コインロッカーの女
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「コインロッカーの女」ハン・ジュニ監督“主人公は女性でなければならなかった”
最近韓国の映画業界が反省の声が上がっている。多様性を失っているという指摘だ。そのため、才気溢れる新人監督の登場はさらに喜ばしい。観客数300万人を動員した映画「二十歳」のイ・ビョンホン監督や、評論家たちの注目を浴びた「ソーシャルフォビア」のホン・ソクジェ監督などが今年注目を浴びた監督だ。そして韓国で4月29日公開された映画「コインロッカーの女」(制作:ポルックスピクチャーズ)のハン・ジュニ監督がこのリストに仲間入りした。「コインロッカーの女」は生まれてすぐ地下鉄10番コインロッカーに捨てられた少女イリョン(キム・ゴウン)と彼女を育てるチャイナタウンの支配者の母(キム・ヘス)に関するストーリーだ。犯罪ドラマというジャンルの特性を忠実に追いながら、最近の韓国映画ではあまり見られない女性キャラクターを立てて差別化を図った。言おうとしていることははっきりとしている。捨てられた人々の凄絶たる生存の物語。ハン・ジュニ監督はそのために最後までストーリーを突き通す。作品の価値は海外で先に認められた。「コインロッカーの女」は第68回カンヌ国際映画祭の批評家週間に招待された。おかげでヨーロッパに初めて行ってみるというハン・ジュニ監督の表情と口調は淡々としていた。国際映画祭への招待や評論家たちの好評はありがたいことだが、彼にとって重要なのは映画そのものだった。「映画人というプライドはなくても自尊心はある」というハン・ジュニ監督から「コインロッカーの女」について聞いた。―カンヌの招待を受けた。おめでとうございます。 ハン・ジュニ監督:ありがとうございます。嬉しいけれど、映画祭は映画祭だと思う。映画を作りながら楽しい瞬間もあるけれど、文を書いたり、撮影をしながらもっと長い時間を過ごす。スタッフたちが頑張ってやったし、招待を受けたのは幸運だけれど、もっと重要なのは観客に会うことだと思う。もちろん楽しい時間は楽しむ予定だ。―キャスティングの段階で母役のキム・ヘスがすぐにイエスとは言わなかったと聞いた。決定を下せないキム・ヘスにノーと言わずに修正稿を待ってくれるように頼んだそうだ。そうやって4~5ヶ月を過ごした。焦る時間だったと思う。ハン・ジュニ監督:修正稿は俳優のためのものでもあるけれど、作品のためでもある。キャスティングは非常に重要な過程なので、当時確かに焦りは感じた。同時にその時期に作品が進むべき方向性をちゃんと決めなきゃいけないと思った。キム・ヘス先輩に断ってもいいから会ってその話を聞きたいと言った。自分の性格だが、やるところまでやってみようという考えだった。それでもできなかったら仕方ないけれど、やれるところまではやってみたかった。―商業映画で新人監督が自身の考えているイメージを最後まで突き通すのは容易ではない。「コインロッカーの女」は監督が話したいことを全部注ぎ込んでいるような気がした。 ハン・ジュニ監督:自分の頭の中には映画に対するイメージがある。しかし、それが絶対に正解だとは思わない。それと同じ作品が出てこそOKなわけではない。出演する俳優たちやスタッフも同じ時代を生きる重要なアーティストたちだ。この作品が好きなため何かを話してくれれば、耳を傾けて尊重ししようと思った。ただ、自分がやるべきことはバランスを取ることだ。どこまで耳を傾けて、どこまで貫くかも問題だった。―映画で母とイリョンのキャラクターは最近韓国の映画業界では見られなかった強靭な女性たちだ。その点で新鮮だが、準備の段階では危険な挑戦だったと思う。初期の企画段階で主人公を男性に変えようという提案があったと聞いた。ハン・ジュニ監督:最初にこの作品を書いた時、「果たして商業映画の投資をしてもらえるだろうか」と疑問に思った。もし、投資を受けることができなければ、自主制作の長編で撮影しようと思った。制作において難しかった点もあったが、最初になぜこの作品をやりたかったかを考えてみた。男性主人公に変えれば、より多額の投資を受けられると言う方もいた。しかし、最初に願っていたことが崩れてしまえば、そうやって映画を作って興行に成功したとしても、そもそもやろうとしていた目標と違うものになってしまうので、それに意味があるだろうかと思った。それで男性を主人公に変えようという言葉に一度も揺れたことはなかった。―女性キャラクターを立てた特別な理由があるのか? ハン・ジュニ監督:「女性が主人公であれば独特じゃないか」などのアプローチではなかった。伝統的な価値において女性はいつも守る存在だったと思う。「コインロッカーの女」で母という人物は生計や生存のために権力を持っている。映画「ゴッドファーザー」でドン・コルレオーネを始めとする男性たちは富と名誉を志向する。両方とも家族について取り扱っているが、違いがある。男性は富と野心に対するストーリーに、女性は生計と生存に関するストーリーに向いていると思った。「コインロッカーの女」の中で母がお金をたくさん儲けているように見えるが、結局は生計の問題だ。男性キャラクターが主人公だったら、そんな帰結にはならなかったと思う。―他の性について取り扱うのは難しい問題だ。どうやって作っていったか? ハン・ジュニ監督:「結局、男性から女性の設定に変えただけではないか」という非難を受けないために工夫した。また、俳優たちとたくさん話し合いながらキャラクターを整えていった。男性と女性の性別を離れて、人間の価値について話せれば、普遍的にアプローチしやすいと思った。―映画に台詞がほとんどない。人物に対する説明もなく、人物も状況を説明しようとしない。観客の好き嫌いが分かれるところだが、作品に対する自信なのか? ハン・ジュニ監督:自信ではない。説明できないものがあると思った。人物の過去を説明するシーンは、台詞やフラッシュバックなどで何とでも作ることができる。しかし、人物の前事を知らなくても印象というものはある。説明がなくても画面で見える姿を通じて、人々が気にして推測できる人物で構成した。―その中でソクヒョン(パク・ボゴム)という人物は独特だ。母とイリョンなどが非情な世界に属しているとすれば、ソクヒョンだけは違う。自身を脅かすヤミ金業者イリョンに親切にしてあげる。一部の観客たちは男性版キャンディ(厳しい状況の中でも健気に生きる漫画「キャンディキャンディ」のキャラクター)という反応を見せる。ソクヒョンはどんな意図で設定された人物か? ハン・ジュニ監督:複合的な人物だ。イリョンに鏡のような人物でもある。イリョンよりさらに状況が悪いのに、いつもポジティブだ。ソクヒョンをイリョンという人にとって最初のリトマス紙のような人として描きたかった。イリョンは生きてきて非常に多く傷を受けたと思う。そんな彼女にソクヒョンが傷に薬を塗ってくれる。相手が男性だからではなく、それ自体がイリョンに大きな事件だと思った。ソクヒョンの世界では当たり前のこと。誰かが怪我をすれば治療してあげて、ご飯を食べていなければご飯を食べさせることが慣れたことだけれど、イリョンには違っていた。実際に演技をしたパク・ボゴムさんは非常に真面目な人だ。親切と配慮が身についている。だからといって、いわゆる色気を使うようなタイプではない。最初にパク・ボゴムさんに「ソクヒョンの行動の中で納得できない部分はあるか」と聞いたら「なぜですか?」と聞き返された。―そうやってソクヒョンに心が揺らいだイリョンは、それによって過酷な罰を受ける。心の動揺だけだったのに、母はなぜそこまでしたのだろうか。ハン・ジュニ監督:母はすなわちチャイナタウンという世界だ。その中ではどれだけかわいい子供であっても、その子供をコントロールできないと世界が崩れてしまうと思ったはずだ。心の動揺だけだと言っても、母はその後の影響まで知っている人だ。イリョンはただ一度のミスをして、母もそんなイリョンを取り除かないミスをする。ミスがつまり成長のきっかけになるのだけれど、そういった意味でイリョンはもちろん母の成長話だと思う。 ―映画の雰囲気は悲壮たるものだが、撮影現場は和気藹々としていたと聞いた。 ハン・ジュニ監督:撮影現場の雰囲気がいいと噂されるほど良かった。主人公のキム・ヘス先輩の場合はトップスターで見た目は主張がはっきりとしているけれど、作品について話す時は慎重に話された。40回余りを撮影する間、対立はまったくなかった。―映画をたくさん見ると聞いた。作品の世界観に影響を与えた映画はあるか? ハン・ジュニ監督:この作品のためだけではないけれど、時期的に2000年度前半の韓国映画をたくさん見て育った。イム・サンス、ポン・ジュノ、パク・チャヌク、キム・ジウン監督など良い韓国映画を見て育った。そんな先輩監督の影響を幅広く受けたんじゃないかと思う。「コインロッカーの女」に限って言えば、移民者たちのストーリーという点で「ゴッドファーザー」(1972)や「血と骨」(2004)のような作品があると思う。―31歳で商業映画の監督にデビューした。興行を離れて、デビュー作でカンヌの招待を受けた。一方ではプレッシャーになると思うが。 ハン・ジュニ監督:映画の仕事を始めて10年が立つ。これまで感じたことがあるとしたら、良いことには喜ぶ、ただ偏ってはいけないということだ。悪いことがあれば「また良いことがあるだろう」と思う。映画を作って、良い結果あるいは悪い結果が出ることもあると思う。しかし、映画は自分には職業だ。職業というのは良い瞬間も悪い瞬間もある。大変だからと言って映画を辞めることはないと思う。やれるところまでやりたい。―「サイコメトリー」(2013)の脚本から始めて、「コインロッカーの女」で演出デビューをした。本人のアイデンティティは脚本家と監督のどちらに近いと思うか? ハン・ジュニ監督:はっきりと分けるのは難しい。ストーリーが重要な人であることには間違いない。そのストーリーを持って多くの人々と一緒に映画の形に作っていく過程が好きだ。映画をすることにプライドを持っているわけではない。ただ自尊心はあると思う。―韓国の映画が多様性を失っているという指摘がある。どう思うか? ハン・ジュニ監督:多様性が失われたということはファクト(fact)だと思う。ただ、誰か一人の責任ではないと思う。商業映画の属性は金になる映画を作ることだ。そんな資本に対する責任を制作陣が認識しながらも同時に自分が話したいことを話せなければならないと思う。大衆志向映画か作家主義映画かと線引きせず、両立させることができると思う。
【PHOTO】キム・ゴウン&コ・ギョンピョ「カンヌ国際映画祭」に出席“観客の前で緊張の面持ち”
女優ハン・ゴウンと俳優コ・ギョンピョ、ハン・ジュニ監督が16日午後(現地時間)、フランス・カンヌのミラマール劇場で開催された第68回カンヌ国際映画祭の「コインロッカーの女」(監督:ハン・ジュニ)の舞台挨拶に参加した。第68回カンヌ国際映画祭には2013年のカンヌ国際映画祭で「サークルライン」でCanal+賞を受賞したシン・スウォン監督の「マドンナ」と昨年カンヌ国際映画祭のコンペティション部門の審査員として活躍したチョン・ドヨンが出演した「無頼漢」(監督:オ・スンウク)がある視点部門に招待された。ホン・ウォンチャン監督の「オフィス」はミッドナイト・スクリーニング、ハン・ジュニ監督の「コインロッカーの女」は国際批評家週間にそれぞれ招待され、カンヌ国際映画祭のレッドカーペットに登場する。今年で第68回を迎えたカンヌ国際映画祭は13日の開幕式を皮切りに24日まで12日間、フランス・カンヌで開催される。
キム・ゴウン「“すごい”先輩キム・ヘス『コインロッカーの女』の現場で見て納得しました」
女優キム・ゴウンが3作目の映画で復帰した。これまでに出演した映画は3本だが、彼女は30作目の映画と言っても過言ではないほどの存在感を放った。それほど「コインロッカーの女」で彼女が見せた姿は、強烈ながらも傷ついた猛獣の雰囲気を漂わせていた。「コインロッカーの女」は使える者だけが生き残るチャイナタウンで、自分なりのやり方で生きてきた二人の女性の生存方法を描いた映画だ。キム・ヘスがチャイナタウンのボスである母、キム・ゴウンが地下鉄の10番ロッカーに捨てられ、母の家族になったイリョン役を務めた。「容易ではありませんでしたが、楽しく撮影しました。現場の雰囲気が良かったんです。私だけそう感じたのかな(笑) 役の感情に入り込んで維持していくことが大変でしたが、過程が楽しかった作品でした。監督と話し合い、意見を交わして色々していく過程が面白かったです。息が良く合いました。一人ではなく一緒に悩みました。キム・ヘス先輩も、監督も、スタッフも助け合い、一緒に作っていく感じが強かったです」撮影現場の雰囲気が良かったおかげか、映画は試写会で公開された後、好評一色である。主人公が女性であるにもかかわらず男性主演のノワール映画に負けない作品が生まれたという評価から、俳優たちの好演を褒め称える評価まで、絶賛が続いた。とりわけ目立った評価は、女優二人が主人公であるノワール映画だという点に関するものだ。しかし、キム・ゴウンはそのような部分を考えたことはなかったと話した。「最初にシナリオを読んだ時、そういったことはまったく考えませんでした。女性が主演のノワール映画だとインタビューで思い出しました。シナリオがとても良かったです。私は自分が気に入れば出演するタイプです。悩まずに出演すると言い、その後により良い表現を探すために悩むタイプです。その時からさらにシナリオに集中します。最初はロマンス映画だと思っていました。私がロマンス映画をやりたいと言ったら『一度読んでみて、ロマンス映画だと思われるかも』と渡してくださり、シナリオに夢中になってしまいました」今回キム・ヘスと共演したキム・ゴウンは先輩運が良い女優だ。まだ公開前だが、撮影が終わった映画「メモリーズ 追憶の剣」ではチョン・ドヨンと共演し、現在撮影中の映画「ケチュンばあちゃん」ではユン・ヨジョンと息を合わせる。またデビュー作品である「ウンギョ 青い蜜」ではパク・へイルと共演した。「今でも信じられません。映画を見ることが好きで、俳優になりたかったので、当然俳優の方々が大好きです。そんな私が憧れの俳優と共演することになり、すごく嬉しかったですし、緊張しました。奇跡と言えるでしょう。撮影を重ねるほどになぜ先輩方がすごいと言われているのか分かるようになりました。現場で見ればすぐ分かると思います。訳もなくすごいんじゃないんだなと思えるんです」さらにすごいと思うようになったのは、彼らの態度と品格を見てからだという。良い俳優=演技が上手い俳優ではないと話すキム・ゴウンにとって彼らは、演技はもちろん人柄まで良い俳優だった。「良い俳優の基準はまだ分かりません。何度も基準を定めては撤回し、また定めるプロセスを繰り返すでしょう。しかし、少なくとも演技が上手い俳優が良い俳優ではないことは確かだと思います。そして共同作業という認識を念頭に置くべきだということも知りました。先輩方をそばで見ていると、スタッフに対する態度などが違います。そのすべてに私は感心し、感謝しています。先輩方は私を後輩ではなくパートナーとして考えることが当然だと思っているかも知れませんが、私はその態度に感心しました。私も誰かの先輩になったら、もちろんそうします。そのような認識を持たせて下さり、感謝しています」
「コインロッカーの女」観客数100万人突破!公開2週目も勢いを続けるか
映画「コインロッカーの女」(監督:ハン・ジュニ、制作:ポルックスピクチャーズ)が100万観客を突破した。9日、映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワークの集計によると「コインロッカーの女」は8日、5万1974人の観客を動員し、興行ランキング2位となった。「コインロッカーの女」の累積観客数は100万3239人と集計された。「コインロッカーの女」はただ使い道がある者だけが生き残るチャイナタウンで、彼らだけの方式で生きてきた二人の女性の生存法則を描いた映画だ。キム・ヘス、キム・ゴウン、オム・テグ、パク・ボゴム、コ・ギョンピョ、イ・スギョン、チョ・ヒョチョル、イ・デヨン、チョ・ボクレが熱演した。今年のカンヌ国際映画祭批評家週間に公式招待された。公開初日である先月29日、9万880人の観客を動員し、同時期の公開作1位、韓国映画1位を獲得した「コインロッカーの女」は「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」が席巻した映画館で着実に観客を集め、2週目の週末を前に100万突破に成功した。特に1位の「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」と観客数の差を縮め、凄まじい底力を誇示している。果たして「コインロッカーの女」が公開2週目にもこの勢いを続けることが出来るか、関心が集まる。同日「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」は14万6671人(累積871万9066人)で1位に、「Unfriended」は2万5662人(累積4万7757人)で3位に、「ラブ・クリニック」は2万852人(累積3万9697人)で4位に、「危険な相見礼(サンギョンネ):警察家族」は1万5321人(累積35万9023人)で5位となった。
「コインロッカーの女」2日連続で韓国映画の興行成績1位をキープ
映画「コインロッカーの女」が青少年観覧不可の判定にもかかわらず、興行ランキングで2日連続で韓国映画1位をキープし、注目を集めている。1日、映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワーク集計によると「コインロッカーの女」は4月30日の1日で8万8317人を動員し、累計観客数18万5547人で興行ランキング2位を獲得した。現在公開中の韓国映画の中では1位の記録だ。また、公開映画全体では2位を記録し、今後の成績にも関心が集まっている。「コインロッカーの女」は使える者だけが生き残るチャイナタウンで、彼らだけの方式で生きてきた二人の女性の生存法則を描いた映画だ。同日「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」が34万4688人を動員して累計観客数466万4248人で1位となり、「危険な相見礼(サンギョンネ):警察家族」が2万8561人を動員して、累計観客数5万755人で3位にランクインした。
キム・ヘス、カンヌ国際映画祭に不参加…理由はミャンマーでのボランティア活動
女優キム・ヘスがミャンマーでのボランティア活動について、静かに行くべきことだと謙遜を示した。キム・ヘスの所属事務所HODUエンターテインメントの関係者は1日午前、OSENとの電話取材に「ミャンマーでのボランティア活動により、カンヌ国際映画祭へはやむを得ず出席できなくなった」と明かした。この関係者は「ミャンマーへのボランティアは静かに行くべきことだが、このように話がでるようになり当惑している。去年と同じく今年も行くだけ」と謙遜を示した。キム・ヘス主演映画「コインロッカーの女」は、第68回カンヌ国際映画祭の批評家週間に招待され、主演女優であるキム・ヘスのレッドカーペットへの参加に関心が集まっていた。しかし、カンヌ国際映画祭よりミャンマーでのボランティアを選択したことがわかり、人々を和ませている。「コインロッカーの女」は、使える者だけが生き残るチャイナタウンで、独自の方式で生きてきた二人の女性の生存法則を描いた映画だ。
「コインロッカーの女」キム・ヘス“役作りのため、本当はスポーツ刈りにしたかったが…”
女優キム・ヘスにはいつも名前の前につく修飾語がある。それはカリスマ性だ。元気な美しさから吹き出してくる堂々さ、歯切れのいい口調からにじみ出る知性など、彼女には相手を魅了する力がある。スターキム・ヘスを超える女優キム・ヘスはさらに魅力的だ。ギャンブル場の花(映画「タチャ イカサマ師」)あるいはセクシーな金庫破りのエキスパート(映画「10人の泥棒たち」)に扮して観客の心を盗んだり、優れた能力を持つ非正社員(ドラマ「オフィスの女王」)になって韓国中の非正社員を慰めたりもした。大胆な挑戦。これは彼女が映画界で女帝と呼ばれる理由だった。29日に韓国で公開された映画「コインロッカーの女」(監督:ハン・ジュニ、制作:ポルックスピクチャーズ)では、キム・ヘスの名声をそのまま確認することができる。「コインロッカーの女」は地下鉄の10番コインロッカーに捨てられた少女と、彼女を養女として育てたサラ金業者の母の話だ。キム・ヘスは金になることなら何でもする非情な母役を演じた。これまで男性には残酷なボスキャラが多かったが、「コインロッカーの女」の母のように映画全体を圧倒する女性のボスキャラは稀だった。そのため、キム・ヘスは持ち前の華やかさを捨て、楽しい冒険を敢行した。彼女から特別だった作品「コインロッカーの女」について聞いてみた。―(インタビューで言及した)映画「セッション」(原題:Whiplash)は最善を超える渾身についての話だと言った。「コインロッカーの女」は渾身の力を込めた映画なのか?キム・ヘス:最善を尽くす人々を目撃した。毎瞬間ごとに最善を尽くしているが、自分に「渾身の力を込めたか」という質問を投げることはできないと思う。人って毎瞬間ごとにベストを尽くすことも難しい。それができる作品に会ってそうなれる瞬間があるだろうかと思う。最近では1年に1本ほどのペースでやっている。こだわりがあるわけではないが、作品を選ぶのが難しいのもある。もちろん以前は10作が入ってきても心を動かすものは多くなかった。この頃入ってくる作品数は減ったが、ほとんどが本気で悩むほどの作品だ。その部分については感謝しているし、嬉しい。作品を選択することは演技以上だ。近い将来、誰に会ってどのように過ごすかという問題でもある。―「コインロッカーの女」に出演して一番良かったことは何か?キム・ヘス:キャラクターを準備していたときが一番よかった。扮装チーム長とすっぴんで演技すればどうだろうかについて話し合った。スッピンというのが照明を当てれば逆に透明に見えるときがある。「コインロッカーの女」の中の母はそういう人ではない。全ての権力を握っているが、事務所でカッコよく働く人ではない。偽装した写真館で中華料理の出前をとって食べながら働く人だ。スーツを着てハイヒールを履いて、栄養クリームを塗ることはなかったはずだ。女性の身で非情な世界を経験したなら、それが肉眼で感じられなければならないと思った。それで肌はいつも疲弊して、いつも疲れ切っている状態でなければならないと思った。一般的な生活でないため、人生の凄惨さがにじみ出ることを希望した。荒くて圧縮された人生を生きてきたので見た目で年齢や性別が推察できないことを望んだ。いつも会う中年の女性ではなく、本当に道で偶然に会ったら、目が合うだけで圧倒される人になることを望んだ。本当は、スポーツ刈りにしたかった。この状態で白髪がとても多い。しかし、そのときはシャンプーのCMを撮っていた。作品に入る前、広告を契約したし、印刷広告を撮らなければならなかったのでそういうふうにはできなかった。このような部分を扮装チーム長と話しながら多くの部分で意見が一致したし、私の考えは間違ってないと思った。ハン・ジュニ監督と詳細な部分について話しながら「これが正しかった」と思った。私が間違ったり、別の方向に変えなくてもいいという安堵と興奮を感じた。もっと具体的に嬉しかったのは、扮装チーム長が半分白髪の短い男性かつらを持って来たときだ。内心とても良かった。突然撮影したい気持ちになってワクワクした。―体型にも変化を与えた。実際に体重を増やしたわけではないが、劇中ではぼっちゃりとした体型だった。キム・ヘス:目で見たとき、不都合に見えるのを望んだ。体重を大幅に増やしたり、完全に痩せることを望んだ。より柔軟に演技するためだった。太った身体なら高血圧と高脂血症、糖尿病のある女性になることを望んだ。いい人そうに見える大柄ではなく、健康状態の悪い身体になりたかった。そんなに脂っこい食べ物にお酒をよく飲むから痛風もありそうだった。扮装チーム長もそのような話をしてくれて嬉しかった。実は食べることに比べ、それほど体重は増えない。仕事をするときは少し食事を調整して2~3kgほど減量するが、そうだとしてその状態でもっと落ちることもない。それほどじゃ画面で劇的な効果を出すことはできないだろうと思った。私にとっては死ぬほど減量した身体が「タチャ イカサマ師」のチョンマダムだった。チョンマダムもちょうど良いくらいに痩せていたとは思わない。体重を減らすことができないと言ったら、扮装チーム長が扮装について話した。自然な扮装が可能だと言った。下半身をもう少し太く見せるために重ね着した。ボードに乗るときは保護服を着てお尻が大きく見えるようにした。「キム・ヘスが太ってるふりをしてる」のではなく、骨盤が広がって完全に太った身体になりたかった。できれば弾力のない腕を見せたかったが、母が結構隠していた(笑)―劇中の母は容姿だけでなく、キャラクターそのものが独特だ。イルヨン(キム・ゴウン)について二面性を持っている。キム・ヘス:彼らだけのリーグで彼らだけの生き方だ。イルヨンを母のところに連れてきたタク(チョ・ボクレ)がイルヨンについて「人間でなく獣一匹」だと言う。母は「タク、あなたの人生狂っちゃう」と言ったが、その瞬間気付く。自身の後任だと思ったのだ。母の過去もそうだったので、そういう人は自分と同じ人を見分けるわけだ。もうその瞬間、母はイルヨンの存在を見て分かったと解釈した。「働かなきゃ」と言ったときソン(イ・スギョン)は置いてイルヨンだけを起こす。母はイルヨンを見る瞬間、選択をして待っていたわけだ。母は自身の組織を維持するため強制し、統制し、懲らしめる。イルヨンに特別な愛情を表現するのがそういう方法だ。感情の基調は同じだと思う。そもそも常識的なところから出発するわけではない。この作品には心を重く押しつぶす何かがある。映画では「あなたがどれほど使えるか証明してみろ」と言う。初めて台本を見たとき「世の中に使えない人間なんていない。使い道の有無を誰が、どんな根拠でなぜ判断して生きていかなければならないだろう」と思った。それぞれの方法で熱心に生きていくだけだ。「コインロッカーの女」に登場する家族は捨てられた人間があるきっかけによって家族をなした形だが、ここで生き残るためには必要な人間であることを証明しろと言われる。これは単純に残酷なものではなく、悲しくて胸の痛いことだと思った。―後半部で母とイルヨンが対立する。母はイルヨンの感情を揺さぶったソッキョン(パク・ボゴム)を言及し「何が良かったの」と言う。たくさんの意味を込めた台詞だと思う。キム・ヘス:二人の関係がそこまでになった理由が気になったのかも知れない。もしかしたら母と娘が日常的に話せる会話なのに、そういうおかしい状況と関係の中でさりげなく出てくるのだ。観客になぜこのような事態が起きたか、イルヨンの気持ちがどうしてそうだったか語ってあげるきっかけでもある。ひたすら生存のために生きてきたイルヨンはソッキョンを通じて一度も経験したことのない親切心を感じた。母が尋ねるが、まともに説明できない。そういう言葉さえ知らないのだ。口の外に出したことのない言葉だった。チャイナタウンの人々は自分自身に親切でなかったし、非常に厳しくて恐ろしい仕事ばかりさせた。脅すために訪ねた男が初めて、慣れないが温かい感情を見せてくれた。生まれて初めてそういう感情を感じる自身にイルヨンは驚いたのだ。それがとても悲しかった。それが彼女たちの人生を見せる台詞だった。答えを決めておいたわけではなかったが、たくさん考えさせられる台詞だった。撮影するとき、母がタバコを吸いながら笑顔を見せるシーンがあった。多分、後半の感情に集中するために編集したのだろうが、その顔が出たらどうだっただろうかと思った。―キム・ゴウンと息を合わせた。キム・ゴウンと初めて会ったときはどうだったか?キム・ヘス:第一印象は「本当に綺麗だ」ということだった。私はそうではないので、整った顔がとても可愛い。女優としてよい資質をたくさん持っているし、作品にアプローチする態度がよい。ハン・ジュニ監督もそうだし、見守ることのできる大事な俳優と監督を得たと思う。二人と同じ年だった頃、私はそれほど映画をまともに理解し、向き合うことができなかった。女優として自意識がそれほど成立していなかった。特別な仕事をする特別な才能を持った人々の間にいることがただ良かった。これからも色々な波があるだろうが、特別な人と感じるには確かに理由があると思う。―韓国映画界が男性中心に流れているという指摘が多かった。「コインロッカーの女」は久しぶりに出てくる女性キャラクター中心の映画だ。使命感のようなものがあったか?キム・ヘス:そうではなかった。使命感を持つことで解決するものではない。女性の話をまともに扱える人が出てこなければならないし、そのような話を受け入れられる社会の雰囲気が醸成されなければならない。女優として現実をよく知っているが、誰かの責任や犠牲だけで可能なわけではない。本質に迫るべきだし、そうするためにはさらに時間が必要だ。厳密に話せば韓国だけでなく、全世界的にそうだ。映画は商業性を持つ芸術だが、男性俳優が演じたときにカタルシス(解放感)がより大きくなること、それを人々が求めていることを否定することはできない。これを改善するため、具体的にできることがあれば喜んですると思う。
口コミで評判の「コインロッカーの女」公開初日、韓国映画の中で1位スタート
映画「コインロッカーの女」(監督:ハン・ジュニ、制作:ポルックスピクチャーズ)が公開初日、韓国映画の中で興行ランキング1位になった。30日、韓国映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワーク集計によると「コインロッカーの女」は公開初日である29日、9万880人の観客を動員し、興行ランキング2位を獲得した。「コインロッカーの女」の累積観客数は試写会を含めて9万9443人と集計された。「コインロッカーの女」は使える者だけが生き残るチャイナタウンで、彼らの方式で生きてきた二人の女性の生存法則を描いた映画だ。キム・ヘス、キム・ゴウン、オム・テグ、パク・ボゴム、コ・ギョンピョ、イ・スギョン、チョ・ヒョンチョル、イ・デヨン、チョ・ボクレが熱演した。今年のカンヌ国際映画祭の批評家週間に公式招待された。マスコミ向け試写会後、好評が相次いだ「コインロッカーの女」は青少年観覧不可というハンディキャップにも関わらず、同時期公開作で1位を獲得し、興行に青信号がついた。特に「コインロッカーの女」のスクリーン数は443個、上映回数は2077回で、1位の「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」(以下「アベンジャーズ2」)のスクリーン数1623個、上映回数8133回に比べたとき、劣悪な上映条件の中で挙げた成績であるため、その意味がさらに深い。また、同日に「アベンジャーズ2」は32万1732人(累積431万9633人)を集め、1位の座を守り、同日公開されたホン・ジョンヒョン、チン・セヨン主演の「危険な相見礼(サンギョンネ):警察家族」は1万6507人(累積2万2194人)で3位となった。「チャンス商会」は1万2635人(累積104万5122人)で4位に、「ワイルド・スピード SKY MISSION」は1万2026人(累積317万5057人)で5位にランクインした。
「コインロッカーの女」カンヌ招待記念ポスター公開…キム・ヘス vs キム・ゴウン
映画「コインロッカーの女」側が「第68回カンヌ映画祭」への招待を記念して、特別ポスターを28日に公開した。「コインロッカーの女」(監督:ハン・ジュニ、制作:ポルックスピクチャーズ、配給:CGVアートハウス)は、使える者だけが生き残るチャイナタウンで彼女たちだけの方式で生きてきた二人の女性の生存法則を描いた映画で、「第68回カンヌ国際映画祭」の批評家週間部門に招待された。特別ポスターには母親(キム・ヘス)とイリョン(キム・ゴウン)の姿が描かれている。密着した距離でお互い向かい合っている二人の眼差しには生存に対する強い欲求とともに悲しみが盛り込まれており、家族という名前で出会って、違うようで似通った奇妙な運命を辿っている二人のドラマをワンカットで見せてくれる。歴代級の変身で観客らを驚かせたキム・ヘスは近づくことのできないカリスマ性を発散し、チャイナタウンの絶対者らしい姿を披露している。キム・ゴウンもキム・ヘスの前でも全く引けをとらないエネルギーを噴き出しながら、存在感を発揮している。忠武路(チュンムロ:韓国映画界の代名詞)を代表する女優らしく、ポスターの二人は強烈な相乗効果を発揮しながら視線を虜にしている。特別ポスターの公開で期待を高めている映画「コインロッカーの女」は、韓国で29日に公開される。
EXO セフン&スホ「コインロッカーの女」VIP試写会に出席“キム・ゴウンの応援に来ました”(動画あり)
27日夜、ソウル永登浦(ヨンドゥンポ)タイムズスクエアCGVで映画「コインロッカーの女」(監督:ハン・ジュニ)のVIP試写会が行われた。この日の試写会にはEXOのセフンとスホをはじめ、キム・ミンジョン、チョン・ウヒ、チョン・リョウォン、SHINeeのミンホ、イ・ヒョヌ、オ・ジホ、ソン・テヨン、ソン・ユナなどが出席した。映画「コインロッカーの女」は使える者だけが生き残るチャイナタウンで自分なりのやり方で生きてきた二人の女性の母(キム・ヘス)とイリョン(キム・ゴウン)の生存方法を描いた映画で、今月29日に韓国で公開される。※この動画はPCサイトのみの対応となります。
【PHOTO】キム・ヘス&キム・ゴウンら「コインロッカーの女」VIP試写会を開催“笑顔で挨拶”
27日午後、ソウル永登浦(ヨンドゥンポ)区永登浦洞(ヨンドゥンポドン)CGV永登浦店で開かれた映画「コインロッカーの女」(監督:ハン・ジュンヒ)VIP試写会にコ・ギョンピョ、キム・ヘス、キム・ゴウン、パク・ボゴム、オム・テグ、イ・スギョンなど出演者たちが出席し、ポーズを取っている。キム・ヘス、キム・ゴウン、オム・テグ、パク・ボゴムなどが出演した「コインロッカーの女」は使い様がある人間だけが生き残るチャイナタウンで、自分たちの方法で生きてきた二人の女性の生存法則を描いた作品で、韓国で今月29日に公開される。
【PHOTO】EXO セフン&スホからSHINee ミンホまで「コインロッカーの女」VIP試写会に出席
27日午後、ソウル永登浦(ヨンドゥンポ)区永登浦洞(ヨンドゥンポドン)CGV永登浦店で開かれた映画「コインロッカーの女」(監督:ハン・ジュンヒ)VIP試写会にグループEXOのセフン&スホ、SHINeeのミンホ、イ・ヒョヌ、AOAのミナ&ヘジョン、オ・ジホ、ハン・イェリ&ユン・ゲサン、Tiny-Gのドヒ、HELLOVENUSのアリス&ユヨンが出席し、ポーズを取っている。キム・ヘス、キム・ゴウン、オム・テグ、パク・ボゴムなどが出演した「コインロッカーの女」は使い様がある人間だけが生き残るチャイナタウンで、自分たちの方法で生きてきた二人の女性の生存法則を描いた作品で、韓国で今月29日に公開される。