の演技「乱暴なロマンス」でなくてはならない理由をひとつだけあげるとすれば、俳優たちの体当たりの演技ではないだろうか。前作であるKBS 2TV月火ドラマ「ポセイドン」で終始一貫した暗い姿で作品とともに沈没したイ・シヨンは、「乱暴なロマンス」で自分の特技であるボーイッシュでコミカルな魅力で視聴者を虜にした。ドラマの序盤か見た目、話し方、表情、歩き方などが男のような女性SPを完璧に表現し、前作でダメージを受けたイメージを刷新することに成功した。イ・シヨンと同じく、前作のSBS週末ドラマ「女の香り」で悪い男のイメージで女心を揺さぶったイ・ドンウクも、「乱暴なロマンス」では忘れていた自分のコミカルな魅力を存分に発揮した。彼は、変わり者のムヨルを完璧に演じ、ウンジェとの息の合ったコンビプレーをした。男女主人公以外にも「乱暴なロマンス」に出演した俳優たちは皆、それぞれのキャラクターに溶け込む演技力で視聴者を引きつけた。ユニークなキャラクターの集まり「乱暴なロマンス」は主人公ならびに助演、端役にまで特別なエピソードを与え、生き生きとしたキャラクターを完成させた。ウンジェ、ムヨル、ジョンヒ、ドンス、スヨン、ケビン・チャン(イ・ハンイ)、ユ・ヨンギル(イ・ウォンジョン)、ドンア、ジェヒョ、チャンホ(チャン・テフン)、ユニ、家政婦など「乱暴なロマンス」の登場人物は、漫画のように個性的なキャラクターばかりだ。また、ウンジェの家族がブルーシーガールズ(野球球団)の熱狂的なファンになった理由、ドンアが本の物語にはまった理由、ジェヒョがムヨルをいじめるようになったエピソード、ユニが何の恨みもないムヨルを刺激する理由、ジョンヒが躁うつ病になった理由、家政婦がムヨルに執着するようになった理由など、登場人物たちの行動にはすべて理由があった。このように「乱暴なロマンス」は、キャラクター一人ひとりを脚本家が丹精こめて作り上げ、その痕跡が至る所に見られる。興味深いストーリー展開このドラマは俳優たちの個性の強い演技やユニークなキャラクター、一風変わったストーリーの展開方法などで、従来のドラマでは見られなかった新しい雰囲気を作り出した。目の敵だった男女が何だかんだと言っているうちに恋に落ちる物語は、これまでに数えきれないほどたくさん、ラブコメディジャンルで取り上げてきた素材だ。しかし「乱暴なロマンス」はところどころにスリルのある要素を盛り込み、退屈させないストーリー展開を進めた。しかし、物語が後半に行くほど恋愛要素が著しく減り、スリルのある内容を重視するようになった。そのため、「乱暴なロマンス」の意図していた物語の軸を失ったようで残念だ、という指摘もあった。そんな「乱暴なロマンス」の後続番組には全4話の連続ドラマスペシャル「普通の恋愛」が放送される。

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