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棚ぼたのあなた

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  • CNBLUE、俳優としても活躍する4人の出演歴を探る ― Vol.3

    CNBLUE、俳優としても活躍する4人の出演歴を探る ― Vol.3

    ※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。多くのアイドルや歌手たちが役者としても精力的に活動しているが、グループのメンバー全員が演技に挑戦するのは稀なことだ。また、メンバー全員が良い評価を得ることはさらに難しいことだ。しかしCNBLUEはそれをやり遂げた。4人のメンバーがそれぞれ俳優業もこなしながら人々に確かな存在感を示した。それと同時に演技力に対する批判も避けることができた。自分たちだけのキャラクターを確実に伝えることはもちろん、音楽と演技、いずれにおいても人々を魅了したCNBLUEの魅力は何だろう? 彼らの短くて長い出演歴をまとめてみた。ジョン・ヨンファ:癒し系男子の定石ジョン・ヨンファは4人のメンバーの中で最も着実にドラマに出演してきたメンバーだ。デビュー前に出演したSBS「美男<イケメン>ですね」をはじめ、MBC「オレのことスキでしょ。」、KBS 2TV「未来の選択」まで、2年ごとにドラマに出演している。視聴率の部分では少し残念な部分もあるが、ジョン・ヨンファのキャラクターだけは確かだという評価だ。特に、全く無名の新人として出演した「美男<イケメン>ですね」でコ・ミナム(パク・シネ)のあしながおじさん的な存在のカン・シヌ役を演じ、ミルクナム(ミルクのように優しい男)、スゴンナム(タオル男) など様々な愛称が付くほど、役を見事に演じきった。この時作り上げたフンナム(優しい癒し系の男)の本能は、「オレのことスキでしょ。」でも続いていく。誰もが認める完璧なカチルナム(神経質で気難しい男)イ・シン役で、毎回フンナム大学生ファッションの定石を見せ、視線を集めた。それから2年の月日が経ち、ドラマ「未来の選択」では財閥の御曹司という完璧な家柄を追加し、あしながおじさんのようなキャラクターまで再現しながら、キャラクターに終止符を打った。しかし、ジョン・ヨンファを単なる歌が上手いイケメンのフンナム兄さんと断定するのはまだ早い。バラエティ番組で見せる率直で飾らない姿から、釜山(プサン)男の魅力まで持ち合わせている。方言と標準語を自由自在に使いこなしながら、ミルクナムやカチルナム、そして男の中の男の間を行き来する、ジョン・ヨンファの千の顔を持つ魅力が最大の潜在力であり、ポイントだ。イ・ジョンヒョン:ドラマは1本?存在感は100点!残念ながらイ・ジョンヒョンは4人のメンバーで最も出演歴が少ない。ジョン・ヨンファと同じく釜山出身の彼は、自分が演技をすることを全く考えたことがなかったため、方言を直していなかったが、ドラマに出演することになって直すようになったと知られているほど、演技への意欲が弱いメンバーでもあった。だが、イ・ジョンヒョンは本格的に演技を始めた最初で最後のドラマ「紳士の品格」で、しっかりとした存在感を発揮した(映画「アコースティック」は論外にしよう)。チャン・ドンゴン、キム・ハヌル、キム・スロ、キム・ミンジョン、イ・ジョンヒョクなどのそうそうたる俳優たちの中でも、イ・ジョンヒョンは自分の役を演じきった。特に、チャン・ドンゴンの息子という重要な役で登場したイ・ジョンヒョンは、冷たくクールだが心に傷のある心理状態を表現しなければならない複雑な課題を抱えていた。難しい課題の中でも不安を吹き飛ばし、見事にドラマの中に溶け込むことができた。イ・ジョンヒョンが見せてきた存在感の秘訣は、彼の容姿と声にあった。182cmという高身長、少し上がった目尻と鋭い眼力、そして真っ白な肌がエキゾティックながらも神秘的な雰囲気を醸し出している。これと共に彼の優しくて甘い声が調和を成している。特に彼が「紳士の品格」でギターを弾きながら歌った「私の愛よ」は、彼の魅力を大集結させた曲だった。彼の声はCNBLUEの音楽でもハスキーでクールなジョン・ヨンファの歌声と対比しながら魅力を引き出している。彼の魅力をもっと知りたい場合は? 昨年12月にリリースされたJUNIEL(ジュニエル)とのデュエット曲「愛が降る」のミュージックビデオを見てみよう。カン・ミンヒョク:優しい目、優しい微笑み、優しい演技カン・ミンヒョクはジョン・ヨンファの次に精力的に俳優業をこなしているメンバーだ。ジョン・ヨンファは一気にメインキャラクターを手にしたが、カン・ミンヒョクは毎日ドラマ(月~金まで放送されるドラマ)の脇役からスタートし、じわじわと自身の領域を広げていった。出演作はむしろジョン・ヨンファより多彩だ。そして、KBS 2TV「棚ぼたのあなた」やSBS「王冠を被ろうとする者、その重さに耐えろ-相続者たち」(以下「相続者たち」)で大きな人気を博し、4人の中で最も俳優業の恩恵を受けたとも言える。関心を認知へと昇華させたことは、キャラクターを見事に演じきったカン・ミンヒョクの力だった。「棚ぼたのあなた」のチャ・セグァン、「相続者たち」のユン・チャニョンの共通点は、プレイボーイとロマンチスト、優しい男と男らしい男という2つのキャラクターの微妙な違いを表現することだった。それだけではなく、2人とも韓国の国立大学KAISTの全校1位という秀才だった。助演だったが、視聴者たちから最も大きな共感を呼び起こしたキャラクターだったため、彼の役は重要であり、彼はそれを上手くこなした。一重まぶたの優しい目とカン・ミンヒョク特有の優しい微笑みは、魅力のプラス要素だった。バンドの中でドラムは、存在感を発揮するには難しい立場だ。ステージの最も後ろに立つという短所もあり、ドラムという楽器自体が非常に大きいので、カメラにうまく映らない時もある。ギターやピアノを弾きながら歌う人はよくいるが、ドラムを弾きながら歌う人はそれほど多くない。だが、カン・ミンヒョクはSBS「大丈夫、パパの娘だから」や「棚ぼたのあなた」でドラムの実力を見せながら特技まで活かしている。イ・ジョンシン:正反対の演技、潜在力は断トツイ・ジョンシンはまだ2本のドラマにしか出演していないが、4人のメンバーの中で最も幅広い役柄を演じたメンバーだ。まず、彼はKBS 2TV「いとしのソヨン」で初めて本格的に演技を始め、出生の秘密を抱いてる問題児カン・ソンジェを演じた。いつもの長髪をキープして登場し視線を集めたが、名だたる中堅俳優たちの中で堅い彼の演技に対する指摘があったのも事実だ。しかし、彼は時間が立つにつれてどんどん成長していった。特にカン・ソンジェの出生の秘密が明かされる過程では彼がドラマの中心になり、豊かな感情表現が必要だった時も見事に演じきり、年配の女性ファンからも好評を得た。その後も甘草役(適材適所に登場し、潤滑油の役割を果たす役)を上手く演じ、ドラマに活力を吹き込んだ。しかし、イ・ジョンシンは純粋で情熱的だったカン・ソンジェから、「剣と花」のシウで一瞬にして変化を遂げた。シウはカリスマ性あふれる人物だが、高句麗・栄留王(ヨンリュワン)の娘ムヨンに対する恋慕の情は隠さないロマンチックな人物であり、彼女を影のように守りながら一生彼女だけを見つめる一途な純情派だった。カン・ソンジェがイ・ジョンシンの大きな目に純粋さを込めなければならない役だとすれば、シウは冷たいながらも温かく、表現しない複雑な眼差しを見せなければならなかった。それだけではなく、剣を振り回しながらその時代の衣装まで着こなさなければならず、イ・ジョンシンはまさに以前とは正反対の演技に挑戦したのだ。「剣と花」の視聴率は高くなかったが、イ・ジョンシンのチャレンジ精神だけは十分に感じることができた。イ・ジョンシンの今後の歩みが最も期待される理由でもある。

    10Asia
  • シム・イヨン、監督に印象を残す“八色鳥”の魅力

    シム・イヨン、監督に印象を残す“八色鳥”の魅力

    俳優にとって最高の監督とは、俳優自身さえまだ発見できていない新しい一面を引き出してくれる監督だ。そういう意味で、昨年、お茶の間を熱く盛り上げた話題のドラマKBS 2TV「棚ぼたのあなた」に出演し、長い無名時代から脱出したシム・イヨンは運が良い女優だ。なぜなら、一般的にあまり知られていなかった女優は、視聴者たちがようやく顔を覚えてくれた作品の中のイメージをその後の作品でも繰り返すことが多いが、シム・イヨンは「棚ぼたのあなた」でくるくるパーマ姿に間抜けなコ・オク役を演じて注目されたにも関わらず、MBCドラマ「百年の遺産」では華やかな財閥女ホンジュとして出会うことができたためだ。「新しい一面を発見すると、いつも不思議な感じがします」「ホンジュは本当に予想外の役でした。不思議だと思います。コ・オクとホンジュは正反対の顔を持つ人物なのにって。でも、女優としては変化できる役が与えられたという点に本当に感謝しています。私をよく知らない方々が私の新しい一面を発見することができるなんて、本当に不思議な感じがします。ただ、初めて演じる役はやはり不安で、難しい部分があります。そのため、よりたくさん悩んでいますし、演じる時も大変です。でも、私が演じたことのない他の姿を私の中に見てくれているという点が本当に嬉しいです。よくある表現ではありますけど、監督と脚本家の方は私が色んな役をこなせそうな顔をしているとおっしゃっていました。いわゆる、八色鳥(八つの色を持っている鳥、多彩な魅力の例え)の魅力ですかね」こうして出会ったホンジュは、シム・イヨンが演じた役の中で最も強いエネルギーを持つ人物でもあった。姑のパン・ヨンジャ(パク・ウォンスク)に一から十まで口答えする上に、ストレスを受けたと大声を上げる。姑が舅の祭祀を準備しなさいと言うのに対し、彼女が返した言葉にはさらにあきれさせられる。「結婚したばかりなのに、嫁が夫の実家の諸事を分かるわけがないです。一滴の血も混ざっていない他人の家の祭祀まで準備することは、当然なことではありませんよ」これはドラマの特性上、誇張された設定であり、ホンジュのそのような角の立つ行動に台本を見ながら演じるシム・イヨン本人でさえも時々笑ってしまう。だがそれでも、ホンジュのそのような行動の原因を最もよく把握していなければならないのはまさに女優本人である。「ホンジュのそのような行動の裏には傷があるんです。愛されたくて愛したいというすべての気持ちが深い傷により、ひねくれて表現されるのです。彼女は成長する中で受けたそのような傷を結婚をしたら癒すことができるだろうと希望を抱いていたはずなのに、結婚も正しい答えにはならないことが分かったんです。だから、ホンジュのそのような変な行動でさえも私はすべて理解することができました」役の特性上、一番多く向き合うようになる先輩女優パク・ウォンスクとは、エネルギーの衝突も多い。シム・イヨンは、最初、パク・ウォンスクの目を凝視して大声を出さなければならないホンジュ役がかなり負担になったが、いざ出会ったパク・ウォンスク先輩はまったく恐怖の対象ではなかったと打ち明けた。「普段、本当に面白い方です。最初は監督に『怖いです』と言いましたが、むしろそのような気持ちが私を楽にさせてくれた部分もあると思います」そのためだろうか。シム・イヨンはシーワールド(夫の実家)に対する恐怖がまったくないと打ち明け、この3月から出演中であるMBC every1チャンネルの仮想育児のバラエティ「今日からママパパ」に話を移す。「最初は何が何だかよく分からなくて、本当に大変でした。でも、いつからか、自分も知らないうちに『面白かった』と呟くようになりました。子どもが1、2人ではなく、4人もいるので、番組序盤はお兄さん(チョン・ヒョンム)と一体どうすればいいのか分からないまま、ただ彼らに振り回されました。それでも今は撮影を5回ぐらいしましたけど、1ヶ月過ぎたからか少し慣れてきました。今は撮影が終わって家に帰ったら、一番先に『あ、今日は撮影のおかげで本当にたくさん笑った』と思えるようになりました。これが本当の育児ではありませんけど、学ぶ点が本当にあるんです。最初は自信がありませんでしたが、撮影を重ねていく過程でお互いが成長したという感じもしますし。育児とは私が望む通りに合わせていくことはできないという真実を、一つ一つ分かってきていると思います」毎日、感謝する気持ち昨年、国民的なドラマに登場し、女優としての存在感を知らせることができたシム・イヨンは、このようにドラマや様々なバラエティ番組への出演で忙しい春を迎えていた。童顔とはいえ彼女ももう34歳。焦ってもおかしくない歳なのに、視聴者たちが彼女のことを見つけていなかった間、彼女は着実に経験を積み重ねてきたため、これからの目標を「ただ毎日を感謝しながらベストを尽くすことです」と話す。「何をしていても、毎日に感謝して楽しい気持ちで生きていたいです。何より、他の人々とうまくコミュニケーションを取りたいです」という、大切な真理だが誰もがよく逃している当たり前な意欲を述べた。

    10Asia
  • Vol.2 ― 韓国ドラマの55年、姑 vs 嫁の変遷史

    Vol.2 ― 韓国ドラマの55年、姑 vs 嫁の変遷史

    1990年代:旧世代の姑 vs 新世代の嫁1990年代に入り、ドラマで繰り広げられる嫁姑問題が従来とは多少違ってきた。MBCの「愛が何だ」(1991)は、亭主関白で保守的な家に嫁いだ新世代の嫁の日常をユーモラスに描き、歴代最高平均視聴率である59.6%を記録した。このような設定は従順で犠牲となる従来の嫁像を全く違う目線で描いたものであり、当時としては型破りな新しい試みだった。姑も厳しくて怖い性格ではなく亭主関白な夫を持つ弱々しい女性として描写された。キム・ヘジャが姑のヨ・スンジャ役を、ハ・ヒラが嫁のパク・ジウン役を演じ、同作でキム・ヘジャはMBC演技大賞を手に入れた。同作を機に韓国ドラマはそれまで続いていたマンネリ化した姑と嫁の関係から抜け出し、様々な嫁姑の関係を表現するようになった。KBS週末ドラマ「風呂場の男達」(1995)がその一つで、同作は「愛が何だ」から一歩前進し、旧世代の姑と新世代の嫁の葛藤を本格的に扱った。「風呂場の男達」でX世代の典型、スギョン役のキム・ヒソンは、姑のチョン・ヨンソクに堂々と言いたいことを言う明るい嫁を演じて、中高年世代に大きな衝撃を与えた。劇中キム・ヒソンは説教する姑に「それはお義母さんの考えです、私の考えは違います」という台詞をよく口にし、時代の変化を実感させた。このようなキム・ヒソンの行動に対し、当時視聴者の間で意見が分かれ論争になったという。SBS「味をお見せします」(1999)のカン・ソンヨンも自己主張の強い嫁役で人気を博した。裏番組のMBC「ホジュン ~宮廷医官への道~」の空前のヒットにもかかわらず、2桁の視聴率を記録した「味をお見せします」の人気の秘訣は、嫁のカン・ソンヨンと姑のチョン・ヨンソクの気力の戦いだった。一部では非現実的な設定で歪曲した家庭像を描いているとの批判もあったが、放送終了まで数多くの話題を生み出し、視聴者の関心を集めた。もちろん昔からの怖い姑と可哀想な嫁の設定が姿を消したわけではない。むしろさらに極端で刺激的に変化し、視聴者を満足させた。SBS朝ドラマ「冬鳥」(1992)は俗物的な二重人格者の姑パン・ヒョジョンと彼女にひどくいじめられる嫁キム・ドヨンの嫁姑問題をテーマとし、朝のドラマとしては異例の48.2%という驚くべき視聴率をたたき出した。同作はそれから15年後の2007年、MBC週末ドラマとしてリメイクされ、姑役はパク・ウォンスクが、嫁役はパク・ソニョンが熱演した。1992年のパン・ヒョジョンが情け容赦ない、金だけに目が暗んだ冷血な役柄だったなら、2007年のパク・ウォンスクは少しコミカルな設定を加えて、精神分裂に近いほどの二重人格的性格をリアルに演じ評価された。しかしリメイク版は残念なことに視聴率が芳しくなかった。1999年のKBS「伝説の故郷-烈女門」はその年放送された「伝説の故郷」のシリーズの中で最も注目された。烈女門(夫に死に別れても、節を守る女が美徳とされ、そうした貞女を「烈女」と呼び、その行いを表彰して建てられた門)をもらうため、若い年で未亡人になった嫁を殺害する非情な姑と死霊になってその家に復讐する嫁のストーリーを描いた同作は、しっかりとしたキャラクターやキャストの好演で注目された。特に姑役のパン・ヒョジョンの厳しくて冷たい演技は視聴者をヒヤッとさせた。2000年代:多様化されたドラマの中の嫁姑問題2000年代のドラマは様々な性格を持つ姑と嫁で多様化したストーリーを作ろうとした。SBS「火花」(2000)のカン・ブジャは存在自体が威圧的な姑のキャラクターで視聴者の目を釘付けにした。ひどい嫁いびりをするわけではないが、嫁への陰険な無視や嫌悪感を表現し、それまでとは違うタイプの嫁いびりを見せたのである。大衆文化評論家のチョ・ミンジュンは、自身のコラム(総合編成チャンネルの救世主キム・スヒョン脚本家のミステリー)で「愛情のない結婚生活と、冷酷な姑カン・ブジャの顔色をうかがう日々で、やつれていった主人公イ・ヨンエが友人のチャン・ソヒに電話でその辛さを話すシーンだったが、涙声で話している最中、突然姑が現れる。僕を含め当時ドラマを見ていた視聴者はそのシーンを見て腰を抜かしてしまった(と証言した)。すなわち『火花』で描写していた夫の実家の情景はまるでホラー映画だったのだ」と語った。それから11年後の2011年には、MBC「ロイヤルファミリー」のキム・ヨンエがカン・ブジャよりさらに冷たく恐ろしい姑を演じた。平凡な家柄出身の嫁ヨム・ジョンアの名前すら呼ばず、最後には死に至らせる姑のキャラクターを演じたキム・ヨンエは「あれ、片付けて」というインパクトのある台詞で世間の話題になった。厳しいだけではなく、残酷な性格の姑が多く登場したのも特徴的である。視聴者が刺激に慣れてしまったため、刺激的な設定やキャラクターがさらに横行している。マクチャンドラマ(非現実的で無理やり作った感じのするドラマ)論争が起こったのもそのためである。KBS「好きだからしょうがない」(2000)、SBS「糟糠の妻クラブ」(2007)のキム・ヘスク、KBS「君は僕の運命」(2008)のヤン・グムソク、SBS「妻の誘惑」のクム・ボラ、MBC「きらきら光る」(2011)のキム・ジヨンなどがそのようなケースである。これに対し嫁姑の対立や和解を人間的に描いた作品もたくさんあった。KBS「母さんに角が生えた」(2008)、SBS「美しき人生」(2010)、KBS「烏鵲橋(オジャッキョ)の兄弟たち」(2011)、KBS「いとしのソヨン」(2012)、JTBC「限りない愛」などは姑と嫁が女性としてお互いを理解していく温かいストーリーを展開した。1990年代に登場した自己主張の強い嫁のキャラクターも進化しつつある。KBS週末ドラマ「ヨメ全盛時代」(2007)のイ・スギョン、KBS週末ドラマ「棚ぼたのあなた」(2012)のキム・ナムジュなどは夫の家族に堂々と言いたいことを言う嫁のキャラクターで高い人気を博した。特にキム・ナムジュはシーワールド(夫の実家)という新語を誕生させ、女性視聴者の絶大な支持を獲得し、姑役のユン・ヨジョンも人間的ながらも世俗的な姑のキャラクターをうまく演じ好評された。キム・ナムジュは同作で2012年のKBS演技大賞を受賞した。注目すべき点は姑を社会的弱者と見るドラマも目立って増えたことである。急激な社会変化と核家族化により、年長者の存在感が弱まり、一人暮らしの高齢者が増加する社会現象がドラマに反映されているのである。晩年に一人ぼっちになった姑キム・ヨンオクと彼女の世話をする嫁コ・ドゥシムの交流を描いたMBCベスト劇場「悪縁」(2002)、認知症の老人を登場させたKBS「花よりも美しく」(2004)などは、姑への哀れな気持ちを表現している。特にKBSシットコム「オールドミスダイアリー」(2004)は、嫁が姑をビンタするエピソードが放送され論争を巻き起こした。これは嫁と姑の関係が逆転していることを極端に見せたと同時に、巷で噂されている嫁いびりの実態が何なのか見せた衝撃的なシーンだった。韓国ドラマが記録した55年の嫁姑問題厳しくて怖かった姑はもはや強力な権威を持つ絶対的な強者ではなく、嫁もまた無条件に犠牲になる従順な被害者ではない。このように変わりつつある時代に合わせ韓国ドラマの中の嫁姑問題は、55年の歳月と同じように様々な姿に変化し進化を見せており、依然として視聴者に愛されるテーマとして残っている。現実で嫁姑問題がなくならない限り、ドラマの中の嫁姑問題も続くだろう。韓国ドラマのこれからの課題は、マンネリ化している嫁姑問題というテーマをどうやって再解釈し、新たに表現するかである。論争を巻き起こすほどの刺激的な展開ではなく、人間と人間が互いに理解しあって癒していく過程を美しく描くための努力がこれまで以上に必要なのではないだろうか。

    oh!my star
  • 「ヒザ打ち導師」ユ・ジュンサン“映画「王になった男」リュ・スンリョンの役だった”

    「ヒザ打ち導師」ユ・ジュンサン“映画「王になった男」リュ・スンリョンの役だった”

    俳優ユ・ジュンサンが、映画「王になった男」との縁を明かした。韓国で17日の午後に放送されたMBC「黄金漁場-ヒザ打ち導師」には、ユ・ジュンサンが出演し、「年をとるほど涙もろくなる」という悩みを打ち明けた。またユ・ジュンサンは、KBS 2TV「棚ぼたのあなた」を撮影する前、観客動員数が1200万人を突破した「王になった男」にキャスティングされていたことを告白した。ユ・ジュンサンは、「カン・ウソク監督と一緒に映画を撮ろうとした。当時、主人公として僕とチョン・ジェヨンがキャスティングされた状況で、時代劇と聞いて衣装まで予め作っておいた」と話した。続いて「そのとき、『棚ぼたのあなた』のオファーもあったが、すでに約束した映画があったので、できないと断った。ところが、突然映画がダメになった。後になって、また一緒にやろうと連絡が来たが、それは違う気がして断った。作品は本当に良かった」としながら、「偶然、ユン・ヨジョン先輩から電話があり、『棚ぼたのあなた』を一緒にやろうと提案されて、出演することになった。まさに、棚からぼたもちのように僕のところに転がって来た」と冗談めかしく話した。カン・ホドンは、ダメになった映画について聞くと、ユ・ジュンサンは、「『王になった男』だった。チョン・ジェヨンがイ・ビョンホンの役で、僕がリュ・スンリョンの役だった。後で、映画制作会社の代表から『棚ぼたのあなた』に出演してくれて良かったと祝ってもらった」と説明した。

    TVレポート
  • 「棚ぼたのあなた」キム・ナムジュ、KBS演技大賞を受賞!

    「棚ぼたのあなた」キム・ナムジュ、KBS演技大賞を受賞!

    どんでん返しはなかった。女優キム・ナムジュが2012年のKBS演技大賞を受賞した。国民的ドラマ「棚ぼたのあなた」で多くの愛を受けたキム・ナムジュは、ライバルがいないという評価通り、無難に大賞を受賞した。授賞後、キム・ナムジュは「本当にありがとうございます。授賞コメントを私なりに準備してきましたが、何一つ思い出せません。学生時代も一位になったことがないのに、こうして賞を頂けてとても嬉しいです」と涙ながらに感想を述べた。また、「僕の妻はスーパーウーマン」「逆転の女王」に続き、「棚ぼたのあなた」で三度息を合わせたパク・ジウン脚本家や、スタッフへの感謝の気持ちも伝えた。キム・ナムジュは、「パク・ジウン脚本家は本当に素晴らしい人です。私より年下なのに、いつもお姉さんのように、辛い時や愚痴を吐く時、私のことを慰めてくれます。スタッフの皆さん、監督、そして皆さんがいたからこそこの栄光を手に入れることができました」と伝えた。また、家族への愛情も示した。「新人の頃演技を諦めたくなった時、いつも元気をくれた家族。頼もしい夫、キム・スンウさん、娘ラヒ、息子チャン。私の愛する家族と一緒にこの栄光を分かち合います」と話した。計7名がノミネートされた最優秀演技賞の男性部門では、「優しい男」で演技の変身に成功したソン・ジュンギと、「棚ぼたのあなた」で国民の夫になったユ・ジュンサンが合同授賞した。女性部門では「優しい男」の感性豊かなヒロインムン・チェウォンが単独授賞した。「毎日ドラマ(月~金曜日に放送されるドラマ)」「ミニシリーズ」「中編ドラマ」「長編ドラマ」に細かく分類された男女優秀演技賞部門では、受賞者が多かった。毎日ドラマ部門では「頑張ってミスターキム」の神話 ドンワン、「星も月もあなたへ」のキム・ヨンチョル&ソ・ジヘ、「愛よ愛よ」のキム・イェリョンが、ミニシリーズ部門では「ウララ・カップル」のシン・ヒョンジュンと「ゆれながら咲く花」のチャン・ナラが、中編ドラマ部門では「赤道の男」のオム・テウンとイ・ボヨンが、長編ドラマ部門では「カクシタル」のチュウォンと「棚ぼたのあなた」のユン・ヨジョンが授賞の栄光を手にした。2012年の主人公になったドラマは、「棚ぼたのあなた」だった。演技大賞ならびに、10部門で受賞するという栄光を手に入れた。この作品で人気を博したイ・ヒジュンが新人賞を、チョ・ユニ、キム・サンホが助演賞を受賞した。これに先立ち、ユ・ジュンサンが最優秀賞を、ユン・ヨジョンが優秀賞を授賞し、ベテランの貫禄を見せ付けた。そして、「棚ぼたのあなた」を執筆したパク・ジウン脚本家が脚本賞を、カップル賞部門ではチョ・ユニ&イ・ヒジュン、キム・ナムジュ&ユ・ジュンサンの二組のカップルを輩出した。10%中盤の安定した視聴率を記録した「赤道の男」と、「優しい男」「カクシタル」も善戦した。オム・テウンがプロデューサーが選んだ演技賞と優秀賞を授賞し2部門で授賞、チュウォンとパク・ギウン、ソン・ジュンギがそれぞれ長編ドラマ部門優秀賞、男性助演賞、最優秀賞演技賞を受賞した。一方、「ビック~愛は奇跡~」「ラブレイン」「海雲台(ヘウンデ)の恋人たち」など、視聴率の面で良い成績をあげることが出来なかった作品は、授賞式でも除外された。現在放送中の「いとしのソヨン」や「チョンウチ」も同様であった。ネットユーザー賞を受賞したmiss Aのスジと少女時代 ユナ、ベストカップル賞を受賞したイ・サンユン&イ・ボヨンだけがステージに上がった。さらに、あまりにも細分化された授賞部門と共同授賞の乱発、今回の授賞式も分かち合い授賞という非難を避けることは出来なかった。「2012 KBS演技大賞」受賞者一覧◆男性連作賞ヨン・ウジン、ソンジュン◆女性連作賞ユ・ダイン、パク・シネ◆青少年演技賞ノ・ヨンハク、ナム・ジヒョン◆男性新人演技賞イ・ジョンソク、イ・ヒジュン◆女性新人演技賞オ・ヨンソ、チン・セヨン◆男性助演賞パク・ギウン、キム・サンホ◆女性助演賞チョ・ユニ◆プロデューサーが選ぶ演技賞オム・テウン◆ベストカップル賞キム・ナムジュ&ユ・ジュンサン、チョ・ユニ&イ・ヒジュン、ムン・チェウォン&ソン・ジュンギ、イ・ボヨン&イ・サンユン◆ネットユーザー賞チュウォン、miss A スジ、少女時代 ユナ◆男女優秀演技賞 毎日ドラマ部門キム・ヨンチョル、神話 ドンワン、キム・イェリョン、ソ・ジヘ◆男女優秀演技賞 ミニシリーズ部門シン・ヒョンジュン、チャン・ナラ◆男女優秀演技賞 中編ドラマ部門オム・テウン、イ・ボヨン◆男女優秀演技賞 長編ドラマ部門チュウォン、ユン・ヨジョン◆最優秀演技賞 男性部門ソン・ジュンギ、ユ・ジュンサン◆最優秀演技賞 女性部門ムン・チェウォン◆脚本賞パク・ジウン◆大賞キム・ナムジュ

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  • 「棚ぼたのあなた」ユン・ヨジョン&ユ・ジュンサンが「2012 KBS演技大賞」のMCに

    「棚ぼたのあなた」ユン・ヨジョン&ユ・ジュンサンが「2012 KBS演技大賞」のMCに

    KBS 2TV週末ドラマ「棚ぼたのあなた」で親子を演じたユン・ヨジョンとユ・ジュンサンが「2012 KBS演技大賞」でMCを務める。13日、複数の関係者はユン・ヨジョンとユ・ジュンサンが、31日に開かれる「2012 KBS演技大賞」でMCを務めると伝えた。KBS側は現在残りのMC1人をめぐって出演交渉中だ。残りの1人はユン・ヨジョンとユ・ジュンサンの年齢を考慮し、若手俳優が候補となっている。ユン・ヨジョンは「棚ぼたのあなた」で息子を失くした罪人として生きてきて、30年ぶりに息子と再会し、嫁と対立する姑のオム・チョンエ役を演じた。ユ・ジュンサンは現実には存在しないような完璧な国民の夫パン・グィナム役を演じ、ユン・ヨジョンと共演した。二人は「棚ぼたのあなた」のヒット以外にもそれぞれ映画「蜜の味 テイスト オブ マネー」と「3人のアンヌ」で同じ映画祭のレッドカーペットにも参加していた。KBSは今年、特に週末ドラマと水木ドラマで強みを見せた。その中でも「棚ぼたのあなた」はシワールド(生活全般に口を出す夫の実家)ブームを巻き起こした。なんと50%に近い視聴率で国民ドラマと謳われ、女性主人公のキム・ナムジュは有力な演技大賞の候補として上げられている。

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  • 「棚ぼたのあなた」「優しい男」「ギャグコンサート」など…ドラマ、バラエティの天下が完成した2012年KBS総まとめ

    「棚ぼたのあなた」「優しい男」「ギャグコンサート」など…ドラマ、バラエティの天下が完成した2012年KBS総まとめ

    KBSは今年1年間、ドラマとバラエティで全般的に高い人気を得た。ドラマは水木と週末ドラマで他の放送局を圧倒し、バラエティは特に、日曜日の「ギャグコンサート」の活躍が目立った。今年のKBSドラマとバラエティを振り返ってみる。◆ドラマ―水木・週末は晴れ、月火・毎日は曇りKBS 2TV水木ドラマ、スタートダッシュはあまり良くなかった。1月4日から競争が始まったMBCのフュージョン時代劇「太陽を抱く月」に「乱暴なロマンス」は打ち勝つことができなかった。「太陽を抱く月」が40%を越える視聴率を記録し、国民的ドラマの座に着く間、「乱暴なロマンス」は5%の低い視聴率で静かに幕を下ろした。視聴率は低かったものの、評価は良かった。競争相手が悪かったのだ。しかし、「太陽を抱く月」の放送が終わると、水木ドラマの王座はKBSが手に入れた。「赤道の男」「カクシタル」「優しい男」まで、視聴率と話題性はすべてKBSのものだった。現在第6話まで放送されている「チョンウチ」も、水木ドラマ視聴率1位の座を守っている。週末ドラマもKBSの年と言っても過言ではないほど、良い成績を挙げた。特に40%を超える視聴率で国民的週末ドラマとなった「棚ぼたのあなた」は、シーワールド(夫の実家)という流行語まで生んだ。主・助演問わずすべての出演者が注目を浴びた。「棚ぼたのあなた」が成功したことでプレッシャーを抱えながらもスタートした「いとしのソヨン」も、女性視聴者の共感を得て善戦している。KBSはこれまで、週末ドラマで絶対的な強者だったキム・スヒョン、ムン・ヨンナムからイ・ジョンソン、パク・ジウン、ソ・ヒョンギョン脚本家たちの年齢層を大幅に下げる試みを通して、週末ドラマの脚本家の世代交代とともに若い週末ドラマを作るという目標を達成した。一方、月火ドラマは華麗なキャストとスタッフにも関わらず、低い成績で苦い後味を残した。人気アイドルのキャスティングでも低迷しているKBS 2TV月火ドラマの雰囲気を逆転させることはできなかった。月火ドラマ「ブレイン 愛と野望」の束の間の1位以降、「ドリームハイ2」「ラブレイン」「ビッグ~愛は奇跡~」「海雲台(ヘウンデ)の恋人たち」「ウララ・カップル」まで、人気監督と脚本家、トップスターがKBS 2TV月火ドラマに流れ込んだが、暗雲に覆われてしまった。「ウララ・カップル」に続いて放送されている「ゆれながら咲く花」が、10年前の「学校」シリーズの栄光を再現し、月火ドラマの呪いを解く救世主になれるかに関心が高まっている。同じ時間帯に競争作がないKBS 1TVの夕方毎日ドラマ(月~金曜日に放送されるドラマ)でもあまりいい反応が得られず、心残りとなった。「あなただけよ」「星も月もあなたへ」は、両方ともスタートは良かったが、後半に行くに連れて、方向性を失ったストーリー展開と無理な設定、マクチャン(日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる)などで視聴者の機嫌を損ねた。そんな中、「星も月もあなたへ」の後番組として放送されている「がんばれ、ミスターキム!」は、温かい題材と感動的なエピソードで毎回視聴者の気持ちを温かくしている。夕方の毎日ドラマに背を向けた視聴者までも戻ってきている。現在30%近い視聴率で善戦し、かつてKBS 1TVの夕方毎日ドラマの栄光を再現できるか、視聴者の期待が大きい。◆バラエティ―新旧が満遍なく人気、バラエティ王国へ2012年KBSバラエティは言葉の通り黄金期だった。毎週視聴率1位はもちろん、様々な流行語とパロディーが登場し、その人気を証明した。バラエティのパワーを証明するかのように、お笑いタレントのものだったコメディのステージに、今や俳優や歌手が顔を出し始めた。何よりもKBSバラエティは、古くからの番組も新しい番組も全般的に人気を得て、バラエティ王国となった。流行語を作り出す番組の代表は、断然「ギャグコンサート」だ。放送13年のバラエティ番組の威厳を誇示するかのように、「ギャグコンサート」は現在20%を越える視聴率を記録し、10週連続視聴率1位の座を守っている。今年も無数の流行語が作られた。「ギャグコンサート」のコーナー「非常対策委員会」のそう~?、だめ!ならびに、「コッキド」の~ダラムジュイ(~ダで終わる言葉の後ろにつけるダジャレ)、~カブリ(~カで終わる言葉の後ろにつけるダジャレ)、「メンブン(メンタルが崩壊するほど慌てること)スクール」の人間じゃありません、いやいや、それじゃなくて、「乞食の品格」の知りたい?知りたかったら500ウォンなどの流行語が相次いで誕生した。また、現実を反映する風刺ギャグが大きな人気を得た。「ネガジ」は外見至上主義社会を批判し、「甲乙カンパニー」は階級社会に置かれている会社員の苦渋を反映している。また、「勇敢な奴ら」は世の中に叫ぶ勇敢さと、しっかりとした考えのある発言で視聴者の大きな反響を得た。シーズン2の制作が知られ、期待と懸念を一身に受けた「ハッピーサンデー-1泊2日」シーズン2も放送から9ヶ月が過ぎた今、新メンバーと旧メンバーの調和がシーズン1とは違う面白さがあるという評価を受け、人気を得ている。しかし一方で、新しい番組の明暗は極端に分かれた。最近100回の特集として国民的トークショーの座を作った「国民トークショー アンニョンハセヨ」と、番組廃止となった「青春不敗2」がそうだ。2010年11月、パイロット番組(レギュラー化される前に制作されたテレビ番組)として放送された「国民トークショー アンニョンハセヨ」は、豪華出演者が売りのSBS「ヒーリングキャンプ~楽しいじゃないか~」との視聴率競争でも決して負けず、一般人の強いパワーを見せている。昨年11月、大阜島(テブド)に根拠地を決め、G5(miss A スジ、Jewelry キム・イェウォン、少女時代 ヒョヨン、KARA ジヨン、SISTAR ボラ)が軸となり、青春民宿を前面に出した「青春不敗2」。しかし、先月17日、ガールズグループの涙の中で1年間の放送を終えた。低い視聴率のためだった。もはやアイドルが視聴率を保障することはないということを気づかせてくれた。◆シットコム―復活の成績表とその可能性KBSシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)が4年ぶりに復活した。スタートを切った「天女がいなきゃ?!」は少しだけ地上に降りてきた変わった天女の親子チェファ(ファン・ウスレ)とワンモ(シム・へジン)が天の羽衣を無くしたため、地上で暮らすことになったことで経験するハプニングを描いた。チャ・インピョが初めてコミカル演技に挑戦し、関心が高まったが、反応は微々たるものだった。「天女がいなきゃ?!」の後番組として放送されている「ファミリー」(旧「黙ってファミリー」)も初めは苦戦を強いられた。しかし、回を重ねるごとに自己最高視聴率を更新し、凄まじい底力を発揮している。最近、メインキャストはもちろん、年寄りと子供、周辺人物まで自分の居場所を見つけ、ヨル・ヒボン(パク・ヒボン)、チャ・ジホ(シム・ジホ)、ウ・ジユン(パク・ジユン)、アル(ミン・チャンギ)のラブラインが本格化し、面白さが高まっている。KBSシットコムの華麗なる復活になるかは「ファミリー」の活躍にかかっている。また、「ファミリー」後番組として知られている「一抹の純情」にも注目が集まっている。2組の夫婦と子供たちの愛と友情を描いたこの作品は、シットコム「オールドミスダイアリー」のチェ・スヨン脚本家とJTBC「清潭洞(チョンダムドン)に住んでいます」、映画「朝鮮名探偵 トリカブトの秘密」のイ・ナムギュ脚本家が執筆を担当したということだけでも視聴者の反応が熱い。

    TVレポート
  • 「根の深い木」&「南極の涙」コンテンツアワード大統領表彰を受賞

    「根の深い木」&「南極の涙」コンテンツアワード大統領表彰を受賞

    SBSドラマ「根の深い木~世宗(セジョン)大王の誓い~」(以下「根の深い木」)とMBCドキュメンタリー「南極の涙」が2012「2012大韓民国コンテンツアワード(Korea Contents Awards 2012)」で大統領表彰を受賞することになった。これらの作品は12月7日午後3時、ソウルCOEXで開催される2012「大韓民国コンテンツアワード」の「放送映像グランプリ」部門で大統領表彰を受賞する。コンテンツアワードは毎年優秀なコンテンツを表彰することで、韓国コンテンツ業界の創作意欲やプライドを高めるための行事である。今回の「根の深い木」の大統領表彰受賞は、ハングルを創製する過程を題材にし、従来の時代劇では見ることのできなかった高いレベルの映像美やリアリティのあるストーリー展開で韓国ドラマのレベルアップへの貢献が認められたからである。また韓国初、南極大陸で1年間撮影を行い、南極大陸の生態系の象徴である皇帝ペンギンやザトウクジラ、アザラシなどをカメラに収めた「南極の涙」は、お茶の間の大きな反響を呼び、環境や生命の大切さを改めて考えさせたことが認められた。その他、SBSドラマ「追跡者 THE CHASER」のパク・ギョンス脚本家と、放送史上初の自然ドキュメンタリー、ヒューマンドラマやリアルバラエティが融合した新プロジェクト、SBSバラエティ番組「ジャングルの法則」のイ・ジウォンプロデューサーが国務総理表彰を受賞する。文化体育観光部表彰には40%台の視聴率を記録した、朝鮮時代の宮を背景にしたロマンス時代劇、MBCドラマ「太陽を抱く月」と、いわゆるシーワールド(夫の実家)の登場で起きるドタバタハプニングを描いた笑いと感動のKBS 2TVドラマ「棚ぼたのあなた」、特殊撮影技法とユニークな観点で、人間の歴史を変えた魚にフォーカスを当てたドキュメンタリー「スーパーフィッシュ」のチョ・ミジン作家、そして動物と人間の真のコミュニケーションを描き、笑いと感動を届けた教養番組SBS「TV動物農場」のイ・ファ作家が選ばれた。

    OSEN
  • Vol.2 ― 【家族の変化】「せがれたち」や「棚ぼたのあなた」に見る“進化した嫁姑関係”

    Vol.2 ― 【家族の変化】「せがれたち」や「棚ぼたのあなた」に見る“進化した嫁姑関係”

    「せがれたち」「棚ぼたのあなた」の嫁姑関係、変化した時代像を反映嫁姑関係と関連したエピソードは、今も昔もドラマでよく使われるテーマである。しかし、テーマが同じだけでドラマを展開していく方法は過去のドラマとは多少違う。過去のドラマでは、嫁は姑に酷いことをされてもただ涙を流すだけだったが、今は母と娘のような嫁と姑も登場したし、言うべきことははっきり言う嫁もいる。MBC週末ドラマ「せがれたち」のウ・ジョンスク(ナ・ムニ)とパク・ミリム(ユン・セイン)の関係は、嫁姑より母娘に近い。これは、ウ・ジョンスクが夫の浮気のせいで苦労しただけに、誰よりパク・ミリムの気持ちをよく理解しているためかもしれない。父そっくりの生まれつきの浮気者で、新婚生活を始めてからトラブルが絶えなかったユ・スンギ(ソ・イングク)は、結局浮気のせいで3年も経たずに離婚した。離婚したことや、これまでの嫁の気苦労について聞いたウ・ジョンスクは、嫁ではなく、母と娘として過ごすことを提案する一方、部屋と店を契約し嫁の気持ちを取り戻すために努力した。また、5年前に放送したMBC毎日シットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)「思いっきりハイキック!」で姑のナ・ムニ(ナ・ムニ)は、嫁のパク・ヘミ(パク・ヘミ)との関係について「嫁の顔色を見ることに疲れてもう生きていけない」という言葉が口癖になった。従来の嫁姑関係で嫁と姑の位置が逆転したわけだ。ナ・ムニは、家でぶらぶらする息子のせいでしっかりとした性格の嫁に悪口も言えず我慢するしかない。だが、ある日偶然に嫁が叱られている場面を携帯電話で撮り、時々その写真を見ながら「いい気味だ」と喜ぶ彼女の姿は可哀相にも見える。先月最終回を迎えたKBS2「棚ぼたのあなた」の嫁チャ・ユニ(キム・ナムジュ)と姑オム・チョンエ(ユン・ヨジョン)の関係も目を引いた。嫁が姑に言うべきことを全て言ってしまうケースだ。しかもチャ・ユニは正しいことを言うため、オム・チョンエは嫁を非難することもできない。21世紀型の嫁と20世紀型の姑の対立をコミカルに描いたのが「棚ぼたのあなた」の成功要因になった。ドラマの中の嫁姑関係の変化は、女性の社会的地位の変化とも無縁ではない。過去50~60年代だけでも男尊女卑とともに「女は嫁入りすると部外者」「嫁入り暮らしは、何も言えない人3年、何も聞けない人3年、何も見えない人3年」などの認識があったが、時代が変わって女性の地位が高くなるにつれ、嫁姑関係も変わりつつあると見られる。このように時代の変化を反映しているドラマの中で、これから嫁姑関係がどのように変化するのか注目したい。

    oh!my star
  • 「棚ぼたのあなた」パク・ジウン脚本家“パン・グィナムを通じて結婚したい男性を描いてみたかった”

    「棚ぼたのあなた」パク・ジウン脚本家“パン・グィナムを通じて結婚したい男性を描いてみたかった”

    母親世代の専有物だと思っていた週末ドラマを20代の若い娘から80歳に近いおばあさんまで、言葉通り家族みんなが視聴する風景は本当に久しぶりだった。韓国で10月9日に放送が終了したKBS「棚ぼたのあなた」は、姑と嫁の対立が劇的だったり、身分の違う女性と結婚するという息子に最後まで反対する刺激的な設定がなくても、家族みんなをテレビの前に引き寄せた元気なファミリードラマだった。30代の脚本家が書く初めての週末ドラマという点も驚くべきことだが、彼女がMBC「僕の妻はスーパーウーマン」や「逆転の女王」を通じて結婚した女性の人生を愉快ながらも現実的に描いたパク・ジウン脚本家なので、まったく驚かなかった。自己主張が明確だが、礼儀正しい嫁であり、仕事と育児を並行するために自分にできる最善の方法を探す妻チャ・ユニ(キム・ナムジュ)はチョン・ジエ(「僕の妻はスーパーウーマン」より)、ファン・テヒ(「逆転の女王」より)に続き、この頃の30代の女性たちの共感を反映した人物だった。チャ・ユニがある日突然、空から降りた夫の家族に対処する姿勢、パン・グィナム(ユ・ジュンサン)が生まれて初めて会う妹たちと仲良くなる方法はすべて努力だった。「家族も人間関係の一部なので、努力と配慮が必要だ」という考えで作品を書いたパク・ジウン脚本家に会った。―今までミニシリーズだけを執筆してきて、今回初めて長編ドラマを書いたが、始める前に予想したことと比べて結果はどうだったのか。パク・ジウン:全50話の大作ドラマの脚本を書くことに負担を感じ、自信がなくて何度か辞退の意志をお伝えしたところ、KBS放送局の関係者の方が「週末ドラマは前半10話まで安定させれば、残りの40話は上手くいく」とおっしゃった。はっきりしないまま第14話くらいまで書いたとき、私は騙されたんだなと思った(笑) さらに大抵の週末ドラマの登場人物は15~16人くらいなのに「棚ぼたのあなた」はレギュラー出演者だけでも20人を越えた。ドラマが豊かに見えて、以前から登場したキャラクターを除くことに名残惜しく思い、変更せずに進行すると言っていたけど、後になって人数が相当多いと思うようになった。少なくともパン・ジャングン(クァク・ドンヨン)にも自分のストーリーがあるのに、ある日突然、父親の話だけを聞くようになったり、ご飯だけ食べるようになったら、それはおかしいと思った。物語を展開しにくい人物がいたというよりは、登場人物の人数が負担になった。―心配事とは裏腹に着実に好評を得て放送が終了した。パク・ジウン:週末ドラマのトレンドを変えたという記事が出たけど、特に何かを変えてみようとは思わなかった。とても良い放送時間だったので、その流れに乗じて長編ドラマを一度は手掛けてみたかった。今までの週末ドラマを手本として、真似するというよりは、それと同じくらいに追いつきたいと思った。「こんなにイヤな性格の女性主人公でうまくいくか心配になった」―トレンドを変えるという野心までは行かないが「こんなドラマを作ってみたい」という意気込みはなかったのか。パク・ジウン:週末ドラマを書くことになったとき、ある放送局の方が「週末ドラマは他のドラマと視聴率争いをしなくても、たくさんの方が見てくれる最も良い時間帯に放送される。視聴率を1~2%上げようとするより、責任を持ってより面白くて、良い物語を作らなければならない」と言ってくれた。「棚ぼたのあなた」を書くとき、時々その言葉が思い浮かんだ。「『棚ぼたのあなた』の放送時間になるのを待って見ると、気分が良くなって温かい余韻が残る。癒された」というような反応を見ると、「今日のどの場面でそう感じたのかな」と思いながらもう一度台本をめくって見た(笑)―週末ドラマは年齢層の高い視聴者たちが主なターゲットになるが、「実力のある孤児が理想だ」と宣言した女性主人公のチャ・ユニをどう受け入れるかに対する心配はなかったのか。パク・ジウン:初めて企画案を見た関係者の方も「面白いけど、主な視聴者が60代以上の女性で、姑もたくさんいると思うけど、こんなにイヤな女性主人公でどう50話のドラマを引っ張っていけるのか」と凄く心配していた。だけど、チャ・ユニという女性が物語の中心であるだけにキャラクターが少しでも優しくなったり、視聴者たちの要求に合わせて変更するようであれば、ストーリー自体が成り立たないと思った。イケてる女性がダメ男に出会い、上手に支えて成功するという物語を作ったら面白そうだと思って「僕の妻はスーパーウーマン」を書いたように、「棚ぼたのあなた」もそのような思いで始めた。脚本家として面白い題材を見つけると書きたくなる。もちろん私も不安だったけど、イヤな人物として描かない自信があった。チャ・ユニが悪賢い女性だからと言って、そんなことを思っていたのではなく、最近の若い女性には十分にあり得る現実的な話だった。それに初めからキム・ナムジュさんのことを考えて書いた作品だったので、彼女がそんなにイヤではない人物として演じることを信じていた。キム・ナムジュさんはとてもキツネのように賢いスタイルだから。―3作品を連続して同じ女優が出演すると、やむを得ず似ているように見える場合があると思うが、どう差別化しようとしたのか。パク・ジウン:たぶん私より俳優たちが深く悩んだと思う。登場人物があまりにも多かったので。私の立場では、一人の人物でも、特に主役においては私が最も上手く表現できる人物だったら気楽に書けると思って、一番良く知っている人のあらゆる面を引き出した。「僕の妻はスーパーウーマン」を企画した時はチョン・ジエの配役を考えず、仮想の人物にして書いたけど、それ以来一緒に作品をしながら発見したキム・ナムジュさんの人間的な魅力と、キム・ナムジュさんが持つ性格をチャ・ユニと似た点に自然に溶け込ませた。―前半ではパン・グィナムという男性の温かい魅力が特に話題になった。女性たちのロマンを満たしてくれるキャラクターではあるが、同時にあまりにも非現実的に見える可能性もあった。どのように調節したのか。パク・ジウン:今までのドラマに恋愛したい男性は多かったけど、結婚したい男性はあまりいなかった。普段、対立を引き起こすために浮気をしたり、無能な夫を頻繁に描いている。もちろん、そんな人物が持っているパワーもあって、主婦の視聴者たちが感情移入できる余地がある。そんな理由でパン・グィナムを通じて結婚したい男性を描いてみたかった。ファンタジーを意図したわけではなかった。同じではないけれど、そんな男性たちが現実にいないわけではない。下手をすると屏風のように地味になりがちなキャラクターだったので、パン・グィナムはとにかく演技が上手い俳優、細かな表現ができる俳優がすべきだと提案した。―結婚したい男性というキャラクターで必ず必要だと思った面は何だったのか。パク・ジウン:一番重要なことは、女性の立場でもう一度考えてくれることだった。何から何まで味方になってくれということでもなく、女性の立場だけを考えて欲しいということでもない。ただし、一度くらいは合理的に考えることを面倒くさがらないで欲しいということだった。でも、現実では難しいと思うけど。―ドラマ中盤以降、中心的な題材になった姑と嫁の対立は、週末ドラマで最も多く登場する題材だが、姑と嫁の協定のような妥協案を探したり、マクチャンドラマ(非現実的で無理やり作った感じのするドラマ)の要素を引き出さなかったことがとても新鮮だった。パク・ジウン:ドラマの前半シーワールド(夫の実家)と嫁のラブコメディというタイトルのレビューを見てとても共感した。たぶん面白く表現するためにラブコメディという単語を使ったと思うけど、実際に男女関係だけではなく、嫁と姑との間でも駆け引きが存在する。敵対している二人がやむを得ずどこかへ一緒に行くことになり、そこで最初は喧嘩をするけど、だんだん情が移って距離が縮まり、最終的に恋愛模様が現われるということがラブコメディの公式だけど、これが違う人間関係にも適用できると思った。嫁姑の協定も、どこかで聞いた話ではなく、チャ・ユニという人だったら十分にそのような企画ができると思って書いたものだ。「チョン・ジェヨン(イ・ヒジュン)はお化けのような面白おかしい幼稚なキャラクター」―チョン・ジェヨンとパン・イスク(チョ・ユニ)の恋愛模様を通じてラブコメディのジャンルまで、より若い週末ドラマを作り上げた。特に小心者で保守的な性格のチョン・ジェヨンは、以前から見てきた御曹司のキャラクターとは全く異なっていた。パク・ジウン:少しお化けのような面白おかしい感じを生かしたかった。頭がそんなに良くもなく、イケメンでもない、お金持ちの家の息子であることを自分からばらしたいけれど、誰にも認められないために寂しい思いをする可愛くて幼稚なキャラクターだった。チョン・ジェヨンをキャスティングすることが重要であるということは、すでに監督と話し合ったことだった。監督が演出した最近の作品が見たくて、KBSドラマスペシャル「キューピットファクトリー」シーズン2を見たけど、見れば見るほどイ・ヒジュンさんが本当に可愛かった。監督と初めてミーティングをした時、イ・ヒジュンさんがとても魅力的だと話したくらいで、後になってキャスティングの話が出たとき、イ・ヒジュンさんが今までの俳優よりはるかに魅力的で新鮮だから、チョン・ジェヨンの役が似合っていると彼を推薦した。監督も気に入ったようだった。―パン・イスクまで今までのドラマでは見ることのできなかった鉄壁女(チョルビョクニョ:周りを鉄壁で囲んだように、恋愛を拒んできた女性を意味する)のキャラクターだったので、2人のラブストーリーに拍車がかかったかもしれない。チャ・ユニの小姑で終わるかもしれなかったパン・イスクをどんな人物に作り上げたかったのか。パク・ジウン:パン・イスクは設定が重要なキャラクターだった。ドラマで一番大きな事件は、パン・グィナムが行方不明になり、そこから発生した事件が、その日パン・イスクが生まれたことだった。パン・イスクは生まれた時から悲劇的な責任感を抱き、そこから抜け出すことができなかった人物だ。行方不明になった兄さんの代わりに息子の役割をしなければならない、絶対文句を言ってはいけない、自分が嫌われるのは当たり前だと思っていた子供だったから、もしかしたら暗い性格になっていたかもしれないけど、本来とても清らかな性格なので、そんなことを全部我慢してきた。そのような人物だったら、おしゃれをすることも、愛されていることにも気づかない人に描きたかった。そして今回の作品を通じてチョ・ユニという女優を再発見した。どうして今までこのような姿を見つけ出せなかったのかと思うほど、清純で清らかな魅力がある人だ。―チャン・ヤンシル(ナ・ヨンヒ)もパン・グィナムの失踪に対して責任があって、それに対する罪悪感を持って生きる人物だが、子供を授かることができない女性としての悲しみが同時に表れていたので、憎めないキャラクターだった。パク・ジウン:確かに許されない悪いことをしたが、ドラマを書き始めた時から、悪役と仮定していなかった。ある面では一番かわいそうな人物である。愛されることもなく、気の毒だと思って、最後にはそこから抜け出して、気楽に人生を送って欲しいという思いから、一人立ちして人生を送るシーンを入れた。―一方では本当にファンタジーなのはパン・ジャングンの家族だったと思う。チゲ鍋一つでご飯を食べるほど貧乏であれば、対立が起きるはずだが、お互いを大切にする気持ちを持って幸せに暮らしている。パク・ジウン:その家族にファンタジーの要素を一番多く取り入れた。条件的にはパン・ジャングンの家が一番貧乏な生活をしている。勉強ができない息子、お金を稼げない父親、世間をまったく知らない母親まで、現実で不幸になる余地が最も多い家族だけど、彼らが持っているたった一つの物は、お互いを想い合う心と前向きな心だ。それを持っていることが、どんなに幸せになれる鍵なのかを見せたかった。お金はないけれど、全体的に一番幸せな家族であって欲しいという意図で作り上げた。ご飯を食べるシーンを書く時も、何でもないのに、訳もなく込み上げる涙をぐっとこらえるほど愛着が大きかった。―愛が溢れるパン・ジャングンの家から会話がまったくないチャン・ヤンシルの家まで様々な家族像を見せてくれたが、どんな家族像を心に留めて作品を手掛けたのか。パク・ジウン:親孝行することよりも愛すること。一人の犠牲でみんなが気楽で幸せになろうとせず、みんなで配慮し合うことという視聴者の感想を見たことがあるけど、とても共感した。家族だからと言って会えば常に幸せで、家族だからすべてを許すことができるものではないと思う。家族も人間関係の一部だから、努力と配慮が必要だ。親子関係だから夫妻関係だから何でも譲って、我慢しなければならないのは不合理なことだと思う。「キャラクター一人一人の人生をともに悩んだ経験が一番大切だ」―家族の努力や配慮とは別に、結婚した女性が仕事と育児を両立させることは、結局当事者が寂しくて、悩むしかない問題だ。チャ・ユニが職場の同僚に育児助け合いを提案するのはその悩みの末に出した答えの一つだったのか。パク・ジウン:それは解決策でもなく、一時的なものに過ぎない。韓国が先進国になってこそ解決される問題だけど、いつになるか分からないから(笑) 外部から何の助けも受けられない状況で、当事者同士、解決策を用意しようとする意志があるという、それだけでも見せたかった。社会は変わらなかったけど、女性たちの意志が変わったということを見せる台詞、育児や家事に苦労している女性たちのそれなりにポジティブな面を見せるシーンだった。来年から政府で3~5才の子供に対する保育費として月22万ウォン(約1万5500円)を支援するけど、入居して子供の面倒を見る人の給与が1ヶ月で160万ウォン(約11万3000円)に至る状況であれば、それは何の役にも立たないと思う。もちろん無理して予算を分けたと思うけど、それだけ中途半端な答えを出せない問題なので、ドラマだからいって突然問題が解決されるのもおかしいと思った。―姑と嫁との対立を解決していく方法も同じだった。最終回の運動会でチャ・ユニとオム・チョンエが二人三脚をするエピソードを通じて、姑と嫁の対立はやはり永遠に解決できない課題ということを暗示していた。パク・ジウン:答えがない問題だ。ある日突然「私たちは母と娘のような間柄です」と言えることではなく、姑と嫁の協定を結ぼうが、何をしようが、永遠に抱いていく問題である。第58話までのドラマだったので、そこで物語を締めくくったけど、ドラマの人物たちはずっと今までどおり生きていくと思う。パン・グィナムがパン・ジファンを養子にするのもシノプシス(ドラマや舞台など作品のあらすじ)を書く段階から常に考えていた設定だった。結構大きな話題だったので、養子にした後、家族になったあとの物語を描きたかったけど、その後の物語を展開しても、特別な事件は起きず変わることなく暮らしているストーリーを書いたと思う。―前作「僕の妻はスーパーウーマン」「逆転の女王」も、今回の作品でも夫婦を描写する時、パートナー関係の夫婦を理想的に思っているようだ。ドラマを執筆する時、夫婦とは何なのかに対して深く悩む方なのか。パク・ジウン:一般的だと考える若い夫婦の価値観をたくさん聞いて、色々と観察しようと努めている。ドラマが現実より先に進む必要はないけど、半歩先には進まなければならないと思っている。でも、この頃は現実がはるかに先に進んでいるようだ。もちろん私が全体を見ているとは思っていないけど、ただ私が見た現実を反映しようと努力した。―初めて長いストーリーのドラマを引き受け、多くの人物の人生を描いたが、脚本家として得たものは何か。パク・ジウン:長い間、たくさんのキャラクターたちと息を合わせてきたので、ドラマが終わった時は本当に一緒に暮らしていた大家族と突然別れるような気持ちだった。今でも少し寂しい。おばあさんからパン・ジャングンまで、一人一人に深く関与して毎週その人たちの人生をともに悩んだ。そんな経験がもっとも大切だ。―脚本家として、人間として歳を重ね、作品を手掛けながら学べることがあるとしたら何か。パク・ジウン:色んな立場に共感できる気持ちの余裕ができた。ドラマの中でユン・ヨジョンさんが「身体は老いているけど、心はどうして老わないのか、それが悲しい」という台詞を言うシーンがあった。それを書きながら「私があの年齢になって、同じことを考えたら、どんな気持ちなんだろう」と思った。人生は本当に美しくて良いものなのに、何となく時々本当に悲しいと思う時がある。悲しいから悲しいのではなく、美しいことがたくさんあって悲しいのかもしれない。

    10Asia
  • Vol.2 ― 「棚ぼたのあなた」イ・ヒジュン“彼女にすまない…これからもっと大事にしてあげないと”

    Vol.2 ― 「棚ぼたのあなた」イ・ヒジュン“彼女にすまない…これからもっと大事にしてあげないと”

    俳優イ・ヒジュンには彼女がいる。彼女の存在が知られたのは、KBS 2TV週末ドラマ「棚ぼたのあなた」でチョ・ユニとのラブラインが急展開し始めてからだった。イ・ヒジュンはラブラインが急展開している時に熱愛説が報道されて困ったが、嘘をつくことはできなかった。最近マイデイリーとのインタビューで、熱愛説に対する率直な気持ちを打ち明けた。「彼女がいるのに、いないと言うことはできないでしょう。私が彼女の存在を否定すれば、いない人になるのだから。常に正直に言ってきました。熱愛の事実に関しては、ドラマが終わった後に報道してくれと頼みました。正直言うと、悩み苦しみました」イ・ヒジュンの悩み苦しんだ理由は、色々な人に対する申し訳なさからだ。一般人ではなく、一緒に俳優の道を歩いている彼女に、また「棚ぼたのあなた」で相手役を熱演中のチョ・ユニに、パン・イスクとチョン・ジェヨンの純粋な恋愛を書いてくれたパク・ジウン脚本家に、そして最後に視聴者たちに。「彼女が女優の道を歩いているじゃないですか。私によって取り沙汰されることもすまなかったし、彼女のミニホームページまで探し出して、顔が公開されたこともすまなかったです。また私たちが熱心に作り上げた幻想(パン・イスクとチョン・ジェヨンの愛)を見ながら、少しの間でもくたびれた日常を忘れて楽しむ視聴者たちからすると、その幻想が崩れるじゃないですか。そんなことが本当に切なかったです」最近イ・ヒジュンは、KBS 2TV「キム・スンウの乗勝長駆(スンスンジャング)」で彼女について語った。熱愛説が報道された後、放送で最後に話すつもりだった。「最後にすべてのことを話して、話題を終わらせようとするつもりだったんです。多くのことを語りましたが、たくさん編集されました。ハハ。彼女にすまないだけに、これからもっと大切にしようと思います」

    マイデイリー
  • Vol.1 ― 「棚ぼたのあなた」イ・ヒジュン“チョン・ジェヨン室長と私は70%似ている”

    Vol.1 ― 「棚ぼたのあなた」イ・ヒジュン“チョン・ジェヨン室長と私は70%似ている”

    大人気のうちに終了したKBS 2TV週末ドラマ「棚ぼたのあなた」には、少し変わった室長が登場した。イ・ヒジュンが演じたチョン・ジェヨンだ。今までのドラマの室長は、ハンサムなルックス、スマートで冷たく、高慢な口調などのイメージで描かれた。しかし「棚ぼたのあなた」のチョン・ジェヨンは、散漫ですぐふてくされ、駄々をこねるなど、これまでの室長からはかけ離れていた。これがまさにイ・ヒジュンが演じた室長だ。「初めてのシナリオの読み合わせでは、先輩たちがひそひそと話していた」「棚ぼたのあなた」のチョン・ジェヨンは地方出身で、三人の姉がいる一人息子だ。イ・ヒジュンはチョン・ジェヨンのこのような家庭の雰囲気をすばやく捉え、ユニークな室長のキャラクターを誕生させた。「脚本家の方とよく話し合いました。少し変わった室長を描いてみたかったんです。方言をもう少し露骨に、ちょっと田舍臭く、姉しかいない一人息子なので幼稚で、子供のように表現しました。それが好評だったようです。今までの室長とは少し違うでしょう?」このようなイ・ヒジュンの室長が初めから認められたわけではない。週末ドラマの特性として、「棚ぼたのあなた」には大御所俳優たちが大勢出演した。初めてのシナリオの読み合わせで、イ・ヒジュンは先輩たちがひそひそと話すのを聞かなければならなかった。「初めての読み合わせで、先輩方がひそひそと話すんですよ。みんな素敵でスマートな室長を想像していたようですが、私が演じるチョン・ジェヨンはそうではないから。ところが2、3回ぐらい放送を重ねたら、とても好きになってもらえました。チョ・ユニさんに聞きましたが、チャン・ヨン先輩は私のキャラクターがいいと言って、真似までしたそうですよ」「チョン・ジェヨンと私は70%似ている」ドラマの放送終了後、インタビューのためにイ・ヒジュンに会った時、とても慌てた。「棚ぼたのあなた」のチョン・ジェヨンを想像していたが、実際に会ったイ・ヒジュンはとても真剣で物静かだった。チョン・ジェヨンとイ・ヒジュンはどれくらい似ているのかと尋ねることが、きまり悪いほどだった。「私とチョン・ジェヨンは70%くらい似ています。私もいたずら心が多くて、子供みたいな面があったりしますが、社会的な仮面というのがあるじゃないですか。チョン・ジェヨンは内面をよく表すほうですが、実際にはイ・ヒジュンはあまり表さないですね。今の私の姿が真剣にみえたら、それは成功ですね(笑)」イ・ヒジュンは「棚ぼたのあなた」を通じて国民的な人気を得たため、明るいイメージのみを記憶されたが、実はチョン・ジェヨンはイ・ヒジュンが持っている姿の一部だ。イ・ヒジュンは、映画「火車」の暗い男ノ・スンジュ役や、KBS 2TVドラマ「乱暴なロマンス」のコ・キジャ役を演じ、顔を知られるようになった。「『棚ぼたのあなた』の視聴率が良かったので、チョン・ジェヨンが特別ではないかという話を聞くと、ちょっときまりが悪いです。チョン・ジェヨンも「火車」の暗いノ・スンジュも、皆、私の子供のようなものです。短い出演でも全身全霊で演じるので」週末ドラマの特性上、一緒に出演する俳優たちとは長い時間を共にする。ミニシリーズよりも仲が良くなり、身近に過ごすようになる。そのため、イ・ヒジュンは今も「棚ぼたのあなた」のメンバーたちを恋しがっていた。まるで家族と別れたような気持ちだと。「やはりまだみんなに会いたいですね。家族のように長い時間を過ごしたので、大好きな家族たちと別れたような気分です。現実的に考えて、このメンバーとまた一緒に作品を作るのは不可能じゃないですか。でも、それも受け入れないと。また他のドラマで他のチームを作って、全身全霊で作品を演じなければならない。別れに慣れなければならないことが、俳優の宿命だと思います」

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