「ヨンガシ」キム・ミョンミン“特攻薬が2錠しかなかったら?”
映画「ヨンガシ 変種増殖」(監督:パク・ジョンウ、制作:オジョンフィルム)の撮影スケジュールがあるたびに、深夜の京釜(キョンブ)高速道路にのってソウルと釜山を行き来したキム・ミョンミンの声は少し枯れていた。釜山で終盤の撮影をしている「スパイ」の大規模な銃撃戦と野球場でのシーンの後遺症のためだそうだ。
しかし、キム・ミョンミンは「あえて良いことだけを聞くのではなく、残念だった部分や僕の未熟な部分についても大胆に質問してほしい」と先手を打った。ありきたりなリップサービスではなく、指摘や少しでも生産性のあるインタビューを求める俳優に出会うのは珍しいことだ。十分に汗を流した人から感じられる自信であることが読み取れる。その代わり「演技の達人」「メソッド演技(内面的な精神を重視する演技法)」のように呼ばれるのは恥ずかしいと謙遜した。
彼は「なぜ『ヨンガシ 変種増殖』だったのか」という質問に「何よりもありきたりな英雄の話ではないところに惹かれ、演じやすいと思ったからだ」と笑った。彼の言葉通り、家族を救うために食べることも忘れて走りまわる三流製薬会社の営業社員ジェヒョク(キム・ミョンミン)は、スーパーヒーローではなく「ダイ・ハード」のジョン・マクレーン刑事に似ている。
―「朝鮮名探偵 トリカブトの秘密」(SHOWBOX)に続き「ヨンガシ 変種増殖」(CJエンターテインメント)に秋夕(韓国の祝日)映画「スパイ」(ロッテエンターテインメント)まで3大投資会社の主演となった。
キム・ミョンミン:そういう見方もある。僕も今気づいた(笑) 「ペースメーカー」に「ヨンガシ 変種増殖」「スパイ」まで1年に3本の映画に出演するのは今回が初めてだ。多作俳優になった。
―映画を選ぶ時の原則第1条1項は?
キム・ミョンミン:“キム・ミョンミンじゃなくてもいい映画は止めよう”だ。1年に1本~1.5本みたいに線引しないで、シナリオを読むとき、自分の中で沸き起こるものがあるのかが大事な要素だと思う。
―クランクアップ前までは、次回作のシナリオを見ないことで有名だ。
キム・ミョンミン:その慣習が「ヨンガシ 変種増殖」のため破れた(笑) 昨年、忠清北道(チュンチョンプクト)報恩(ポウン)で「ペースメーカー」の終盤の撮影をしていたとき、早く「ヨンガシ 変種増殖」を見てほしいという催促の電話があった。制作者がキャスティングのために焦っているという話を聞いて、義務感で読んだが、皮肉な部分を見つけた。
―皮肉というのは?
キム・ミョンミン:普通、僕のところにやってくる役割は、分量も多く役割が大きい複雑なキャラクターなのに、今度は違った。分量もあまり多くなく、一方では僕がやることが少なすぎるのではないかと思うぐらいだった。内心“これは何だろう”と思いながら最後まで読んだら、逆に力なく背景もない平凡な家長の奮闘に共感した。
―出演衣装が背広2着だけだった。
キム・ミョンミン:僕も俳優なので、カッコよく見せたい気持ちはある。しかし、「ヨンガシ 変種増殖」のジェヒョクは、カッコよくても、カッコイイ理由がない父だ。家族の大切さに気づくのが遅く、償いの気持ちでヨンガシ 変種増殖に感染した家族を助ける。
―映画で苦労の末、妻と2人の子どものために特効薬を手に入れるが、もし、薬が2錠しかなければ、どうするのか?
キム・ミョンミン:薬を粉にして3等分にして同じ量を飲ませると思う。効果は落ちるかも知れないが、罪悪感はまだ軽くなると思う。
キム・ミョンミン:妻が曜日毎に飲む薬を用意してくれる。カルシウムやビタミンのような種類だが、精神的な効果が大きいと思う。体に良いものを飲めば健康になるといった、自己催眠の効果がある。
―俳優も人間だから、力を入れて撮影したシーンがカットされたら監督が悔しくなったりはしないのか?
キム・ミョンミン:もちろん、苦労して演じたシーンがカットされるのは残念だが、それはどこまでも監督の権限だ。僕もいくつかのシーンが編集されたが不満はまったくない。映画というのは監督の芸術の極みではないだろうか。それに、パク・ジョンウ監督は公開前、僕に会うたびに「ミョンミンさん、映画面白くないから期待しないで」と洗脳して、期待を落としてきた(笑)
―制作期間中に他の映画の公開を準備するのは容易ではないと思うが。
キム・ミョンミン:制作報告会と試写会、インタビューがある日は明け方の撮影を終え、すぐに京釜高速道路を走るが、これは人間がやることじゃないと思うときもある。でも、一日2~3時間しか寝られなくても、最後まで最善を尽くしたい気持ちの方がずっと大きい。
―演技の他に人生の楽しみは?
キム・ミョンミン:妻と小学校2年生の息子だ。何日か前に清州(チョンジュ)で撮影を終え、合宿所ではなく漢南洞(ハンナムドン)の家に帰った。眠った息子の顔を見たら、疲れが吹っ飛んだ。どんなことがあっても、家族のことを思うと乗り越えられる。
―自宅の庭でよくバドミントンをやっていると聞いた。
キム・ミョンミン:小さな庭でバドミントンをやっているが、ますます本格的になってきた(笑) マネージャーが持ってきた角材でポールを立てて、インターネットで買った9000ウォン(約630円)のネットまで設置し、本格的に楽しんでいる。前はビニールでネットを作ったけど、すぐ破れるし、シャトルの速度が速すぎて、判定に異論が多かったので、インターネットで注文までした(笑)
キム・ミョンミン:本当に見事なキャスティングだと思う。104部作のドラマ「不滅の李舜臣」に出演した僕としてはとても楽しみな作品だ。チェ・ミンシク先輩のつま先にも及ばない僕に、どんな感動を与えてくれるか、今から興奮している。
―寄生虫に関する良くない思い出は?
キム・ミョンミン:小学校のとき、検便の結果で、回虫や十二指腸虫が出た子たちは学校から薬をもらっていた。僕は一度ももらったことがないが、検便の封筒を出す日は鮮明に覚えている。あの日に当番になるのは、一番運がないと思う(笑)
―結婚10年目の夫婦を演じたムン・ジョンヒは?
キム・ミョンミン:とても演技が上手な後輩なので、心配はなかった。僕だけちゃんとやればいいと思った。ジョンヒがげっぷをするシーンで、しきりにげっぷをしていた姿が記憶に残っている。
―後半になるほど、やつれていったが特に気を使った部分は?
キム・ミョンミン:まず、メイクをしないと話したので、マインドコントロールが必要だった。3日間徹夜をした。やつれていると呪文をかければ、不思議なことに数日後にはやつれていた。眉間にしわもでき、目と顔が知らぬ間に悲観的に変わっている。40~50代の顔を見るとその人がどんな人生を送ったのかが分かるというじゃないか。それが顔の相だが、俳優はそれをとても短い間に経験すると思う。
―地方撮影のときに必ず持っていくものは?
キム・ミョンミン:熟睡できる木枕とラテックス枕を必ず持っていく。睡眠時間より睡眠の質が大事なので、僕にとっては本当に必要なものだ。
しかし、キム・ミョンミンは「あえて良いことだけを聞くのではなく、残念だった部分や僕の未熟な部分についても大胆に質問してほしい」と先手を打った。ありきたりなリップサービスではなく、指摘や少しでも生産性のあるインタビューを求める俳優に出会うのは珍しいことだ。十分に汗を流した人から感じられる自信であることが読み取れる。その代わり「演技の達人」「メソッド演技(内面的な精神を重視する演技法)」のように呼ばれるのは恥ずかしいと謙遜した。
彼は「なぜ『ヨンガシ 変種増殖』だったのか」という質問に「何よりもありきたりな英雄の話ではないところに惹かれ、演じやすいと思ったからだ」と笑った。彼の言葉通り、家族を救うために食べることも忘れて走りまわる三流製薬会社の営業社員ジェヒョク(キム・ミョンミン)は、スーパーヒーローではなく「ダイ・ハード」のジョン・マクレーン刑事に似ている。
―「朝鮮名探偵 トリカブトの秘密」(SHOWBOX)に続き「ヨンガシ 変種増殖」(CJエンターテインメント)に秋夕(韓国の祝日)映画「スパイ」(ロッテエンターテインメント)まで3大投資会社の主演となった。
キム・ミョンミン:そういう見方もある。僕も今気づいた(笑) 「ペースメーカー」に「ヨンガシ 変種増殖」「スパイ」まで1年に3本の映画に出演するのは今回が初めてだ。多作俳優になった。
―映画を選ぶ時の原則第1条1項は?
キム・ミョンミン:“キム・ミョンミンじゃなくてもいい映画は止めよう”だ。1年に1本~1.5本みたいに線引しないで、シナリオを読むとき、自分の中で沸き起こるものがあるのかが大事な要素だと思う。
―クランクアップ前までは、次回作のシナリオを見ないことで有名だ。
キム・ミョンミン:その慣習が「ヨンガシ 変種増殖」のため破れた(笑) 昨年、忠清北道(チュンチョンプクト)報恩(ポウン)で「ペースメーカー」の終盤の撮影をしていたとき、早く「ヨンガシ 変種増殖」を見てほしいという催促の電話があった。制作者がキャスティングのために焦っているという話を聞いて、義務感で読んだが、皮肉な部分を見つけた。
―皮肉というのは?
キム・ミョンミン:普通、僕のところにやってくる役割は、分量も多く役割が大きい複雑なキャラクターなのに、今度は違った。分量もあまり多くなく、一方では僕がやることが少なすぎるのではないかと思うぐらいだった。内心“これは何だろう”と思いながら最後まで読んだら、逆に力なく背景もない平凡な家長の奮闘に共感した。
―出演衣装が背広2着だけだった。
キム・ミョンミン:僕も俳優なので、カッコよく見せたい気持ちはある。しかし、「ヨンガシ 変種増殖」のジェヒョクは、カッコよくても、カッコイイ理由がない父だ。家族の大切さに気づくのが遅く、償いの気持ちでヨンガシ 変種増殖に感染した家族を助ける。
―映画で苦労の末、妻と2人の子どものために特効薬を手に入れるが、もし、薬が2錠しかなければ、どうするのか?
キム・ミョンミン:薬を粉にして3等分にして同じ量を飲ませると思う。効果は落ちるかも知れないが、罪悪感はまだ軽くなると思う。
「ネットサーフィンしてバドミントンのネットを注文した」
―実際、飲んでいるサプリメントはあるのか?キム・ミョンミン:妻が曜日毎に飲む薬を用意してくれる。カルシウムやビタミンのような種類だが、精神的な効果が大きいと思う。体に良いものを飲めば健康になるといった、自己催眠の効果がある。
―俳優も人間だから、力を入れて撮影したシーンがカットされたら監督が悔しくなったりはしないのか?
キム・ミョンミン:もちろん、苦労して演じたシーンがカットされるのは残念だが、それはどこまでも監督の権限だ。僕もいくつかのシーンが編集されたが不満はまったくない。映画というのは監督の芸術の極みではないだろうか。それに、パク・ジョンウ監督は公開前、僕に会うたびに「ミョンミンさん、映画面白くないから期待しないで」と洗脳して、期待を落としてきた(笑)
―制作期間中に他の映画の公開を準備するのは容易ではないと思うが。
キム・ミョンミン:制作報告会と試写会、インタビューがある日は明け方の撮影を終え、すぐに京釜高速道路を走るが、これは人間がやることじゃないと思うときもある。でも、一日2~3時間しか寝られなくても、最後まで最善を尽くしたい気持ちの方がずっと大きい。
―演技の他に人生の楽しみは?
キム・ミョンミン:妻と小学校2年生の息子だ。何日か前に清州(チョンジュ)で撮影を終え、合宿所ではなく漢南洞(ハンナムドン)の家に帰った。眠った息子の顔を見たら、疲れが吹っ飛んだ。どんなことがあっても、家族のことを思うと乗り越えられる。
―自宅の庭でよくバドミントンをやっていると聞いた。
キム・ミョンミン:小さな庭でバドミントンをやっているが、ますます本格的になってきた(笑) マネージャーが持ってきた角材でポールを立てて、インターネットで買った9000ウォン(約630円)のネットまで設置し、本格的に楽しんでいる。前はビニールでネットを作ったけど、すぐ破れるし、シャトルの速度が速すぎて、判定に異論が多かったので、インターネットで注文までした(笑)
「チェ・ミンシクが演じる李舜臣が楽しみ」
―映画「バトル・オーシャン/海上決戦」にチェ・ミンシクが李舜臣役として出演することになったが。キム・ミョンミン:本当に見事なキャスティングだと思う。104部作のドラマ「不滅の李舜臣」に出演した僕としてはとても楽しみな作品だ。チェ・ミンシク先輩のつま先にも及ばない僕に、どんな感動を与えてくれるか、今から興奮している。
―寄生虫に関する良くない思い出は?
キム・ミョンミン:小学校のとき、検便の結果で、回虫や十二指腸虫が出た子たちは学校から薬をもらっていた。僕は一度ももらったことがないが、検便の封筒を出す日は鮮明に覚えている。あの日に当番になるのは、一番運がないと思う(笑)
―結婚10年目の夫婦を演じたムン・ジョンヒは?
キム・ミョンミン:とても演技が上手な後輩なので、心配はなかった。僕だけちゃんとやればいいと思った。ジョンヒがげっぷをするシーンで、しきりにげっぷをしていた姿が記憶に残っている。
―後半になるほど、やつれていったが特に気を使った部分は?
キム・ミョンミン:まず、メイクをしないと話したので、マインドコントロールが必要だった。3日間徹夜をした。やつれていると呪文をかければ、不思議なことに数日後にはやつれていた。眉間にしわもでき、目と顔が知らぬ間に悲観的に変わっている。40~50代の顔を見るとその人がどんな人生を送ったのかが分かるというじゃないか。それが顔の相だが、俳優はそれをとても短い間に経験すると思う。
―地方撮影のときに必ず持っていくものは?
キム・ミョンミン:熟睡できる木枕とラテックス枕を必ず持っていく。睡眠時間より睡眠の質が大事なので、僕にとっては本当に必要なものだ。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- キム・ボムソク、写真 : キム・ジェチャン
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