イ・ヨンフン「僕は監督がキャスティングしやすい役者」
映画「青春とビート、そして秘密のビデオ」
俳優イ・ヨンフンがピョン・ソンヒョン監督の映画「青春とビート、そして秘密のビデオ」で前作とはまた別の姿を見せる。映画「青春とビート、そして秘密のビデオ」は、インディーズ界で最高の全盛期を駆け抜けた3人組のヒップホップグループ・レムペイジスが、解散から3年後に未公開の映像が流出する事件により再会した日の話を描いた映画で、イ・ヨンフンは天性の音楽的センスを持ったラッパーのミンス役を演じる。
イ・ヨンフンは自身のデビュー作である映画「グッド・ロマンス」(2004)では、人妻を愛する高校生役で出演し、彼の名を世間に一躍知らしめた作品である映画「後悔なんてしない」(2006)では、辛く切ない恋をするゲイ役を演じた。さらに映画「GP506」(2008)では、小隊員を殺害する上等兵を熱演するなど、俳優として新しい姿を見せるため精力的に活動してきた。今後公開予定の映画「コインロッカー」では、暴力を振るうギャンブル浸けの夫の役を演じて、これまで見せてきた姿とは異なる姿を披露する。
「僕は多様なイメージを持っているらしく、映画もそうだけど、どんな服を着て、どんなメイクを施すかによってイメージが変わると言われる。普段ひげを生やした時とそうでない時、髪の毛を後ろにかき上げた時と帽子を被った時、イメージはまったく違う。こういう多様なイメージを持っているから、監督がキャスティングしやすいらしい。これは俳優としての長所でもある」
彼は優しさが感じられる俳優である。1982年生まれだが、彼の笑う顔は子供のように無邪気である。そんな彼が多様な役をこなしていけるのかと思う人もいるだろう。しかし、彼は劇中の役に成り切って正反対の役も見事に演じきる。
「善良な人間役のイメージも、悪役のイメージも持っていると思う。連続殺人犯の役が似合う俳優としてハ・ジョンウさんが1位に選ばれたが、僕も2位で選ばれた。映画『殺人の追憶』のパク・ヘイルさんはぞっとするような演技を見せるが、僕にもそういうところがあるみたいで、映画『GP506』でも、善良な人間と思いきや最終的に小隊員全員を殺害した兵士役で出演した」
映画「青春とビート、そして秘密のビデオ」でもラッパー役が似合わないと思っていたが、彼はラッパーのミンス役を見事に演じ、ラップの実力を披露して完璧なインディーズバンドとして観客の前に立った。
「『青春とビート、そして秘密のビデオ』は僕にピッタリな作品だった。ヒップホップが似合うとは思ってもいなかったし、実際にヒップホップについてもあまり知らないけど、この映画では素材としてヒップホップを扱っている。『青春とビート、そして秘密のビデオ』は3人の若者の友情を描いた作品だったので、そこが僕に合っていたんだと思う」
彼は作品では体当たりの演技を見せる俳優である。今回の映画でも殴られるシーンとゴミ箱に押し込められて転がるシーンなどがあったが、どのシーンもスタントマンを使わずに自ら熱演した。
実際、映画のスタッフが「完成度の高い映画にするために地面を転がってほしい」と彼に控えめに頼んだが、イ・ヨンフンは喜んでその提案を受け入れた。「実際転がってみたら、もうちょっと転がっても大丈夫な気がした」と思った彼はゴミ箱に押し込められて4~5回転し、リアルに仕上がった。
「頑張って演じればいいだけなのに、もっといいシーンにするために貪欲になる。映画『解決士』でもそうだった。結局皆に迷惑をかけることになるのに、欲張ってしまう。スタッフも心配していた。中国で映画『タイゴン』を撮影していた時がそうだった。溺れて死ぬシーンがあって周りからは止められたけど、自分で演じた。冬だったので氷点下5~10℃だった。水中でワイヤーが首に絡んだことがあって、その時は本当に危なかった。これからは気をつけようと思った。昔はそうではなかったが、年のせいか肉体的にしんどい(笑)」
彼の出演した映画は3月15日に後悔された「青春とビート、そして秘密のビデオ」を皮切りに4月には「風船」、5月には「タイゴン」、6月には「コインロッカー」が公開される。
「しばらくの間、休まずに撮影していた。1年に1作品でも公開されれば、休んでいないように感じるが、撮影した映画は一気に公開されるから、休んでいたように見えるらしい。撮影が終わったからといってすべてが終わったわけではない。物事には時期があると思う」
生粋の俳優であるイ・ヨンフンだが、17日頃にソウルの仙遊島(ソニュド)公園でチューニングショップをオープンし、俳優だけでなく、社長としての成功も夢見ている。しかしやはり、彼は演じている時に最も幸せを感じるようだ。
「僕は俳優として演技活動を続けたい。役者として生きることが僕の幸せだから」
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- キム・ミリ、翻訳 : チョン・ジュヨン
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