クラウド アトラス
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ZE:A グァンヒ、ウォシャウスキー監督に自ら出演オファー「僕もキャステングしてください」
アイドルグループZE:Aのグァンヒが、ウォシャウスキー姉弟監督に後続作に自分をキャスティングしてほしいと訴えた。グァンヒは16日午後、自身のTwitterを通じて「ウォシャウスキー監督、映画本当に面白いです。あ、英語で書かなければならないのか。ペ・ドゥナ先輩、本当に誇らしく思っています。姉さんしか見えなかったです。本当に素敵でした」と、映画「クラウド アトラス」を見た感想を語った。特にグァンヒは、感想の最後に「あ、監督さん、後続作には僕も是非キャスティングして下さい」と、自ら出演オファーをし、笑いを誘った。これに先立ってグァンヒは、3日韓国で放送されたMBC「黄金漁場-ヒザ打ち導師」でも、ウォシャウスキー姉弟監督に出会い、彼らの後続作にキュスティングしてほしいと、強い欲を表したことがある。「クラウド アトラス」は、映画「マトリックス」の監督であるウォシャウスキー姉弟と「パフューム ある人殺しの物語」のトム・ティクヴァ監督が共同演出を務めた作品で、トム・ハンクス、ハル・ベリー、ヒュー・グラント、スーザン・サランドン、ジム・スタージェスなど、ハリウッドスターたちが出演した。ここに韓国人女優であるペ・ドゥナが、映画を貫く重要な人物として出演し、映画公開前から話題を集めた。
「クラウド アトラス」ペ・ドゥナ、本当に根っからの韓国人なのか?
映画「クラウド アトラス」(監督:ラナ・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー、トム・ティクヴァ)に出演した女優ペ・ドゥナの演技と存在感に対し、韓国内外の観客は「驚いた」という反応を見せている。特に、ペ・ドゥナはアジア人(韓国人)に対する外国人の観点、またはアジア人に望むイメージを越えた新しいキャラクターとイメージでハリウッド進出に成功したという評価を受けている。「クラウド アトラス」は、19世紀から約500余年の視空間に渡って展開される6つのストーリーが一つのストーリーにまとまる作品で、ペ・ドゥナは、劇中で1849年のユーイング(ジム・スタージェス)の妻、1973年のメキシコ女性、遠い未来である2144年のクローン人間ソンミ-451に絶えず変身する。メキシコ女性を演じた時は、本当に驚くべき演技を見せた。顔の半分を埋めるメガネと大柄な体系、そして自然とスペイン語を駆使する姿は短いがコミカルかつ強烈な印象を残した。最初はペ・ドゥナであることに気づかず見ていたが、クレジットで俳優が扮装するシーンが登場した時、やっとペ・ドゥナだったということに気づいた観客も多い。「クラウド アトラス」の前からペ・ドゥナは国籍を超える魅力を持った女優として評価されてきた。是枝裕和監督の「空気人形」で人間の感情を持つようになった空気人形、のぞみを演じたペ・ドゥナは人形になって日本語をしゃべる、韓国の女優としては大胆な挑戦に挑んだことがある。ところが、北朝鮮人(「ハナ~奇跡の46日間~」)に扮し自然な北朝鮮訛りを駆使したり、得体のしれない怪物(「グエムル-漢江の怪物」)と戦ったこともある。韓国の女優で彼女とイメージが重なる他の女優はいないと言えるほど、自分だけの領域を確保しているとも言える。ラナ・ウォシャウスキー監督は「人種を超えた映画だが、それにもかかわらずソンミ-451は韓国人に演じてもらいたいと思った。そして普段から見守ってきたペ・ドゥナに連絡することになった」とし、ペ・ドゥナがソンミ-451のキャラクターの、人間的ながらも超人間的な姿をよく表現したと好評した。ペ・ドゥナは、同映画で自然な英語の演技を披露している。日本語、北朝鮮訛り、英語など、作品で母国語ではない他の言葉で演技したペ・ドゥナ。その秘訣を聞くと「よく分からないけど、『耳がいい』という言葉をよく聞く」と語った。彼女は、これからはより現実的なキャラクターを演じたいという希望も持っている。
ペ・ドゥナ「挑戦せず恐れているだけでは、人生はあまりにも短い」
映画「クラウド アトラス」クローン役考えを消せば、パズルが解けますある意味で映画「クラウド アトラス」は、女優ペ・ドゥナの人生と似ている。新世代スターというタイトルを後にし、映画「ほえる犬は噛まない」(2000)を選び顔に泥を塗った時も、「子猫をお願い」(2001)「復讐者に憐れみを」(2002)「グエムル-漢江の怪物-」(2006)等で印象深い演技を披露した時も、是枝裕和監督の呼びかけで日本の映画「空気人形」(2009)に出演した時も、毎回そのように注目されるとは予想していなかった。さらに、ウォシャウスキー姉弟とトム・ティクヴァ監督が共同演出した「クラウド アトラス」出演に至るまで、人々は彼女についてハリウッドに進出し、地道に段階を踏んでいったと話すが、計画していたものは何もなかった。瞬間の選択が今の結果を生んだ。Everything is Connectedすべてはそのようにつながっていた。「『クラウド アトラス』は一世一代のチャンスでした。それを進出と表現すれば、これを通じて他のものを得るということじゃないですか。そんなことは考えたことがありません。『空気人形』も特別なチャンスでしたが、それも意図したものではありませんでした。その瞬間その瞬間の選択の結果のようです」クローンのソンミ-451(ペ・ドゥナ)と純血人間チャン・ヘジュ(ジム・スタージェス)が登場する2144年のネオ・ソウルは、コンピュータグラフィックで作った都市だ。怪獣が登場する映画「グエムル-漢江の怪物-」でも、ペ・ドゥナはリアルなセットがある現場でのみ撮影してきた。そんな彼女にグリーンスクリーンでの撮影は新しいものだった。トム・ハンクスとハル・ベリー、ヒュー・グラント、ジム・スタージェス、ベン・ウィショー、ヒューゴ・ウィーヴィング等、ハリウッド俳優と共演することも新しい経験だった。3~4ヶ月間、ベルリンで暮らしながら、ペ・ドゥナは自身の演技を冷静に判断し、他の人の撮影を見る時は、あたかも他の映画を見ているように楽しんだ。ペ・ドゥナは「当時は冷静さを維持しながら、豪華な面々と一緒に演技していることを意識しませんでしたが、完成した作品を見ると、1つのアングルの中にいるのが本当に不思議で気分が良かったです。ドキドキしました」と振り返った。「クラウド アトラス」が描いた世界は回り回る。仏教の輪廻を連想させる。「無宗教であるうえ、宗教についての知識があまりありません」と自評したペ・ドゥナは「前世、後世とは関係なく、人と人の縁が1回で終わるとは思っていません」と話した。「クールな顔をしてますが、人との縁については徹底的に生真面目なほう」なので、縁は必然だと信じているという。また、自身が行う何かは、でたらめなものではなく、今の行動は必ず未来に影響を与えると信じています」と言う。女優ペ・ドゥナ vs 人間ペ・ドゥナ、そのギリギリの境界線それでは女優ではなく、人間ペ・ドゥナはどうだろうか。彼女は「リアルタイム検索ワードにペ・ドゥナの名前がある」と話すとびっくりする。実際に、インタビューを行った3日午前、検索サイトではペ・ドゥナすっぴんという検索ワードがあった。何の検索ワードかと聞くペ・ドゥナにすっぴんだと答えると、「それはまだいいほうですね」と安心した様子だ。「私は映画女優であり、一生懸命撮影した映画が世の中に出て、人々が私の顔を知ることになります。ある意味で有名なほうですが、私自身はまだスポットライトを気楽に感じられません。『クラウド アトラス』に加わったこと自体が大きな喜びで幸せであり、また異例のキャスティングじゃないですか。出演シーンも多いですし。関心が寄せられるしかありませんが、長い時間注目されたくはありません。ただ、周りの人々には知らせたいです(笑)」芸能人は常に人々の関心を受けるため、他の職業のように仕事中だけ徹底する職業人にはなれない。しかし、ペ・ドゥナは「もちろん、難しいですし、不可能ですが、1つの作品が終われば、それでもなるべく自分自身を元々のペ・ドゥナに戻すようにしています」と話す。芸能人だから、女優だから関心を受け、恩恵を受けようとせず、自らを真ん中に合わせようとするという。だから旅行が好きだというペ・ドゥナは「撮影現場でないところでは、女優として生きることにプレッシャーがある」と打ち明けた。「レッドカーペットや記者会見のようなところでは女優として楽しむべきだと思います。しかし、私だけの時間では忘れようと努力するほうです。私は女優だという自意識を持って暮らしてはいません。芸能人の友だちより10年、20年前の学校の友だちのほうが多いです。友だちはたまに私が女優であることも忘れるそうです。それは褒め言葉だと思います。欲張りなのかもしれませんが、私が女優である姿がバレるのもちょっと嫌です。そうしながら、私の映画を見て『友だちだけど誇らしい』と言ってもらうと、嬉しいです」2013年もペ・ドゥナはこれまでの人生観のように「与えられた状況でできるもっとも好きなことをしながら暮らしたいです」と話す。自身の演技を好きになってくれるなら、どこででも映画をしたいとも述べる。「クラウド アトラス」で英語で演技したように、フランス語の演技が必要であれば、喜んでフランス語を学びながら呼び立てに応えるという。「挑戦せずに生きるには、人生はあまりにも短いじゃないですか。なぜ恐れるんですか?挑戦できることに感謝しなければなりません。私はチャンスが来れば、怖いよりはドキドキして興奮します。できることが演技しかなくてずっとやって来ましたが、たまにまったく違う現場から私を呼んでくれるじゃないですか。初心に、新人時代に戻ったような新しさがあります。アーチェリーも習って、卓球も習いましたが、それくらいはどうってことないでしょう。できることだけして暮らすには人生は退屈だと思います」「今年は機会があれば、個人的に皮の工芸を学んで自分の鞄を作りたいです」という希望を述べたペ・ドゥナに「クラウド アトラス」を見る観客のために一言をお願いした。「考えを消してください。パズルがある瞬間解けると思います。見た後も、話すことがいっぱいある映画なので、お楽しみください!」
「クラウド アトラス」興行成績だけでは語れない“実験精神”
「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟と「パフューム ある人殺しの物語」のトム・ティクヴァ監督が意気投合して作った「クラウド アトラス」。デイヴィッド・ミッチェルの同名のベストセラー小説を原作としている。映画「クラウド アトラス」に登場する6つのエピソードで、主人公たちは見えない紐でつながっている特別な関係を結び、過去と現在、未来にもつながる絆の助けや干渉を受けながら、その時代にとって意味のあることを実行する。輪廻思想をベースにストーリーを展開していく「クラウド アトラス」の核となるキーワードは、時空を超越する愛と信義、運命だ。1849年にさかのぼって始まったある男女の愛と救いからストーリーは展開し、500年という時間を繰り返して、1つの絆に結集させる。1849年、1936年、1973年、2012年、2044年、2346年が複雑に絡み、時代を繰り返して続いていく主人公たちの絆を強調した「クラウド アトラス」は、簡単に解けないパズルのように複雑な結晶を成す。3時間を超える長い上映時間の中で、この難題を自ら解かなければならない観客のために、それなりに噛み砕いて見せようとする監督の努力が見えることは見える。しかし、いくつかの時代で様々な扮装やキャラクターで登場する俳優たちと6重奏が1つにまとまらず、各段落で区切りをつける構造はかえって観客の混乱をもたらすばかりだ。なぜ「クラウド アトラス」がアメリカ公開直後に複数の批評家から2012年最悪の映画に選ばれたかを如実に表す部分だ。 それにも関わらず、「クラウド アトラス」はあえて6つのテーマをパズルのように配列した監督の意図さえ把握すれば、どの大作映画より興味深く感じられる可能性があるように見える。大衆性よりも実験精神で武装した「クラウド アトラス」の独特さが如実に現れる部分は、俳優のキャスティングだ。トム・ハンクス、ハル・ベリー、ジム・スタージェス、ヒューゴ・ウィーヴィング、ベン・ウィショー、ヒュー・グラントなど超豪華キャスティングを誇りながらも、ヒュー・グラントの顔さえ分からない扮装で演技をさせる監督は、ウォシャウスキー以外にはそうはいないだろう。1849年には、アダム・ユーイング(ジム・スタージェス)の妻として完璧な白人扮装に続き、1973年のメキシコ人女性、2144年のクローン人間ソンミ-451として3段階の変身に成功したペ・ドゥナの存在感。最高の俳優たちが集まっただけに、演技の面で非の打ち所のない完璧なアンサンブルを見せたことも「クラウド アトラス」の長所だ。俳優たちの素晴らしい演技、独特な扮装に「クラウド アトラス」の長所を限ることはできないが、輪廻思想を通じて6つのストーリーを大衆的な1つの物語に形成しようと試みた挑戦に対し、物足りなさを残したことは、否定できない最も大きな映画の失敗原因である。しかし、それぞれの時代を生きる人物たちがメビウスの帯のようにつながった絆と運命を通じて、強者の貪欲のために生成された秩序や抑圧に立ち向かう勇気は、冷笑と絶望の時代にも関わらず生きなければならない私たちに向けて静かな響きを与える。アンディー&ラナ・ウォシャウスキーとトム・ティクヴァは、輪廻と運命という難解で長たらしいストーリーをスクリーン上で具現化しようとした。たとえ興行失敗で終わったとしても、そのチャレンジ精神だけは高く評価したい。将来の誰かが「クラウド アトラス」を通じて誰もが歓呼できる新しい映画ジャンルを構築し、映画史に残る人物になるかもしれないからだ。
「クラウド アトラス」ペ・ドゥナ“ハリウッド進出…考えもしなかった”
可愛らしい短髪ヘアとつぶらな瞳。15年も見ている顔であるが、なぜか飽きない。ゆっくりと瞬きしながら2144年のネオ・ソウルを見つめるペ・ドゥナ(33)から、好奇心あふれる少女の姿が見える。時間が経つほどフレッシュになっていく女性だ。時代を逆行するペ・ドゥナの前では、童顔と呼ばれるスターも頭が上がらなさそうだ。19世紀から約500年を行き来する時空間を背景に、次から次へと繋がる運命のパズル「クラウド アトラス」(監督:アンディー&ラナ・ウォシャウスキー、トム・ティクヴァ)。ペ・ドゥナは2144年、未来の国際都市ネオ・ソウルのクローン、ソンミ-451を演じた。必要によって搾取されたり、殺されたりもしたクローンがあふれる未来の世界で、ふと自我に目覚めたソンミ-451は、人間のヘジュ(ジム・スタージェス)に出会い、恐ろしい運命の渦巻きの中心となる。神になったペ・ドゥナは、2144年のソウルを掌握する本当の能力者だ。「ハリウッドスター」になったペ・ドゥナだが、変わらず隣に住んでいそうなさばさばとした少女だ。「ハリウッドスターになったこと、おめでとうございます」と挨拶をすると、なんだかくすぐったいといいながら過剰な修飾語はやめて欲しいとお願いした。自らをマイナー趣向と話すペ・ドゥナは、そのようなユニークさがハリウッドで少し新鮮に受け入れてくれただけだと謙遜した。ハリウッドの雰囲気に酔いしれ、天狗になった女優ではない。コリアンスタイルのマイナーペ・ドゥナのハリウッド入城記が知りたくなった。ハリウッド行きより「クラウド アトラス」に関心デビュー15年目、中堅女優だ。1998年、ある衣類ブランドのカタログモデルとしてデビューしたペ・ドゥナはその後、お茶の間とスクリーンを行き来しながら休まず精力的に活動してきた。疲れていそうなのに、変わらずエネルギーに溢れているエネルギッシュな女優だ。同じことをしたりしない。毎回新しいキャラクターで自分だけの色を表現した。追いつくことも、真似することもできないマイナーペ・ドゥナだが、大衆からの愛情だけはメジャー級になった。そんな彼女が韓国を越え、ハリウッドにまで進出した。「まさか出来るの?」という疑いと共に、「また、いつ『マトリックス』の監督と話せる機会が来るの?」と好奇心からラナ&アンディー・ウォシャウスキーとテレビ電話でインタビューをすることになったペ・ドゥナ。度胸のある人だ。真っ先に、ハリウッド進出を準備していたのかが知りたくなった。ペ・ドゥナは手を横に振りながら「決して」とハッキリ言った。意外な反応だった。他の俳優はハリウッド進出のために多くの努力をしているが、ペ・ドゥナは考えもしなかったことだそうだ。彼女は「正直、ハリウッド進出に興味がなかった。こんなこと自体が傲慢なのかも知れないが、平凡なハリウッド式のストーリーは好きではない」と話した。勧善懲悪、ハッピーエンドを取り扱うハリウッド映画にはもう飽きたということだ。興味が湧かず、最初からそちらは見もしなかったそうだ。それもそのはず、これまでのペ・ドゥナのフィルモグラフィーを見てみると、その反応が理解できる。そんなに頑固だったペ・ドゥナが結局、ハリウッドの超大作映画を選択したのは、他でもない独特な展開だった。彼女らしい選択だ。「『クラウド アトラス』には本当に大きな物語が盛り込まれています。おそらく、映画が公開され、観客の皆さんが見たら、私が言ったことを少しは理解してもらえると思います。特にソンミ-451の魅力はこれまで見てきたほかのキャラクターとはレベルが違います。作品そのものが魅力的です。私はハリウッド進出より、作品に惹かれました。ハハ」英語の教科書を読むように台詞を読んだオーディションのテープ、今見てもおかしいそのように、すっとハリウッドに足を踏み入れたペ・ドゥナ。撮影に入るまでダイナミックなエピソードが多かったそうだ。ペ・ドゥナの前作「空気人形」(監督:是枝裕和)を見て、ソンミ-451役にキャスティングしたアンディー&ラナ・ウォシャウスキーとトム・ティクヴァ監督はイム・ピルソン監督を通してペ・ドゥナと直接連絡を取った。スクリプトを見ながら監督と色々な話をしていたペ・ドゥナは、オーディションテープを送り、スクリーンテストを受けるためにシカゴへ飛ぶなど、私たちが知らない間、忙しい日々を送っていた。いきなりソンミ-451を演じることになったペ・ドゥナは、「秘密裏に進められたプロジェクトで、私もオーディションを受けて落ちたらどうしようと思い、自慢することも出来なかった」と冗談交じりに話した。「春の日のクマは好きですか?」以降、14年ぶりのオーディションなのに恥ずかしくて、落ちたら韓国の女優としてのプライドも傷つきそうで、極秘で監督とコンタクトを取ったそうだ。彼女はオーディションテープに関する笑えないエピソードも欠かさなかった。オーディションテープを初めて撮影したペ・ドゥナは、ウォシャウスキー監督にスクリプトにあるソンミ-451のワンシーンを演じてほしいという注文を受けた。当時、ペ・ドゥナは映画に出演するという意志より、ウォシャウスキー監督とテレビ電話ができるという楽しさに気軽に取り組み、助演であるユナ-939(周迅)役を演じるという予想とは違い、ソンミ-451を提案され、とても驚いたそうだ。彼女は「ハッとした。CM監督である兄(ペ・ドゥハン)がカムコーダで撮ってくれた。当時、兄が撮影しながら相手役をしてくれたが、今そのテープを見てみるとおかしくて何も言えないぐらいだ。兄も私も、まるで英語の教科書を読むように台詞を言った(笑) 監督たちも私の発音を心配していたが、撮影前まで頑張り、オーディションテープのような悲惨な状況は免れた」と説明した。「私が知る限り、監督自らが俳優に連絡するケースはないそうです。しかも、私のような新人女優の場合、キャスティングディレクターを通して連絡すると聞きましたが、私は特別なケースでした。後から聞きましたが、韓国の女優の中でもオーディションを受けた方がいて、海外の韓国系新人女優を含むアジア系の女優たちもほとんどオーディションを受けたそうです。実は、私が演じる役は本当にすごい役でした。何も知らなかった私がチャンスを掴めました」パパラッチのため、飲み会に参加できなかったトムおじさんとハル姉さん様々な面から、ペ・ドゥナにはいいきっかけになった「クラウド アトラス」だ。ワールドスターと一緒に演じることができる楽しさと、巨匠監督たちとの不思議な作業は苦ではなく、楽しい遊びのようだった。隣のおじさんを呼ぶように親しくなったトムおじさんハル姉さんはなかなか顔を見ることも難しいハリウッドスタートム・ハンクスとハル・ベリーを指すペ・ドゥナの新たな人脈だ。とりわけ和気藹々だった「クラウド アトラス」の撮影現場について質問すると、ペ・ドゥナはまず、満面の笑みを浮かべた。それだけ彼らとの作業は愉快で、幸せだったということだ。すべてのスタッフと俳優が「家族」のようだったと、迷わず話していた。ハリウッドスタイルではなく、韓国スタイルの表現だ。彼女は「撮影がない週末にはスタッフと俳優が集まってビールや焼酎を飲みにパブに行った。そこで、同世代のジム・スタージェスとさらに仲良くなったのは事実だ。もちろん友達以上ではないので、誤解はしないでもらいたい」と最近、自身を巡る熱愛説について言及した。ほとんどがイギリスの俳優で構成された「クラウド アトラス」チームは、お互いの撮影を気にかけ、現場を楽しんだと伝えた。合わせて、トム・ハンクスとハル・ベリーについて「いい人」とべた褒めした。「トム・ハンクス、ハル・ベリーと撮影をしていると雰囲気が本当に良くなります。ハル姉さんは、私がこれまで女優生活を送った中で初めて見る女優の姿でした。『こんなに優しい女優がこの世にいるだろうか?』といつも思います。ハリウッドスターたちはツンツンとして、エビアンみたいな高いミネラルウォーターばかり飲みそうだという偏見があるじゃないですか。でも、全然違います。毎日が驚きの連続でした。もちろん、彼らは基本的にパパラッチがついてくるスターなので、飲み会があってもなかなか来られない不便さはあります。むしろ、私たちに迷惑をかけるとホテルで隠れていたりもしました。ハル姉さんと同じホテルに泊まっていましたが、その事実も後から知りましたよ?本当に楽しかったです」
Vol.2 ― 「クラウド アトラス」ペ・ドゥナ“韓国アンビリーバブル!みんなすっかりハマっています”
ハリウッドスターが、大統領選挙の投票所に登場した?ネットユーザーは最近、ハリウッド俳優ジム・スタージェスが第18代大統領選挙の投票所に登場した写真に注目している。誰も考えたことも見たこともなかった空前絶後の出来事だったためだ。ペ・ドゥナは、「ジム・スタージェスをガイドしている途中で、投票をしなければなりませんでした。家の近くだったら一人で投票してから行けばよかったんですが、投票を坡州(パジュ)でしなければならず、一緒に行くことになりました。ソウルに戻る道で、南山(ナムサン)ケーブルカーに乗せました。仁寺洞(インサドン)も案内し、三清洞(サムチョンドン)も案内して。ツアーガイドをしっかりしてあげました」と、笑いながら話した。ペ・ドゥナに、自身が出演する映画「クラウド アトラス」のアンディ・ウォシャウスキー&ラナ・ウォシャウスキー監督とトム・ティクヴァ監督、恋人役のジム・スタージェスの来韓は、特別な意味を持っていた。家に友人を招待するように、誠心誠意彼らを歓迎した。その上、スケートをしたいというジム・スタージェスの一言で、市庁前の広場のスケート場にサプライズ登場した。ペ・ドゥナが見せた韓国人の暖かい人情は、レッドカーペットの現場でも輝いていた。14日午後、「クラウド アトラス」のために韓国を訪れたアンディ・ウォシャウスキー&ラナ・ウォシャウスキー監督とトム・ティクヴァ監督、ジム・スタージェスは、ソウル往十里(ワンシムニ)CGVで開かれた「クラウド アトラス」レッドカーペットのイベントで、韓国ファンの愛を一身に受けた。ファンの熱狂的な姿に、「アンビリーバブル!」を連呼していた。ペ・ドゥナは、「みんな、とても喜んでいました。監督たちは、10年以上メディアに自身の姿を見せてきませんでした。本人たちがインタビューを受けたがり、メディアに登場したのは初めてです。現地でも話題になりました」とし、「全身で観客の反応を体験したことは、あまりありません。韓国人は、愛情をそのまま表現するじゃないですか。『こんなに純粋で、全面的な支持ができるものですか?』と、監督たちとジム・スタージェスが喜んで帰って行きました」と明かした。さらに、「ジム・スタージェスはずっと『アンビリーバブル!』と言っていました。イギリスでは、そんな経験はできません」と話し、ジム・スタージェスが韓国ファンに喜び、「韓国映画に出演したい」と韓国進出に対する意欲を見せたという裏話を公開した。韓国に訪れた監督と俳優たちの人気は、本人たちが想像した以上のものだった。どこに行ってもファンが彼らに気付き、認証写真はインターネット上に公開された。疲れていても表情にあらわれる、幸せそうな気持ちは隠すことができなかった。ペ・ドゥナは、「韓国人として、こんなに誇らしいことはなかった。韓国人はとても暖かいです。(『クラウド アトラス』を)ベルリンに行って4ヶ月間撮影し、ロンドンで6ヶ月間英語の勉強をしました。少しの間、『ハナ~奇跡の46日間~』の宣伝のために2ヶ月間韓国に戻り、また行きました。でも、韓国人のように暖かく人情に溢れた人は見たことがない気がします」とし、「監督たちとジム・スタージェスがとても喜んでいました。すっかりハマっています」と話した。「クラウド アトラス」は、一人三役を演じたペ・ドゥナにも新鮮な挑戦で満足できるものだったが、映画を掲げて韓国に訪れた制作陣と俳優にとっても忘れられない出来事になるだろう。2004年に出版と同時に各種の文学賞を総なめにした作家デヴィッド・ミッチェルの同名小説を原作にした映画「クラウド アトラス」は、19世紀から近未来までの約500年の時空を行き来しながら繰り広げられる6つのストーリーがパズルのようにつながり、それぞれ異なるジャンル的な面白さを見せる作品だ。映画「マトリックス」のアンディ・ウォシャウスキー&ラナ・ウォシャウスキー監督と映画「パフューム ある人殺しの物語」のトム・ティクヴァ監督が共同演出を務め、ペ・ドゥナのほか、トム・ハンクス、ヒュー・グラント、ハル・ベリー、ベリー・ウィショー、ヒューゴ・ウィーヴィング、スーザン・サランドンなどが出演する。映画は来年1月9日に韓国で、来年3月15日に日本で公開される。
Vol.1 ― 「クラウド アトラス」ペ・ドゥナ“地に足がついている役を演じて見たい”
女優ペ・ドゥナは、圧倒的な存在感を放つ俳優だ。「ほかの俳優が演じたキャラクターをペ・ドゥナが演じたら?」という質問は簡単にできるが、「ペ・ドゥナが演じたキャラクターを他の俳優が演じたら?」という質問はしづらい。それだけにペ・ドゥナが持つ意味は特別だ。映画「クラウド アトラス」の監督であるウォシャウスキー兄弟監督とトム・ティクヴァ監督もこうしたペ・ドゥナの魅力を見抜いたはずだ。ラナ・ウォシャウスキー監督は、韓国に訪問した際に行なわれたインタビューで、「映画ごとに多様な役を演じているが、それでもそれぞれ違う役の中で一貫する、ペ・ドゥナならではの何かがある、という感じがした。独自性を持ってそれぞれ違う人物を見事に表現できるのが長所だ」とペ・ドゥナを絶賛した。終始、ペ・ドゥナを称賛する姿を見ていると、彼らもペ・ドゥナしかできない演技に、すっかりはまっているのが伺えた。ペ・ドゥナは、ソウル三清洞(サムチョンドン)のあるカフェで行なわれたインタビューで、「俳優として小さな希望があるとしてら、子供の頃から非現実的なキャラクターと現実的なキャラクター、両方演じることができる俳優になるのが夢だった」と語った。実際ペ・ドゥナは、「子猫をお願い」のやさしいながらも無茶な魅力を持つテヒと、「ほえる犬は噛まない」の中の犬を探すために孤軍奮闘するアパート管理所職員ヒョンナムのように、身の回りで見かけることができるようなキャラクターから、「復讐者に憐れみを」の無政府主義者ながらも、彼氏(シン・ハギュン)に子供を誘拐しようと提案するヨンミまで、独特なキャラクターを演じてきた。さらに、是枝裕和監督の映画「空気人形」では、人の感情を抱くようになった空気人形ノゾミ役を演じ、人とも、それといって完璧な人形だとも言えない特別なキャラクターを演じ、生命を与えた。独特な歩みは、彼女のハリウッド進出作「クラウド アトラス」でも見られる。ペ・ドゥナが演じた役はソンミ‐145(以下ソンミ)だ。ソンミは人間の消耗品のように扱われるクローン人間だが、「クラウド アトラス」が伝えようとする主題を代弁する人物でもある。このように現実的なキャラクターと非現実的なキャラクターを行き来する彼女のフィルモグラフィーは、小さい頃夢だったペ・ドゥナの夢が叶ったという証拠でもある。ペ・ドゥナは、「小さい頃の夢が叶ったんですね」という言葉ににっこり笑い、「『空気人形』が少し新鮮な挑戦だった。今回クローン人間役も面白かった」と答えた。彼女は、「ソンミは映画の中で非常に重要な人物だ。最初キャスティングされたと聞いた時、何よりも私がソンミという役を演じることができ、ただ嬉しかった。最初にシナリオをもらった時、私がソンミ役を演じるとは思いもしなかった。当然、ソンミ役はすでにキャスティングが終わっていると思った。『何で私に送ったのか?』『どんな役で送ったのか?』と思った。後で監督と画像ミーティングをする時、『ソンミ役の台詞を読み上げるのを録画して送ってくれないか』と言われた。その時、気が引き締まった。オーディションを受け、監督さんの事務室に行ってスクリーンテストを受ける時も気持ちよかった」と当時を思い出した。だが、ソンミはそう簡単に演じることができるキャラクターではなかった。表面的には静かに見えるものの、心の中には巨大な渦巻きができていたからだ。これは高圧的な態度を取る父(ヒューゴ・ウィーヴィング)の代わりに、自分が信じて従う夫(ジム・スタージェス)と意を共にするティルダも同じだ。ソンミとティルダを演じたペ・ドゥナが表面的に自分の感情を爆発させることができたのは、果たしてペ・ドゥナだとは想像もできないほど、特殊メークをしたペ・ドゥナがメキシコ女性として登場した時だけだった。ペ・ドゥナは、「私は本当に(心の中が)吹き荒れた。性格上、演技をしながら全てのことを見せないよう、抑えている。とりわけソンミの場合、我慢するのが彼女の強さだった。そのため、心の中に渦巻きができているのを表現しないように、感情を抑えて、また抑えた。だが、大きなスクリーンを通じると、何でもかも見えると思う。それを信じて演じた」と説明した。続いて、「ベルリンで(『クラウド アトラス』を)撮影したのが大きく役に立った。ソンミにどんな感情も与えなくてよかった。当時私がソンミのように一人ぼっちだった。ソンミは自分の考えを支配され、収容所のような悲惨な生活を強いられ、初めて暖かい人に出会い、人間世界に慣れていく。そういう状況が、撮影現場でも起きた。寂しい状況で親切を経験し始めた。ベルリンの文化についてよく知らなかったが、自然に学ぶことができた。ソンミが成長していくように、私も成長していた。もし、本当に気楽な状況で撮影が行われたら演技が上手くできたのだろうか?もっと難しかったはずだと思う」と付け加えた。観客と同じく、ペ・ドゥナもそれぞれ違うジャンル、時代、人物に構成された6つの物語がパズルのピースのように絡み合ってひとつの物語として完成されるのを見て、驚きを隠せなかった。序盤登場する様々な人物と、韓国の観客には不慣れなオムニバス式構成が、ぎこちない感じを与えるかもしれないが、時間が経てば経つほど、映画に集中していく自分を発見することができる。ペ・ドゥナは、「よく分からないけど、シナリオを読みながら素晴らしい脚色だと思った。オムニバス式として構成されると面白くないと思ったが、6つの物語を一つの物語として結び、起承転結にしていくのが素晴らしかった。脚色が本当に良かった」と語った。、独特なキャラクターとしての存在感を発揮したペ・ドゥナは、これからは現実的なキャラクターを演じてみたいという意欲を見せた。フィルモグラフィーを見ると、「空気人形」と「クラウド アトラス」の間に「ハナ~奇跡の46日間~」という映画に出演したが、「コリア」で彼女が演じた北朝鮮のリ・ブンヒ選手も、結局想像力を通じて生まれたキャラクターであるためだ。彼女は、「逆に、地に足がついている役を演じて見たい。チャンスがあれば、非常に平凡な役を演じてみたい」と語った。また、「次期作はまだ決まっていない」とし、長い間マネージャーもなしに一人でやってきた海外生活に疲れたのか、「韓国で活動したい」と願いを語った。映画「クラウド アトラス」は、2004年の出版と同時に各種文学賞を受賞した小説家デイヴィッド・ミッチェルのベストセラー小説を原作にした作品で、19世紀から近未来まで約500年の時空間を越えた6つの物語がパズルのピースのように絡み合ってひとつの物語を完成させる作品だ。「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟監督と、「パフューム ある人殺しの物語」の トム・ティクヴァ監督が共同演出を引き受け、ペ・ドゥナをはじめ、トム・ハンクス、ヒュー・グラント、ハル・ベリー、ベン・ウィショー、ヒューゴ・ウィーヴィング、スーザン・サランドン、ジム・スタージェスなどが出演する。アメリカでは10月26日に封切られ、韓国では2013年1月9日に、日本でも2013年3月15日に公開される予定だ。
“幻想のカップル”ペ・ドゥナ&ジム・スタージェス「私たち本当に仲良しです」
女優ペ・ドゥナと俳優ジム・スタージェスが、最近行われたマガジン「Harper's BAZAAR」のグラビア撮影とインタビューで、言語の障壁を乗り越える友情を誇った。2人は映画「マトリックス」などを演出したウォシャウスキー姉弟監督と映画「パフューム ある人殺しの物語」のトム・ティクヴァ監督が共同で演出した映画「クラウド アトラス」で、ソンミ-451役、アダム・ユーイング役を演じながら友情を培った。この日彼らは、カメラの前でも終始一貫としてふざけあったり冗談を言い合ったりするなど、親友と楽しい一時を過ごすような良い雰囲気で撮影した。ペ・ドゥナの提案で行われた今回のインタビューで、ジム・スタージェスはペ・ドゥナと親しくなったきっかけについて、「初めて韓国の女優が来るという話を聞いたときは、どのようにコミュニケーションをしていくか悩みだった。しかし、言語の障壁のためだろうか、むしろより早く心を開いて、お互いにふざけあったり、お互いに笑わせようと努力しながら、早くから親しくなることができた」と述べた。彼はペ・ドゥナの演技に対し、「ペ・ドゥナは本当に驚くべき女優だ。他の女優とは異なり、本気でキャラクターを演じる。一緒に演じながら本当に多くのものを学ぶことができた」と語った。ペ・ドゥナもまた、ジム・スタージェスに対し「本当に潜在力が大きい俳優だと思ったのは、彼が本当に純粋であるためだ。映画の撮影が終わった後にさらに親しくなったけれど、それもまた撮影の間に私に見せてくれた配慮のおかげで、彼を友人として信じるようになったためだ」と伝えた。2人のグラビア及びインタビューは「Harper's BAZAAR」1月号を通じて楽しむことができる。
「クラウド アトラス」ジム・スタージェス“友達になったペ・ドゥナの故郷に来れて嬉しい”
冷たい海に背を向けた一人の男が静かに歌を歌い始める。「Is there anybody gone to listen to my story. All about the girl who came to stay?」ビートルズの名曲をミュージカル形式にした映画「アクロス・ザ・ユニバース」で、ジム・スタージェスが「Girl」を歌いながらスクリーンに登場したその瞬間、私たちはまたもう1人の男と恋に落ちた。ジム・スタージェスのファンたちにとって映画「アップサイド・ダウン:クリエイションレコーズ・ストーリー」「ワン・デイ 23年のラブストーリー」「クラウド アトラス」が次々と公開されたここ数ヶ月は、お祭りのような時間だったと思う。たった一人の女性のため重力にまで逆らう青年、一発殴りたくなるけど決して嫌うことができないソウルメイト、そして、自由のために闘争する反乱軍まで、SFやアクション、ロマンスを行き来しながら色んな顔を見せてくれた彼が韓国を訪れた。通訳者が言葉を訳す前から分かるはずのない韓国語に首を前に出して耳を傾け、可愛いという言葉に3分の2地点でさっと曲がる眉毛をすくめて笑うジム・スタージェスに出会った。彼との短い会話の後、頭に残ったのは、いたずらっ子のようだった第一印象と違い、質問をちゃんと理解して答えを探そうと眉間にしわを寄せる彼の誠実な表情だった。―記者会見を終えて韓国でどんなことをしたのか?焼酎に対する愛情を表したが、飲んだのか?(笑)ジム・スタージェス:寝た。ただそれだけだ(笑) 実は、舞台挨拶のため、マルチプレックスシアターを訪れた。イギリスではやったことのない広報の仕方だったので、珍しい経験だった。観客たちに実際会って、挨拶をして映画を紹介することが楽しかった。そして、カルビを食べて焼酎を飲んで、倒れて眠った。―記者会見で、手をあごに当てて他の人々の話に耳を傾けていたが、何を考えているんだろうと気になった。ジム・スタージェス:通訳者の話を聞いていた。通訳者は本当に凄いと思う。どうやってすべてを覚えて伝えるんだろう?僕にはないスキルなので、面白い。「友達になったペ・ドゥナの故郷に訪れることができて嬉しい」―海外プロモーションで様々な国を訪問したと思うが、韓国人の役を演じた「クラウド アトラス」で韓国に訪れたことはさらに特別な経験だと思う。ジム・スタージェス:招待を受けた時、かなり興奮した。最初は監督たちとペ・ドゥナだけ広報に行くのかなと思ったが、僕も来ることができて運が良かったと思う。映画で韓国人の役を演じたので、韓国に来ること自体が非常に嬉しかった。そして、映画を撮りながらペ・ドゥナといい友達になり、友達の故郷に来ることができて楽しい。―映画に出演する俳優たちが様々なキャラクターを演じるために色んな扮装をしたが、中にもジム・スタージェスさんが演じるチャン・ヘチュの扮装は、前もって分かっていなかったらジム・スタージェスさんということに気づかなかっただろうと思えるぐらいだった。二重まぶたを消したが、東洋人ということをはっきり見せようとした意図だと思ってもいいのか?ジム・スタージェス:もちろんだ。扮装は非常に興味深い作業だった。ただ、チャン・ヘチュは遥かに遠い未来の韓国人なので、色んな人種が混ざったという仮定のもとに作った。最初の頃は違う部分を色々変えてテストしてみた。偽鼻、偽頬、偽目をつけるなど、何回も変えてみた。でも、結局は二重まぶたを消すことになり、髪の色ももう少し黒いカツラをかぶった。―扮装を終えた後、一番最初に自分の姿を見た時、どんな気分だったのか?ジム・スタージェス:突然変わった姿を見たわけではなく、扮装をする間、ずっと自分の姿を見ていたので、驚きはしなかった。でも、目を一つ変えるだけで雰囲気がまったく変わるということは不思議に思えた。一つでこんなにも変わることができるんだと思って、興味深かった。「クラウド アトラス」のため、たくさん準備をして練習もしたが、扮装して衣装まで着て鏡を見たら、僕が本当にこの役を演じる準備が終わったという感じがした。演劇でもない映画でこんなに様々な姿を見せることができて、俳優としては本当にいい経験だった。僕だけではなく老人になったジェームズ・ダーシーやメキシコ人に変身したペ・ドゥナなど、他の俳優たちもみんな扮装をしてお互いに変わった姿を写真で撮って交換しながら冗談を交わしたり笑ったりした。そのおかげで、より仲良くなることができたし、撮影現場の雰囲気も良かったと思う。―チャン・ヘチュは違う人種であり、ソンミ-451(ペ・ドゥナ)を目覚めさせる重要な任務を担っている人物だ。内面的にもたくさん準備したと思うが。ジム・スタージェス:扮装は重要だが外形的な変化なので、内面に関してなるべくたくさん考えようとした。他のキャラクターを演じる時も同じだが、この人はどんな人で、どうしてこのような行動をし、どうしてこんな感情を持つのかに関して非常に悩んだ。インターネットで現代社会での奴隷制度について調べてみた。それがただ過去のことではなく、今でも続いている不適切な行為だったので、かなり衝撃的だった。そのような状況の中、もし僕ならどんなふうに抵抗するだろうか、もしくはどのように助けることができるだろうかなどをたくさん考えてみた。そして、チャン・ヘチュという人物は特定された任務のため、ソンミ-451に出会ったが、結局は、ある意味で大義のため犠牲にならなければならない彼女を愛するようになる。それで、僕が自身の感情を統制できないような、より大きくて強い何かが生じた時、その意味を理解して感じようとした。「『クラウド アトラス』は、ある行動と選択の意味をもう一度、ちゃんと考えてみるきっかけになった」―短い間、登場したスコットランド人の不良青年の役もとても可愛かった。ジム・スタージェス:可愛かったのか?アハハハハ。実際、チャン・ヘチュやアダム・ユーイングのような人物たちは、僕がストーリーを引っ張らなければならないので負担を感じたが、不良少年の場合、他人のストーリーに入って撮影すればいいだけなので、非常に楽しく撮影することができた。1日だけ行って戦い、家に帰ればいいから(笑)―前世や繰り返される運命、転生のようなことに対し、以前から関心を持っていた方なのか?ジム・スタージェス:以前、デジャヴのような経験をしたことがある。あ、これ、前にも経験したことがあるとか、ここに来たことがあるような感じが強く感じられた。でも、それに対して特別な意味をおいたことはなかった。でも、映画を撮りながら少し違う方向で考えるようになった。特に最近、撮影現場である少年俳優に出会ったが、あんなに幼い少年がどうしてあのように成熟した考え方をすることができるのだろうと彼に驚いた。それで、この子は前世にどんな人生を生きて、このように成熟した賢い魂を持っているんだろうと考えるようになった。―「クラウド アトラス」は登場人物も多く、ジャンルも非常に多様で時空間を複雑に行き来する。新しい挑戦をしたこの映画が、最終的には何を表現する作品だと言えるだろうか?ジム・スタージェス:さあ、この作品はこのような話をしているとはっきり言うことが難しい。何かを指差しながらこれだと見せるわけではなく、観客が自ら自然に感じるようにする映画であるから。映画の中に深くて独特なアイデアがたくさん登場する。もちろん、6つのストーリー全体を貫いていることはラブストーリーだが、その他にも宗教や科学の話もあり、会社がどのように間違った運営をしているのかについての話も出てくる。中でも僕が特に印象深かったことは、ペ・ドゥナが演じるソンミ-451の存在だった。―どんな理由からなのか?ジム・スタージェス:ソンミ-451は科学により生まれた存在だが、未来世界で一種の宗教的な崇拝の対象になる。科学と宗教がどのように繋がることができるのかに関して話していることなので、特に印象深かった。そして、個人的に考えるこの映画のメッセージは、現世で僕が行うある行動が将来に影響を与えるということと、だからちゃんと行動し責任を取るべきということだ。アダム・ユーイングのちょっとした親切さで色んなことが生じてしまうのを見て、僕も今、この時間を生きながら行動をしたり選択をすることに対して、その意味をもう一度ちゃんと考えてみるきっかけになった。僕たちが作り出すエネルギーというか、気のようなものが、ただ消えるわけではなく、循環しながら繰り返して影響を与えるんだと思う。―数日前に公開された映画「ワン・デイ 23年のラブストーリー」での姿は、「クラウド アトラス」での姿とまったく違う。特に、デクスターはジム・スタージェスさんの容貌から感じられる第一印象と似ているので、より面白かった。いたずらっ子に見えるというか、悪いことをしても嫌うことがまったくできないところがジム・スタージェスさんによく似ていた。ジム・スタージェス:デクスターが取る行動は確かに悪いが、愛するしかない、非常に魅力的なキャラクターだった。だからその役を選んだ。彼はとても複雑な性格を持っている人物だ。人がある行動をするには常に理由がある。例えば、偉そうに行動する人々の場合、実は心の中に弱さを持っており、それを隠すため逆に強がるんだと思う。そのため、デクスターを演じる時、強がるけど弱い内面を同時に見せようとした。また、「ワン・デイ 23年のラブストーリー」はラブストーリー自体も面白いと思う。観客たちが見る時、あの2人はお互いに愛していることは間違いないのにどうしてああするのかと思わせる。つまり、2人が愛し合ったとか幸せに生きるというような話ではなく、かなり複雑なことを経験するストーリーなので、面白かった。「ミュージシャンとして成功するため、マンチェスターに引っ越した」―「ワン・デイ 23年のラブストーリー」で、それぞれの時代を説明してくれる音楽が流れるところが印象的だった。ジム・スタージェスさんは演技だけではなく音楽活動も行っているが、映画の中で流れた曲の中で、一番気に入った曲は?ジム・スタージェス:ハッピー・マンデーズ(Happy Mondays)の「STEP ON」が一番好きだ。「ワン・デイ 23年のラブストーリー」の撮影の間、アン・ハサウェイさんとそれぞれ好きな音楽を用意してきて、メイクアップの時にそれを聞いた。今日はOO年度の撮影を行うと言われたら、その時の音楽をかけて感情を作り出した。映画の背景になる時期にオアシスやブラーのようなバンドたちが大人気だったけど、僕もマンチェスター出身のバンドたちの音楽を聞きながら成長したので、非常に楽しかった。―実際、マンチェスターの音楽シーンが好きで、大学に入学してからマンチェスターに引っ越したと聞いたが。ジム・スタージェス:バンド活動をしていたが、他のメンバーたちがみんな大学に行って僕一人だけが残った。僕は自分たちが凄いバンドになると思ったのに、みんなから違うと、学校に行かなければならないと言われた。それで、マンチェスターの音楽シーンが好きだったので、そこでミュージシャンとして成功しようと思い、マンチェスターにある大学に登録した。でも、そこでは音楽をする人々より映画や演劇をする人々と仲良くなった。そこで、演劇の台本を書いて演技をしたことがあって、それを見たある人がロンドンにあるエージェンシーを紹介してくれた。それで、俳優になるため、もう一度、ロンドンに行った。それなのに、ロンドンではバンド活動もした(笑) 音楽をやろうとマンチェスターに行っては俳優になり、俳優になろうと行ったロンドンではもう一度音楽をした経験が非常に面白かった。―「アクロス・ザ・ユニバース」でずば抜けた歌の実力を披露したが、ジム・スタージェスさんにとって音楽活動をすることは演技をすることとどのように違うのか?ジム・スタージェス:「アクロス・ザ・ユニバース」は、監督がバンドで歌を歌う若いイギリス男性を探していたので、その役を演じることができた。演技と音楽は両方ともパフォーマンスがあるという点で、その出発点が似ていると思う。ただ、音楽はもう少し個人的な領域なんじゃないかと思う。例えば、「クラウド アトラス」の場合、デイヴィッド・ミッチェルという作家が書いた本を、3人の監督が脚本化し、それを僕が演技を通じて表現することになる。でも、音楽は僕が感じること、僕の中で作られた何かを僕を通じて表現することだ。それから、音楽は一人で演奏したり歌を歌ったりすることで満足することができるし楽しむこともできるけど、演技は部屋の中で、一人でやっても自己満足にはならないから。―そしたら、2つを融合した作業をしたい気持ちもあるのか?もし、チャンスが来たら、どんなことを表現したいのか?ジム・スタージェス:さあ、僕は音楽と演技を分けておきたい。以前、映画「Heartless」や「正義のゆくえ I.C.E. 特別捜査官」のように出演した作品のため作曲をしたことはあるけれど、基本的にはその2つを分けておきたいと思う。そのため、ミュージシャンやバンドのメンバーとして映画に出演してほしいという出演交渉はいつも断る。取り合えず、僕にとってはクリエイティブなエネルギーを使うという点で、両方とも重要だ。でも、演技をしていない時、僕の創造性を高める出入り口として音楽が必要だ。
ペ・ドゥナ「この顔で30年以上生きてきたので飽きた」
女優ペ・ドゥナが、妄言スターになった。17日に韓国で放送されたSBS「良い朝」には、映画「クラウド アトラス」に出演したペ・ドゥナがインタビューを受ける姿が放送された。彼女はこの日、「クラウド アトラス」を通じて驚きの特殊メイクで韓国人からメキシコ女性、アメリカ人までの1人3役を演じた感想を明かした。ペ・ドゥナは「私はこの顔を30年以上見てきたので、少し退屈で飽きる時もある」と話した。さらに、「だから、変身するのは本当に楽しかった。本当に他の人に」とし、「新しい私の姿を見ることができて、それが一番楽しかった気がする」と感想を明かした。
「クラウド アトラス」斬新な構成で繰り広げられる“ネオ・ソウル”の世界
映画「クラウド アトラス」は原作小説の6つの物語を分けて、一つに貫くメッセージに続き再び物語を繋げた。1849年から2321年までの500年ほどを、6つの視角で物語を繰り広げ、この中で連結輪を探して、一つの物語のように構成した映画だ。オムニバス式の構成をもう一度交差させたこの映画は、構成方式だけでも斬新な挑戦で、完成された映画に対する意見もはっきり分かれている。そして、この映画の中心部に2144年の未来のソウルを描いた「ネオ・ソウル」編がある。映画を作ったトム・ティクヴァをアンディー・ウォシャウスキー、そして、ラナ・ウォシャウスキー監督とソンミ-451役を務めたペ・ドゥナ、彼女の相手役のジム・スタージェスが映画の中の「ネオ・ソウル」の原形であるソウルを訪ねた。初めてソウルを訪問したアンディーとラナ・ウォシャウスキーはこのように叫びながら挨拶をした。「私たちはソウルの兄弟姉妹です!」 ―映画の中で「ネオ・ソウル」は2144年を背景に描かれた。2012年のソウルに実際に訪問してどうなのか。トム・ティクヴァ:とても興奮している。「クラウド アトラス」の中でソウルは重要な舞台だ。映画では200年ほど未来のソウルが描かれているが、ソウルには事前に訪問せずに映画化したので、韓国の観客が映画の中の「ネオ・ソウル」をどう見てくれのるか気になっている。―事前に訪問をしなかった理由はあったのか。ラナ・ウォシャウスキー:未来のソウルを想像する時、限界を感じるかもしれないと思い、訪問しなかった。実は、前世で配偶者が韓国人だったように、ソウルを近く感じている。普段もキムチを好んで食べるほど韓国に深い愛情を持っている。―6つの物語がパズルのように編集されている作品だが、同名の原作小説を脚色しながら大変なことはなかったのか。アンディー・ウォシャウスキー:そこまで大変ではなかった。原作の構成があまりにも良かった。映画を作るためにプロジェクトの序盤に原作を解体した。作業は6つのストーリーの間に存在する関係を探すことから始まった。関係に基づいて6人の主要人物を分析した。映画の序盤作業から後半の編集過程が進行されるまで、新しいつながりを続けて発見し、これを適用しながら作り出した。面白い過程だった。 「『ネオ・ソウル』は差別や区別がない世界を表現したかった」 ―「ネオ・ソウル」の風景を見ると、日本あるいは中国らしい要素が全て混ざっている。これは3人の監督の脳裏をかすめたソウルのイメージを基にしたものか。ラナ・ウォシャウスキー:韓国あるいは日本らしいものなので、それを観た人が場面と設定を選択して受け入れた結果だと思う。私たちは持っている慣習や因襲、そして慣行を飛び越えて視覚的に神秘的な美しさを表したかった。「ネオ・ソウル」のスカイラインを見ると日本や中国だけではなく、アンコール・ワットのような感じもする。あるいは現代的な要素がすべてミックスされている。そのまま再現したというよりは、映画のために選択をしたと思えば良い。差別や区別のない世界を表現したかった。―トム・ティクヴァ監督は劇中の人物でロバート・フロビシャーの「クラウド アトラスの6重奏」を自ら作曲した。監督である本人にとって、音楽を通じて映画を描くのはどんな意味なのか。トム・ティクヴァ:どんな映画を制作しても、私は音楽を通じて全般的な映画をデザインする段階がとても重要だ。監督として音楽で視覚を表現するのは本当に楽しい作業だ。撮影前から特定の雰囲気を伝えるための方法として音楽を使う。これは俳優にも重要なツールとなる。俳優が演じる人物を分析してその雰囲気を引っ張り出す時、役に立つと思う。特に今回の映画は、ほとんどがグリーンスクリーンを背景に撮影したので、音楽を使って俳優に演技しやすい雰囲気を作ってあげたことで大きな影響を与えることができた。―作業の方向と進め方を考えた時、3人の監督が演出することを決めるのは容易でなかったと思う。トム・ティクヴァ:私たち3人とも「クラウド アトラス」という原作小説が好きだったことが、共に作業するようになった大きな理由だった。もう一つの大きな理由を挙げると、私たちが監督としてお互いに惹かれてしまったからだ。監督というのは普段、それぞれの映画に没頭しすぎて、よく自分の世界に閉じこもる。私たちは以前から愛情と親睦の深い間柄で、お互いの友情を通じて自然に映画に対する絆と共感を築き上げていたため、共に作業することを決め、特に問題なくやっていけると思った。―キャスティングする段階で、ペ・ドゥナという韓国の俳優が採用された理由が気になる。ラナ・ウォシャウスキー:映画「子猫をお願い」でペ・ドゥナを初めて知った。彼女の映画を見て「わ、あの人誰だろう?」と思った。その後、「復讐者に憐れみを」などペ・ドゥナが出演した映画をほとんど観た。「クラウド アトラス」の映画構想の段階で、ソンミ役は韓国の俳優が演じた方が良いと結論を出した時、ペ・ドゥナが思い浮かんだ。―作業がすべて終わった今、ソンミ役にペ・ドゥナが最適だと思った期待は満たされたのか。ラナ・ウォシャウスキー:ペ・ドゥナが演じたソンミ役は複製人間にもかかわらず人間的で、他の観点から見ると、人間的な姿も持っている人物だ。子供のように純粋だが、革命を導いたりもする複雑な役で、その微妙なところまでしっかり表現してくれた。ペ・ドゥナは撮影の間ずっと、彼女とレンズの間に何もないかのように、ソンミそのものになっていた。弱さと強さの両面を立派に演じきった。「私にこんな立派なシナリオが渡されるとは想像もしなかった」―「クラウド アトラス」からオファーが来たとき、ペ・ドゥナさんは興奮と驚きを同時に感じたと思う。ペ・ドゥナ:初めてスクリプトを渡された時、カバーに書いてある3人の監督の名前を見ただけで「えっ!私にこんなに立派な監督からオファーが来るとは。どうして私のことを知ってるんだろう?」と思った(笑) シナリオの内容が少し複雑だったけど、「私なら上手くできる」と思ったこともあった(笑) いつも映画で見ていた俳優と一緒に撮影することになり、何だか不思議で幸せだった。キャスティングされた後に映画について口を慎まなければならなかったけど、ずっとソンミ役について自慢したかった(笑) ―ペ・ドゥナさんは日韓合作映画に出演したことがあり、今度はアメリカの映画にまで進出することになった。各国の制作過程に感じた相違点があるのなら。ペ・ドゥナ:韓国と日本、そしてアメリカの映画に出演できたことは、本当に幸運だと思う。もちろんそれぞれ相違点はあるけど、それが国によるものだとは思わない。ハリウッドメジャースタジオの映画なのか、独立映画なのかによって違ったり、それぞれの映画が持っている環境的な要因の違いだったり、監督の違いの差である。―ジム・スタージェスさんはペ・ドゥナさんと呼吸を合わせながら、やむを得ず言語の障壁が原因で共感する部分に困難が生じた時があったかと思う。ジム・スタージェス:言語の壁はもちろんあったけど、それ以外に違うものを通じて共感することを望んでいたので、違った方法で疎通しようと努力した。映画を準備しながら、ペ・ドゥナさんが出演した作品を見たが「演じた人物ごとに全て違った表現で演じられるのか」と驚いた。静かな内面の裏は、それぞれの人物が持っている性格を表情を通じて描き出す女優だった。俳優には生まれ持った演技力も必要だが、テクニック面でも必要な部分があって、彼女は両方を兼ね備えた人だと思う。映画の撮影の間、ペ・ドゥナさんにロンドンとスペインを案内したけど、今回は彼女がソウルを案内してくれる番だ。とても期待している。特にその中でも、韓国焼酎を飲むことを楽しみにしている(笑)―他の俳優たちと同じくジム・スタージェスさんもたくさんの人物を演じたので、変装に近い扮装をしたと思う。ジム・スタージェス:たぶん、一つずつ出演をオファーされてもこんなに様々なキャラクターを短期間に演じるのは難しいだろう(笑) 撮影前にメイクアップのテストのため、ベン・ウィショーと会ったけど、6時間の扮装後に再び会った時、私は韓国人になっていて、ベン・ウィショーは女装をしていた。そのまま自然にランチを食べに行った。そうするうちに、この映画によって楽しいことをたくさん経験できると思った。ソンミの相手役であり、アクションヒーローのようなチャン・ヘジュを演じながら一番印象に残ったシーンは、ペ・ドゥナと一緒に非常口から脱出する場面だった。リアルな撮影のために非常に長い時間アクションを準備して撮影したが、たった10秒しか映らなかった。アクションは本当に難しい(笑)―アンディーとラナ・ウォシャウスキーは映画「ニンジャ・アサシン」でチョン・ジフンとも一緒に作業しているが、注目している韓国俳優はいるのか。ラナ・ウォシャウスキー:ひとまず韓国の映画産業は、アクション、ドラマ、コメディなど様々なジャンルの面白い映画と優れた俳優を排出している。途方もない成長を成し遂げていると思う。立派な俳優がいるなら、韓国で映画を制作することもやはり可能だ。チョン・ジフンはものすごい才能を持っている俳優だ。Physical Geniusと言いたい。アクション分野にいて先天的に卓越しており、お手本としてアクションを見せたら、素早く再現できる驚くべき能力を持っている。今は軍隊にいるけど、また会えることを願っている。―前世や輪廻転生の概念がアジア圏の観客には馴染んでいて、食傷気味に感じるかもしれない。先入観を持つ韓国の観客に監督としてこの作品の魅力は何なのか説明してほしい。トム・ティクヴァ:私もまだこのようなジャンルの映画は見たことがない。輪廻、前世、後世の概念をタイトルにしたけど、この映画の魅力は、私たちが馴染んでいるものと新しいものを共に発見できるということだ。因習や慣行、そして慣例を越えて、新しいものを探し求める人が楽しめる映画だ。既存の馴染んだお決まりの映画を念頭に置いてこの映画を見るのなら、大変なこともあると思う。ストーリーや視覚的な映像がいろんな知識と文化、そして成長背景などを混ぜ合わせて見せている。特に原作の作家が欧州の人だけど、日本人と結婚して東洋の文化にも近い人である。いろんな文化を混ぜ合わせ、精神的な世界だけではなく、世俗的なものまで混合している。魂がそれぞれ違う時空と人種、性別を超えて思想的なことから抜け出し、生物学的な、遺伝的な部分まで繰り返すのを見ることができる。原作自体がいろんな場所を背景にしているので、韓国の観客が期待している馴染んだ部分と斬新な部分を共に味わうことができると思う。
「クラウド アトラス」のウォシャウスキー姉弟、14日「ヒザ打ち導師」の極秘収録
映画「マトリックス」シリーズ(1999~2003)のラナ&アンディ・ウォシャウスキー(米国)姉弟監督が、MBC「黄金漁場-ヒザ打ち導師」(以下「ヒザ打ち導師」)に出演する。ウォシャウスキー姉弟監督は本日(14日)の午前、「ヒザ打ち導師」の収録に参加する。姉弟はぺ・ドゥナが出演し注目を浴びている新作映画「クラウド アトラス」の公開を来月10日に控え、PRのために韓国を初訪問した。今回の「ヒザ打ち導師」への出演もまた、映画の広報の一環として極秘で実現されたという。映画界、放送界の関係者によるとウォシャウスキー姉弟監督は、韓国のバラエティ番組のうち唯一「ヒザ打ち導師」への出演を決定し、通訳まで同席し収録に臨む。「ヒザ打ち導師」史上初の、通訳が必要なスターの出演だと言える状況だ。12日に訪韓したウォシャウスキー姉弟は、記者会見などの公式スケジュールで、韓国に対する格別な愛情を示し注目を浴びた。それだけでなく、姉弟のうちラナ・ウォシャウスキーは元々男性で、名前がラリー・ウォシャウスキーだったが、数年前に性転換手術を受け話題となったことがある。「マトリックス」の演出、RAIN(ピ、本名:チョン・ジフン)が主演を務めた映画「ニンジャ・アサシン」の制作で韓国でも有名であり、性転換手術が話題を集めたという点、韓国に格別な愛情を持っている点など、色々な面で超特級ゲストになりそうだ。「クラウド アトラス」は、ぺ・ドゥナをはじめ、トム・ハンクス、ハル・ベリー、ヒュー・グラントなど有名俳優が大挙出現し話題となった作品だ。同名のSF小説(原作:デビッド・ミッチェル)を映画化し、1849年の太平洋から2321年の未来の惑星まで、6つの異なる時・空間で繰り広げられるエピソードを通じて、終わりのない縁と輪廻を描いている。大物ウォシャウスキー姉弟が出演する放送は、早ければ今月末に韓国で放送される予定だ。