セシボン
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カン・ハヌル「女優とは付き合ったことがないし、今後もないだろう」
俳優カン・ハヌル(24)に会ったことのある人は皆、彼のことを褒める。謙虚で礼儀正しく、しかも面白いと絶賛が続く。実際に会ってみると、なぜ人々がカン・ハヌル、カン・ハヌルと言うのかが分かったような気がした。「セシボン」(監督:キム・ヒョンソク、制作:Jフィルム)は韓国の音楽シーンにフォークブームを巻き起こしたチョ・ヨンナム、ユン・ヒョンジュ、ソン・チャンシク、イ・ジャンヒらを排出した音楽鑑賞室セシボンを舞台に、伝説のデュエットTwin Folioの誕生秘話や彼らのミューズを巡る切ないラブストーリーを描いた作品だ。「クァンシクの弟クァンテ」(2005)、「スカウト」(2007)、「恋愛操作団:シラノ」(2010)などを演出したキム・ヒョンソク監督がメガホンをとった。カン・ハヌルは詩人ユン・ドンジュの又従兄弟で延世(ヨンセ)大学医学部に在学しているユン・ヒョンジュ役を務めた。外見、家柄、学歴、音楽の実力を兼ね備えた完璧な男性だ。スペックを聞くと彼が演じたtvNドラマ「ミセン-未生-」のエリート新入社員チャン・ベクギが思い浮かぶが、カン・ハヌルはチャン・ベクギとはまた違うエリートな人物を演じ、名だたる先輩役者たちの間でも負けない存在感を誇った。その秘訣は「似たようなキャラクターに見えるかもしれないが、簡単に演じたりはしないという僕の心構えが重要だ」と語るカン・ハヌルの演技に対する真剣な姿勢だろう。ブームを巻き起こした「ミセン-未生-」に続き、映画「セシボン」、演劇界で大ヒットを記録している「ハロルドとモード」、そして3月に韓国公開を控えている映画「二十歳」「純粋の時代」まで。言葉通り目まぐるしい毎日を過ごしているカン・ハヌルだが、このような時期であるからこそ落ち着いた気持ちで過ごそうと努力しているという。1年に1、2本はぜひ演劇の舞台に立ちたいというカン・ハヌルは「演劇は勉強だ。勉強は時間があるからやるものではなく、時間を割いてやるべきものなのだ。ない時間でも作り出して演劇だけは休まず続けていきたい」と今後の計画と願望を語った。以下、カン・ハヌルとの一問一答である。―牛(黙々と仕事だけをすることの例え)のアイコンとして急浮上している。カン・ハヌル:うはは。撮影の時は公開日が確定していなかったので、こうやって連続で公開されるとは思っていなかった。突然1ヶ月間隔で公開されることになって、「純粋の時代」と「二十歳」に申し訳ない。幸い、3作品のキャラクターは全て違う。かぶるキャラクターがないので良かった。―それでも作品を選ぶ時に自分が目立つような役だったら演じたくならないか。カン・ハヌル:役そのものは魅力があっても、作品全体に魅力がない場合は謹んでお断りしている。一番重要だと考えているのはやはり作品だ。「セシボン」にもそのような台詞があるが、良くない作品で主人公を演じるより、素晴らしい作品で脇役を演じたほうが良いという台詞だ。同感だ。―「セシボン」はどのような部分に惹かれて選んだのか。カン・ハヌル:一番影響を与えたのはセシボンの先生たちだった。父が映画にも登場する音楽鑑賞室セシボンのライバルOB's Cabinというライブカフェで今もギターを弾き、歌を歌っている。父が夢を抱いたきっかけが他でもなくユン・ヒョンジュ先生だったそうだ。おかげで僕も幼い頃からセシボンの先生たちの音楽を聴きながら育った。「セシボン」に出演したのも、父の影響が大きかった。―お父さんは映画をご覧になったか。カン・ハヌル:見た。ユン・ヒョンジュ先生と一緒にKBS 2TV「ユ・ヒヨルのスケッチブック」に出演したことがあるが、僕はあの時、一山(イルサン)にいた父に電話をして「早く汝矣島(ヨイド)のKBSに来て」と言った。父はユン・ヒョンジュ先生に一度お会いしたいと思っていたが、あの時初めて会えたそうだ。父の目元が潤うのを見て、込み上げるものがあり、胸がいっぱいになった。―お父さんは歌唱力について何かコメントしたか。カン・ハヌル:「上手いけど、ユン・ヒョンジュさんよりは下手だ」と言っていた。それは僕も認めている。最初からユン・ヒョンジュ先生より上手く映りたいとは思っていなかった。目標は一つだった。「ユン・ヒョンジュ先生の名誉や歩みに傷をつけてはならない」。その一心で演じた。―実際にユン・ヒョンジュ先生のところを訪ねてアドバイスを求めたことはあるか。カン・ハヌル:プリプロダクションの段階で、セシボンのコンサートで一回会っただけだ。「君が僕だって?よし、頑張って」とおっしゃった。―ユン・ヒョンジュというキャラクター自体がエリートだが、ふと「ミセン-未生-」のチャン・ベクギを思い出したりもした。どのようなところに力を入れたか。カン・ハヌル:撮影の時期がまず「ミセン-未生-」より「セシボン」の方が先だった。カン・ハヌルという顔と身体を持っている人が演じるので、どうしてもカン・ハヌルに見えざるをえないと思う。重要なのは僕の心構えだ。簡単に行くか、悩みが感じられる演技をするのか。―オーディションの際に、何を披露したのか気になって仕方がない。キム・ヒョンソク監督が「鶏群の一鶴」と絶賛していた。カン・ハヌル:オーディションが午前9時だったのに、午前8時までドラマの撮影をしてから向かった。一睡もせずに行ったのだ。これは礼儀に反すると思って、「セシボン」側に電話をして、オーディションの時間を変更することができないかと聞いてみた。けど、そのような状況も考えた上で見るので、とりあえず来るように言われた。だから行った。実は控室で居眠りをしていたけど、助監督に起こされてオーディション会場に入った(笑) いざオーディションが始まると全然眠くなくて、平気だった。―チョ・ボクレとの掛け合いが本当に良かった。カン・ハヌル:ボクレ兄さんは本当に心が温かい人だ。ボクレ兄さんが望む作品に出演できる人になってほしい。名前も「福(ボク)」に「来(レ)」だって。名前まで温かいなんて!―男4人(チン・グ、チョンウ、チョ・ボクレ、カン・ハヌル)でお酒を飲んで、涙まで流したと聞いた。チン・グが言っていた(笑)カン・ハヌル:いや、本当に不思議な兄さんだな、あの人は!(一同爆笑) なぜそんなことを言うのかな!(笑) チン・グ兄さんと焼酎とビールを買ってきて部屋で飲んだけど、兄さんが僕に言った。「お前はまだ未熟な部分もあるけど、僕がお前くらいの年の頃、お前より下手だった」と。その言葉が心に響いて、涙が出た。チョンウ兄さんはお酒を一杯も飲めず、チン・グ兄さんはお酒が大好きだ。僕も同じで、ボクレ兄さんもお酒をよく飲む(笑)―「純粋の時代」や「ミセン-未生-」の時もそうだったが、特に年上の男性俳優たちと仲が良いようだ。カン・ハヌル:相対的に女優さんたちは兄さんたちと比べて気楽にはなれない。僕がぎこちないと言うよりも、女優さんたちが楽じゃないかなと思って。色々気を遣わないといけないから。「セシボン」のハン・ヒョジュ姉さんとも仲良くはなれたけど、もっと親しくなれたような気がして、残念だ。僕が慎重すぎたと思う。やはり僕は兄さんたちが好きだ。ハハハ。―恋愛はしていないのか。カン・ハヌル:よく周りから「女優さんも多いのに、なぜ恋愛しない?」と言われるが、僕は役者の女性は好きではない。今まで付き合ったことはないし、今後もないだろう。ある画家は「僕は生まれ変わったら筆をとらない」と言っていたが、僕もそんな感じだ。演技に僕ほどの愛情がない人なら魅力が感じられないし、僕ほどの愛情を持っている人ならそれがどれだけ大変なのか知っている以上、傍でそれを見守るのが辛くなると思う。―やつれるというのはどういう意味か。チン・グがカン・ハヌルについて「可哀想」と表現していた。カン・ハヌル:演技に対して僕が持っている悩みが十分なのかはよく分からないけれど、僕なりには十分悩んでいると思う。自分で自分をいじめる傾向がある。それが僕が生きる方法だ。いつかチン・グ兄さんのように余裕を持つようになると変わるのかな。今はそうしたくても容易ではない。―「セシボン」は青春の岐路で人生を変えるほどの影響を与えた人たちに関する物語でもある。カン・ハヌルにもそんな人はいたのか。カン・ハヌル:中央(チュンアン)大学演劇学科の同期たちだ。僕を入れて4人だが、俳優3人に映画監督が1人だ。僕たちの間ではF4と呼んでいるけど、FはFail(失敗)のFだ。幸い、みんな最近上手くいっている。俳優ホ・ヒョフン、チェ・ジョンホンだが、いつも集まって盛り上がっている。昨日も深夜2時に会ってコーヒーを飲んだ。―最近過労で倒れたこともあるが。カン・ハヌル:ああ、思い出したくもない。紅参(ホンサム)や漢方薬、ビタミン剤を飲んだりして僕なりには頑張っているけど、あまりにも辛かった。病院ではよくここまで耐えたと言われた。点滴を2回も打ったのに治らなかった。―休んでいる方がいいのか、それともどれだけ忙しくても忙しいほうがいいか。カン・ハヌル:あーもちろん休んでいる方がいい(一同爆笑) だからといって事務所が無理やり出演させた作品はない。どの作品も僕が面白そうだと思って、演じてみたかった作品だ。―所属事務所の先輩である俳優ファン・ジョンミンはなかなか人を褒めない人だ。カン・ハヌル:ファン・ジョンミン先輩の口から褒め言葉が出るのは、夏に雪が振るようなものだ。ハハハ。これは数日前に聞いた話だが、ジョンミン先輩はチョンウ兄さんと一緒に映画「ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~」を撮っているじゃないか。ジョンミン先輩が撮影現場で僕が歌った「セシボン」のOST(劇中歌)を流し、「おい、本当に上手くないか?」とおっしゃったそうだ。僕は宗教に入っていないが、ジョンミン先輩は僕にとってロザリオのような存在だ。直接的なアドバイスがなくても、存在だけで慰めになる。―「ミセン-未生-」の後に演劇の舞台に向かった歩みが注目を浴びた。演劇(「ハロルドとモード」)でなかったら、もっとできることがあったと思うが。カン・ハヌル:後悔はない。少し前に観客動員数1万人を突破したが、韓国の演劇史上観客が1万人を超えたのは今回が初めてだそうだ。自腹で夜食のケータリングカーをご馳走するという公約を掲げたおかげで、お金がものすごくかかったけど。演劇をやっていた僕がテレビに出演しはじめたきっかけは、僕がテレビから演劇に戻った時に、僕を知っている人々が演劇にも関心を持ってほしいと思ったからだ。演劇がヒットしていて胸がいっぱいだ。―これからも引き続き演劇に挑戦していくのか。カン・ハヌル:舞台に立ち続けることを許してくれたので、今の事務所(サムカンパニー)に入ることになった。他の事務所はどこも演劇はダメだと言っていた。少なくとも1年に1本は出演したい。演劇は時間があるからやるものではなく、時間を割いてやるべきものだと思う。演劇はすなわち勉強だ。勉強を時間がある時にやるという人はいないだろう? 時間を作ってやるのが勉強なのだ。―新年の願いは?カン・ハヌル:良い俳優である前に良い人間でありたい。怒らない人が良い人ではないと思う。それは間抜けにすぎない。必要な時に必要な程度の表現はできる良い人でいたい。
「セシボン」キム・ヒョンソク監督“チョンウとハン・ヒョジュのキスシーン後、尊敬していると伝えました”
キム・ヒョンソク監督(42)の描く男たちは一言で言ってくだらない。ラブストーリー映画の男性主人公なら、ロマンチックで見事な告白でヒロインの心を揺さぶって当然なのだが、なぜか彼の作品の男たちは皆隙だらけで素直だ。「クァンシクの弟クァンテ」(2005)のクァンシク(キム・ジュヒョク)がそうであり、「シラノ:恋愛操作団」(2010)のビョンフン(オム・テウン)もそうであった。しかし、そのくだらなさはキム・ヒョンソク流のラブストーリーが長らく愛されてきた力でもある。スクリーン越しの遠い国の話ではなく、手を伸ばせば届きそうに近い、横を向けばすぐ目が合いそうな私たちの経験談のようであるためだ。スリラー映画「タイム・クライム」(2013)でしばらくよそ見(?)をしていたキム監督は5日に韓国で公開された映画「セシボン」(制作:Jフィルム)で再び忠武路(チュンムロ、韓国の映画街)のロマンチストとして戻ってきた。「やはり人は自分が一番上手いことをやらないと」という筆者の冗談に、キム監督は「『タイム・クライム』がなかったら『セシボン』もなかった」と淡々と語った。実際のセシボンの先生たちはクールに許してくれました「セシボン」は1970年代、若者の街だった武橋洞(ムギョドン)の音楽観賞室セシボンを舞台に、韓国のフォークミュージックの伝説のデュエットTwin Folioに第3のメンバーがいたという想像力から始まった。実在の人物であるチョ・ヨンナム(キム・イングォン)、イ・ジャンヒ(チン・グ、チャン・ヒョンソン)、ユン・ヒョンジュ(カン・ハヌル)、ソン・チャンシク(チョ・ボクレ)と仮想の人物であるオ・グンテ(チョンウ、キム・ユンソク)、ミン・ジャヨン(ハン・ヒョジュ、キム・ヒエ)が作り上げる青春の夢と恋を音楽映画、ラブストーリー映画というジャンルの中で描いた。「セシボンの20代の頃の物語は大きな枠は実際と同じです。シナリオを書いていた時に、実際セシボンの先生たちがMBC『ユ&キムの遊びにおいで』でおっしゃった面白いエピソードや先生たちが書いた本を探して見ました。セシボンの先生たちは映画のシナリオを全部お読みになったんです。音楽を長い期間なさった方々であるためか、映画後半のあの事件(大麻)についてもクールに許してくださいました」ストーリーの大きな筋はコニー・フランシスの曲を翻案したTwin Folioの「ウェディングケーキ」の歌詞から、映画のテーマはイ・ジャンヒの代表曲「私あなたに全部あげる」からヒントを得た。他にも「When the saints go marching in」「それは君」「愛する心」など当時の珠玉のようなヒット曲が映画の中で終始流麗に流れる。特に映画「星たちの故郷」(1974)のOST(劇中歌)としても有名な「私あなたに全部あげる」は、これまで映画やドラマでコミカルなラブストーリーのシーンで使われたりしていたが、「セシボン」を見終わると同曲の真価が改めて感じられる。「選曲に対する自信はありました。45年以上過ぎた曲なのに、今聞いてもダサくないですから!不思議ですね。特にこの映画は『私あなたに全部あげる』の再発見と言っても過言ではありません。恋に対する僕の姿勢とこの歌の歌詞は、接点があります。結局、全部あげるのが恋なんです。それがこの映画のテーマでもあります」「セシボン」はキム・ユンソクの後ろ姿から始まる映画「建築学概論」「サニー 永遠の仲間たち」が過去と現在を交差させる編集で着実に感情を積み重ねていったとすれば、「セシボン」は20代の物語が全部終わってから40代となった主人公たちが登場する。映画の後半に新しく始まる40代のオ・グンテ(キム・ユンソク)、ミン・ジャヨン(キム・ヒエ)の物語は観客によっては多少違和感があるかもしれないところでもある。交差編集という楽な道を選ばなかったことについてキム監督は「突然40代のオ・グンテ、ミン・ジャヨンが登場して、『夢から目を覚まして!これが現実なんだ!』という思いを与えたかった」と語った。「シナリオを書くときから、40代の物語から始めました。『セシボン』は40代のオ・グンテ(キム・ユンソク)の後ろ姿から始まる映画です。20年間我慢してきた涙を流す中年男性の後ろ姿です。クリエイターとして、その甲斐があったのも40代の物語です。40代の物語は完全にフィクションですから。キャスティングも40代の役からでしたし。キム・ユンソク先輩が真っ先にキャスティングされました!キム・ヒエ先生とハン・ヒョジュさんはキャスティングの過程でじっと見ていたら、お互いに『キャスティングされてほしいな』と思っている感じでした(笑)」「セシボン」は俳優たちの演技を見る面白みだけでも豊かな作品だ。キム・ユンソク、キム・ヒエ、チャン・ヒョンソンの貫禄の演技は言うまでもなく、ソン・チャンシクと100%のシンクロ率を誇るチョ・ボクレ、『母なる証明』以降久しぶりにスクリーンで本人にぴったりの洋服を着たような演技を披露してくれたチン・グ、最近ホットなカン・ハヌルの落ち着いた演技が逸品だ。特にチョンウは「応答せよ1994」で見せてくれた得意の図々しい演技をより一層発展させることに成功した。ハン・ヒョジュも口調や仕草まで計算したディテールな演技でセシボンのミューズであるミン・ジャヨン役に完璧に溶け込んだ。「僕は俳優たちを放し飼いするタイプです。チョンウの場合は、彼の長所を最大限引き出そうと思っていました。ウハハ。チョンウは最初は『監督は僕のことが信じられないのか?』と思っているようでした。それでも放置しました。その後は僕を信じて、思うがままに遊んでくれました。ヒョジュさんはとても驚きました。レベルの高い女優です。テイクごとに違う感じで演技をしながらも、大きなフレームから見ると監督が望んでいる正確な演技をします。すごいです」キム・ヒョンソク監督は劇中でチョンウとハン・ヒョジュがキスをしながらお互いへの気持ちを確認するシーンを撮影した後、二人に「尊敬しています」という言葉で感謝の気持ちを伝えたという。「キスシーンでもあり、最近の言葉で言うとSome(Somethingの略、男女がお互いに好感を持っている段階)が始まるシーンです。その微妙な感情を生かすのがとても重要でまた難しいシーンでした。なのにチョンウさん、ヒョジュさんの呼吸が本当に良かったです。セットの外でモニターで二人の演技を見ながら『お二人さん、尊敬しています』と話したほどでした。ヒョジュさんがそのシーンを撮影してから携帯電話のメールを送ってきました。『ジャヨンはグンテのことが好きだったんですね』と。実は、グンテに対するジャヨンの態度って曖昧でしょう?(笑) 少なくともあの瞬間だけは本気でグンテのことが好きだったんです」僕の映画の男たちはなぜみんなくだらないのかって?「クァンシクの弟クァンテ」「スカウト」「シラノ:恋愛操作団」「セシボン」に至るまで。キム監督の映画の中の男性は揃ってくだらなく、女性の前では隙だらけだ。「恋愛下手な男性のストーリーを好む理由は何か」と質問するとキム監督は「不完全なキャラクターを描く時にもっと面白い。不完全な人が完全になるために孤軍奮闘する時に面白みを感じる」と答えた。今も振り返られる「クァンシクの弟クァンテ」でのイ・ヨウォンの名台詞である「女性は勘だけで動いたりはしないよ」から、「セシボン」のハン・ヒョジュの「女性はとりあえず褒めるのよ。それが嘘だとしても」まで。恋愛下手な男性主人公たちが男性観客の支持を得ているなら、まるで女性の心を覗き見たようなキム監督流の名台詞は女性観客の熱い支持を得ている。「台詞だけ記憶に残るのは、良くない映画だと思います。もちろん、その台詞が作品の全体的な脈絡の中で重要なものなら話は違ってきますが。例えば『スター・ウォーズ』の名台詞である『I'm your father』は台詞そのものも良いですが、映画を貫通する重要な台詞なんですね。自分の口で言うのもなんですが、『クァンシクの弟クァンテ』のイ・ヨウォンの台詞も映画のテーマと接点があるのは事実です。うはは。けど、素敵な台詞を書こうと意識すると決して良い台詞は出てきません。気付いていないうちにそんな台詞が出てくる時があるんです」キム監督はラブストーリー映画を作る時に最も重要なものとして「ときめく心」を挙げた。セシボンにミューズのミン・ジャヨンがあったように、仮想のミューズでも心の中に収めてシナリオを書く必要があるという。キム監督が「シラノ:恋愛操作団」が終わった後に「二度とラブストーリーはやらない」と宣言(?)したのもドライに変わった心のためだった。「『クァンシクの弟クァンテ』からもう10年前ですね。この間、偶然また見たのですが、あの頃は根拠のない勇気があって、無謀でした。『シラノ:恋愛操作団』を終えてから、すべてを嘘みたいだと思うようになりました。僕の人生はここまで乾燥しているのに、ラブストーリー映画を撮るのは大変でした。そのため、次回作が『タイム・クライム』だったわけですが(笑) けど、それがあったからこそ「セシボン」に挑戦することができました。次回作は『警察隊の美術班』にしようかと悩んでいます。警察大学の美術サークルの3人の友人に関するストーリーです。警察隊と美術班とは異質的ですよね?」
チョンウ&ハン・ヒョジュら映画「セシボン」出演者、本物の“セシボン”メンバーに出会った!
映画「セシボン」の出演者たちが本物のセシボンメンバーに出会った。24日、映画「セシボン」の公式Facebookページには「チョンウ、カン・ハヌル、チョ・ボクレの『セシボン』メンバーたちが、本物のセシボンに出会った日! 映画撮影前に『セシボン友達コンサート』を皆で観覧! 仲良く対面したあの日の写真、1年ぶりに大公開」というコメントと共に複数枚の写真が掲載された。公開された写真の中でチョンウ、カン・ハヌル、チョ・ボクレ、ハン・ヒョジュらは映画「セシボン」の実在の人物であるユン・ヒョンジュ、ソン・チャンシク、キム・セファンと共に仲良く記念写真を撮っている。これは昨年4月5日にソウルオリンピック公園オリンピックホールで開かれた「セシボン友達コンサート」を出演者たちが訪ねた時に撮られた写真で、和気藹々とした雰囲気が印象的だ。俳優たちとセシボンメンバーの特別な絆で話題を呼んだ映画「セシボン」は現在、韓国の映画館で絶賛上映中だ。
「セシボン」チン・グ、生真面目なこの男
俳優チン・グは毎回強烈だった。映画「マザー」(2009)ではタフな顔を見せ、映画「26年」(2012)ではエネルギーを爆発させた。彼の代表作を思い浮かべると、スクリーンを埋め尽くすエネルギーがあった。しかし、韓国で5日に公開された映画「セシボン」(監督:キム・ヒョンソク、制作:ジェイフイルム)は多少違う。力を抜いて状況を観望する彼の姿からは、余裕を乗り越えた妙なけだるさまで感じられる。チン・グは映画でイ・ジャンヒ役を演じた。イ・ジャンヒは「セシボン」の友達であると同時に、個性の強い彼らをひとつにする中心の役割だ。トリオのセシボンのメンバーにオ・グンテ(チョンウ)をすすめるほか、これといった干渉はしない。幼馴染のミン・ジャヨン(ハン・ヒョジュ)に対するメンバーの気持ちに気づきながらも見守る。無心なわけではない。オ・グンテに自身の自作曲を貸し、代わりに電話の向こうのミン・ジャヨンに歌を歌うオ・グンテのために楽譜を渡す。このように「セシボン」のイ・ジャンヒは、リーダーでありアウトサイダーだ。シナリオにはイ・ジャンヒに対する描写が不親切だった。事実上の話者であるイ・ジャンヒから見た人物に対する描写はあるが、チン・グが演じるイ・ジャンヒに対する説明は不十分だった。キム・ヒョンソク監督もチン・グに特別な話はしなかった。チン・グは「難しかった」としながら「これでは説明するだけで消えるだろうなと思った。ビジュアルでも残そうと髭を生やし、かつらを被った」と説明した。そのような努力の結果、チン・グが演じるイ・ジャンヒは、時代のロマンを抱いたカッコいい男として描かれる。きれいに伸ばした口髭に黒のレザージャケットを着てバイクに乗るシーンは、ジェームズ・ディーンを連想させる。一連の状況に関与するよりは、一歩引き下がっている彼からは孤独さえ感じられる。オ・グンテ、ユン・ヒョンジュ、チョ・ボクレの中でイ・ジャンヒが一番カッコいいとの言葉にチン・グは「バイクはこの作品で初めて乗った」と豪快に笑った。ギターも「セシボン」をきっかけに習った。実際に素人である彼は、天才のように見せなければならなかった。あぐらをかいたまま斜めに座り、または横になりギターを練習した。ギター教室で初めてチン・グに会ったチョンウは、横になったままギターを弾くチン・グを見てとてつもない実力者だと誤解した。当時チン・グはコードを2つ学んだ状態だった。一番最後にキャスティングされたため、練習する時間が十分ではなかった。残念ながら歌を歌う彼は、画面には登場しない。映画と同じくチン・グは、年頃の俳優の中でリーダーだった。同じ歳のチョンウと、逞しいチョ・ボクレ、愛嬌のあるカン・ハヌルをリードした。チン・グが自ら名乗り出たことだった。「初めて商業映画の主人公にキャスティングされたチョンウの負担を減らしたかった一方、後輩には力になりたかった」との理由からだった。無心に見えて隠された思いやりが感じられた。「チョンウと一緒にボクレ、ハヌルをからかうのがかなり楽しかった」としながら彼は豪快に笑った。ほとんどの撮影は陜川(ハプチョン)郡で行われた。それぞれ違うペンションに泊まったが、ほぼ毎日誰かの部屋で2次会をした。会食というよりは、飲み会が正確な表現だった。制作会社のジェイフイルムのイ・ウジョン代表が様々な料理を作ってくれた。音楽監督からもらったウクレレをひとつずつ懐に抱いておしゃべりをした。演技、音楽、私生活など、テーマは様々だった。近所の24時間営業のもやしクッパ屋さんが最後のコースだった。多くの大学生たちが行く合宿のような夜の連続だった。彼らのケミ(俳優同士の相性)は映画でもそのまま感じられた。彼らをつなぐ固い何かがある。映画のイ・ジャンヒは経済的に裕福にもかかわらず、オ・グンテの下宿で過ごす。チン・グは「ただ友達が好きなだけだ。私も10代の頃はそうだった」としながら頷いた。「男はほとんどそうなのではないだろうか。友達の愛のために快くお金も貸す。それが義理だと思う」と語った。友達との友情を重視した彼も、昨年9月に4歳年下の一般人の彼女と結婚し、家庭を築いた。今年6月には父になる。超音波の写真がクマのグミのように見えたとしながらゼリーという可愛い胎名をつけた。「責任感はできる」としながらも「実感できずにいる。なかなか想像できない」と答えた。率直かつ淡白な、彼らしい答えだった。地味な人物に終わるかもしれなかった「セシボン」のイ・ジャンヒは、チン・グに出会い、魅力的で存在感のあるキャラクターとして完成した。それが俳優としての実力だった。と同時に、チン・グという俳優が持つ、人間的な面とうまくかみ合ったためとも思った。
「セシボン」公開9日で100万人突破!感謝の集合写真を公開
映画「セシボン」(監督:キム・ヒョンソク、制作:Jフィルム)が観客動員数100万人を突破した。配給会社であるCJエンターテインメント側は「『セシボン』は14日午後7時30分に映画振興委員会の統合ネットワークの集計基準で100万人を突破した」と明かした。これにより「セシボン」は公開から約9日、2週目の週末に累計観客動員数100万人を突破した。「セシボン」の100万人突破ニュースと共にキム・ヒョンソク監督、キム・ユンソク、ジョンウ、キム・ヒエ、チャン・ヒョンソン、チョ・ボンレの集合写真も公開され、視線を捉えた。親指を立てたりガッツポーズをしたり、それぞれのポーズで観客に向かって100万人突破に対する感謝の挨拶を伝えた。「セシボン」は韓国音楽界にフォークブームを巻き起こしたチョ・ヨンナム、ユン・ヒョンジュ、ソン・チャンシク、イ・ジャンヒなどを排出した音楽鑑賞室セシボンを舞台に、伝説のデュエットTwin Folioの誕生秘話と彼らのミューズを巡る切ないラブストーリーを描いた作品だ。キム・ユンソク、チョンウ、キム・ヒエ、ハン・ヒョジュ、チャン・ヒョンソン、チン・グ、カン・ハヌル、チョ・ボクレ、キム・イングォンなどが出演し、「クァンシクの弟クァンテ」「恋愛操作団:シラノ」などのラブコメディジャンルで優れた演出力を見せたキム・ヒョンソク監督がメガホンをとった。韓国で2月5日から公開されている。
「セシボン」キム・ユンソク、恋愛下手な男も似合うとは“チョンウと似ていなくても文句を言わないで!”
「セシボン」(監督:キム・ヒョンソク、制作:Jフィルム)はキム・ユンソクの後ろ姿から始まる映画だ。青春という名だけで輝いていたあの頃を経て、歳月の苦労がのしかかった中年男性の肩は、特に寂しく見える。子供のように肩を動かしながら20年間我慢してきた涙を流す40代のグンテの後ろ姿は、キム・ヒョンソク監督が「セシボン」のシナリオを構想する際に真っ先に思い浮かべたシーンである。キム・ユンソクは今回の作品で「セシボン」の純情男オ・グンテ役を演じた。俳優チョンウと2人1役である。オ・グンテはユン・ヒョンジュ、ソン・チャンシクとともに音楽鑑賞室セシボンの売れっ子になるトリオ・セシボンの3番目のメンバーとして加入し、ミン・ジャヨン(ハン・ヒョジュ、キム・ヒエ)を見て一目惚れし、歌を始める人物だ。これまで「チェイサー」(2007)、「哀しき獣」(2010)、「ファイ 悪魔に育てられた少年」(2013)、「海にかかる霧」(2014)など、常にスクリーンの中で強烈なジャンルの演技を披露してきたキム・ユンソクは、「セシボン」で久しぶりに肩の力を抜いた演技を届けた。「僕はもともと、こんな演技のほうがより好きです。最近の映画はあまりにも強烈になってきています。設定そのものが強すぎます。スケールが大きすぎたり、すごく小さかったり。中間に当たる映画がないんです。そうじゃなければ、あえて時代劇だったりしますね。ラブストーリーもあまり描かれませんし。素朴な話が届ける人間味溢れる魅力、繊細な人間の感情というものがすごく減ってきたと思います。『セシボン』のような映画が懐かしかったです。時代がどれだけ変わるとしても、人の話は必ず必要で、引き続き作っていくべきだと思います」 「セシボン」で久しぶりに地に足をつけているキャラクターとして戻ってきたキム・ユンソクは、昨年に続き今年もハードなスケジュールをこなしている。クァク・キョンテク監督の「極秘捜査」が公開される予定であり、カン・ドンウォンと共演する「プリースト 悪魔を葬る者」の撮影を控えている。「繊細な人の感情を描く映画が懐かしかった」と言う彼の表情の隙間から、青春の込み上げるときめきが感じられた。キム・ユンソクが届ける人間的な魅力がたっぷり盛り込まれた演技が今から気になって仕方がない。「セシボン」は武橋洞(ムギョドン)を牛耳っていた音楽鑑賞室セシボンを舞台に、皆の心を捉えた1人のミューズとの忘れられない初恋の記憶を描いた映画だ。「爆烈野球団!」(2002)、「クァンシクの弟クァンテ」(2005)、「スカウト」(2007)、「シラノ:恋愛操作団」(2010)、「タイム・クライム」(2013)を演出したキム・ヒョンソク監督がメガホンをとった。以下はキム・ユンソクとの一問一答である。―「海にかかる霧」の時よりとても楽に見える。映画のおかげなのか、どこか眼差しもロマンチックに見える。 キム・ユンソク:うはは。僕はもともとロマンチックだ。今はまだ、次の作品のヘアスタイルが決まっておらず、髪を伸ばしているためだと思う。―映画の3分の1が過ぎた時点で登場するが。キム・ユンソク:僕が初登場するシーンに、このような地の文がある。「とても冷静な顔だ」。20年が過ぎた後、グンテは仕事も恋も友達も失くしていた。そんな人が20年という歳月に耐えるためには、心臓に鉄板を一枚くらいは当てないといけないだろう。でないと耐えられない。恋を選んだなら、その女性と結婚でもしてほしいのに、それもできなかった。20年後に偶然空港で会うけど、やり直せるものでもないし、まあまあ。監督が20代の童話のようなシーンが過ぎてから冷たく現実的なシーンを見せたかったそうだ。「セシボン」で僕が一番先にキャスティングされたとか。チョンウと似ていないとかで文句を言わないで!僕は知らない(一同爆笑)―それでもチョンウと似ているところがあるとしたら?キム・ユンソク:僕はしばらく一緒に過ごすと分かるけど、チョンウにはソウル出身にはない釜山(プサン)出身だけのベースがある。それが僕と似ている。外見的にはチョンウも目で愉快に笑う顔だけど、それが僕と似ている。―キム・ヒョンソク監督によると、「セシボン」は40代のオ・グンテがしゃがんで泣く後ろ姿から始まる映画だそうだが。キム・ユンソク:そうだ。2テイクでOKサインをもらったシーンだが、とても力を注いだ。グンテが最後まで振り向かないのは、ミン・ジャヨン(キム・ヒエ)に泣き顔を見せたくないからだ。振り返ったらダメなのだ。振り返ったらバレてしまうから。ジャヨンを最後まで守ってあげたかったんだ。そこでグンテがジャヨンに「僕は君が何を言っているのか分からない」とも言っているのだ。―他の作品でも、特に後ろ姿が印象的だった。 キム・ユンソク:そうだ。強いキャラクターといっても、実は全てが寂しいキャラクターだ。一人で何もかも背負ってしまうキャラクターなので!―出番の量からすると、従来の出演作よりずっと少な目だが、この点に関する悩みはなかったか。キム・ユンソク:まずは当時のスケジュールがちょうどその程度の量しか撮影できないスケジュールだった。そして、キム・ヒョンソク監督の前作が大好きだ。「シラノ:恋愛操作団」「爆烈野球団!」「スカウト」「クァンシクの弟クァンテ」などほとんど見た。あまり丁寧には作っていない感じがするのに、深さがある。ただ軽いだけのラブコメディではないので、それがいい。シナリオを見るとすぐに分かるのではないか。僕の出番は少ないというのを。けど、大事なシーンなので出演した。そして、僕は出番の量とかはあまり気にしていない。―キム・ヒョンソク流の恋愛下手な純情男役としてキム・ユンソクがキャスティングされたということは、ある意味では破格である。キム・ユンソク:映画のPRのためではなく、僕は意外とグンテと似ている。僕もいつも見守るタイプだし、戸惑ってから数年後に「実はあの頃、僕は君のことが好きだった」と告白するタイプだ。―現在と過去が交差される編集ではなく、20代の話が終わってから40代になった後の話が展開される。演出も演出だが、演技をする立場としても交差編集のほうが楽だったのでは。キム・ユンソク:キム・ヒョンソク監督が、交差編集はしないと会った初日から言っていた。「サニー 永遠の仲間たち」「建築学概論」が交差編集されているケースだ。これらの映画とは違う感じでいきたいと言っていた。交差編集を通じて物語に少しずつハマらせるのではなく、「夢から目を覚まして!」「しっかりして!」「これが現実なんだ!」といった感じを与えたかったのだと思う。キム・ヒョンソク監督のその信念や心意気はいいと思った。さらに、40代の物語はアメリカロケがあって、一日の制作費がすごい金額だった。空港のシーンは一日で完成させた。冗談ではなかった。目まぐるしく撮影を行った。―20代の物語、すなわちチョンウの演技も参考にしていたか。キム・ユンソク:キム・ヒョンソク監督は20代と40代の共通点を探そうと頑張っていなかった。わざわざ似ている方向に合わせる必要はなかった。むしろ、全く違う一面を披露したいと思った。20代の撮影現場に一度だけ遊びに行ったことがある。映画「極秘捜査」を大田(テジョン)で撮影していたけど、ちょうどその頃に「セシボン」も大田で撮影をしていた。ミン・ジャヨン(ハン・ヒョジュ)が登場するシーンだったから、もちろんチョンウは目に入っていない。 ―チョンウ、チン・グ、カン・ハヌル、チョ・ボクレの演技はどう見ていたか。キム・ユンソク:4人は本当に仲が良かった。うはは。本当に壁がないようだった。チン・グが一番映画の経験が多いが、そこでもチン・グが雰囲気を盛り上げて、チョンウがそこに合流して、残りの二人が自然と一緒になるような感じだった。本当に微笑ましかった。僕がスターであろうと何であろうとこういうのはもう要らない。―「セシボン」を見てから、イ・ジャンヒの「私あなたに全部あげる」が違う風に聞こえてきた。ここまで悲しくて美しい歌とは思わなかった。キム・ユンソク:そうだ。「セシボン」は「私あなたに全部あげる」の再発見ともいえる。20代のグンテ(チョンウ)がその歌を歌って、20年後の40代のグンテである僕が同じ歌を歌ったけど、それが感じが全く違う。20代の時は傍に愛する女性がいたのに、20年後には一人きりになってその歌を歌っていて。はあ。それが対比されて、すごく何と言えばいいのだろうか。みんなそのような経験があるのでは。「あの子とこの道を歩いていたのに」「あの子とこの映画を一緒に見たのに」と。悲しいというか。―「セシボン」でラブストーリー映画への望みが叶ったが。キム・ユンソク:本当に叶ったのだろうか?キム・ヒエさんの肩を一度掴んだ以外はどんなタッチもなかった。ふはは。40代のグンテはジャヨンと目を合わせない。目が合ったら揺らいでしまうから。そんな状況で、何がラブストーリーなんだ。ラブストーリーはすでにドラマでたくさん演じてきている。キム・ヒエさんとは今回少し味見だけした感じなので、次回きちんとしたラブストーリーを一回演じようと意気投合した。―久しぶりに力を抜いた熱演を披露した。 キム・ユンソク:もともとはこのような演技のほうが好きだ。もしテレビドラマのようにオ・グンテが寝て起きて歯を磨いてご飯を食べて。こんなふうにオ・グンテという男の家などが映っていたら、ここまで一人の個人のことのようには見えなかっただろう。見慣れない街で出会ったグンテとジャヨンであったために、もっと個人的なことに見えて、だからこそもっと悲しいのだ。―キム・ユンソクの20代の恋はどのようなものだったのか。キム・ユンソク:僕も炎のような恋もしてみたし、全てやってみた。―もし、本人がオ・グンテだったら、恋、友人、仕事の中でどれを先に選ぶのか。キム・ユンソク:仕事だ。仕事を一番先に選ぶと思う。二番目は恋で、最後が友人だ。もちろん20代だったら恋に狂っていただろう。夢中になって。―今年も「極秘捜査」(監督:クァク・キョンテク)、「プリースト 悪魔を葬る者」(監督:チャン・ジェヒョン)などで忙しいが。キム・ユンソク:「極秘捜査」はジャンル的に強いというよりも、人に関する物語だ。クァク・キョンテク監督は本当に良かった。現場で指揮も上手いし、合理的だ。ただでニューヨークで勉強をしてきたわけではない。ふはは。「プリースト 悪魔を葬る者」はシナリオが本当に面白い。司祭服の種類が本当に多い。カン・ドンウォンに全部着せてみよう(笑) 「プリースト 悪魔を葬る者」は純粋な韓国産の小麦粉で作った正統派イタリアンピッツァみたいな映画だ。
ハン・ヒョジュ&チョンウ出演映画「セシボン」週末の観客動員数トップに!
映画「セシボン」(原題)が公開初週末の観客動員数でトップに立った。映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワークによると、同作は6~8日に韓国の829の映画館で53万4687人(売上高シェア29.5%)を動員した。累計観客動員数は64万2289人である。チョンウやハン・ヒョジュが出演する同作は、韓国にフォークブームを巻き起こすきっかけとなった音楽鑑賞室を背景に、切ないラブストーリーを描いた。2位はディズニーのアニメ「ベイマックス」で同期間に35万3019人(同18.9%)を動員。累計観客動員数は225万703人となった。3位は韓国映画「国際市場で逢いましょう」(原題)で22万8360人(同12.4%)。累計観客動員数は1312万2413人を記録した。
【PHOTO】カン・ハヌル&チョンウ&チョ・ボクレ、映画「セシボン」舞台挨拶に出席“ファイト!”
8日午後、ソウル西大門(ソデムン)区CGV新村(シンチョン)店で行われた映画「セシボン」(監督:キム・ヒョンソク)の舞台挨拶に出席した監督キム・ヒョンソク、俳優チョンウ、カン・ハヌル、チョ・ボクレがポーズを取っている。「セシボン」は1960年代後半の武橋洞(ムギョドン)の音楽鑑賞室「セシボン」を背景にした若者たちの愛と友情、夢に関する話で、1970年代にフォークソングブームを巻き起こしたTwin Folio誕生の秘話に監督の想像力を加えた。チョンウ、ハン・ヒョジュ、チン・グ、チョ・ボクレ、カン・ハヌル、キム・ユンソク、キム・ヒエ、チャン・ヒョンソンなどが出演する。
「セシボン」公開初日に興行成績1位に…観客9万人を動員
映画「セシボン」(監督:キム・ヒョンソク、制作:Jフィルム、ムーブピクチャーズ、配給:CJエンターテインメント)が公開初日に興行成績1位となった。映画振興委員会の統合ネットワークによると、「セシボン」は公開日の5日に韓国で9万6171人の観客を動員し、デイリー興行成績1位を記録した。「セシボン」は若者の街だった武橋洞(ムギョドン)を牛耳っていた音楽鑑賞室セシボンを舞台に、人々の心を捉えた1人のミューズ、そして忘れられない初恋の記憶を描いた映画。ミン・ジャヨン(ハン・ヒョジュ/キム・ヒエ)に惚れて音楽を始めたオ・グンテ(チョンウ/キム・ユンソク)のストーリーを描いている。キム・ユンソク、チョンウ、ハン・ヒョジュ、キム・ヒエ、チン・グ、チャン・ヒョンソン、カン・ハヌル、チョ・ボクレ、キム・イングォンなどが出演した。一方、この日の興行成績2位は「ジュピター」(4万4381人)で、3位は「国際市場で逢いましょう」(3万6619人)、4位は「ベイマックス」(3万2191人)、5位は「江南(カンナム)1970」(2万6792人)だった。
チョンウ「どうしてレトロ物ばかりに出演するのかって?」
ナジョンの頬をつねりながらバカらしく微笑んでいたのがまるで数日前のことのような気がするが、それがもう2年前のことだ。tvN「応答せよ1994」のスレギ役で長い無名時代に終止符を打った俳優チョンウ(34)が映画「セシボン」(監督:キム・ヒョンソク、制作:J film)で戻ってきた。「セシボン」は武橋洞(ムギョドン)の音楽鑑賞室セシボンで活動していたフォーク音楽界の伝説ソン・チャンシク、ユン・ヒョンジュのTwin Folioに第3のメンバーがいたという想像から始まった作品だ。キム・ユンソク、チョンウ、ハン・ヒョジュ、キム・ヒエ、チン・グ、チャン・ヒョンソン、カン・ハヌル、チョ・ボクレ、キム・イングォンが出演した。チョンウは今回の作品でトリオセシボンの3番目のメンバーであり、ミン・ジャヨン(ハン・ヒョジュ)のためなら何でもする純情男オ・グンテ役を演じた。トリオセシボンの、デビュー直前に入隊することになったイ・イクギュン氏をモチーフにしたキャラクターだ。「実際のモチーフになった先生(イ・イクギュン)にもお会いしました。最初は僕が釜山(プサン)出身であることを知らなかった先生に『釜山の訛をたくさん練習したほうがいい』と言われました。釜山出身だと言ったらどの学校を卒業したのかと聞かれたので釜山商業高等高校を卒業したと答えたら、なんと先生も釜山商業高等高校出身だったんです!本当に不思議でした。周りの人々も皆驚きましたよ」 チョンウのフィルモグラフィではとりわけ過去を背景とする作品が目立つ。俳優チョンウの存在感を世の中に知らせた映画「風」(09)がそうであり、今のチョンウを作ってくれた「応答せよ1994」はレトロブームの始発点になった。「応答せよ1994」で数多くのドラマ、映画のラブコールを受けた彼が相次いでレトロ物に出演する理由は何なのか。「もちろんレトロ物が好きです。作品のストーリーが好きで選んだら、その作品の背景が過去である場合が多かったです。『セシボン』はまず面白かったし、ときめきました。共感もしましたし。それにキム・ユンソク先輩が僕の40代を演じてくれるということが力強かったです。一つの作品のクレジットに先輩と一緒に名を上げられるということ自体を力強く感じました」「セシボン」はその当時、若者の街だった武橋洞(ムギョドン)を牛耳っていた音楽観賞室セシボンを舞台に、皆の心を捉えたただ1人のミューズ、そして忘れられない初恋の記憶を描いた映画だ。「YMCA野球団」(02)、「クァンシクの弟クァンテ」(05)、「スカウト」(07)、「シラノ:恋愛操作団」(10)、「11時」(13)を演出したキム・ヒョンソク監督がメガホンをとった。韓国で2月5日に公開される。以下は、チョンウとの一問一答―もともと歌は上手だったか。チョンウ:カラオケではよく歌ったけど、他人の前で自慢に対するプレッシャーがある。怖くなったこともある。よく震えるから。KBS 2TV「ユ・ヒヨルのスケッチブック」を見れば分かると思うけど、本当にたくさん震えた。―ギターの練習はどのくらいしたか。チョンウ:ギターと歌の練習を3時間ずつした。ひたすら楽しかったわけではない。プレッシャーというか。もちろん僕のキャラクター自体が歌やギターの実力がものすごく上手なキャラクターではないが、ある程度ギターが弾けるのに弾けないふりをすることと、本当に下手でできないのは気持ち的に異なる。だから、それに対するストレスがあった。―Fコードはうまくなったか。チョンウ:今はFコードがうまくなった。でも毎回うまいわけではなく、運がよければ3回に1回くらいはできる。―どこまでは実際で、どこまでが虚構か。チョンウ:実存人物(イ・イクギュン)がいる。会ってみた。トリオセシボンのデビュー4日前に入隊することになったという。それで仕方なくTwin Folioとしてデビューすることになった。そのモチーフと設定を参考にしただけで、そのほかの内容はすべて虚構だ。―当時いくつだったのか。チョンウ:生まれる前だった。時代よりストーリーに集中しようとした。そこからインスピレーションや共感を得ようとした。背景が変わるだけで、感情が変わるわけではないから。音楽を聴く機械が変わったからといって、その感動が変わるわけではないから。うわ、今の言葉、ものすごくよかったかも?! ―初恋、レトロといったコードが「応答せよ1994」を思い出させる。演技をする時「応答せよ1994」のスレギというキャラクターと差をつけた部分があるか。チョンウ:演技をする時、わざと前作との差をつけることはない。水が流れるように自然にやっていきたい。意識する瞬間、ぎこちなくなると思う。―ハン・ヒョジュとの息はどうだったか。画面にはとても綺麗に映っているが。チョンウ:そのくらいだったか?ウハハ。気さくだと思ったけど、思ったより口数が少なかった。キャラクターに没頭していたと思う。―ハン・ヒョジュとのキスシーン撮影は順調だったか。チョンウ:特定のキスシーンは技術的な部分のため、数回撮影した。―旅館のシーンで観客に余地を与えたかったと言ったが、本人はどのような設定の下で演技をしたか。チョンウ:半分半分だったと思う。半分は沢山想像しながら、半分は本当に何事も起こらなかったかのように演じた。ウハハ―俳優同士の相性も見所だった。チョンウ:特にチン・グさんとの息が本当によかった。チン・グが「26年」と「母なる証明」に出演したチン・グだということをしばらく忘れていたが、「セシボン」を見て「あ、この人がチン・グだな!」と思った。現場でもリーダーだった。俳優として過度な欲を持たないが、それは皆学ばなければならない点だと思う。懸命な人だ。見習うところが本当に多い。―キム・ユンソクと2人1役を演じた。(ルックスが20代の時とあまりにも違うから)後日空港で再会したオ・グンテとミン・ジャヨン(キム・ヒエ)がお互いに気づくことがありえないという冗談もあるが。チョンウ:プハハ。そう言われてみると、そうかもしれない。僕はただキム・ユンソク先輩が僕の40代を演じるということに浮ついて、そこまで考えたことがない。―実際も恋人のために電話で歌を歌うロマンチックなスタイルか。チョンウ:ウハハハ。そんな思い出は僕一人で抱えていたい。―本当の初恋はいつだったか。チョンウ:釜山鎮(プサンジン)小学校2年生の頃に出会ったイム某氏だ。気をつけをした時に手の甲と手の甲がぶつかったことがあって、とてもときめいた。僕が彼女をいじめた。そんなに綺麗な子ではなかった。当時は勉強ができる子が綺麗に見えた。中学校2年生の時に一度見かけたことはあるけど、今は連絡を取っていない。―本人なら愛と友情、どちらを選ぶのか。チョンウ:当たり前に愛だ。僕がイ・ジャンヒ先生であっても(オ・グンテの選択を)理解したと思う。僕も友人が愛を選んでも理解する。それが友達じゃないか。―映画「ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~」の撮影に参加しているが、ファン・ジョンミンとの息はどうか。チョンウ:兄さんがリードしてくれるから力強い。監督もすごく温かい方だ。現場はもちろん大変だ。まだヒマラヤには行ってないけど、現場に埃も多く、強風機のせいで粉雪が顔にあたったりして。高所恐怖症もあるので最初のクライミングの練習では苦労した。本当に大変だった。―この前tvN「三食ごはん」の撮影にも参加したが。チョンウ:「ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~」の撮影を終えて12時間もかけて撮影現場まで行った。寧越(ヨンウォル)から木浦(モクポ)まで6時間、木浦から小さい船に乗って6時間もかけてマンジェ島に向かった。12時間もかけて行ったのに、到着するやいなや飯を炊き、薪に火をつけた。ものすごく大変だった。放送をみれば分かるが、ソン・ホジュンも僕もめちゃくちゃだ。ガスレンジ、ボイラー、シンクのありがたさを感じた。もちろん癒された。朝起きたら波が輝いていて、とても綺麗だった。チャ・スンウォン先輩は料理がとても上手で、先輩が作ってくれたご飯も本当においしかった。―「応答せよ1994」以来久々の復帰作だ。感想を聞かせてほしい。チョンウ:先輩たちは作品を終えるごとに自身の子どもみたいだと言うじゃないか。その言葉が少しは理解できる。自分の血筋が生まれる感じがする。映画が興行するかどうかは別として、うら寂しい気持ちがする。―どんな俳優になりたいか。チョンウ:この質問を受けるたびに悩ましい。幸せな俳優になりたい。一日一日、幸せになりたい。
【PHOTO】チョンウ、ハン・ヒョジュ、キム・ヒエら「セシボン」出演者、VIP向け試写会に出席“ファイト!”
2日午後、ソウル永登浦(ヨンドゥンポ)区洞CGV永登浦店で映画「セシボン」(監督:キム・ヒョンソク)のVIP向け試写会が開催され、出演者が参加した。キム・ユンソク、チョンウ、キム・ヒエ、ハン・ヒョジュなどが出演する「セシボン」は、その当時、若者の街だった武橋洞(ムギョドン)を牛耳っていた音楽鑑賞室セシボンを舞台に、皆の心を捉えた1人のミューズ、そして忘れられない初恋の記憶を描いた映画だ。韓国で5日に公開される。
【PHOTO】2NE1のDARA&IU&キム・ウビン…映画「セシボン」VIP向け試写会に出席
2日午後、ソウル永登浦(ヨンドゥンポ)区洞CGV永登浦店で映画「セシボン」(監督:キム・ヒョンソク)のVIP向け試写会が開催された。キム・ユンソク、チョンウ、キム・ヒエ、ハン・ヒョジュなどが出演する「セシボン」は、その当時、若者の街だった武橋洞(ムギョドン)を牛耳っていた音楽鑑賞室セシボンを舞台に、皆の心を捉えた1人のミューズ、そして忘れられない初恋の記憶を描いた映画だ。韓国で5日に公開される。