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「2度の結婚式と1度の葬式」キムジョ・グァンス監督“19歳年下の恋人といるときが幸せ”

TVレポート
キムジョ・グァンス監督が初の長編映画「2度の結婚式と1度の葬式」を演出すると言ったとき、賛成した社員は一人もいなかった。「朝鮮名探偵 トリカブトの秘密」「依頼人」で借金を清算し、会社がやっと軌道に乗ったときに代表が監督になると宣言したのである。

キムジョ・グァンス監督は「感じたままに生きていくのが私の人生のモットーだが、こんなに内部から反対されるとは思ってもみなかった」とし「『2度の結婚式と1度の葬式』のプロジェクトが女性映画祭で1等と観客賞を授賞してからやっと後輩プロデューサーに演出してもいいという承諾を得た」と笑った。


「同性愛映画だからといって、必ずしも暗くする必要はないでしょう?」

「今日通帳の残高を確認した社員の一人が『兄さん、僕達の会社はまた貧乏になったね。もっと頑張らなきゃ』と話しました。でも10億ウォンを超える借金をすべて返済したんですよ(笑) そう思ったら胸がいっぱいで感心しちゃいます」

昨年、映画2本の興行に成功したキムジョ・グァンス監督が一番先にしたことは債主に連絡をすることだった。「キムジョ・グァンスです。お金がちょっとできたので返します。口座番号は?」溜まっている人件費と設備のレンタル料をそのように連絡して返す制作者は、「王の男」のイ・ジュンイク監督の以来初めてだ。

「当然返さなければならないお金ですから。海外にいるのか、まだ連絡が取れなくて返せなかった方がいます。入金するたびにに喜ぶ方々の顔を思うと気持ちがすっきりします」
優しい男キムジョ・グァンスは同性愛をカミングアウトしたことで有名だ。19歳年下の恋人と一緒に暮らしており、2年以内には結婚できるように努力している。そんな彼がゲイとレズビアンカップルの偽装結婚騒ぎを描いたヒューマンコメディ映画「2度の結婚式と1度の葬式」を、韓国で21日に公開する。ストーリーのリアリティさだけでも最高であることに違いない。

キムジョ・グァンスは「2本の短編映画を演出した経験はあったけど、初めて長編にチャレンジしてみました。集中力は問題なかったけど持久力が少し足りなかった」と自評し「これまで韓国のクィア(性のあり方が非典型的な人の総称)映画は重くて暗い傾向が強かったけど、私はまでそんな映画を作りたくはなかった。同性愛者の人生もいくらでも明るくて愉快になれるということを見せたかった」と説明した。

「異性愛者向けの恋愛映画はほぼハッピーエンドでしょう?韓国のクィア映画にもハッピーエンドを導入する時期が来たと思いました。試写会で母と私の恋人の姉夫婦が並んで映画を観ましたが、みんなたくさん笑って帰ったそうです」

撮影する過程でもっとも困ったことは監督だけが実際のゲイであるため、俳優とスタッフが同性愛者の気持ちを理解できず、2倍以上のコミュニケーションが必要だったということだ。監督の指示通りに演技をしたリュ・ヒョンギョン、キム・ドンユンだが、「こうするのがあってますか?」「ここでの感情はどんな感情ですか?」と繰り返して監督に確認することが多かったという。

監督は「トップスターに断られてやっとキャスティングした俳優たちなので、特別で大切だった。特に漢陽(ハニャン)大学の後輩であるリュ・ヒョンギョンとチョン・エヨンにあまり配慮できなかったことが監督として一番申し訳ない」と話した。比較的映画の出演経験の多い二人の女優よりキム・ドンユンとソン・ヨンジンを配慮するあまり、二人に気を配ることができなかったという反省だった。

「低予算映画だったのですが、おやつだけは豊富に揃っていました(笑) 約40人の私のファンがおやつ後援団としてパン、鶏のから揚げ、トッポギなどを持ってきてくれたからです。2ヶ月くらい撮影しましたが、おやつだけは本当に豊富でした」


20万を超えたら東南アジア、30万を超えたらハワイ

この映画が初週に目指している観客数は5万人。損益分岐点を越えた場合は海外旅行に行くことにしたという。20万を超えたら東南アジア、30万を超えたらハワイに行くことを決めたという。ほぼノーギャラに近い出演料と人件費で頑張ってくれた俳優、スタッフのためにも必ず損益分岐点を越えたいというキムジョ・グァンス監督の表情からは悲壮感が見えた。

「同じ日に公開する『ミスGO』『アブの王』とあえて競争しようとは思っていません(笑) 私の映画は新しい市場を開拓していく映画ですから。木曜日から週末まで5万人だけ来てくれればもう大満足です」

映画のハイライトである同性愛者の祭り「G-VOICE」のシーンは、実際のゲイ友達のおかげで撮影することができた。「キムジョ・グァンスには成功してほしい」とみんな手伝ってくれたけど、一番大変だったのは場所の交渉だったという。同性愛をテーマにした映画であるため、宗教団体から放り出されることが多かった。しかし、ある結婚情報会社はうまくいけばブルー・オーシャン(未開拓市場)の先取りに成功するだろうと積極的に取り組んでくれたし、数百万ウォンもの葬式用品を貸してくれた葬式専門会社のおかげで助かったと話した。

「ある映画週刊誌で私の映画に星を3つ付けていました。がっかりする俳優たちに私は言いました。『私がこの映画に点数をつけるとしても、星3つ以上は無理だ。でも観客が楽しんだらそれで十分』と。この映画で同性愛に対する暗い偏見が少しでも崩れたらそれで満足です」

彼は「私は性的アイデンティティの問題ですごく憂鬱な思春期を過ごしましたが、後輩は私のように辛い経験をしないでほしい。青少年の同性愛者のうち、私が手本だと言ってくれる子供たちを見ることが一番嬉しい」と話した。そして考えてみれば自分には“芸能人病”があるのかもしれないとクスクス笑った。

「昨日も地下鉄である女子高生が私に『一緒に写真を撮りましょう』と誘ってくれました。恥ずかしかったけど、すごく嬉しかったです。隣の人たちが『あの人誰?』と言っていたけど、私にはその些細なことがとても楽しかったです。人の目線を意識して暮らすことはやめましょう。重要なのは自分の幸せですから」

最近一番幸せだった日常のエピソードを聞くと、決まって恋人の自慢を始めた。

「恋人と手をつないで近くのスーパーによく行きます。重い買い物袋を二人とも自分が持つと言い争っていたら、会計のおばさんが情けない顔で『ご馳走様でした。もういい加減にしてください。シングルの私の前で何をしているの』とけちをつけてきました(笑) 私たちの関係を分かっていて、そんなふうに応援してくれるんです。幸せは手に届くところにあるのかも知れないですね」
元記事配信日時 : 
記者 : 
キム・ボムソク、写真 : ソン・ヒョジン
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