キング~Two Hearts
記事一覧
JYJ ユチョン&ユ・アイン&イ・スンギ&チャン・グンソク、選択!わが心の20代俳優…候補者の情勢分析
※この記事は2012年「屋根部屋のプリンス」「ファッション王」「キング~Two Hearts」「ラブレイン」放送当時のものです。勝負において見どころはその過程であり、結果とは決まった時間に引き出した臨時的な答えに過ぎない。一週間のドラマ番組表の中、人気や経歴の面で競争を繰り広げているJYJ ユチョン、ユ・アイン、イ・スンギ、チャン・グンソクのレースにおいてもまだ結論を引き出す時ではない。しかし、今この時点で20代の男性を代表する4人の俳優として、彼らの強みと弱みを分析することはできる。そのため、彼らの現在の戦力を次の8項目を通じて分析してみよう。それは彼らを評価するための比較ではなく、楽しく通過している彼らの成長過程に関する記録になるだろう。また、この分析において最も重要なポイントは、4人の俳優たちが人々から忘れられる日、もしくは永遠にこないその日まで、彼らの勝負は終わらないはずだということである。わが心の20代俳優、候補者の情勢分析ラブストーリーテレビドラマのジャンルがラブストーリーに偏っている以上、若い俳優たちにラブストーリーでの演技は保障された将来への必須条件である。しかし、ラブストーリーでは演技力の実力が現れやすいのも事実だ。そのため、この分野ではチャン・グンソクが優勢だと思われる。「ラブレイン」(KBS)での彼の演技は、台本の安易さやキャラクターの古くささを越えるものがある。ドラマの初シーンであるソ・イナ(チャン・グンソク)がキム・ユニ(少女時代 ユナ)にたった3秒間で恋に落ちるというシーンには、俳優に対する制作陣の信頼が前提されている。そして、ソ・ジュン(チャン・グンソク)とソ・イナのラブストーリーの間にはっきりした差を持たせながら、それぞれのストーリーが説得力を持つことができるのも、全てチャン・グンソクがこれまで重ねてきた演技経験のおかげだ。根気あるユチョンのラブストーリーや、ラブコメディの正攻法貫いているイ・スンギのラブストーリーも支持勢力を集めてはいるが、ロマンチックな状況をリードするには熟練期間がもう少し必要だ。キスをする時はタフ過ぎて、キスされる時は先に慌てるユ・アインは不器用な恋愛もしくは片思い専門という隙間を攻略しているが、主流への進入にはまだ時間が必要だと思える。わが心の20代俳優、候補者の情勢分析時代劇時代劇の台本はきちんとしたストーリーを持つものが多いため、演技力を認められることができる。そのため、若い俳優たちが激しい戦いを繰り広げている主な競合分野である。「トキメキ☆成均館スキャンダル」(KBS)の後、お坊ちゃんのイメージを引き続き持っているユチョンは、歴史上の実在する人物という勝負どころに出会えば時代劇俳優としての地位をより強く固めることができる有力な人物だと思われる。また、「ファン・ジニ」(KBS)を通じて子役から大人俳優への申告式を行い、「快刀ホン・ギルドン」(KBS)では時代劇での可能性を証明したチャン・グンソクも見逃せない人物である。そして、「必殺!最強チル」(KBS)、「トキメキ☆成均館スキャンダル」など時代劇の経験があり、時代劇の中でも武侠ジャンル(武術の優れた剣客同士の戦いを扱うジャンル)に近い人物を演じたユ・アインも大きな可能性が予測できる人物だ。特に、ユ・アインはまだ若いにも関わらず、演技の中に染み込んでいる悲壮さやアウトサイダーな雰囲気から、フュージョン時代劇の解決者として活躍が期待できる。しかし、注目すべき人物はまだ時代劇に出演したことがないにも関わらず、ポテンシャルが高い時代劇俳優として評されるイ・スンギである。彼の落ち着いた真面目なイメージや意志の強そうな容姿は、朝鮮の真っ直ぐなソンビ(儒学者)を連想させるし、さらには次期王の雰囲気までかもし出す。わが心の20代俳優、候補者の情勢分析バラエティ俳優と芸能人を分けられるとしたら、チャン・グンソクはその両方に入る若手の代表的な人物であるだろう。彼は演じるキャラクター以外にも、自分の姿を人々の頭の中に刻み込むことに生まれつきのセンスを持ち、バラエティ番組でもいつも印象的なシーンを作り出す。しかし、チャン・グンソクがこのように万能なゲストだとしたら、イ・スンギは番組の全体を包み込むことができる司会者として芸能界を開拓した人物である。「ハッピーサンデー-1泊2日」(KBS)や「強心臓」(SBS)でカン・ホドンと一緒に出演し、彼からバラエティを学んだイ・スンギは、自分が目立つよりも状況を察して、いいタイミングに適切なコメントをする知略家に成長した。そのため、イ・スンギは生まれつきのセンスより戦略やシステムによる活躍が目立つタイプである。一方、ユチョンは短い間ながらもバラエティ活動を通じて潜在力を認められたが長い休みを取っており、ユ・アインはバラエティに出演するためには清心丸(緊張を和らげる作用がある薬)が必要と自分で打ち明けるほど、バラエティの出演は大変と思われるため、個別の評価が難しい。わが心の20代俳優、候補者の情勢分析コメディコメディ分野は真面目すぎても誇張しすぎて演じてもいけないというジャンルの特性から、攻略することがなかなか難しい分野である。しかし、最近ユチョンがこの分野の実力者として躍り出ている。演技への挑戦を始めてから、真面目なキャラクターを主に演じてきた彼は、「屋根部屋のプリンス」で周りの状況に流されず本来の王子キャラクターを守りながら、並外れたコメディセンスを披露していると評価されている。特に、「三族を滅するぞ!」などの台詞を言う時、発声や表情、タイミングなど多方面でユチョンの抜群のバランス感覚が際立つという意見が多い。コミカルなタッチが加わった数多くのドラマや映画に出演したチャン・グンソクもポテンシャルは高いと見られるが、まだ大きな笑いを誘った作品がない。イ・スンギも彼独特の愉快なイメージのおかげで可能性を占う人々がいる。そんな中、比較的に成長ストーリーに似合うユ・アインは、コメディ分野において支持勢力の期待値があまり高くないと知られる。わが心の20代俳優、候補者の情勢分析ファッション活動以外に、プライベートでのファッションまでチェックするとしたら、ユ・アインがこの分野で大きくリードしていると言える。彼は数多くのファッション撮影を通じてファッションセンスを認められており、服のカラーやフィット感において自由奔放なスタイリングを披露している。特に、ブランドやアイテムを選ぶ優れたセンスは彼がこの4人の候補者の中に入る前から高い評価を受けてきた。そのため、ユ・アインの空港ファッションの写真は支持者たちの間で必見資料として挙げられる。一方、チャン・グンソクのファッションは激しいグランジ・ファッションであったり、コンセプトを過剰に強調したりする特徴を持つため、好き嫌いが分かれる。しかし、人々の頭の中に残るという面でチャン・グンソクのファッションは彼独特の地位を持つと認めることができる。特に、短すぎたり長すぎたりする彼のヘアスタイルは過ぎたるは猶及ばざるが如しということわざを思い出させ心配になったりもするが、チャン・グンソクは彼独特のカリスマ性でそんな心配までも乗り越える姿を見せ、支持者たちが彼に対する信頼を強めるという結果を生んだりもした。広い肩幅のおかげでシンプルに着ても目を引くユチョンと端正さで勝負するイ・スンギは、ファッション中間保守派をそれぞれ攻略しているが、Vネックニットを着た場合、ユチョンの勝利が予想される。わが心の20代俳優、候補者の情勢分析化学作用ドラマはもちろん、映画やファッショングラビア撮影、広告まで影響を及ぼす分野であるため、どの分野よりも激戦が頻繁に繰り広げられるが、最近は町のおじさんにまで化学作用を起こさせるというユチョン万能論が勢いよく上がっている。特に牛乳に入れて温めたような清純さをトレードマークにして万人の母性愛を刺激する彼の能力は、場外の期待株であるソン・ジュンギやキム・スヒョンとの対決でも判定勝ちする見込みだ。温度を少し下げたら、イ・スンギの化学作用も悪くない。しかし、長い間、バラエティで年上の兄貴たちと呼吸を合わせてきたせいか、中でもイ・スンギは男性たちとの仲いい姿が目立つ方だ。現在、「キング~Two Hearts」(MBC)でもウン・シギョン(チョ・ジョンソク)とお互いに分かち合いながら心を開けていく過程が興味深く描かれている。一方、内向的で孤独な人物を主に演じてきたユ・アインや、自身のアイデンティティーが強いチャン・グンソクは、演技の腕前を見せていいシーンを作り出すが、彼らは個人で活動する時に、より際立つと評される。わが心の20代俳優、候補者の情勢分析CM視聴率が得票率だとしたら、広告は結果として出る議席数である。そして、実質的な勝負は議席で分れるのが世の中の筋道だ。そのため、韓国CM戦略研究所の分析によると、2010年と2011年の2年にわたってモデル好感度1位になり、広告界の皇帝に君臨したイ・スンギこそが、この分野の先頭だと言える。飲料から銀行まで様々な商品の広告に出演し、彼がモデルである家電会社の冷蔵庫とは、ドラマの中でまで仲の良い姿を演出しながら優勢を固めている。一方、ユチョンは広告の数よりインパクトで勝負し、出演する広告ごとに流行語を生み出すという点で実利あるモデルだと評される。ユ・アインは映画「ワンドゥギ」の後、広告の出演が増加傾向にある。しかし、チャン・グンソクは海外在住者の不在者投票で最も強い支持を得るため、彼の日本での広告収入は大きな変動要因として作用する。2011年彼の日本での広告ギャラは1本当たり1億2千万円くらいだと知られている。わが心の20代俳優、候補者の情勢分析SNSソーシャル・ネットワーク・サービスの元老チャン・グンソクと、急進的なTwitterユーザーのユ・アインが、激戦を繰り広げている。前半戦のCyworld対決ではチャン・グンソクがセルフ・ネガティブ・マーケティングを通じて断然優位に立ったが、後半戦のTwitter対決への突入後、チャン・グンソクの早期爆ツイ(Twitterで短時間に大量のつぶやきを登録すること、爆発Twitterの略)に比べ、文学に基づいて引き続き話題を反映してつぶやくユ・アインの躍進が目立つ。しかし、ユ・アインがほぼ一方的にメッセージを伝えるコミュニケーションを維持する反面、チャン・グンソクは不規則ではあるがフォロワーたちと会話をして支持基盤を自分のキングメーカーとして活用する円熟さを発揮する。2人の激戦には比べ物にならないが、ユチョンもTwitterに写真を掲載して情報を伝えることに力を入れており、「屋根部屋のプリンス」の腹心3人が取った熱血ポーズの写真でその勢いを高めている。一方、イ・スンギは常にコミュニケーションができる窓口が、まだオープンされていないと知られている。出口調査(カ・ナ・ダ順)ユチョン:趣向は関係ないが、歌詞も分らず席から立ち上がる無謀な稚気に減点ユ・アイン:恥ずかしくても泣いちゃダメ!泣いちゃダメ!イ・スンギ:「いつも笑えるようにしてあげますから」というマニフェストの実践チャン・グンソク:いっそのこと、シャッフルダンスをお勧めしたほうがいい理由
【プレゼントは終了しました】イ・スンギ、ハ・ジウォン、チョ・ジョンソク、イ・ユンジサイン入り「キング~Two Hearts」OSTを2名様に!
※プレゼントは終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。※「華麗なる遺産」のイ・スンギと、「シークレット・ガーデン」のハ・ジウォンという出演ドラマすべて大ヒットの2人の夢の共演で話題を集めたドラマ「キング~Two Hearts」。出会うはずのない2人が、運命の恋に落ちる――ダメダメ王子と最強女性将校が繰り広げる、ドタバタしながらも、ちょっぴり切なく、幸せ感いっぱいな、愛と成長の王室ラブロマンスがついに11月7日(金)からTSUTAYAにてレンタル開始、11月21日(金)には販売されます。今回、日本でのレンタル&販売を記念してKstyleをご覧の皆さんに特別に、主演のイ・スンギ、ハ・ジウォンはもちろん、ドラマを盛り上げたチョ・ジョンソク、イ・ユンジの4人に、「キング~Two Hearts」のOSTにサインをいただきました!OSTには少女時代のテヨンが参加。せつないバラード曲「くるおしいほど会いたい」を歌いあげるさすがの歌唱力! その他実力派アーティストが多数参加したこのOSTに超レアキャスト4人の直筆サイン入りで、2名様にプレゼントいたします。応募方法は簡単「Kstyle公式 Twitterアカウント」をフォローして下記の「RTして応募する」ボタンからRT(リツイート)するだけ。奮ってご応募ください!イ・スンギ、ハ・ジウォン、チョ・ジョンソク、イ・ユンジ 直筆サイン入り「キング~Two Hearts」OST 2名様にプレゼント「キング~Two Hearts」Mnetにて放送中 毎週日曜日 18:30~(2話連続)他12月29日~ 一挙再放送11月7日(金) TSUTAYAにてレンタル開始11月21日(金) セル発売発売元:カルチュア・パブリッシャーズセル販売元:アミューズソフト(c)KIMJONGHAK PRODUCTION【応募方法】Step1: Kstyle公式Twitterアカウント「@Kstyle_news」をフォローしてください。Step2: 上記の「RTして応募する」ボタンからRT(リツイート)してください。 【応募期間】2012年11月2日(金) 14:30 ~ 11月6日(火) 11:00まで【参加条件】・TwitterでKstyle公式Twitterアカウント(@Kstyle_news)をフォローしていること。・日本に居住されている方(賞品配送先が日本国内の方)・応募に関する注意事項に同意いただける方【当選発表について】・プレゼントについては、厳正なる抽選の上、決定させていただきます。・当選者の方にはKstyle(@Kstyle_news)のアカウントよりDM(ダイレクトメッセージ)にて当選のご連絡をさせていただきます。※DM(ダイレクトメッセージ)は、Kstyle(@Kstyle_news)をフォローいただいておりませんと、お送りすることができませんので、ご注意ください。 【注意事項】※本キャンペーンに関して、弊社が不適切な行為がされていると判断いたしましたアカウントは、キャンペーン対象外とさせていただきます。 ※弊社は、ご応募者のツイート内容については一切の責任を負いません。※当選発表は、当選者様への当選のご連絡をもってかえさせていただきますので、ご了承ください。 ※当選通知後4日間連絡がない場合、当選を無効とさせていただきます。 ※当選結果に関するお問い合せは受け付けておりませんので、ご了承ください。 ※当キャンペーンの掲載内容や条件は、予告なく変更する場合がございます。あらかじめご了承ください。※当選の権利の譲渡はできません。 ※キャンペーン参加にあたっては、必ず弊社個人情報保護方針<プライバシーポリシー>をお読み下さい。 ※当選時にご連絡いただく住所、氏名、電話番号は、その確認などの関連情報のご案内のみに使用し、キャンペーン終了後は弊社の定める方法に基づき消去いたします。※インターネット通信料・接続料およびツイートに関しての全ての費用はお客様のご負担になります。※次の場合はいずれのご応募も無効となりますのでご注意ください。 ・応募時の内容に記載不備がある場合。 ・お客さまのご住所が不明・又は連絡不能などの場合。
「GOGO70s」から「キング~Two Hearts」まで…イ・ソンミンのゴールデンタイム
MBC「ゴールデンタイム」は事実上、チェ・イニョクのドラマであった。患者を助けることに命をかける医者チェ・イニョク、イ・ミヌ(イ・ソンギュン)とカン・ジェイン(ファン・ジョンウム)の指導をするメンターチェ・イニョク、知らないうちに1人の女性シン・ウナ(ソン・ソンミ)の心をときめかせたり苦しませたりする男チェ・イニョクまで、彼が登場する毎シーンが話題になった。そのおかげで、「ゴールデンタイム」が終わる前から、デビュー25年ぶりに初の主演作を演じた今が俳優イ・ソンミンの「ゴールデンタイム」という評価が溢れた。もちろん、正しい評価だと思う。しかし、よく考えてみたら、少し寂しくて悔しい評価でもある。MBC「パスタ~恋ができるまで~」のソル・ジュンソク社長はシェフほど視聴者がよく口にした名前だったし、KBS「ブレイン 愛と野望」のコ・ジェハク科長はコブリー(ラブリーなコ・ジェハク科長という意味)というニックネームがつくほど魅力的な悪役だった。また、MBC「キング~Two Hearts」のイ・ジェガンは「太陽を抱く月」のイ・フォンに続き、もう一度殿下ブームの旋風を巻き起こした張本人である。彼が輝いていなかった瞬間はなかった。次の作品たちは悩んだ末に選んだ、俳優イ・ソンミンの愛くるしい魅力が溢れた5つの作品である。映画「GOGO70s」のイ・ビョンウク:韓国最初の見栄っ張りなソウルジャーナリスト一度、想像してみよう。「ブレイン 愛と野望」のコ・ジェハク科長よりさらに長いパーマのヘアスタイル、「パスタ~恋が出来るまで~」のソル・ジュンソク社長よりさらにおせっかいな人、それに茶色のトンボメガネと足首まである長いトレンチコートがファッションの完成だと強く信じていて、「この国でポップの運命は浮気する女性のような運命」というコメントで、まだ叶えることができなかったアーティストの夢を叶えようとする70年代の音楽評論家のことである。想像するだけでも田舎くささが感じられるとでも?しかし、その人がイ・ソンミンであるなら、話は変わる。タバコを一本口にくわえたまま、「通行禁止がある夜が退屈すぎるよ。ミッドナイトレボリューション!」と叫びながらクラブ「ニルヴァーナ」をオープンする時はかっこいいロマンチストになったり、サンギュ(チョ・スンウ)の電話は100回以上かけても出ないくせに、ミミ(シン・ミナ)の涙作戦には弱く、すぐにアルバイトができる所を紹介してやる可愛い男。彼と一緒なら、毎日が美しい夜になりそうだ。KBS「大王世宗」のチェ・マルリ:あなたの反対に胸がドキドキします~「大王世宗」のチェ・マルリは、世宗がハングルを頒布しようとすることに反対する代表的な臣下であった。しかし、彼の反対はただ反対をするための反対ではなく、理由のある信念であり、意志であった。ろうそくを1本も灯していない部屋でも彼の揺れのない目つきは輝き、ハングルの頒布を反対するしかない理由を語る彼の声は、彼の信念ほど強く力が入っていた。悩みの種類が違っただけで、その深さは世宗とチェ・マルリ、2人とも同じであったはずだ。そのため、世宗はチェ・マルリの反発を簡単に退けることができなかったし、チェ・マルリも過去、世宗との愛情ある関係を簡単に忘れることができなかった。最後まで信念を曲げなかったチェ・マルリがある深い夜、1人で世宗を考えながら「あなたのその献身に取り組む姿は認めます。たとえ、後世が、歴史が、僕が正しくてあなたが間違っていると判断したとしても、今日の僕はあなたに敗北します」と頭を下げた。このような男を世宗が大切にしないなんてできなかっただろう。MBC「パスタ~恋が出来るまで~」のソル・ジュンソク:ソル社長よりソル末っ子興奮したら相手に指を差したり、不利だと思ったらわざと大声を上げる自己中心的な人に見えるが、実はロリポップキャンディー1つで気持ちが良くなり、厨房のアシスタントがする海老の下準備を手伝う温かい人である。どうしたら、チェ・ヒョヌク(イ・ソンギュン)を追い出せるかと悩む悪童のように見えるが、結局はチェ・ヒョヌクの術に陥って、「はい!1000万ウォンもらいました!!トティから!!!」と事実を吐き出すところを見たら骨の髄まで悪い人ではないと思う。チェ・ヒョヌクに胸ぐらを掴まれて引きずられていくその瞬間にも「オレ、オレ社社長だよ」とプライドを立てていたくせに、数日後、ホールスタッフが着るユニフォームの姿で帰ってきた大人しいソル末っ子を見ていると、頭を軽く叩くぐらいで許してあげたくなる。どっしりしている体をねじりながら「可愛く見てくれよ。頑張ってやるから」と愛嬌を振りまく社長兼末っ子は、ラスペラのマスコットになった。KBS「ブレイン 愛と野望」のコ・ジェハク科長:褒め言葉に弱く、上司に追従するコブリーパーマをかけた髪型だけで可愛いと言っているわけではない。笑うたびに目元のシワを管理して、診察がない時は頻繁にビューラーでまつげをカールさせ、気分が良いときは「ウ、フッフッフッフ」とスタッカート調に笑う中年の医者がコブリーと呼ばれるのは当然だと思う。特に、できるだけ目を大きく開けた時にやっと見える長さのまつげを、まつ毛の根元の部分まで上げようとする執念は、イ・ガンフン(シン・ハギュン)の名誉欲に負けないぐらいである。「会長の頭の中は本当にきれいです。まるで清らかな湖のようです」という直喩法を使った追従でVIP患者たちを自分の味方にすることは上手だが、目を血走らせながら立ち向かってくるイ・ガンフンの反抗には何とも言えず慌てるだけだ。ただ、イ・ガンフンがいない所では両手のこぶしをぎゅっと握り、「ウオオオオ」と悲鳴を上げることでストレスを解消する。コ・ジェハク科長の心が狭く見える行動や嫉妬にはすべて理由があったのである。MBC「キング~Two Hearts」のイ・ジェガン:国王陛下、僕から離れないでください意地を張ってもいい時と頭を下げなければならない時が正確に分かる国王であり、まだ大人げない弟の不満をすべて受け入れてくれる温かい兄であり、妻の膝枕で寝る可愛い夫。1人の人間がどうやってこのすべての条件を持つことができるだろう。今でも疑問に思える。イ・ジェガンが立っている世界はいつ戦争が起こるか分からない険しい分断国家であるのに、彼が見せてくれる微笑は、まるで心配などまったくない天国に生きている人の微笑のように穏やかだ。自分の女、自分の弟だけでなく、自分の弟の妻にまで温かい男である。「僕と少し分け合ったらどうでしょう?こう見えても僕、王なんですよ。盾にするにはぴったりだと思います」よく知らない人が見たら告白していると思うかもしれないシーンだ。他郷で寂しがる弟の妻キム・ハンア(ハ・ジウォン)に先に手を差し出すイ・ジェガンなら、シーワールド(夫の実家)は嫌いだけど、シー(夫の兄)ワールドは両手を広げて歓迎する。
「太陽を抱く月」に「ゴールデンタイム」まで、すでに熾烈な戦いの“MBCドラマ大賞”
ドラマ王国の名声を再び取り戻したMBCで、どの俳優と作品が年末の授賞式の主人公になるのか、今から期待が集まっている。MBCは昨年から大賞を俳優に贈らず、作品に与えるドラマ大賞に変更した。俳優たちの演技力以外に演出、脚本など作品の全体的な完成度が重要視されたことで、ドラマ大賞を受賞するための戦いはさらに熾烈になった。◆ドラマ「太陽を抱く月」&「ゴールデンタイム」 ― 「光と影」&「キング~Two Hearts」今年のMBC最高の人気ドラマは、国民ドラマとして大ヒットした「太陽を抱く月」だ。朝鮮時代の仮想の王イ・フォンと秘密に包まれた巫女ウォルの切ない愛を描いた作品で、俳優キム・スヒョン、ハン・ガイン、チョン・イルが絡み合う愛を表現した。主人公たちの子役を演じた俳優ヨ・ジング、キム・ユジョン、イ・ミノは、若い年齢にも関わらず抜群の演技力を見せ、序盤の視聴者たちの関心を集めるのに一躍買った。40%を超える視聴率を記録し、ドラマの人気効果で原作小説もベストセラーになった。「ゴールデンタイム」は、医療ドラマの歴史を新たに作り上げたと評価される名ドラマだ。今までの医療ドラマが主人公たちのラブラインに集中するのに比べ、「ゴールデンタイム」は海雲台(ヘウンデ)のセジュン病院の外傷外科を背景に、韓国の医療システムの問題点を暴くことに集中した。クォン・ソクチャンPDを筆頭にした制作陣の感覚的な演出力に、俳優イ・ソンミン、イ・ソンギュン、ファン・ジョンウム、ソン・ソンミなどの俳優たちが繰り広げるリアルな演技が加わり、ドラマのバランスを完璧に見せた。視聴者たちがよく知らない医療界の現実を、ドラマを通じて問題提起したという点で、また別の意味を与えたドラマだ。その他、「光と影」は、カン・ギテ役の俳優アン・ジェウクとチャン・チョルファン役のチョン・グァンリョル、この二人の俳優が見せた演技対決が視線を奪ったドラマだ。韓国エンターテインメント産業の歴史に政治的な要素を加え、70~80年代を覚えている視聴者たちの哀愁を呼び起こした。「キング~Two Hearts」は、北朝鮮の特殊部隊の女性将校と韓国の王子の愛という特殊なテーマを扱った作品で、女優ハ・ジウォン、イ・スンギのカップル演技と、ユン・ジェムン、イ・ユンジなどの俳優たちが繰り広げた個性溢れる演技が絶妙な調和を見せた。敏感な問題を愛という大きなテーマを通じて描き、重すぎずに表現して視聴者の共感を得た。◆最優秀賞は誰の手に?MBCが大賞を作品に与えるようになったことで、俳優たちにとって最優秀賞が受賞できる最高の賞になった。最優秀賞はミニシリーズ部門と連続ドラマ部門に分かれ、男性俳優と女優にそれぞれ授賞される。男性俳優は、ミニシリーズ部門では「太陽を抱く月」のキム・スヒョン、「ゴールデンタイム」のイ・ソンミンとイ・ソンギュン、「光と影」のアン・ジェウクなどの対決が見られると予想される。キム・スヒョンは「太陽を抱く月」で悲劇的な運命の王を演じて視聴者の心を奪う涙のシーンを見せ、「ゴールデンタイム」のイ・ソンミンとイ・ソンギュンは師匠と弟子の関係で出会った医師という以前に一人の人間である、主人公たちの挫折と苦悩をリアルに表現した。「光と影」のアン・ジェウクは、全64作という大作を引っ張り、愛やアクションなど分野を問わずに体当たりの演技を見せたと絶賛された。連続ドラマ部門では、「Dr.JIN」のイ・ボムス、「武神」のキム・ジュヒョクが注目の俳優だ。イ・ボムスにとって「Dr.JIN」は、ドラマでは初挑戦となる時代劇だったが、抜群の演技力と高いキャラクター解釈力をベースに興宣大院君を今までの歴史的な解釈とはまた違った雰囲気に表現するのに成功した。「武神」のキム・ジュヒョクは、奴隷から最高権力者の座に就いたキム・ジュンというキャラクターを強烈なカリスマを持つ人物に表現し、自身の演技力を世間に再認識させた。女優は、ミニシリーズ部門では「キング~Two Hearts」のハ・ジウォンが、受賞する可能性が高いとして一歩前に出ている。ハ・ジウォンは「キング~Two Hearts」で北朝鮮の特殊部隊教官キム・ハンアを演じ、北朝鮮語の家庭教師までつけるほどの努力で、違和感のない北朝鮮語の演技を見せた。また、アクション演技に関して自他共に認める最高のアクション女優らしく、今回の作品でも期待以上のアクション演技を見せ、ハ・ジウォンの価値をさらに高めた。連続ドラマ部門では「Dr.JIN」のパク・ミニョンがイ・ボムスやソン・スンホンなどの俳優の間で自身だけの魅力を見失わず、ドラマの色を際立たせるのに一躍を買った。また、現在放送中のドラマ「メイクイーン」のハン・ジヘも、味のある全羅道(チョルラド)の方言をベースに、紆余曲折の人生を生きるチョン・ヘジュを切なく描いている。
ラ・ミラン「“同じ女優だとは思わなかった”と言われるのが嬉しい」
彼女は潜入する。素晴らしくリアルな演技で映画の足をいきなり現実へと引きずり出すラ・ミラン。彼女はユニークな外見で記憶される役者とは明らかに異なる種類の女優だ。SBS「ファッションキング」ではヨンゴルとガヨンの関係を虎視眈々と観察するミシン1として、MBC「キング~Two Hearts」では寡黙だが頼もしい宮中室長として出演しているのだが、二つの人物を一人の女優で繋ぐのが難しいのもそのためである。昨年には「ダンス・タウン」で脱北者(北朝鮮からの亡命者)のジョンリムとして深い孤独と無力感を表現し、今年の上半期には「ダンシング・クィーン」でオム・ジョンファの友人ミョンエとしてコミカルなお調子者を演じた。だが、これらの作品でも二人が同一人物であることを聞くまでは、二人を一人の女優が演じていると連想するのは難しい。そんな楽しいゲームのように、忘れ難い容姿の上に少しずつ違う痕跡を残しているラ・ミランをインタビューした。真剣な話の中にそっと織り交ぜてくる冗談のおかげで、笑いの絶えなかった対話は、まさに彼女の演技そのものだった。「同じ女優だとは思わなかったと言われるのが嬉しい」―月・火曜日は「ファッションキング」へ、水・木曜日は「キング~Two Hearts」に出演しています。二つのドラマに出演しているとスケジュールが大変ではありませんか?ラ・ミラン:他にも映画をもう一本撮影しているので思っていたよりも忙しいです。思いがけず同時に始まり同時に終わるドラマに出演し、少し欲張ったかなと悩みました。同時に作品に出演したのは初めてだったので、スケジュールがこれほどきつくなるとは思いませんでした。出番が多くないから大丈夫だと思ったんですけど、段々大変になって来て、他の人に迷惑をかけるのではないかと心配です。―物理的な問題もあるでしょうが、全く違う雰囲気のキャラクターを同時に演じることの大変さもあると思うのですが。ラ・ミラン:むしろ見た目の違いが大きい役だったからこそ、このスケジュールでも大丈夫だと思いました。同時に同じイメージの人物を演じると退屈になるかも知れないので、あまりにも違いすぎていて良かったと思います。「二人が同じ女優だなんて思わなかった」という人もいましたけど、そう言う話を聞くとすごく嬉しいです。人々を化かしたような気がして。―同じような時期に、これほど違うキャラクターへの出演依頼が受けられた秘訣は何だったのでしょう。ラ・ミラン:秘訣と言うより、前に出演した作品が次の作品へと繋がったのだと思います。「ダンシング・クィーン」を見て「ファッションキング」に呼ばれ、「ダンス・タウン」でのイメージから「キング~Two Hearts」の出演依頼が来ましたから。女優というものは、どうしてもすでに見せたイメージからオファーを受けるケースが多いです。だから、ひとつのイメージが強くなると、続けて似たような役が多く舞い込みます。作品を続けられるのは良いことですが、女優としての欲を言わせてもらえば、内面に多くの姿を持っている分、様々な役をしてみたいと思います。演じている人も見る人も大変ですけど、私は「ダンス・タウン」で笑いを省いた演技をお見せしましたからイメージ的にはより多様に映ったのだと思います。これからももっと演じられる役柄の幅を広げていくのが目標です。―そうした点で「ファッションキング」は「ダンシング・クィーン」のミョンエとは確かに違った一面を見せるべき作品だったと思います。名前もないミシン1と言う役の中で悩みもあったかと思いますが。ラ・ミラン:ドラマは映画と違って人物に対する設定が確立していない状態で始まります。だから最初はただ東大門(トンデムン)の工場で働いているおばさんと言う情報しかありませんでした。結婚をしているのか、子供はいるのか、貧しい暮らしなのか、もしくは夫の収入は充分なのか。これらを考えながら衣装や態度、性格などをひとつずつ作っていきました。撮影が始まって私が表現した人物を製作側が少しずつドラマに反映させて、今のキャラクターになったのだと思います。ガヨン(シン・セギョン)に私が「奥さん」と言うのも最初はアドリブだったんですけど、後からは台本にそれが書かれていて、口を尖らせるリアクションも監督がしっかりと掴んでくれたので、こちらとしては作る楽しさがありました。―カラオケでバラード曲を歌う場面は、短いながらもキャラクターのストーリーを感じさせる瞬間でした。ラ・ミラン:もともとは「誰かがバラード曲を歌う」でしたけど、誰もやらないから自分がしました。私の役はミシン縫製工としての経歴がありますから、その歴史の中で苦労があるかも知れない、そう言うところを考えながらイ・ウンミさんの「ノクターン」を選んだんです。つい最近車の中でよく聞いていた曲でしたが、あのシーンで活かすべき主人公の感情と上手くマッチするだろうと思いましたから。自分ではすごく真剣に歌ったのに、まわりの人は結構笑ったって言うんですよね。どうせならOST(劇中歌)を歌えば良かったのにって(笑)―アイメイクに気を使うのも設定の一種なのですか?仕事をしながらも女性らしさを失わない姿が、演じる人物とどこか重なります。ラ・ミラン:メイクの人たちとコンセプト会議をしたりしました。私はベティ・ブープだって言い張っていますけど、髪がおばさんパーマですから、いっそアイメイクも派手な色を使えば、という事で。よく似合ってるって言われて嬉しいですね。使っている化粧品のメーカーとかも聞かれますし。でも、実際にミシンの仕事をしている方とか見ても結構おしゃれなんですよ。ネイルも派手だし、アクセサリーもジャラジャラたくさんつけているし。むしろ私たちがおばさんと言うものを表現するときに、先入観を持っていろいろと制約を付けているような気がします。おばさん服とかを着てこそおばさんだと思うみたいですけど、実際のおばさん像とはかけ離れています。「ファッションキング」では私の役割が小さいこともありますから衣装の選択が結構自由で、本当の自分の服とかを着て行ったりもします。それでも何も言われませんし(笑)―工場ではなくヨンヨンアパレルですから(笑) その反面「キング~Two Hearts」の宮中室長は制服を着ています。それだけに設定面からの制約も多そうですが。ラ・ミラン:そうですね、キャラクターを作るというよりは背景のようにサポートする役に徹しようと思っています。実際に現場で服を着替えると気分が変わります。「ファッションキング」ではいつも同時に出演する人たちがいますので、呼吸を合わせながら自分でも楽しい冗談を言ったりします。でも「キング~Two Hearts」の現場ではもう少し静かでおとなしい冗談を言うようになります。一言ポロッと。―冗談を言わないのではなく?(笑)ラ・ミラン:現場でおとなしくしているのは我慢できないんです。現場は楽しいものであるべきだし、撮影しに行きたくなる場所にすべきだと思うんです。どんなに憂鬱な役でも、誰かに殴られる役でも、アクションに入るまでは現場自体が幸せであるべきだというのが私の考えです。演劇をしていた頃も舞台に上る直前まで笑っていて、それでも登場した瞬間、0.1秒で役に集中していました。そうしたスタイルが自分には合っているし、そう言う感じが好きみたいです。「ユ・アインさんは私を自分のビタミン剤だといってくれます」―楽しい作品も多いですが「ダンス・タウン」のように重たい作品に出演している時もそうした雰囲気が可能なのでしょうか。ラ・ミラン:それだから監督からも「想像もしなかったすごく面白い人」って言われたほどです。騒いでいてもアクションが始まると突然憂鬱になりますから。でも、むしろそのお陰で監督や他のスタッフたちとも気楽に付き合えたと思います。私が他の人の話をおおらかに受け入れるという合図を送ったようなものですから。「ファッションキング」でも、普段私がふざけている姿を見ているので、ある瞬間アドリブを入れても笑ってオーケーする雰囲気になったと思います。そうやって仕事をしていると実際に結構仲良くなります。工場の人々とかは作品が終わったら寂しくなるねって今から心配しているほどです。―同じ年配の俳優や先輩俳優だけでなく若手俳優とも仕事をしていますが、息を合わせるのが難しいことなどはありませんか?ラ・ミラン:全くありません。主役たちが若い方ですけど、意外と皆受け入れてくれますよ。ユ・アインさんなんかも私がやたらポンポンと投げつけるんですが、ゲラゲラ笑って私のことをビタミン剤だって喜んでくれてます。最初に笑わせてしまったから、最近は段々とハードルが上がってきましたね。私が警戒するほどです。「何よー、私に期待しないでよー!」って。―作られたお笑いではなく、生まれつきのエネルギーや陽気なところがあるようです。ラ・ミラン:今は昔よりおとなしくなったんですよ。10代や20代の始め頃までは気負いとかがあったくらいです。ここで皆を笑わせないと、ってね(笑) 言葉が途切れると自分で耐えられなくなるタイプだったんですが、30代に入って子供を生んでからはおとなしくなって、これなんですよ。実際に舞台公演をしていた時はコミカルな脇役をたくさんしていました。ミュージカルや演劇は練習時間が長いですから、皆私の本当の性格を知っていたんです。―ですが映画ではコミカルな姿を表すまで時間がかかりました。始めは主に強烈な人物を演じていましたから。ラ・ミラン:初めて映画に出演したのが「親切なクムジャさん」でしたから。クムジャに「殺した?」なんて聞く人なので、面白いなんて思ってもいなかったでしょうね。それに外見のインパクトもありますから、そういう面では競争力のある顔でしょ?(笑) きれいな人は本当に多いんですけど、その中でふとすれ違っていたのがエッ?エエッ?って振り向いてしまうんですよ。目がつり上がっていますから、気難しくて気も強そうだとよく言われました。でもいくつもの作品に出演していると現場での姿が知られるようになりますから、段々と入ってくる役も変わるようになりました。お隣のおばさん、上の階のおばさん、大家のおばさんとか。そうした中で「ダンス・タウン」に出演した時に釜山(プサン)へ舞台挨拶に行ったら観客から本当の脱北者が主人公なのかって聞かれました。撮影の間中、監督はきれいにしていたらいけないって言うし。顔に注射の一本も打ったことないのに、監督からは芸能人の匂いがしたらダメだって言われ続けて本当に大変でしたよ(笑)―管理をしないのも一種の自己管理でしょうか。役者として今のイメージを守りたいという。ラ・ミラン:まずは怖くてダメです。それに私がキラキラした顔で出演してもねぇ。自分の役を捨てるだけですよ。顔が私のトレードマークなのに、これより輝いたりしたら私ができるような役も入ってこなくなります。映画ではもっともっとナチュラルな感じを求めるからスッピンで出演するほどです。今のこの感じが重要なんですよ。だから私はどうすれば上手く歳を取るのか、どうすればより自然に、より深くしわができるんだろうか、それが悩みです。ただ財閥の奥さんの役が入るなら、注射くらいは一度打ってもいいかなと思っています。今はあまりにもお掃除のおばさん役ばかりだから。―イメージもそうですが年齢の問題かも知れません。財閥の奥さんをするにはまだ若いですから。ラ・ミラン:だから「ダンシング・クィーン」に出演して本当に良かったと思っています。今の歳にピッタリと合っている役でしたから。その作品は私が今まで出演した中で一番若くて、一番きれいなキャラクターでした。だから憂さを晴らすようにすごく派手にやりました。「役の大きさや重みでやきもきしたくありません」―スターと呼ばれる女優たちでも30代後半は多くを諦め始める歳になります。選択する立場でない女優にとってはその時期がより大変だと思うのですが。ラ・ミラン:若いお嬢さんでもないし、だからと言って完全におばさんとも言い難いですからね。でも私は人にはそれぞれの器があるんだと思います。スターになりメインとなるような人と、助演をする人は、それぞれ自分を入れる容量に差があるんです。イ・ボムスさんのように地道にスタートする人がいるのを見ると、欲が出ないと言えば嘘ですが、だからと言って役の大きさやその重みでやきもきしたくはありません。1回の出演であれ2回の出演であれ、自分が上手くできて自分が存在感を示せばそれでいいんです。大学を卒業したての頃からそうでした。私は自分が映像分野で演技することになるとは思ってもいなかったくらいですから。若くてきれいな子達の専売だと思っていたので。―始めからスターを夢見ていなかったにも関わらず、それでも女優になりたいと思った特別な理由があるんですか。ラ・ミラン:あれこれやって見たかったんです。他の作品をしていると、犬になったりお婆さんになったり、いろいろとできるのが魅力的でした。私の場合は同じカラーでずっと続けたりすると自分で疲れそうな気がします。―大きな器の代わりにいくつもの器を持っている人なのでしょうね。ラ・ミラン:私は32チョップバンサン(32個の器で出る韓国の定食)なんです。味わい深いソルロンタン(牛の肉や骨を煮込んでつくる、韓国のスープ料理)よりその方が自分には合っていると思います。演技だけを掘り下げるのではなく、多趣味でもありますから。歌も少々、ダンスも結構するし、パンソリ(韓国の伝統芸能である歌)もできますし。実際ミシンが使えるんですよ。問題はその中で特別に上手いのがないって事ですが。真似事ならすべてできますから役を消化する上では問題ないと思います(笑)―演技のための準備ではなくて自分の好奇心を満たすために習ったように見えます。ラ・ミラン:何でも全部やってみたいんですけど、すぐ飽きるのが問題です。味見はするんですけど最後までできないんです。―でも女優だけは長続きしていますね。ラ・ミラン:他にできることがありませんから。できることもないし、職業にしたいのもありません。女優業が気に入っていますし、女優で生計を立てたい、大先輩たちのように歳を取ってもどこかで必要とされる存在になるのが私の夢です。いきなり有名どころになるより、途切れることなく、下手だと言われず死ぬまで演技する、それが私の本当の望みです。それに職場を3ヶ月ごと変えるのは無理ですけど、役者をしていると絶えず新しい人と出会い、新しい作品と出会いますから。―それでなくともすでに新しい作品を二つも準備していると聞いています。ラ・ミラン:映画を二本ほどやりそうです。でも、またおばさん(笑) 今度はすごくセクシーなおばさんをやってやろうかと考え中です。私がこういうキャラクターをやりたいと要求できる立場ではないですから、作品に見合う範囲内で少々個性を出したいと思います。また違ったおばさんを見せてやらないと!
チョ・ジョンソク「自分の人生がなくなるんじゃないか心配にもなるが、演技が楽しい」
ドラマ1本と映画1本から始動し、今は猛烈な勢いである。テレビやCMでも彼の姿が頻繁に見られる。今年、下半期にはもう一度映画でも彼の姿を見ることができる。チョ・ジョンソクは、現在映画「救国の鋼鉄隊列」の撮影の真っ最中である。その次の作品としては映画「観相(クァンサン)」にキャスティングされたというニュースも聞こえる。休む暇もなく演技をし、新たな人物を作り上げるチョ・ジョンソクに、演技がそこまで好きかと聞きたかった。いわゆる俳優としての人生礼賛である。質問をすると、チョ・ジョンソクは、素直に他の人の人生を生きるのが楽しくて仕方がないと答える。しかし、俳優としては必然的についてまわる虚しさもそこにはあった。道化師としての人生。人々を楽しませるために、自分を消して空にしなければならない道化師としての人生が、彼は「たまに怖い」と言う。このまま自然体のチョ・ジョンソクとして生きていく日が減るかもしれないという怖さ。しかし、彼はすぐこう言った。「結論はその過程が面白いからです」「白紙にその人物を描くこと。それがとても楽しい」―まず、役者という職業がなぜ好きなのかという質問から始めたいのですが。チョ・ジョンソク:本当にこの職業を楽しめないと、だから、人物を具現することに興味を持たないと、この仕事はできません。できないと思います。俳優が好きな理由ですか。ありきたりな話なのかもしれませんが、自分ではない劇中の人物として新しい人生を生きることができるためです。人物が持っている感情やストーリーを辿って行くと、普段自分が感じたことのない感情を非常に豊富に感じられる別の世界に出くわします。それが魅力的でした。白紙にその人物を描くこと。そういうのがとても楽しいです。それが僕は一生役者をやろうと思った理由です―ミュージカル俳優としてのキャリアもあるので、この質問も避けられません。舞台に立つときの喜びと、ドラマや映画で演技するときの喜びはどう違いますか?チョ・ジョンソク:舞台の上で観客の反応を見ると、喜びと同時に、快感を得ます。俳優として何か込み上がってくるものがあります。拍手をもらうとき、カーテンコールを受けるときなど(笑) テレビや映画にはそのようなリアクションから得られる快感は少ないです。しかし、非常に大衆的で範囲が広い。そういう点が違います。―急に気になったのですが、デビューする前にご自身がこれほどまでに俳優として人気を得ると予想しましたか?(笑)チョ・ジョンソク:(笑) 以前、誰かに「(演技に)自信があるか」と聞かれて、「自信がなければ演技はできない」と答えました。「僕は大成功する。素晴らしい俳優になる」とまでではありませんが、自信はありました。それが僕をここまで来るように後押ししてくれたと思います。登山するときに、誰か僕に杖をくれたような気分です。僕には「頑張ればうまく表現できる」という確信がありました。自分に50%の能力があるとすれば、残りの50%は自信で、自らをコントロールしながら埋めなければなりません。実は、当時僕に与えれた状況はこれ(演技)しかありませんでした。3浪して演劇科に入りましたから。大学(ソウル芸術大学)に入学する際に、正門で決心したことがあります。「この門をくぐれば、もう僕は死んだものだ。気を引き締めて、いい俳優になるためには何でもやる」という誓いでした。「別の人物になって演技し、そこから幸福感を感じればそれでいい」―これからの俳優チョ・ジョンソクに対し期待感を持っている方々がたくさんいます。単刀直入に言いますと、俳優をこれからも続けると思いますか?チョ・ジョンソク:演技は一生やっても楽しいと思います。もちろん、興味深い役柄にこれからも出会う必要があるでしょう。本当にやりたくない作品をやればどんなに嫌でしょう。実は僕は僕自身がちょっと怖いです。どうせ人生は1回しか生きられないじゃないですか。僕の人生を僕らしく、チョ・ジョンソクらしく生きなければいけないんですけど。そういう時間より自分を捨てて他人として生きる時間のほうが長くなるような気がします。―それについては心配せざるを得ないでしょうね。俳優になって自身の人生がなくなるようだ。だから自分に残るものがないという点も心配だと思います。チョ・ジョンソク:僕に残る何か、についてそういうふうにも思いました。結論はその過程が楽しいからです。別の人物になって演技をする過程が僕に喜びや幸福感を与えてくれれば、それでいいんじゃないかと思います。結果がどうであれ、その過程が面白くて楽しければそれでいんじゃないでしょうか。それでも僕なりに考えたものがあります。安息年という概念ですが、僕がいつか物理的に豊かになれば、休むときは休みながら仕事がしたいです。そして歳を取って結婚したら、作品数を減らすことになると思います。急に減らすというわけではなくて、徐々に(笑)舞台で演技をする役者たちは、公演が終われば仲間たちとよく飲みに行きます。家に帰ることもありますが、一緒に集まってまた作品について話します。それが楽しいですから。その時間にも作品について話し合って、その日の演技について話し合います。互いに「今日あなたの演技はこうだった」とかアドバイスをしてあげたりもします。それが俳優たちの楽しさではないかと思います。チョ・ジョンソクが選んだ「キング~Two Hearts」ウン・シギョンの名セリフ「まず真っ直ぐな人です。父へのコンプレックスのため、そのような性格になったのもあるけど、自分が解いていくべき課題を完璧までではないけど、一つ一つ解決していくシギョンがとてもカッコよくて、素晴らしいと思いました。そしてそれが非常に魅力的でした」チョ・ジョンソクが言うウン・シギョンの魅力は真っ直ぐさだった。彼の言うとおり、王室の近衛隊長ウン・シギョンは、剛直な人物で、また素直に自身の気持ちを表現する人物だった。ドラマは終わったが、ウン・シギョンという役柄はまだ多くの人たちの心に残っているはず。ウン・シギョンを演じた、いやウン・シギョンとして生きていたチョ・ジョンソクにはどのセリフが一番心に残っているだろうか。「イ・ジェハ(イ・スンギ)にこう言います。『殿下はすでに僕にとっては世界でもっとも力のある王です』(『キング~Two Hearts』の第10話に出てくるセリフで、失意に暮れているイ・ジェハに君主としての信頼を表すシーンである)。それから、イ・ジェシン(イ・ユンジ)には『お姫様のほうがもっとキラキラしています』(第13話のセリフで、人々の前に出ることを恐れるジェシンを励ますシーン)。普通なら、そんなシーンで『頑張って』とか『ファイト』と言ったと思います。しかし、シギョンですから。人がやると恥ずかしいセリフも、そのように感じさせないのがシギョンです。なんというか、シギョンの真っ直ぐな面の1つですけど。相手のために相手を元気づける言葉を言うのです。そしてたくさんの方々が、キム・ボング(ユン・ジェムン)に『僕は腐った菓子は食べません』(第14話のシーン。自分を味方につけようとするキム・ボングに言ったセリフ)を覚えてくださっているんですが、僕はそのシーンですっきりしました。いつももどかしくてどこか物足りなかった姿が残念でしたが、適切なタイミングで一発食らわせましたから」
2012年上半期「太陽を抱く月」「光と影」など、このドラマがこんなにヒットするとは!
今年上半期はいつにもましてお茶の間を沸かせた。お茶の間で最も歓迎されるジャンルである時代劇を始め、70年代の時代劇、日本統治時代を背景にした時代劇、警察の捜査劇、ロマンティックコメディ、復讐劇など、多様なジャンルのドラマが視聴者を笑わせたり、泣かせたりした。その中で40%を越える視聴率を記録し、国民ドラマと呼ばれたドラマ「太陽を抱く月」も誕生し、また8ヶ月以上、月曜日と火曜日のお茶の間を虜にしたドラマ「光と影」もある。また、ユン・ソクホ、イ・ジェギュなど、有名なプロデューサーが久しぶりに意気込んだ作品が、残念な成績で終わったこともあった。それでは、放送序盤の予想を覆して、視聴者から愛された作品は何か。2012年上半期はMBC「太陽を抱く月」のショックから始まった。「トキメキ☆成均館スキャンダル」の原作者であるチョン・ウングォルの同名ベストセラー作品を原作にしている「太陽を抱く月」は、放送序盤に話題を集めていた。だが、大人の俳優として足を踏み入れたばかりのキム・スヒョンと、久しぶりにドラマに出演するハン・ガインの組み合わせは確信を与えなかった。特に、2人とも時代劇は初めてで、放送業界の内外から心配の声があったのも事実だ。このような憂慮にもかかわらず、「太陽を抱く月」は子役俳優への好評が相次ぎ、上昇し始めた。初回の放送で18%を越える視聴率となり、視聴者の期待感が裏付けられた。子役俳優の牽引、また大人俳優へのバトンタッチがうまく行われ、第8話で30%突破、第16話では40%を超える気勢をあげた。期待の中で始まってはいるが、「太陽を抱く月」が40%以上の視聴率を記録する大ヒットドラマになるとは、誰も予想できなかったことだ。MBC「光と影」も10話以上延長し、8ヶ月間もの間月火ドラマのトップの座にある。序盤では1桁数の視聴率で始まった「光と影」は、当時の同時間帯の1位だったKBS「ラブレイン」が終了した後、最大の受益者となった。毎回視聴率が上昇し、右肩上がりを見せた「光と影」は、3月中旬に20%を突破し、現在まで同時間帯1位の座を守り続けている。アン・ジェウクのお茶の間への復帰が話題になっていたが、それほど注目されていなかった「光と影」は、政治的な色合いが濃くなるにつれて、視聴者の目を引いており、もたもたしていた展開にも俳優たちのうまい演技のおかげで人気を維持した。まもなく終了となる「光と影」も、序盤の予想を覆して上昇したドラマとなった。KBS「赤道の男」も視聴者の予想を覆した。「太陽を抱く月」の終了後、地上波3社は、同じ日に新作品を出しており、3作品とも派手なキャスティングで視聴者の関心が集まった。MBCはイ・ジェギュプロデューサー、ホン・ジナ脚本家がタッグを組み、イ・スンギ&ハ・ジウォンのキャストで話題になった「キング~Two Hearts」、SBSはJYJ ユチョン&ハン・ジミンの組み合わせにタイムスリップという素材を描く「屋根部屋のプリンス」を出した。これに対してオム・テウン&イ・ボヨンの組み合わせ、やや重い素材である復讐を扱った「赤道の男」は、先ほどあげた作品に比べると、期待感が弱かった。その期待感からか、「キング~Two Hearts」は初放送で16%の視聴率になったが、「赤道の男」は7.7%という成績で振るわなかったため、同時間帯のビリだった。だが、オム・テウンの鳥肌が立つような演技、よく練られたストーリーのおかげで、「赤道の男」は半ばから大逆転の成果を成し遂げた。予想外の活躍で、視聴者に楽しさを与えた3作品のように、下半期にも我々の予想を覆すドラマが多く登場することを期待したい。
チョ・ジョンソク「カメラの前での演技はとても楽しい」
今年の春、チョ・ジョンソクは図らずも観客を騙した男となった。映画「建築学概論」を見ていた人だったら、ずる賢く図々しいナプトゥクから、冗談で言った言葉にも真面目な顔をするMBCドラマ「キング~Two Hearts」(以下「The king」)のウン・シギョンを思い浮かべることは難しいことで、逆の状況でもやはり同じことである。ギターを弾きながら歌を歌っていたウン・シギョンの中に、「殴ってやろうか」と言うナプトゥクは見出せないからだ。それに「ヘドウィグ」から「我が心のオルガン」や「スプリング・アウェイクニング」に至るまで、チョ・ジョンソクの出演したミュージカルをずっと見ていたとしても、戸惑ってしまうほどの変化だ。それは、単純に彼が活動する空間が変わったからではなく、相対的に、よく知っていると思っていた彼からまた違う魅力を見つけることができたからであろう。演じる役柄と同じだが違っていて、違っているが同じである彼を、五つの比較でまとめてみた。チョ・ジョンソクを初めて知った人たちには新鮮さを、長い間彼のことを見守ってきた人たちには、変わらない姿に安心感を抱かせるだろう。ナプトゥク vs チョジョル「ナプトゥクのように僕もその当時、本当にヒップホップパンツにマンツーマンTシャツ(男女兼用のTシャツ)、そしてNAUTICA(ノーティカ)のジャンパーを着ていた。その上ジャージまでヒップホップスタイルで着るほどだった。高校生のときの写真を見たらヘアスタイルや服のスタイルがまったく同じだった。たぶん、僕の友達が映画を見たら『チョジョル、おまえの高校のときとまったく同じだな!』と言うと思う。チョジョルは中学生のときに付けられたあだ名だけど、なぜか名前の前の文字だけを取って呼ぶ友達が必ずいて、チョジョン、チョジョンと呼ばれていたけど、段々チョジョルのように変化してきて、中学校1年生のときから今までずっとそのあだ名で呼ばれている。 あ!そういえばTwitterのIDもそれ(jojeol)だった!ナプトゥクと似た部分が多いけど、ナプトゥクはその当時の僕より体型も大きくて、面白くていたずらっぽい性格をしたチョ・ジョンソクで、より前に進んでいたキャラクターだった。『建築学概論』が初めての映画出演だったから、最初スクリーンで映画を見たときはドキドキしたけど、本当は照れくさくてどうしようもなかった。だけど幸い、観客たちがたくさん笑ってくれて、今になってみれば大丈夫だと思えてきた(笑)」 そわそわとうきうきvs 地元の友達「三度の浪人生活を送ったけど、ニ度目の浪人のときは本当に劣等感も大きくて暗かった。『友達はみんな大学に進学して学生生活を楽しんでいるのに、僕はサムジ読書室(パーテーションがあってひとりひとりで勉強するように作られた専用空間)で何をしているんだ』と考えていた時期だった。だけどナプトゥクはそんな僕に比べてとても明るくて元気だったので、その点は褒められるところだと思う。監督と話し合ってみたら、ナプトゥクは別に大学へ行きたいわけでもなく、親が行けと言っているだけで、比較的気楽な人物として描かれていると説明してくれた。それでそわそわとうきうき(読書室で憧れている女子学生のあだ名)にも会えた(笑) ナプトゥクにそわそわとうきうきがいたように、僕には地元の友達がいた。同じ浪人だったけど大学に進学した友達の学園祭に遊びに行ったり、友達が家の近くに遊びに来たらいつも会ったりした。当時、井の中の蛙だった僕にはそのときは遠い未来のことまで考えるいい機会だったし、そんな仲間たちがいつも力になってくれた。結構友達が多い方だけど性格が悪い友達は全然いない。今でも 彼らがもっとも僕の力になってくれる存在であり、彼らがいなかったら僕も存在していない。特別な話がなくても、ただ一緒にタバコを吸うだけでも気楽で安らげる。それが本当の友達だと思う。友達みんながものすごく映画を期待しているので、見てからパーティーでも開かないと(笑)」記憶の習作 vs 記憶の習作「映画を見ながら過去のスンミンに感情移入したことが本当に多かった。中学校は男女共学だったこともあって1年生のときに彼女がいたけど、ソヨンのように放送部だったし、二人で自転車に乗って学校に通いながら『記憶の習作』を本当にいっぱい聴いた。大体1年くらい付き合ってたけど、お互いに挨拶することも照れくさくて、トッポッキやホットドッグを食べに行ったりした。どれくらい純情だったのか、そんなデートも指折り数えるほどで、会っても照れくさくてちゃんと話すこともできなかった。そのときは本当に、はにかみ屋だった。本当に、スンミンみたいだったような気がする。彼女は、二児の母になった。当時は僕だけ彼女がいたから、ナプトゥクのように恋愛の相談に乗ったりもした。僕が何か言ったらみんなが『お~』と感心していたけど、決してそれほどではなかった(笑) 今は恋愛相談を受けるよりは、する方だと思う。よく周りの友人から本当に鈍いと言われたけど、自分で考えてみてもそんなことが多い。だけど恋愛相談って、僕よりはるかに経験が豊富な友達からアドバイスを聞くことで、そうでない友達には僕がアドバイスしてあげることではないかと思う。みんな弱肉強食(笑) 『記憶の習作』は今でも友達同士でカラオケに行ったら昔のことを思い浮かべながら歌う曲である。画面に『記憶の習作』と出たらみんな『あ~』って言う(笑)」 20歳 vs 33歳「ナプトゥクも、MBNドラマ『What's Up』でのビョンゴンも新入生役だったり浪人役だったりした。僕より幼い俳優たちと演技をすることに特に不便はなかったけど、それは僕がまだ自立してないからだと思う。もしかしたら彼らは世代の差を感じてたかも知らないけど、僕は特には感じなかった(笑) だけど、演技をするとき、お互いぎこちなくて不自然な演技になるのを防ぐためにも、相手役と仲良くなろうと努力した。ミュージカルの場合はしばらくの間一緒に練習もするし、俳優同士で相性が良くなければならない。それでこそ良い公演ができるから、そんな点から影響を受けたのかもしれない。そんなキャラクターを演じることができたのは年齢に比べて幼く見える容姿のためだけど、以前は童顔と言われて、負担に感じるときがあった。容姿のせいでオーディションに落ちたこともあった。何で!?と思ったときもあったし、否定的なことを考えたこともあった。だけど童顔や大人っぽい顔、そして外見によってキャラクターが明確になることもあって、自分が考えていなかった役を演じることもできる。だから今となってはそんなことを言い訳にしたくない。生まれつきの外見を認めないとき、自分を否定してしまうことになるから。そんなことを考えていたら俳優にはなれない。最近は童顔に感謝している(笑)」 コンプレックス vs 快楽「初めてのドラマ出演だった『What's Up』は準備も練習も本当に努力した作品だったので、放送未定になったときは、最初は本当に悲しかった。でも、どんなことでも一回で満足することはできないので『What's Up』を通じてたくさんのことを学ぶことができた。それ以降は肯定的に考えるようになった。そして『What's Up』のおかげで、ウン・シギョンを演じるにまで至ったので。『What's Up』の編集に参加してくださったイ・ジェギュ監督がビョンゴンに関心を持っていて、『The king』のウン・シギョン役が僕に似合っていると思っていたらしい。結構大きな役を務めることになって、僕を知っている人はみんな驚いていたけど、僕はそれ以上に驚いていた(笑) ウン・シギョンにはできるかもしれないけど、彼とは似ている部分がない僕には、そんなに完璧になるまで持たなければならない心構えが重要だったと思う。国王の秘書室長である父の下で育った彼は、父に対するコンプレックスがある。途方もなく偉大な父がいて、父に劣らない人間になるために、そして父を失望させたくない気持ちで、何でも上手くやり遂げたいと思う人物である。 でも、自分自身も知らない優しさがある。2話で歌った曲『少女』もそんな優しさを見せたいから直接選んだ曲だった。以前から映画がとても好きで、一度やりたいと思っていたことだからか、今しているカメラの前での演技がプレッシャーに感じると言うより、本当に楽しいと思う。ウン・シギョンがコンプレックスで動くなら、僕は快楽で動く。エピクロス主義のように(笑)」
ハ・ジウォン、灼熱のメキシコで見せた新しい姿
女優ハ・ジウォンがファッション雑誌「Harper's BAZAAR」のグラビアカットで優雅で官能的な魅力をアピールした。最近、メキシコのロスカボスで撮影したグラビアカットで、彼女はリアルな表情演技とポーズで自身の魅力を存分にアピールした。新しい映画を撮影するという気持ちでグラビアカットに臨んだというハ・ジウォンは抜群の演技力と集中力で従来に見せたことのない新しいキャラクターを完成した。メキシコの暑い環境の中でも最後までプロフェッショナルな姿を見せ、現場のスタッフを感嘆させた。グラビアカットの撮影と一緒に行われたインタビューでハ・ジウォンはMBCドラマ「キング~Two Hearts」に出演した感想を語った。「この作品をしながら、もし私が男性ならハンアみたいな女性とかならず結婚したいという話をよくしました。私よりかっこよくて成熟した女性だったので、たくさん学びました。何より爆弾のような愛の中でも諦めなかったでしょう?自分が信じる誰かが、自分を信じてくれる力を教えてくれました」また出演する作品ごとにエアロビクス、ボクシング、剣術、卓球を学び、アクション演技を始めたきっかけに対しても明かした。「作品を選ぶ時、キャラクターよりはシナリオを優先します。わざとではないですけど、気に入る作品を決めるとキャラクターのために何かを学ばなければなりませんでした。そういう時にはやればできる、面白そうと考える方なので出演を避けたことはありません。何かを学ぶたびに周りの人々が上手だと褒めてくれるので、新しいことにチャレンジしたいという気持ちもあります」続いて「いったん撮影に入ると、次の作品のことは考えません。その瞬間を最大限楽しもうとします。そうすることが精神の健康にも、仕事の能率にも役立ちますからね。私は将来のために今から何かを長く準備していくことより、瞬間ごとの点が集まって一つの線になる方が好きです」と仕事と人生に対する自身の考え方を語った。ハ・ジウォンの魅力を収めたファッショングラビアとインタビューは「Harper's BAZAAR」7月号で楽しめる。
Vol.3 ― イ・スンギが選んだ「キング~Two Hearts」の名場面ベスト4
※この記事にはドラマ「キング~Two Hearts」の結末に関する内容が含まれています。イ・スンギ&ユン・ジェムン、ラブシーンを撮ったような感覚になった理由20話で構成されたドラマMBC「キング~Two Hearts」のイ・ジェハは多くのことを経験した。分別のない王弟で北朝鮮軍の将校、キム・ハンア(ハ・ジウォン)に出会って恋に落ち、兄(イ・ソンミン)を失う悲しみを経験し、王になってからはクラブMのキム・ボング(ユン・ジェムン)と対立しなければならなかった。側近だった秘書室長ウン・ギュテ(イ・スンジェ)の裏切りも経験し、愛するハンアと何度も別れと再会を繰り返した。そのすべてのシーンを演じたイ・スンギにも心に残るシーンはあったはず。「キング~Two Hearts」を通じて「演技が面白くなった」と言う彼に、「『キング~Two Hearts』の名場面」を挙げてほしいとお願いした。最初は「多すぎる」と言って断ったイ・スンギは、熟慮の末に4つのシーンを選び、エンディングシーンと関連したエピソードも聞かせてくれた。名場面1. ジェハ、ハンアと夢の中で再会する彼が最初に挙げたシーンは、ボランティア活動で海外に行ったキム・ハンアとバン・ヨンソン(ユン・ヨジョン)が拉致された後、それがキム・ボングの仕業だと分かっていながらも連絡する方法がなくて気をもんでいる状況で、ジェハが夢を見るシーンだった。これは、5月10日の16話で放送された。「このシーンは様々な角度から撮影したので10回は撮りましたが、撮りながらずっと泣いていました。もともと泣くシーンではなかったし、台本にも泣くという設定はありませんでした。ここで泣くとジェハが泣き虫のように見えるかと思って我慢しましたが、本当に愛する人が亡くなってからまた戻ってきたような感じがして心の中から何かが込み上げました。愛する人に会いたい気持ち、切迫さ、再会したことからの安堵、幸せ。そのような感情が全て感じられたシーンでした」名場面2. ハンア、収容所でジェハに抱きしめられる中国に逃げていたハンアは、公安に捕まって収容所に送られたが、怪我した腕を治療するために来た医師の携帯電話を奪ってジェハに連絡することに成功する。ジェハは、近衛隊と共に収容所に押しかけ、強制的に移送されていたハンアを探す。だが、銃に撃たれて倒れたハンアを見てジェハは嗚咽する。5月17日に放送された18話のシーンだ。「収容所でのシーンは、実際に放送されなかったんです。この間日本武道館での公演で大きいスクリーンに映し出されているものを見ましたが、ジーンときました。ステージに上がるリフトに乗る前なのに涙が出てしまって(笑) もともと違う角度でもう一度撮るべきだったのですが、イ・ジェギュ監督がとても感情表現が良いと一度でOKサインを出したシーンでもあります」名場面3. ジェハ vs ボング、口喧嘩なのに手には汗が彼が3つ目に選んだシーンは、キム・ボングと単独面談を行うシーンだった。先王である兄の死の背後にキム・ボングがいるという事実に気付いたイ・ジェハが彼を呼び、話を交わす。キム・ボングは、「おまえの兄は私が殺したぞ!」とイ・ジェハをからかい、イ・ジェハは彼が嫌だと思う実名を利用して鋭く対抗する。手に汗握る二人の舌戦が見事だったという評価だ。これは、4月19日の第10話で放送された。「本当に頭が痛いほど没頭して撮ったし、演技する時力を抜くということが何かを経験したシーンです。台本だけで7ページでした。二人が座ったまま話すのに、その人のために泣きそうになったり、怒ったりする感情が交錯しました。ユン・ジェムン先輩の顔だけ見て演技しました。撮りながらとても興奮したし、後日『先輩とラブシーンを撮ったようでした』と話すほどでした。ユン・ジェムン先輩もキム・ボングの狂気と毒気を全て吐き出すシーンを撮ってから泣きました」名場面4.愛してるその一言が言えなくてキム・ボングが没落してから4年が経ち、その間南北は持続的に交流した。しかし、未だ完全な統一とはならなかった。皇太子が放送でオマニ(母)という北朝鮮語を使ったことで、反発世論が起きた。これを解明する席でジェハは、ハンアの手を握って話す。「準備はできただろう。愛してる。行こう」待望のエンディングを飾った24日に放送された20話の最後のシーンだ。「愛してるという台詞は僕が入れました。考えてみれば一度もジェハが愛してるという言葉を伝えたことがなかったんです。もともと台本によると、南北関係が一歩進んだが、まだ緊張が残っていて解決すべき課題が多いという主題を見せるシーンでした。しかし、監督と僕とハ・ジウォンさんで話し合って『もう少し毅然としてもいいと思う。これまで数々の危機を乗り越えてきただけに、一言で深刻になるとは思えない』という方向で意見がまとまりました」「僕はその時、愛してると言いたくて台本を探してみたけど、その言葉が見当たりませんでした。その話をしなければならないと思ったけど。実は、こういうことを言うと相手役の女優も誤解するかもしれないし。でも、イ・ジェハなら言うだろうと思いました。それで監督に意見を伝えてみると『やってみなさい』と言われ、実際にその台詞を言ってみたところ、幸いにも好評を得ることができました。それがエンディングシーンに使われました」
Vol.1 ― イ・スンギ、濃いオスの香り“理由ある成長”
MBC「キング~Two Hearts」のイ・ジェハは、確かに今までイ・スンギが演じてきた人物とは異なる。これまでイ・スンギが演じてきた典型的な人物は、明るくて、やや無邪気で、ときにはお茶目な20代の男性だった。だが、「キング~Two Hearts」のイ・ジェハはここから一歩進むべきだった。ドラマ序盤の無邪気すぎた王弟の姿はこれまでのイ・スンギが演じてきた人物に近かったが、ドラマが展開するにつれて、国家や、愛する女性に対して同時に責任を持つ国王であり、大人の男性の姿を見せなければならなかったためだ。イ・スンギ自身も「とても内面が複雑で、色々な出来事が多いキャラクター」だと説明したイ・ジェハ。イ・スンギは「だから最初は(僕より)年上の俳優の名前がキャスティング候補として上がっていたようだ」とし、「最初はイ・ジェハを自分のものにすることができるのか」と悩むほど、大変なことだったと告白した。彼の言葉通りイ・ジェハを表現するには、戦争、復讐、南北関係、国際関係などを同時に表現する感情シーンが繋がっており、今まで彼が表現してきた人物よりはるかに重かった。だが、イ・スンギはすぐにこのように話した。「迷っていたけど、入ってきた仕事だからやるべきだ」と。「何でも1日で慣れる」という適応力があったからなのだろうか。「キング~Two Hearts」を撮影していたイ・スンギは、いつのまにか監督のサイン一つで泣いたり、叫んだりする俳優になっていた。「どこかに椅子はないのかと座るところを探したり、何かが必要なときも誰かに指示しようとしたり、一人で歩くときも、後ろに近衛隊がいるような気がして、おかしかった」と言うほど、イ・ジェハ後遺症に浸っている彼に会った。キスシーンが上手になった理由?俳優として満足するものを撮りたかった―驚きました。「1泊2日」で見ていた、よく笑う、親しみやすいイメージのイ・スンギが毒舌を吐いたり、ダークなジェハになったりして。イ・スンギ:イ・ジェハというキャラクターは、マッチョのイメージが強い。キム・ハンア(ハ・ジウォン)を愛して、命がけで板門店(非武装地帯にあって南北の軍事停戦委員会その他の会議が開かれるところ)を越えること、その部分でオスの香りを感じたのではないでしょうか。(ここでイ・スンギはオスという単語を使ったことが恥ずかしかったのか、笑い続けた)女性を見守ってくれそうな感じがあったようですね。それに国王でしょう。「1泊2日」に出演していたときは、僕の中にあった男臭さが、自分でも少なくなっている気がしましたね。だけど、今回はバラエティから離れていたので、一層やりやすくなりました。―そのせいか「キスシーンが下手な俳優イ・スンギが日就月将した」という評価もありました。イ・スンギ:本当にキスシーンが下手だった!だけど、それは絶対、練習でできるものじゃない。毎日練習する相手と撮るわけでもないし、初めて会う人とキスシーンを撮る場合もあるから。「キング~Two Hearts」では、本当にハンアを大切にして、愛していて、また切羽詰った状況が多かったんですね。どんな人がそのように命がけで恋をしますか。そんな切羽詰る思いが、キスシーンに表れたんだと思います。また、キスシーンがどれもユニークでした。冷蔵庫のキスシーンも、(キス)する前に話をします。本当にリアルな男女関係で、お互い恋を確認する状況、惹かれる状態でのキスでした。以前は見せるキスシーンに集中したけど、今回は本当に、配役の人物として満足できるキスシーンを撮りたかったんです。イ・ジェハなら、どのようにキスするか。実際、お酒を飲んでキスするときって格好よくはしないでしょう。リアルにやりますね。格好よくやるのではなく、現実的にやろうとしました。だから、その場面で「キャーッ」となった人は、そんなロマンがあったのではないでしょうか。好感はあるけど、確信のない状態で一度くらいは突然キスされたいというロマン?(笑) ―「格好よくやるのではなく、現実的にやろうとした」という言葉が印象的ですね(笑) だけど、キスシーンだけでなく、作品全体を通じてそんな姿が見られたと思います。イ・スンギ:最初にイ・ジェギュ監督に会ったとき、「楽に、正直にやりなさい」と言われました。「ここでは、演技をこのようにしなさい」ではなく、本当に僕がやりたいようにやることを望んでいたんです。なので、演じながら表情に気を使うよりも、本当に誰かを説得する状況であれば、説得するために熱心に話しました。以前は「僕が格好よく見えるポイント」を考えましたが、今回はひたすらイ・ジェハになりきろうとしました。本物の方々と一緒にいると、僕がアマチュアであることを実感した―このような思いをする特別なきっかけがありましたか?イ・スンギ:きっかけがあるというよりは、良い俳優、監督と一緒にいたら、自然にそう思えたんです。本物の方々と共演すると、ある瞬間、僕がアマチュアであることを実感しました。それで、その本物を追いかけていたら、自然に僕も演じることができるようになりました。序盤はシーンごとに緊張しました。監督の顔色だけを窺(うかが)っていました。非常に頼ってたんですね。シーンを撮影するたびに「これはどうでした?これは合っていますか?」と聞いたり。それがかなり長く続きました。そして第7話から第10話の間、イ・ジェハが感情的な部分を表現したときです。キム・ボング(ユン・ジェムン)に出会ってハンアとの恋を確認するなど、感情的なシーンが多かったんですね。それで、のめり込んでいくうちに、僕の持っていたフレームみたいなものが自然に無くなりました。また、ハ・ジウォン先輩やユン・ジェムン先輩、イ・スンジェ先輩はとてもエネルギーのある方々なので、そのエネルギーをもらった面もあるし、浮いた話ではなく、真の話をしたような感じがしました。―今回のドラマでは沢山泣いたり、心を痛める恋をするなど、感情の消費が多かったと思いますが、きつくありませんでしたか?イ・スンギ:きつかったことはありません。むしろ、感情的なシーンはこなせたほうです(記者:特別な方法でも?)集中すると、感情がすぐに込み上げてきました。また、現場でNGを出す人が殆どいません。そんな雰囲気でした。(撮影を)長くしていると、おかしなことになるほどでした。最初は緊張してうまくできなかったけど、ある瞬間に力を抜いたら。泣くシーンも、泣くことだけを思うとうまくいかないけど、この状況が僕にとってどれだけ悲しいことかを考えて台詞を発すると、すぐに涙が出ました。そのため、泣くシーンは早く撮り終えました。他の角度から数回撮っても全て泣けたので。そもそもあんまり泣けないけど、今回は思いっきり泣きました。いつも「泣くシーンだけうまく演じることができますように」と願ったりしていた僕が!(笑) ―バラエティなどの活動をせず、演技だけに集中したことが役にのめり込めた理由ではないでしょうか。イ・スンギ:そうですね。演技では普通に話すのと同じトーンで話すけど、バラエティではそれより2段階ほどトーンを上げなければなりません。(こう言って、イ・スンギは実際にバラエティと演技のときの声のトーンを比べて見せた)その差が無くなるから、集中できた部分もあります。「演技をするときに集中すると、こんな感じかな」ということが分かりました。演技とバラエティの両方を経験したので、今後は平行しても調節できるのではないかと思います。視聴率が5%だとしても、僕の人生には役立った―今までの話をまとめてみると、「キング~Two Hearts」は俳優イ・スンギにとってターニングポイントのような作品になったようですね。イ・スンギ:完全なターニングポイントです。例え視聴率が5%しかなかったとしても、この作品に出演したことが僕の人生には役立ったはずです。もし、「キング~Two Hearts」が視聴率40%になったとしましょう。ドラマをやる以上は、上手く演じなければならないけど、単に視聴率だけが跳ね上がったら、僕はいつ壊れるか分からない塔のようですね。なので、今回は視聴率のストレスが余りありませんでした。もちろん、序盤に良かった視聴率が後になって下がる場合もありましたが、それは題材とか主題意識に不慣れなものだったという理由もあったようです。だけど、本当に視聴率は重要ではありませんでした。「キング~Two Hearts」は僕にとって、とても重要な作品でした。撮影もとても楽しかったので。イ・スンジェ先輩、ユン・ヨジョン先輩、ユン・ジェムン先輩、ハ・ジウォン先輩。こんな素晴らしい出演者の皆さんに一つの作品で出会うことは難しいし、感情的なシーンだけでこのように(ドラマを)展開することも難しいですね。普段の生活を表現していく中で感情的なシーンが一つ二つ入る程度ですが、戦争や国際関係、復讐のような感情が引き続き展開されるため、僕にとってはどんな現場よりも良かったですね―だけど惜しかった点もあります。例えば、特定ブランドのドーナツが続けて出てくるとか後に「そのブランド名からドラマのタイトルを決めた」という噂までありました。イ・スンギ:僕は実際、それほど深刻に考えていませんでした。メインPPL(Product Placement:ドラマや映画に特定会社の商品を小道具として登場させること)だから、登場するのは当たり前だと思ったし、「キング~Two Hearts」は軽くない内容ですが、何か面白い場面を考えようとすると、必ずそんなアイデアはドーナツを持っているときに浮かび上がったりもしました(笑) ハンアに指でハート模様を作りながら、ハート模様のドーナツをあげたのも、僕のアドリブでした。ハンアにドーナツをあげなければならなかったけど、誘惑すべきですよね。だから誘惑することに集中したんです。例えば、何の意味もないティッシュですけど(テーブル前にあったティッシュを渡して)、これを渡しながら、「君のために準備しておいた」とも言えるでしょう。お水も「君が暑いかと思って、あらかじめ注文しておいた」と言うとか。誘うためにはそのようにも言えると解釈したんですね。「ハンアを誘惑してみせる」と思ってあげたけど、それがドーナツの乱になるとは思いませんでした。びっくりしました(笑)―なるほど。そんな悲しいエピソードがあるとは。この機会で誤解が解けますね。それでは本題に戻って「キング~Two Hearts」に出演して、バラエティで積んできた優等生イメージから脱皮した点も良かったですね。イ・スンギ:あるイメージから脱皮しようと意図したことではありません。「キング~Two Hearts」に出演したのは、イ・ジェギュ監督の作品というのがありました。一度一緒に仕事をしてみたいと常に思っていました。なので、イ・ジェハがどんなキャラクターであるか考えもせず、合流しました。だけど、蓋を開けてみたら「やれるかな」とも思いました。「だから、最初に(僕より)年上の俳優の名前が上げられたりしたんだな」と思いました。とても内面が複雑で、出来事の多いキャラクターでした。だけど、作品に出演するからにはやるしかない。本当に良い方々と作品を作ることができたのが、とても幸せでした。僕は優等生イメージについて考えたことがありません。マスコミの方々が作ってくださったのが大きいですね。流れがあると思います。もっと年を取ったら、別のイメージになるはずだし。僕が35歳くらいになったら、今よりは濃い匂いがするでしょうね。演技が楽しくなった。来年の上半期には何かやっているはず―俳優イ・スンギがどんな作品を次回作として選ぶのか関心が注がれているようですが、またバラエティに出演する予定はありますか。イ・スンギ:バラエティは、良い番組があればやりたいと思いますね。しかし、話が進んでいるものはありません。「1泊2日」で共演したシン・ヒョジョンプロデューサーの新たなバラエティ番組に合流するという噂もあるんですが、それはまったく根拠もなく広まった話のようですね。シンプロデューサーとはいつかぜひまた一緒にできたらと思う程度ですね。とても強い人で、仕事もできる人だと思いますから(笑) シンプロデューサーだけでなく、「1泊2日」の制作チーム全員といつかまた一緒に仕事がしたいと思っています。次回作も検討しています。映画もドラマも話はありますが。「キング~Two Hearts」の次回作として適切な作品とキャラクターを選びたい。今回、演技がとても楽しくなって、早く次の作品を決めたいという思いもあります。次回作はそう遅くはならないと思います。遅くとも、来年の上半期には何かやっていると思います。―最後に、イ・スンギを応援するファンに一言お願いします。イ・スンギ:ファンの方々は。本当にびっくりしました。僕よりイ・ジェハ が多かったので(笑) ドラマとキャラクターを分析してくださったのを見て、びっくりしました。僕もそこまではやらないんですけど、「すごいなぁ」と思いました。実は、僕は皆さんに暖かい言葉も交わしていないし、ご飯をおごったこともないですけどそれでも好かれているから、本当にありがたいですね。
朝鮮の王キム・スヒョン vs 現代の王イ・スンギ、20代が選ぶ“ドラマスター”は?
20代のための夏の授賞式Mnet「20's Choice」で王の対決が注目を浴びている。7日行われたオンライン投票で「20'sのドラマスター」男性部門候補のキム・スヒョンとイ・スンギが、正面対決を繰り広げ、2012年の上半期ドラマで巻き起こった「王」ブームが再び注目を浴びている。まず、キム・スヒョンはドラマ「太陽を抱く月」で朝鮮の仮想の王イ・フォンを演じた。ドラマでキム・スヒョンは威厳のある王としての面を見せる一方、運命の恋に落ちた一人の男の純愛を演じ、注目を浴びた。カリスマ性と切なさを同時に披露し、20代女性の理想のタイプとして浮上したキム・スヒョンは、「太陽を抱く月」での人気を維持し、「20's Choice」ドラマスター部門に堂々と名乗りを上げた。2012年上半期には朝鮮の王キム・スヒョンに続き、イ・スンギが大韓民国の王として登場し、20代の女性を虜にした。イ・スンギはドラマ「キング~Two Hearts」で大韓民国が立憲郡主制という設定の下、図々しい遊び人の王イ・ジェハ役を演じ、好評を受けた。ドラマでイ・スンギは、思い通りにならないと我慢できない、世間知らずな王を演じ、可愛い魅力だけでなく、大国に立ち向かうカリスマ性と、切ない涙を流す温かさなど、多彩な魅力を披露した。特に相手役のハ・ジウォンとの甘くじれったいロマンスで20代女性の心を揺さぶった。キム・スヒョンとイ・スンギは7日始まった「20'sドラマスター」のオンライン投票で、1位の座をめぐり、追いつ追われつの勝負を繰り広げている。「20'sドラマスター」男性部門の候補にはキム・スヒョンとイ・スンギの他に「根の深い木~世宗(セジョン)大王の誓い~」のソン・ジュンギ、「赤道の男」のオム・テウン、「烏鵲橋(オジャッキョ)の兄弟たち」のチュウォンなどがノミネートされた。一方、6月28日Banyan Tree Club&Spa Seoulで開催されるMnet「20's Choice」は、15日の投票開始8日目時点で150万件の投票が行われるなど、熱い反響を受けている。オンライン投票は27日まで行われ、受賞者の選定はオンライン投票(50%)、20代リサーチ調査(30%)、専門審査委員(20%)の点数を合わせた結果で行われる。朝鮮の王キム・スヒョンや現代の王イ・スンギらのうち、20代は2012年上半期のドラマスターに誰を選ぶのだろうか。