「オーロラ姫」ソ・ハジュン“ドラマに対する議論を気にする余裕はなかった”
※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
ソ・ハジュン:こんな質問は初めてだ(笑) まあ、あえて理由を言うなら嘘をつきたくなかったからだ。
―ある俳優がソ・ハジュンをテレビで見て、信頼できる顔だと褒めていた。
ソ・ハジュン:本当に?僕の知らない先輩俳優が僕のことを褒めてくれたという話は初めて聞いた。とても嬉しい。
―自分から見ても信頼できる顔だと思う?
ソ・ハジュン:老顔だとは思うが……(笑)
―いや、老顔ではないと思う。
ソ・ハジュン:「オーロラ姫」の出演陣で言うと女優チョン・ジュヨンと僕は同い年だ。僕は途中からドラマに加わったので、みんながすでに仲良くなった状態で入り、自己紹介をした。その時、僕の年齢を聞いたチョン・ジュヨンが「本当に?」と驚いた(笑) そんな態度を見れば分かる。僕が老顔だということを。
―「オーロラ姫」は論争が多いドラマだった。イム・ソンハン脚本家について以前から知っていたのか?
ソ・ハジュン:母親が「芙蓉閣の女たち~新妓生伝」や「アヒョン洞の奥様」を楽しく見ていたので、イム・ソンハン脚本家という方がいるということはもちろん知っていた。母親は僕がこのドラマに出演することをとても喜んでくれた。見ているだけでも面白いと言っていた。
―最初、ソル・ソルヒは比重があまり大きいキャラクターではなかった。
ソ・ハジュン:初めに出演オファーを受けた時も小さなキャラクターだった。だから実際は、気軽に合流した。だが、徐々に比重が大きくなった。
―気づいてくれる人も増えただろう?
ソ・ハジュン:ご飯を食べにお店に行ったらおかずを多めにくれたり、病人が立っていてはいけないと(劇中でソル・ソルヒは血液ガンの患者役を演じた)話してくれる人もいた。そして、ドラマが終わってからすぐに「海が呼んでいる」という映画の撮影に入ったが、その時、あるおばあさんが魔法瓶にコーヒーを入れてくれたこともある。
―俳優としては嬉しい経験だったはずだが、実はこのドラマは論争が多いドラマだった。
ソ・ハジュン:でも、撮影現場は常に順調だった。特に、新人俳優たちはまだ色々と学んでいる時期だったので、ドラマに関する話が気になってはいたが、その理由を気にする時間はなかった。一日でも早く、より多くのことを学ぶために集中しなければならなかったからだ。
―「ガン細胞も生命だ」という本人の台詞が後々まで語られたが。
ソ・ハジュン:ああ、その質問は本当にどのインタビューでも欠かせない(笑) 本当にこんな大きな反響を呼ぶとは予想しなかった。
―途中からはガン患者を演じた。血液ガンの末期だったが、血液ガンの症状とは一体どんなものなのか?
ソ・ハジュン:実は、台本を受けた時は何のガンなのか書かれていなかった。だが、医者の台詞に「悪性リンパ腫瘍の4期」という言葉があり、調べてみると、血液のガンだった。その時からそのガンについて研究した。吐き気がしてめまいが生じるらしい。
―人々が調べない細かい部分まで緻密に研究する性格のようだ。
ソ・ハジュン:当たり前だ。自分の仕事だから!
―実際に会ったイム・ソンハン脚本家はどんな人なのか?
ソ・ハジュン:小学校の先生のような方だ。僕の演技を見た後、直すべき部分を電話でとても優しく話してくれる。
―エンディングに向かう最後の瞬間まで論争になった。女子主人公オ・ロラ(チョン・ソミン)が元夫ファン・ママ(オ・チャンソク)と今の夫ソル・ソルヒを二人ともそばに置くという部分が特にそうだった。その非常識な結末についてどう思った?
ソ・ハジュン:正直に言うと、男として理解できない部分ではある。でも、台本に沿って演じる俳優の立場として視聴者が共感できるように表現しなければならないと思った。たぶんファン・ママ兄さんとは兄弟愛のような感情を持っていたんじゃないかと思う。ファン・ママ兄さんがソル・ソルヒの命を救ってくれたこともあるし。そのようなアプローチでキャラクターを理解して演じた。
―「海が呼んでいる」ではどんなキャラクターを演じているのか?
ソ・ハジュン:冷ややかな性格の水泳選手だ。家族から傷つけられたせいで冷たい性格になった人物だ。水泳選手役を演じるために体を鍛えなければならなかった点が一番大変だった。時間があるたびにジムに行ってトレーニングをした。でも、ドラマの撮影期間と映画の準備期間が重なり、計画したほどの体に仕上げることができなかった。その点が今でも心残りだ。ドラマの最後の撮影が終わるや否や、明け方には出発して朝から映画を撮ったほど時間が切迫していた。
―俳優の夢を抱くようになったきっかけが独特だ。ミュージカル「ライオンキング」を見て俳優という世界に憧れを持つようになったと聞いたが。
ソ・ハジュン:学生時代に初めてミュージカルを見たとき、俳優という職業についてもっとよく知りたくなった。人生の中でそんなことを考えたのは初めてだった。カーテンコールを見ながら、「舞台を楽しんでいるのは観客なのに、どうして舞台の上に立っている彼らがあんなに嬉しそうな顔をしているのだろう?」と気になった。彼らの世界がとても知りたくなった。僕も経験してみたいと漠然と思いながら、演技の教室に通った。
―両親が面食らったのでは?
ソ・ハジュン:全然そうじゃなかった。むしろ母親は応援してくれた。多分すぐに諦めるだろうと思っていたようだ。
―演技という見知らぬ世界に初めて足を踏み入れた時のことをどう覚えているのか?
ソ・ハジュン:最初に演技教室に行ったとき、19歳の生徒たちが地面を転がりながら「アドネスよ!」と叫んだり、まるで世の中の悲運をすべて背負ったような苦しい人生を演じていた。その姿を見て少し恥ずかしくなり、「僕にあんなことがやれるのだろうか?」と思った。でも、その環境になれば僕なりの勝負欲が目覚めて、ある瞬間彼らと同じように演じている自分を発見した。
―演技に徐々に興味を感じたようだ。演技のどんな点がそんなに面白かったのか?
ソ・ハジュン:皮肉にも古典作品に魅了された。最初は恥ずかしいと思ったのに(笑) また、今まで経験できなかったことをやってみるということ自体も面白かったし、違う時代の他人の人生を生きてみるということが実に魅力的だった。
―もともと芸術に才能があったのか?
ソ・ハジュン:俳優になろうと思う前までは、歌うことが好きだった。軽音部ではなかったが、学校でバンドのボーカルとして歌を歌ったことがあり、とても反応が良かった。(彼の歌の実力は「オーロラ姫」でも証明されたことがある)
―俳優になると真剣に決心した瞬間、家族の反応はどうだったのか?
ソ・ハジュン:有難いことに応援してくれた。その頃の僕はかなり重要な時期にあった。今、あの時に受けた応援の結果をこうやって見せることができて本当に嬉しい。
―香港でモデルとして仕事をした経歴もある。
ソ・ハジュン:ある日、Facebookを通じて香港から連絡が来た。一緒に働きたいという内容だったが、もちろん最初は詐欺だと思った。それで、「あなたたちが韓国に来て、僕を連れて香港に行くのなら考えてみる」と答えた。すると、その会社の人たちが本当に韓国に来たので、英語が上手い親戚の兄さんと新羅ホテルのロビーで会った。半信半疑だったが、怪しくは見えなかった。何よりもそのエージェンシーはダニエル・ヘニーやマギー・Qが所属している会社だった。1ヶ月で香港行きを決めた。
―だが、香港での活動期間はあまり長くなかった。
ソ・ハジュン:とても大変な時期だった。言葉の問題もあったし。結局、帰国しなければならなかった。
―後悔はないのか?
ソ・ハジュン:結果的にはない。今は香港に遊びに行きたい。
―今後、どんな俳優になりたいのか?
ソ・ハジュン:今はまだ、僕の立場ではキャラクターを選ぶことができない。一度でも多く、誰かの人生を生きて経験を積んだ後、僕にも選択の瞬間がやってきたら、その時に賢明な選択ができる俳優になりたい。だから、今はより多くの人生を生きてみるしかない。
ソ・ハジュン(26歳)という俳優の顔は、白い画用紙のような感じがする。多くの物語を盛り込むことができそうなその顔は、イム・ソンハン脚本家のドラマを通じてデビューした他の男性俳優とは骨格からして違う。しかし、大きな目や太い顔の骨格を特徴とする“イム・ソンハンの男”と呼ばれる俳優たちとの違いが、ソ・ハジュンが持つ魅力のすべてではないだろう。
ソ・ハジュンの魅力の大きさを測ることのできる一つのエピソードがある。彼はイム・ソンハン脚本家のドラマの中で最も非難を多く受けたMBC毎日ドラマ(月曜日から金曜日まで放送されるドラマ)「オーロラ姫」で彗星のように登場した。俳優よりも脚本家の名前がより強烈だったこのドラマで、彼は期待以上の演技をやり遂げた。彼が演じたソル・ソルヒというキャラクターはドラマの途中で投入され、いつ降板するか分からないキャラクターだったが、結局ドラマが幕を下した瞬間、男性主人公の位置に立っていたのは彼だった。助演を主演に変貌させたのは、ソ・ハジュンというまだ完成されていない俳優が持つ本来の魅力のおかげだろう。
このように一気に視聴者を魅了したソ・ハジュンは2014年、人々にどんな話を聞かせてくれるのだろうか?
ソ・ハジュン:こんな質問は初めてだ(笑) まあ、あえて理由を言うなら嘘をつきたくなかったからだ。
―ある俳優がソ・ハジュンをテレビで見て、信頼できる顔だと褒めていた。
ソ・ハジュン:本当に?僕の知らない先輩俳優が僕のことを褒めてくれたという話は初めて聞いた。とても嬉しい。
―自分から見ても信頼できる顔だと思う?
ソ・ハジュン:老顔だとは思うが……(笑)
―いや、老顔ではないと思う。
ソ・ハジュン:「オーロラ姫」の出演陣で言うと女優チョン・ジュヨンと僕は同い年だ。僕は途中からドラマに加わったので、みんながすでに仲良くなった状態で入り、自己紹介をした。その時、僕の年齢を聞いたチョン・ジュヨンが「本当に?」と驚いた(笑) そんな態度を見れば分かる。僕が老顔だということを。
―「オーロラ姫」は論争が多いドラマだった。イム・ソンハン脚本家について以前から知っていたのか?
ソ・ハジュン:母親が「芙蓉閣の女たち~新妓生伝」や「アヒョン洞の奥様」を楽しく見ていたので、イム・ソンハン脚本家という方がいるということはもちろん知っていた。母親は僕がこのドラマに出演することをとても喜んでくれた。見ているだけでも面白いと言っていた。
―最初、ソル・ソルヒは比重があまり大きいキャラクターではなかった。
ソ・ハジュン:初めに出演オファーを受けた時も小さなキャラクターだった。だから実際は、気軽に合流した。だが、徐々に比重が大きくなった。
―気づいてくれる人も増えただろう?
ソ・ハジュン:ご飯を食べにお店に行ったらおかずを多めにくれたり、病人が立っていてはいけないと(劇中でソル・ソルヒは血液ガンの患者役を演じた)話してくれる人もいた。そして、ドラマが終わってからすぐに「海が呼んでいる」という映画の撮影に入ったが、その時、あるおばあさんが魔法瓶にコーヒーを入れてくれたこともある。
―俳優としては嬉しい経験だったはずだが、実はこのドラマは論争が多いドラマだった。
ソ・ハジュン:でも、撮影現場は常に順調だった。特に、新人俳優たちはまだ色々と学んでいる時期だったので、ドラマに関する話が気になってはいたが、その理由を気にする時間はなかった。一日でも早く、より多くのことを学ぶために集中しなければならなかったからだ。
―「ガン細胞も生命だ」という本人の台詞が後々まで語られたが。
ソ・ハジュン:ああ、その質問は本当にどのインタビューでも欠かせない(笑) 本当にこんな大きな反響を呼ぶとは予想しなかった。
―途中からはガン患者を演じた。血液ガンの末期だったが、血液ガンの症状とは一体どんなものなのか?
ソ・ハジュン:実は、台本を受けた時は何のガンなのか書かれていなかった。だが、医者の台詞に「悪性リンパ腫瘍の4期」という言葉があり、調べてみると、血液のガンだった。その時からそのガンについて研究した。吐き気がしてめまいが生じるらしい。
―人々が調べない細かい部分まで緻密に研究する性格のようだ。
ソ・ハジュン:当たり前だ。自分の仕事だから!
―実際に会ったイム・ソンハン脚本家はどんな人なのか?
ソ・ハジュン:小学校の先生のような方だ。僕の演技を見た後、直すべき部分を電話でとても優しく話してくれる。
―エンディングに向かう最後の瞬間まで論争になった。女子主人公オ・ロラ(チョン・ソミン)が元夫ファン・ママ(オ・チャンソク)と今の夫ソル・ソルヒを二人ともそばに置くという部分が特にそうだった。その非常識な結末についてどう思った?
ソ・ハジュン:正直に言うと、男として理解できない部分ではある。でも、台本に沿って演じる俳優の立場として視聴者が共感できるように表現しなければならないと思った。たぶんファン・ママ兄さんとは兄弟愛のような感情を持っていたんじゃないかと思う。ファン・ママ兄さんがソル・ソルヒの命を救ってくれたこともあるし。そのようなアプローチでキャラクターを理解して演じた。
―「海が呼んでいる」ではどんなキャラクターを演じているのか?
ソ・ハジュン:冷ややかな性格の水泳選手だ。家族から傷つけられたせいで冷たい性格になった人物だ。水泳選手役を演じるために体を鍛えなければならなかった点が一番大変だった。時間があるたびにジムに行ってトレーニングをした。でも、ドラマの撮影期間と映画の準備期間が重なり、計画したほどの体に仕上げることができなかった。その点が今でも心残りだ。ドラマの最後の撮影が終わるや否や、明け方には出発して朝から映画を撮ったほど時間が切迫していた。
―俳優の夢を抱くようになったきっかけが独特だ。ミュージカル「ライオンキング」を見て俳優という世界に憧れを持つようになったと聞いたが。
ソ・ハジュン:学生時代に初めてミュージカルを見たとき、俳優という職業についてもっとよく知りたくなった。人生の中でそんなことを考えたのは初めてだった。カーテンコールを見ながら、「舞台を楽しんでいるのは観客なのに、どうして舞台の上に立っている彼らがあんなに嬉しそうな顔をしているのだろう?」と気になった。彼らの世界がとても知りたくなった。僕も経験してみたいと漠然と思いながら、演技の教室に通った。
―両親が面食らったのでは?
ソ・ハジュン:全然そうじゃなかった。むしろ母親は応援してくれた。多分すぐに諦めるだろうと思っていたようだ。
―演技という見知らぬ世界に初めて足を踏み入れた時のことをどう覚えているのか?
ソ・ハジュン:最初に演技教室に行ったとき、19歳の生徒たちが地面を転がりながら「アドネスよ!」と叫んだり、まるで世の中の悲運をすべて背負ったような苦しい人生を演じていた。その姿を見て少し恥ずかしくなり、「僕にあんなことがやれるのだろうか?」と思った。でも、その環境になれば僕なりの勝負欲が目覚めて、ある瞬間彼らと同じように演じている自分を発見した。
―演技に徐々に興味を感じたようだ。演技のどんな点がそんなに面白かったのか?
ソ・ハジュン:皮肉にも古典作品に魅了された。最初は恥ずかしいと思ったのに(笑) また、今まで経験できなかったことをやってみるということ自体も面白かったし、違う時代の他人の人生を生きてみるということが実に魅力的だった。
―もともと芸術に才能があったのか?
ソ・ハジュン:俳優になろうと思う前までは、歌うことが好きだった。軽音部ではなかったが、学校でバンドのボーカルとして歌を歌ったことがあり、とても反応が良かった。(彼の歌の実力は「オーロラ姫」でも証明されたことがある)
―俳優になると真剣に決心した瞬間、家族の反応はどうだったのか?
ソ・ハジュン:有難いことに応援してくれた。その頃の僕はかなり重要な時期にあった。今、あの時に受けた応援の結果をこうやって見せることができて本当に嬉しい。
―香港でモデルとして仕事をした経歴もある。
ソ・ハジュン:ある日、Facebookを通じて香港から連絡が来た。一緒に働きたいという内容だったが、もちろん最初は詐欺だと思った。それで、「あなたたちが韓国に来て、僕を連れて香港に行くのなら考えてみる」と答えた。すると、その会社の人たちが本当に韓国に来たので、英語が上手い親戚の兄さんと新羅ホテルのロビーで会った。半信半疑だったが、怪しくは見えなかった。何よりもそのエージェンシーはダニエル・ヘニーやマギー・Qが所属している会社だった。1ヶ月で香港行きを決めた。
―だが、香港での活動期間はあまり長くなかった。
ソ・ハジュン:とても大変な時期だった。言葉の問題もあったし。結局、帰国しなければならなかった。
―後悔はないのか?
ソ・ハジュン:結果的にはない。今は香港に遊びに行きたい。
―今後、どんな俳優になりたいのか?
ソ・ハジュン:今はまだ、僕の立場ではキャラクターを選ぶことができない。一度でも多く、誰かの人生を生きて経験を積んだ後、僕にも選択の瞬間がやってきたら、その時に賢明な選択ができる俳優になりたい。だから、今はより多くの人生を生きてみるしかない。
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- ペ・ソニョン、写真 : ク・ヘジョン、翻訳 : ナ・ウンジョン
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