「2013 中国映画祭」韓中映画界が出会う意思疎通の場
中国映画を代表する最高の顔に会う、「2013 中国映画祭」が挙げたスローガンだ。このスローガンにふさわしく、韓国でも幅広いファン層を誇り、中国を代表する俳優であるトニー・レオンとチャン・ツィイーが主演を務めた映画「グランド・マスター」が開幕作として選定された。これは中国を代表するウォン・カーウァイ監督の作品でありながら、ソン・ヘギョが出演した映画でもある。中国の有名な監督と俳優が開幕式に合わせて韓国を訪れたことで、中国映画祭に対する関心はこれまで以上に高まり、熱気に包まれた。16日、開幕式が開催されるソウル永登浦(ヨンドゥンポ)区汝矣島(ヨイド)CGVは、取材陣はもちろん、一般人も加わり、人で溢れかえった。また、同日に行われたレッドカーペットでは、チャン・ドンゴン、チョン・ウソン、ソン・ヘギョ、チソン、パク・シネ、ハン・イェリなど、トップスターたちが大勢参加し、映画祭とスローガンにふさわしい開幕となった。
今回の映画祭を主催するCJ E&M映画事業部門のチョン・テソン代表は、「単に中国映画を韓国に紹介するという次元を超えて、両国の映画界がお互いに出会い、意思疎通できる場を作れるように努力する。そして、アジア映画のグローバル化へ向けて、共に礎を築いていきたい」と映画祭の意味を改めて噛みしめた。中国国家新聞出版広電総局の映画管理局長チャン・ホンソンは、「過去10年間、韓中両国の映画界は発展してきた。今回の映画祭を通じて韓国の観客たちに、中国の映画についてより深く理解していただきたい」と伝えた。
映画「恋する惑星」「楽園の瑕」「ブエノスアイレス」「花様年華」など、数多くの名作を手がけたウォン・カーウァイ監督は、「韓国の人々はカンフー映画を好んで見ていると聞いた。だが、『グランド・マスター』はこれまでの武侠映画とは大きく違う。中国民族が逆境の時代に、葉問という人物は中国の武術、武術文化をどのように守ってきたのかを描いている。これまでとは違う武侠映画を見ることができるだろう」と自信を示した。
―企画と制作期間がとても長かったと聞いた。
ウォン・カーウァイ監督:過去20年間、中国は激動の時代を経験した。その過程の一面だけを見せるのは正しくないと思った。中国民族も過去を振り返さなければならないし、それを通じて、より大きな発展を促さなければならない。そして、中国映画は今最も様々な変化を迎えている。「グランド・マスター」は1998年から制作したいと思っていたが、2008年になってようやく実質的に動き出すことができた。予算が足りなかったため1998年には作れなかった。2008年になって、中国市場が大きくなり、私たちが編成した予算を確保することができた。
チャン・ツィイー:撮影するのに3年かかった。3年間、挫けずに撮影を続けることができた理由は、映画に対する情熱があったからだ。映画へのウォン・カーウァイ監督の愛がなかったら、ここまで来れなかったと思う。そして、映画の中のアクションは単純なアクションではなく、その中で感情を表現している。映画を見れば、どういう意味か分かるだろう。
―以前演出した「楽園の瑕」も武侠映画である。これとはどう違うのか。
ウォン・カーウァイ監督:「楽園の瑕」は、「射雕英雄伝」という小説を原作としている武侠映画だ。武侠映画を2つに定義するとしたら、想像力だけで作った武侠映画と、「グランド・マスター」のように正確な時代背景と実在人物を扱う武侠映画がある。この映画は“武功”ではなく“武林”を扱っている。武林には哲学、道理、人間関係などが含まれている。そのような面で、他の武侠映画とはまったく違う新たな雰囲気を感じることができるはずだ。
―チャン・ツィイーは、チャン・ドンゴン、ソ・ジソブなど韓国の俳優と共演したことがあるが、次回作では誰と共演してみたいか。
チャン・ツィイー:ウォンビンさんが好きだ。私たち二人が共演できるようなシナリオを書いてほしい(笑)
―トニー・レオンは葉問の一生を演じてみて、どのような人物だと思うのか。そして、本人は俳優として“グランド・マスター”の位置に上がったと思うのか。
トニー・レオン:葉問は慎重ながらも意志が強く、勇敢で楽観的な男だ。僕はまだグランド・マスターとは言えない。そうなるために一生懸命に努力している過程だ。
―ソン・ヘギョが葉問の妻として出演している。共演してみてどうだったか。
トニー・レオン:共演する前にソン・ヘギョさんが出演したドラマを見て、綺麗で少女という印象が強った。だけど、今回共演してみると想像した姿とは違っていた。とても成熟して、映画の中の時代背景に合う中国の貴族のような姿を発見した。また、新たな魅力だった。
「グランド・マスター」に出演したチャン・ツィイーは、チョン・ジョンミョンと共に映画祭の広報大使として抜擢された。中国映画祭は第1回目キム・ヒソンを皮切りに、毎回有名スターを広報大使として任命してきた。ソンヨ(2007)、チョン・ウソン(2009)、チュ・ジンモ(2011)が広報大使を務め、今年は韓国の俳優チョン・ジョンミョンと中国人女優チャン・ツィイー2人の俳優を抜擢した。チャン・ツィイーは、「私は中国の女優だが、韓国の監督や俳優と一緒に仕事をする機会が多かった。韓国の映画人たちの繊細さやプロ精神からは、多くのことを学んだ。今後も良い機会がたくさんあれば嬉しい」と感想を語った。
「巨匠の顔」部門では、映画「さらば、わが愛/覇王別姫」「北京ヴァイオリン」などで世界中から賛辞を受けたチェン・カイコー監督の2012年作「捜索(Caught in the Web)」が公開される。現代の中国を見つめるチェン・カイコー監督の視線とメッセージが際立つ作品だ。「俳優の顔」部門では、ジェット・リーの変身が話題となった2010年作「海洋天堂」が上映される。アクション俳優として知られるジェット・リーがヒューマンドラマに挑戦した作品で、自閉症を患っている息子が自立できるように人生に必要な技術を教えながら、自分は徐々に死を準備する、不治の病を患っている父親の物語を描いている。ジェット・リーが演じる父性愛が観客に深い感動を届ける予定だ。
中国映画祭はいつから開催されたのか
中国映画祭は今年で5回目を迎えた。今年が初めてではないが、今年のようにこれほどまで高い関心が集まったのは異例のことである。取材陣も同じだ。それだけ今年の中国映画祭が華やかだという意味でもある。中国映画祭は、2006年「中国映画100年の歴史の中で」というテーマで始まった。それ以来、韓国と中国を行き来しながら開催されている。2007年には「会いたい!生き生きした中国」というテーマで韓国で開催され、2008年には北京、上海、昆明などの3つの都市で、第1回韓国映画祭が開催された。そして、2009年には再び韓国で、2010年には中国で開催された。韓国と中国を行き来しながら行われた意義深い映画祭だ。今年は過去2年間で中国の興行と映画祭を席巻した11本の作品が、「巨匠の顔」と「俳優の顔」、そして「新しい顔」という3つのセクションに分けて紹介された。汝矣島CGVと釜山(プサン)CGVセンタムシティで今月16日から20日まで行われるため、見逃さずに一度見てほしい。今回の映画祭を主催するCJ E&M映画事業部門のチョン・テソン代表は、「単に中国映画を韓国に紹介するという次元を超えて、両国の映画界がお互いに出会い、意思疎通できる場を作れるように努力する。そして、アジア映画のグローバル化へ向けて、共に礎を築いていきたい」と映画祭の意味を改めて噛みしめた。中国国家新聞出版広電総局の映画管理局長チャン・ホンソンは、「過去10年間、韓中両国の映画界は発展してきた。今回の映画祭を通じて韓国の観客たちに、中国の映画についてより深く理解していただきたい」と伝えた。
開幕作「グランド・マスター」とは
「グランド・マスター」は、ブルース・リーの師匠であり、詠春拳のマスターである葉問(イップマン)の一代記を描いた作品だ。1930年代、混乱した情勢と中国武術の世代交代というテーマをウォン・カーウァイ監督の独特な映像美で描き、トニー・レオンが葉問(イップマン)役を演じ、チャン・ツィイーが宮宝森(ゴン・パオセン)の娘であり達人の宮若梅(ゴン・ルオメイ)役を演じた。また、ソン・ヘギョは葉問の妻、張永成(チャン・ヨンチェン)に扮し、出演時間は短いが、強い印象を残した。この映画は「第63回ベルリン国際映画祭」の開幕作に選定され、中国では2013年年明けに公開され、ウォン・カーウァイ監督作品の中で最も大きな商業的成功を収めた。映画「恋する惑星」「楽園の瑕」「ブエノスアイレス」「花様年華」など、数多くの名作を手がけたウォン・カーウァイ監督は、「韓国の人々はカンフー映画を好んで見ていると聞いた。だが、『グランド・マスター』はこれまでの武侠映画とは大きく違う。中国民族が逆境の時代に、葉問という人物は中国の武術、武術文化をどのように守ってきたのかを描いている。これまでとは違う武侠映画を見ることができるだろう」と自信を示した。
―企画と制作期間がとても長かったと聞いた。
ウォン・カーウァイ監督:過去20年間、中国は激動の時代を経験した。その過程の一面だけを見せるのは正しくないと思った。中国民族も過去を振り返さなければならないし、それを通じて、より大きな発展を促さなければならない。そして、中国映画は今最も様々な変化を迎えている。「グランド・マスター」は1998年から制作したいと思っていたが、2008年になってようやく実質的に動き出すことができた。予算が足りなかったため1998年には作れなかった。2008年になって、中国市場が大きくなり、私たちが編成した予算を確保することができた。
チャン・ツィイー:撮影するのに3年かかった。3年間、挫けずに撮影を続けることができた理由は、映画に対する情熱があったからだ。映画へのウォン・カーウァイ監督の愛がなかったら、ここまで来れなかったと思う。そして、映画の中のアクションは単純なアクションではなく、その中で感情を表現している。映画を見れば、どういう意味か分かるだろう。
―以前演出した「楽園の瑕」も武侠映画である。これとはどう違うのか。
ウォン・カーウァイ監督:「楽園の瑕」は、「射雕英雄伝」という小説を原作としている武侠映画だ。武侠映画を2つに定義するとしたら、想像力だけで作った武侠映画と、「グランド・マスター」のように正確な時代背景と実在人物を扱う武侠映画がある。この映画は“武功”ではなく“武林”を扱っている。武林には哲学、道理、人間関係などが含まれている。そのような面で、他の武侠映画とはまったく違う新たな雰囲気を感じることができるはずだ。
―チャン・ツィイーは、チャン・ドンゴン、ソ・ジソブなど韓国の俳優と共演したことがあるが、次回作では誰と共演してみたいか。
チャン・ツィイー:ウォンビンさんが好きだ。私たち二人が共演できるようなシナリオを書いてほしい(笑)
―トニー・レオンは葉問の一生を演じてみて、どのような人物だと思うのか。そして、本人は俳優として“グランド・マスター”の位置に上がったと思うのか。
トニー・レオン:葉問は慎重ながらも意志が強く、勇敢で楽観的な男だ。僕はまだグランド・マスターとは言えない。そうなるために一生懸命に努力している過程だ。
―ソン・ヘギョが葉問の妻として出演している。共演してみてどうだったか。
トニー・レオン:共演する前にソン・ヘギョさんが出演したドラマを見て、綺麗で少女という印象が強った。だけど、今回共演してみると想像した姿とは違っていた。とても成熟して、映画の中の時代背景に合う中国の貴族のような姿を発見した。また、新たな魅力だった。
「グランド・マスター」に出演したチャン・ツィイーは、チョン・ジョンミョンと共に映画祭の広報大使として抜擢された。中国映画祭は第1回目キム・ヒソンを皮切りに、毎回有名スターを広報大使として任命してきた。ソンヨ(2007)、チョン・ウソン(2009)、チュ・ジンモ(2011)が広報大使を務め、今年は韓国の俳優チョン・ジョンミョンと中国人女優チャン・ツィイー2人の俳優を抜擢した。チャン・ツィイーは、「私は中国の女優だが、韓国の監督や俳優と一緒に仕事をする機会が多かった。韓国の映画人たちの繊細さやプロ精神からは、多くのことを学んだ。今後も良い機会がたくさんあれば嬉しい」と感想を語った。
閉幕作「最後の晩餐」など期待されている作品は?
閉幕作に選ばれた「最後の晩餐」は今春、中国映画の興行成績でトップを走った感性的な恋愛映画だ。この事実より目を引くのは、中国の現地制作社とCJ E&Mが一緒に作った韓中合作映画という点だ。「ラスト・プレゼント」「ナンパの定石」などを手掛けたオ・ギファン監督が演出を務め、キム・ヨンホ撮影監督、イ・ジス音楽監督など、多くの韓国人のスタッフが参加した。また、中華圏の青春スターであるエディ・ポンと新星バイ・バイホーが出演した。バイ・バイホーは、「最後の晩餐」以外にも「失恋の33日(Love is Not Blind)」を通じて韓国の観客たちと会い、閉幕に合わせて韓国を訪問する予定だ。「巨匠の顔」部門では、映画「さらば、わが愛/覇王別姫」「北京ヴァイオリン」などで世界中から賛辞を受けたチェン・カイコー監督の2012年作「捜索(Caught in the Web)」が公開される。現代の中国を見つめるチェン・カイコー監督の視線とメッセージが際立つ作品だ。「俳優の顔」部門では、ジェット・リーの変身が話題となった2010年作「海洋天堂」が上映される。アクション俳優として知られるジェット・リーがヒューマンドラマに挑戦した作品で、自閉症を患っている息子が自立できるように人生に必要な技術を教えながら、自分は徐々に死を準備する、不治の病を患っている父親の物語を描いている。ジェット・リーが演じる父性愛が観客に深い感動を届ける予定だ。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- ファン・ソンウン、写真 : ク・ヘジョン、編集 : ホン・ジユ、翻訳 : チェ・ユンジョン、ナウンジョン
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