別れる決心
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「別れる決心」が5冠を獲得!「第21回ディレクターズ・カット・アワード」今年の俳優賞はパク・ヘイル&タン・ウェイ(総合)
パク・チャヌク監督の映画「別れる決心」が「第21回ディレクターズ・カット・アワード」で5冠に輝いた。24日午後、NAVER NOW.を通じて「第21回ディレクターズ・カット・アワード」が開催された中、2022年の韓国国内外の映画業界を席巻した「別れる決心」のパク・チャヌク監督が、今年の監督賞を受賞した。同日、「別れる決心」は計5冠を記録した。パク・チャヌク監督は海外での撮影スケジュールのため授賞式には参加せず、代わりに映画「英雄」のユン・ジェギュン監督がステージに上がった。ユン・ジェギュン監督は「個人的に私がこの賞を一番もらいたかった」とし「パク・チャヌク監督に代わりに読んでほしいというメッセージは受け取れなかったが、私と同じ考えだと思う。作品に携わった俳優たちに感謝する」と代わりに挨拶した。また、この日「別れる決心」の主演を務めたパク・ヘイルとタン・ウェイが、今年の男女俳優賞を受賞した。なお、彼らも授賞式には参加しなかった。パク・チャヌク監督と共に今年の脚本賞を受賞した作家のチョン・ソギョンは「パク・チャヌク監督に感謝する」とし「良い教えを与えていただき、同僚の席を開いて下さって感謝している。一緒に受賞したことをお祝いし、『別れる決心』を愛してくださった観客の方々にも感謝している」と述べた。パク・ヘイルの受賞の感想は俳優のソ・ヒョヌを通じて伝えられた。パク・ヘイルはソ・ヒョヌに渡したメモを通じて「ひどい風邪と季節の変わり目の後遺症で参加できなくて残念だ」とし「俳優たちの演技を監督たちが認めてくれるのは常に嬉しくて感謝している。海外でまた別の作品で努力しているパク・チャヌク監督、一緒に頼り合った俳優たちに感謝している」と感想を伝えた。タン・ウェイの夫でもあるキム・テヨン監督は、電話を通じて近況を知らせた。この日、キム・テヨン監督は「今、タン・ウェイは撮影中で、電話に出られない状況だ。期待していなかったであろう私が代わりに現れて申し訳ない」とし「私は受賞者でも授賞者でもないが、伝達者として光栄だ。受賞のニュースはしっかと伝えた」と述べた。続いて、タン・ウェイが事前に撮影された映像を通じて登場し「私が『ディレクターズ・カート・アワード』で今年の女優賞を受賞したという話を聞いた。本当にありがたい。応援してくださった方々に感謝している」と喜びを隠せなかった。ドラマ「アンナ」でシリーズ部門の今年の女優賞を受賞したペ・スジは「招待してくださっただけでもとても感謝しているけれど、意味深い賞までいただき、さらに感謝している」とし「私にとって『アンナ』という作品はとても大きい。初めて意地を張った作品でもあり、選択する過程から瞬間まで悩みと恐怖があって、この賞がより意味深く感じられる」という感想を残した。「ナルコの神」のユン・ジョンビン監督はシリーズ部門で今年の脚本賞と今年の監督賞を受賞した。これに対して「『ナルコの神』の演出オファーを初めて受けた時はこの作品は映画だった。これをシリーズというフォーマットにすることになるとは思わなかった」とし「私が気まぐれで一度は演出のオファーを断ったが、もう一度お願いしてくれた制作会社の代表に感謝している。そして一緒に脚本を作業したクォン・ソンフィさんにも感謝している」と話した。この日、2冠を記録したユン監督は「私は他の映画祭では受賞したことがあるが、『ディレクターズ・カット・アワード』での受賞は今回が初めてだ。仲間として認めてくれるという感じがした」とし「私が2005年にデビューして今年で18年目になった。これまで映画5本、シリーズ1本の計6本を演出した。ハ・ジョンウさん、ファン・ジョンミン先輩に感謝している。彼らがいなかったら『ナルコの神』はなかっただろう。そして今日受賞したチョ・ウジンさん、そしてパク・ヘスさんなどの俳優たちにも感謝している」と挨拶した。【第21回ディレクターズ・カット・アワード 受賞者リスト】◆今年の新しい男優賞 シリーズ部門:「ナルコの神」キム・ミングィ◆今年の新しい女優賞 シリーズ部門:「アンナ」パク・イェヨン◆今年の新しい男優賞 映画部門:「別れる決心」ソ・ヒョヌ◆今年の新しい女優賞 映画部門:「同じ下着を着る二人の女」ヤン・マルボク◆今年のビジョン賞:「同じ下着を着る二人の女」監督キム・セイン◆今年の新人監督賞:「梟―フクロウ―」監督アン・テジン◆今年の男優賞 シリーズ部門:「ナルコの神」チョ・ウジン◆今年の女優賞 シリーズ部門:「アンナ」ペ・スジ◆今年の男優賞 映画部門:「別れる決心」パク・ヘイル◆今年の女優賞 映画部門:「別れる決心」タン・ウェイ◆今年の脚本賞 シリーズ部門:「ナルコの神」監督ユン・ジョンビン、作家クォン・ソンフィ◆今年の脚本賞 映画部門:「別れる決心」監督パク・チャヌク、作家チョン・ソギョン◆今年の監督賞 シリーズ部門:「ナルコの神」監督ユン・ジョンビン◆今年の監督賞 映画部門:「別れる決心」監督パク・チャヌク
「別れる決心」脚本家チョン・ソギョンが語る魅力“想像を超えるエンディング”
「オールド・ボーイ」「渇き」「イノセント・ガーデン」「お嬢さん」など、これまでも唯一無二の作品で世界中の観客と批評家を唸らせ続けてきた巨匠パク・チャヌク監督の最新作「別れる決⼼」が2月17日(金)より全国で絶賛公開中! カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した本作はサスペンスとロマンスが溶け合う珠玉のドラマ。数々の韓国映画祭でも軒並み受賞し、主人公2人のスリリングな駆け引きに、ハマる批評家や観客が続出した。今回、Kstyleでは日本での公開を記念して、脚本家チョン・ソギョンにインタビューを実施。本作を制作したきっかけやパク・チャヌク監督との作品づくり、想像を超えることになったというエンディングシーン、観客との疎通まで、たっぷりと語ってくれた。――パク・チャヌク監督が10年前の映画『渇き』の時に、「実は血が嫌い」とおっしゃっていたので、あんなに激しい映画を作る方なのに意外だなと驚きました。今回の『別れる決心』ではこれまでに比べて、血が出るなど激しいシーンがあまりなかったように思います。チョン・ソギョン:血が出るとか、何かを切るとか、そういう種類の暴力は、実は映画を見る瞬間、観客と即座に密接な関係を結ぶことになります。観客に短時間で恐怖や嫌悪感、そういう感情を呼び起こすので、映画を作る上で観客と関係を結び、別の感情にスライドさせる時、かなり役立つ装置です。おそらくそういう部分で、パク・チャヌク監督の以前の作品は暴力的なシーンやそういうものがたくさん出てきたと思います。しかし、今回の映画では少し自信があったと思います。そのような暴力がなくても観客とある種の感情的な緊密な関係を結ぶことができるという自信があり、私たちが追求しようとする感情の目標が暴力を通して進むというよりは、もう少し微妙で隠密な方法なので、過激なシーンを使わずにシナリオを仕上げるようにしました。そして、自分もあまり血が出るシーンは好きでは無いです。――今回はパク・チャヌク監督の映画の中で初めての本格的なメロドラマとも言われていますが、この作品を始めたきっかけは何だったのでしょうか?チョン・ソギョン:この作品はパク・チャヌク監督が「リトル・ドラマー・ガール 愛を演じるスパイ」というイギリスのドラマを撮っているときに、ロンドンに私が遊びに行ったのが始まりでした。 その時、久しぶりに監督に会ったのですが、私が今まで知っている監督の中で一番厳しい(辛そうな)顔をしていました。その前に監督からメールをいただいて、ある刑事の管轄区域で二人の夫を殺す女の話を作ってみようというお話をいただいたのですが。私は最初、その内容や雰囲気が『渇き』に似ていて、最初は嫌だと言っていたんです。でもロンドンで監督の大変な姿を見て、監督はシナリオを書くと元気になるのでシナリオを一緒に書いて癒さなければと思い、シナリオセラピーの一環として一緒にあらすじを書き始めました。私が最初、監督のこのプロジェクトを断った理由の一つは、メロドラマに自信がなかったからです。しかし、私はタン・ウェイさんのファンだったので、もし女性主人公がタン・ウェイさんだったらメロドラマを書けるかもしれないと思いました。私自身がすでに女優タン・ウェイを愛しているから、だから彼女のことを想いながらこの映画のキャラクターを考えはじめました。――キャラクターを作る過程で従来の作品と違った点、難しかった点について教えてください。チョン・ソギョン:今回の映画が他の作品に比べて特に難しかった部分はありませんでした。パク・チャヌク監督とシナリオを書くときは、私が監督に何か書いて送って、監督がまたそれに別のものを追加して送ってくれて。このように多くのプロットを開発したり、進行していくのですが、いつもシンプルで楽しいです。難しかった点を一つ言うとしたら、女性キャラクターを発展させるのに、タン・ウェイさんはすでに彼女の顔の中に多くの物語を秘めているのでそれほど難しくはなかったのです。しかし、男性キャラクターを作る時、この男は妻がいるのに新しい女性を愛するようになり、なぜかその2人の女性を両方とも諦めようとしないというのが果たして女性の観客からどのように受け入れられるか、悩みが多かったのですが、パク・ヘイルさんがこの役を演じてくれたことでそのような悩みが解消されたと思います。 パク・チャヌク監督との反対意見「この愛はどこか不公平」――パク・チャヌク監督と作業するときは、一つのハードウェアと二つのモニターで作業するという逸話がありますが、今回も同じ方法で作業されたのでしょうか?チョン・ソギョン:通常、私たちが作業をするときは、一緒に話をたくさんして私がプロットを書いて、その後、原稿を私が最後まで書きます。それを修正する過程で一つのコンピューターのハードを共有してキーボードを2つ使う場合が多いです。私は『渇き』を終えて第一子を産み、『お嬢さん』を終えて第二子を産みました。だから前よりも監督と一緒に仕事をする時間があまり取れなくなり、並んで座って修正する時間が減っています。『お嬢さん』を書くときも1~2週間くらい一緒に座って作業していたような気がしますし、『別れる決心』を書くときは、私が初稿を書いてから3~4日くらい一緒に座って修正して、あとはお互いに少しずつ修正してメールのやりとりをしながら書き直していきました。――韓国のインタビューでパク・チャヌク監督が警察官の「マルティン・ベック」シリーズと「霧(アンゲ)」という曲を聴いてインスピレーションを受けたと聞いたことがあります。脚本を書く際、チョン・ソギョンさんもその二つを通してストーリーを描いたのでしょうか?チョン・ソギョン:マルティン・ベックの小説を監督の推薦で何冊か読みました。そこに出てくる刑事たちはまるで私たちがオフィスドラマで見る勤勉なサラリーマンのように、真面目に一日一日を働きながら事件を追いかけていく刑事たちなんです。けど、そういう姿がヘジュンという刑事を作るのに少し影響したのかもしれないですね。私も監督もそうやって真面目に働く、一日一日働く生活人みたいな姿に惹かれたんだと思います。そして、この映画が公開されてから監督がこの「霧」という曲から映画を始めたという話をするたびに驚きました。私はこの曲を聴いたことがなくて、もしかしたら監督が話したことはあるかもしれませんが、私は監督と音楽の好みがすごく違うんです。それは『親切なクムジャさん』の時から思っていて、監督が好きな音楽をそこまで積極的に聞かない方なんです。監督は深みのある韓国の古い曲が好きなんですけど、私はむしろヒップホップとかそういうのが好きで、古い曲は好きじゃないんです。それで映画を見て初めて、「霧」という曲を聴くことになったのですが、思ったより良かったです。映画を何度も見ましたが、見るたびに「霧」という曲がすごく心に残りました。そして霧というイメージから監督は映画を始めたと言っていましたが、実は私は霧というものをこの映画ではただ論理的に受け入れました。海と山の間のこの空間を何で埋めるか。それが霧だろうし、それが二人の気持ちを形象化するものなんだろうと思っていて、特に曲の霧とは結びつかなかったんです。――今作を作る中で、パク・チャヌク監督とチョン・ソギョンさんが衝突した部分、反対意見を持った部分、またはあまりにも同じ考えだった部分があれば教えてください。チョン・ソギョン:一番意見がぶつかったのは、私は最初にシナリオを書きながら、この愛はどこか不公平だ、ソレの方がもう少し愛してるように見えるし、ヘジュンはそれほど損をしないように見えるのが女性の立場からするとちょっと恨めしいというような思いがあったので、そのバランスを取りたいと思い監督と対立したりもしました。そして元々、パク・チャヌク監督とは不思議なくらい気が合って、今まで書いたものを監督に送って面白くないと言われたことはほとんどなかったんです。他の方と仕事をするときは苦労することもしばしばあって、特にドラマを書くときはたくさん送り返されることもありました。だから、パク監督ほど私を受け入れてくれる人が他にいるのだろうかと思ったこともたくさんありました。 想像を超えるエンディング「すごく神話的なシーン」――観客の反応は様々でしたが、いかがでしたか?チョン・ソギョン:私はカンヌ映画祭で上映されたときに初めて映画を見たのですが、最後のシーンでソレが車を止めた次の瞬間からすごく震えました。エンディングが終わるまで震えたり、悲しかったり、すごく感情が動揺しました。私は監督と一緒に映画を20年近くやってきて、いろいろな作品を作ってきましたが、私が書いた映画でこのように感じたのは初めてだと思います。だから映画が終わってからは、まるでこの物語を知らない人のように純粋な観客の立場で、自分も心がすごく動くのを感じ、そんな感情を観客も感じてくれたのかすごく気になりました。また、このようにインタビューをしたり、映画ファンに会ってどう感じたかを聞くたびにとても新鮮で共感出来たり、自分もいつも同じくそう感じていると話したい気持ちになりました。この映画は今、観客とのある種の親密な関係、深くて緊密な、とても個人的な関係を通して出会っているような気がして。そういう部分で、この映画はとても大切な映画だと感じました。――想像を超える作品が出来上がったということでしょうか?チョン・ソギョン:この映画は、シナリオを書く段階ではどんな感情で映画が終わるのか想像できない映画だったのですが、観客の反応を見て、この映画はこういうものなんだと気づいたんです。日本の観客は、少し微妙なこういうニュアンスのある感情をよく捉えられると思うので、日本での感想や反応がとても気になります。――シナリオを書いたときに考えていたことが映像化されたとき、新たに感じたことがあれば教えてください。チョン・ソギョン:『別れる決心』は、私が今まで書いた映画の中で一番シナリオと距離が遠い作品だと感じました。今まで書いた作品は、主に歯車の装置のようによく練り上げられた物語が多く、セットで進行されようが屋外で進行されようが、よくコントロールされた物語でした。『別れる決心』は書きながら、この映画には本当に自然がたくさん入るんだなと思いました。山や海だけでなく、ここに登場する感情も自然のように少し偶然的な場合がたくさんありました。だから、ここに入る感情や他の要素はシナリオライターとしてコントロールできるものではなく、それらを、その自然の動きを受け入れるときに出来上がるもので、この映画の良い部分はシナリオではなく、他の要素で満たされていると私は信じています。そういう意味でこの映画が好きです。――思いもよらなかった意外なシーン、驚いたシーンはありますか?チョン・ソギョン:私が予想していなかったシーンは最後のエンディングシーンでした。エンディングのシーンは、私にとってはちょっと論理的な帰結だったんですけど、私はソレが海の人なのに間違って山に生まれて苦しんでいた人だと思いました。だから彼女自身も海に行って、その間にヘジュンと出会った。ヘジュンと別の人生を考えることもできたかもしれないけど、山の高いところから降りてきて下の海に向かう道だと思いました。そんな論理的な旅だと思っていたのですが、いざ映画を観てみるとそれはとても神話的な終わり方だと思いました。ソレを探してヘジュンが海を彷徨っているのですが、こんなシーンをどこかで見たようなと思っていたら妻を失って地獄に行くオルフェウスのような男、すごく神話的なシーンだなと思いました。私が書いたときはそこまで意図していなかったのですが、ある偶然と自然の介入といろんな人の努力でそういうシーンになったのがとても嬉しかったです。 水が満ちてくるような、不思議とそうなってしまう映画――映画の中でボイスレコーダーが印象的な役割をしていたように思います。ボイスレコーダーの役割は何だったのでしょうか?チョン・ソギョン:ボイスレコーダーについてはシナリオ作家に難しさがあるとするなら、人物の内面と別の外面を一緒に台詞で表現しないといけない部分があります。例えば、『親切なクムジャさん』にはナレーションみたいなものがありますよね。実はナレーションという装置は、映画の外から聞こえてくる声なので、安易に書くのはちょっと微妙なところがあるんです。でも、登場人物が日記を書いたり、そういう仕掛けも多いですよね。登場人物が自分の心の中の言葉を書いていけば観客に自分の心を表現できるでしょう。ヘジュンは便利なことにスマートウォッチをつけていて、他の映画の探偵のようにメモを取るんじゃなくて、スマートウォッチに自分の今の捜査の手がかりとか、そういうものをメモしているんですが、それがヘジュンの心を露わにすることになりました。私自身もボイスレコーダーを使い始めて、生活に電子機器がたくさん介入するようになったんですけど、そういうのが私にとっては便利でした。いつでも録音もできるし、写真も撮れるし。私たちは実際そうやって生きているんですけど、映画ではまるでそういうものがないかのようにするのもおかしいし。 だから、むしろみんながやっているように、できる限り録音して、写真を撮って、すべての機能を使ってみようと、そう思うようになりました。――最後のシーンは、実際に映画を見た時にとても驚いたとおっしゃっていましたが、最初にシナリオを書かれた時に意図されたとおりになったのでしょうか?チョン・ソギョン:映画のシナリオにはこう書いてあります、「ヘジュンは海辺で彷徨う」。だけど、ヘジュンの気持ちがどこまで行ったのか、シナリオを書くときは分かりませんでした。私たちが最後のシーンを見たときにどんな感じになるのか、実はこれもシナリオを書くときは分かりませんでした。でも、ひとつひとつの感情を積み重ねて最後に到達した後、「ただ波が渦巻く」って書いてあったんですけど、シナリオにも明らかに「波」と書いたのに、心が渦巻くような感覚を経験するんですよ。それが私だけなのか、他の観客もそうだったのかすごく気になったんですけど、他の人も同じくそう感じていることが分かってすごく驚きました。そしてまた、「へジュンが海辺で迷子になる」って書いてあるあの簡単な一文も映画ではその先を感じることができる。そういうところが驚きもあり、良かったと思います。――映画を見た後からインタビューをしている今でもこの映画に不思議な感覚を覚えています。チョン・ソギョン:そういう部分ですね。 水が満ちてくるような、不思議とそうなってしまう映画でした。私はその感覚や感情がどこで、なぜそうなったのかが知りたくて、映画を見るたびに詳しく見ていたのですが。とても驚いたことの一つは、私たちが映画を作り、ドラマを作るときに、最も強力な観客とのつながりは、感情移入や同一視を通して作られるんです。感情移入や同一視は、目とか顔とか、クローズアップを通して行われるのですが、その時、人間の鏡理論というか、他人が私と同じように感じるようなものが活性化されるんです。でも最後のシーンでソレのクローズアップはないんです。シナリオの段階では、私はその点を知ることができませんでした。でもこの作品では、「彼女の苦しみはこんなにも大きかったんだ」みたいなことを感じることができる。私はそれがすごく好きだったんです。人が自分の苦しみや悲しみのために流す涙と、他人を思いやるために流す涙は全然違うと思ってました。たまに映画を見ながら涙を流すことがあるのですが、その時は目頭が熱くなるような感じなのですが、この映画を見た時に感じた感情は、胸が痛すぎる、ちょっとそんな感じだと思います。人のことを思う時に受ける感じ、その部分がまたとても良かったです。――何か一生感じることのできない感情をこの映画で感じた気がします。人が一生の間、簡単には感じることのできない感情。チョン・ソギョン:そうなんでよすね、こういう感情があるんだなって。そうなりますね。――『別れる決心』のヒットでまわりからの反応はいかがでしたか? 韓国では考察もかなりされていますが、印象的だったものはありますか?チョン・ソギョン:『別れる決心』は、今までよりも特別にみんなに好かれているような気がします。映画が終わった後、今までの中で一番たくさんメールをいただいた作品でもありますし、しばらく連絡を取ってなかった人たちからもたくさん連絡をいただいて、なぜだろうと考えてみたのです。一つは、この映画が終わって受ける感覚が例えば私たちがオリンピックで勝つチームの映画を見たときにみんなで感じる感覚ではなく、それぞれが自分の内面の一番奥深く、まるで一人か二人しか入れない部屋で受けるような感覚? そういう個人的にしか感じられない感覚を受けたので、それを他人と共有したかったんだと思います。次は、この映画は観客が近づいた時にしか感じられないものがあります。シナリオに書かれているのは、「迷う」という内容だけでこの内容にどんな感情があるのか書かれていないのですが、観客がそれを、まるで海で貝を掘り出すように自分自身が直接見つけて感じなければならないんです。だから多分、例えば、「あの携帯を海に捨てなさい」が結局、愛しているという言葉だと知らない人もいるじゃないですか。でも、見た人たちがそれを愛しているという意味なんだなと気づいたとき、すごくこの映画が好きになるんだと思います。自分が作り出したある感情、それを見た人たちがもっと表現してくれることで、一緒に作ったという感覚がより強くなり、そういう意味ではすごく大切な映画でした。取材:Minさん■作品情報「別れる決心」全国で絶賛公開中!出演:パク・ヘイル、タン・ウェイ、イ・ジョンヒョン、コ・ギョンピョ監督:パク・チャヌク脚本:チョン・ソギョン、パク・チャヌク提供:ハピネットファントム・スタジオ、WOWOW配給:ハピネットファントム・スタジオ原題:헤어질 결심 / 2022年 / 韓国映画 / シネマスコープ / 上映時間:138分 / 映画の区分:G(C)2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED<あらすじ>男が山頂から転落死した事件を追う刑事ヘジュン(パク・ヘイル)と、被害者の妻ソレ(タン・ウェイ)は捜査中に出会った。取り調べが進む中で、お互いの視線は交差し、それぞれの胸に言葉にならない感情が湧き上がってくる。いつしか刑事ヘジュンはソレに惹かれ、彼女もまたへジュンに特別な想いを抱き始める。やがて捜査の糸口が見つかり、事件は解決したかに思えた。しかし、それは相手への想いと疑惑が渦巻く愛の迷路のはじまりだった。■関連リンク「別れる決心」公式ホームページ:https://happinet-phantom.com/wakare-movie/
ホ・ソンテからキム・ムヨルまで、体重の調節は自由自在!?役のため増量・減量を繰り返す俳優たちに注目
体重を増やしたり減らしたりする体重管理は、決して簡単なことではないが、自身が務めるキャラクターをしっかり表現しなければならない芸能人の中には、慣れているという人もいることだろう。彼らはドラマや映画の中で自身が表現するキャラクターの役作りのためなら、1年で20kg体重を増やしたり、再び本来の体重に戻したりすることを繰り返す。最近公開された作品で、キャラクターに入り込むために10kg以上体重を増量、または減量した俳優たちをまとめてみた。キム・ムヨルキム・ムヨルは、映画「対外秘」(監督:イ・ウォンテ)の役作りのために約13kg増量したという。彼は、「撮影を1ヶ月後に控えて、突然監督から増量する必要がありそうだと言われて、一生懸命に食べて運動した」とし、12、13kgほど増量したという。彼はイ・ウォンテ監督の映画「悪人伝」を撮影する時は15kg増量した。彼だけの体重増量の秘訣は、撮影現場でひっきりなしに食べたお菓子などの食べ物だった。ソ・ヒョヌソ・ヒョヌは、自由自在に体重を調整できる俳優だ。作品の撮影順序が違い、公開される時期も異なるが、公開された作品を見ると、増量と減量を繰り返しており、見る人を驚かせる。彼はパク・チャヌク監督の「別れる決心」の後、2~3kgさらに増量した状態で、「PHANTOM」(監督:イ・ヘヨン)の撮影現場に入った。結果的にチョン係長のキャラクターのために24kg増量したのだ。ソ・ヒョヌは「太るのはいつも大変だ。痩せるより太る方が大変だ。増量しながらワンワン泣いたというより、涙を一滴ほど流した(笑)。物理的な苦労があったようだ」と明かした。ユ・アインユ・アインは、映画「声もなく」(監督:ホン・ウィジョン)で、ビジュアルの変化を見せて驚きを与えた。ユ・アインが描いた人物テインは、与えられた環境で自分が務めた仕事は頑張ってやるが、自分以外のことには全く興味がないキャラクターだ。これにホン・ウィジョン監督はユ・アインに増量を提案した。彼は「監督が実際の映画に出ている姿より、もっと太ることを願っていた。15kg増量した。アイスクリームとチキンを食べて太った。しかし太るよりも(その体重を)維持するほうが簡単ではなかった」とし、「休んでいる時は4~5食ずつ食べて太ることができるが、撮影する時は食事の時間を守れないこともあるので、太るのが容易ではなかった」と打ち明けた。ホ・ソンテNetflix「イカゲーム」(演出:ファン・ドンヒョク)で、卑劣な男ドクス役を演じたホ・ソンテ。彼は暴力団というキャラクターの特性上、筋肉量と共に体型を大きくした。彼は役のため1ヶ月半で17kg増やし、92kgになった。 彼は続いて撮影に入った映画「ハント」(監督:イ・ジョンジェ)のために元の状態に戻った。増量より減量のほうが簡単だというホ・ソンテは、「短期間でやらなければならない特別な理由があるので大変なところもある。体がもともと記憶していた体重ではないので、太ったら、筋肉が断裂した」とし、増量の難しさを打ち明けた。
パク・チャヌク監督作「別れる決心」日本語吹き替えに人気声優・諏訪部順一&沢城みゆきが参加決定!日本語版の本編映像も初解禁
2月17日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか、全国で公開されるパク・チャヌク監督最新作「別れる決心」の日本語吹き替え版の制作が決定し、声優の諏訪部順一、沢城みゆきが主人公をそれぞれ演じることが決定した。また、2人の吹き替え版の本編映像が初解禁となった。昨年5月の「カンヌ国際映画祭」コンペティション部門での監督賞受賞以来、世界の批評家・映画サイトから絶賛を浴び、本年度アカデミー賞国際長編映画賞部門の韓国代表に選出。韓国では、公開後に発売された脚本集がベストセラー1位を獲得、決めセリフがSNSで流行、BTS(防弾少年団)のメンバーRMも複数回鑑賞するほどハマったと、自身のSNSやYouTubeで報告するなど、社会現象ともいえるブームを巻き起こしている。韓国のアカデミー賞とも称される、最も権威ある映画祭、青龍賞で最優秀作品賞・監督賞をはじめ7冠を獲得、大鐘賞でも作品賞、脚本賞、主演男優賞の3冠を獲得! ほかにも韓国映画制作家協会賞では作品賞・脚本賞をはじめ6冠、韓国映画評論家賞では最優秀作品賞・監督賞・作家賞・主演女優賞など6冠獲得などと韓国国内の映画賞を軒並み受賞。その勢いは国内に留まらず、米「ニューヨーク・タイムズ」紙や「ローリングストーン」誌、「インディ・ワイヤー」誌などが選ぶ、2022年の映画ベスト10にも選出されるなど、国内外から熱い注目を集め世界中を魅了している。監督を務めるのはパク・チャヌク。「オールド・ボーイ」で「第57回カンヌ国際映画祭」グランプリを受賞。その後「渇き」「イノセント・ガーデン」「お嬢さん」など唯一無二の作品で世界中の観客と批評家を唸らせ続けてきた巨匠の6年ぶりの最新作は、サスペンスとロマンスが溶け合う珠玉のドラマ。パク・チャヌクの盟友でありNetflix「シスターズ」も話題のチョン・ソギョンと共に手掛ける、二転三転する先の読めないストーリー、相手の本心を知りたいヘジュンとソレのスリリングな駆け引きに、ハマる批評家や観客が続出!主人公の2人の吹替版声優を演じるのは、諏訪部順一と沢城みゆき。刑事ヘジュン(パク・ヘイル)を演じるのは諏訪部順一。吹替では「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」のコン・ユ、ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース「ヴェノム」シリーズのトム・ハーディ、アニメでは「呪術廻戦」の両面宿儺、「テニスの王子様」の跡部景吾など、長年に渡り数多くの人気作に出演する名優が、犯罪者を捕まえることに真摯に取り組む刑事でありながら、いつしか事件の容疑者ソレに惹かれてしまう刑事ヘジュンを、渋い声と、繊細な演技で演じる。ヘジュンと惹かれ合う容疑者ソレ(タン・ウェイ)を演じるのは沢城みゆき。「愛の不時着」のソン・イェジン、「アクアマン」のニコール・キッドマン、アニメ作品では「ルパン三世」の峰不二子、「鬼滅の刃」堕姫など、驚異の演技力で様々な人気キャスト・キャラを演じる彼女が、謎めいた女性でありながら、ヘジュンの特別な想いに気付き、自らもどんどん惹かれていくヒロインの姿を、時に妖しく、時に可愛らしく演じる。「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督と並ぶ韓国の二大巨匠であるパク・チャヌク監督が手掛けた「別れる決心」は、伏線が張り巡らされたサスペンスと、打ちのめされるようなラブストーリーが超絶技巧的な計算しつくされた映像と中毒性のある脚本によって渾然一体となった作品。直接的なラブシーンは無いにも関わらず、2人の息遣いや目線、そして指先の動きで感じる大人の雰囲気、韓国で大ブームを巻き起こした決めセリフの数々、何度観ても新たな発見がある映像表現を、実力派声優の2人が演じる日本語吹替版で楽しむことは、リピート鑑賞にもお勧め。そしてこの度、諏訪部順一、沢城みゆき吹き替え版の本編映像が初解禁となった。シーンは2人の出会い。ヘジュンがソレの夫の事故死の調査を開始し、ソレに夫の死因を説明しようとする場面。中国出身で韓国語が苦手なソレは、夫が死んだというのに驚く様子もなく、謎の笑みを浮かべる。この後ヘジュンは不審に思い、ソレの監視を開始することになるが、どんどん彼女に惹かれていく。ヘジュンの真摯な刑事像、ソレの謎めいたキャラクター、刑事と容疑者として出会った緊迫感が、諏訪部、沢城の吹替で、次なる展開を期待させる映像となっている。◆諏訪部順一/ヘジュン役 コメント役柄については、今作で日本語吹替を担当させていただいたチャン・ヘジュンは優秀な刑事です。捜査に取り組む真摯な姿勢は、時に周りから度が過ぎると思われるほど。そんな彼の心の機微を、パク・ヘイルさんが抑制を効かせつつも、メリハリのある演技で表現されています。私もアクセルよりはブレーキ主体でコントロールしながら演じました。作品については、捜査の中で出会ったソン・ソレは、夫が転落死したばかりにも関わらず、らしからぬ様子。そんな彼女に特別な感情を抱いてしまうヘジュン。この2人を軸に描かれる物語は、サスペンスフルであり、ロマンチックでもある。単なるファム・ファタール作品ではない、パク・チャヌク監督のセンスが光る「大人」な映画だと思いました。◆沢城みゆき/ソレ役 コメント役柄については、母国語の中国語を話す時と、慣れない韓国語を話すときで魅力が変わるのが印象的でした。吹き替えを担当する場合、役にはできれば肉薄したいと思ってきましたが共感を求めていない女性に近づくことの不毛さみたいなものはビシビシ感じながらも、少しづつ五感を共有できるように努めました。それぞれ口には出さなかった胸の中の気持ちで、物語が編まれていくので、声のお芝居でどうアプローチするかが難しかったです。作品については、とても言語化できない、とてもまとめきれない! 初見の鑑賞後。嗚呼でも鑑賞するって、理解するってことじゃなくてよかったんだよなと、随分左脳優位になっていたことにも、はたと気付かされました。静かに静かに皮下吸収されて忘れることのできない、体の中に居座り続ける映画に。タン・ウェイ(正確にはソン・ソレ)の色香に一度酩酊してしまうと、どうも他の香りが物足りなく感じてしまう気もしてきていて、これは地味に非常事態かもしれません。■作品情報「別れる決心」2023年2月17日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー出演:パク・ヘイル、タン・ウェイ、イ・ジョンヒョン、コ・ギョンピョ監督:パク・チャヌク脚本:チョン・ソギョン、パク・チャヌク提供:ハピネットファントム・スタジオ、WOWOW 配給:ハピネットファントム・スタジオ原題:헤어질 결심 / 2022年 / 韓国映画 / シネマスコープ / 上映時間:138分 / 映画の区分:G(C)2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED<あらすじ>男が山頂から転落死した事件を追う刑事ヘジュン(パク・ヘイル)と、被害者の妻ソレ(タン・ウェイ)は捜査中に出会った。取り調べが進む中で、お互いの視線は交差し、それぞれの胸に言葉にならない感情が湧き上がってくる。いつしか刑事ヘジュンはソレに惹かれ、彼女もまたへジュンに特別な想いを抱き始める。やがて捜査の糸口が見つかり、事件は解決したかに思えた。しかし、それは相手への想いと疑惑が渦巻く愛の迷路のはじまりだった。■関連リンク「別れる決心」公式ホームページ:https://happinet-phantom.com/wakare-movie/
パク・チャヌク監督作「別れる決心」米アカデミー賞の最終候補にノミネートならず
パク・チャヌク監督の映画「別れる決心」が、「第95回アカデミー賞」の最終候補にノミネートされなかった。24日(現地時間)、米国映画芸術科学アカデミー(AMPAS)は、「第95回アカデミー賞」授賞式の最終候補リストを発表した。この部門の最終候補には「西部戦線異状なし」(ドイツ)、「アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~」(アルゼンチン)、「CLOSE/クロース」(ベルギー)、「EO イーオー」(ポーランド)、「The Quiet Girl」(アイルランド)などが名を連ねた。これに先立って、国際長編映画賞部門の予備候補(ショートリスト)15本のリストに選ばれた「別れる決心」は、最終候補5本に名を連ねることはできなかった。「別れる決心」は、山で起きた変死事件を捜査することになった刑事のヘジュン(パク・ヘイル)が、崖から転落死した男の妻ソレ(タン・ウェイ)に出会い、疑いと関心を同時に感じることから始まる物語を描いた作品だ。「第75回カンヌ国際映画祭」で監督賞を受賞したものの、「第80回ゴールデングローブ賞」非英語作品賞(外国語映画賞)の受賞は逃した。「第95回アカデミー賞」は3月12日、米ロサンゼルス・ドルビー劇場で開かれる。
パク・チャヌク監督作「別れる決心」第76回英国アカデミー賞で監督賞と非英語作品賞の2部門にノミネート
カンヌ国際映画祭をはじめ、45以上の映画祭や映画賞で30部門以上を受賞と賞レースを席巻中の「別れる決心」が、現地時間19日に発表された「第76回英国アカデミー賞(BAFTA)」において、監督賞と非英語作品賞の2部門でノミネートを果たした。韓国映画として初の非英語作品賞を受賞した前作「お嬢さん」、脚本賞と非英語作品賞のダブル受賞をした「パラサイト 半地下の家族」に引き続き、快挙達成となるか注目だ。来週24日に発表されるアカデミー賞ノミネートにも期待が高まる。今年5月の「カンヌ国際映画祭」コンペティション部門での監督賞受賞以来、世界の批評家・映画サイトから絶賛を浴び、本年度アカデミー賞国際長編映画賞部門の韓国代表に選出。韓国では公開後に発売された脚本集がベストセラー1位を獲得、決めセリフがSNSで流行、BTS(防弾少年団)のメンバーRMも複数回鑑賞するほどハマったと自身のSNSやYouTubeで報告するなど、社会現象ともいえるブームを巻き起こしている。韓国のアカデミー賞とも称される、最も権威ある映画祭、青龍賞で最優秀作品賞・監督賞をはじめ7冠を獲得、大鐘賞でも作品賞、脚本賞、主演男優賞の3冠を獲得! ほかにも韓国映画制作家協会賞では作品賞・脚本賞をはじめ6冠、韓国映画評論家賞では最優秀作品賞・監督賞・作家賞・主演女優賞など6冠獲得などと韓国国内の映画賞を軒並み受賞。その勢いは韓国国内に留まらず、米「ニューヨーク・タイムズ」紙や「ローリングストーン」誌、「インディ・ワイヤー」誌などが選ぶ今年の映画ベスト10にも選出されるなど、国内外から熱い注目を集め世界中を魅了している。監督を務めるのはパク・チャヌク。「オールド・ボーイ」で「第57回カンヌ国際映画祭」グランプリを受賞。その後「渇き」「イノセント・ガーデン」「お嬢さん」など唯一無二の作品で世界中の観客と批評家を唸らせ続けてきた巨匠の6年ぶりの最新作は、サスペンスとロマンスが溶け合う珠玉のドラマ。主演は「殺人の追憶」「グエムル-漢江の怪物-」とポン・ジュノ監督作品への出演で一躍注目を集め、ドラマ、アクション、時代劇などキャリアを通して幅広い分野で活躍しているパク・ヘイルと、アン・リー監督「ラスト、コーション」でヒロインを演じ一躍国際的な女優としての地位を確立、「ブラックハット」(マイケル・マン監督)でハリウッドにも進出しているタン・ウェイ。物語は、刑事ヘジュン(パク・ヘイル)が、崖から転落死した男の妻ソレ(タン・ウェイ)の調査を開始することから始まる。取り調べが進む中で、お互いの視線は交差し、それぞれの胸に言葉にならない感情が湧き上がってくる。いつしか刑事ヘジュンはソレに惹かれ、彼女もまたヘジュンに特別な想いを抱き始める。パク・チャヌクの盟友でありNetflix「シスターズ」も話題のチョン・ソギョンと共に手掛ける、二転三転する先の読めないストーリー、相手の本心を知りたいヘジュンとソレのスリリングな駆け引きに、ハマる批評家や観客が続出! 映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」では94%フレッシュを記録し、「『パラサイト 半地下の家族』の次はこれ!」(Variety)、「今年最もロマンティックな映画」(IndieWire)、「ミステリーとロマンスが優雅に溶け合っている」(Collider)といった絶賛評が上がっている。■作品情報「別れる決心」2023年2月17日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー出演:パク・ヘイル、タン・ウェイ、イ・ジョンヒョン、コ・ギョンピョ監督:パク・チャヌク 脚本:チョン・ソギョン、パク・チャヌク提供:ハピネットファントム・スタジオ、WOWOW 配給:ハピネットファントム・スタジオ原題:헤어질 결심 / 2022年 / 韓国映画 / シネマスコープ / 上映時間:138分 / 映画の区分:G(C)2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED<あらすじ>男が山頂から転落死した事件を追う刑事ヘジュン(パク・ヘイル)と、被害者の妻ソレ(タン・ウェイ)は捜査中に出会った。取り調べが進む中で、お互いの視線は交差し、それぞれの胸に言葉にならない感情が湧き上がってくる。いつしか刑事ヘジュンはソレに惹かれ、彼女もまたへジュンに特別な想いを抱き始める。やがて捜査の糸口が見つかり、事件は解決したかに思えた。しかし、それは相手への想いと疑惑が渦巻く愛の迷路のはじまりだった。■関連リンク「別れる決心」公式ホームページ:https://happinet-phantom.com/wakare-movie/
パク・チャヌク監督作「別れる決心」クリティクス・チョイス・アワードで受賞ならず…作品賞は「RRR」
パク・チャヌク監督の映画「別れる決心」が、「クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)」の最優秀外国語作品賞を惜しくも逃した。16日(韓国時間)、米ロサンゼルスで「第28回クリティクス・チョイス・アワード」が開かれた。北米最大の批評家団体であるクリティクス・チョイス協会(CCA)が主催するハリウッドを代表する授賞式の1つで、放送と映画部門を網羅して作品性と俳優たちの演技を評価し、賞を授与する。アカデミー賞受賞者を予測することができる主要な授賞式の1つとして評価されている。この日の授賞式で最優秀外国語作品賞は「RRR」(監督:SSラザモリ / インド)が受賞した。共にノミネートされた映画「別れる決心」は惜しくも受賞を逃した。
パク・チャヌク監督作「別れる決心」ゴールデングローブ賞で惜しくも受賞ならず…米アカデミー賞に期待高まる
パク・チャヌク監督の映画「別れる決心」が、「ゴールデングローブ賞」の外国語映画賞受賞を惜しくも逃した。11日午前(韓国時間)、米・カリフォルニア州にあるロサンゼルス ザ・ビバリー・ヒルトンホテルにて「第80回ゴールデングローブ賞」が開催された。この授賞式は「アカデミー賞」の前哨戦と呼ばれる権威ある授賞式だ。外国語映画賞(Best Picture-Non-English Language)部門にノミネートされたパク・チャヌク監督の「別れる決心」は、「西部戦線異常なし」(監督:エドワードバーガー / ドイツ)、「アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判」(監督:サンティアゴ・ミトレ / アルゼンチン)、「Close」(監督:ルーカス・ドン / ベルギー)、「RRR」(監督:SSラザモリ / インド)などと競合を繰り広げた。その結果、サンティアゴ・ミトレ監督の「アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判」が受賞の栄光を手にした。「別れる決心」は「第75回カンヌ国際映画祭」(2022)で監督賞を受賞。韓国映画代表として、今年3月に開催される「第95回アカデミー賞」の国際長編映画部門の予備候補(ショートリスト)に選ばれている。同部門で最終的に受賞することができるのか、期待が高まっている。
パク・チャヌク監督作「別れる決心」英国アカデミー賞で主要部門の予備候補にノミネート
「別れる決心」が英国アカデミー賞で4部門の予備候補にノミネートした。7日、多数の海外メディアによると、パク・チャンウク監督が手掛けた映画「別れる決心」が、英国アカデミー賞(British Academy of Film and Television Arts、BAFTA)で監督賞、脚本賞、編集賞、外国語映画賞など計4部門の予備ノミネートリストに名前を連ねた。英国アカデミー賞の最終ノミネートは、今月の17日(現地時間)に発表される。「別れる決心」はゴールデングローブ賞の外国語映画賞にもノミネートされ、パク・チャヌク監督は10日(現地時間)、アメリカのロサンゼルスで開かれる授賞式に参加する。また同作は、「第95回アカデミー賞」の国際長編映画賞にも予備ノミネートされているだけに、その結果に注目が集まっている。一方、6月29日に韓国で公開された「別れる決心」は、山で起きた変死事件を捜査することになった刑事のヘジュン(パク・ヘイル)が、崖から転落死した男の妻ソレ(タン・ウェイ)に出会い、疑いと関心を同時に感じることから始まる話を描いた映画だ。「第75回カンヌ国際映画祭」で監督賞を受賞したことに続き、「トロント国際映画祭」「第60回ニューヨーク映画祭」をはじめとする有数の海外映画祭に公式招待され、作品性が認められた。
パク・チャヌク監督作「別れる決心」ゴールデングローブ賞の外国語映画賞にノミネート…授賞式参加のため出国
パク・チャヌク監督が演出を務めた映画「別れる決心」が、「ゴールデングローブ賞」の外国語映画賞にノミネートされ、期待が高まっている。4日、制作会社のモホフィルムと配給会社のCJ ENMによると、パク・チャヌク監督は10日午後(現地時間)、米ロサンゼルスで開かれる「第80回ゴールデングローブ賞」に出席する。「別れる決心」が今年の外国語映画賞の最終候補に挙がったためだ。パク・チャヌク監督はロサンゼルスでHBO Maxオリジナルシリーズドラマ「The Sympathize」を撮影しながら、「ゴールデングローブ賞」授賞式にも参加する予定だ。彼はこのため3日に出国したが、主演のパク・ヘイル、タン・ウェイなど出演者たちは出席しないという。韓国の作品が「ゴールデングローブ賞」の本賞にノミネートされたのは、ポン・ジュノ監督の映画「パラサイト 半地下の家族」(2019)、Netflixドラマ「イカゲーム」(2021)以来、3度目だ。「別れる決心」と共に候補に挙がったライバル作は「西部戦線異常なし」(監督:エドワードバーガー/ドイツ)、「アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判」(監督:サンティアゴ・ミトレ/アルゼンチン)、「Close」(監督:ルーカス・ドン/ベルギー)、「RRR」(監督:SSラザモリ/インド)の4本だ。昨年開かれた「第75回カンヌ国際映画祭」でパク・チャヌク監督は「別れる決心」で監督賞を受賞した。韓国時間で11日午前10時から開催される「第80回ゴールデングローブ賞」授賞式で「別れる決心」が外国語映画賞を受賞する快挙となるか、韓国国内外から注目が集まっている。ハリウッド外人記者協会が主管する「ゴールデングローブ賞」は、アカデミー賞と共にアメリカ最大の映画祭に挙げられる。「別れる決心」は3月12日(現地時間)に開かれる「第95回アカデミー賞」でも国際長編映画賞の予備候補(ショートリスト)に挙がっている。
パク・チャヌク監督、日本で映画「別れる決心」のティーチインイベントを開催!制作秘話を語る
パク・チャヌク監督最新作「別れる決⼼」のティーチインイベントが12月27日に都内にて行われ、本作PRのために来日中のパク・チャヌク監督が登壇。ジャパンプレミアでは日本初お披露目となる上映前に舞台挨拶を行ったが、本日のイベントでは、本作を鑑賞したばかりで興奮さめやらぬ様子の観客の皆さんからの質問にたっぷりと答え本作の制作秘話を語った。映画「お嬢さん」(2016)以来、5年10ヶ月ぶりの来日となるパク監督。監督が登壇すると会場からは割れんばかりの拍手が。パク監督は本日のティーチインイベントに集まったファンの皆さんへ向け、「前作の『お嬢さん』以来約6年ぶりに本当に久しぶりに劇場公開される長編映画を撮りました。コロナ禍を経て、『この先皆さんにこの映画を見てもらえる日が来るのだろうか』ととても心配していたので、まるで初めて映画を作ってそれを皆さんに見ていただくようなワクワク、ウキウキした気分です」と挨拶をし、イベントがスタート。まずMCより、「前作『お嬢さん』とは全く異なる設定だが、愛の物語をミステリーというジャンルで描くという点では共通していると思う」とした上で、「ミステリーとロマンスを融合させるスタイルに惹かれる理由は?」と問われると、「愛というのはとても大きなミステリーで、この2つはとてもよく似合う要素だと思います。『どうして私はあの人に惹かれるのだろうか』というのは口では言い表せないほどの大きな謎だと思います。ミステリーにロマンスを融合させるというのは、理にかなっていると思います」と答えた。そして、会場からの質問を募集すると、「韓国語と中国語のやりとりがもどかしくてとてもセクシーでした! 言葉が通じないけれど何かで通じ合っているという様子が素敵だったのですが、どのように考えて作られたのでしょうか?」と興奮さめやらぬ様子での質問が。パク監督は「言葉が通じない人同士の愛というものは、物語の効果的な装置になると思います」と答え、「愛を成就するために、厳しい条件や壁があればあるほどよりドラマチックになると思いませんか? 私は言葉の壁というものを活用せずにはいられませんでした。映画を作る上で、通訳が必要になるシーンは、どうしても描写に時間がかかってしまい、観客ももどかしい気持ちになってしまうためできるだけ避けようとするのですが、私は逆にそれを効果的に利用しようと思いました。主人公へジュンと観客の皆さん両方をもどかしくさせようと思ったわけです。ヒロインのソレが何かを熱弁しているけれど一体なんと言っているのだろうととても気になったと思います」と本作の設定に込めた思いを語り、「今も私が韓国語で話していると、一体なんと言っているのか気になるでしょう? ですから、できるだけ短く話して通訳さんに任せたいと思います」と続け、会場を笑わせた。そして、「これまでの作品と異なりロマンティックなラブストーリーを描きたいと思った理由を教えてください」との質問をされると「私の作ってきたこれまでの映画もロマン主義的なラブストーリーだと思っています。今までの作品は暴力的なシーンや、エロティックなシーンの印象が強く、愛の話が見えづらかったのかもしれません。今回の映画で私が『今回もまた愛の物語で戻ってきました』と挨拶すると皆さん笑うんです。自分の中ではより直接的に愛のストーリーだということを見せたくてこの映画を作りました。だから私は、これまでとは新たにして愛のストーリーを映画にしたわけではなく、今まで入れてきた要素を入れなかったのです」と今までのイメージを覆す本作に込めた思いを述べた。さらに「本作ではスマートフォンやスマートウォッチなどのハイテクデバイスが効果的に使われていますが、これは最初から思いついていたのですか? それとも脚本を組み立てる上で物語に盛り込んでいくのでしょうか?」との質問には、「最初に書いた脚本を読み返してみた時に、『これは大変なことになった』と思いました。劇中でスマートフォンからメッセージを送るシーンがとても多かったのでどうしたら避けることができるだろうかと考えたのですが、すぐに諦めました」と明かし、「現代を暮らす人々の生活を描くからには避けては通れないと思ったからです。個人的には、できればフィルムカメラや旧式のテープレコーダー、紙の資料などを劇中で使いたいと思うこともあるのですが、もしそういう映画を作ったら、観客の皆さんは『なんだこれは、変だな』とむしろ不自然さを感じると思います。私はこの映画を作るにあたって、決して旧式な映画にしたくはなく、現代の皆さんが共感できる映画を作りたいと思いました。現実の世界でこれらのデバイスを使っているのは事実なのでそれをそのまま使おうと考えました」と語った。さらに、「デジタルは冷たいと感じるかもしれませんが、必ずしもそうではないと思います。私たちはスマートフォンをまるで手の一部であるかのようにいつも握って何かをしています。そして、自分が送ったメッセージを相手が今読んでいる、ということまでわかります。機械的な冷たさというものではなく、相手もきっと手の一部になっているような、相手の手を握っているような感覚にもなりうるというように思いました。物理的に2人が離れていても、メッセージを通してあたかもすぐそばにいるかのように、まるで相手と向き合っているような感覚になるような効果が得られると思いました」とも語り、「こういったデバイスを使うことが避けられないのなら、どうせならたくさん使ってより上手く効果的に使用しようと思ったのです。通訳アプリは、脚本の最後の段階で入れ込みました」と回答した。最後にパク監督は、「この映画を観たたくさんの方々が『この映画は2回以上観るとより面白い』とおっしゃってくれています。1回目は主人公へジュンの観点から、2回目はヒロインのソレの観点から見てみるとまた別の楽しみ方があると言ってくれています。皆さんもそのように感じていただけるかはわかりませんが、そういう風な口コミが広がっているということをお伝えさせていただきたいと思います(笑)」とユーモアも交えて日本の観客に呼び掛けた。■イベント情報映画「別れる決心」ジャパンプレミア日時:12月27日(火)21:05~21:35場所:スペースFS汐留(港区東新橋1-1-16 汐留FSビル3F)登壇者:パク・チャヌク監督■作品情報「別れる決心」2023年2月17日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー出演:パク・ヘイル、タン・ウェイ、イ・ジョンヒョン、コ・ギョンピョ監督:パク・チャヌク 脚本:チョン・ソギョン、パク・チャヌク提供:ハピネットファントム・スタジオ、WOWOW 配給:ハピネットファントム・スタジオ原題:헤어질 결심 / 2022年 / 韓国映画 / シネマスコープ / 上映時間:138分 / 映画の区分:G(C) 2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED<あらすじ>男が山頂から転落死した事件を追う刑事ヘジュン(パク・ヘイル)と、被害者の妻ソレ(タン・ウェイ)は捜査中に出会った。取り調べが進む中で、お互いの視線は交差し、それぞれの胸に言葉にならない感情が湧き上がってくる。いつしか刑事ヘジュンはソレに惹かれ、彼女もまたへジュンに特別な想いを抱き始める。やがて捜査の糸口が見つかり、事件は解決したかに思えた。しかし、それは相手への想いと疑惑が渦巻く愛の迷路のはじまりだった。■関連リンク「別れる決心」公式ホームページ:https://happinet-phantom.com/wakare-movie/
「別れる決心」で待望の来日…パク・チャヌク監督、日本映画に意欲!?磯村勇斗も感激”韓国語マスターする”
パク・チャヌク監督最新作「別れる決心」のジャパンプレミアが、12月26日に都内劇場で行われ、本作PRのために来日中のパク・チャヌク監督が登壇し、さらに解説ゲストとして古家正亨、特別ゲストとして磯村勇斗が参加した。映画「お嬢さん」(2016)以来、5年10ヶ月ぶりの来日となるパク・チャヌク監督は、巨匠の新作を待ちわびる日本のファンを前に「今日は寒い中、このように集まっていただきありがとうございます」と感謝しながら「この作品は『お嬢さん』以来となる私の映画監督作であり、コロナ禍を経て初めて作った映画でもあります。とても意味深い作品であり、ベストを尽くして制作した作品です」と挨拶した。古家正亨が「映画賞を総なめしているのみならず、作品としての質も高く評価されています。これまでのパク・チャヌク監督作に比べて暴力や性描写が抑えられているけれど官能的。かなり興奮しました」と絶賛するように、「別れる決心」は「第75回カンヌ国際映画祭」監督賞受賞のほか、「青龍映画賞」7冠をはじめ韓国国内でも数多くの映画賞を受賞。さらに「第80回ゴールデン・グローブ賞」にもノミネートされ、「第95回アカデミー賞」の韓国代表作品にも選ばれている。また韓国では脚本集がベストセラーになり、決めセリフがSNSで流行するなど社会現象的ヒットを記録。BTS(防弾少年団)のRMも本作に大ハマリしており、Instagramで映画のセリフを話す映像を投稿したりしているという。これにパク・チャヌク監督は「RMさんは自分でお金を出して何度も本作を観てくれたようで本当に嬉しいです。次回お会いする際にはお礼を言おうと思います」と笑顔。本作制作においては古典的スタイルをテーマにしたそうで「それが、私がこれまでに作ってきた刺激的な作品よりも好評を博しているということが、非常に興味深いです。人を愛する感情や別れの辛さというものは、どの国のどの世代でも共通するものであると再確認することができました」と反響に手応えを得ていた。舞台挨拶中盤には特別ゲストとして、俳優の磯村勇斗が監督への花束を抱えて登壇。磯村勇斗は自身の出演作「PLAN 75」でパク・チャヌク監督と同じく「第75回カンヌ国際映画祭」に参加しているが、この日が念願の初対面となった。10代の頃に、パク・チャヌク監督の映画「オールド・ボーイ」を見て衝撃を受けたという磯村勇斗は「あの作品を見たときに『俺はこういう作品に出るような俳優になるんだ』と思ったくらい衝撃を受けました。それを手掛けた監督とお会いできているなんて本当に夢のよう」と感慨無量。これにパク・チャヌク監督は「私も今日こうしてお会いできて嬉しいです。今後、磯村勇斗さんは大俳優になって、簡単にはご挨拶できなくなると思うので、お会いできてよかった」とリスペクト返礼をして、当の磯村勇斗は「そんなことを言われたら頑張るしかない!」と自らに気合いを入れていた。また磯村勇斗は「別れる決心」について「中毒性のある映画で面白かったです。過激なシーンを抑えつつも登場人物たちの心情にフォーカスを当てて、刑事ヘジュン(パク・ヘイル)と容疑者ソレ(タン・ウェイ)の掛け合いに胸がウズウズ。何度も観たくなる大人の危険なラブストーリーだと思いました」と絶賛。古家正亨も「美術セットにもすべて意味があり、セットから聞こえてくるセリフもあって、見ていてドキドキする。あんなにもセクシーなハンドクリームは初めて」とヒントをちりばめながら見どころを上げていた。そして磯村勇斗は憧れのパク・チャヌク監督に対して「撮影現場で心掛けていることは?」と質問。これに監督は「対話」と明かし「私の作品を見た方は、私という人間は一人で色々なことに拘り、周りの意見を聞かないような人間だと思われるかもしれませんが、私は誰よりもキャスト・スタッフと話をして彼らの話をよく聞きます。ディスカッションすることでそこから良いものを選択することができるし、そこから自分の考えが発展成長もする。これはとても重要なこと」と説明。その返答に磯村勇斗も「一番大切なことですね。僕も改めて仲間たちと会話をしながら作ることを大切にしたいと思いました」と感銘を受けていた。また司会から、パク・チャヌク監督作品への参加の意思を問われた磯村勇斗は「出られるものならば出たいですよ! そのためには韓国語を頑張って勉強しようと思います」と前のめり。するとパク・チャヌク監督も「磯村さんが韓国語をマスターするのではなく、私が日本語を勉強して日本映画でご一緒するのもありかもしれませんね」と日韓合作作品の制作に意欲を見せていた。最後にパク・チャヌク監督は「私にとって幸せな瞬間は、この作品を見て観客の皆さんが笑ってくれた時です。ユーモアとは言語の壁を超えるのが難しいものですが、そのユーモアの部分を外国の皆さんが笑ってくださるということは、この映画で描かれているユーモアが通じたということ。皆さんもこの映画を見て面白いと感じたら、躊躇することなく笑ってくださいね」と日本の観客に呼び掛けた。■イベント情報映画「別れる決心」ジャパンプレミア日時:12月26日(月)18:00~18:30場所:TOHO シネマズ 日比谷 スクリーン12登壇者:パク・チャヌク監督特別ゲスト:磯村勇斗解説ゲスト:古家正亨(韓流・K-POP MC)■作品情報「別れる決心」2023年2月17日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー出演:パク・ヘイル、タン・ウェイ、イ・ジョンヒョン、コ・ギョンピョ監督:パク・チャヌク 脚本:チョン・ソギョン、パク・チャヌク提供:ハピネットファントム・スタジオ、WOWOW 配給:ハピネットファントム・スタジオ原題:헤어질 결심 / 2022年 / 韓国映画 / シネマスコープ / 上映時間:138分 / 映画の区分:G(C) 2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED<あらすじ>男が山頂から転落死した事件を追う刑事ヘジュン(パク・ヘイル)と、被害者の妻ソレ(タン・ウェイ)は捜査中に出会った。取り調べが進む中で、お互いの視線は交差し、それぞれの胸に言葉にならない感情が湧き上がってくる。いつしか刑事ヘジュンはソレに惹かれ、彼女もまたへジュンに特別な想いを抱き始める。やがて捜査の糸口が見つかり、事件は解決したかに思えた。しかし、それは相手への想いと疑惑が渦巻く愛の迷路のはじまりだった。■関連リンク公式ホームページ:https://happinet-phantom.com/wakare-movie/