製パン王キム・タック
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Vol.2 ― ユン・シユン「視聴率50%ドラマの主人公?まだまだリスクの多い俳優」
―そのような面で、この作品を通じて多くの人々と出会ったユン・シユンという俳優はどう成長したのでしょうか。ユン・シユン:僕を最も成長させた画期的な変化があるとすれば、自分の弱さを認めるようになったことですね。以前は自分の弱さを怖がっていました。主人子を引き受けたのだから、僕の責任が重いとか、失敗は許されないとか、先輩たちの足手まといになってはいけないと思っていました。でもそれは間違った考え方でした。自分の弱さを認め、大変だと思えば共に分かち合うのが正しいとわかったんです。最終話が放送されてから涙を見せてしまったのもそうした変化の表れです。制作発表会の時は自分の言葉が一人でこだましているような気がしていました。全てのメディアから大手テレビ局2社から大作が出るのを知っているか>どうやって勝負するつもりか、そればかり質問されました。その時僕は、「キム・タックは絶対に負けない、魅力のある人物ですから必ず見届けて下さい」と答えましたが、それが空しくこだましているような感じだったんです。ところが、最終話が放送されて、その時のことが脳裏に浮かんで来たんです。僕はこの作品にこれ程多くの出演者がいるなんて知りませんでした。制作発表会の時は自分ひとりで自信もなさそうに「見守って下さい」と話していましたが、こんなに多くの人が僕を支えてくれて引っ張ってくれたからこそ、こうした記録も達成出来たんです。だからあの時質問した人々に見てもらいたいんです。「僕一人だと思ったでしょうけど、こうやって終わって見ると皆の存在が見えますよね」って。「製パン王キム・タック」が成功したのは事実ですが、誰も僕のことを視聴率50%ドラマの主人公になれるとは考えなかっただろうと思います。僕はまだまだリスクの高い俳優です。でもそれだけ弱いからこそ僕を支えてくれてキャラクターが生きるのだと思います。他人と共に歩めるエンジンにはなれるのではないかと思います。だからこそ、この弱さが好きなんです。「素敵な演技に執着するのは失礼だと思う」―周囲の人に助けられたとはいえ、実際にチョン・グァンリョルやチョン・インファのような先輩俳優と劇的な対立や葛藤を繰り広げる演技を新人の俳優がするのには無理があるのではないかと思っていました。ユン・シユン:僕はすごくポジティブで、あまり深く考え込まないんです。初めての台本読み合わせの日に監督さんと脚本家さんがびっくりしたのが、僕が二人のチョンさんの間に座って台本を読んだことだそうです。深く考えていないだけでしたが、こいつ怖いもの知らずだなって思ったそうですから。でも僕は先輩たちから受けるプレッシャーよりは、ただ単に学びたい一心でした。―二人の先輩方の反応は?ユン・シユン:チョン・グァンリョルさんは単に、本当に熱心だなって思ったそうです。その日の台本読みで僕の声が枯れてしまって、そしたらグァンリョルさんから「熱意は分かるけど、今君に必要なのは力を抜くこと」って言われました。チョン・インファさんもそうです。インファさんのソ・インスクという役とキム・タックは、とても対立するキャラクターですが、演技しているときは「このどうしょうもないクズ!」と言っても、カットの合図さえ入れば「上手い、上手い」と褒めてくださるんです。だから緊張もなくて、すごくよくして下さいました。―こうした経験が次の作品にはどう影響するでしょうか。ユン・シユン:先ほど話したように、弱点を好きになることです。自分自身を素直に認めて、これからもっともっとチームプレイを頑張る自信があります。自分ひとりではダメだということが分かっていますから。―スター性が高くなってもその心意気を持ち続けそうですね。ユン・シユン:当然です。本当に賢い人は自分が無知であることを知っている人だっていいますから。もちろん僕だって強い人になりたいです。だからこそ、もっと自分の弱さを謙虚に受け入れて活用する人になりたいんです。僕はそれほど面倒見のいい性格でもないし、人を引き付ける魅力のあるような人間でもありません。ただ嘘はつかないし、本心から助けてほしいと言うだけ。皆は僕の本心を見て助けてくれるのに、生意気になってはいけませんよね。僕がすごいから来てくれるのではなく、僕の本心を認めたから好きになって来てくれているのに、心変わりしてしまったらだめですよ。―でも、時にはスター性のある主人公の魅力で引っ張っていく作品もあります。ユン・シユン:作品はハーモニーだと思います。正直まだよく分かっていないんですが、先輩俳優の方々を見て答えているんです。全ては調和が重要だと思います。ある時は自分を下げる必要もあります。もちろん僕が目立って「おっ、いいじゃん?」式に視聴率が上がる場合もあるでしょう。でも、ドラマが終わってからも主人公しか残らない、映画を見てからこれってユン・シユンを見せるための映画だね、となると最悪です。それは芸能人であって俳優ではありません。僕はユン・シユンというキャラクターを演じているわけではないんですから。僕がスタイルのいいモムチャン(鍛え上げられた美しい体を意味する造語)になれば、キム・タックがもっと洗練されることもありだとは思います。でもそれはキム・タックではないでしょう? 周囲の人と調和するのがキム・タックなんですから。今度の作品であれほど綺羅星のような先輩方が出演していたにも関わらず、誰一人自分を押し出した方はいらっしゃいませんでした。イ・ハヌィさんだって実際にはすごく素敵な方なのに、作品ではただ面白くしていただけです。そうしたことを学びたいですね。僕よりもっと努力しているのに、まだ電車賃がなくて歩いて大学路にある劇場まで行って演技している方がどんなに多い事か。素敵な演技に執着するなんて、そんな方々に対して失礼だと思います。「面白くないことは全部僕がしているみたい」―本当に誠実ですね。ユン・シユン:作品はまだ二つ目ですけど、これまでに本当に多くのメンター(未経験者に助言を与えてくれる経験者や先輩)に会いました。俳優としての生き方を教えてくれた方がたくさんいたんです。有頂天になるようなことを教えたりするような人はいませんでした。―それだけ普通の暮らしを愛していないと出来ないことだと思います。ユン・シユン:本当に普通に暮らしています。本当に面白味のない人間なんですよ。周りの人と会って話すのが好きで、今も人々にすごく愛されて幸せというより、これで周りの人も幸せで楽しく遊べるということがいいんです。だって、広い乗り心地のいい車に乗って移動しながらスケジュールの話をしたり自分の事について話したり、最高でしょう? 自己啓発本などを読むと大きな夢を持てと言いますが、僕は本当に器が小さい人間みたいなんです。一生懸命に仕事をして、一時間でもいいから友達とビールを一杯飲むのが好きなんです。だからそれを守るために努力したいんです。―そうしたことからも分かるように、とてもファンを大切にしているようですね。ファンのネットコミュニティに直接書き込みをしていますし。ユン・シユン:最近忙しくてそちらに書き込みが出来ないのがとても申し訳なくて。「製パン王キム・タック」が終わって何か書くべきなのにそれが出来なくて。リレーインタビューをすべて終えてから書き込みが出来ると思います。―平凡な生き方だと言っていますが、誰もが文章を書くことを好きになるわけではありません。ユン・シユン:世の中で面白くないと言われていることは、すべて僕がしているみたいですね、本当に。スポーツだってするより見る方が楽しいし。―野球好きだと聞きましたが。ユン・シユン:熱狂的なファンです。野球好きは誰でも僕の仲間で、僕の友達です。そのくらい好きです。年中一番憂鬱になるのが野球シーズンの終わる日で、コリアンシリーズの決勝戦のある日です。これから何して暮らせばいいんだろうって本当に虚ろになるんです。本気でそうなるんですよ。だからシリーズの始まる4月には、目の前がぱっと晴れるような気持ちになります。―野球の何がそれほど好きなんですか?ユン・シユン:野球は守りのゲームだから好きです。野球では守りの割合がすごく大きいんです。9:1くらいかな。攻撃には生まれつきの何かが必要っていうけど、守備は本当に訓練から生まれるんです。だからいい守備の出来る人が本当に好きで、愛着もあるんです。―ユン・シユンさん自身も努力家ですか?ユン・シユン:努力家になりたいです。まだそうだと言い切れませんが、努力家になるつもりです。「韓国内外でいい影響を与える人になりたい」―ジュンヒョクやキム・タックのように自分と似たキャラクターではなく、英雄や悪役などを演技するためには多くの努力が必要ではないでしょうか。ユン・シユン:努力も必要ですが、結局重要なのは役を愛する気持ちだと思います。他の人を説得できるキャラクターを作るためには、キャラクターと仲良くなる必要があります。天才的な役者ならそれを完璧に想像できると思いますが、僕はそうではありません。だから、恋愛するようにそのキャラクターを好きになり、早く演じたいと思えば、似ていくように思います。関心がそこに集中しますから。キャラクターの特徴ばかり考えながら、その気持ちなどを考えると、その人になっていくんです。―では質問を変えましょう。どのようなキャラクターでも愛することが出来ますか?ユン・シユン:それは期間の問題でしょう。愛するのに長い時間がかかるキャラクターがあると思います。男女でもすぐ恋に落ちる場合だってあるし、1年2年と時間をかけて愛するようになる場合もあるでしょう?―この職業は決められた時間にそれをしないといけませんからね。ユン・シユン:短い時間を効率的に使うのが大先輩たちの技術だと思うのですが、まだ僕にはそれがありませんね。もっと長い目で見ないと。―バランスを保ちながら平凡さを愛し、いい役者になりたいというのは分かりました。それでも成し遂げたいことはないですか? スターになりたい以外にも。ユン・シユン:あります。大きすぎて非難されるかも知れませんけど、これは本心です。希望のキーワードのような人になりたいです。有名なボランティア団体の広報代表とか、韓国内外的にいい意味で影響力を持つ人になりたいです。そうしたエネルギーを持って演技をし、その演技によって人々の信頼を得ることの出来る、そうした人物ですね。広告主受けする人よりは、彼が一言言えば人々に大きな希望を与えると同時に何か良いことに参加出来そうな人物。本当に大きな夢ですし、必ずそうなりたいです。
Vol.1 ― ユン・シユン「子供と大人の真ん中、バランスを失わないように」
録音された内容を素早く整理し、締め切りに間に合わせるインタビューがある一方で、静かにインタビューへの返答を吟味し、繰り返し考えてしまうインタビューがある。ユン・シユンとの1時間あまりのインタビューを整理するのにとりわけ時間がかかったのは、それが後者だったからであろう。だからと言って空気が重いわけではなかった。デビュー作であるMBC「明日に向かってハイキック」で期待のルーキーとして浮上し、初の主演作品であるKBS「製パン王キム・タック」で視聴率50%の大記録を打ち立てたが、この25歳の若者は、いかなる驕りも虚勢もなく一貫して愉快に自分の考えを話していた。「自分の弱さが好き」と語り、それを守るだろうと念を押して。以下は軽快なリズムの中で、しかし決して軽くはない、言葉に重みのあったユン・シユンとのインタビュー記録である。この記録を読むあなたのマウスがゆっくりスクロールされることを願う。「ジュンヒョクもキム・タックも、好きで始めたことだ」―「製パン王キム・タック」が終わってからリレーインタビューを受けていると聞いています。こうした経験は初めてでしょう。ユン・シユン:そうです。今日はこれでもう4度目ですが、まだそれくらい残っています。―30話のドラマを終えて、すぐインタビュー漬けになるのは大変ですね。ユン・シユン:いいえ。これもひとつの手順だと思います。俳優のユン・シユンとして「ありがとうございました」と言える席ですから。キム・タックとして言えなかった話もできますし、大変貴重な場だと思います。―記者とインタビューを続けるのはどうですか?ユン・シユン:幸いにも、皆さん好意的で可愛がってくださいます。ときどき記者に気をつけろという話をしてくれる方もいらっしゃいますが(笑) 本心を話せばそのまますべて書いてくださいます。今まで記事の内容などで傷つけられたことはありません。別の見方をすれば、新人のころから好意的に見てくださっているので、ある種の責任感を感じたりもします。―本人の言葉どおり実質的なデビュー作である「明日に向かってハイキック」から大きな人気を得ています。でもドラマのタイトル・ロールを引き受けるということは、周囲の反応は抜きにしても、負担にはなりませんでしたか?ユン・シユン:負担です。負担ですが、これはもっぱら演技についてです。俳優として克服する必要のある負担でしたから、意味のあるものだと思いました。それを克服しないと成長できません。―「明日に向かってハイキック」のときは、自らジュンヒョクのようだと言ってましたが、今はまるでキム・タックのように話してますね。ユン・シユン:そうですか? 皆さんにそう言われてます。それはたぶん自分の役に対する愛情から来るものだと思います。恋愛しているカップルが似ていくように。僕自身、発声や発音、演技力、感情、動きといったすべてのものが、まだまだ足りていないことをわかっています。それでも役への愛情はあるんです。ジュンヒョクもキム・タックも。好きで始めたんです。だから似ていくんでしょうね。「バランスを保って、期待される人になりたい」―ほとんどの人は自分の好きなことをしていても怖気づいてしまいます。自分はどうだと思いますか? 上手く克服していると思いますか?ユン・シユン:僕は大胆に助けを求めてしまいます。ひとりでは絶対にできないということを知っているから。ひとりで溜め込むなんて絶対にしません。キム・タックもそうですが、僕らは似たところがあるんです。キム・タックを演じながら、負担になったり怖かったことも、他の人と一緒に克服できたのであって、ひとりで解決する精神力なんて持ち合わせていません。僕は大胆に勇気を出して、あなたがいないとできません、というタイプなんです。―普段は誰が力になってくれますか?ユン・シユン:一番親しい友人はマネージャーさんやスタイリストさんです。台本を読んだりご飯を食べながらする話が、どれだけ力になるかわかりません。彼らが僕を守ってくれるように僕も彼らを守る責任がありますから、それに対する責任感もあります。僕が彼らを頼りにするように、僕も彼らの頼りになる人になりたいと思っています。―スターになるのもそのひとつの方法ではないですか?(笑)ユン・シユン:そうですね、バランスを保っている人になれば誰かの支えになれると思います。支えになれるような根を張っているからこそ、誰かの頼りになれるのだと思います。派手なことを言える人が頼りになるのではなく、いつもそこに立っている人、そこへ帰りたくなる人が頼りになるんだと思うんです。25歳というのは、まだまだという感じもしますし、もう大人のような感じもしますが、バランスを失わないように努力しています。それができれば、僕の家族や親しい友達、これから僕が愛するであろう人まで、彼らにとって頼りがいのある人になれるでしょうね。―それには結局、自分の信念、もしくは基準が必要になると思うのですが、それは何でしょうか。ユン・シユン:前向きに考えることのパワーを常に信じています。そうした力が他人を変えることもできると信じていますし、いい物を見ていい事を考えていれば、自然といい事が起こるだろうと信じています。―キム・タックがそうでしたか?ユン・シユン:そういうタイプでしたね、いつも。ユギョンが揺れていてもいつもパン屋でパンを焼いていて、最後にすべてを成し遂げても、またパルポンパン屋へ戻って行きますよね。誰かとケンカしたり対立したりせず、前向きな姿勢ひとつで自分の夢を成し遂げています。だからと言って自分に厳しいわけでもないし、スパルタで自分をレベルアップさせる人なんです。試合をしたり理事会で人々の心を動かすときに勝ちたいと思うのではなく、過程そのものに意味があるんだって心構えで撮影しました。キム・タックはそんな人なんです。「キム・タックは英雄ではなく普通のことが好きな人」―ある人は頑張るほどになぜか隣の人を不安にさせたりしますが、キム・タックはそうした感じがありません。ユン・シユン:ただ自分がそれをするのが幸せなんです。最後の結果が出るときに緊張しているような演技をしたことがありません。ただそれをしたのであって、結果が出たらわぁ、終わったなんです。過程が好きだから幸せな気持ちだけが残るんですよ。試合が終わって笑うのだって、今勝ったから笑うのではなく、自分に親切にしてくれた子からもらった麦飯(麦と白米を混ぜて炊いたご飯)でパンを作れたのが嬉しくて、ピョンピョン飛び跳ねるんです。キム・タックは英雄ではなく、単に普通のことが好きな人なんです。―だから少し不思議なキャラクターでもあります。自分でも「人殺し以外は全部やってきた」というくらいに厳しい環境を乗り越えているのに、そうした純粋な面がありますよね。ユン・シユン:キム・タックと僕の共通点があるとしたら、器が大きいとかいい人とかではないという点です。キム・タックは熱血漢で単純な人で、そうした単純な中から前向きさを引き出したいと思ったんです。悲しいとそれを収めておくことのできない人物なんです。優しいからではなく、辛いから。過去に人殺し以外はすべてしてきたと言っていますが、それを心に溜め込んでいるような人物ではありません。もちろん母親や父親に対する懐かしさをすべて忘れたとは言い切れないでしょう。それでも今は小麦粉をこねてパン作りをすることに専念するんです。宇宙のような大きい痛みを溜め込んでおいてそれを耐えるのは辛いから。―しかし、そうして現在に専念することでキム・タックは成長しています。暴力も自分から使わないと決心するし、ジングも許すし。ユン・シユン:自分から成長したというより、すべてのことが成長の手助けをしてくれます。実際にキム・タックが誰かを許している訳ではありません。ただそれが順当なことだと認めたんです。そうだね、それもありだね、オーケー。そうやって相手を認めていくことによって自分が成長するんです。パルポン先生がパンについて教えてくれて、ジング兄さんは頼りになる兄さんになってキム・タックを支えてくれる確かなよりどころになってくれて、と。
【スターコラム】チュウォンのドラマ旅行「カッコいい男の饗宴」 ― Vol.2
ドラマ3本で確実にホットなスターになった俳優、チュウォン。とりわけ先輩俳優との共演が多かった彼だ。青春期にある男女の物語を描くミニシリーズ(毎週連続で2日間に2話ずつ放送されるドラマ)ではなく、家族の物語を盛り込むドラマで役者としてより一層成長したチュウォン。先輩俳優からの助言と励ましは、彼にとってもっとも大切な支えとなっている。/編集者NAVER スターコラム:チュウォン2010年6月29日「製パン王キム・タック」チョン・グァンリョル先輩のオーラとカリスマ!すべてが新しくて馴染めなかった「製パン王キム・タック」。悪役というプレッシャーが、僕をさらに緊張させた。また「うまくやらないと。作品に迷惑をかけてはならない」というプレッシャーも。同年代の俳優たちよりも、先輩が多い現場だった。もしかして何か間違いはしないかとびくびくしていた僕に、もっとも配慮してくださったのはチョン・グァンリョル先輩!普段も色々気を遣ってくださったチョン・グァンリョル先輩は、凍り付いている僕に色々温かい言葉をかけてくださり、演技の面でもたくさん助言をしていただいた。今振り返っても、本当に感謝の気持ちでいっぱいになる。チュウォンとチョン・グァンリョルは?コソン食品の会長ク・イルチュン役を演じたチョン・グァンリョルは、ク・マジュン役のチュウォンとは法的な父子関係。でも実の父親ではない。信念が強く厳しいイルチュンは「一生懸命働き、最善を尽くした分、結果が得られる」という考え方を持って生きる人物で、彼の実の息子はマジュンの宿命のライバル、キム・タック(ユン・シユン)。マジュンはイルチュンの愛を求め、イルチュンはそんな彼よりタックへの切なさの方が大きい。演技をするとき、チョン・グァンリョル先輩は特有のオーラを出す。見る人まで緊張させるので、その瞬間自然に役に入り込むしかなかった。カリスマ性溢れる、先輩だけのオーラにあやかりたい。向かい合って共演するときは、同じ男の目から見ても「カッコいい」という言葉が自然に出てくるほどだ。特に、深い眼差しは、先輩の演技をさらにカッコ良くしていると思う。僕も長く演技をしていたら、先輩のようにカッコいい眼差しを持つ俳優として成長できるだろうか!2011年8月6日「烏鵲橋の兄弟たち」最高の呼吸!ファン家の4兄弟雰囲気が最高だった「烏鵲橋(オジャッキョ)の兄弟たち」。特にファン家の4人の兄弟の呼吸は、今考えても最高だった。相性が良すぎて、一緒にカラオケにいってカツラを被って歌いまくって、本当に楽しく遊んだ記憶が今も強く印象に残っている。当時を思い浮かべると、また笑えてきた!年も皆それほど違わなかったので、本当に兄弟のようにしていた。チュウォンとファン家の兄弟たち?烏鵲橋農場のファン家の兄弟の3男、テヒ役を演じたチュウォン。上に兄が二人、下に弟が一人いる。長男のテシク(チョン・ウンイン)は、長男としての責任感は強いが能力はない人物で、優柔不断で小心者。次男のテボム(リュ・スヨン)は、幼い頃から優等生のエリートで、何でも完璧にやり遂げなければならない勝負師。人間として、記者としては完璧だが、どこか足りない。末っ子のテピル(ヨン・ウジン)は、カッコつけたがりの女たらしで、話術も巧みで手腕もよく、愛嬌も溢れている!ウンイン兄さん、スヨン兄さん、ウジンさん皆とこれまでも連絡を取り合い、しばしば会っている。互いに新作に取り掛かれば応援したり。「烏鵲橋の兄弟たち」を撮るとき、もっとも良かったのは、皆それぞれ、違う演技観を持っているにも関わらず、お互いを尊重していたこと。それでドラマが視聴者に大いに愛されることができたんだと思う。俳優たちの呼吸がよく合っていたので、その雰囲気がテレビを通じても十分伝わったのではないかな。ウンイン兄さんは、新人の僕に何か話しかけるのが気まずい場合もあっただろうに、まったくそんな素振りなく気さくに話してくれた。ウンイン兄さんは本当に、最高だった!2012年5月30日「カクシタル」キム・ウンス先輩の拍手同年代の俳優が多かった「カクシタル」。パク・ギウン、チン・セヨン、ハン・チェアもとても素敵だったが、今までもっとも記憶に残る素敵な方は、キム・ウンス先輩だ。後輩たちは、先輩の前で緊張するしかない。特に、演じる撮影現場では、先輩に一言話しかけるのも難しいほどだ。その上僕はもともと社交的な性格ではないので、先輩に近づくのが本当に大変だった。しかし、キム・ウンス先輩は自分の方から近づいて来てくださった。序盤の演技で、「こうやったら良くないかな」と助言もしてくださったし、いつも気を遣って下さった。当時も本当に感謝したけれど、作品が終わってからも長く心に残っているほど、感謝している。チュウォンとキム・ウンス?兄(シン・ヒョンジュン)に継いで第2のカクシタルとして活躍したガント役のチュウォン。彼は有能な巡査としての暮らしを続け、二重生活をしている。チュウォンとは同僚でもあり、また敵でもあるコンノコウジ(キム・ウンス)。総督部の警務局長で、超エリート官僚だ。軍人でない行政家らしく、客観的で合理的な思考方式を貫き、能力あるガントを寵愛する唯一の人物だった。ドラマが進むほど先輩の前で緊張しなくなり、そうなると演技においても自信がついて思うままやることができた。キム・ウンス先輩は僕の演技が終わったら「よくやった」と褒めてくださり、拍手までしてくださった。「うまくやっているのかな」と悩んでいるときに聞こえてくる先輩の拍手は、本当に大きな力になった。先輩の言葉と拍手、激励はドラマをリードするガントの支えとなった。遠い未来に、僕も後輩と演技することになったら、いっぱい褒め、励ましてやれる先輩になりたいと心に決めるようになった瞬間だった。「先輩たち、本当に、本当にありがとうございます!」文:チュウォン「NAVER スターコラム」は、注目の俳優やアイドル、アーティストたち本人がコラムを執筆。話題のスターが直接書いたコラムをお届けしています。
【スターコラム】チュウォン「僕の彼女たち」 ― Vol.1
俳優チュウォンはある日突然、彗星のようにという表現がぴったりの若手スターである。ミュージカルでデビューした彼は、3本のドラマで主演として活躍し、最高のスターとなった。そして着実に活動の幅を広げていった。人々は俳優チュウォンに対して関心を持ち始め、彼はバラエティ番組でも大活躍し、高い人気を集めている。これから彼と彼の3本のドラマを振り返りたい。マジュンとテヒ、そしてガントとして生きた彼の2010、2011、2012年のストーリーが始まる。/編集者NAVER スターコラム:チュウォン2010年6月29日「製パン王キム・タック」子供のとき憧れた元S.E.S.のユジン先輩が僕の目の前に「製パン王キム・タック」は、今振り返ってみると、心の余裕がなかった作品だ。テレビデビューした作品である上、担当した役もドラマの中心人物だったためだ。人物の役柄を設定するときは、主に監督さんや脚本家さんとたくさん相談をするほうだ。実際にこの作品をするときも、脚本家に週に1回電話をかけ、分からないことを質問したり話をしたりした。そして監督とは撮影に入る前にたくさん話したし。実際悪役は役者にとって心理的にも疲れるし、大変な作業だ。だから僕にとってマジュンは意味のある人物だ。ク・マジュン?コソン家の次男であり、コソン食品の後継者。優越感に浸っていて刺々しく気難しい性格だ。負けず嫌いで人に負けることは絶対我慢できない。父親譲りのタックに強い劣等感を持ち、それが最後まで彼を不幸にさせ、破局を迎えてしまう残酷だが哀れな男。マジュンとして生きていたときも、そして今もいつも考えることだけど、演技をするときは手放すことが必要だ。その時の僕は余裕がなく寂しい子供だった。不安と負担を少しだけでも手放すことができれば良かったのに。そのとき僕を導いてくれた人はユジン先輩だ。学生の時憧れの対象だったユジン先輩との共演は、まるで夢のようだった。ファンとして見てきた人と同じ作品に出演することが不思議でならなかった。演技をしながら徐々に知り合っていった時間も忘れられないと思う。ユジン先輩は右も左も分からない僕をちゃんと導いて下さった。多数の作品での経験から得たことをたくさん教えてもらった。憧れのユジン先輩のリードのおかげで、やっと誕生できたマジュンだった。男女の共演でもっとも重要なのは配慮だと思う。そして、何より心を開いていなければならず、劇中の人物になって相手に心を開かないと、演技で視聴者から共感を得ることはできないと思う。僕は過去の自分の憧れに心を開き、マジュンもそれに応えた。2011年8月6日「烏鵲橋の兄弟たち」しごいていた後輩が恋人になる「烏鵲橋(オジャッキョ)の兄弟たち」は本当に現場の雰囲気が最高に良い作品だった。スタッフや先生たちはもちろん、先輩や同年代の俳優たちとも息がすごくぴったりだった。そのため、雰囲気も自然と良くなるしかなかった。テヒとして生きている間、実際にも本当に温かい家族たちに癒されていた。ファン・テヒ?気難しく逞しい刑事、ファン家の三男だ。生みの父を交通事故でなくし、母が再婚して、チャンシクとボクジャの三男として育った。頑固でお世辞も言わず、口数も少ない。融通が利かない几帳面で、わがままな人の行動が我慢できない。諦めを知らず、根性と勢いだけは最高!テヒは気難しく冷静な人物だった。僕はそんな彼をなりたい人物と定義する。年上には礼儀正しく、またシニカルなようで純粋な一面を持っている。何より愛する女性のために身を投じられる、個人的には本当になりたいキャラクターだった。そんな彼に愛の感情を吹き入れた人はユイだ。テヒになった僕は、ガールズグループAFTERSCHOOLで活躍していたユイとラブストーリーを作り上げた。甘く美しいシーンは、誰より視聴者にきれいに見えなければならないため、そんなところがプレッシャーにもなった。共感を導き、実際にその人物になりきって演技をするのは容易ではないが、テヒを作るために本当にたくさん努力をした。ユイとは同じ大学の先輩後輩の関係だ。学校に通っていたときから可愛がっていた後輩だった。僕は大学時代、学校にほぼ住んでいたような学生だった。作業して練習して毎日を一緒に過ごしたが、その中の一人がユイだった。どの後輩より頑張る姿を見せてくれた。可愛がっていた後輩と恋人として共演すると思ったら、変な気持ちだった。大学時代、僕は怖い先輩だった。後輩たちにどこまでも寛大で優しいタイプではなかった。そのためだろうか。「烏鵲橋の兄弟たち」が始まり、序盤までユイは僕に丁寧に挨拶していた。たぶん、ユイはそのときまでも僕のことを接しにくく感じていたようだ。しかし、ドラマが展開するにつれ、僕たちの共演は自然になり、今は本当に仲良くなった。ユイと僕が共演した作品で賞をもらい、視聴者からも良い評価を得たりもしたので、僕も気分が良かった。2012年5月30日「カクシタル」子供のような純粋さ同じ年頃の俳優たちとの共演だったため、より記憶に残る作品「カクシタル」。一番大きく変わった点は、このドラマをしてからの人々の反応だ。お年寄りから幼い子供たちまで僕を知ってくれて、不思議な気分だったというか。イ・ガント?鐘路(チョンノ)警察署の刑事。しぶとくタフな性格の持ち主だ。王が支配する朝鮮ではなく、領主に靴を履かせていた部下が最高の統治者になる国、大日本帝国に忠誠を誓うことを決め、避けられない運命の荒波を越えていこうとする。ガントは二重生活をしなければならなかった。カクシタルとして、そして巡査として。そのため混乱も覚えた。また、真夏の撮影だったため、とりわけ暑かった今年の夏、制服を着て演技をするのは容易なことではなかった。それでも何とか乗り切れたのは、スタッフへの信頼、共演する俳優たちとも仲が良かったためだった。作品についてたくさん話し合ったり、本当に楽しかった。このすべてによって暑さを忘れることができた。チン・セヨンは僕より年下で可愛いく、僕になついて撮影中にいつも笑って楽しく演技をした。高校を卒業したばかりのセヨンは愛嬌たっぷりで、大変な中でもいつも笑顔を失わず、かえってスタッフを元気づけた。実は、僕はこのドラマで初めて会った。スタッフたちは「カクシタル」の女優のキャスティングをめぐって悩んでいた。ある日、監督がセヨンの写真を僕に見せ、意見を聞いた。僕は写真の中のセヨンを見て、モクダンのキャラクターにぴったりだと思った。実際に会ったセヨンはさらにモクダンのイメージと似ていた。実際の性格は非常に明るく、時には子供みたいに無邪気だ。女優として第一歩を踏み出したセヨンが、「カクシタル」で見せたようにいつも真面目であればと思う。明るく真面目なセヨンを先輩たちもとても可愛いがった。それで指導をしてあげることにし、僕も「こうしよう」と話をしながら会話で演技をしていった。顔だけではなく、心まできれいなパートナーに出会い、そのおかげで僕も輝くことができた。マジュンの初恋、テヒの妻、ガントの純愛に感謝の気持ちでいっぱいだ。文:チュウォン「NAVER スターコラム」は、注目の俳優やアイドル、アーティストたち本人がコラムを執筆。話題のスターが直接書いたコラムをお届けしています。
チュウォン「視聴率50%の『製パン王キム・タック』に出演したがすぐ忘れられた…人気はほんの一瞬」
チュウォンが人気とは一瞬のものに過ぎないため、それにこだわりたくないと話した。韓国で31日に放送されたSBSの芸能ワイドショー「SBSテレビ芸能」に、チュウォンが出演し、インタビューを行った。彼は役者の道に進んだ理由について「中学校の時、気が小さかったため、両親の勧めで演技を始めるようになった」と述べた。チュウォンはまた「演技がもっと上手かったら、とはいつも思っているけれど、『この作品で有名になりたい』という考えはしていない」とし、「『製パン王キム・タック』の視聴率は50%だった。当時は外に出られないほどだった。しかし、放送終了後一ヶ月半が過ぎると『どこで見たっけ?』という反応になっていた。人気とは一瞬のものだから、こだわってはいけないと思った」と語った。続いてどんな俳優になりたいのか、という質問には、「人間味のある俳優。自分の本来の姿を守っていく俳優になりたい」と話した。
「製パン王キム・タック」「栄光のジェイン」“そっくりな登場人物”
2010年9月に韓国で最終回を迎えたKBS 2TV水木ドラマ「製パン王キム・タック」の弟分とも言えるドラマ「栄光のジェイン」が、韓国で2011年10月12日に放送が始まった。1年ぶりに再会したキム・タックチームが作り上げる作品であるだけに、両作品は似ている部分も多い。主人公の成長と恋愛、家族愛を描いた「製パン王キム・タック」の構成要素が「栄光のジェイン」にもそのまま入っている。時代的な舞台の差を除けば、キム・タックと双子のように似ている弟のキム・ヨングァンだ。特に両ドラマの共通点の中で興味深いのは、そっくりな登場人物の構成だ。両作品は劇中の登場人物の性格や役割はもちろん、人物間の関係も非常に似ている。「製パン王キム・タック」の登場人物と「栄光のジェイン」の登場人物を1対1で比べてみた。◆不屈の熱血青春、キム・タック対キム・ヨングァンキム・タック(ユン・シユン)とキム・ヨングァン(チョン・ジョンミョン)は素手と不屈の意志だけで希望のストーリーを率いる正義の主人公たちだ。母子家庭に生まれ、その母親すら亡くなり、一人で街を転々としながら生きてきたキム・タックと、7年間も2軍の孤独なプロ野球選手で、貧しい生活に慣れているキム・ヨングァン。しかし、根拠のない自信で溢れている二人の辞書に、挫折という言葉はない。地面にヘディングをするような無謀な挑戦でも世の中に勝てる、正義は勝利するという事実を自ら見せつける人物だ。ただ、キム・タックには大企業の会長である実の父親ク・イルチュンという人生逆転の希望の道があるが、貧しいうどん屋の息子であるキム・ヨングァンにはそのような劇的な背景は存在しないというところが違う。◆前向き+ハツラツで一途な恋人、ヤン・ミスン対ユン・ジェインキム・タックにヤン・ミスン(イ・ヨンア)がいれば、キム・ヨングァンにはユン・ジェイン(パク・ミニョン)がいる。喧嘩をしながら生まれた愛情を恋人関係にまで発展させる主人公の恋人たちだ。元々性格が明るく、活力溢れる前向きなヒロインだ。キム・タックを目障りのように扱い、冷たいことを言う姿の裏には、優しい心で何も言わず彼を支えてきたもう一人のヤン・ミスンがいた。病院の救急センターに運ばれてきたキム・ヨングァンを看護するために徹夜をし、国家試験さえも受験できなくなるユン・ジェインの自己犠牲的な優しさは、キム・タック&ヤン・ミスンの恋愛模様の第2弾を予告している。◆冷たい財閥の御曹司、ク・マジュン対ソ・イヌ財閥の家柄にイケメン。すべてを兼ね備えている冷たい財閥の御曹司、ク・マジュン(チュウォン)とソ・イヌ(イ・ジャンウ)のことだ。主人公を戸惑わせ、混乱させる人物たちだ。彼らがいるからこそ主人公は一層義理堅くなり、視聴者の共感を得られる人物となる。二人は裕福な環境に恵まれているが、実は人には言えない悲しみを持っている悲しき悪役だ。コソングループの後継者としてすべてを兼ね備えているが、異母兄のキム・タックのせいで父親のク・イルチュンの心だけは手にすることのできなかったク・マジュンと、コデ商事の会長である親の手厚いサポートのおかげでプロ野球界の人気4番打者となったが、幼い頃に遭った誘拐事件の後遺症を患っているソ・イヌは、心に傷を抱えているところも似ている。◆野心溢れるチャドニョ、シン・ユギョン対チャ・ホンジュ前向きで明るい女性主人公のヤン・ミスンとユン・ジェインがいるならば、クールなチャドニョ(冷たい都会の女)シン・ユギョン(ユジン)とチャ・ホンジュ(イ・ジン)もいてこそキム・タック流のヒット方程式が成立する。シックな外見にクールで率直な性格、野心までもシン・ユギョンとチャ・ホンジュは似ている。さらに、二人の男性主人公の間で悩むところもそっくりだ。興味深いのは、シン・ユギョンとチャ・ホンジュを演じた女優ユジンとイ・ジンがそれぞれ90年代に韓国歌謡界を風靡したツートップガールズグループ、S.E.S.とFin.K.L(ピンクル)の元メンバーだというところだ。ライバルグループ出身であるだけに、二人の演技対決にも期待が集まっている。◆負けず嫌いの財閥の父親、ク・イルチュン対ソ・ジェミョンコソングループとコデ商事、大きな両企業の会長であるク・イルチュン(チョン・グァンリョル)とソ・ジェミョン(ソン・チャンミン)。負けず嫌いで徹底したCEO精神と自分の後継者である息子にさえも厳しいその姿は瓜二つだ。しかし、ク・イルチュンは自分の隠し子だったキム・タックの前では限りなく深い愛情を表し、優しい一面も見せる一方、ソ・ジェミョンは欲しい物を手に入れるためには手段を選ばず、世の中を動かす絶対の法則として弱肉強食を挙げるほど刺々しい人物だ。◆ナイフを隠している野心家、ハン・スンジェ対ソ・インチョル財閥家の一員であるが、胸の中にはナイフを隠している野心家がハン・スンジェ(チョン・ソンモ)とソ・インチョル(パク・ソンウン)だ。劇の序盤には主人公の味方のように登場するが、話が進むにつれ対立の中心となる人物だ。ハン・スンジェはク・イルチュンの右腕として人生の半分以上をコソングループと共にしたが、ク・イルチュンの妻と不倫を犯し、実の息子であるク・マジュンを盾に財産を横取りするための陰謀を企むなど、二つの顔を持っている人物だ。「製パン王キム・タック」のハン・スンジェは「栄光のジェイン」のソ・インチョルで再現されている。ダンディーな外見と優しい笑顔で一見ジェントルマンのように見えるが、実は暗く冷静で計算的な内面を持つ、表と裏でギャップのある人物だ。◆この時代のお転婆ママ、キム・ミスン対パク・グンジャシングルマザーの身で、女手一つで息子を育てたキム・タックの母親のキム・ミスン(チョン・ミソン)と、短気で強気、ケチな母親のパク・グンジャ(チェ・ミョンギル)はこの時代の勇敢なお転婆ママの手本を見せてくれる。自分の人生を犠牲にしてでも、子供を守るためなら何でもできるという二人のそっくりな母親の愛情は、ドラマの家族愛を描くに十分だ。【「栄光のジェイン」DVD情報】・「栄光のジェイン」特集ページ・「栄光のジェイン」DVD公式ホームページ●「栄光のジェイン」DVD-SET1 税込価格¥19,950 2012/10/3発売DVD6枚組/アウターケース付/ピンナップジャケット仕様【特典映像】制作発表会見Part1/ポスター撮影風景★レンタルVol.1~6同時リリース!●「栄光のジェイン」DVD-SET2 税込価格¥19,950 2012/11/2発売DVD6枚組/アウターケース付/ピンナップジャケット仕様【特典映像】制作発表会見Part2/パク・ミニョン インタビュー/イ・ジャンウ インタビュー★レンタルVol.7~12同時リリース!
【CLOSE UP】チュウォン ― 直球を投げる青春
未だにチュウォンよりク・マジュンという名前で親しまれている。「三種類あります。マジュン、テジョ、そして僕がタックを呼ぶ時のあの野郎(笑)」当然のことである。名前も顔も知られていない二十歳の新人俳優が、KBS「製パン王キム・タック」の主演に選ばれたことや、新人であるユン・シユンが主人公のキム・タック役を演じた同作品の視聴率が、50%を行き来する大ヒット作になるとは誰も思わなかった。「理由がなくても堂々としなさい」という話を繰り返し考えながらしかし、もしかしたらチュウォンは、ク・マジュン役との出会いを誰よりも自然に受け入れたのかもしれない。「最初に物語のあらすじと台本を読んだ時本当の悪役ではないと感じました。ソ・インスク(チョン・インファ)とハン・スンジェ(チョン・ソンモ)はこんなにも哀れなのに、悪役と言えるだろうかと考えてみました。そして、マジュンの話もそうでした。この子がこれからどれだけ厳しい人生を生きて行くのだろうかと考えると、とても心が痛かったです」欲望で壊れていく母と自分から遠ざかる父、心を開いてくれない恋人のせいで孤立し、挙句の果てにはタックをいじめ、陰謀に巻き込もうとするマジュンのキャラクターは、ドラマ初挑戦で演じるには決して簡単ではない役だった。しかし、脚本を担当したカン・ウンギョンの「できるよね」という言葉に躊躇することなく「できます」と答えた。「新しいことが起きた時、怖がる必要はないと思います。それが上手く行くかどうかは、一か八かやってみるしかない。頭の中で上手くできるかなと考えた時、自信がなかったらやれることでもできなくなるから」女優ムン・ソリが言っていた「理由がなくても堂々としなさい」という言葉に共感して、携帯の背景画面にその文章を書いて、忘れないように努力していたというチュウォン。しかし、彼は最初からこのように強い性格ではなかったようだ。中学時代、誰よりも背が高かったにも関わらず、気が弱く、内気だった彼を心配した両親が、演劇部への入部を薦め、「グッド・ドクター」で初めて警察役を演じ、学園祭の舞台に立った。その日、チュウォンは進路を決めた。「僕が話す時に笑ってくれなかった人たちが、セリフを言ったら笑うんです。あ、これって面白いんだ。もっと頑張ろう!と思いました」「20代の情熱を見せられるキャラクターを演じてみたいです」大学に入りミュージカルを始め、去年「Spring Awakening(春の目覚め)」でキム・ムヨルに続きメルキー役を獲得するまで、チュウォンを動かしたのは、衰えを知らない情熱だった。役を獲得できるかどうか分からない状況だったが、彼はキム・ムヨルの公演を約80回もチェックした。「ムヨルさんが演じたメルキー役を参考に、良いところは僕も同じような方法を考えてみよう。あれはちょっと違う方法で演じてみよう。このような内容を毎日ノートに書き込んで、家に帰って練習しました。その時、また感じました。あ、楽しい!(笑)」疲れを知らない、茶目っ気ある表情で、初めて経験するドラマの撮影システムの難しさも、地方ロケと徹夜が続いた撮影現場も「本当に楽しかったです!」と話す楽天的な性格は、ク・マジュンよりはキム・タックに似ている。「マジュンを演じているから、僕の中でキャラクターを最大限に正当化させようと努力したが、時々マジュンは幼稚な時があるんです。悪いことをしておいて『タックがやりました』と告げ口した時は、そんなことを言う自分が悲しかったです(笑) 頭の中では『マジュン、これは間違っているよ』と思いつつ、マジュンの行動も理解できるので激しく悩みました。だけど、実際のマジュンもそうだったと思います」台本を理解する時も、キャラクターを研究する時も、自分の話をする時も、飾り気のない態度が最も印象的だったチュウォンが、今後演じたい人物について「まだ決めてはいないけど、20代の情熱を見せられるキャラクター」と話した。これは、彼が誰よりも自分の可能性を信じていることを表しているだろう。突然のスポットライトに怖気づくこともなく、見えない未来も計算しない。目標に向かって突き進む若さは純粋であり、彼の青春はやはり直球勝負である。
「製パン王キム・タック」 vs 「製パン王キム・タック」王の自叙伝
連日最高視聴率を更新しているKBS「製パン王キム・タック」は、最近数多くの作品で描かれている開発と成長の論理を描く作品だ。そして、韓国で制作された多くの時代劇とストーリーラインが似ている作品でもある。善悪がはっきり分かれたキャラクター、途中の一話くらい見逃しても理解できるストーリー、目を離すことができないほど固め打ちする早い展開は、これまで作られた多くの韓国ドラマを思い浮かばせる要因である。多くの時代劇と同じく、第9話の放送を控えて「製パン王キム・タック」も、ドラマの序盤、親世代を巡って繰り広げられた事件が息子世代に受け継がれた。タック(ユン・シユン)はこれまで母親探しと自分のアイデンティティを見つけるために自分の手を血に染めてきたが、これから彼の手は小麦粉を扱うことになる。タックの天才的なパン作りと共に、恋の三角関係が新たに描かれる「製パン王キム・タック」をカン・ミョンソク記者とテレビ評論家のユン・イナ評論家が分析した。/編集者注KBS「製パン王キム・タック」は、MBC「朱蒙(チュモン)」の韓国現代史バージョンのようだ。クムワ(金蛙/チョン・グァンリョル)は、巨星(コソン)グループの会長であるク・イルチュン(チョン・グァンリョル)に、強欲な本妻と彼の息子は、ソ・インスク(チョン・インファ)とク・マジュン(チュウォン)になった。ユファ(柳花/オ・ヨンス)とチュモン(朱蒙/ソン・イルグク)のように、キム・ミスン(チョン・ミソン)とキム・タック(ユン・シユン)は、ソ・インスクの悪行を避けて生き残る。そして、チュモンの弓の代わりに、タックは製パンに天才的な才能を見せ、数多くの試練を乗り越えながら王として成長していく。「製パン王キム・タック」は、時代劇の形に「朱蒙」のように絶え間ない試練と課題を与えて主人公を早く成長させるミッション型のエンジンを取り付け、時代劇独特の娯楽性を強化した。消された時代的背景、鮮明に蘇るイデオロギーこれは「製パン王キム・タック」が時代を説明する具体的な背景を省略した理由だ。正確な時代を教える背景や事件は省略して、ソ・ヨンチュンのコメディや旧型のポケットベルのようなレトロなイメージを強調する。時代に対する具体的な説明をしない代わりに、まるで卓球のラリーのような早い展開と、タッ(高い)、ク(救える)という名前の意味通りに高い地位に上っていくタックのダイナミックな人生により、視聴者をいっそう感情移入させる。しかし、時代的な背景が省略されればされるほど、その時代を支配したイデオロギーはより明確に表れる。「製パン王キム・タック」で、男たちは跡を継ぐためなら不倫もいとわないが、女たちは結婚以外のものはまったく許されない。男は息子に譲り渡す基盤を作り、女は息子を教育する義務を持つ。タックと本当はハン室長(チョン・ソンモ)の息子であるマジュンの差も、血のつながりと母親にある。きっと、タックはイルジュンのように、人々をお腹いっぱいにさせる王になるはずだ。家父長制の男は家族を養わなくてはならないし、彼らは会社においても国においても、人々を養う家長の役割を果たす存在だ。そして、開発時代に人々が成長の過程より成長自体に歓声を上げたように、「製パン王キム・タック」はタックが事件を解決しながら急成長していくストーリーに集中する。制作陣の意図が何であろうとも、「製パン王キム・タック」は開発時代のイデオロギーを形と内容といった両面で蘇らせている。もちろん、タックはこれから彼の時代を変えていくだろう。巨星グループと違って彼が製パン技術を学ぶパルポン先生の製パン店は、女性であるヤン・ミスン(イ・ヨンア)もパンを作る。また、街中の悪者からイルジュンまで、皆が暴力に慣れている時代に、タックはパンを作りながら暴力を捨てる。ストーリーが展開するにつれ、暴力と家父長制といった前時代的な特徴が、男女平等と非暴力である現代的なものに変わるが、この変化は、犠牲に近いタックの許しによるものである。母親からいい人になりなさいと教わった彼は、インスクの侮辱に耐えて、母親を拉致しようとしたハン室長をあまり恨むことなく、自分の母親を失踪させたジング(パク・ソンウン)までも許す。被害者の許しが世の中をより温かくするのは理想的だ。ジングを許して、暗闇の中で涙を流しながらパンを食べるユン・シユンの演技、静寂と暗闇が支配する雰囲気の中でタックの表情を映し出す演出は、視聴者の感情を沸き立たせる。許しの後ろに隠された深い痛みは消されたしかし「製パン王キム・タック」は、ハン室長から脅かされてイルジュンのそばから離れた後、そして、12年後という字幕で、長い間、親もおらず迷い続けてきたはずのタックの暗い10代を飛ばした。ただ、12年後、コミカルなアクションを見せる若者だけを見せてくれる。家庭内暴力の被害者であるユギョン(ユジン)は、マジュンに「世の中には悪者からお金を奪われたり少し殴られるより、もっときついことをされながら暮らす人もいる」と話すが、このドラマで家庭内暴力は彼女の父親が枕を振り回す程度に留められている。「製パン王キム・タック」は「最後はいい人が勝つ」と、被害者の許しを強調するが、被害者が苦しんだはずの痛みからは目を逸らす。「製パン王キム・タック」は開発時代に被害者や負け犬と思われた人間の成功談を描いているが、そのメッセージはかえって加害者と勝者を擁護する内容に近い。被害者にいい人になれと言ったり、加害者を許しなさいと言うのは、その時代の加害者に罪を問わず、被害者には許しを求めて仲直りさせようとするように見えたりもする。そのため、「製パン王キム・タック」は時代的な時代劇だ。韓国の時代劇が商業的な生命力を延長できる方法を見せると同時に、韓国の開発時代を擁護できる論理を提供する。そして、そのすべての不都合なメッセージにも関わらず、次回が気になって見てしまうくらい娯楽的な面も持っている。これは、少し恐ろしいことだ。/記事:カン・ミョンソク「製パン王キム・タック」は成功した人間の自叙伝である。本の表紙や帯紙にはこのような文章を書き込めばいいだろう。「キム・タックはどのように試練と苦痛を乗り越えて、製パン王になっただろうか?」このドラマが単なる英雄談であると話しているわけではない。視点がそうだという話だ。「製パン王キム・タック」は、2010年という時代の視線で1970年くらいの時代を見つめながら、成功した善良な人間キム・タックの視線で過去に繰り広げられた事件を振り返っている。ク・イルジュン(チョン・グァンリョル)の家じゅうの者を組み分けが上手な人々と表現した幼いジャリム(キム・ソヒョン)の言葉を借りるとしたら、「製パン王キム・タック」はキム・タック(ユン・シユン)の側になり、キム・タックの目で物事を見るドラマである。これ以上は効力が発揮されにくい、いい人の公式このような視線は、男児優先思想や不倫、痴情、暴力、出生の秘密が混在するストーリーが素早く展開したドラマの序盤である子役の部分で目立った。「製パン王キム・タック」の1970年代は、占い師の言葉や迷信が有効に作用し、明日の事件を予感で感じ取ることができる時代だ。ソ・インスク(チョン・インファ)が占い師から聞いた「夫は他の女から息子を産ませ、あなたは夫の息子を産むことができない」という言葉は、このドラマの中である種の啓示のように作用する。他の男の種なら息子を産むことができるという期待は、夫が不倫するとき、彼女にも浮気をさせ、そんな2人により、ひとつの運命を分け合うことになるタック(ユン・シユン)とマジュン(ジュウォン)が生まれる。しかし、この誕生ストーリーを描く時、「製パン王キム・タック」は徹底にキム・タックの味方になる。不倫という事実は同じなのに、イルジュンとミスン(チョン・ミソン)の関係とインスクとスンジェ(チョン・ソンモ)の関係を見つめる視線はまったく違う。中でも、ミスンは最初からただの家政婦でなかったし、比較的裕福な家庭で育ったことをあえて説明して、タックが偶然できた不良品ではないことを証明しようとすることで、このひいきが鮮明に表れる。そのため、「製パン王キム・タック」の中に描かれている出生の秘密は、マッチャンドラマ(複雑な人間関係の中で、無理やりなストーリー展開が特徴であるドラマ)のキーワードではない。正確に言うと、秘密でもない。なぜなら、「製パン王キム・タック」が描くその時代は、シバジ(代理母)との不倫は多くはないかもしれないが、少なくとも恥ずかしいことではないと思われたからだ。だから、ミスン(チョン・ミスン)は「会長の息子だから」という理由で、幼いタック(オ・ジェム)をつれてイルジュンの家に入ることができた。「製パン王キム・タック」はイルジュンの唯一で特別な息子であるタックにすべてを与えた。成長して変化する前に、苦難や逆境が続いてもそのすべてを乗り越えられる力が、すでに彼に与えられているのだ。もちろん、主人公の名前がタイトルであるドラマだから、主人公を中心にストーリーが展開されるのは当たり前のことだし、何を言っても信じてしまうほど魅力的なタックのキャラクターが、このドラマの暗い部分を中和させてくれたのも事実だ。しかし、成人になった後、このような視線は両刃の剣として作用する。出生の秘密とタックの運命を巡って事件が絶えず繰り広げられた子役の時とは違って、タックが製パン王になっていく過程を描く7話以降は、いきなりストーリーの変化が乏しくなる恐れがある。大人になったタックとマジュンには親の愛以外、様々なエピソードが必要になり、より多くの人物がストーリーに入り込んだ。そのため、単にいい人が勝つという公式とタックがすでに持っている姿だけで、すべての問題を解決しようとしてはいけないだろう。運命に順応するか、抵抗するか「作縁必逢(縁があれば必ず逢える)」。母親を探しに行く幼いタックを見送りながら、パルポン先生(チャン・ハンソン)がつぶやくこの四字熟語の中には、「製パン王キム・タック」の運命論が盛り込まれている。よりによって、パルポン先生のパン屋でタックとマジュンが再会したのも、愛憎が入り混じったパンで2人が競い合わなくてならないのも、同じ人を愛するようになるのも、すべてが運命のしわざだ。しかし、ドラマを作るためには、運命に順応する態度でなく、抵抗する態度が必要だ。運命どおりになるという事実は最初から皆が知っているが、だからと言って、運命が手を上げる側に立って成功と勝利を話すのはつまらないからだ。成功した製パン王キム・タックの過去のストーリーを見せるのか、それともキム・タックが成長しながら徐々に成功していく過程を見せてくれるのか。この2つの間にある微妙な差に「製パン王キム・タック」が、読み終わったとき空しくなる成功ストーリーの自叙伝になるか、それともキム・タックという魅力的な人物の成長ストーリーになるかがかかっている。/記事:ユン・イナ
韓国国内で最高視聴率58.1%を記録した大ヒットドラマ「製パン王キム・タック」の無料配信スタート
大ヒットドラマ「製パン王キム・タック」が、無料映像配信サイト「GyaO!」で2012年5月10日(木)~2012年8月22日(水)の間、無料配信される。「製パン王キム・タック」は、主人公キム・タックがあらゆる試練を乗り越え、一人前のパン職人へと成長する過程を描き、韓国国内で最高視聴率58.1%を記録した国民的ドラマ。コソン食品のク・イルジュン会長とその使用人ミスンの非嫡出子として生まれたタック。会長の妻インスクの陰謀によって引き離された母との再会を夢見るタックは、やがて父と同じパン職人への道を歩み始める。持ち前の前向きさと根性を武器に、仲間たちとともに成長していくタック。そこに幼なじみユギョンとの恋、義弟マジュンとの戦い、コソン食品を巡る陰謀と賭け引きが加わり、ドラマティックなストーリーが展開されていく。当時まだ無名だった新人ユン・シユンが主人公に大抜擢され、明るく活発なタックを好演し、今作の大ヒットを機に人気俳優の仲間入りを果たした。さらに、タックのライバルでありコソン家の後継者マジュン役のチュウォンも、悲運の悪役という立場が共感を呼び、人気を博した。コソン食品のク・イルジュン会長の妻インスクは、後継ぎを身ごもることができず、姑に冷遇されていた。そんな中、ク家の使用人であるミスンがイルジュンの子どもを妊娠。怒りに震えるインスクから逃げるようにコソン家を去ったミスンは、ひそかに息子タックを出産するのだった。やがて小学生に成長したタックは、ミスンから出生の秘密を明かされ、ク家に引き取られることに。ところがその直後、ミスンがインスクの手の者に拉致されてしまい。「製パン王キム・タック」は、2012年5月10日(木)~2012年8月22日(水)の間、毎木曜2話更新で、配信される。■配信情報GyaO! 韓流「製パン王キム・タック」(全30話)配信期間:2012年5月10日(木)~2012年8月22日(水) 毎木曜2話更新■関連リンク・「ユン・シユン」関連ニュース一覧・「チュウォン」関連ニュース一覧・「GyaO! 韓流」
「製パン王 キム・タック」パンとドラマは開けてみないと味が分からない
KBS水木ドラマ「製パン王 キム・タック」 脚本:カン・ウンギョン 演出:イ・ジョンソプ 出演:ユン・シユン(キム・タック役)、チュウォン(ク・マジュン役)、ユジン(シン・ユギョン役)、イ・ヨンア(ヤン・ミスン役)、チョン・グァンリョル(ク・イルチュン役)、チョン・インファ(ソ・インスク役)、チョン・ソンモ(ハン・スンジェ役)、チャン・ハンソン(パルポン先生役)、パク・サンミョン(ヤン・インモク役)など キーワードレトロ/パン/時代劇/T.O.P+カン・ドンウォンの顔を持ったミュージカル俳優チュウォンが初めてテレビドラマに挑戦 ストーリーあらゆる試練を乗り越えて、製パン業界の第一人者になるキム・タックのサクセスストーリー 初回放送日(韓国)2010年6月9日 午後9時55分コソン食品会長ク・イルチュン(チョン・グァンリョル)の妻ソ・インスク(チョン・インファ)は後継者となる息子を産むことができず、姑(チョン・ヘソン)から冷遇されていた。そんな中、コソン家の使用人がク・イルチュンの子供、タック(ユン・シユン)を身ごもったことを知り、激怒する。使用人はソ・インスクを避けてコソン家から逃げ出す。紆余曲折の末、タックはコソン家に入ることになるが、陰謀により結局追い出され、どん底からあらゆる逆境を乗り越えていく。この過程で商人の子孫であり、製パン業界に隠れていた大物、パルポン先生(チャン・ハンソン)からパン職人として技術を学ぶことになる。タックは生まれつきの優れた嗅覚と善良な心をで、名実共にパン職人として生まれ変わり、経営を始める。パルポン先生の孫娘であり、絶対味覚を持って五才の時からパンを作ってきたミスン(イ・ヨンア)はキム・タックに出会いパンを作るトキメキを感じるようになる。 【鑑賞指数】「明日に向かってハイキック」のユン・シユン、初ミニシリーズ挑戦8/10点 「ジャイアント」大さじ2、「ハウスメイド」小さじ1、「ドラゴン桜」でトッピングされたクリシェ(決まり文句)6/10点 今回も時代劇だ。コソン食品には子供が産めないク・イルチュンの妻ソ・インスクがいて、家で働いている使用人との間に産まれた子供キム・タックもいる。そして、ク・イルチュンの次男で、コソン食品の後継者でありながら、劣等感を持って生きているク・マジュン(チュウォン)もいる。財閥の後継者になるためのストーリーで始まる「製パン王 キム・タック」が時代劇であることは認めるが、タックが製パン業界の生きた伝説であるパルボン先生に出会ってからの成長ドラマとして変貌を試みる。「タイトルがダサい感じもするけれど、1970~80年代を背景とした、パン一つで汗を流すキム・タックの美しい姿を込めている」というキル・ファンヨンKBSコンテンツ本部長の話のように、「製パン王 キム・タック」は未来を指向しており、過去を慣習的に引っ張ってくるKBSドラマだ。 「タルジャの春」「強敵たち」を執筆した脚本家カン・ウンギョン先生と、「快刀ホン・ギルドン」「天下無敵イ・ピョンガン」を演出したイ・ジョンソプ監督がコラボした今回のドラマは、キム・タックが製パン名将として成長する苦難を克服した時代劇を見せてくれる。現在のように製パン産業が栄えていなかった1970~80年代に焦点を当てた「製パン王 キム・タック」は、パンが嫌いでも製パン業界の財閥の父ク・イルチュン(チョン・グァンリョル)に認められたくて骨を折る努力をするサリエル(モーツァルトのライバル)のようなク・マジュン(チュウォン)と天才的な感覚を持ったタック(ユン・シユン)との対決で時代劇の落とし穴から抜け出そうとしている。MBCドラマ「明日に向かってハイキック」でスターになったユン・シユンとBIGBANGのT.O.P(チェ・スンヒョン)の眼差しと、カン・ドンウォンの微笑を黄金比率でミックスしたような容姿を持った新人俳優チュウォンの対決が注目される「製パン王 キム・タック」に目が離せない。
チュウォン、二番手から一番手になった理由
2010年、ドラマ「製パン王キム・タック」を通じてテレビに彗星のごとく登場したチュウォン。彼はミュージカルスターのテレビドラマデビューということで関心を集めた。だが、演技力よりはカン・ドンウォン似の顔に注目が集まり、ドラマの序盤では演技力が問題視された。ドラマが放送されるにつれ、演技力への指摘はおさまったが、主人公であるキム・タック役のユン・シユン以上に注目を浴びることは出来なかった。「製パン王キム・タック」の中でチュウォンは重要な脇役であるク・マジュンの役だったため、当然のことだったかもしれないが、どうであれ二番手であった。そんなチュウォンが頭角を現してきている。現在、チュウォンはKBS 2TVの週末ドラマ「烏鵲橋(オジャッキョ)の兄弟たち」に主人公として出演中であり、ドラマの放送が終わる前に、KBS新しい水木ドラマ「カクシタル」の主役に堂々と名乗りを上げた。また「烏鵲橋(オジャッキョ)の兄弟たち)の兄弟たち」が放映されている間も、映画「特別捜査本部」と「動画をクリックしただけなのに」の撮影をしており、主演俳優という言葉がふさわしくなった。演技だけでなく、整った顔に可愛らしさやセンスを隠し持つというバラエティ向きな一面も注目を浴びている。KBS 2TV「1泊2日」の後続番組への出演依頼まで受けており、演技とバラエティの二兎を得ているのだ。ところで、「キム・タック」の後、二番手に過ぎなかったチュウォンはどのようにして堂々と一番手になることができたのか。それはチュウォンにしかできない粘り強い活動があったためだった。まずチュウォンは演技力の指摘にも惑わされなかった。彼は「製パン王キム・タック」でテレビにデビューする前から、ミュージカル界で認められたスターだった。ミュージカルでは演技力を認められたが、テレビでは少し立ち止まっていたのだ。自分を信じて粘り強く演技力を広げた結果、「カン・ドンウォンに似た人」ではない、俳優チュウォンとして認められたのだ。さらに彼はスターではない役者としての活動を地道にやってきた。「製パン王キム・タック」を通じて視聴者にしっかりと顔を覚えられたチュウォンが週末ドラマに出演したことは周りの人にとっては理解できない選択だった。平日のドラマで、もう少し顔を広めることもできたのに、人気の低い週末ドラマを選んだためだ。結果的に、これはスターではない役者になることを望んだチュウォンの賢明な選択だった。例えば、現在イ・スンギが老若男女にたくさん支持されているのも、週末ドラマ「噂のチル姫」を通じて人気を集めたからだ。チュウォンも「烏鵲橋(オジャッキョ)の兄弟たち」を通じて全世代の関心をひきつけることにしたのだ。KBSで放送される週末ドラマと日曜ドラマは伝統的に無視できない視聴率を記録してきた。少女時代のユナが親世代の人に、セビョク(「君は僕の運命」)と呼ばれることも、イ・ジャンウがキム・ドジン(「笑ってトンへ」)と呼ばれるのも、多くの年齢層が見る日曜ドラマに出演したためだ。現在、チュウォンは年配の方に「ファン・テヒ」または「ファン検察官」と呼ばれている。二番手から一番手になるのは大変だが、一番手から二番手になるのは一瞬だ。しかし、チュウォンが一番手になれたのは彼が粘り強く努力してきたためだ。視聴者がチュウォンを一発屋のスターだと考えない理由はここにある。
ユン・シユン vs チュウォン “キム・タック”と“ク・マジュン”の異なる歩み
KBS 2TVのドラマ「製パン王キム・タック」(脚本カン・ウンギョン、演出イ・ジョンソプ)で共演した俳優のユン・シユンとチュウォンの対照的な歩みが話題になっている。チュウォンは現在、1日の視聴率が32.7%(AGBニールセンメディアリサーチ、全国基準)となった「烏鵲橋(オジャッキョ)の兄弟たち」(劇本イ・ジョンソン、演出ギ・ミンス)に出演している。また、5月9日から放送される、ホ・ヨンマン画伯の同名原作をドラマにした水木ドラマ「カクシタル(嫁の仮面)」(劇本ユ・ヒョンミ、演出ユン・ソンシク)の男性主人公として出演することも決まった。一方、ユン・シユンは昨年12月28日に早期終了したMBCドラマ「私も花!」(劇本キム・ドウ、演出コ・ドンソン)で主役を務めたが、平均視聴率は6.5%にとどまり、苦々しい2011年の締めくくりとなった。チュウォンとユン・シユンが共に出演したドラマ「製パン王キム・タック」が、平均視聴率36.7%で2010年に最も高い視聴率を記録したドラマに選ばれたことを考えると、あまりにも残念な成績だと言わざるを得ない。当時、主人公のキム・タック役を演じたユン・シユンは人気を博し、チュウォンももう一人の男性主人公であるク・マジュン役で人気獲得に成功した。その後、チュウォンは昨年、同じくシムエンターテインメントに所属しているオム・テウンと共に映画「特殊捜査本部」(監督ファン・ビョングク)に出演し、銀幕デビューを果たした。ユン・シユンも2010年、「コ死:血の中間考査」(監督ユ・ソンドン)で映画界に参戦した。しかし「特殊捜査本部」が121万7358人の観客を動員したのに比べ、「コ死:血の中間考査」は85万7038人の観客動員数にとどまった。このようにユン・シユンとチュウォンは、共にドラマ「製パン王キム・タック」で大きな成功を収めたものの、その後は全く異なる歩みを見せている。さらにチュウォンは、「グリース」「スプリング・アウェイクニング」などのミュージカルでも活躍した。これに対して、芸能界のある関係者は「このような結果が出たのは、決してユン・シユンの演技力が不十分だからではない。しかし作品の選択という面で、少し残念な気持ちになるのも事実。ユン・シユンとチュウォンは、それぞれ26歳、25歳とまだ若いだけに、彼らの将来に大きく期待している」と話した。