「個人の趣向」ケインさん、いったい何が問題なんですか?
何もしてないのに憎らしい人もいれば、いつも問題ばかり起こしていても、憎めない人がいます。私にとってパク・ケイン(ソン・イェジン)は、後者に当てはまります。嫌いになって当然なのに、なぜか憎めないんです。普段なら「あーあ、あのドジ」と言いながらチャンネルを変えるのですが、文句を言いながらも見てしまうんです。ケインさんを裏切ったハン・チャンニョル(キム・ジソク)が言うように、雨が降る日にびしょ濡れで街をさまよう子犬がいかにもみすぼらしく見えて、母性本能を刺激されたのかもしれません。もしくは、この「個人の趣向」というドラマに“ドジ”がたくさん登場するからなのかもしれません。たくさんのドジが随所に時間差攻撃してくるので、ケインさんが起こす事件くらいは「まあ、優しい人だからいいか」と言いながら許してあげてしまうようなお話です。
ついでなのでケインさんにお聞きします。一体どうして、余計なことを話してしまったのですか。お酒を飲んで失敗を犯すことは何とか理解できるけど、極めてプライベートな他人の秘密をなぜ漏らしたんですか。人間とは、教えなくても自分で悟ることができます。生まれて半年くらい経つと、ハイハイするようになって、2才になると歩き始めます。そのうちに字を覚えるように、あえて誰かが教えなくても一人で分かっていくんです。他人の秘密をみんなにバラしてはいけないということは、6~7才の子供も分かっています。機転がきく子供は5才でも分かるでしょう。なのにどうして、ちゃんとした大人が余計なことを言ってしまうのか理解不能です。ケインさんが良い人なのはもちろんよく分かります。だけど“とても純粋で、猫をかぶらずに素直で”という言い訳が通じると思いますか。チノさんが実際にゲイだったとしても問題だし、違ったとしても大きな問題じゃないですか。
その上、他人に迷惑をかけるだけでなく、自らも傷ついて、壊れて、大騒ぎしていますね。「母がくれた贈り物みたいです。我が家にいらしたことを歓迎します」と言ってチノさんに抱かれて、期待するケインさんを見ていると呆れてしまいます。幸いチノさんがいい人だったから良かったものの、もし、誰かが計画的に騙していたら、家だけではなく、全部渡してしまうような人だからです。信じていた友達のウォノ(ポン・テギュ)に印鑑を任せてお金を失って、行き場のない友達イニに部屋を貸して彼氏を奪われて、その次は誰に何を奪われるか心配です。自信とプライドが欠如している人は、脳が小さくなって記憶力と学習能力のような脳の機能も落ちるという研究結果があるそうです。ケインさんもこのケースではないかと思われます。そうでなかったら、どうしてまともな人がこんなにも間抜けになるんでしょうか。そして失われた自信とプライドを再び取り戻してくれる人は、お父様だけだと思います。くれぐれも、お父様が戻ってきたら、今までずっと押し隠してきた心の内を全部打ち明けてください。気難しくて面倒だからと言って、逃げないでください。もっとも、先に手を差し伸べなければならない人はケインさんではなく、心を閉ざしているお父様ではないでしょうか?
ケインさんもかわいそうだけど、間違っていないとは言えません
ケインさんが持っているものなら何でも奪い取ろうとする友達キム・イニ(ワン・ジヘ)もそうだし、誘惑されて彼女の親友に乗り換えた芯のない男、ハン・チャンニョルもそうだし、場の空気が読めないキム・テフン(2AM スロン)もそうです。理解できない人物が多すぎです。漫画「キャンディ・キャンディ」に出てくるイライザのようなナ・ヘミ(チェ・ウンソ)は言うまでもありません。チョン・チノ(イ・ミンホ)所長がせっかく連れていったパーティーで、チノとケインがケンカした時は、本当に見ていられない光景でした。ヘミがケインの顔に水をぶっかけたおかげで収まりましたが、もし収まらなかったら、どうなっていたか。ワインを何杯か飲んで酔っ払ってしまったケインさんが「ああ、めんどくさいな。この人、ゲイなんですよ!」と大声で叫んだことを思い出すと、今でも目眩がします。ついでなのでケインさんにお聞きします。一体どうして、余計なことを話してしまったのですか。お酒を飲んで失敗を犯すことは何とか理解できるけど、極めてプライベートな他人の秘密をなぜ漏らしたんですか。人間とは、教えなくても自分で悟ることができます。生まれて半年くらい経つと、ハイハイするようになって、2才になると歩き始めます。そのうちに字を覚えるように、あえて誰かが教えなくても一人で分かっていくんです。他人の秘密をみんなにバラしてはいけないということは、6~7才の子供も分かっています。機転がきく子供は5才でも分かるでしょう。なのにどうして、ちゃんとした大人が余計なことを言ってしまうのか理解不能です。ケインさんが良い人なのはもちろんよく分かります。だけど“とても純粋で、猫をかぶらずに素直で”という言い訳が通じると思いますか。チノさんが実際にゲイだったとしても問題だし、違ったとしても大きな問題じゃないですか。
一体、どこで間違って、そんなにずさんになってしまったんですか
ケインさんは、自分の家を担保にして謝金を背負ってしまったという事実がお父様にバレるのが怖くて怯えているけど、お金で起きた問題はお金で解決すればいいんです。もっと大きな問題は、30近くにもなって、無分別な行動をして、他人に迷惑をかけながら生きているということです。水際で遊ぶ子供のように、危なっかしい娘をなぜ放置しているのか、お父様に聞いてみたいです。愛する妻を失った傷が深くて現実逃避をしたのでしょうが、その傷は母を失った子供より深いのでしょうか? それに、そんなに妻を愛していたなら、妻が残した最後の贈り物をちゃんと守らなければなりません。母がいなくて体験できなかったケインの幼い時の胸の痛みを、お父さんはご存知ないと思います。幼稚園のお祭りで韓服(韓国の伝統衣装)のチョゴリの結び紐をどう結ぶのか分からず、一人でボンヤリと立っているしかなかったという話を聞くと、しょんぼりした子供が浮かんで私は涙が出ました。その上、他人に迷惑をかけるだけでなく、自らも傷ついて、壊れて、大騒ぎしていますね。「母がくれた贈り物みたいです。我が家にいらしたことを歓迎します」と言ってチノさんに抱かれて、期待するケインさんを見ていると呆れてしまいます。幸いチノさんがいい人だったから良かったものの、もし、誰かが計画的に騙していたら、家だけではなく、全部渡してしまうような人だからです。信じていた友達のウォノ(ポン・テギュ)に印鑑を任せてお金を失って、行き場のない友達イニに部屋を貸して彼氏を奪われて、その次は誰に何を奪われるか心配です。自信とプライドが欠如している人は、脳が小さくなって記憶力と学習能力のような脳の機能も落ちるという研究結果があるそうです。ケインさんもこのケースではないかと思われます。そうでなかったら、どうしてまともな人がこんなにも間抜けになるんでしょうか。そして失われた自信とプライドを再び取り戻してくれる人は、お父様だけだと思います。くれぐれも、お父様が戻ってきたら、今までずっと押し隠してきた心の内を全部打ち明けてください。気難しくて面倒だからと言って、逃げないでください。もっとも、先に手を差し伸べなければならない人はケインさんではなく、心を閉ざしているお父様ではないでしょうか?
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- 記者 :
- ジョン・ソクヒ(コラムニスト)、編集:イ・ジヘ、翻訳:チェ・ユンジョン
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