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「屋根部屋のプリンス」「紳士の品格」など…2012年は“酷評&体面繕い”のSBSドラマ総まとめ
2012年、韓国SBSでは「サラリーマン楚漢志」「ファントム」「屋根部屋のプリンス」など数多くのドラマが放送された。ドラマが豊作だった昨年とは違って、今年の状況は良くなかった。ドラマ局の司令塔であるク・ボングンセンター長は、私見であると前提した上で今年の最高のドラマとして「紳士の品格」「追跡者 THE CHASER」(以下「追跡者」)を挙げた。2012年ドラマの総評については「視聴率がふるわず、辛かった」と言葉尻を濁した。期待が大きかった分、議論もあったSBSドラマを振り返ってみた。「サラリーマン楚漢志」「追跡者」 ― 懸念を払拭して、成功を遂げる今年、SBSで放送された月火ドラマの視聴率の成績は、「サラリーマン楚漢志」(脚本:チャン・ヨンチョル、チョン・ギョンスン、演出:ユ・インシク)と「追跡者」(脚本:パク・ギョンス、演出:チョ・ナムグク)が最も優れていた。「サラリーマン楚漢志」は1月2日に放送をスタートし、3月13日に終了した。最終話の視聴率は21.7%(AGBニールセン・メディアリサーチ、全国基準)。「ジャイアント」の制作陣とイ・ボムス、チョン・ギョウン、チョン・リョウォン、ホン・スヒョン、イ・ドクファらが意気投合した作品だ。中国の古典「楚漢志」のキャラクターをもとに、韓国のサラリーマンたちの哀歓とサクセスストーリーを描いた。コミカルなスパイ作戦、アクション、サスペンス、スリラー、恋愛模様をもれなく盛り込んだ。5月28日にスタートした「追跡者」の主なストーリーは、理不尽な現実と権力の暗闘によって犠牲となった娘のために、父親が復讐するという内容だ。多少陳腐とも言える素材だが、共感を得た理由は復讐が展開される一連の過程がリアルだったからだ。スピーディな展開とどんでん返しの連続だった。7月17日に放送された最終話は、22.6%の視聴率を記録した。一方、放送前には熱い関心を集めたが物足りなさを残した作品としては、「ファッション王」(脚本:イ・ソンミ、キム・ギホ、演出:イ・ミョンウ)と「シンイ-信義-」(脚本:ソン・ジナ、演出:キム・ジョンハク)がある。ユ・アイン、シン・セギョン、イ・ジェフン、少女時代 ユリなどが出演した「ファッション王」は、3月19日~5月22日に渡って放送された。東大門(トンデムン)市場からスタートし、世界的なデザイナーとして成功する若者たちのストーリーを描いたが、視聴者の共感を得ることには失敗した。「ファッション王」は9.6%の視聴率で幕を閉じた。 8月13日~10月30日に渡って放送されたイ・ミンホ、キム・ヒソン主演「シンイ-信義-」の最終話は、10.1%の視聴率を記録した。キム・ヒソンが結婚後に選んだ復帰作であっただけに、同ドラマへの期待は大きかった。しかし、制作費や時間的な制約によって、新しい医学の世界を描こうとした最初の企画意図はきちんと反映されなかった。「シンイ-信義-」の後続番組として11月5日にスタートした「ドラマの帝王」(脚本:チャン・ハンジュン、イ・ジヒョ、演出:ホン・ソンチャン)では、俳優キム・ミョンミンが苦戦を強いられているSBS月火ドラマのリリーフとして登場した。MBCドラマ「ベートーベン・ウィルス~愛と情熱のシンフォニー~」以来4年ぶりとなるドラマ復帰でキム・ミョンミン効果を狙ったが、視聴率は一桁に留まった。話題作「屋根部屋のプリンス」「ファントム」 ― 体面繕い水木ドラマとして体面を繕いできたのは、「屋根部屋のプリンス」(脚本:イ・ヒミョン、演出:シン・ユンソプ、アン・ギルホ)と「ファントム」(脚本:キム・ウニ、演出:キム・ヒョンシク、パク・シヌ)だ。「屋根部屋のプリンス」は3月21日に初放送された。JYJ ユチョン、ハン・ジミン、イ・テソン、チョン・ユミなどが出演し、5月24日の最終話の視聴率は14.8%だった。皇太子妃を失った皇太子が、300年の時を越えて21世紀のソウルにタイムスリップし、叶わなかった愛を叶えるという内容だ。5月30日~8月9日に渡って放送された「ファントム」は、犯罪捜査ものブームを巻き起こしたドラマ「サイン」のシーズン2と言えるほど、洗練された演出と美しい映像、緻密な構成、予測不能のどんでん返しで話題を集めた。「専門的なジャンルを描く」というスローガンを掲げても、結局ラブストーリーだけを並べていた従来の作品とは違って、「ファントム」は徹底した構成でサイバー捜査隊員を慎重かつ細かく描き、名品ドラマとして高い評価を受けた。最終話の視聴率は12.2%だった。2012年の水木ドラマのスタートを切ったのは「お願い、キャプテン」(脚本:イ・ジェヨン、演出:チュ・ドンミン)で、3月8日に8.5%の視聴率で幕を閉じた。同ドラマは1月4日にスタートした直後から殺到する酷評に悩まされた。女性パイロットの成長ストーリーを通じて深い感動を届けるという制作陣の最初の意図から外れ、航空ドラマという軸を失って短期的な視聴率だけを追いかけた結果、パイロットの成長過程や航空エピソードといった面白さが半減してしまった。韓国版「花ざかりの君たちへ」の「花ざかりの君たちへ」(脚本:イ・ヨンチョル、演出:チョン・ギサン)は、8月15日~10月4日に渡って放送された。f(x) ソルリ、SHINee ミンホ、イ・ヒョヌを主人公に、男装美少女が男子高校に偽装転校したことで展開されるドタバタストーリーを描いた。同ドラマは5.2%の視聴率で終了した。後続番組として10月10日から放送されている「大風水」(脚本:パク・サンヒ、ナム・ソンニョン、演出:イ・ヨンソク)は、チソン、チ・ジニ、キム・ソヨン、イ・ユンジなど華麗なキャスティングとは対照的な低い視聴率が続いている。最近は出演料未払い問題で撮影が中止されたこともあった。「大風水」は、国の勢いが衰えた高麗末期、権力の周辺にいる導師たちが乱世の英雄であるイ・ソンゲを押し立て、朝鮮を建国するというストーリーを描いたファクション(factとfictionの合成語、事実と虚構を織り交ぜた作品)時代劇だ。SBSドラマ「根の深い木~世宗(セジョン)大王の誓い~」を継ぐ優れた時代劇として期待を集めていたが、1話当たりの制作費が3億ウォン(約2300万円)を超えることやキャスティングの問題があり、当初全50話の予定が全36話に変更された。「紳士の品格」 ― チャン・ドンゴンのコミカルな演技が通じた週末ドラマ「紳士の品格」(脚本:キム・ウンスク、演出:シン・ウチョル)は、SBSのプライドを守った作品だ。ジェントルマンを目指す4人の男性と彼らを愛する4人の女性の日常をコミカルに描いた恋愛ドラマだ。チャン・ドンゴンのドジンアリ(アリ:恋の病で寝込むこと)や語録も話題になった。その人気を証明するように5月26日に放送された第1話が14.1%の視聴率を記録し、その後も上昇を続け、20%台を突破した。同時間帯の視聴率1位を奪還し、8月12日に放送された最終話の視聴率は23.5%を記録した。視聴率より役者たちの熱演が注目を集めた作品もあった。「明日が来れば」は、昨年10月29日にスタートし、今年の4月22日まで放送された。最終話の視聴率は17.7%だった。キム・ジョンス脚本家のこれまでの作品のように、人間のヒューマニズムを温かい心を持った一人の女性の人生を通じて描いた。3月17日にスタートした「愛の贈り物」は、5月20日に11.5%の視聴率で無事に幕を閉じた。チェ・ムンジョンの同名小説をモチーフに、パク・ゲオク脚本家が執筆を担当し、知的能力は足りなくても欲のない優しいおバカママの愛を表現した。同ドラマは3代に渡る3人の女性の対立を、愛と許しで解決していく和解の過程を描いた。ハ・ヒラ、キム・ヒョンジュ、シン・ヒョンジュンなど俳優たちの演技は捨て所がないほど素晴らしく、それぞれのキャラクターに息を吹き込んだおかげで、作品の完成度も一段階グレードアップした。8月18日に放送開始となった「蒼のピアニスト」(脚本:キム・スノク、演出:チェ・ヨンフン)は、悲劇的な過去を持つ若者たちが不幸と傷を乗り越え、夢と恋を叶えるというストーリーのドラマだ。「蒼のピアニスト」をうまく支えたのは、チェ・シラとチャ・ファヨンだった。繰り返される悪行と陳腐な復讐劇でどろどろ系ドラマだという不名誉を被せられたが、二人の素晴らしい演技が作品を支えてくれた。11月25日に放送された最終話は、11.4%の視聴率を記録した。ムン・グニョン、パク・シフ、ソ・イヒョンらが出演する「清潭洞(チョンダムドン)アリス」(脚本:キム・ジウン、キム・ジニ、演出:チョ・スウォン)は、12月1日に放送をスタートしたが、一桁台の視聴率で苦戦を強いられている。2012年、質の良いドラマを視聴者に届けるというSBSの約束がきちんと守られたのかどうか、今一度問い直してみたい。「独占中継!2012 SBS演技大賞」2012/12/31 (月) 21:30~26:00今年のSBS演技大賞が見れるのは女性チャンネル♪LaLa TVだけ!CS放送 女性チャンネル♪LaLa TVで放送決定!【LaLa TVにてキャンペーン実施中】女性チャンネル♪LaLa TV公式Facebookでは今年韓国SBSで放送された韓国ドラマのポストカード(本国ポスターデザイン)を抽選で100名様にプレゼント!詳しくはこちらまで ⇒ LaLa TV公式Facebook
JYJ ユチョン&ユ・アイン&イ・スンギ&チャン・グンソク、選択!わが心の20代俳優…候補者の情勢分析
※この記事は2012年「屋根部屋のプリンス」「ファッション王」「キング~Two Hearts」「ラブレイン」放送当時のものです。勝負において見どころはその過程であり、結果とは決まった時間に引き出した臨時的な答えに過ぎない。一週間のドラマ番組表の中、人気や経歴の面で競争を繰り広げているJYJ ユチョン、ユ・アイン、イ・スンギ、チャン・グンソクのレースにおいてもまだ結論を引き出す時ではない。しかし、今この時点で20代の男性を代表する4人の俳優として、彼らの強みと弱みを分析することはできる。そのため、彼らの現在の戦力を次の8項目を通じて分析してみよう。それは彼らを評価するための比較ではなく、楽しく通過している彼らの成長過程に関する記録になるだろう。また、この分析において最も重要なポイントは、4人の俳優たちが人々から忘れられる日、もしくは永遠にこないその日まで、彼らの勝負は終わらないはずだということである。わが心の20代俳優、候補者の情勢分析ラブストーリーテレビドラマのジャンルがラブストーリーに偏っている以上、若い俳優たちにラブストーリーでの演技は保障された将来への必須条件である。しかし、ラブストーリーでは演技力の実力が現れやすいのも事実だ。そのため、この分野ではチャン・グンソクが優勢だと思われる。「ラブレイン」(KBS)での彼の演技は、台本の安易さやキャラクターの古くささを越えるものがある。ドラマの初シーンであるソ・イナ(チャン・グンソク)がキム・ユニ(少女時代 ユナ)にたった3秒間で恋に落ちるというシーンには、俳優に対する制作陣の信頼が前提されている。そして、ソ・ジュン(チャン・グンソク)とソ・イナのラブストーリーの間にはっきりした差を持たせながら、それぞれのストーリーが説得力を持つことができるのも、全てチャン・グンソクがこれまで重ねてきた演技経験のおかげだ。根気あるユチョンのラブストーリーや、ラブコメディの正攻法貫いているイ・スンギのラブストーリーも支持勢力を集めてはいるが、ロマンチックな状況をリードするには熟練期間がもう少し必要だ。キスをする時はタフ過ぎて、キスされる時は先に慌てるユ・アインは不器用な恋愛もしくは片思い専門という隙間を攻略しているが、主流への進入にはまだ時間が必要だと思える。わが心の20代俳優、候補者の情勢分析時代劇時代劇の台本はきちんとしたストーリーを持つものが多いため、演技力を認められることができる。そのため、若い俳優たちが激しい戦いを繰り広げている主な競合分野である。「トキメキ☆成均館スキャンダル」(KBS)の後、お坊ちゃんのイメージを引き続き持っているユチョンは、歴史上の実在する人物という勝負どころに出会えば時代劇俳優としての地位をより強く固めることができる有力な人物だと思われる。また、「ファン・ジニ」(KBS)を通じて子役から大人俳優への申告式を行い、「快刀ホン・ギルドン」(KBS)では時代劇での可能性を証明したチャン・グンソクも見逃せない人物である。そして、「必殺!最強チル」(KBS)、「トキメキ☆成均館スキャンダル」など時代劇の経験があり、時代劇の中でも武侠ジャンル(武術の優れた剣客同士の戦いを扱うジャンル)に近い人物を演じたユ・アインも大きな可能性が予測できる人物だ。特に、ユ・アインはまだ若いにも関わらず、演技の中に染み込んでいる悲壮さやアウトサイダーな雰囲気から、フュージョン時代劇の解決者として活躍が期待できる。しかし、注目すべき人物はまだ時代劇に出演したことがないにも関わらず、ポテンシャルが高い時代劇俳優として評されるイ・スンギである。彼の落ち着いた真面目なイメージや意志の強そうな容姿は、朝鮮の真っ直ぐなソンビ(儒学者)を連想させるし、さらには次期王の雰囲気までかもし出す。わが心の20代俳優、候補者の情勢分析バラエティ俳優と芸能人を分けられるとしたら、チャン・グンソクはその両方に入る若手の代表的な人物であるだろう。彼は演じるキャラクター以外にも、自分の姿を人々の頭の中に刻み込むことに生まれつきのセンスを持ち、バラエティ番組でもいつも印象的なシーンを作り出す。しかし、チャン・グンソクがこのように万能なゲストだとしたら、イ・スンギは番組の全体を包み込むことができる司会者として芸能界を開拓した人物である。「ハッピーサンデー-1泊2日」(KBS)や「強心臓」(SBS)でカン・ホドンと一緒に出演し、彼からバラエティを学んだイ・スンギは、自分が目立つよりも状況を察して、いいタイミングに適切なコメントをする知略家に成長した。そのため、イ・スンギは生まれつきのセンスより戦略やシステムによる活躍が目立つタイプである。一方、ユチョンは短い間ながらもバラエティ活動を通じて潜在力を認められたが長い休みを取っており、ユ・アインはバラエティに出演するためには清心丸(緊張を和らげる作用がある薬)が必要と自分で打ち明けるほど、バラエティの出演は大変と思われるため、個別の評価が難しい。わが心の20代俳優、候補者の情勢分析コメディコメディ分野は真面目すぎても誇張しすぎて演じてもいけないというジャンルの特性から、攻略することがなかなか難しい分野である。しかし、最近ユチョンがこの分野の実力者として躍り出ている。演技への挑戦を始めてから、真面目なキャラクターを主に演じてきた彼は、「屋根部屋のプリンス」で周りの状況に流されず本来の王子キャラクターを守りながら、並外れたコメディセンスを披露していると評価されている。特に、「三族を滅するぞ!」などの台詞を言う時、発声や表情、タイミングなど多方面でユチョンの抜群のバランス感覚が際立つという意見が多い。コミカルなタッチが加わった数多くのドラマや映画に出演したチャン・グンソクもポテンシャルは高いと見られるが、まだ大きな笑いを誘った作品がない。イ・スンギも彼独特の愉快なイメージのおかげで可能性を占う人々がいる。そんな中、比較的に成長ストーリーに似合うユ・アインは、コメディ分野において支持勢力の期待値があまり高くないと知られる。わが心の20代俳優、候補者の情勢分析ファッション活動以外に、プライベートでのファッションまでチェックするとしたら、ユ・アインがこの分野で大きくリードしていると言える。彼は数多くのファッション撮影を通じてファッションセンスを認められており、服のカラーやフィット感において自由奔放なスタイリングを披露している。特に、ブランドやアイテムを選ぶ優れたセンスは彼がこの4人の候補者の中に入る前から高い評価を受けてきた。そのため、ユ・アインの空港ファッションの写真は支持者たちの間で必見資料として挙げられる。一方、チャン・グンソクのファッションは激しいグランジ・ファッションであったり、コンセプトを過剰に強調したりする特徴を持つため、好き嫌いが分かれる。しかし、人々の頭の中に残るという面でチャン・グンソクのファッションは彼独特の地位を持つと認めることができる。特に、短すぎたり長すぎたりする彼のヘアスタイルは過ぎたるは猶及ばざるが如しということわざを思い出させ心配になったりもするが、チャン・グンソクは彼独特のカリスマ性でそんな心配までも乗り越える姿を見せ、支持者たちが彼に対する信頼を強めるという結果を生んだりもした。広い肩幅のおかげでシンプルに着ても目を引くユチョンと端正さで勝負するイ・スンギは、ファッション中間保守派をそれぞれ攻略しているが、Vネックニットを着た場合、ユチョンの勝利が予想される。わが心の20代俳優、候補者の情勢分析化学作用ドラマはもちろん、映画やファッショングラビア撮影、広告まで影響を及ぼす分野であるため、どの分野よりも激戦が頻繁に繰り広げられるが、最近は町のおじさんにまで化学作用を起こさせるというユチョン万能論が勢いよく上がっている。特に牛乳に入れて温めたような清純さをトレードマークにして万人の母性愛を刺激する彼の能力は、場外の期待株であるソン・ジュンギやキム・スヒョンとの対決でも判定勝ちする見込みだ。温度を少し下げたら、イ・スンギの化学作用も悪くない。しかし、長い間、バラエティで年上の兄貴たちと呼吸を合わせてきたせいか、中でもイ・スンギは男性たちとの仲いい姿が目立つ方だ。現在、「キング~Two Hearts」(MBC)でもウン・シギョン(チョ・ジョンソク)とお互いに分かち合いながら心を開けていく過程が興味深く描かれている。一方、内向的で孤独な人物を主に演じてきたユ・アインや、自身のアイデンティティーが強いチャン・グンソクは、演技の腕前を見せていいシーンを作り出すが、彼らは個人で活動する時に、より際立つと評される。わが心の20代俳優、候補者の情勢分析CM視聴率が得票率だとしたら、広告は結果として出る議席数である。そして、実質的な勝負は議席で分れるのが世の中の筋道だ。そのため、韓国CM戦略研究所の分析によると、2010年と2011年の2年にわたってモデル好感度1位になり、広告界の皇帝に君臨したイ・スンギこそが、この分野の先頭だと言える。飲料から銀行まで様々な商品の広告に出演し、彼がモデルである家電会社の冷蔵庫とは、ドラマの中でまで仲の良い姿を演出しながら優勢を固めている。一方、ユチョンは広告の数よりインパクトで勝負し、出演する広告ごとに流行語を生み出すという点で実利あるモデルだと評される。ユ・アインは映画「ワンドゥギ」の後、広告の出演が増加傾向にある。しかし、チャン・グンソクは海外在住者の不在者投票で最も強い支持を得るため、彼の日本での広告収入は大きな変動要因として作用する。2011年彼の日本での広告ギャラは1本当たり1億2千万円くらいだと知られている。わが心の20代俳優、候補者の情勢分析SNSソーシャル・ネットワーク・サービスの元老チャン・グンソクと、急進的なTwitterユーザーのユ・アインが、激戦を繰り広げている。前半戦のCyworld対決ではチャン・グンソクがセルフ・ネガティブ・マーケティングを通じて断然優位に立ったが、後半戦のTwitter対決への突入後、チャン・グンソクの早期爆ツイ(Twitterで短時間に大量のつぶやきを登録すること、爆発Twitterの略)に比べ、文学に基づいて引き続き話題を反映してつぶやくユ・アインの躍進が目立つ。しかし、ユ・アインがほぼ一方的にメッセージを伝えるコミュニケーションを維持する反面、チャン・グンソクは不規則ではあるがフォロワーたちと会話をして支持基盤を自分のキングメーカーとして活用する円熟さを発揮する。2人の激戦には比べ物にならないが、ユチョンもTwitterに写真を掲載して情報を伝えることに力を入れており、「屋根部屋のプリンス」の腹心3人が取った熱血ポーズの写真でその勢いを高めている。一方、イ・スンギは常にコミュニケーションができる窓口が、まだオープンされていないと知られている。出口調査(カ・ナ・ダ順)ユチョン:趣向は関係ないが、歌詞も分らず席から立ち上がる無謀な稚気に減点ユ・アイン:恥ずかしくても泣いちゃダメ!泣いちゃダメ!イ・スンギ:「いつも笑えるようにしてあげますから」というマニフェストの実践チャン・グンソク:いっそのこと、シャッフルダンスをお勧めしたほうがいい理由
「追跡者」パク・グンヒョンから「ファッションキング」イ・ジェフンまで“ビジネスマン緊急診断”……これ以上悪い職場はない
多くのビジネスマンにとって最悪の上司は、まさに現在の自分の上司であろう。友人の上司の性格がどんなに厳しく悪辣でも、誰もが「自分の上司ほどではない」と思うからだ。だが、上の図の会社を見れば考えが変わるだろう。ドラマで何気なく見逃したキャラクター、あるいは最悪の上司だと共感したキャラクターを集めて組織図を作ってみた。話が通じそうに見えて、実は独断で行動する上司や、気まぐれで自分勝手な上司、そして人は良いが、口が軽くて噂好きな上司まで、私たちの周りにいそうな最悪の上司だ。7つのタイプの中であなたが考える最悪の上司は誰なのか。そして、あなたの上司はどのタイプなのか。月曜日からあなたを苦しめる上司を思い浮かべながら選んでみよう。思い切り悪口を言って、めちゃくちゃにけなすこともできる。ただ、モニターに向かっていることだけは忘れないで欲しい。「追跡者 THE CHASER」独断で行動する上司。言葉に隠された意味を素早く読み取らなければならないので、いつも疲れる。最終的にはすべてのことを独断で決め、やる気を削ぐタイプだ。ソ会長の派手な弁舌と温かい微笑は役職に関係なく、自由なコミュニケーションを目指すリーダーのように思われるが、実際は自分が言いたいことだけを言う。「夜遅くまで頑張ってるね」という言葉は労をねぎらっているのではなく、「つべこべ言わずに俺の言うとおりにしろ」という警告であり、「スープが塩辛い」は「お前の言うことなんか聞きたくない」ということを表しているだけなので、言葉通りに受けとめるのは禁物だ。このような上司と話す場合は、気をしっかり持たなければならない。話を聞いてはいるが何も変わらず、結局は上司の思い通りに進み、返ってくる言葉は「これからも苦労するんだな」しかないのである。「追跡者 THE CHASER」生まれながらに裕福で苦労知らずの上司。能力がない上に会長の息子なので、さらにイライラさせられるタイプだ。無能で平凡な上司はいつでもクビになる可能性があるが、彼のようなタイプは解決策がない。同じように無駄なことをしてもクビになるどころか、むしろ昇進するだけだ。手掛けた事業がダメになって特別捜査を受けても、すぐに釈放されてアメリカの支社に逃避できる。事故を起こしても責任を負わず、自分のプライドのために会社を継ぐことだけを気にしているような上司から、会社の未来を期待するには無理がある。辞めたほうがいいはずなのだが、あえて父のために勉強して再起すると大口を叩く。しかし、社員には無駄な親孝行にしか見えない。結局、父親に認められようとして迷惑をかける上司のせいで、社員たちはストレスがたまる一方である。「ファッションキング」えこひいきする上司。特定の社員をえこひいきして困らせるタイプだ。もちろん取締役として有能な人材をスカウトすることはいいことだ。破格の昇進をさせることも可能だろう。だが、露骨にえこひいきしたり、こだわったりするのは、一緒に仕事をする人にとってとても疲れることだ。ガヨン(シン・セギョン)にチャンスを与えるためにファッション王のイベントを行い、他の社員は突然計画されたプロジェクトのせいで徹夜をしなければならない。ガヨンのために無理して他社を買収したため、莫大な損失を被ることになり、多くの仕事をこなさなければならないのも他の社員である。ジェヒョクがアンナ(ユリ)をチーフデザイナーに就かせたときも、デザイン室長に無断でガヨンを採用したときも、周りの社員が強情な態度をとっただけで終わったのは、本当に寛大なことなのかもしれない。「アイドゥ・アイドゥ~素敵な靴は恋のはじまり」情熱溢れるタイプの上司。仕事に対する過度な情熱のせいで疲れるタイプだ。会社の売り上げを上げることはいいことであるし、大変な努力をして仕事に取り組む姿勢も尊敬する。だが、上司の言葉ひとつで、すべての社員がまともに息もできないくらいなら、そこは会社ではなく軍隊である。些細なことで怒鳴るスパルタ式で仕事を進めるのが基本で、緊急時には社員のスカートを切って靴に取り付けるファン・ジアン取締役の根性は恐ろしい。ジアンの部下がコラボレーションデザインコンテストで会長の娘、ヨム・ナリ(イム・スヒャン)副社長チームを選んだことも、ジアンが準備した飲み会から何とか逃れようとしたことも理解できる。情熱がありすぎて社員の気力まで奪う上司と仕事をすれば、持っていた能力も、輝いていたアイデアもなくなるだろう。「スタンバイ」気まぐれタイプの上司。些細なことで怒鳴ったり、突然すねるので、なだめなければならないタイプだ。若い後輩に社会生活のつらさと、組織の冷酷さを教える強いカリスマ性はいい。だが、いつも言葉尻を捉えて「会社生活は遊びじゃないのよ」と怒鳴るなら、誰もが会社を飛び出したくなるだろう。さらに大変なのは、気まぐれであるという点だ。部下が出したアイデアを非難しているときでも、上司を褒めるとすぐに言葉を翻し、若く見えると言って褒めるとやさしくしてくれるので、どのように調子を合わせれば良いのか混乱してしまう。無理して老眼を隠そうと努力したり、後輩と親しくなるためにガールズグループの振り付けを練習しながら突然怒鳴りだす上司とは、本当にふてぶてしいものだ。「ゴールデンタイム」権威主義の上司。キャリアと同じく権威主義的意識も持っているので、対応が難しいタイプだ。このような上司は自分を神だと思っているので、ご機嫌を取ったり、肩入れしたりしなければならない。正しいか、正しくないかは関係ないので、当然プライドを捨てなければならない。さらに疲れるのは、何でも場の空気を読んで行動しなければならないということだ。他のチームが上司を無視したときも、上司が怒ったときも、適切に機嫌を取ることが必須だ。少しでも行き過ぎたご機嫌取りをしたり、自己主張をしたら、最近の新人教育がどうだとか新入社員ごときがどうのこうのという小言を避けることはできない。上司の顔色をうかがうために入社したのではないと感情的に爆発するのは愚かなことだ。レベル云々という悪口を言われて嫌な思いをするより、ご機嫌を取るほうがましだと後悔するに違いない。「アイドゥ・アイドゥ~素敵な靴は恋のはじまり 」おしゃべりで口が軽いタイプの上司。人はいいが口が軽く、いつも不安なタイプだ。長い会社生活で仕事の能力よりも噂を広める能力を伸ばしたようだ。組織に適応できない社員や、入社したばかりの新入社員には親切だが、実はおせっかいなだけである。一見、顔が広く見える彼の情報は、話したいときに思いつくままに騒ぐものであり、先輩らしいアドバイスをしたり、相談相手になっているようだが、よく聞いてみると、自分が長い間昇進できなかったという不満を嘆いているだけである。悪意はないので、憎めない場合がほとんどだが、それが落とし穴である。「聞く言葉はあっても、話す言葉はない」という一方通行の状態であり、事が重大であればあるほど公然と噂を広める上司に話が届くと、噂の犠牲者になり仲間はずれにされるので、努めて避けなければならない。
キム・ナムジュ vs シン・セギョン、同じ服で異なる魅力をアピール
韓国を代表するスタイリッシュなスター女優キム・ナムジュとシン・セギョンが同じ服で異なる魅力をアピールした。最近、キム・ナムジュとシン・セギョンはそれぞれKBS 2TV週末ドラマ「棚ぼたのあなた」(脚本:パク・ジウン、演出:キム・ヒョンソク)、5月に最終回を迎えたSBS「ファッションキング」(脚本:イ・ソンミ、演出:イ・ミョンウ)で女性らしい魅力が際立つホワイトのノースリーブブラウスを着て登場し、女性視聴者の視線を捉えた。内助の女王キム・ナムジュは、ブラウスに黄緑色のパンツを合わせ、明るい魅力をアピールした。さらにゆったりとしたウエーブヘアとイチゴミルク色のリップカラーで活き活きとしたイメージを演出した。一方、ベーグル女(ベビーフェイス+グラマー)シン・セギョンは、トーンダウンしたブラックパンツにクロスバックを合わせた服装に、トレードマークであるロングヘアを下ろし、落ち着きのある可憐なイメージを演出した。二人が着たホワイトのノースリーブブラウスは、イタリアの国民ブランド「トラサルディ(TRUSSARDI)」のものだと知られている。このブラウスはふんわりとした素材にリボンの装飾がついた洋服で、女性らしい雰囲気を演出することができる。シン・セギョンは俳優チョン・ジフン(RAIN)、ユ・ジュンサン、キム・ソンス、イ・ハナ、イ・ジョンソク、チョン・ギョンホと共に、今月の15日から韓国で公開される「リターン・トゥ・ベース:リターン・トゥ・ベース」でパイロット役を演じイメージチェンジを図る。
ラ・ミラン「“同じ女優だとは思わなかった”と言われるのが嬉しい」
彼女は潜入する。素晴らしくリアルな演技で映画の足をいきなり現実へと引きずり出すラ・ミラン。彼女はユニークな外見で記憶される役者とは明らかに異なる種類の女優だ。SBS「ファッションキング」ではヨンゴルとガヨンの関係を虎視眈々と観察するミシン1として、MBC「キング~Two Hearts」では寡黙だが頼もしい宮中室長として出演しているのだが、二つの人物を一人の女優で繋ぐのが難しいのもそのためである。昨年には「ダンス・タウン」で脱北者(北朝鮮からの亡命者)のジョンリムとして深い孤独と無力感を表現し、今年の上半期には「ダンシング・クィーン」でオム・ジョンファの友人ミョンエとしてコミカルなお調子者を演じた。だが、これらの作品でも二人が同一人物であることを聞くまでは、二人を一人の女優が演じていると連想するのは難しい。そんな楽しいゲームのように、忘れ難い容姿の上に少しずつ違う痕跡を残しているラ・ミランをインタビューした。真剣な話の中にそっと織り交ぜてくる冗談のおかげで、笑いの絶えなかった対話は、まさに彼女の演技そのものだった。「同じ女優だとは思わなかったと言われるのが嬉しい」―月・火曜日は「ファッションキング」へ、水・木曜日は「キング~Two Hearts」に出演しています。二つのドラマに出演しているとスケジュールが大変ではありませんか?ラ・ミラン:他にも映画をもう一本撮影しているので思っていたよりも忙しいです。思いがけず同時に始まり同時に終わるドラマに出演し、少し欲張ったかなと悩みました。同時に作品に出演したのは初めてだったので、スケジュールがこれほどきつくなるとは思いませんでした。出番が多くないから大丈夫だと思ったんですけど、段々大変になって来て、他の人に迷惑をかけるのではないかと心配です。―物理的な問題もあるでしょうが、全く違う雰囲気のキャラクターを同時に演じることの大変さもあると思うのですが。ラ・ミラン:むしろ見た目の違いが大きい役だったからこそ、このスケジュールでも大丈夫だと思いました。同時に同じイメージの人物を演じると退屈になるかも知れないので、あまりにも違いすぎていて良かったと思います。「二人が同じ女優だなんて思わなかった」という人もいましたけど、そう言う話を聞くとすごく嬉しいです。人々を化かしたような気がして。―同じような時期に、これほど違うキャラクターへの出演依頼が受けられた秘訣は何だったのでしょう。ラ・ミラン:秘訣と言うより、前に出演した作品が次の作品へと繋がったのだと思います。「ダンシング・クィーン」を見て「ファッションキング」に呼ばれ、「ダンス・タウン」でのイメージから「キング~Two Hearts」の出演依頼が来ましたから。女優というものは、どうしてもすでに見せたイメージからオファーを受けるケースが多いです。だから、ひとつのイメージが強くなると、続けて似たような役が多く舞い込みます。作品を続けられるのは良いことですが、女優としての欲を言わせてもらえば、内面に多くの姿を持っている分、様々な役をしてみたいと思います。演じている人も見る人も大変ですけど、私は「ダンス・タウン」で笑いを省いた演技をお見せしましたからイメージ的にはより多様に映ったのだと思います。これからももっと演じられる役柄の幅を広げていくのが目標です。―そうした点で「ファッションキング」は「ダンシング・クィーン」のミョンエとは確かに違った一面を見せるべき作品だったと思います。名前もないミシン1と言う役の中で悩みもあったかと思いますが。ラ・ミラン:ドラマは映画と違って人物に対する設定が確立していない状態で始まります。だから最初はただ東大門(トンデムン)の工場で働いているおばさんと言う情報しかありませんでした。結婚をしているのか、子供はいるのか、貧しい暮らしなのか、もしくは夫の収入は充分なのか。これらを考えながら衣装や態度、性格などをひとつずつ作っていきました。撮影が始まって私が表現した人物を製作側が少しずつドラマに反映させて、今のキャラクターになったのだと思います。ガヨン(シン・セギョン)に私が「奥さん」と言うのも最初はアドリブだったんですけど、後からは台本にそれが書かれていて、口を尖らせるリアクションも監督がしっかりと掴んでくれたので、こちらとしては作る楽しさがありました。―カラオケでバラード曲を歌う場面は、短いながらもキャラクターのストーリーを感じさせる瞬間でした。ラ・ミラン:もともとは「誰かがバラード曲を歌う」でしたけど、誰もやらないから自分がしました。私の役はミシン縫製工としての経歴がありますから、その歴史の中で苦労があるかも知れない、そう言うところを考えながらイ・ウンミさんの「ノクターン」を選んだんです。つい最近車の中でよく聞いていた曲でしたが、あのシーンで活かすべき主人公の感情と上手くマッチするだろうと思いましたから。自分ではすごく真剣に歌ったのに、まわりの人は結構笑ったって言うんですよね。どうせならOST(劇中歌)を歌えば良かったのにって(笑)―アイメイクに気を使うのも設定の一種なのですか?仕事をしながらも女性らしさを失わない姿が、演じる人物とどこか重なります。ラ・ミラン:メイクの人たちとコンセプト会議をしたりしました。私はベティ・ブープだって言い張っていますけど、髪がおばさんパーマですから、いっそアイメイクも派手な色を使えば、という事で。よく似合ってるって言われて嬉しいですね。使っている化粧品のメーカーとかも聞かれますし。でも、実際にミシンの仕事をしている方とか見ても結構おしゃれなんですよ。ネイルも派手だし、アクセサリーもジャラジャラたくさんつけているし。むしろ私たちがおばさんと言うものを表現するときに、先入観を持っていろいろと制約を付けているような気がします。おばさん服とかを着てこそおばさんだと思うみたいですけど、実際のおばさん像とはかけ離れています。「ファッションキング」では私の役割が小さいこともありますから衣装の選択が結構自由で、本当の自分の服とかを着て行ったりもします。それでも何も言われませんし(笑)―工場ではなくヨンヨンアパレルですから(笑) その反面「キング~Two Hearts」の宮中室長は制服を着ています。それだけに設定面からの制約も多そうですが。ラ・ミラン:そうですね、キャラクターを作るというよりは背景のようにサポートする役に徹しようと思っています。実際に現場で服を着替えると気分が変わります。「ファッションキング」ではいつも同時に出演する人たちがいますので、呼吸を合わせながら自分でも楽しい冗談を言ったりします。でも「キング~Two Hearts」の現場ではもう少し静かでおとなしい冗談を言うようになります。一言ポロッと。―冗談を言わないのではなく?(笑)ラ・ミラン:現場でおとなしくしているのは我慢できないんです。現場は楽しいものであるべきだし、撮影しに行きたくなる場所にすべきだと思うんです。どんなに憂鬱な役でも、誰かに殴られる役でも、アクションに入るまでは現場自体が幸せであるべきだというのが私の考えです。演劇をしていた頃も舞台に上る直前まで笑っていて、それでも登場した瞬間、0.1秒で役に集中していました。そうしたスタイルが自分には合っているし、そう言う感じが好きみたいです。「ユ・アインさんは私を自分のビタミン剤だといってくれます」―楽しい作品も多いですが「ダンス・タウン」のように重たい作品に出演している時もそうした雰囲気が可能なのでしょうか。ラ・ミラン:それだから監督からも「想像もしなかったすごく面白い人」って言われたほどです。騒いでいてもアクションが始まると突然憂鬱になりますから。でも、むしろそのお陰で監督や他のスタッフたちとも気楽に付き合えたと思います。私が他の人の話をおおらかに受け入れるという合図を送ったようなものですから。「ファッションキング」でも、普段私がふざけている姿を見ているので、ある瞬間アドリブを入れても笑ってオーケーする雰囲気になったと思います。そうやって仕事をしていると実際に結構仲良くなります。工場の人々とかは作品が終わったら寂しくなるねって今から心配しているほどです。―同じ年配の俳優や先輩俳優だけでなく若手俳優とも仕事をしていますが、息を合わせるのが難しいことなどはありませんか?ラ・ミラン:全くありません。主役たちが若い方ですけど、意外と皆受け入れてくれますよ。ユ・アインさんなんかも私がやたらポンポンと投げつけるんですが、ゲラゲラ笑って私のことをビタミン剤だって喜んでくれてます。最初に笑わせてしまったから、最近は段々とハードルが上がってきましたね。私が警戒するほどです。「何よー、私に期待しないでよー!」って。―作られたお笑いではなく、生まれつきのエネルギーや陽気なところがあるようです。ラ・ミラン:今は昔よりおとなしくなったんですよ。10代や20代の始め頃までは気負いとかがあったくらいです。ここで皆を笑わせないと、ってね(笑) 言葉が途切れると自分で耐えられなくなるタイプだったんですが、30代に入って子供を生んでからはおとなしくなって、これなんですよ。実際に舞台公演をしていた時はコミカルな脇役をたくさんしていました。ミュージカルや演劇は練習時間が長いですから、皆私の本当の性格を知っていたんです。―ですが映画ではコミカルな姿を表すまで時間がかかりました。始めは主に強烈な人物を演じていましたから。ラ・ミラン:初めて映画に出演したのが「親切なクムジャさん」でしたから。クムジャに「殺した?」なんて聞く人なので、面白いなんて思ってもいなかったでしょうね。それに外見のインパクトもありますから、そういう面では競争力のある顔でしょ?(笑) きれいな人は本当に多いんですけど、その中でふとすれ違っていたのがエッ?エエッ?って振り向いてしまうんですよ。目がつり上がっていますから、気難しくて気も強そうだとよく言われました。でもいくつもの作品に出演していると現場での姿が知られるようになりますから、段々と入ってくる役も変わるようになりました。お隣のおばさん、上の階のおばさん、大家のおばさんとか。そうした中で「ダンス・タウン」に出演した時に釜山(プサン)へ舞台挨拶に行ったら観客から本当の脱北者が主人公なのかって聞かれました。撮影の間中、監督はきれいにしていたらいけないって言うし。顔に注射の一本も打ったことないのに、監督からは芸能人の匂いがしたらダメだって言われ続けて本当に大変でしたよ(笑)―管理をしないのも一種の自己管理でしょうか。役者として今のイメージを守りたいという。ラ・ミラン:まずは怖くてダメです。それに私がキラキラした顔で出演してもねぇ。自分の役を捨てるだけですよ。顔が私のトレードマークなのに、これより輝いたりしたら私ができるような役も入ってこなくなります。映画ではもっともっとナチュラルな感じを求めるからスッピンで出演するほどです。今のこの感じが重要なんですよ。だから私はどうすれば上手く歳を取るのか、どうすればより自然に、より深くしわができるんだろうか、それが悩みです。ただ財閥の奥さんの役が入るなら、注射くらいは一度打ってもいいかなと思っています。今はあまりにもお掃除のおばさん役ばかりだから。―イメージもそうですが年齢の問題かも知れません。財閥の奥さんをするにはまだ若いですから。ラ・ミラン:だから「ダンシング・クィーン」に出演して本当に良かったと思っています。今の歳にピッタリと合っている役でしたから。その作品は私が今まで出演した中で一番若くて、一番きれいなキャラクターでした。だから憂さを晴らすようにすごく派手にやりました。「役の大きさや重みでやきもきしたくありません」―スターと呼ばれる女優たちでも30代後半は多くを諦め始める歳になります。選択する立場でない女優にとってはその時期がより大変だと思うのですが。ラ・ミラン:若いお嬢さんでもないし、だからと言って完全におばさんとも言い難いですからね。でも私は人にはそれぞれの器があるんだと思います。スターになりメインとなるような人と、助演をする人は、それぞれ自分を入れる容量に差があるんです。イ・ボムスさんのように地道にスタートする人がいるのを見ると、欲が出ないと言えば嘘ですが、だからと言って役の大きさやその重みでやきもきしたくはありません。1回の出演であれ2回の出演であれ、自分が上手くできて自分が存在感を示せばそれでいいんです。大学を卒業したての頃からそうでした。私は自分が映像分野で演技することになるとは思ってもいなかったくらいですから。若くてきれいな子達の専売だと思っていたので。―始めからスターを夢見ていなかったにも関わらず、それでも女優になりたいと思った特別な理由があるんですか。ラ・ミラン:あれこれやって見たかったんです。他の作品をしていると、犬になったりお婆さんになったり、いろいろとできるのが魅力的でした。私の場合は同じカラーでずっと続けたりすると自分で疲れそうな気がします。―大きな器の代わりにいくつもの器を持っている人なのでしょうね。ラ・ミラン:私は32チョップバンサン(32個の器で出る韓国の定食)なんです。味わい深いソルロンタン(牛の肉や骨を煮込んでつくる、韓国のスープ料理)よりその方が自分には合っていると思います。演技だけを掘り下げるのではなく、多趣味でもありますから。歌も少々、ダンスも結構するし、パンソリ(韓国の伝統芸能である歌)もできますし。実際ミシンが使えるんですよ。問題はその中で特別に上手いのがないって事ですが。真似事ならすべてできますから役を消化する上では問題ないと思います(笑)―演技のための準備ではなくて自分の好奇心を満たすために習ったように見えます。ラ・ミラン:何でも全部やってみたいんですけど、すぐ飽きるのが問題です。味見はするんですけど最後までできないんです。―でも女優だけは長続きしていますね。ラ・ミラン:他にできることがありませんから。できることもないし、職業にしたいのもありません。女優業が気に入っていますし、女優で生計を立てたい、大先輩たちのように歳を取ってもどこかで必要とされる存在になるのが私の夢です。いきなり有名どころになるより、途切れることなく、下手だと言われず死ぬまで演技する、それが私の本当の望みです。それに職場を3ヶ月ごと変えるのは無理ですけど、役者をしていると絶えず新しい人と出会い、新しい作品と出会いますから。―それでなくともすでに新しい作品を二つも準備していると聞いています。ラ・ミラン:映画を二本ほどやりそうです。でも、またおばさん(笑) 今度はすごくセクシーなおばさんをやってやろうかと考え中です。私がこういうキャラクターをやりたいと要求できる立場ではないですから、作品に見合う範囲内で少々個性を出したいと思います。また違ったおばさんを見せてやらないと!
BoA、飲み友達シン・セギョンの暴露に「セギョン、それはないんじゃないの?」
歌手BoAが、女優シン・セギョンとの仲の良さを見せ付けた。BoAは26日午後、ソウルのあるホテルで記者たちとインタビューを行い「シン・セギョンは私よりもお酒が強い。『SBSテレビ芸能』で彼女が『BoAさんとお酒を飲むと、翌日がとてもきつい』と話していたけど、本当にきついのは私だ。彼女はお酒が強すぎる」と話した。シン・セギョンは25日に放送されたSBSの芸能ワイドショー「SBSテレビ芸能」に出演し、お酒がどれぐらい飲めるのかを話し、BoAと飲み友達であることを明かした。BoAは「この前もセギョンとお酒を飲んで、次の日に『私、全然大丈夫』と言ったくせに、テレビでは違うことを言った。セギョン、それはないんじゃないの?」と言って、笑いを誘った。また、BoAは「頻繁ではないけど、時々会っている。家も近いほう」と伝えた。シン・セギョンとの縁は「Only One」ミュージックビデオの主人公であるユ・アインにも繋がった。シン・セギョンが出演したSBS「ファッションキング」を見ていて、カン・ヨンゴル役のユ・アインを思い出したのだ。BoAは「男女が別れるストーリーだけど、主人公が悪い男のイメージなので、『私と同年代の俳優の中で、そんなイメージを持った人は誰だろう』と悩んでいた時に、ユ・アインを思い出した。セギョンにもユ・アインについて色々質問していた」と話した。BoAは「ユ・アインとは同い年だったので、最初から気楽に撮影した。撮影が終わって戻るときもクールに別れた」と話した。BoAは28日「BOA 4354」で新曲のステージを初公開した。
Vol.2 ― イ・ジェフン「どうすれば僕の真心を見せることができるだろう」
―しかし、「ファッションキング」ではむしろ不自然で硬直しているように見えるという反応が多かった。イ・ジェフン:本当にそうだった。撮影した映像をチェックしたら自分の意図したものとは違って、自分でも不自然に感じるときがあった。普通、カッコよく見せる方法として一番よく使われるのが、その人を優位な地位に立たせることだ。しかし、僕はジェヒョクの抑圧された姿をユニークに見せたかった。それで、財閥の方たちが検察に出頭するニュースを細かく見たけど、「あ、何か独特だな」と思った。そして、カンファレンスやパーティーで見るお年寄りの方の姿も参考にした。しかし、視聴者たちが望んでいる期待に応えることができなかったようだ。だから素早くそのイメージを変えた(笑)―検察へ出頭する場面は特別な状況だから人々がいつもより硬直していたはずなのに、それを参考にしたとは(笑)イ・ジェフン:そんな場面を見すぎたかな?(笑) それに、役に盛り込もうとした設定や考えが多すぎたのかもしれない。ドラマが後半に行くにつれ、その部分を意図的に少しずつ減らしていきたかった。「未だに演技することに渇望しているようだ」―ドラマは完結していないシナリオであるため、最初は1つの小さなモチーフだけ与えられる場合が多いが、ジェヒョクのどんな点で彼を選んだのか?イ・ジェフン:キャラクター紹介を見たとき、従来の韓国ドラマで描かれたお金持ち、いわゆる財閥2世や白馬の王子様のように思われやすいステレオタイプだと思った。でも、そんな単純なイメージとして浮き彫りになりやすい人物をあえて選んだのは、これまで見てきたありふれた姿から少し外れた人物を見せたい気持ちがあったからだ。僕ならジェヒョクの違う面を見せることができると思った。もちろん、最初は外見が浮き彫りになるかもしれないけど、そんな彼の見た目や冷たさより深い内面の中に熱く燃え上がる嫉妬や欲望を持つキャラクターとして描きたかった。―ドラマの内容が難しかったり独特だと、視聴者がストーリーについていけない場合がある。そのため、「ファッションキング」のストーリーについて行くことは大変であったが、それでもジェヒョクが見たくて続けて見るしかなかったという視聴者が多かった。彼らはジェヒョクに共感していたのだろうか、それともただ彼を可哀想に思ったのだろうか?イ・ジェフン:すべてを持っていて、自分が望んだこともすべてやり遂げた人なのに、それができなかった瞬間の姿を鮮明に描こうとした。実際、ジェヒョクは最初から好感を持てるキャラクターではない。一体、何を考えてあんなことを言うんだろうと思える人物だから。怖いものなしの人で人に配慮したり人に申し訳ないと思うことなんかまったくないキャラクターだ。しかし、そんな彼の人生の中に突然ガヨンとヨンゴルが入り込んで、お金を要求したり学校の問題を解決してくれというからジェヒョク本人も慌てる。そして、そんな中、彼は仕事と愛の両方を得たいと思うが、それができなく苦しんだり悩んだりする姿に視聴者は憐憫を感じたと思う。しかし、最初からそういう感情を意図してはいなかった。―視聴者に、自分が演じるキャラクターを納得させなければならないという前提で演技をしているのか?イ・ジェフン:そうだ。そうすることで僕もキャラクターを理解して演技ができるから。でも、「ファッションキング」を撮影したとき、ジェヒョクの行動がどうしても理解できなかったことがあった。アンナがヨンゴルと外泊したことを知ったジェヒョクが、アンナのオフィスに行って「昨日はどこにいた」と聞くシーンがあった。そのときのジェヒョクの行動が、鏡を見ているアンナの頭を叩きながら彼女を押すことだった。しかし、僕はその状況がどうしても理解できなかった。それで、悩みながら撮影を1時間ほど延ばした。ジェヒョクとしては可能な行動だったかもしれないけど、イ・ジェフンとして演技をするにはその行動が全く納得できなかった。しかし、その一方ではやってみたいという気持ちも強かった。結局は手を引っ張って鏡のところまで押すという設定に少し変えた。そうすることで僕も視聴者も納得できると判断した。―しかし、俳優とは監督や脚本家の世界を受け入れて演じる人だから、いつも納得できるところまで変えるわけにはいかないと思う。イ・ジェフン:そのため、「ファッションキング」での経験が本当に大変だったし、俳優としての危機かもしれないと思うほど深刻だった。キャラクターや状況をどんなふうに受け入れて演じるかがとても重要だったし、特にドラマは視聴者を説得する時間が十分に与えられないため、ドラマの中で、この状況の流れを視聴者たちがうまく受け入れられるだろうかということをいつもよりたくさん悩んだ。しかし、諦めることはできなかった。視聴者との約束を守らなければならないから、自分の意見を抑えてキャラクターを受け入れようと頑張った。―俳優として危機を感じるほど大変な状況だったけれど、皮肉にもドラマのおかげでより多くの視聴者たちに俳優イ・ジェフンを知らせることができた。短い間に自主制作映画の原石や韓国映画の期待株を担い、もはやスターという名が似合う俳優になったが。イ・ジェフン:自分としては特に変わったことはない。これから歩む道はまだまだ長いと思うから。もちろん、そのような変化や視線、期待を肌で感じているし嬉しく思っているけど、まだまだやり遂げなくてならないことがたくさんあるから「僕はすごいことをした。もう、以前とは違う人間なんだ」と思ったりはしない。―スターになるというのはやりたいことをやるチャンスが多くなるという意味でもある。そのため、いい俳優がスター性を持つことが重要になったりもするが。イ・ジェフン:そのスタートはいつも作品であってほしい。1本の作品でスターになったとしてもそれが永遠に続くわけではないし、引き続きいい作品でいい演技を見せることで人気を保つことができるから。そうしないと、少しの間だけスターになって、その後は人々の頭から消えるかもしれない。もしくは、スターの名を保つため自分の姿を隠して作品ではなく違う方向で自分を見せようとする人もいるけど、僕はそういうのをあまり魅力的に思わない。ファッションショーに行ったり広告の撮影をしたり、プライベートを公開し多くの人々の視線を集めることで満足する人もいるだろうが、僕にとっては作品でいい演技を見せることが何より大切だ。作品をやり続けて持続的にその姿を見せることで、いつか後で人生を振り返るとき、「本当に頑張って自分の仕事を愛して生きてきた」と満足できると思う。―まだやらなければならないことの中で、今この時点でやるべきと思うことは?イ・ジェフン:僕は未だに演技することに渇望していると思う。いい作品に出会ってたくさんの人々から愛されることができたけど、それでもまだまだ走り続けなければならない。ここで安心してはいけないと思う。それから、個人的には、後で僕が描きたいストーリーを一緒に作りたいと思う人々と一緒に仕事ができる能力を発揮できればいいなと思う。「正直さだけは最後まで守り続けたい」―演技だけでなく演出のような他の領域も含むという意味なのか?イ・ジェフン:制作になることもあり得るし、演出になるかもしれない。でも、それよりも今は、同じ考えを持つ人と描きたいストーリーを作ることにおいて気楽に過ごせる環境を夢見ている。僕は撮影現場を楽しむ方だ。演技に集中し没頭する時間も必要だけど、直接カメラを持って撮影したり、照明を当てて相手の俳優がきれいに映るようにしたり、自分でマイクを持ったりするのが本当に楽しい。―完全な映画人のようだ(笑)イ・ジェフン:他の分野にも興味があって、「これは何?あれは何?」とよく聞く。技術的な部分まですべてをコントロールすることはできないけど、1つ1つのことがすべて重要な課程だと思うからこそ、演技を軽く思わず1シーン1シーンを大切にできると思う。―その描きたいストーリーとは今ある程度具体的な形になっているのか?イ・ジェフン:そうではない。ただ、ドラマを撮影しながらシーンのサイズが規格化されているし、見せられる姿が限られていると思うことが多かった。もし、今後ドラマを制作することになったら、カメラ監督がハンドカメラで人物を追いかけながら撮影することも考えてみた。映画「見張り」の撮り方に似ているけど、固定された姿ではなく決められた部分から抜け出すストーリーや絵をドラマを通して見せることができたら、斬新なチャレンジになるだろうと思って興奮したりする(笑)―あるインタビューで「無限に挑戦」が好きだという話を聞いたが、どのメンバーが一番好きか?イ・ジェフン:7人とも好きだけど、パク・ミョンスさんが一番好きだと思う。―パク・ミョンスさんのように思いっきり怒鳴る人ではないと思うが、彼の行動を通して解放感を得ているのか?イ・ジェフン:そうかな?(笑) パク・ミョンスさんは論理なんか無視して自分がやりたいように状況を引っ張っていく点がすごいと思う。めちゃくちゃなギャグだけどそれが本当に面白いのがパク・ミョンスさんの素晴らしい才能だと思う。―明確な目的やキャラクターがあったら何でもできるが、素の自分を表に出すことにおいては消極的な感じがする。照れているのか、それとも隠したいのか?イ・ジェフン:隠したいというよりそれを表に出すことにあまり興味を感じないからだと思う。そういうのが僕にとってはあまり面白くないことだから。ただ、演技はもちろん、このようなインタビューも含めて、今置かれている状況はすべて僕がやりたくて選んだものだ。もちろん、僕も以前は現実に妥協し続けて誰もが思う成功の基準やこのように生きて行かなければならないという決められた答えを無理に追っていた。でも、あるとき、本当にやりたいことをやることで生きる意味を感じることができると思った。周りのアドバイスもきっと必要だろうけど、結局、僕が選んだのは自分を思い通りやることだ。やりたくてやっているから、別に周りを気にしていないし後悔もない。―1人の人間として俳優イ・ジェフンに惹かれる最大の理由は最後まで分からないという点だと思う。これまで演じたキャラクターたちはみんな加害者でありながら被害者でもある曖昧な点を持ち、同情することも無条件に好きになることも、もしくは嫌がることさえもできなかった。イ・ジェフン:僕も自分のことがよく分からない。正確に定義できない人間だと思う。その都度経験することから感じることが違うし、その感情をなるべく覚えておいてそれを演技に活用したりもする。そのため、ある状況に対して「どうする?」という答えを要求されるときは、自分で迷ってしまう。本当にその状況になったときにしか感じられない何かがきっとあるはずだから。演技するときも台本を読んで「こんなふうに演じよう、こんな姿が正解かもしれない」と先に準備するけど、いざ演じるときは変わることがとても多い。しかし、それが演技をする理由であり、非常に大きな楽しみであると思う。―ある状況でどんな姿になるか自分でも予想しにくいと言ったが、それでも生きていく中でこれだけは守りたい、ということや、これだけは避けようと思うことは?イ・ジェフン:なんだろう?(笑) (しばらくの間、悩んだ後)正直であること、人を騙さないことが僕にとっては非常に重要だと思う。毎回できるだけのものを表現する素直さが相手にとっては気まずく感じられたり、苦痛を与えるときもあるので、申し訳ないと思うことも多いけど、それでもなるべく正確に話し、行動しようとしている。以前は本当にやりたくてオーディションを受けたけど、最近は出演の提案を断るときもある。チャンスを与えてくれたことが嬉しく思えるからこそ、断ることがさらに難しく感じる。どうすればもう少し正直で率直に僕の真心を見せることができるかについていつも悩んでいる。だけど、その答えは人を騙さない正直さにあると思う。それだけは最後まで守り続けたい。
Vol.1 ― イ・ジェフン「僕はスンミンとギテの中間」
「僕自身も自分のことを正確に定義できない」イ・ジェフンが自分のことを話すとき、良く使うこのフレーズはとても強い説得力を持っている。彼は、半透明な紙の向こう側で鮮明な存在感を放つ、高くて美しい鼻の薄いシルエットだけでも好奇心を刺激する些細な身振りで、29歳の男性には珍しく羨ましいほど透き通った微笑みを浮かべ、そしてインタビューの間は感情が高まる瞬間もなく、穏やかな水面のような口調で話した。一貫した一つの形ではなく、各部分、瞬間毎の印象を積み重ねて作られた彼は、強烈で鮮明なボールド体ではなく、太さも傾きも違う様々な筆跡で書かれた名前のようだった。ただしそれは、「自分が納得しなければ、相違点を受け入れて演技をするまで時間が必要」な彼が、毎回真心を込めて丁寧に書いたに違いない。このインタビューもやはりイ・ジェフンのそのとき、その瞬間の答えだった。だが「やりたくてやっていることだから別に気にも留めないし、後悔もしていない」と言う彼が聞かせてくれた最善の正直さでもある。―休まず仕事を続けているのは大変だと思う。イ・ジェフン:「ファッションキング」が終わったら、旅行へ行こうと思いながら耐えてきた。でも、いざ終わったら、スケジュールが詰まっていて簡単ではなかった(笑) 体力的にもとても疲れていたけど、本当にやりたくて選択したことだから。―この間、映画「建築学概論」の撮影終了パーティーがあったと聞いた。イ・ジェフン:この映画はたくさんの方に愛されたので、監督とスタッフに会うのが気持ちよかった。冬に撮影をしたので皆とても苦労したけど、今はみんな顔色も良く、元気そうだった。本当に会いたかったので、いっぱい話をした。「100%全部理解しているなら、演技をする面白さがあるだろうか」―「建築学概論」は撮影が終わってから時間が経っているが、まだそのときの情景が浮かび上がるのか?イ・ジェフン:もちろん。ナプトゥクと一緒にいた図書館の前や、歩き回りながら写真を撮った所が昌信洞(チャンシンドン)だったけど、「ファッションキング」でガヨンが暮らしていたヨンゴルの仕事場もポンスク姉さんの家もそこにあった。そのときは古くてボロい90年代の空間に見えたけど、「ファッションキング」のときは良い車に乗って、良い服を着て闊歩していたから何か面白くて不思議な気分だった。―スンミンが母親にGEUSSのTシャツを洗ってくれと頼みながら「ママはできる」と言った台詞はアドリブだったと聞いた。大人しいイメージだったので笑いのセンスがあるとは思わなかった。イ・ジェフン:「スンミンだったらどうするか」と考えた。演じるキャラクターになりきると、どんな挑戦も怖くない。「イ・ジェフンとして笑わせて」と言われたらできないかもしれないが、「役に没頭してその状況を作って」と言われたら、何かやれそうな気がする。演技をしながら自分でも笑ったりしたけど、それが僕が演技をする原動力なのかもしれない。―他のアドリブはないのか?イ・ジェフン:ソヨンの家の前で告白しようと練習するシーンもアドリブだ。シナリオの台詞を熟読して撮影に臨んだけど、いざ演技をしてみたら、撮り終えた映像をチェックする監督も僕もニュアンスや表現方法があまり気に入らなかった。監督が「スンミンとして君が告白するならどうしたいのか、自由に演じて」とチャンスをくれたので「僕はこれ以上君と友達として付き合うのは僕の心が、僕の胸が」というアドリブが出た(笑)―イ・ヨンジュ監督が驚いたことがあるそうだ。雨のせいで長くスタンバイすることになって、結局、他の撮影現場に移動していたが、雨が止んでまた引き返すことになった。だが、また雨が降り出して皆がパニックに陥っていた状況でも演技をしていたと聞いた。イ・ジェフン:僕にとってもその状況を受け入れて演技をするのは簡単ではなく、大変だった。「これ以上できません」と言っても理解してもらえる状況だったかもしれない。だけど、僕一人が大変な思いをしているわけではなく、たくさんのスタッフが一緒にスタンバイしているからやるしかなかった。結果がどうであれ、とりあえず演技をしなければならないと考えたら、体が自然に動いた。結局そのシーンは編集でカットされて残念だったけど、そのような強い意志を持って最善を尽くした姿がスタッフにエネルギーを与えると思った。―どんな作品やキャラクターに魅力を感じるのか?イ・ジェフン:シナリオを読んでやらなければならないと思うときは、決まってそのキャラクターに対してよく理解できるときだ。そのキャラクターがどのように生きてきて、今後どのように生きていくのか、それがよく理解できたらその作品を選択するようにしている。毎回少しずつ違うけど、ある状況に正直な気持ちでアプローチするというか、どのように見せれば良いのかという外見的なものではなく、そのキャラクターがこの状況で何を感じながら動いているかということを一番重要だと考えている。もしある状況で死を迎えることになったら、その死を通じて周りの人々にどの様な影響を与えるのかということまでも考えるのも、重要なことだと思う。そして新しい想像力と創意的な発想も大きく影響を与える。―合理的に理解できる場合もあるが、頭では納得できず感情的には理解できるときもあると思う。どちらのタイプなのか?イ・ジェフン:両方当てはまる。僕が生きてきた方法と経験した人間関係の幅では理解できない部分がシナリオに出てくる場合もある。もちろん「そうだ、僕にもこんな経験をしたことがあった」とか「僕だったらこうする」としっかり理解して受け入れる場合は、そのシナリオを肯定的に受け入れることができる。でも、よく分からないけどその状況に没頭して経験するようになったら、何が出てくるかを知りたがる好奇心も重要だと思う。全ての状況において、どのように見せるべきなのか100%全部理解していたら演技をする面白さは無いと思う。「スンミンの行動はほとんど理解できた」―スンミンはどうだったのか?工大生(工業大学の学生)でヘアムースも大学に行って初めて見たような模範生だった彼から、実際に工大生だった自分の姿が見えたのか?イ・ジェフン:スンミンは愛とは一体何で、その感情が自分にとってどんな意味を持っているのか、あの瞬間には分からなかったと思う。「あ、あれが僕の初恋だったんだな」と後になって感じたと思う。僕も初恋を経験したし、そのときどうだったのか考えながらスンミンの行動を見ると、ほとんど理解できた。だからスンミンを受け入れることに不満がほとんどなかった。一つ理解できなかったことはソヨンとジェウクの車に乗っていたが途中で降りる場面だった。僕としては心の中では本当に恥ずかしいけど、表情には出さず何もなかったかのように「僕ここで降ります。さようなら」と表現したかった。ところが監督は「スンミンだったらそんなことまで計算できず、傷ついた心を表現しながら逃げたと思う」と言っていたので、その意見を受け入れて演じるまで少し時間が必要だった。―スンミンとソヨンが再会した映画の後半部分に対して10~20代の観客は理解できなかったり、納得できなかったりもした。なぜ2人はよりを戻さないのかと怒ったりもしたという。観客の立場だったならどのように受け入れたのか?イ・ジェフン:リアルに感じた。それに、だからこそこの話が本当に美しいラブストーリーになると思った。だからこの作品を選択した。誰もが考えているハッピーエンドや現実とは、少しかけ離れた明るい結末なのかもしれない。でも、このような別れは本当に名残惜しいが、だからこそより切なく心に残りそうだった。―イ・ヨンジュ監督が編集しながら瞬間的に映る、映画「Bleak Night(原題:番人)」のギテの眼差しを取り除いたそうだ。実際の自分はギテとスンミンの間でどちらにより近いと思うのか?イ・ジェフン:中間(笑) 撮影中は本当に寒かったし、だから辛いと思った瞬間が多かったけど、一度我慢することができずに爆発した。告白しようと待っていたが、ソヨンとジェウクを見て諦めて帰るとき、タクシーの運転手にとてつもなく激しく殴られる場面で。スンミンとして殴られるしかなかった状況が僕としてはとても苦しかった。3テイクくらい激しく殴られてから「カット!」の声とともにタクシーを足で力強く蹴飛ばした。抑圧されたことと怒りで。―みんな驚いたと思う。イ・ジェフン:映画の撮影用に借りたタクシーだったけど、潰れてしまったので後になってプロデューサーに大丈夫かと聞いた(笑) そんな姿もあって、今まで引き受けたキャラクターには常に自分が反映されるようだ。僕も自分がどんな人なのかよく分からない。だからと言って多重人格ではない(笑)―「ファッションキング」では本当にたくさん殴られていた(笑) けれど、実際に殴られたり殴った経験はそんなに多くないと思う。イ・ジェフン:小学生のときはたくさん喧嘩した。中学生のときはそんなに喧嘩してないし、高校生のときは一回くらいかな? 男同士だと言葉では解決できないし、血気盛んな若いころは口より拳が先に出てしまって、しばしば喧嘩もした。でも、年齢を重ねるごとに大人しくなったようだ。―短い経歴にしては熟達していて繊細な演技をしているとの好評を得ているが、その理由の一つが身体を自然に使うからだと思う。大学時代のダンス動画を見たが、本当にダンスが上手で正直驚いた。イ・ジェフン:20歳のとき、通っていた大学で演劇クラブに入りたかったけど、どういうわけかダンスクラブに入ることになった。今は昔に比べてあまり踊らないけど、踊りが好きだ。身体を使うことも演技に反映されると思う。「ファッションキング」でも周辺で見たお金持ちの人や若い財閥2世の外見と行動を見ながら、ジェヒョクの歩き方は最初から明確に設定しておいた。
少女時代 ユリ「ファッション王に出てから熟年ファンが増えた」
少女時代のユリが、ドラマ出演後に変わった点について話した。最近終了したSBS月火ドラマ「ファッションキング」で演技者としてのデビューを成功裏に終えたユリが、一番変わった点として熟年ファン層の増加を挙げた。グラビアカットの撮影現場で初めて演技にチャレンジした感想を述べたユリは「実際演技は初めてだったけど、思ったよりとても難しかった。正直大変な時もあったけど、それ以上の楽しさを感じることができた」と話した。続いて「『ファッションキング』の出演後、もっとも変わったことはおばさん、おじさんが以前より私に気付いてくれること。食堂や街で『ファッションキング』のユリだと気付いてくれる方々が多くなった。不思議な気持ちだった。ドラマの力を実感した」と付け加えた。そしてユリは「これからも演技ができるチャンスがあればいいなと思う。引き続き演技にチャレンジしてみたい」と演技者としての抱負を語った。少女時代のユリ、ジェシカ、スヨン、ソヒョンは最近ファッション誌「@star1(アットスタイル)」でパパラッチがコンセプトのグラビア撮影を行った。
イ・ジェフン「演技をしていないときは、気が抜けている感じ」
どこまでも落ちていったかのように見えるジェヒョクも成長したイ・ジェフンは意外性が期待される俳優だ。それは、漫画「MONSTER」のヨハンのように限りなく善良に見えるが、実はその中に限りない悪が潜んでいるような類の意外性だ。映画やドラマの中でイ・ジェフンが眉間にしわを寄せながら笑っているのか泣いているのかわからない曖昧な表情を見せる時は、その多面性に目を奪われる。SBSドラマ「ファッションキング」の放送終了後に、インタビューのために会ったイ・ジェフンからもそのような雰囲気が感じられた。どんな質問にも、よくまとまった模範回答を出してきた彼が、一瞬眉をひそめた時、その答えの意外性に驚かされた。それは、「ファッションキング」で彼が演じたジェヒョクの話をしている途中だった。財閥2世のジェヒョクは、認めてもらいたい存在の父から、いつも殴られる。そのような父子関係が非現実的、または誇張されているのではないかと話したら、彼は瞬間的に目つきが変わり、「経験もないし、見たことが無かったため」とジェヒョクになったように話した。引き続き、「説得力のある演技をするのも俳優の仕事」と付け加えた。優しく見えるイ・ジェフンになぜ、友情と権力の間で葛藤し自殺した「Bleak Night(原題:番人)」(以下「Bleak Night」)のギテや、戦場で中隊を導かなければならない「高地戦」の少年大尉イリョン、自身が崩壊するほどの愛への執着を見せた「ファッションキング」のジェヒョクのように破滅役が与えられたのかが少し分かるような気がした。そして、切ない片思いの経験を尋ねる質問に、二十歳の時の記憶を探りながら「告白してつきあうことになったけど、相手を好きな気持ちが強すぎて、長続きしなくてふられました。それで、片思いのような気持ちが残りました」と気恥ずかしそうに笑った時は、「建築学概論」のスンミンを見ているようだった。ジェヒョクを通じて、イ・ジェフンの新たな一面を感じてもらうことを願った―「ファッションキング」の制作発表会では、「ドライアイスのように冷たい姿を見せたい」と公言していましたが、ジェヒョクは冷たいというより、稚拙な姿が強調されたキャラクターではなかったでしょうか。イ・ジェフン:憎らしい人物でした。もともと手にしているものが多くて、自分勝手に生きていた人生で、人を配慮するとか、大切にしてあげることを知らない人物ですね。私は、ジェヒョクを通じて俳優イ・ジェフンの新たな一面を感じてほしいと思いました。三作品(「Bleak Night」「高地戦」「建築学概論」)に引き続き出演しましたが、似たようなイメージの役柄を演じたので、ちょっと間を置きたいと思って選んだのがジェヒョクという役でした。ドラマは長いから、この人物がいかに変化し、成長するのかを深くまで見せたいと思いました。―結果的にジェヒョクは成長より、一人の女性の愛を得られなくて利己的になり、次第に崩れていく姿を見せるべきだったと思いますか。イ・ジェフン:序盤と中後半の姿が非常に違いますよね。ドラマの中の人物が生きていく姿と、そこに変化があってこそ、演技する意味があると思うんです。ジェヒョクが少しずつ壊れていったとしても、それが人の終わりではなく、これからも生きていくでしょう。カン・ヨンゴル(ユ・アイン)との対立を通じて冷たくて知的な姿を見せたとすれば、ジェヒョクはイ・ガヨン(シン・セギョン)のために仕事をあきらめ、愛だけを追っていくことになり、崩れていく姿も見せました。これは崩れたとも表現できるけど、そこから気づいたこともあるから、十分に成長したと思います。―実は「ファッションキング」を見ながらジェヒョクを見て恥ずかしくなったシーンが結構ありました。多くの人の前で酒に酔って「イ・ガヨン!」と叫ぶシーンなど。イ・ジェフンさんもそのようなジェヒョクが恥ずかしくはなかったですか?イ・ジェフン:まぁ(笑) ジェヒョクの人生が崩れ、どん底にまで落ちる姿を見せたかったんです。すべてを持っているけど、愛がなければダメな人間になってしまうんです。多くの人がいる公の場でそのような姿を見せたのは、恥ずかしいことですが、それだけジェヒョクにとってはガヨンという人物が、誰よりも大切な存在であるわけです。かっこよく演じることもできたと思いますが、私は、ジェヒョクの心の底にある本当の自分を見せてあげたい、と思いました。内面の飾らない姿を。もう、演技を除いては説明できない存在―優しそうなイ・ジェフンから多面的な魅力を発見できたのは、映画「Bleak Night」があったためだと思います。イ・ジェフン:「Bleak Night」のユン・ソンヒョン監督は、優しく見える私から「一瞬の鋭い目つきを見た」と言いました。そこに何か言葉では説明できない色々なストーリーを盛り込むことができるだろうと。可能性を見ていただいたんですね。作品に出演しながら、イ・ジェフンという俳優が固められたと言うべきでしょうか。どの作品も同じですが、監督の方々は、わずかな可能性を見てキャスティングしてくれたんだと思います。可能性に賭けたのが正しかったことを証明するためにも、頑張らなければならないですね。―聞いた話ですとヨンゴル役のユ・アインさんは、「イ・ジェフンさんは答えのある演技をする」と言ったらしいですが、どう思いますか。イ・ジェフン:私にもわからないです(笑) どんな方向に流れて、どんな姿に見えたら良いという台本上の基本は持って行くけど、現場の雰囲気や小道具一つでも簡単に状況が変わってしまいます。予測できない場面での演技が自然に受け入れられた時は、驚きました。このような過程は、私が演技をする理由の中で一番大きい部分です。―大学まで辞めて演技をすると言った時、ご両親としては大手を振って応援できる立場ではなかったと思います。ご両親はいつから俳優への道を支持して下さったんですか。イ・ジェフン:学校に新しく入った時です。私が演技というものに人生をかけてみようとする姿、本当に最初からやり直すという意思を見せたのが、別の学校に入学することでした。25歳のことでした。その時から両親も「本当にあなたがやりたいことをやってみなさい」と言ってくれました。小さい短編映画、ミュージカルに出演した時も常に私の姿を見せて、安心させたかったんです。今は、俳優として人々に顔を覚えていただいて、愛していただいているので喜んでいますね。―イ・ジェフンという人物はどんな心構えで演技をする俳優ですか。イ・ジェフン:以前は、ただひたすら演技がしたかったし、演技ができるならそれ以上に幸せな瞬間はないと思っていました。人々に知っていただき愛されるようになってからは、熱心に演じなければという思いが強くなりました。俳優は、絶えずキャラクターとしての姿を見せなければなりません。もし限界が見えたり、不足して怠惰な姿を見せるのなら演技をしないほうがいいとも思うし、もっと集中して精進しなければならないと思います。演技というものが人生でとても大きな部分を占めていて、もう演技を抜いては自分を説明できない存在になりました。演技するイ・ジェフンがないと、気が抜けているような感じ―「ファッションキング」も終わりましたし、もうちょっと休まなければならないでしょう。イ・ジェフン:三つの映画を次々と終わらせて、新しい映画も公開されるけど、インタビューや広報に費やす時間がなくて残念でした。今は、「ファッションキング」も終わって、役者として演技するイ・ジェフンがいないので、しばらく気が抜けています。緊張した瞬間や、熱心に演じた時間が終わったから少し余裕もありますが。最近はたくさん寝て、友達とも会っています。以前は、映画を見ることが平常時の唯一の楽しみでした。映画館にもしばしば行こうとしているし、本も読みたいけど、時間がないんです。常にシナリオを見たり、台本を覚えたりするので、小説や詩集にのめり込むのが簡単ではありませんでした。今は撮影がないから本を読まないといけませんね。―俳優としての短期的な目標と長期的な目標は何ですか。イ・ジェフン:短期的には映画「漁村の幽霊 パクさん、出張す」が興行的に成功してほしいですね。私にとって、冒険をしたような作品です。韓国映画にこのようなジャンルがあったのかと思うほどユニークで、人々の反応も気になるけど、愉快で面白い作品だということは確かです。一方では、心配もあります。突然変わる私の姿にどのような反応が出るかと。長期的には、今後より多くの作品を通じて色々な姿をお見せすると思いますけど、それでも一人が演技したという感じを与える俳優になりたいです。尊敬している俳優を思い出してみると、みんな自分の中からキャラクターを創り出しているような気がします。そして、何より、その俳優が出演するのはどんな作品なのか気になるような信頼できる俳優になりたいです。
イ・ジェフン「『ファッションキング』の冷たいガヨンもいいけど、ついてきてくれる女性も魅力的」
※この記事にはドラマ「ファッションキング」の結末に関する内容が含まれています。爽やかな日差しが似合う人物に会った。映画館のスクリーンでも、お茶の間でも、分野を問わず独特な魅力で見る者の目を引く俳優、イ・ジェフン。彼は先月ドラマの撮影を終えたばかりで、現在は溜まった疲れを取っている最中だという。イ・ジェフンは、観客動員数400万を突破し、ラブストーリー映画の新しい記録を打ち立てた映画「建築学概論」で、生き生きとしていながらも、女性の前では控えめになってしまう純粋な大学生スンミンを演じ、韓国で5月22日に終了したSBS月火ドラマ「ファッションキング」では財閥の御曹司として冷たい性格の持ち主でありながらも、恋愛に関しては臆病な男性ジェヒョクを演じた。イ・ジェフンは「ファッションキング」の話が進むにつれ痩せていき、ファンからはこれを心配する声が上がっていた。これについてイ・ジェフンは「撮影のスケジュールがあまりにもハードだったので、本当に痩せてしまったんです。僕自身、鏡を見ながら『このままじゃダメだ!』と心配をしていました。睡眠時間も短く、食事もまともに取れないようなスケジュールだったので、太る暇がありませんでした。だけど、ドラマが終わった後は足りなかった睡眠を十分に取って、食事もきちんと取っています(笑)」と述べた。議論の的となった「ファッションキング」の結末、イ・ジェフンの考えは?「ファッションキング」は、放送終了後、視聴者の間で結末を巡る議論が大きく取り沙汰された。アメリカで贅沢な生活を送っていたヨンゴル(ユ・アイン)が、突然現れた殺し屋の銃に撃たれ死亡し、物語が終わってしまったのだ。ヨンゴルを殺した人物が誰なのかを巡って、視聴者からはいくつかの考えが挙げられている。「色々な意見が出ているのは、僕としては良いことだと思います。結末のことで混乱した方もいらっしゃると思いますが、ドラマを最初から最後まで見てきた方ならば十分に推測できる余地を残した結末だと思います。そこが良かったですね。特に、ヨンゴルを殺した容疑者として挙げられている何人かの人物の中に、ガヨンの名前があるのを見て驚きました。ガヨンが犯人なのでしょうか?まぁ、僕は視聴者の方々の判断にお任せします」劇中のジェヒョクとしての立場ではなく、俳優イ・ジェフンの立場から見て結末はどうだったのだろうか。イ・ジェフンもジェヒョクがヨンゴルを殺した犯人だと思っているのだろうか。彼は「最終回の撮影は、これまで撮影してきたすべてのストーリーを整理し、けじめをつけるような内容で脚本家さんが台本を書いてくださり、それに基づいて撮影をしました。前もって撮影しておいたラストの18分は編集されてから放送されました。視聴者にとっては不親切な最終回だったかもしれないですね。ストーリーのラストについての推測や可能性を、視聴者に託したかったんだと思います。ジェヒョクは最終的に仕事を諦め、ガヨンへの愛を選びました。ジェヒョクは相手の心をどれだけ手に入れたかよりは、ただガヨンの隣にいるだけで幸せで、それだけで報われるということに気づいたのです。なので、そこでまた復讐を考えたり、競争心に火が付いてヨンゴルを殺したりする理由はなかったのではないかと思います。ですので、ジェヒョクがヨンゴルを殺した犯人とは思っていません」と説明した。悪い女のガヨンに惹かれた?ジェヒョクという人物は、一見足りないものは何もないように見える、物質的に必要なものはすべて手にしているような、幸運の持ち主だ。しかしまた同時に、父親には逆らえず殴られ、女性の前では限りなく弱くなるギャップのある人物でもある。そのような人物を演じることは、決して容易ではなかったはずだ。「感情にかなりのムラがあるので、演じることは簡単ではありませんでした。ジェヒョクは、父に認められたい、多くの社員に尊敬されたいと強く思っている人物です。しかし、これらをすべて諦めてまでガヨン(シン・セギョン)を選ぶような人物でもあります。ガヨンへの思いを捨てることはとてもできなかったんですね。本当に両極端で綱渡りしているような気持ちで演じていたので、それが大変でした。演じていながら、ジェヒョクの心の底がどうなのか、僕自身も気になっていましたし、最後まで感情の流れを止めないよう、頑張りました」「ファッションキング」では、同年代の若手俳優たちと共演していたイ・ジェフン。その中では彼が最年長で、20代の若手俳優たちが集まって作り上げたエネルギーのあるドラマだった。現場の雰囲気も常に活気が溢れていたという。同じ20代の俳優たちと共演した感想を聞くと「年齢もあまり変わらないので、楽しく撮影することができました。台本がなかなか出なくて、台本が出ると劇の流れや相手役との息を合わせることに集中するため、ハードなスケジュールになりましたが、みんなでいい作品を作り上げようと最善を尽くしました。みんな明るい笑顔で撮影現場に出て演技に臨んでいたところがすごく力になりました」と答えた。劇中でイ・ジェフンが愛していたガヨンは、ジェヒョクとヨンゴルの間で迷っていた。好きなヨンゴルを守ってほしいと自分を愛するジェヒョクに頼むなど、いわゆる悪い女の一面も見せた。そうでありながらもジェヒョクの頼みや問いかけには冷たい態度を貫いた。実際にイ・ジェフンはガヨンのような悪い女や冷たい女性に惹かれるのだろうか、聞いてみた。この質問にイ・ジェフンは「ガヨンのような冷たい女性ももちろん魅力的ですが、一方では僕に合わせてくれる女性も魅力的ですね。僕はこの二つのタイプの性格を半分ずつ持っている女性に会えたらすごく幸せだろうな~と思っています(笑)」と答え、笑いを誘った。1年で一躍スターにイ・ジェフンはソン・ヨンソン監督の映画「略奪者たち」で主人公サンテの高校生時代を演じ、観客に深い印象を与えた。その後映画「Bleak Night(原題:番人)」「高地戦」に出演し、知名度を上げ、新人俳優賞を席巻するといった栄光も手にした。1年にして一躍スターとなったのだ。「撮影で忙しかったので、最近になってやっと僕のことを好きになってくださり、見守ってくださっている方々を嬉しく思うようになりました。俳優として、そのようなことは待ち望んでいた、夢見ていたことでしょう? 僕の作品がもっと多くの方に知られ、話題となれば嬉しいです。最近それを肌で感じていて『もっと頑張らなきゃ』と思うようになりました。もっと声援に応じられるように演技も頑張って、良い作品をこれからもずっとお見せしたいと心に決めました。皆さんの関心が、演技においてプレッシャーになることもあるとは思いますが、それを乗り越えることが俳優としては当たり前の課題だと思っています」イ・ジェフンは2003年に高麗大学に入学したが、演技への情熱を捨てることができず、学校を中退した。俳優の道を歩むことを最初は反対していたという両親は、今はどう思っているのだろうか。イ・ジェフンはこの質問に明るい笑顔で「最近は僕よりも僕のことで喜んでくれているようです」と答えてくれた。彼は「僕が演技をしているのを見て、家族はもちろん周りの方々も幸せだと言ってくれます。両親は最近は『もっと早く演技を許すべきだった』と言っていますよ(笑) だけど、演技を準備しながら勉強をしていた過程があったからこそ今の僕がいると思います。この心構えと情熱を最後まで忘れたくありません」と付け加えた。インタビューの最後に、イ・ジェフンは大きな抱負を語った。それは、観客や視聴者に信頼を与えられる俳優になりたいということだった。「観客や視聴者が『この人が出る作品は信頼できる』と思えるような俳優になりたいです。この人が出演しているドラマや映画、公演は時間の無駄にならないと、素敵な時間だったと言われるような俳優になりたいです。それだけ叶えば、僕を表わすどんな美辞麗句もいらないです。簡単ではないと思いますが、気を引き締めて前進していきたいです」
Vol.2 ― イ・ジェフン「バラエティ番組にも出演し、親しみやすい姿を見せたい」
俳優イ・ジェフンは、華麗なスクリーンスターの肩書きを脱ぎ捨てて、SBS月火ドラマ「ファッションキング」(脚本:イ・ソンミ、キム・ギホ、演出:イ・ミョンウ)を通じて新たな挑戦を試みた。彼の引き受けた役チョン・ジェヒョクは、ドラマの序盤で魅力的で高慢なファッションデザイナーのアンナ(少女時代 ユリ)とのロマンスを披露したが、ドラマが進めば進むほどガヨン(シン・セギョン)に思いを寄せるようになる。彼の心理的変化は、ドラマ終盤に至ると愛を切望する悽絶な姿によって表現された。「ジェヒョクの、ガヨンに対する愛については、とても迷いました。どのようにすれば、困難な状況に置かれた愛に対して本気で悩んでいる姿を十分に表現することができるか、とても悩みました。ジェヒョクはアンナに対して、愛もあったし、哀れむような気持ちもあったんです。そして仕事のためにはアンナが必要だったようです。はじめはアンナがジェヒョクのすべてでしたが、ガヨンという人物が突然現われて、彼は戸惑うことになります。これは僕も、演技を通じて初めて経験した瞬間です。ジェヒョクは知らず知らずのうちにガヨンを好きになっていくんです」イ・ジェフンは、ドラマでのリアルな泥酔シーンでも注目を集めた。彼は、アンナの事務室のオープンを祝うパーティーに泥酔状態で参入し多くの人の前で酒に酔った姿を見せるというシーンを、全身を投じて演技した。彼の演技を見た一部のネットユーザーは、「本当に酒に酔っているのでは?」という反応を見せるほどだった。「演技において、映画でもドラマでもリアリティーがよく反映されて、それが現実のように感じられたらと望むことがあります。チョン・ジェヒョクという人物の本当の姿をリアルに表現したかったんです。もちろんスマートに愛を表現することもできましたが、もう落ちるところまで落ちたチョン・ジェヒョクという人物の、失うものがないという心理を表現したかったんです。あの瞬間だけは一銭もない人のように見えたらと思いました。酒に酔って地面に倒れたあの瞬間が、ジェヒョクにとっては最悪の瞬間でした」アンナとガヨンに思いを寄せたジェヒョク。イ・ジェフンが実際にジェヒョクなら、アンナとガヨンのうちどちらを選択するかが気になるところだ。「僕は演技をしましたが、本当の葛藤を感じながら表現をしました。愛はガヨンに偏りましたが、アンナはアメリカから連れて来たこともあって守ってあげなければならないという責任感があったんですよ。10話くらいまではガヨンを愛しますが、アンナともちゃんとしなければという考えがジェヒョクには確かにあったようです。誰かを保護してあげて責任を取らなければという義務感が、アンナという人物を見ながら葛藤として現われたのです。実際では二人ともいい人で魅力的です。実際あんな状況が発生すれば本当に嬉しいでしょうね(笑)」ガールズグループ、少女時代のユリは、「ファッションキング」を通じて本格的に演技に挑戦した。初めて演技に挑戦したユリの存在は、「ファッションキング」の視聴ポイントの中の一つだった。好評も酷評もなかったユリの演技だが、彼女と共演したイ・ジェフンはユリに対しての褒め言葉を惜しまなかった。「ユリさん本人が演技に対してとても心配していました。多くの先輩や同年代の俳優に、シーンについて積極的に聞いて、チェックする姿が素晴らしかったです。演技に対して意見を分かち合い、状況がどうなるか絶えず悩んでいました。ユリさんの姿を見て、むしろ僕が学びました。自分があんなに積極的だった時があっただろうかと思いました。いつでも学んでたくさん聞いて、理解していく瞬間が必要なんだな、という気がしました。この作品を通じてのユリさんの成長は、目に見えるほどです」「ファッションキング」の公式ホームページに、撮影中にダンスをしているイ・ジェフンの姿が公開されて、大きな話題を集めた。ファンは静かでカリスマ溢れるイ・ジェフンの意外な姿に、親近感を覚えた。このような話を交わす中、ふと彼がバラエティ番組に出演したらどうだろうと思いついた。「ファンの皆さんが、作品以外での僕の姿を見たいらしく、ショー番組やバラエティ番組から出演オファーが来ていますが、とても心配です(笑) 果たして映画やドラマでの配役ではない僕の本当の姿を好んでくださるだろうか、という疑問がありますし、しっかりとできるだろうかという不安もあります。でも、僕は挑戦するつもりです。計画もあります。ファンの方々が願うなら出演する意向があります。親しみやすい僕の姿をお見せしたいです」インタビューの最後に、イ・ジェフンに、どんな俳優でありたいかという質問をした。「ポジティブでいられればとてもいいと思います。何より、僕が出た作品に興味が湧いて、見なくてはと思ってもらえるような俳優になりたいです。今こんなふうに演技している自分の姿を見た時、俳優を選択して生きて行くことに決めた自分の人生が、正しかったと思います。この気持ちが続くように、演技に対してもっと熱心に取り組み、堕落しないように、瞬間ごとにベストを尽くして演じるのが、自分のすべきことだと思っています」