放送終了「弁護士の資格」真の主役は脚本家…視聴率を超えた「ゴールデンタイム」を上回る秀作
※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
今月26日に韓国で放送された「弁護士の資格」最終回では、キム・ソクジュ(キム・ミョンミン)が外資系企業の計略によってペクドゥグループから追い出されたオーナーのチン・ジンホ(イ・ビョンジュン)を弁護する姿が描かれた。これでキム・ソクジュは、チャ・ヨンウ(キム・サンジュン)の法律事務所と2回目となる対決を繰り広げることになった。キム・ソクジュはチャ・ヨンウの終わらない妨害にも関わらず、反撃を加えることに成功した。驚くことに、キム・ソクジュはただチン・ジノの肩を持っただけではなかった。労働組合と共にペクドゥグループを引っ張っていくことのできる新しい経営陣を受け入れることができるように手伝ったのだ。半分の勝利だが、完璧な闘いだった。
また、過去のトラウマを克服し、父とも完全に仲直りした。父と一緒に釣りに行くことによって、もう完全に変わった人間になったことを予告した。幸せそうな結末だった。しかし、チェ・ヒラ脚本家はありきたりな結論を出さなかった。チャ・ヨンウによって新たなどんでん返しが明かされたのだ。これまで企業が労働組合を弾圧しながらも、法律から抜け出せたのはすべてキム・ソクジュが作ったプログラムのためだった。記憶を失ったキム・ソクジュはこのような事実をまったく知らない状態。チャ・ヨンウは「人生は皮肉だ」と同僚と共に意味深な笑みを浮かべた。結局、キム・ソクジュが戦うべき相手は自分が作り上げたものだった。彼は善でも悪でもない、その間にいるアイロニーな人間だったのだ。
チェ・ヒラ脚本家の結末らしい。ドラマでチャ・ヨンウは「無罪というのは、罪がないという意味ではない。罪があることを証明できなかったということだ」という珠玉の台詞を残した。法は“諸刃の剣”のように二重の面を隠しているという意味だろう。キム・ソクジュは記憶喪失になった後も、完全な“善”とは見えない妙な人格を形成したように、法律は真実の味方でも、弱者の味方でもない。チェ・ヒラ脚本家は様々な事件を取りあげ、法が徹底的に権力の味方であることを赤裸々に語った。
これまでの法廷ドラマはリアリティに欠けたり、弁護士や検事たちのラブストーリーに過ぎなかった。主人公の奮闘によって無罪を勝ち取るストーリーは涙ぐましいが、現実的ではなかった。ファンタジーのもう一つの変奏曲に過ぎなかったのだ。しかし、「弁護士の資格」に登場する事件はレベルが違う。感情を徹底的に排除し、理性だけでアプローチした。資本主義社会で繰り広げられる金融事件、事故などを取り上げ、企業と銀行がどれだけ周到に庶民と弱者から搾取しているかを告発した。
特に、ドラマ全体をリードしていた事件の専門性は、脚本家の事前調査がどれだけ徹底的だったのかを気付かせた。2007年に起きた泰安(テアン)原油流出事故と2008年のKIKO(Knock-in, Knock-Outの略、為替が一定の範囲内で変動する場合、あらかじめ約定した為替に約定金額を販売できるようにした派生金融商品)事態など、社会を騒がせた事件を連想させる素材で共感を集めた。特に銀行の違法CP(企業手形)発行で個人投資家たちが損害を被った事件は、韓国の中堅財閥である東洋(トンヤン)グループ自体を思い浮かばせた。実際の被害者たちが「弁護士の資格」の撮影現場を訪れ、夜食を差し入れしたというエピソードがあるほど、ドラマは現実の顔とそっくりだった。これは現実を反映し、法の矛盾を告発しようとしたチェ・ヒラ脚本家の崇高な意図のためだろう。
「弁護士の資格」は予想より低い視聴率のため、大ヒットにはつながらなかった。キム・ミョンミン、パク・ミニョン、チェ・ジョンアンなど、男女のラブラインをいくらでも活用することはできたが、最後まで初心を忘れない図太さが印象的だ。「ゴールデンタイム」のときから続いた主人公たちの成長という大きなテーマを続けていきながらも、専門性はさらに緻密かつ繊細になったので、脚本家こそが今回の作品でワンランク成長し、進歩した。早期終了のために力が抜けたのは事実だが、「弁護士の資格」は「ゴールデンタイム」を越える秀作であることは間違いない。
写真=MBC「弁護士の資格」スクリーンショット
MBC水木ドラマ「弁護士の資格」(演出:パク・ジェボム)が名残惜しさの中で幕を下ろした。早期終了のためか、終わりを急いだ感もあったが、全体的な完成度は秀作と呼ばれるほど優れていた。法曹界を通じて社会の不条理を告発しようとするチェ・ヒラ脚本家の鋭いペン先は恐ろしかった。誰がなんと言っても「弁護士の資格」はチェ・ヒラ脚本家の作品だ。俳優キム・ミョンミンの演技は熱かったが、ドラマ全体を貫く力は脚本家のものだった。今月26日に韓国で放送された「弁護士の資格」最終回では、キム・ソクジュ(キム・ミョンミン)が外資系企業の計略によってペクドゥグループから追い出されたオーナーのチン・ジンホ(イ・ビョンジュン)を弁護する姿が描かれた。これでキム・ソクジュは、チャ・ヨンウ(キム・サンジュン)の法律事務所と2回目となる対決を繰り広げることになった。キム・ソクジュはチャ・ヨンウの終わらない妨害にも関わらず、反撃を加えることに成功した。驚くことに、キム・ソクジュはただチン・ジノの肩を持っただけではなかった。労働組合と共にペクドゥグループを引っ張っていくことのできる新しい経営陣を受け入れることができるように手伝ったのだ。半分の勝利だが、完璧な闘いだった。
また、過去のトラウマを克服し、父とも完全に仲直りした。父と一緒に釣りに行くことによって、もう完全に変わった人間になったことを予告した。幸せそうな結末だった。しかし、チェ・ヒラ脚本家はありきたりな結論を出さなかった。チャ・ヨンウによって新たなどんでん返しが明かされたのだ。これまで企業が労働組合を弾圧しながらも、法律から抜け出せたのはすべてキム・ソクジュが作ったプログラムのためだった。記憶を失ったキム・ソクジュはこのような事実をまったく知らない状態。チャ・ヨンウは「人生は皮肉だ」と同僚と共に意味深な笑みを浮かべた。結局、キム・ソクジュが戦うべき相手は自分が作り上げたものだった。彼は善でも悪でもない、その間にいるアイロニーな人間だったのだ。
チェ・ヒラ脚本家の結末らしい。ドラマでチャ・ヨンウは「無罪というのは、罪がないという意味ではない。罪があることを証明できなかったということだ」という珠玉の台詞を残した。法は“諸刃の剣”のように二重の面を隠しているという意味だろう。キム・ソクジュは記憶喪失になった後も、完全な“善”とは見えない妙な人格を形成したように、法律は真実の味方でも、弱者の味方でもない。チェ・ヒラ脚本家は様々な事件を取りあげ、法が徹底的に権力の味方であることを赤裸々に語った。
これまでの法廷ドラマはリアリティに欠けたり、弁護士や検事たちのラブストーリーに過ぎなかった。主人公の奮闘によって無罪を勝ち取るストーリーは涙ぐましいが、現実的ではなかった。ファンタジーのもう一つの変奏曲に過ぎなかったのだ。しかし、「弁護士の資格」に登場する事件はレベルが違う。感情を徹底的に排除し、理性だけでアプローチした。資本主義社会で繰り広げられる金融事件、事故などを取り上げ、企業と銀行がどれだけ周到に庶民と弱者から搾取しているかを告発した。
特に、ドラマ全体をリードしていた事件の専門性は、脚本家の事前調査がどれだけ徹底的だったのかを気付かせた。2007年に起きた泰安(テアン)原油流出事故と2008年のKIKO(Knock-in, Knock-Outの略、為替が一定の範囲内で変動する場合、あらかじめ約定した為替に約定金額を販売できるようにした派生金融商品)事態など、社会を騒がせた事件を連想させる素材で共感を集めた。特に銀行の違法CP(企業手形)発行で個人投資家たちが損害を被った事件は、韓国の中堅財閥である東洋(トンヤン)グループ自体を思い浮かばせた。実際の被害者たちが「弁護士の資格」の撮影現場を訪れ、夜食を差し入れしたというエピソードがあるほど、ドラマは現実の顔とそっくりだった。これは現実を反映し、法の矛盾を告発しようとしたチェ・ヒラ脚本家の崇高な意図のためだろう。
「弁護士の資格」は予想より低い視聴率のため、大ヒットにはつながらなかった。キム・ミョンミン、パク・ミニョン、チェ・ジョンアンなど、男女のラブラインをいくらでも活用することはできたが、最後まで初心を忘れない図太さが印象的だ。「ゴールデンタイム」のときから続いた主人公たちの成長という大きなテーマを続けていきながらも、専門性はさらに緻密かつ繊細になったので、脚本家こそが今回の作品でワンランク成長し、進歩した。早期終了のために力が抜けたのは事実だが、「弁護士の資格」は「ゴールデンタイム」を越える秀作であることは間違いない。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- キム・ジヒョン
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