「音痴クリニック」ユン・サンヒョン“コミカルな演技には早期教育が一役買った”
気さくな笑顔と鼻筋の通った顔立ちまで、間違いなく都会の男ユン・サンヒョン(39)である。数年前には日本の俳優の木村拓哉に似ているということで話題となったが、今は木村拓哉がユン・サンヒョンに似ているようにも見える。中年男性の魅力にハマると、治る薬もないというが、ユン・サンヒョンの魅力にハマりはじめた今、なぜか笑いが止まらない。“チャドナム(冷たい都会の男)”だと思っていたオスカー役(ドラマ『シークレット・ガーデン』での役名)の封印が、ついに解かれたのだ。
ある男(チェ・ジニョク)に片思いをしている女性ナ・ドンジュ(パク・ハソン)が、その恋を叶えるために音痴を克服しようと奮闘するストーリーを描いた映画「音痴クリニック」(監督:キム・ジニョン)で、ユン・サンヒョンはナ・ドンジュの音痴を直す手助けをしようとして不本意ながら恋に落ちてしまう「Dr.モク音痴クリニック」のスター講師、シンホン役を演じた。
インタビューに先立ち、挨拶を交わしていた筆者に突然人相を見てあげると言い出すこの男。謝礼はTマネー(韓国のパスネット)でいいというユーモア溢れる言葉で、相手との距離を縮める。素晴らしい能力を持った俳優だ。
ユン・サンヒョンは「今年は新人賞に強力な候補が多い。すでにたくさんの賞を受賞したキム・ソンギュンもそうだし、“ナプトゥク”で最高の人気を博したチョ・ジョンソクも手強い。また、僕と同じく映画に初挑戦したパク・シフも侮れない候補だ。新人賞がもらえるかは分からないが、欲しいのは事実だ。『音痴クリニック』が500万人の観客を動員したら、もらえるだろうと思っている」と打ち明けた。
ドラマではすでにスターとなったユン・サンヒョンだが、映画界ではまだ新人にすぎない。そんな彼に、初映画に対する感想を聞いた。
ユン・サンヒョンは大きく笑い「正直、映画をドラマのような感覚で撮った。キム・ジニョン監督はスピーディーに撮影を行った。何回も繰り返して同じシーンを撮ることはなかった。ほとんどが一発撮りで終わっていた。普通、映画は一つのシーンを一日中撮ることもあると聞いたが、『音痴クリニック』はそうではなかった。まるでドラマ2本を3ヶ月に渡って撮ったような感じだった」と話した。
そのため、比較的余裕を持って演じることができ、徹夜の撮影がない代わりに親睦のための会食が多かったという。親しくなっていなければ違和感が漂いかねない撮影現場の雰囲気を和ませるために、キム・ジニョン監督が持ち出した方策だった。
「リラックスして撮影をすることができました。徹夜の撮影はなかったのですが、その代わりに徹夜の会食がほぼ毎日ありました。3次会は基本で、4次会は愛嬌あるものでした。キム・ジニョン監督は、そのような方法でアットホームな雰囲気を作ろうとしていたようです。コメディ映画なので、互いの息を合わせることが重要でしたが、会食は息を合わせるための方策だったでしょう。そうやって何回も会食をすることで、たくさん会話もしましたし、そんな僕を見たパク・ハソンは僕のことを『おばさん』と呼びながら笑っていました。映画って一言で言うと何でしょうか?『映画は会食』ですよ、ハハハ」
言い換えれば、上記のキャラクターはユン・サンヒョンのための役であり、彼でなければ演じることが不可能な役だった。「コメディが好きなのか?」と聞くとユン・サンヒョンは「特別に好きだからしているわけではないけれど、イメージがそう固まっているところもあるので、繰り返し出演することになったようだ」と打ち明けた。
また「『冬鳥』のチュ・ギョンウは、最初は明るいキャラクターではなかった。だけど、僕は明るいイメージにしたかった。そこで、監督に提案をした。監督も僕の意見を積極的に受け入れ、最初はコミカルな役で劇の終盤に向かうほどサイコパスに変化していくように新しいキャラクターを作った」と話した。
初の映画として「音痴クリニック」を選んだ理由が分かるような気がした。40歳近くとなったこの中年男性も、挑戦が恐ろしく、怖いと思ったはずだ。ユン・サンヒョンは「甘いと言えば甘いが、安定したものを選びたかった」と話した。「僕に上手くできるものは何だろう」ということを何回も悩んだ結果、明るくて楽しい、相手を幸せにするエネルギーを伝えたいという結論を得たという。無理やりの変身ではなく、安心できる演技を売り物にしたかったというユン・サンヒョン。
「小さい頃から家族とカセットテープをかけ、歌いながら踊ることが好きでした。一つの部屋で5人の家族が住んでいた、とても恵まれていなかった時代もありましたが、恵まれていないからって自分の運命を嘆いたことはありません。両親は常にポジティブで、明るい方でした。僕もそれに似たんですね。やはり早期教育は大事です。あの頃が最も幸せだったような気がします」
ユン・サンヒョンはシンホンの率直で飾り気のない性格が、実際のユン・サンヒョンと似ていると素直に認めた。しかし、外見は全く違うと手を振った。
ユン・サンヒョンは「衣装チームから、シンホンの衣装だということで衣装をもらったけれど、本当に言葉が出ないほど臭かった。『もしかしてわざと洗ってないのを持ってきているのか?』と聞いたこともある。パク・チョルミン兄さんも綺麗なスーツ姿で登場するのに、シンホンだけが変な衣装だった。多分、僕の衣装代が一番安かっただろう」と可愛い愚痴をこぼした。
実際のユン・サンヒョンはどんな姿だろうか? 質問をしてみると、待っていたかのように「綺麗好きな男」と答えた。毎日シャワーを浴び、垢すりのタオルまで使って体の隅々を洗うという。特にユン・サンヒョンが強調したのは家の掃除だった。一人暮らしの独身男性だが、掃除機を使うのはもちろん、濡らした雑巾で掃除をすると自画自賛した。
「実家は一山(イルサン)ですが、僕は蚕室(チャムシル)に引っ越しました。だけど、せっかく蚕室に引っ越したのに遊びに来てくれる友達がいなくて寂しいです(笑) 僕は家で一人、ご飯を食べる時も絶対に適当には食べません。器におかずを盛って、きちんとした食事をとるタイプです。この間は、綺麗な食器も買いました(笑) こんな話題で話していると、なぜか落ち込んでしまいます。恋人ができたら、恋愛は3ヶ月だけにしてすぐ結婚する予定です。少しだけ待っていてください、いいお知らせを持ってきますので」
ある男(チェ・ジニョク)に片思いをしている女性ナ・ドンジュ(パク・ハソン)が、その恋を叶えるために音痴を克服しようと奮闘するストーリーを描いた映画「音痴クリニック」(監督:キム・ジニョン)で、ユン・サンヒョンはナ・ドンジュの音痴を直す手助けをしようとして不本意ながら恋に落ちてしまう「Dr.モク音痴クリニック」のスター講師、シンホン役を演じた。
インタビューに先立ち、挨拶を交わしていた筆者に突然人相を見てあげると言い出すこの男。謝礼はTマネー(韓国のパスネット)でいいというユーモア溢れる言葉で、相手との距離を縮める。素晴らしい能力を持った俳優だ。
映画は会食だ
デビュー7年で映画に初挑戦したユン・サンヒョンは、心臓が張り裂けそうな緊張と期待で胸が一杯であるかのように見えた。ユン・サンヒョンは「今年のコメディ映画は『音痴クリニック』が制覇する」という大きな抱負を語り、自信を覗かせた。また、新人賞への期待も膨らんでいた。ユン・サンヒョンは「今年は新人賞に強力な候補が多い。すでにたくさんの賞を受賞したキム・ソンギュンもそうだし、“ナプトゥク”で最高の人気を博したチョ・ジョンソクも手強い。また、僕と同じく映画に初挑戦したパク・シフも侮れない候補だ。新人賞がもらえるかは分からないが、欲しいのは事実だ。『音痴クリニック』が500万人の観客を動員したら、もらえるだろうと思っている」と打ち明けた。
ドラマではすでにスターとなったユン・サンヒョンだが、映画界ではまだ新人にすぎない。そんな彼に、初映画に対する感想を聞いた。
ユン・サンヒョンは大きく笑い「正直、映画をドラマのような感覚で撮った。キム・ジニョン監督はスピーディーに撮影を行った。何回も繰り返して同じシーンを撮ることはなかった。ほとんどが一発撮りで終わっていた。普通、映画は一つのシーンを一日中撮ることもあると聞いたが、『音痴クリニック』はそうではなかった。まるでドラマ2本を3ヶ月に渡って撮ったような感じだった」と話した。
そのため、比較的余裕を持って演じることができ、徹夜の撮影がない代わりに親睦のための会食が多かったという。親しくなっていなければ違和感が漂いかねない撮影現場の雰囲気を和ませるために、キム・ジニョン監督が持ち出した方策だった。
「リラックスして撮影をすることができました。徹夜の撮影はなかったのですが、その代わりに徹夜の会食がほぼ毎日ありました。3次会は基本で、4次会は愛嬌あるものでした。キム・ジニョン監督は、そのような方法でアットホームな雰囲気を作ろうとしていたようです。コメディ映画なので、互いの息を合わせることが重要でしたが、会食は息を合わせるための方策だったでしょう。そうやって何回も会食をすることで、たくさん会話もしましたし、そんな僕を見たパク・ハソンは僕のことを『おばさん』と呼びながら笑っていました。映画って一言で言うと何でしょうか?『映画は会食』ですよ、ハハハ」
明るい家族、血は争えない?
ユン・サンヒョンは常に笑顔だ。おかげで、周りの人も明るくなる。真の“ハッピーウイルス(幸せを広める人)”だ。これまでドラマを通じて反響を得たキャラクターも、ユン・サンヒョンととても似ている。「僕の妻はスーパーウーマン」のキュートなホ・テジュン(テボン)役もそうだったし、「お嬢様をお願い!」のソ・ドンチャン役や「シークレット・ガーデン」のオスカー役もそうだった。ユーモアが溢れていて、明るいキャラクターである。言い換えれば、上記のキャラクターはユン・サンヒョンのための役であり、彼でなければ演じることが不可能な役だった。「コメディが好きなのか?」と聞くとユン・サンヒョンは「特別に好きだからしているわけではないけれど、イメージがそう固まっているところもあるので、繰り返し出演することになったようだ」と打ち明けた。
また「『冬鳥』のチュ・ギョンウは、最初は明るいキャラクターではなかった。だけど、僕は明るいイメージにしたかった。そこで、監督に提案をした。監督も僕の意見を積極的に受け入れ、最初はコミカルな役で劇の終盤に向かうほどサイコパスに変化していくように新しいキャラクターを作った」と話した。
初の映画として「音痴クリニック」を選んだ理由が分かるような気がした。40歳近くとなったこの中年男性も、挑戦が恐ろしく、怖いと思ったはずだ。ユン・サンヒョンは「甘いと言えば甘いが、安定したものを選びたかった」と話した。「僕に上手くできるものは何だろう」ということを何回も悩んだ結果、明るくて楽しい、相手を幸せにするエネルギーを伝えたいという結論を得たという。無理やりの変身ではなく、安心できる演技を売り物にしたかったというユン・サンヒョン。
「小さい頃から家族とカセットテープをかけ、歌いながら踊ることが好きでした。一つの部屋で5人の家族が住んでいた、とても恵まれていなかった時代もありましたが、恵まれていないからって自分の運命を嘆いたことはありません。両親は常にポジティブで、明るい方でした。僕もそれに似たんですね。やはり早期教育は大事です。あの頃が最も幸せだったような気がします」
“汚い”講師を演じることは大変だった
音痴を救済できるスター講師、シンホン役に変身したユン・サンヒョン。今回は思いっきり“壊れた”。ダサいTシャツとジャージ、地味なスリッパまで、壊れるための3大ファッションを忠実に着こなした。“ビジュアルショック”とも言える服装ばかりだが、これだけでは物足りなかったのか、洗っていない髪と独身男性の深い臭いも加わり、ユン・サンヒョンは迷惑すぎるキャラクターを完璧に演じきった。ユン・サンヒョンはシンホンの率直で飾り気のない性格が、実際のユン・サンヒョンと似ていると素直に認めた。しかし、外見は全く違うと手を振った。
ユン・サンヒョンは「衣装チームから、シンホンの衣装だということで衣装をもらったけれど、本当に言葉が出ないほど臭かった。『もしかしてわざと洗ってないのを持ってきているのか?』と聞いたこともある。パク・チョルミン兄さんも綺麗なスーツ姿で登場するのに、シンホンだけが変な衣装だった。多分、僕の衣装代が一番安かっただろう」と可愛い愚痴をこぼした。
実際のユン・サンヒョンはどんな姿だろうか? 質問をしてみると、待っていたかのように「綺麗好きな男」と答えた。毎日シャワーを浴び、垢すりのタオルまで使って体の隅々を洗うという。特にユン・サンヒョンが強調したのは家の掃除だった。一人暮らしの独身男性だが、掃除機を使うのはもちろん、濡らした雑巾で掃除をすると自画自賛した。
「実家は一山(イルサン)ですが、僕は蚕室(チャムシル)に引っ越しました。だけど、せっかく蚕室に引っ越したのに遊びに来てくれる友達がいなくて寂しいです(笑) 僕は家で一人、ご飯を食べる時も絶対に適当には食べません。器におかずを盛って、きちんとした食事をとるタイプです。この間は、綺麗な食器も買いました(笑) こんな話題で話していると、なぜか落ち込んでしまいます。恋人ができたら、恋愛は3ヶ月だけにしてすぐ結婚する予定です。少しだけ待っていてください、いいお知らせを持ってきますので」
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- チョ・ジヨン、写真 : ムン・スジ
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