「スパイ明月」 vs 「オレのことスキでしょ。」2011年見掛け倒しアワード
2011年のお茶の間は、固定視聴者層によってその明暗が分かれた。
長いスパンとロイヤリティの強い視聴者を確保している毎日連続ドラマと週末ドラマが人気を得ているのに対して、スパンの短いミニシリーズは苦戦を強いられた。視聴率30%の壁を超えた作品はゼロ。これまでは視聴率20%は成功と認められていなかったが、20%を超えれば成功とみなすこととなった。2011のお茶の間のキーワードは「下方平準化」だった。
以下で説明する作品は、この「下方平準化」の中でもいろんな意味で特に目立った作品である。放送前から期待されていたものの、ドラマ内外の問題で上昇基調に乗れず、見掛け倒しになった残念な作品なのだ。この年末、見掛け倒しになった理由を考えてみた。
しかし、いざ始まってみると不協和音ばかりだった。型にはまったありきたりな展開に、斬新な企画どころか素材だけが残った。ドラマの外ではヒロイン役のハン・イェスルと監督との対立が浮き彫りになり、ついにハン・イェスルの撮影拒否によってドラマが放送されない事態にまで至った。興行作ではなく、話題作としてスポットライトを浴びたものの、それを視聴率につなげる余力さえなかった。「スパイ明月」の最終回視聴率は5.2%で、2011年に放送されたミニシリーズの中でも最下位となった。
このドラマは最初、トップスターはいないものの、ライバル作品のなかで10代、20代の女性をターゲットに差別化を図っていた。キャンパスライフを背景に、ジョン・ヨンファ、パク・シネ、ソン・チャンウィという青春スターが出演するというこのドラマは、ドロドロ感のない純粋なトレンディドラマの復活を期待させていた。
しかし、ドラマの成功は思いがけない幸運だけには頼れない。ストーリーがなく、大きな流れしか残っていない状況では、前作が「最高の愛」だというメリットも発揮することができなかった。縮小編成とミニシリーズ平均視聴率の最下位となる6.3%の視聴率が、このドラマに対する評価だった。
スターパワーなんてない。思いがけない幸運もない。失敗を乗り越えて、2012年のドラマが上方平準化することを期待している。
長いスパンとロイヤリティの強い視聴者を確保している毎日連続ドラマと週末ドラマが人気を得ているのに対して、スパンの短いミニシリーズは苦戦を強いられた。視聴率30%の壁を超えた作品はゼロ。これまでは視聴率20%は成功と認められていなかったが、20%を超えれば成功とみなすこととなった。2011のお茶の間のキーワードは「下方平準化」だった。
以下で説明する作品は、この「下方平準化」の中でもいろんな意味で特に目立った作品である。放送前から期待されていたものの、ドラマ内外の問題で上昇基調に乗れず、見掛け倒しになった残念な作品なのだ。この年末、見掛け倒しになった理由を考えてみた。
「スパイ明月」何を想像しても、それ以上
かつて莫大な製作費をかけて勝負しようとした超大作の映画がスターパワーの持つ虚像を証明したならば、「スパイ明月」は何を想像してもそれ以上だという「スター・ウォーズ」の理論をお茶の間でも成立させた。北朝鮮の美女スパイが韓国の韓流スターと恋に落ちるという企画自体は斬新だった。それに前シーズンの同じ時間に放送されたドラマ「童顔美女」も視聴率はトップだった。さらにエリックとハン・イェスルの復帰作であっただけに、視聴率20%くらいは容易に超えるだろうと期待されていた。しかし、いざ始まってみると不協和音ばかりだった。型にはまったありきたりな展開に、斬新な企画どころか素材だけが残った。ドラマの外ではヒロイン役のハン・イェスルと監督との対立が浮き彫りになり、ついにハン・イェスルの撮影拒否によってドラマが放送されない事態にまで至った。興行作ではなく、話題作としてスポットライトを浴びたものの、それを視聴率につなげる余力さえなかった。「スパイ明月」の最終回視聴率は5.2%で、2011年に放送されたミニシリーズの中でも最下位となった。
「オレのことスキでしょ。」テレビは違う
2011年のMBCのミニシリーズは「惨敗」の一言で定義することができる。トッコ・ジンシンドロームを巻き起こした「最高の愛」とマニア層を形成した「ロイヤルファミリー」を除くと、多くの作品が一桁の視聴率にとどまり、視聴率競争で惨敗した。その中でも「オレのことスキでしょ。」は単なる視聴率だけでなく、作品性も不十分だと酷評された作品で、キャラクタ―に過度に依存する青春ドラマの限界を証明した。このドラマは最初、トップスターはいないものの、ライバル作品のなかで10代、20代の女性をターゲットに差別化を図っていた。キャンパスライフを背景に、ジョン・ヨンファ、パク・シネ、ソン・チャンウィという青春スターが出演するというこのドラマは、ドロドロ感のない純粋なトレンディドラマの復活を期待させていた。
しかし、ドラマの成功は思いがけない幸運だけには頼れない。ストーリーがなく、大きな流れしか残っていない状況では、前作が「最高の愛」だというメリットも発揮することができなかった。縮小編成とミニシリーズ平均視聴率の最下位となる6.3%の視聴率が、このドラマに対する評価だった。
スターパワーなんてない。思いがけない幸運もない。失敗を乗り越えて、2012年のドラマが上方平準化することを期待している。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- イ・ヘミ
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