映画「短い記憶」主演ユ・ダイン&ミン・ヨングン監督が舞台挨拶に登場“深い感情表現が心に残る映画”
青少年の初恋、未婚の母、動物遺棄といった社会的なテーマに、心に迫るストーリー構成、出演陣の繊細な演技が特別な共鳴を生んだ近年稀にみる“感性映画”「短い記憶」が6月9日(土)より全国のコロナシネマワールドにて公開される。
公開を直前に控え、6月5日(火)午前ヒューマントラストシネマ渋谷にて、試写会とミン・ヨングン監督と主演女優ユ・ダインの舞台挨拶が行われた。
―今回、日本でも公開となりましたが、今の率直な感想はいかがですか?
ミン・ヨングン:映画を作る人として、観客の皆さんとお会いできるということは非常に嬉しいことです。外国で映画祭を通じて、たくさんの観客にお会いする機会はありますが、このような公開される場で新しいお客様とお会いするのは初めてなので、非常に意味深い席だと思っています。
ユ・ダイン:映画を通じて、日本にまで来るとは思っていませんでした。非常に不思議な気持ちでもありますし、ちょっと驚いた気持ちです。
―今回の映画で撮影中に苦労したエピソードを教えて下さい。
ミン・ヨングン:この映画には犬がたくさん登場します。犬がたくさん出てくるので、その分大ヒットするだろうと冗談で話していました(笑) 実際に映画に登場する犬は、訓練を受けた犬というのはラストシーンに出てくる尻尾の黄色い犬一匹だけでした。他の犬は特に訓練を受けていない犬だったので、実際の撮影の時には、犬が動くのを待ったり繰り返すことが多く、辛かったです。ですが、その分私の記憶にも強く残っており、非常に満足しています。
ユ・ダイン:役づくりとして何かしたということは特にないんですが、ヘファの気持ちを理解するように努力しました。ヘファの気持ちがどんどん変化していきますが、それを敢えて表現するのではなく、感じて反応することに徹しました。
―“動物遺棄”や“シングルマザー”など社会的テーマが作品に盛り込まれていますが、こういった題材を使ったきっかけというのはありますか?
ミン・ヨングン:この映画を作ろうと思ったきっかけになったのは、私が以前にテレビ局でドキュメンタリーを撮影していた時のことです。その時に捨て犬を保護しようとする女性のエピソードがありました。彼女はそのドキュメンタリーで、映画にもあったように脱腸した犬や怪我した犬を助けようとしていました。寒い冬の中、非常に苦労していました。しかし、彼女は努力したにも関わらずその犬を助けることができず、明け方、非常に悲しんで泣いていました。その姿を見て、犬を助けられなかったこと以外にも過去にもしかして、何か心に傷があったのではないかと考えました。
そんな彼女の姿を見て、彼女の辛さ・過去を犬を通して表現しようと思いまいした。今回のヘファのキャラクターというのは、犬を救おうとしたその彼女のキャラクターに“シングルマザー”などの問題も盛り込み、作品を作り込みました。
―そういった社会的テーマなどを踏まえて、特にこの年齢層に見て欲しいなどはありますか?
ミン・ヨングン:もちろん皆さんに見て欲しいんですが、映画には2つの特徴があります。まず、主人公ヘファの“母性愛”です。子供や動物を大事にするそういった女性の“母性愛”。また、ヘファとハンスの若い頃の“未熟さ故の傷”。若い未熟さ故に傷つけたり、傷つけられたり。その“傷”をどう克服していくかという、この2つのテーマが映画にはあります。ですので、お子さんをお持ちのお父さん、お母さん、もしくは、ヘファやハンスのような若い世代の方たちに見ていただきたいです。
―ユ・ダインさん、難しい役どころでしたが、大変だったシーン、ここを特に見て欲しいというシーンはありますか?
ユ・ダイン:大変だったシーンは、感情表現がやはり大変でした。好きなシーンは、病院で医者に「なぜ私じゃないんですか?」と言うシーンがあるんですが、表現も気に入っていて、好きなシーンでもあります。
「短い記憶」には、派手な展開、トップスターの起用も一切ないが、その確かなストーリーで、主人公2人の傷、心の変化、社会的な問題を伝える。特にヘファの過去へ深い悲しみや、やりきれない感情……ユ・ダインの繊細な演技は、見ている人の心を打つ。
青少年の初恋、未婚の母、動物遺棄といったよくあるテーマの中でありがちな恋愛映画と思わず、見て欲しい1本。
今回行われた試写会は、6月7日(木)、6月8日(金)の2日間限定で韓国公営放送局KBSの動画配信サイト「KBS Download Mall」、韓国放送局MBCの動画配信サイト「MBCオンデマンド」にてパソコンで本作を視聴できるオンライン試写会も同時に実施。公開前の作品を劇場、動画サイトでひと足早く観ることができる特別企画を実施している。
■映画情報
「短い記憶」公式サイト監督:ミン・ヨングン 出演:ユ・ダイン/ユ・ヨンソク
配給・提供:マグネター株式会社
(C)Indiestory Inc
6月9日(土)全国のコロナシネマワールド他にて順次公開
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- Kstyle編集部
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