「セシボン」キム・ユンソク、恋愛下手な男も似合うとは“チョンウと似ていなくても文句を言わないで!”
「セシボン」(監督:キム・ヒョンソク、制作:Jフィルム)はキム・ユンソクの後ろ姿から始まる映画だ。青春という名だけで輝いていたあの頃を経て、歳月の苦労がのしかかった中年男性の肩は、特に寂しく見える。子供のように肩を動かしながら20年間我慢してきた涙を流す40代のグンテの後ろ姿は、キム・ヒョンソク監督が「セシボン」のシナリオを構想する際に真っ先に思い浮かべたシーンである。
キム・ユンソクは今回の作品で「セシボン」の純情男オ・グンテ役を演じた。俳優チョンウと2人1役である。オ・グンテはユン・ヒョンジュ、ソン・チャンシクとともに音楽鑑賞室セシボンの売れっ子になるトリオ・セシボンの3番目のメンバーとして加入し、ミン・ジャヨン(ハン・ヒョジュ、キム・ヒエ)を見て一目惚れし、歌を始める人物だ。
これまで「チェイサー」(2007)、「哀しき獣」(2010)、「ファイ 悪魔に育てられた少年」(2013)、「海にかかる霧」(2014)など、常にスクリーンの中で強烈なジャンルの演技を披露してきたキム・ユンソクは、「セシボン」で久しぶりに肩の力を抜いた演技を届けた。
「僕はもともと、こんな演技のほうがより好きです。最近の映画はあまりにも強烈になってきています。設定そのものが強すぎます。スケールが大きすぎたり、すごく小さかったり。中間に当たる映画がないんです。そうじゃなければ、あえて時代劇だったりしますね。ラブストーリーもあまり描かれませんし。素朴な話が届ける人間味溢れる魅力、繊細な人間の感情というものがすごく減ってきたと思います。『セシボン』のような映画が懐かしかったです。時代がどれだけ変わるとしても、“人の話”は必ず必要で、引き続き作っていくべきだと思います」
「セシボン」で久しぶりに地に足をつけているキャラクターとして戻ってきたキム・ユンソクは、昨年に続き今年もハードなスケジュールをこなしている。クァク・キョンテク監督の「極秘捜査」が公開される予定であり、カン・ドンウォンと共演する「プリースト 悪魔を葬る者」の撮影を控えている。「繊細な人の感情を描く映画が懐かしかった」と言う彼の表情の隙間から、青春の込み上げるときめきが感じられた。キム・ユンソクが届ける“人間的な魅力”がたっぷり盛り込まれた演技が今から気になって仕方がない。
「セシボン」は武橋洞(ムギョドン)を牛耳っていた音楽鑑賞室セシボンを舞台に、皆の心を捉えた1人のミューズとの忘れられない初恋の記憶を描いた映画だ。「爆烈野球団!」(2002)、「クァンシクの弟クァンテ」(2005)、「スカウト」(2007)、「シラノ:恋愛操作団」(2010)、「タイム・クライム」(2013)を演出したキム・ヒョンソク監督がメガホンをとった。
キム・ユンソク:うはは。僕はもともとロマンチックだ。今はまだ、次の作品のヘアスタイルが決まっておらず、髪を伸ばしているためだと思う。
―映画の3分の1が過ぎた時点で登場するが。
キム・ユンソク:僕が初登場するシーンに、このような地の文がある。「とても冷静な顔だ」。20年が過ぎた後、グンテは仕事も恋も友達も失くしていた。そんな人が20年という歳月に耐えるためには、心臓に鉄板を一枚くらいは当てないといけないだろう。でないと耐えられない。恋を選んだなら、その女性と結婚でもしてほしいのに、それもできなかった。20年後に偶然空港で会うけど、やり直せるものでもないし、まあまあ。監督が20代の童話のようなシーンが過ぎてから冷たく現実的なシーンを見せたかったそうだ。「セシボン」で僕が一番先にキャスティングされたとか。チョンウと似ていないとかで文句を言わないで!僕は知らない(一同爆笑)
―それでもチョンウと似ているところがあるとしたら?
キム・ユンソク:僕はしばらく一緒に過ごすと分かるけど、チョンウにはソウル出身にはない釜山(プサン)出身だけのベースがある。それが僕と似ている。外見的にはチョンウも目で愉快に笑う顔だけど、それが僕と似ている。
―キム・ヒョンソク監督によると、「セシボン」は40代のオ・グンテがしゃがんで泣く後ろ姿から始まる映画だそうだが。
キム・ユンソク:そうだ。2テイクでOKサインをもらったシーンだが、とても力を注いだ。グンテが最後まで振り向かないのは、ミン・ジャヨン(キム・ヒエ)に泣き顔を見せたくないからだ。振り返ったらダメなのだ。振り返ったらバレてしまうから。ジャヨンを最後まで守ってあげたかったんだ。そこでグンテがジャヨンに「僕は君が何を言っているのか分からない」とも言っているのだ。
―他の作品でも、特に後ろ姿が印象的だった。
キム・ユンソク:そうだ。強いキャラクターといっても、実は全てが寂しいキャラクターだ。一人で何もかも背負ってしまうキャラクターなので!
―出番の量からすると、従来の出演作よりずっと少な目だが、この点に関する悩みはなかったか。
キム・ユンソク:まずは当時のスケジュールがちょうどその程度の量しか撮影できないスケジュールだった。そして、キム・ヒョンソク監督の前作が大好きだ。「シラノ:恋愛操作団」「爆烈野球団!」「スカウト」「クァンシクの弟クァンテ」などほとんど見た。あまり丁寧には作っていない感じがするのに、深さがある。ただ軽いだけのラブコメディではないので、それがいい。シナリオを見るとすぐに分かるのではないか。僕の出番は少ないというのを。けど、大事なシーンなので出演した。そして、僕は出番の量とかはあまり気にしていない。
―キム・ヒョンソク流の恋愛下手な純情男役としてキム・ユンソクがキャスティングされたということは、ある意味では破格である。
キム・ユンソク:映画のPRのためではなく、僕は意外とグンテと似ている。僕もいつも見守るタイプだし、戸惑ってから数年後に「実はあの頃、僕は君のことが好きだった」と告白するタイプだ。
―現在と過去が交差される編集ではなく、20代の話が終わってから40代になった後の話が展開される。演出も演出だが、演技をする立場としても交差編集のほうが楽だったのでは。
キム・ユンソク:キム・ヒョンソク監督が、交差編集はしないと会った初日から言っていた。「サニー 永遠の仲間たち」「建築学概論」が交差編集されているケースだ。これらの映画とは違う感じでいきたいと言っていた。交差編集を通じて物語に少しずつハマらせるのではなく、「夢から目を覚まして!」「しっかりして!」「これが現実なんだ!」といった感じを与えたかったのだと思う。キム・ヒョンソク監督のその信念や心意気はいいと思った。さらに、40代の物語はアメリカロケがあって、一日の制作費がすごい金額だった。空港のシーンは一日で完成させた。冗談ではなかった。目まぐるしく撮影を行った。
―20代の物語、すなわちチョンウの演技も参考にしていたか。
キム・ユンソク:キム・ヒョンソク監督は20代と40代の共通点を探そうと頑張っていなかった。わざわざ似ている方向に合わせる必要はなかった。むしろ、全く違う一面を披露したいと思った。20代の撮影現場に一度だけ遊びに行ったことがある。映画「極秘捜査」を大田(テジョン)で撮影していたけど、ちょうどその頃に「セシボン」も大田で撮影をしていた。ミン・ジャヨン(ハン・ヒョジュ)が登場するシーンだったから、もちろんチョンウは目に入っていない。
―チョンウ、チン・グ、カン・ハヌル、チョ・ボクレの演技はどう見ていたか。
キム・ユンソク:4人は本当に仲が良かった。うはは。本当に壁がないようだった。チン・グが一番映画の経験が多いが、そこでもチン・グが雰囲気を盛り上げて、チョンウがそこに合流して、残りの二人が自然と一緒になるような感じだった。本当に微笑ましかった。僕がスターであろうと何であろうと……こういうのはもう要らない。
―「セシボン」を見てから、イ・ジャンヒの「私あなたに全部あげる」が違う風に聞こえてきた。ここまで悲しくて美しい歌とは思わなかった。
キム・ユンソク:そうだ。「セシボン」は「私あなたに全部あげる」の再発見ともいえる。20代のグンテ(チョンウ)がその歌を歌って、20年後の40代のグンテである僕が同じ歌を歌ったけど、それが感じが全く違う。20代の時は傍に愛する女性がいたのに、20年後には一人きりになってその歌を歌っていて……。はあ。それが対比されて、すごく……何と言えばいいのだろうか。みんなそのような経験があるのでは。「あの子とこの道を歩いていたのに」「あの子とこの映画を一緒に見たのに」と。悲しいというか。
―「セシボン」でラブストーリー映画への望みが叶ったが。
キム・ユンソク:本当に叶ったのだろうか?キム・ヒエさんの肩を一度掴んだ以外はどんなタッチもなかった。ふはは。40代のグンテはジャヨンと目を合わせない。目が合ったら揺らいでしまうから。そんな状況で、何がラブストーリーなんだ。ラブストーリーはすでにドラマでたくさん演じてきている。キム・ヒエさんとは今回少し味見だけした感じなので、次回きちんとしたラブストーリーを一回演じようと意気投合した。
―久しぶりに力を抜いた熱演を披露した。
キム・ユンソク:もともとはこのような演技のほうが好きだ。もしテレビドラマのようにオ・グンテが寝て起きて歯を磨いてご飯を食べて……。こんなふうにオ・グンテという男の家などが映っていたら、ここまで一人の個人のことのようには見えなかっただろう。見慣れない街で出会ったグンテとジャヨンであったために、もっと個人的なことに見えて、だからこそもっと悲しいのだ。
―キム・ユンソクの20代の恋はどのようなものだったのか。
キム・ユンソク:僕も炎のような恋もしてみたし、全てやってみた。
―もし、本人がオ・グンテだったら、恋、友人、仕事の中でどれを先に選ぶのか。
キム・ユンソク:仕事だ。仕事を一番先に選ぶと思う。二番目は恋で、最後が友人だ。もちろん20代だったら恋に狂っていただろう。夢中になって。
―今年も「極秘捜査」(監督:クァク・キョンテク)、「プリースト 悪魔を葬る者」(監督:チャン・ジェヒョン)などで忙しいが。
キム・ユンソク:「極秘捜査」はジャンル的に強いというよりも、人に関する物語だ。クァク・キョンテク監督は本当に良かった。現場で指揮も上手いし、合理的だ。ただでニューヨークで勉強をしてきたわけではない。ふはは。「プリースト 悪魔を葬る者」はシナリオが本当に面白い。司祭服の種類が本当に多い。カン・ドンウォンに全部着せてみよう(笑) 「プリースト 悪魔を葬る者」は純粋な韓国産の小麦粉で作った正統派イタリアンピッツァみたいな映画だ。
キム・ユンソクは今回の作品で「セシボン」の純情男オ・グンテ役を演じた。俳優チョンウと2人1役である。オ・グンテはユン・ヒョンジュ、ソン・チャンシクとともに音楽鑑賞室セシボンの売れっ子になるトリオ・セシボンの3番目のメンバーとして加入し、ミン・ジャヨン(ハン・ヒョジュ、キム・ヒエ)を見て一目惚れし、歌を始める人物だ。
これまで「チェイサー」(2007)、「哀しき獣」(2010)、「ファイ 悪魔に育てられた少年」(2013)、「海にかかる霧」(2014)など、常にスクリーンの中で強烈なジャンルの演技を披露してきたキム・ユンソクは、「セシボン」で久しぶりに肩の力を抜いた演技を届けた。
「僕はもともと、こんな演技のほうがより好きです。最近の映画はあまりにも強烈になってきています。設定そのものが強すぎます。スケールが大きすぎたり、すごく小さかったり。中間に当たる映画がないんです。そうじゃなければ、あえて時代劇だったりしますね。ラブストーリーもあまり描かれませんし。素朴な話が届ける人間味溢れる魅力、繊細な人間の感情というものがすごく減ってきたと思います。『セシボン』のような映画が懐かしかったです。時代がどれだけ変わるとしても、“人の話”は必ず必要で、引き続き作っていくべきだと思います」
「セシボン」で久しぶりに地に足をつけているキャラクターとして戻ってきたキム・ユンソクは、昨年に続き今年もハードなスケジュールをこなしている。クァク・キョンテク監督の「極秘捜査」が公開される予定であり、カン・ドンウォンと共演する「プリースト 悪魔を葬る者」の撮影を控えている。「繊細な人の感情を描く映画が懐かしかった」と言う彼の表情の隙間から、青春の込み上げるときめきが感じられた。キム・ユンソクが届ける“人間的な魅力”がたっぷり盛り込まれた演技が今から気になって仕方がない。
「セシボン」は武橋洞(ムギョドン)を牛耳っていた音楽鑑賞室セシボンを舞台に、皆の心を捉えた1人のミューズとの忘れられない初恋の記憶を描いた映画だ。「爆烈野球団!」(2002)、「クァンシクの弟クァンテ」(2005)、「スカウト」(2007)、「シラノ:恋愛操作団」(2010)、「タイム・クライム」(2013)を演出したキム・ヒョンソク監督がメガホンをとった。
以下はキム・ユンソクとの一問一答である。
―「海にかかる霧」の時よりとても楽に見える。映画のおかげなのか、どこか眼差しもロマンチックに見える。キム・ユンソク:うはは。僕はもともとロマンチックだ。今はまだ、次の作品のヘアスタイルが決まっておらず、髪を伸ばしているためだと思う。
―映画の3分の1が過ぎた時点で登場するが。
キム・ユンソク:僕が初登場するシーンに、このような地の文がある。「とても冷静な顔だ」。20年が過ぎた後、グンテは仕事も恋も友達も失くしていた。そんな人が20年という歳月に耐えるためには、心臓に鉄板を一枚くらいは当てないといけないだろう。でないと耐えられない。恋を選んだなら、その女性と結婚でもしてほしいのに、それもできなかった。20年後に偶然空港で会うけど、やり直せるものでもないし、まあまあ。監督が20代の童話のようなシーンが過ぎてから冷たく現実的なシーンを見せたかったそうだ。「セシボン」で僕が一番先にキャスティングされたとか。チョンウと似ていないとかで文句を言わないで!僕は知らない(一同爆笑)
―それでもチョンウと似ているところがあるとしたら?
キム・ユンソク:僕はしばらく一緒に過ごすと分かるけど、チョンウにはソウル出身にはない釜山(プサン)出身だけのベースがある。それが僕と似ている。外見的にはチョンウも目で愉快に笑う顔だけど、それが僕と似ている。
―キム・ヒョンソク監督によると、「セシボン」は40代のオ・グンテがしゃがんで泣く後ろ姿から始まる映画だそうだが。
キム・ユンソク:そうだ。2テイクでOKサインをもらったシーンだが、とても力を注いだ。グンテが最後まで振り向かないのは、ミン・ジャヨン(キム・ヒエ)に泣き顔を見せたくないからだ。振り返ったらダメなのだ。振り返ったらバレてしまうから。ジャヨンを最後まで守ってあげたかったんだ。そこでグンテがジャヨンに「僕は君が何を言っているのか分からない」とも言っているのだ。
―他の作品でも、特に後ろ姿が印象的だった。
キム・ユンソク:そうだ。強いキャラクターといっても、実は全てが寂しいキャラクターだ。一人で何もかも背負ってしまうキャラクターなので!
―出番の量からすると、従来の出演作よりずっと少な目だが、この点に関する悩みはなかったか。
キム・ユンソク:まずは当時のスケジュールがちょうどその程度の量しか撮影できないスケジュールだった。そして、キム・ヒョンソク監督の前作が大好きだ。「シラノ:恋愛操作団」「爆烈野球団!」「スカウト」「クァンシクの弟クァンテ」などほとんど見た。あまり丁寧には作っていない感じがするのに、深さがある。ただ軽いだけのラブコメディではないので、それがいい。シナリオを見るとすぐに分かるのではないか。僕の出番は少ないというのを。けど、大事なシーンなので出演した。そして、僕は出番の量とかはあまり気にしていない。
―キム・ヒョンソク流の恋愛下手な純情男役としてキム・ユンソクがキャスティングされたということは、ある意味では破格である。
キム・ユンソク:映画のPRのためではなく、僕は意外とグンテと似ている。僕もいつも見守るタイプだし、戸惑ってから数年後に「実はあの頃、僕は君のことが好きだった」と告白するタイプだ。
―現在と過去が交差される編集ではなく、20代の話が終わってから40代になった後の話が展開される。演出も演出だが、演技をする立場としても交差編集のほうが楽だったのでは。
キム・ユンソク:キム・ヒョンソク監督が、交差編集はしないと会った初日から言っていた。「サニー 永遠の仲間たち」「建築学概論」が交差編集されているケースだ。これらの映画とは違う感じでいきたいと言っていた。交差編集を通じて物語に少しずつハマらせるのではなく、「夢から目を覚まして!」「しっかりして!」「これが現実なんだ!」といった感じを与えたかったのだと思う。キム・ヒョンソク監督のその信念や心意気はいいと思った。さらに、40代の物語はアメリカロケがあって、一日の制作費がすごい金額だった。空港のシーンは一日で完成させた。冗談ではなかった。目まぐるしく撮影を行った。
―20代の物語、すなわちチョンウの演技も参考にしていたか。
キム・ユンソク:キム・ヒョンソク監督は20代と40代の共通点を探そうと頑張っていなかった。わざわざ似ている方向に合わせる必要はなかった。むしろ、全く違う一面を披露したいと思った。20代の撮影現場に一度だけ遊びに行ったことがある。映画「極秘捜査」を大田(テジョン)で撮影していたけど、ちょうどその頃に「セシボン」も大田で撮影をしていた。ミン・ジャヨン(ハン・ヒョジュ)が登場するシーンだったから、もちろんチョンウは目に入っていない。
―チョンウ、チン・グ、カン・ハヌル、チョ・ボクレの演技はどう見ていたか。
キム・ユンソク:4人は本当に仲が良かった。うはは。本当に壁がないようだった。チン・グが一番映画の経験が多いが、そこでもチン・グが雰囲気を盛り上げて、チョンウがそこに合流して、残りの二人が自然と一緒になるような感じだった。本当に微笑ましかった。僕がスターであろうと何であろうと……こういうのはもう要らない。
―「セシボン」を見てから、イ・ジャンヒの「私あなたに全部あげる」が違う風に聞こえてきた。ここまで悲しくて美しい歌とは思わなかった。
キム・ユンソク:そうだ。「セシボン」は「私あなたに全部あげる」の再発見ともいえる。20代のグンテ(チョンウ)がその歌を歌って、20年後の40代のグンテである僕が同じ歌を歌ったけど、それが感じが全く違う。20代の時は傍に愛する女性がいたのに、20年後には一人きりになってその歌を歌っていて……。はあ。それが対比されて、すごく……何と言えばいいのだろうか。みんなそのような経験があるのでは。「あの子とこの道を歩いていたのに」「あの子とこの映画を一緒に見たのに」と。悲しいというか。
―「セシボン」でラブストーリー映画への望みが叶ったが。
キム・ユンソク:本当に叶ったのだろうか?キム・ヒエさんの肩を一度掴んだ以外はどんなタッチもなかった。ふはは。40代のグンテはジャヨンと目を合わせない。目が合ったら揺らいでしまうから。そんな状況で、何がラブストーリーなんだ。ラブストーリーはすでにドラマでたくさん演じてきている。キム・ヒエさんとは今回少し味見だけした感じなので、次回きちんとしたラブストーリーを一回演じようと意気投合した。
―久しぶりに力を抜いた熱演を披露した。
キム・ユンソク:もともとはこのような演技のほうが好きだ。もしテレビドラマのようにオ・グンテが寝て起きて歯を磨いてご飯を食べて……。こんなふうにオ・グンテという男の家などが映っていたら、ここまで一人の個人のことのようには見えなかっただろう。見慣れない街で出会ったグンテとジャヨンであったために、もっと個人的なことに見えて、だからこそもっと悲しいのだ。
―キム・ユンソクの20代の恋はどのようなものだったのか。
キム・ユンソク:僕も炎のような恋もしてみたし、全てやってみた。
―もし、本人がオ・グンテだったら、恋、友人、仕事の中でどれを先に選ぶのか。
キム・ユンソク:仕事だ。仕事を一番先に選ぶと思う。二番目は恋で、最後が友人だ。もちろん20代だったら恋に狂っていただろう。夢中になって。
―今年も「極秘捜査」(監督:クァク・キョンテク)、「プリースト 悪魔を葬る者」(監督:チャン・ジェヒョン)などで忙しいが。
キム・ユンソク:「極秘捜査」はジャンル的に強いというよりも、人に関する物語だ。クァク・キョンテク監督は本当に良かった。現場で指揮も上手いし、合理的だ。ただでニューヨークで勉強をしてきたわけではない。ふはは。「プリースト 悪魔を葬る者」はシナリオが本当に面白い。司祭服の種類が本当に多い。カン・ドンウォンに全部着せてみよう(笑) 「プリースト 悪魔を葬る者」は純粋な韓国産の小麦粉で作った正統派イタリアンピッツァみたいな映画だ。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- キム・スジョン、写真 : ムン・スジ
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