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悪魔は誰だ

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  • “エンターテイナー”オム・ジョンファ「これからもオム・ジョンファらしく!」

    “エンターテイナー”オム・ジョンファ「これからもオム・ジョンファらしく!」

    オム・ジョンファはステージの上での自分とスクリーンの中での自分を完璧に分けることができるエンターテイナーである。ジャンルによって自由自在に仮面を付け替える女優でもある。「シングルズ」「ミスター・ロビンの口説き方」「ダンシング・クィーン」でのオム・ジョンファと「オーロラ姫」「ベストセラー」でのオム・ジョンファは、まったく別人だ。「ダンシング・クィーン」から1年が過ぎた。新作映画「悪魔は誰だ」は、オム・ジョンファの劇的な変化をもう一度確認させてくれた作品だ。子供を失った悲しみに泣き崩れる「悪魔は誰だ」のハギョンから「ダンシング・クィーン」のハツラツな母親ジョンファの面影を探すことはできない。今日は田舎のおばさんが着るようなゆるゆるパンツを着て街の市場を歩き回りながら、明日はミニスカートを穿いて男性を誘惑してもまったく違和感のない女優、オム・ジョンファに会ってみた。―「悪魔は誰だ」に対する評価が高い。そのためだろうか、気分が良さそうに見える。オム・ジョンファ:そうかな?(笑) 実は、実感していない。多くの作品をしてきたけど、このような気持ちになったのは初めて。何か伝わってくる雰囲気が違う。反応も以前と違う。試写会以来、毎日毎日「本当に?」と驚いている。―試写会の時に感じた気持ち、言わば大当りしそうな予感は的中する方か?オム・ジョンファ:ある程度当たる方。「悪魔は誰だ」はストーリーの中盤まで、私の出番はそんなに多くなかった。それに一人で演じるシーンが多かったので、個人的にも完成された映画が気になって、他の俳優たちはどのような演技を見せたのか興味深く見た。本当に面白かった。面白かったシナリオのありのままを壊さず、そのまま表現するのは難しいことなのに、「悪魔は誰だ」は映画の方が良かった「これはうまくいきそう!」と思った。―反応が以前とは違うと言ったが、どのような反応が一番記憶に残ったのか?オム・ジョンファ:反応?すごく多い。まず、ホン・ジンギョン(モデル出身事業家)がお酒をやめた。子供を持つ母親の立場から見て、胸を痛めたみたい。自ら正しい生活を守ること、お酒に酔ってはいけないと思ったみたいね。―突然、ホン・ジンギョンさんの酒量が知りたくなってきた(笑)オム・ジョンファ:ハハ。いつまで禁酒を続けられるかな。チョン・ジェヒョンさんも絶賛してくれてびっくりした。ジェヒョンさんが性格上、ただ褒める人ではないから。それに20年間私のスタイリストをしてくれた友だちが「素晴らしい!」と言ってくれた。彼女がそう言ってくれると上手くできたということ。友だちまで気に入ってくれるから、これは最高の賛辞。―映画を見終わって出てくる人々が、「オム・ジョンファさんは子供も産んだことないのに、演技が切実だった」と言っていた(笑) だが、母親役のオム・ジョンファの姿はそれほど見慣れないわけではない。「オーロラ姫」「TSUNAMI -ツナミ-」「ベストセラー」「ダンシング・クィーン」「ママ」など数々の映画の中ですでに母親役を演じているからだ。母親の演技に少し慣れたのでは?オム・ジョンファ:ええ~難しい。何度やっても難しい。それに、母親らしい演技はそれほど多くなかった。「ダンシング・クィーン」と「ママ」の時は、それなりに実生活に触れている母親役を演じ、母性にスポットを当てていなかった。子供と心が通じ合う本物の母親の役を演じる日がいつかくると思う。―キム・サンギョンさんが「『悪魔は誰だ』はジョンファ姉さんの代表作になるだろう」と言ったそうだ。オム・ジョンファ:ハハハハ。キム・サンギョンがまたその話をしたのね。―「歌手のイメージが強くて、演技力が過小評価されている部分があるようだ」と話したが、その話には同感する。自身はどうなのか。そのような先入観がもどかしくなかったのか?オム・ジョンファ:うんもどかしくなかったと言えば嘘になるかも。授賞式のようなところに行くと、心残りがある。素晴らしい監督の方々と一緒にお仕事したかったけど、ご縁がなかった。だけど、そんな時には「長い目で見よう!」と自らを慰めた。センスのない映画はやってないという誇りもあった。それに、実際に興行成績も悪くなかった(笑)―そうだ。「ダンシング・クィーン」もとてもいい作品だった。オム・ジョンファ:そうね。今は「低い評価か、高い評価か」は関係なく、ただ感謝している。私を待ってくれる人々がいて、私を待っているシナリオがあるということ自体が幸せなことではないかと思う。―キム・サンギョンさんの話を聞いて、オム・ジョンファの代表作について考えてみた。少し冷静に聞こえるかもしれないが、みんなが共通して思い浮かべる代表作品がない。音楽の場合、代表曲として挙げられる曲が多すぎて選べないほどだが。オム・ジョンファ:そうね。「情愛」や「シングルズ」を気に入ってくださる方もいるけど、何か一つを選ぶことは難しい。作品の数が少ないわけでもないのに時々「代表作は何?どうして一つもないの?」と自分に問いかける。そうするうちにまた自分に言い聞かせる「それがどうしたっていうの?それなら他の俳優たちはみんな代表作があるわけ?」と。一種の自己慰めをしているの(笑) 映画というのは、そういうものだと思う。これは私が熱心にする、しないの問題ではない。目に見えない何かが作用する世界なのだと思う。―同意する。運も必要だ。オム・ジョンファ:そう。すべてがかみ合った瞬間がある。その瞬間を今待っている。それが「悪魔は誰だ」になればいいなと思う。―多くの女性にとってオム・ジョンファは素敵なお姉さん頼もしい友だち女性のロマンのような存在だ。男性からはどう見られていると思うか?オム・ジョンファ:今や姉のような存在だと思う。どうしてみんな私を姉さんと呼ぶんだろう?(笑) いつの間にか私も先輩になった。本当に今回の映画で特殊効果チームにアントニオ・バンデラスと呼ぶ、本当に年取って見える方言を使うスタッフがいたが、そのスタッフが私を「姉さん~姉さん~」と呼びながら愛嬌を振りまいた。最初は少し違和感があったけど、だんだん可愛く思えた。人の真心というものは、飾らなくても感じることができるから。「私のことを心から大切にしてくれているんだ。だから気兼ねなく姉貴と呼んでくれる」と思った。そのような温かな感じが良い。―以前はどうだった?セクシーディーバ(歌姫)として絶大な人気を誇っていた時のことだ。その当時はあなたが撮影現場に現れることで、多くの男性がときめいたと思う(笑)オム・ジョンファ:その通り!今とはずいぶん違っていた(笑) 気力自体が違っていた。何て言えばいいのかな歌手のイメージが強かったためか、私が現れると男性スタッフが「ワァ!オム・ジョンファだ!」と騒いだ(笑) 今の撮影現場が温かい雰囲気だとしたら、その時の雰囲気はドキドキ感があったかな。―今のこのような気楽さがなんだか寂しいかも。オム・ジョンファ:仕方がない。時間は止められないから!―時間の流れを快く受け入れているようだ。オム・ジョンファ:そうしようと努力している。私も女性なので、時間に縛られる時も、不安に思う時もあり、振り回される時もある。喪失感を感じることもある。そういう時は、全部捨てようと努めている。一つも役に立たない感情だから。それにそんなことばかり心配するより、自分の仕事が大事だから。未解決の悩みに時間を費やすより、未来のことだけを考えるタイプである。―歌手の時と女優の時のイメージが完全に違う。もう一つ気が付いたのは、演技するときもまったく違う二つの雰囲気をもっているということだ。例えば、「ダンシング・クィーン」「シングルズ」「どこかで誰かに何かあれば間違いなく現れるMr.ホン」でのオム・ジョンファと「ベストセラー」「ママ」「悪魔は誰だ」でのオム・ジョンファは完全に別人だ。オム・ジョンファ:緻密に作品を選んだわけではない。でも、完全に意図していなかったわけでもなかった。「情愛」の後、2年間オファーされるシナリオはなかった。その後オファーされたシナリオが「シングルズ」とドラマ「妻~愛の果てに~」だった。2つの中で一つだけ選択して集中するべきなのかとも思ったけど、そうしなかった。時代を代表する「シングルズ」の女性キャラクターと正劇(シリアスで深みのある内容を扱った作品)の演技を見せることのできる「妻~愛の果てに~」のキャラクターを同時にやってみたかった。ギャンブルのような選択だったけど、そのような選択が結果的に良い方向に導いてくれた。「オーロラ姫」を選んだ理由も、ジャンルを広げたかったから。一瞬一瞬の選択に運も付いてきてくれた。―「ベストセラー」と「ダンシング・クィーン」は最初から自身のことを念頭に置いて作った作品だった。女優としては光栄なことだと思うが、また誰かが、自身のことを考えてシナリオを書くとしたら、どのような内容を望んでいるのか。オム・ジョンファ:ジーンとくる作品かな。何が何でも胸にジーンとくるもの。―ジーンとくる作品?どれだけ涙を流したいのか(笑) あなたは、スクリーンの中で無理してキレイに見せようとしないようだ。オム・ジョンファ:演技する時は、キレイに見せたくない。―本当に?最初からそうだったのか。オム・ジョンファ:そうだねこれをどう説明すればいいのかな。歌を歌う時はキレイに見せたい。カッコよく見せたい時もある。だけど、女優としては違う。演技をする時は、そのような欲は諦めなければならない。スクリーンの中では日常生活で見るような自然な演技をする時が多いから。ステージの上とはまったく違う分野なの。それに私はソン・ヘギョのように誰もが認める美貌の持ち主でもないし。そのような意味でキレイに見せたくない。―以前は歌手活動をメインにして、演技をしている雰囲気が強かったが、いつの間にかそれが反対になったような印象がある。もちろん歌手が副次的な活動になったという訳ではなく、自身にとって演技がそれだけ大切な存在になったということだろうか。オム・ジョンファ:そんなような時が自然に来た。以前は1年に1度はフルアルバムをリリースした、それを10年も続けてきた。だけど、それはその時だったから可能だったと思う。そのための時間だった。今は一歩後ろに立って見なければならない時だと思う。毎年フルアルバムを出す時期は終わった。残念に思うのかって?いいえ、かえって私が出したいと思う時、アルバムを出せたことに感謝している。過去を振り返る時間と将来を見据える時間が共存する今も悪くない。―最近、あなたのベストフレンドイ・ヒョリがアルバムを出して活動を始めた。「Bad Girls」の前に公開された「Miss Korea」の場合、バンドRoller Coasterの雰囲気がすると言われているが、いわゆるアーティストたちは、周りの人に大きく影響を受けているようだ。オム・ジョンファ:そうね、無視できない。周りの人から大きく影響を受けている。―そこで聞きたい質問がある。あなたは以前からチョン・ジェヒョンやLucid Fall(ルシッド・フォール)のようなミュージシャンたちと深い親交を続けてきた。音楽を聞く好みも彼らと似ていると思うが、それにしてはあなたのアルバムから彼らの雰囲気は漂っていない。今まで主に楽しい曲を歌ってきたが、近い将来、新たな挑戦に挑むのも良いと思う。オム・ジョンファ:でも、最近はまた、大衆性のある音楽が好き。歌詞が少しあって、軽快なリズムが繰り返されるフックソング(何度も同じフレーズを繰り返す曲)も聞き心地が良い。次のアルバムの計画はまだ立ててないけど、とにかく大衆性があるアルバムになりそう。―今は歌手と俳優の境界などは関係なく行き来しているが、10年前まではそのようなケースが少なかった。あなたがデビューした当時は稀なことだった。オム・ジョンファ:そうだった。その時はキム・ミンジョンさんとイム・チャンジョンさんぐらいが歌手と俳優、両方とも活動していた。―あなたが20年遅く生まれたら、今と変わっていただろうか?20年遅く生まれて歌手としてデビューするなら。オム・ジョンファ:うわ、面白そう。―もしそうなると、アイコンと呼ばれないかもしれない。かつて新しい分野を開拓したのでアイコンになることができたから。オム・ジョンファ:どうして?またアイコンになればいいし。アハハハ。今女性ソロはあまり多くないから、競争力もあると思う(笑)―たくさんのインタビューで、後輩たちのお手本になりたいと言った。オム・ジョンファ:ハハ。どうしてそんなこと言ったのかな、私~―(笑) 自ら中間評価をするとしたら。オム・ジョンファ:私にはお手本にする先輩がいなかった。私と同じ道を歩いた先輩はいなかったから。それでも演技の分野では、イ・ミスク先輩がいて、「女優が40歳を過ぎても、ずっとカッコよくいられるんだな」と力になったけど、音楽の分野ではいなかった。そのような面でお手本になる先輩になりたかった。ウン(しばらくの間考えて) 上手くやっていると信じている。もっと前進したいし、だから今このように努力している。―最近、あなたを刺激しているものがあるとしたら?映画を除いて。オム・ジョンファ:ないと思う。最近、私の生活はとても穏やか。穏やかだけど、時間が経つのがとても速い。昔は休みの日にも何かやることを探していつも忙しく過ごしていた。だけど今はそれ自体の時間を楽しめるようになった。静かで、穏やかな時間に慣れてきた。―10年前だろうか?映画の雑誌で「オム・ジョンファはマリリン・モンローだったのに、だんだんマドンナに似てきている」と書いてある記事を見たことがある。オム・ジョンファ:あら、本当?嬉しい。象徴的な人物と比較してくれるとは。それも二人も。―ところが今は何て言うかマドンナとは違う道を歩いている。今後どんな人物になりたいのか。オム・ジョンファ:ええと、これからはそのままのオム・ジョンファでありたい。あるがままにオム・ジョンファらしく!

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  • 映画「悪魔は誰だ」誰が誰を悪魔と呼ぶのだろうか

    映画「悪魔は誰だ」誰が誰を悪魔と呼ぶのだろうか

    ※この記事には映画「悪魔は誰だ」の結末に関する内容が含まれています。加害者と被害者を入れ替える賢い頭脳戦15年前、誘拐犯に娘を拉致されたハギョン(オム・ジョンファ)。これまでハギョンと警察は犯人を追ったが、犯人の行方は分からないままだ。事件の担当刑事であるチョンホ(キム・サンギョン)はハギョンに間もなく時効が成立することを知らせ、もう犯人を捕まえられない事実にハギョンは怒りを感じる。犯人が姿を消した最後の場所に足を運んだチョンホは、犯行現場に置いてある1輪の花を見つける。再び犯人が現れたことを直感したチョンホは防犯カメラ、ブラックボックス、タイヤの跡などの証拠を手がかりに犯人を追跡する。そして時効が成立する直前に犯人を見つけたが、追撃戦の末に目の前で犯人を逃してしまう。その後、ハンチョル(ソン・ヨンチャン)の孫娘が拉致される事件が発生した。その犯行の手口が15年前にハギョンの娘を拉致した方法と同一であることが分かった。チョンホはその犯人がもう一度事件を再現しようとしていることを直感し、事件を徹底的に調べ始める。韓国3大未解決事件が起こった後に残ったもの1986年~1991年に京畿道(キョンギド)華城(ファソン)市台安邑(テアンウプ)一帯で10人の女性が殺害された華城連続殺人事件、1991年1月29日ソウル市鴨鴎亭(アックジョン)洞に住んでいた当時9歳だったイ・ヒョンホ君が30代と推定される男性に誘拐され、殺害されたイ・ヒョンホ君誘拐殺人事件、1991年3月26日に5人の小学生が蛙を取りに行くと家を出て行方不明になった後、遺骨で発見されたカエル少年失踪事件は、韓国で3大未解決事件に挙げられている。2007年、時効に関する法律が改正され殺人罪への時効は25年になったが、1997年以降の事件から同法律が適用された。それによりチョン・ドゥファンとノ・テウによる軍部政権の影で起きた韓国3大未解決事件はその後キム・ヨンサム、キム・デジュン、ノ・ムヒョン政権を経て2006年にすべて時効が成立した。たとえ検察と警察の捜査の手は緩んだとしても「それが知りたい」などのテレビ番組で何度も扱われてきたこれらの事件は、スクリーンにその舞台を拡大し別の方法で世間の関心を誘導した。華城連続殺人事件を題材にした「殺人の追憶」(2003)が暗かった時代の空気を描くことに重点を置いたことに対し、イ・ヒョンホ君誘拐殺人事件を題材にした「あいつの声」(2007)は事件を再現することに集中した。カエル少年失踪事件を題材にした「カエル少年失踪殺人事件」(2011)は事件当時の仮説を取り入れ、事実とフィクションを融合した。これらの映画は方法は異なるが、犯人を捕まえたいという気持ちは同じである。韓国3大未解決事件はテレビと映画で時効を延長した。韓国3大未解決事件が残したのは、ただ犯人を捕まえることができないという無念な気持ちだけではなかった。検察と警察の無能さへの批判や時効の成立が犯人へ合法的に免罪符を与えているという状況に対する怒りの感情は強くなっている。法律が彼らを処罰しないなら、自ら処罰するという個人的な復讐を描いた映画が多数登場したこともこのような社会の雰囲気と絶対に無関係ではない。男性は「悪魔を見た」「容赦はしない」「アウトロー-哀しき復讐-」で、女性は「公正な社会(Azooma)」「母なる復讐」「オーロラ姫」などの映画で復讐を敢行した。二つの意味で使われるモンタージュ「悪魔は誰だ」は韓国3大未解決事件と個人的な復讐が交差したところから出発する。映画は韓国3大未解決事件の陰である時効を問題視し、個人の復讐の銃口を犯人に向ける。ここにキム・サンギョンが演じた「殺人の追憶」のソ・テユン刑事のイメージや「オーロラ姫」でオム・ジョンファが演じた個人的な復讐を断行する母のイメージも反映された。まるで「悪魔は誰だ」は韓国のスリラージャンルの一つの流れにピリオドを打つような印象を与える。映画のタイトルである「悪魔は誰だ」は二つの意味として使われる。一つは捜査のため合成で作りあげた犯人の顔写真という意味で、もう一つは時間や事件の経過を表すときに使う映像編集方法を意味する。刑事のチョンホはやっと向かい合った犯人とモンタージュ写真を見ながら「全然似てない」と語る。事件の捜査方向が最初から間違っていたと指摘するチョンホの姿から過去どれほど捜査が混乱し、犯人を逃したのかを察することは難しくない。映像編集の方法であるモンタージュを使い映画の中の時間をかき乱し、複数のパズルを再構成することで加害者と被害者の位置を入れ替える「悪魔は誰だ」の試みは斬新だ。まるで犯人が要求した身代金の代わりに懸賞金をかけ犯人を追跡する「身代金」の設定を思わせる試みだ。時効の改定を求める現在時効は、時間が経つことによってできた事実関係を尊重し、法的安定性確保や時間の経過による証拠判断の困難、社会的関心の低下、被告人の生活安定保障などの理由で存在する。だが、「悪魔は誰だ」は「15年の歳月が経った後、果たして加害者は懺悔していたのだろうか」と問う。被害者ではなく加害者の涙という事実に気づかなかったと言う刑事チョンホの台詞は、意味深に聞こえる。結局映画の加害者と被害者の位置を入れ替えることは、決して加害者は変わらないという事実を強調するための手段のように思われる。他の個人的な復讐を題材にした映画と同様に「悪魔は誰だ」の終わりは個人的な復讐が正しいのかという質問にたどり着く。「あの人は私を苦しめたのにどうして私にはできないのですか?」というハギョンの叫びは誰にでも当てはまるものだ。ここで個人的な正義を実現するキャラクタージグソウを作り出した「ソウ」のジェームズ・ワン監督が作ったもう一つの映画「狼の死刑宣告」のあるシーンを注意深く見る必要がある。家族の復讐に乗り出したニック(ケヴィン・ベーコン)に復讐の対象であるビリー(ギャレット・ヘドランド)は「私たちと何が違う。(君も)怪物になってしまった」と反問する。「悪魔を見た」で復讐を完成させ涙を流すキム・スヒョン(イ・ビョンホン)と重なって見えるシーンだ。「別の悪魔を見たのか?私の中の悪魔を見たのか?」この質問に答えることは非常に難しい。確実なのは事件の真実を必ず明かそうとする姿勢だ。先に言及した3大未解決事件のように無念に死んだ人の真実さえ解明できなかったことが私たちの現実なのではないか。まず時効の改定に着手してもらいたい。許しと処罰はその次の問題だ。

    oh!my star
  • 「悪魔は誰だ」超高速で観客動員数150万人突破の秘訣とは?

    「悪魔は誰だ」超高速で観客動員数150万人突破の秘訣とは?

    「新しき世界」以来、最短期間で観客動員数150万人を突破した映画「悪魔は誰だ」が、子供を持つ女性客からの絶大な支持を受けながらヒットを続けている。公開から僅か13日目にして観客動員数150万人を突破した「悪魔は誰だ」は、「新しき世界」以来、今春公開した韓国映画のうち最短期間で新記録を打ちたてている。同時期のそうそうたるライバル作の中でも3週間連続で韓国映画興行成績1位をキープし、5月最高の韓国映画であることを証明した。今回の快進撃は、急速に広がる口コミのおかげで可能となった。特に、この口コミの中心にはオム・ジョンファが熱演した主人公ハギョンのように子供を持つ30~40代の女性客がおり、より注目を集める。検索サイトや映画予約サイトを見ると、主に映画館を訪れる10~20代の女性客に負けないほど、30~40代の女性客の予約率が特別に高いことが分かる。これは、「悪魔は誰だ」が家族全員で見られる国民的スリラー映画として、特に、母親層の気持ちを完璧に掴んだことを表している。連日のように様々な母親向けコミュニティサイトには、「オム・ジョンファと娘が電話する時にちょっと涙が映画を見た後、うちの子供たちから育ててくれてありがとうと言われました」「娘がいるためか、主人公の母親の気持ちがとても伝わりました。映画館を出て、娘の手をぎゅっと握りました。生きていてそばにいてくれるだけで、こんなにもありがたいなんて」「もし私だったら、と思いながら見ました。見る間も色々と考えさせられる作品だと思います」「オム・ジョンファの演技が光る作品。この土地で子供を誘拐するようなことは絶対に起こらないでほしいです」「一瞬も目が離せませんでした。最後は感動の涙まで子供を対象にした犯罪は撲滅されなければなりません。もちろん、時効もなくなるべきです。子供がいるためか、楽しさとともに共感、恐怖まで全部感じました」など、オム・ジョンファが熱演した母親役に対する共感と児童を対象とした犯罪、時効に対する意見を含んだ投稿が増えている。子どもを持つ女性客からの共感と強力な推薦により、「悪魔は誰だ」は急速に口コミが広がり、観客動員数200万人に向かって拍車をかけている。

    OSEN
  • 「悪魔は誰だ」観客動員数150万人突破!…ロングヒットなるか

    「悪魔は誰だ」観客動員数150万人突破!…ロングヒットなるか

    映画「悪魔は誰だ」が観客動員数150万人を突破し、長期ヒットの可能性を高めた。29日、映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワーク集計の結果によると、「悪魔は誰だ」は28日に6万444人の観客を動員し、累積観客動員数150万9294人となり映画ランキングで2位を獲得した。これは、公開から13日(5月16日公開)で成し遂げた成績で、特に映画「ワイルド・スピード EURO MISSION」「華麗なるギャツビー」「アイアンマン3」などのハリウッド映画との競争でも上位にランクインしており、今後の成績にさらに期待が集まっている。「悪魔は誰だ」は、15年前の誘拐事件の公訴時効が成立した後、すぐに同一手口の事件が発生し、犯人によって娘、孫、人生を奪われた3人の被害者に訪れた決定的瞬間を描いた作品でオム・ジョンファ、キム・サンギョンが主演を務め、話題を集めている。「ワイルド・スピード EURO MISSION」は28日の1日で8万6091人(累積99万1888人)の観客を動員し、興行成績1位に輝いた。「華麗なるギャツビー」は同日3万8592人(累積112万2347人)の観客を動員し、3位となった。

    OSEN
  • 「悪魔は誰だ」オム・ジョンファ&キム・サンギョン、チャリティーバザー開催“全アイテム完売”

    「悪魔は誰だ」オム・ジョンファ&キム・サンギョン、チャリティーバザー開催“全アイテム完売”

    映画「悪魔は誰だ」(監督:チョン・グンソプ、制作:ミインピクチャーズ、配給:NEW)チームが開催したチャリティーバザーが成功裏に終わった。「悪魔は誰だ」チームは24日、ソウル弘大(ホンデ)駐車場の近くでチャリティーバザーを開いた。この日、「悪魔は誰だ」チームの全スタッフが準備した200以上のアイテムの約半分が、販売開始わずか30分で売り切れるなど、人気を集めた。バザーの現場は女優オム・ジョンファと俳優キム・サンギョンの登場でさらに熱く盛り上がった。キム・サンギョンはサングラス2つと高級ゴルフクラブを寄付した。その中のゴルフクラブをめぐって、チャリティーバザーの趣旨に共感した二人の中年男性が熱い入札競争を繰り広げ、注目が集まった。オム・ジョンファは3着のドレスを寄付した。その中で、180万ウォン(約16万円)を超えると知られているブラックジャージードレスは一番の人気を得て、チャリティーバザーの最後を飾った。また、俳優オム・テウンは「ハッピーサンデー-1泊2日」で実際に使った寝袋を、俳優チュウォンはファッションアイテムを、ボーカルグループVibeのユン・ミンスはサイン入りCDを寄付し、温かい熱気を伝えた。「悪魔は誰だ」のチャリティーバザーに寄付されたすべてのアイテムは完売し、収益金の全額は「緑の傘子ども財団失踪児童専門機関」の「失踪誘拐予防キャンペーン」に寄付される予定である。

    マイデイリー
  • キム・サンギョン「悪魔は誰だ」から「殺人の追憶」までの10年間

    キム・サンギョン「悪魔は誰だ」から「殺人の追憶」までの10年間

    俳優キム・サンギョンを代表するイメージは端正だ。それは、彼がドラマで医者、検事、弁護士などきちんとした職業を主に演じてきたためだ。だが、映画では話が変わる。むしろ整ったイメージを見つけにくい。ホン・サンス監督の作品では情けない男の姿を見せた。また、刑事のイメージも強い。ここで興味深いのは、刑事のイメージが強い彼が刑事を演じた映画は「殺人の追憶」(2003)、たった1作品だけだという事実だ。それにも関わらず、ソン・ガンホと共演したキム・サンギョンの姿が観客の頭の中には強く残っている。それから、ちょうど10年後、キム・サンギョンがもう一度、刑事を選んだ。「殺人の追憶」の後、無数に入ってきた刑事のキャラクターを断り、10年ぶりに「悪魔は誰だ」を選んだ。しかし、皮肉にも「悪魔は誰だ」は「殺人の追憶」の残像を多く抱いている。事件も、事件を解決していく過程も、映画の構成自体も、「殺人の追憶」とはかなりの違いがあるのだが、何となく二卵性双生児のような感じがする。そして、それは映画全体に流れる色や雰囲気、そして、キム・サンギョンのためだ。「殺人の追憶」と「悪魔は誰だ」、そしてこの10年間について、キム・サンギョンに聞いた。―10年ぶりに刑事を演じるが、「殺人の追憶」と「悪魔は誰だ」、その間の10年間についてはどのように語ることができるのだろうか?キム・サンギョン:試写会後、「殺人の追憶」と関連付ける話が多く出ている。あれから10年も過ぎたので、役に対する負担はなかった。ただ、「殺人の追憶」と似ているところが多いので、デジャブを感じることもあった。また、「殺人の追憶」は実話であり未解決事件であるため、結論がない。そのためか、10年間溜まったもどかしさが「悪魔は誰だ」で解消できるような気もした。僕自身一人の人間としてこの10年の間に、結婚をして子どももできたので、その時の神経質で不機嫌だった姿がより役に合った良い姿に発展したと思う。演技において確かにプラスになったと思う。―「殺人の追憶」の後、意図的に刑事役を避けてきた。でも、多くの出演依頼の中で気に入った作品が本当に1つもなかったのか?キム・サンギョン:「殺人の追憶」は完成度が高く、興行成績も良かった。その作品の後、同じようなキャラクターの出演依頼が多く入ってきたが、刑事役にあまり興味が湧かなかった。「殺人の追憶」以来、5~6年間は刑事役にほとんど見向きもしなかった。でも、気に入った作品がまったくなかったわけではない。コミカルな映画に刑事役で出演しようとしたことがあったが、タイミングが合わなかった。3分の2は断り、3分の1はそのようにタイミングが合わずにできなかった。ひょっとしたら、「悪魔は誰だ」をするために、これまで刑事役と縁が結ばれなかったのかもしれない。運命を少しだけ信じる方だが、まるで運命のように10年間という時間が流れた。―刑事キム・サンギョンの姿を見るためには、これからまた10年間待たなければならないのか?キム・サンギョン:ある意味、「殺人の追憶」と「悪魔は誰だ」は色が似ている。この後、刑事を演じるとしたら、まったく違う刑事をやると思う。よりワイルドで、ジャンル的にも面白いものに出演したい。でも、とにかく刑事役にまた出会うことは本当に難しいことだと思う。今回も10年ぶりにやったので、またそうなるかもしれない(笑)―「殺人の追憶」がとても有名な作品なので、ある意味確実に負担になったとは思うが、何よりキム・サンギョンという俳優が出演していなかったら、「悪魔は誰だ」を見て「殺人の追憶」を思い出すことはなかったと思う。キム・サンギョン:僕は注目されることが好きだ。もし、「殺人の追憶」に出演しなかったら、そういう話が出ることもなかっただろうし、似ている点を探すことも難しかったと思う。また、10年間という時間が流れたためにあまり重く感じずに済んでいる部分もある。「殺人の追憶」が1本前の作品だったり最近撮った映画だったら、僕自身もやりにくかったと思う。―でも、俳優にとって特定のイメージが強く残ることはあまり良い事ではないと思う。しかし、キム・サンギョンを思い浮かべると、いくつかの作品のイメージが頭の中にはっきりと浮かぶ。キム・サンギョン:個人的には様々な人物を演じてきたと思う。ただ、軽いキャラクターが少なかった。それから、ラブコメディもやったが、興行成績があまり良くなかったので浮き彫りにされなかっただけだ。そのジャンルまで成功してしまったら、成功し過ぎじゃないか(笑) でも、最近はバラエティ番組に出演しているので、視聴者たちが少し違う視線で見てくれているようだ。むしろ、僕の普段のイメージは面白い方だ。人と話すことも好きだし。―考えてみたら、出演した映画の本数自体が多くないからかもしれない。記憶に残る作品は多くても、商業映画への出演自体はあまり多くない。キム・サンギョン:確率だけを見たら、打率9割台の打者だ。ただ、打席にあまり立たないだけだ(笑) 芸術映画でも、商業映画でもすべて満足できる結果を得た。本当に運が良かったと思う。ただ、昔は選ぶ基準が高くて、出会った作品も容易ではなかった。そして、作品から抜け出したり準備する時間もかなりかかった。今は抜け出す時間も、没入する時間も速くなった思う。できれば、作品を多く撮りたい。良い映画がたくさん出てくることを祈るだけだ。10年ぶりに刑事役に扮したキム・サンギョンは何がそんなにも楽しいのか、インタビューの間、ずっと笑っていた。多少答えにくそうな質問にも、「ハハハ」と笑う。100%でもなく、500%満足していると自慢するばかりだ。映画の公開を控えている主演俳優が宣伝のコメントをするのは当たり前なことだ。でも、キム・サンギョンの言葉は単なる宣伝ではなく、心から出た本当の気持ちだった。―映画を見ると、話を解いていく構造が非常に興味深いものだった。初めてシナリオを見た時はどう思ったのか?キム・サンギョン:僕は作品を選択する時、監督とシナリオを見る。でも、「悪魔は誰だ」は監督の初めての作品だったので、監督は選択の基準から除外された。これにより、残ったシナリオがすべてになった。実は、子どもの事件・事故を描く作品は僕の選択肢にない。そういう題材の映画自体をあまり見ないためだ。「トガニ 幼き瞳の告発」もそうだった。でも、このシナリオを読んでみると、珍しい構造になっていた。韓国映画、外国映画を含めてこのように構造的なトリックを使った映画は見たことがなかった。―でも、よく分かっているとは思うが、シナリオが良いからといって良い作品が出来るわけではない。さらに、これはチョン・グンソプ監督のデビュー作だった。キム・サンギョン:その通りだ。本が映画としてうまく作られることは容易ではない。いわゆる良い監督の共通点は、本よりうまく撮るということだ。そのため、このシナリオを新人監督がどのように撮るのかと気になった。撮影の中盤が過ぎた頃、監督に「家で演出の練習をしているのか?僕はすでにあなたが次に撮る映画が気になっている」と話した。そして、試写会の時、完成された映画を初めて見てびっくりした。僕が思ったより5倍以上良い映画になっていた。―普通、俳優が自分の作品に満足することはなかなかないが、他人は知らない、自分だけが分かる残念さというものがあるのでは?キム・サンギョン:その話も合っている。僕も僕の作品を見てこんなにも満足していると話したことは、今回が初めてだと思う。以前は自分の映画を見て「満足している」と話す人が不思議に思えた。でも、今回の僕を見たら、その人よりもっとオーバーに話していると思う。「殺人の追憶」の場合、作った人々の間でも、評壇からも、観客からも良い評価を得た。このように3拍子がぴったり合う作品はあまり多くない。でも、「悪魔は誰だ」がそういう作品だ。―「悪魔は誰だ」の満足度を「殺人の追憶」と比べることができるのか?キム・サンギョン:「殺人の追憶」も非常に良い作品だったが、ある面においては「悪魔は誰だ」の方が好きだ。また、ある意味では背負っていた大きな荷物を少し下ろせたような気もする。「殺人の追憶」では、僕だけが持つジレンマがあり、常に後悔の意識が心の中にあった。でも、今回は色んな面でとてもすっきりした。マスコミ試写会の時、完成された映画を初めて見たが、涙が出た。その日、涙をたくさん流した。もちろん、興行面でも良い成績をとってほしい。映画「トガニ 幼き瞳の告発」によってトガニ法という新たな法律ができたように、この映画が行方不明になった子どもたちにより関心を持つきっかけになったらいいと思う。「悪魔は誰だ」の刑事オ・チョンホは、15年前の誘拐事件を担当した刑事だ。公訴時効を迎える5日前、事件現場で一輪の菊を発見する。そして、数日後、同じ手口の事件が再び発生し、オ・チョンホは15年前のあいつがやったと確信する。「殺人の追憶」のソ・テユンもそうだった。若い女性を残酷に強姦し、殺害した犯人をどうしても逮捕したかった。でも、結局、逮捕することができなかった。そのソ・テユンが、時が流れてオ・チョンホになったようだ。―映画の資料を見ると、「『殺人の追憶』で最後まで捕まえることができなかった犯人を、『悪魔は誰だ』では捕まえることがでそうだった」という言葉があった。でも、映画のシナリオは結末がすでに出ている。そのため、その言葉にどういう意味が隠されているのかと気になった。キム・サンギョン:「殺人の追憶」は実話を描いているが、「悪魔は誰だ」はフィクションだ。それでも、「悪魔は誰だ」を演じながら「殺人の追憶」と繰り返されるポイントが所々にあると感じた。それで、その時に解決されていなかった部分がもう解決されているような感じがした。―「殺人の追憶」を思い浮かべてみると、最初は科学捜査を叫ぶスマートな刑事だったが、犯人を捕まることができなくてだんだん無気力になる。そして、「悪魔は誰だ」では無気力な姿からスタートする。まるで、意図したかのようにそうして繋がっているが。キム・サンギョン:僕も映画の流れ上とはいえ、そのように感じた。その事件を忘れようと辞表まで出したのに、そいつが再び現れるものだから、全てがまた狂わされてしまう。だから、やり残した宿題をもう一度やり直し始めるというような感じもした。キャラクターの全体的な雰囲気は、「殺人の追憶」のソン・ガンホとキム・サンギョンの2人の刑事を混ぜたようで、田舎の刑事とソウルの刑事をミックスしたような人物だ。でも、監督とそういう設定や意図について話したことはない。監督は、そんなこと自体をまったく考えていなかったと聞いた。―ソン・ガンホとキム・サンギョンは本当に素敵なパートナーだった。でも、今回の映画ではそのようなパートナーがいない。その代わり、キム・サンギョンとオム・ジョンファがパートナーのように見えた。感情のパートナーというのだろうか。2人が対面するシーンがほとんどないのに、「殺人の追憶」のソン・ガンホとキム・サンギョンのように映画の間、ずっと一緒にいるようだった。キム・サンギョン:映画の中では、オム・ジョンファ姉さんと3度しか会わない。それなのに、そう思ってくれて本当に嬉しい。実は、会う回数は少ないのに、会うたびに消化しなければならないエネルギーがあまりにも大きくて、かなり気を使った。映画では見せられなかった幾重にも積み重なった時間を、2人が会った時に一気に見せなければならなかった。初めて出会った時は、15年間という時間を言葉の代わりに一つのシーンで説明する必要があった。2度目は、オム・ジョンファ姉さんに負けないほど悲しくて辛い感情を抱いている姿を自然に表さなければならなかった。そして、最後に会うシーンは姉さんが泣いてからだ。その激しく泣くシーンがすごく好きだが、それは良い演技と良い演出が出会った時に出てくる最高のシーンだからだ。後で長い間、多くの人々に語り継がれるシーンになるだろう。とにかく、そのシーンで姉さんが嗚咽した後、すぐに僕にシーンが切り替わる。そのため、その呼吸をそのまま受け止めなければならなくて、本当に大変だった。このように他の俳優がした呼吸を繋げて演じるということが本当に大変で難しかった。―さっき話したように、今や1人の子どもを持つ父親だ。だから、感情的な部分では以前よりぐっときたと思うが。キム・サンギョン:痛みを感じる程度が以前とまったく違う。以前は保育園で子どもたちを叩くことを見たら、単に「どうしてあんなことをするんだろう」と思ったが、今は悪い言葉が先に出る。子どもがいると、もっと優しい人になりたい、良い人になりたいという欲が出てくる。俳優としてもたくさん役に立っている。―しかし、子どもを持つ俳優にインタビューをしてみると、子どもの犯罪に関わる題材自体を難しく思う人が多い。キム・サンギョン:僕も同じだ。このようなジャンルの映画があまり好きではない。だから、こういう映画自体をあまり見なくなる。だが、「悪魔は誰だ」は、事件を見せるのではなく、警戒心を見せることができると思った。ナイフで刺したり銃で撃ったりするシーンがそもそもない。そして、行方不明になる子どもたちが毎年1万人を超えると聞き、そのような関心を呼び起こすことができると思った。

    10Asia
  • 【PHOTO】オム・ジョンファ、インタビュー中に見せた“ブラックホールのような瞳”

    【PHOTO】オム・ジョンファ、インタビュー中に見せた“ブラックホールのような瞳”

    女優オム・ジョンファがTVレポートとのインタビューでポーズをとっている。オム・ジョンファは最近、韓国で公開された映画「悪魔は誰だ」で、15年前に自分の子どもを誘拐した犯人を見つけようとする母親ハギョン役を熱演した。

    TVレポート
  • 「悪魔は誰だ」大ヒットに火がついた…今週末に観客動員数100万人突破確実

    「悪魔は誰だ」大ヒットに火がついた…今週末に観客動員数100万人突破確実

    映画「悪魔は誰だ」(監督:チョン・グンソプ、制作:ミインピクチャーズ)が、観客動員数100万人突破を目の前にしている。24日、映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワークの集計によると「悪魔は誰だ」は23日、6万2832人の観客を動員し、興行成績2位を記録した。「悪魔は誰だ」の累積観客動員数は93万5379人と集計された。「悪魔は誰だ」の韓国国内の配給を担当するNEW側は「『悪魔は誰だ』が公開9日目である24日、観客動員数100万人の突破が確実だ。一般的に公開2週目になるとスクリーン数が減少してくるが、『悪魔は誰だ』は2週目の平日からスクリーン数が増加している」と伝えた。同日「ワイルド・スピード EURO MISSION」は9万7866人(累積19万2690人)の観客を動員し、興行成績1位に輝いた。「華麗なるギャツビー」は3万9835人(累積81万4790人)を動員し、3位となった。「アイアンマン3」は2万4431人(累積860万1800人)で4位にランクインした。「悪魔は誰だ」は、15年前の誘拐事件の公訴時効が成立した後すぐ同一手口の事件が発生し、犯人によって娘、孫、人生を奪われた3人の被害者に訪れた決定的瞬間を描いた作品だ。

    TVレポート
  • Vol.2 ― 「悪魔は誰だ」オム・ジョンファ“受賞の感想?この喜びをキム・サンギョンさんに”

    Vol.2 ― 「悪魔は誰だ」オム・ジョンファ“受賞の感想?この喜びをキム・サンギョンさんに”

    女優オム・ジョンファの演技が連日好評を博している。彼女が出演した映画「悪魔は誰だ」(監督:チョン・グンソプ)のお陰だ。「悪魔は誰だ」は爆発するオム・ジョンファの母性愛が確認できる作品で、あちこちでオム・ジョンファの演技に激賞している。映画の興行と関係なく、演技への賞賛だけでお腹がいっぱいになるのではないかと思うくらいだ。オム・ジョンファは「足りないところも多いのに、褒められてなんか変だ」とし「今まで沢山の作品をやってきた。これまでの作品では感じられなかった、また違う感じで気に入っていただいているので不思議な気分だ」と感想を伝えた。しかし、このような賞賛の反面、逆に気が動転しているのではないだろうか。女優オム・ジョンファの切ない演技は、前作と大差なかったが、今回の作品に限って大きく好評されているからだ。これは歌手と女優を兼業しているオム・ジョンファの演技を、これまで低く評価してきたという意味にもなり得る。オム・ジョンファは「残念ではない。気分が良い。この映画自体、私が最初から最後まで責任を取る映画ではない。もちろん重要な話を持ち合わせていますが」とし「死ぬほど一生懸命やった映画もあるのに、新しい反応だ。気分が良かったり、何だろう?と思ったりする」と説明した。彼女の演技を高く評価している人の1人が、まさに相方の俳優キム・サンギョンだ。オム・ジョンファと共に「悪魔は誰だ」で息を合わせたキム・サンギョンは、マスコミ試写会が終わった後の懇談会の場で、「(オム・ジョンファに)今年演技賞をもらえなかったら警察に通報するよ」と語り、話題となった。その後行われた記者とのインタビューでも「オム・ジョンファさんは以前からとても演技が上手でしたが、あそこまで感動して涙を流したのは初めてのようだった」と称賛を惜しまなかった。オム・ジョンファに受賞コメントを用意しておいた方がいいのではないかと尋ねると彼女は「この喜びをキム・サンギョンさんに伝えたい」とセンスのある返答をした。続いて「キム・サンギョンさんのお陰で受賞できそうだ」と冗談を飛ばした。最近のキム・サンギョンは、全てのインタビューや公の場で、絶えずオム・ジョンファの演技を褒めていることで有名だ。このような俳優キム・サンギョンの理由のある相方自慢は、しっかりした演技力が後押しされたからこそ可能であった。未婚女優にも関わらず、見ている人々の胸を締め付けるような切ない母性演技を見せる。特にオム・ジョンファは、女優であることを諦めたかのような熱演を披露する。女優なら誰しも綺麗に見られたいはずだが、号泣する彼女を見ていると、女優ではないオム・ジョンファだけが存在していることが分かる。オム・ジョンファは「実を言うと、私は、演じる時に女優が綺麗に映るということはとても大事だと思っているが、綺麗に映ろうとはしない。役柄によって変わる。綺麗な映画は綺麗に映るべきだが、今回の映画は、映画『ベストセラー』のような作品だ」と説明した。しかし、劇中の号泣シーンについては「監督に『監督、私女優ですよ』と言ったら監督に『ジョンファさんがそうしたじゃないか』と言われた」とし「もっと頭を下げた方が良かったかなと少し後悔している」と冗談交じりで答えた。オム・ジョンファが女優としての本能を捨てられたのは、彼女が歌手であることも一役買った。作品を通じてのみ、美しい姿を見せなければならない他の女優と違い、彼女の場合、必ずしもドラマや映画でなくともステージ上で自身の輝く姿を披露できるからだ。オム・ジョンファは「実は、そういった面から負担がないのは事実だ」とし「私は別の姿を見せられるから、負担がない方だ」と語った。女優だけではなく歌手としての活躍も期待されているオム・ジョンファは、セクシーディーバ(歌姫)としての活躍を予告した。彼女は「今年アルバムをリリースしたかった。でもまだ早すぎる。いつになるか、長い時間がかかるかどうかも分からないが、今の考えとしては遠くない未来に活動できそうだ」と明かした。オム・ジョンファの切ない母性愛を確認できる映画「悪魔は誰だ」は、15年前の誘拐事件の公訴時効が終わってすぐ、同一の手口の事件が発生、犯人によって娘、孫、人生を奪われた3人の被害者に訪れた決定的瞬間を取り扱った作品である。同映画は上映時間120分で、R-15指定を受けた。

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  • Vol.1 ― 「悪魔は誰だ」オム・ジョンファ“カンヌ映画祭はいつか叶うと信じ続ける夢”

    Vol.1 ― 「悪魔は誰だ」オム・ジョンファ“カンヌ映画祭はいつか叶うと信じ続ける夢”

    女優オム・ジョンファは今年でデビュー20周年を迎えた。1993年1月22日に公開された映画「風吹く日なら狎鴎亭洞に行かねば」でデビューして以来、20年間女優と歌手を行き来しながら、マルチな才能を披露してきた。そんなオム・ジョンファが、映画「悪魔は誰だ」(監督:チョン・グンソプ)を通じて、自身の演技力を思う存分発揮した。未婚である彼女は、15年前に娘を失ったハギョン役に扮して母親の母性愛を切実に描き出した。これを受けて、「悪魔は誰だ」でハギョンの事件を担当した刑事ジョンホ役を引き受けたキム・サンギョンは、「(オム・ジョンファに)今年演技賞を与えないと警察に通報するつもり」と、強気のコメントを表明したほどだ。相手俳優のキム・サンギョンだけではない。オム・ジョンファの演技を見た多くの人々が、オム・ジョンファの演技を高く評価した。いわゆる映画祭用の映画に出演すれば、世界有数の映画祭で主演女優賞を受賞することも無茶な話ではなさそうだ。オム・ジョンファはインタビュー中に、最近開幕したカンヌ国際映画祭についての話が出ると、「夢なんです」と言いながら、「想像することはできませんが、夢を持っていればいつか叶うと言いますから」と望みを伝えた。こんな弱気の意見にも関わらず、「悪魔は誰だ」のオム・ジョンファの演技を見ていると、近い将来、カンヌ国際映画祭のレッドカーペットを踏む彼女の姿が目に浮かんでくる。それでもオム・ジョンファ本人は、未だに演技が難しいという。また、大変ながらも、幸福と感謝を感じさせてくれる仕事だと語った。彼女は、「演技は毎回、どんな役柄でも難しく感じます。幼い頃からの夢が女優と歌手でした。今でも、たまに撮影現場で待ったり、役柄について話し合ったり、台詞や場面について悩んだりすることが辛くて大変に思いますが、それらを含めて全部好きなんです。今年でデビューして20年目ですが、憧れていた仕事ができること自体、素晴らしく思います。『撮影に入るんだな』『また新しい作品を一つするんだな』という思いがします。こんな感情にどうして急に襲われるのか分かりませんが、VIP試写会が終わって舞台挨拶をする時も、『また一つの作品を終えたな。私にまた新たな作品が出来たんだ』と思います」と話した。引き続き、「本当に感激しています。年を取ったからそうなのか、この頃は特にそうですね。本当に有難く思います。長い間この仕事をしてきましたが、ずっと作品を頂けているというのが力になります。私自身にとっても、悪いところなく、良くやってきたという意味にもなります。この頃自らを振り返ってみると、大変でぽつんと孤独に感じる時もありましたが、毎回このような支えによってここまで来ることができました」と付け加えた。そのためかオム・ジョンファにとって、「悪魔は誰だ」のマスコミ試写会の時、誰もいない映画館で休んだことは、さらに特別な経験として残った。前日、SBSのバラエティー番組「ニュー!日曜日は楽しい-ランニングマン」の撮影のために体が疲れ、しばらくの空き時間を利用して客席で少しうたた寝をした時間が、これまでの思い出と相まって、さらに格別な瞬間として感じられたそうだ。オム・ジョンファは、「客席でうずくまって寝ていた時に、じーんとこみ上げてきました。『私が映画館で眠ることができる女優なんだ』という思いがしました。映画館で誰が寝ることができるのでしょうか、そんなことが格別に感じられました」と明らかにした。女優としても、歌手としても、自分の存在感を強力に発揮するオム・ジョンファは、今後、映画を通じて観客のもとに再び帰ってくる予定だ。女優オム・ジョンファの母性愛が炸裂する映画「悪魔は誰だ」は、15年前の誘拐事件が公訴時効を迎えてすぐに同一手口の事件が発生し、犯人によって娘、孫、人生を奪われた3人の被害者に訪れた決定的瞬間を描いた作品で、上映時間120分でR-15指定を受けた。

    マイデイリー
  • オム・ジョンファ、映画「悪魔は誰だ」撮影中に廃車レベルの交通事故…“40分間泣いた”

    オム・ジョンファ、映画「悪魔は誰だ」撮影中に廃車レベルの交通事故…“40分間泣いた”

    女優のオム・ジョンファ(43)が映画「悪魔は誰だ」(監督:チョン・グンソプ、制作:ミインピクチャーズ)撮影中に交通事故に遭っていたことが遅れて明らかになった。オム・ジョンファは最近、TVレポートとのインタビューで「『悪魔は誰だ』の傘のシーンを撮影し、ソウルに戻ってくる途中に、雨で濡れた道で滑って交通事故が起きた」という事実を告白した。彼女は「デビュー以来、こんなに大きな事故が起きたことはなかったのに、ソウルに戻る道で乗っていた車を廃車するぐらいの交通事故が起きた。幸い、マネージャーも私も怪我はしなかった」と当時を振り返った。今回の作品で子どもを失くしたハギョン役を演じたオム・ジョンファは交通事故の直後、40分間、車の中で涙を流したそうだ。「事故が起きた瞬間、ハギョンのことを思い出しました。そのとき午前4時頃でしたが、電話するところがどこにもないのです。その瞬間、とても寂しくなりました。ハギョンは娘を失くし、15年間どれだけ寂しかっただろう。自分の分身ともいえる存在を失って、どれだけ辛かっただろう。色々な考えで、車の中で40分間、本当にたくさん泣きました」これに関し、所属事務所のシムエンターテインメントの関係者は「大きな事故ではなかった。交通事故は後遺症に気をつけなければならないというが、幸いなことに全く怪我はしていなかった」と説明した。「悪魔は誰だ」は15年前の誘拐事件の控訴時効が終わってすぐに同じ手口の事件が発生し、犯人によって娘、孫娘、人生を奪われた3人の被害者に訪れた決定的な瞬間を描いた作品だ。「アイアンマン3」や「華麗なるギャッツビー」をおさえて興行収入1位となり、順調に観客数を伸ばしている。

    TVレポート
  • 「悪魔は誰だ」公開初週で興行成績2位に安着…“大作の中で健闘”

    「悪魔は誰だ」公開初週で興行成績2位に安着…“大作の中で健闘”

    児童誘拐事件をモチーフにしたミステリースリラー映画「悪魔は誰だ」(監督:チョン・グンソプ、制作:ミインピクチャーズ)が公開初週で興行成績2位に安着し、海外映画の洪水の中で韓国映画のプライドを守った。20日、映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワークの集計によると「悪魔は誰だ」は17~19日の三日間、55万6161人を動員し、興行成績2位を記録した。「悪魔は誰だ」の累積観客数は64万9665人で集計されている。「悪魔は誰だ」は15年前の誘拐事件の公訴時効が終わってすぐ、同一の手口の事件が発生、犯人によって娘、孫、人生を奪われた3人の被害者に訪れた決定的瞬間を取り扱った作品だ。オム・ジョンファ、キム・サンギョン、ソン・ヨンチャンなどが出演し、「達磨よ、遊ぼう!」で助演出を担当したチョン・グンソプ監督の長編映画デビュー作でもある。「アイアンマン3」(監督:シェーン・ブラック)、「華麗なるギャツビー」(監督:バズ・ラーマン)などの大作映画が映画界の興行をリードしている中、「悪魔は誰だ」が公開初週で興行成績の上位にランクインし、韓国映画の興行のスタートを切った。大作映画の中で健闘している「悪魔は誰だ」が、4週目には興行成績を席巻した「アイアンマン3」を制し、トップに躍り出ることができるか関心が集まっている。同期間中「アイアンマン3」は動員観客数69万6310人(累積846万9573人)で1位、「華麗なるギャツビー」は52万5255人(累積61万8988人)で3位にランクインした。

    TVレポート