イム・ウォニ「チョン・ドヨンとラブストーリーを撮りたい」
映画のイメージと実際のイメージが違う俳優がいる。イム・ウォニ(42)がそんな俳優の一人だ。スクリーンの中では、声一つで観客を泣かせ、笑わせたこの男。いざ会ってみると優しい笑顔と紳士的な魅力を持つ“男の中の男”だった。
イム・ウォニはコメディ時代劇「私は王である!」(監督:チャン・ギュソン、制作:Daisy Entertainment)で皇太子忠寧(チュンニョン)の逃亡を助け、様々な苦労をする護衛武士ヘグ役を演じた。1年ぶりの映画復帰作であり、初めての時代劇である。
「お久しぶりですね」というあいさつに「違います。がんばって活動しています」と苦笑いをする。映画は1年ぶりだが、ドラマで着実に活動していたそうだ。彼は「皆はそうあいさつします。『最近休んでいたみたいだね』と言われますが、僕は、休んでいません。そういうことを聞かれると『あ、本当にヒットした作品がないんだ』と思えてきて、俳優として悲しいです」
イム・ウォニ:映画は撮影するたびに幸せだ。辛いだろうと思うかも知れないが、過ぎてしまえば何でもない。チュ・ジフンと「これは苦労でも何でもない。全部、過ぎて行くから」とよく話していた。ドラマであれ、映画であれ、いい作品があれば頑張りたい。
―意外にも時代劇には一度も出演経験がなかった。
イム・ウォニ:これまで僕自身、時代劇向けの人だと思い、時代劇のオファーが多いと思っていた。もちろん、いくつかの時代劇のオファーをもらったことはあるが、状況が合わず、参加できなかった作品もあった。時代劇とは縁がないのかと思ったが、今回は運よく出演することができた。さらに、フュージョン時代劇で難しい部分もなく、好奇心が持てた。何よりもシナリオが面白くてすぐ読めた。楽しい作業だった。
―初めての時代劇での演技は満足しているのか?
イム・ウォニ:ハハ、自分の演技に満足する俳優はそういない。僕も満足できなかった。「今回はかなり演技が上手くできた」と話せば、観客が怒るのではないだろうか。作品ごとに心残りは多い。今回の「私は王である!」も、完成版を2回見た。初めて見たときは、自分の演技を悔やんだ。コメディ映画なので、上手にできなかった部分が目に留まった。自分なりには計算して笑わせようとした部分なのに、観客を笑わせることができなかったし、『あの場面で何であんなことをしたのだろう?』と後悔したことも多かった。かなり勉強になった。2回目はリラックスして見ようと努力した。最初は自分の演技に集中して見ようとしたから、次はすべてのキャラクターの調和に重点を置いた。2回目に見たとき、ようやく笑うことができた。結局、そういうことが積み重なって今後の演技に役立つのではないかと思う。
―護衛武士ヘグはどんなキャラクターなのか?
イム・ウォニ:ヘグはとてもばかばかしく見えるが、キム・スロが演じるファングよりずる賢い。忠寧を探しに行くとき、ヘグはもう一度考えた。ファングは結局、ヘグに裏切られた(笑) もちろん、宮の外に出て苦労はするが、気持ちは楽だったはずだ。ファングは宮の中で正体がばれるんじゃないかと焦っていたはずだが、ヘグは少なくともばれて殴られる確率は低い。へグとファングは“おバカコンビ”みたいな存在だが、ヘグの方が賢いと思う。良い選択だった。
―チュ・ジフンが大麻事件以来、初めて選択した復帰作だが、プレッシャーにはならなかったのか?
イム・ウォニ:もちろん、3年ぶりの復帰作ということで注目されたが、あまり気にしなかった。プレッシャーはまったくなく、チュ・ジフンも僕と演技をするとき、肩の力を抜こうと頑張っていた。彼も3年間、大変な時間を過ごしたと思うし、一生責任をとるわけにもいかないだろう。かなり苦労したと思う。おそらく、この作品でも悔しい思いをしながら取り組んだはずだ。ほかの俳優もいい作品にしようと思い、撮影に望んだ。
イム・ウォニ:僕たちは比較的早く仲良くなった。お互い仲良くなろうと努力した。二人ともセット撮影より、ロケ撮影を好んでいたので、よく合っていた。チュ・ジフンが美味しい店をよく知っていたので、一緒にご飯を食べに行く楽しみも大きかった。細やかな愛情のある関係だった。そういう情が積み重なり、呼吸はぴったりと合った。チュ・ジフンが気さくで人間らしい姿を見せてくれたおかげで、すぐ心を開くことができた。もちろん、僕だけがそう思っているかも知れないけど……ハハハ。
―野外ロケ撮影が多いと、ケガの恐れも増えると思う。
イム・ウォニ:チュ・ジフンがわらじを履いて歩き回り、足の裏が切れてしまった。実はケガをしていたことを後から知って、一緒に撮影していた時は知らなかった。それだけ、顔に出さずに撮影していた。また、山で撮影していたため、病院に行く余裕がなかった。長く傷口の糸が抜けず、多くのスタッフが心配していた。結局、自分で糸を取り除いていた。それを隣で見ていたが、とても面白い人だった。本当に衝撃的で、人間の断面を見た気がした、ハハ。
―ピョン・ヒボン、ペク・ユンシク、パク・ヨンギュなどの大先輩との撮影はどうだったのか?
イム・ウォニ:いつもあの方々と接するのは難しい。また、たくさん学ぼうとした。ピョン・ヒボンさん、ペク・ユンシクさん、パク・ヨンギュさんの組み合わせをどの映画で見られるだろうか。3人と一つの作品で共演できたことが本当に光栄だった。僕も不思議なぐらいだった。ひとつの映画で錚々たる俳優をすべて見られるのは、観客にとっても俳優にとってもラッキーなことだと思う。僕の場合は、お金を出してでも買えない経験をした。先輩方のおかげで、映画の枠組みができた。それぞれ、自分たちの役割をきちんとこなしていたのを見て、僕としてはうらやましい限りだった。
―2008年の「史上最強スパイMr.タチマワリ!~爆笑世界珍道中~」のイメージが強すぎる
イム・ウォニ:みんな「史上最強スパイMr.タチマワリ!~爆笑世界珍道中~」を覚えている。それについては否定できない。まだ、それを超える作品に出会っていないという証拠だ。それが俳優の宿命だと思う。絶え間なく変身し、努力し続けなければならないのが俳優の人生だと思う。誰にも吐露できないことだ。
イム・ウォニ:そうだ。まだ、ラブストーリーはまだ挑戦したことがない。僕にできるラブストーリーをしてみたい。今、40代なので、この年に合うラブストーリーを夢見たこともある。それが濃いラブストーリーであれ、軽いラブストーリーであれ、やってみたい気持ちは大きい。まだ、出演オファーがないだけで、やらせてくれれば、できる自信がある(笑) 僕が相手役を選べる立場ではないが、普段から尊敬している女優チョン・ドヨンさんと共演してみたい。
―結婚生活2年目でも新婚夫婦の様な暮らしをしていると聞いた。
イム・ウォニ:僕たち夫婦は1年間交際して結婚をしたため、甘い新婚ではなかった。しかし、今は新婚みたいに暮らしている。最近、家族計画についてよく聞かれているが、そのたびに「子どもはいずれできるでしょう」と答えている。いつ子どもがほしいという計画はなく、ただ自然の流れに任せようと思う。また、もし子どもが生まれても公開はしたくはない。僕の妻や子どものプライベートが僕のせいで邪魔されないか心配だ。歳が歳なだけに、子どもが生まれたらすぐ10歳になればいいなと思う。一番手がかかる3歳までどう育てればいいか……ハハ。
イム・ウォニはコメディ時代劇「私は王である!」(監督:チャン・ギュソン、制作:Daisy Entertainment)で皇太子忠寧(チュンニョン)の逃亡を助け、様々な苦労をする護衛武士ヘグ役を演じた。1年ぶりの映画復帰作であり、初めての時代劇である。
「お久しぶりですね」というあいさつに「違います。がんばって活動しています」と苦笑いをする。映画は1年ぶりだが、ドラマで着実に活動していたそうだ。彼は「皆はそうあいさつします。『最近休んでいたみたいだね』と言われますが、僕は、休んでいません。そういうことを聞かれると『あ、本当にヒットした作品がないんだ』と思えてきて、俳優として悲しいです」
映画でのキム・スロと僕は“おバカコンビ”のような存在
―2011年「Mr.アイドル」以来、久しぶりの映画復帰だ。イム・ウォニ:映画は撮影するたびに幸せだ。辛いだろうと思うかも知れないが、過ぎてしまえば何でもない。チュ・ジフンと「これは苦労でも何でもない。全部、過ぎて行くから」とよく話していた。ドラマであれ、映画であれ、いい作品があれば頑張りたい。
―意外にも時代劇には一度も出演経験がなかった。
イム・ウォニ:これまで僕自身、時代劇向けの人だと思い、時代劇のオファーが多いと思っていた。もちろん、いくつかの時代劇のオファーをもらったことはあるが、状況が合わず、参加できなかった作品もあった。時代劇とは縁がないのかと思ったが、今回は運よく出演することができた。さらに、フュージョン時代劇で難しい部分もなく、好奇心が持てた。何よりもシナリオが面白くてすぐ読めた。楽しい作業だった。
―初めての時代劇での演技は満足しているのか?
イム・ウォニ:ハハ、自分の演技に満足する俳優はそういない。僕も満足できなかった。「今回はかなり演技が上手くできた」と話せば、観客が怒るのではないだろうか。作品ごとに心残りは多い。今回の「私は王である!」も、完成版を2回見た。初めて見たときは、自分の演技を悔やんだ。コメディ映画なので、上手にできなかった部分が目に留まった。自分なりには計算して笑わせようとした部分なのに、観客を笑わせることができなかったし、『あの場面で何であんなことをしたのだろう?』と後悔したことも多かった。かなり勉強になった。2回目はリラックスして見ようと努力した。最初は自分の演技に集中して見ようとしたから、次はすべてのキャラクターの調和に重点を置いた。2回目に見たとき、ようやく笑うことができた。結局、そういうことが積み重なって今後の演技に役立つのではないかと思う。
―護衛武士ヘグはどんなキャラクターなのか?
イム・ウォニ:ヘグはとてもばかばかしく見えるが、キム・スロが演じるファングよりずる賢い。忠寧を探しに行くとき、ヘグはもう一度考えた。ファングは結局、ヘグに裏切られた(笑) もちろん、宮の外に出て苦労はするが、気持ちは楽だったはずだ。ファングは宮の中で正体がばれるんじゃないかと焦っていたはずだが、ヘグは少なくともばれて殴られる確率は低い。へグとファングは“おバカコンビ”みたいな存在だが、ヘグの方が賢いと思う。良い選択だった。
―チュ・ジフンが大麻事件以来、初めて選択した復帰作だが、プレッシャーにはならなかったのか?
イム・ウォニ:もちろん、3年ぶりの復帰作ということで注目されたが、あまり気にしなかった。プレッシャーはまったくなく、チュ・ジフンも僕と演技をするとき、肩の力を抜こうと頑張っていた。彼も3年間、大変な時間を過ごしたと思うし、一生責任をとるわけにもいかないだろう。かなり苦労したと思う。おそらく、この作品でも悔しい思いをしながら取り組んだはずだ。ほかの俳優もいい作品にしようと思い、撮影に望んだ。
足の裏が切れたチュ・ジフン、糸を自分で抜いていた姿に衝撃
―チュ・ジフンとの共演はどうだったのか?イム・ウォニ:僕たちは比較的早く仲良くなった。お互い仲良くなろうと努力した。二人ともセット撮影より、ロケ撮影を好んでいたので、よく合っていた。チュ・ジフンが美味しい店をよく知っていたので、一緒にご飯を食べに行く楽しみも大きかった。細やかな愛情のある関係だった。そういう情が積み重なり、呼吸はぴったりと合った。チュ・ジフンが気さくで人間らしい姿を見せてくれたおかげで、すぐ心を開くことができた。もちろん、僕だけがそう思っているかも知れないけど……ハハハ。
―野外ロケ撮影が多いと、ケガの恐れも増えると思う。
イム・ウォニ:チュ・ジフンがわらじを履いて歩き回り、足の裏が切れてしまった。実はケガをしていたことを後から知って、一緒に撮影していた時は知らなかった。それだけ、顔に出さずに撮影していた。また、山で撮影していたため、病院に行く余裕がなかった。長く傷口の糸が抜けず、多くのスタッフが心配していた。結局、自分で糸を取り除いていた。それを隣で見ていたが、とても面白い人だった。本当に衝撃的で、人間の断面を見た気がした、ハハ。
―ピョン・ヒボン、ペク・ユンシク、パク・ヨンギュなどの大先輩との撮影はどうだったのか?
イム・ウォニ:いつもあの方々と接するのは難しい。また、たくさん学ぼうとした。ピョン・ヒボンさん、ペク・ユンシクさん、パク・ヨンギュさんの組み合わせをどの映画で見られるだろうか。3人と一つの作品で共演できたことが本当に光栄だった。僕も不思議なぐらいだった。ひとつの映画で錚々たる俳優をすべて見られるのは、観客にとっても俳優にとってもラッキーなことだと思う。僕の場合は、お金を出してでも買えない経験をした。先輩方のおかげで、映画の枠組みができた。それぞれ、自分たちの役割をきちんとこなしていたのを見て、僕としてはうらやましい限りだった。
―2008年の「史上最強スパイMr.タチマワリ!~爆笑世界珍道中~」のイメージが強すぎる
イム・ウォニ:みんな「史上最強スパイMr.タチマワリ!~爆笑世界珍道中~」を覚えている。それについては否定できない。まだ、それを超える作品に出会っていないという証拠だ。それが俳優の宿命だと思う。絶え間なく変身し、努力し続けなければならないのが俳優の人生だと思う。誰にも吐露できないことだ。
40代に合うラブストーリーを夢見ている……チャンスがほしい
―ラブストーリーにはまだ挑戦していないと思う。イム・ウォニ:そうだ。まだ、ラブストーリーはまだ挑戦したことがない。僕にできるラブストーリーをしてみたい。今、40代なので、この年に合うラブストーリーを夢見たこともある。それが濃いラブストーリーであれ、軽いラブストーリーであれ、やってみたい気持ちは大きい。まだ、出演オファーがないだけで、やらせてくれれば、できる自信がある(笑) 僕が相手役を選べる立場ではないが、普段から尊敬している女優チョン・ドヨンさんと共演してみたい。
―結婚生活2年目でも新婚夫婦の様な暮らしをしていると聞いた。
イム・ウォニ:僕たち夫婦は1年間交際して結婚をしたため、甘い新婚ではなかった。しかし、今は新婚みたいに暮らしている。最近、家族計画についてよく聞かれているが、そのたびに「子どもはいずれできるでしょう」と答えている。いつ子どもがほしいという計画はなく、ただ自然の流れに任せようと思う。また、もし子どもが生まれても公開はしたくはない。僕の妻や子どものプライベートが僕のせいで邪魔されないか心配だ。歳が歳なだけに、子どもが生まれたらすぐ10歳になればいいなと思う。一番手がかかる3歳までどう育てればいいか……ハハ。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- チョ・ジヨン、写真 : キム・ジェチャン
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