「神の一手」チョン・ウソン、映画人として準備が整った20年目の新人“あと20年間は楽しく働けるだろう”
※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
「神の一手」はテソク(チョン・ウソン)が賭け碁でサルス(イ・ボムス)とソンス(チェ・ジニョク)によって兄を失い、殺人の濡れ衣を着せられて刑務所に入り、復讐を夢見る話だ。テソクは刑務所で格闘技と囲碁を修練し、出所後、命をかけて兄を殺した者たちと残酷な対決を繰り広げる。
「昨年、『監視者たち』で映画への復帰を知らせ、良い評価を受けてほっとした。そして『神の一手』はまともなアクションを見せなければと思った作品で、現場でさらに必死になって演じたいと思った。シナリオの中で可能な限り最大限のアクションは何だろうかと悩み、身体を張って臨んだ。結果的に忠実によく反映されたと思う(笑)」
特に、今回の映画ではダサい男になったチョン・ウソンの変身が際立った。囲碁だけが好きな世間ずれした囲碁棋士のテソク。本当にあの人がチョン・ウソンなのかと思わせるほどだった。これに対しチョン・ウソンは「テソクの世間ずれして純粋な姿を見せるためにひげを生やした。急に体重を増やすことはできなかったので、大きな骨格を利用して大き目のサイズの服を着て野暮ったく見えるように表現した」と明らかにした。
「過去のテソクの感情が一番重要だった。テソクが兄の死を見ながら絶叫する感情がそのまま観客に伝わらなければならないと思った。そこだけでも上手くやれれば、テソクの変化はどんな形であれ表現できるだろうと思った。ところで今回の映画は撮影の順番が完全に逆になり、残酷になったテソクを先に撮影し、純粋な過去のテソクを後で撮影した。でも、むしろそれがより良い方向に働いたような気もする。変化したテソクをよく作っておいたので、過去のテソクを撮る時は心から湧き出る感情でもっと遊んでみようという気持ちになった」
「映画ではバランスが重要だ。アン・ソンギ先輩はテソクのそばで心強くバランスを取ってあげる重要な役割を果たした。人生を語るチュニム役を上手く演じることのできる人を探していたところ、当然アン・ソンギ先輩を思い出した。それで推薦し、幸いにも先輩が応じてくれて本当に助かった。そして、チュニムが盲技(目の不自由な人が全部覚えて囲碁を打つこと)を披露するシーンはとても美しかった」
その一方でチョン・ウソンは「キャラクターの感情交流があまりなくて残念だった。でも、それを全部収めようと欲を出したら、スピーディにそれぞれのキャラクターを充実に表現した『神の一手』にはなれなかったはずだ」と分析した。撮影中、ずっとテソクになりきっていたチョン・ウソンは「俳優たちと仲良くなるとテソクの感情が乱れる可能性もあったので、集中するため俳優たちと少し距離を置いた」と言いながらイ・シヨン(ペッコプ)との惜しいキスシーンの裏話も明かした。
「実はシナリオにはペッコプともっと濃いラブシーンもあった。でも、撮影をしながら監督の判断でそのシーンは省略された。当時、テソクとペッコプのラブシーンは“好感の始まり”という意味が大きくて、ベッドシーンが入ったら不自然に見えたと思う。実は、キスシーンもサルスが携帯で防犯カメラを見るシーンで登場するぐらいで良かったのではないかとさえ思った」
「『私を忘れないで』の監督(イ・ユンジョン)は『グッド・バッド・ウィアード』のスクリプターだ。普段から仲が良くてシナリオを書いて僕に見せてくれたりした。その人が僕を見てキャラクターを作ってシナリオを書いたのに、出演のオファーはしてこなかった。それで、僕が先に『なぜ出演のオファーをしないのか。早合点で出演しないだろうと思ったのか』と言った。それで僕がシナリオが気に入って出演すると伝えた。でも、制作会社がシナリオを平凡な恋愛映画に変えてほしいと言ってきたので変質することを恐れて僕が制作者になった」
チョン・ウソンはこれまでの時間を振り返り、「20年間とてもたくさんの恩恵を受けて活動してきたと思う。僕はもっと上手にすることのできる準備が整った新人だと思い、少なくてもこれから20年間は楽しく働けると思う」と将来への考えを語った。彼は「これからたくさんの作品をしながら色々なことにぶつかり、さらに洗練されて一生懸命に働きたい」と言いながら、最後に「後に良い先輩、良い仲間、良い映画人、そしてチョン・ウソンとして残りたい」という言葉を残した。
「これまで俳優として生きながら、自分に余裕を持たせたことは一度もなかった。ほとんど旅行に行ったこともない。旅行に行っても3泊4日ほど経ったら仕事がしたくなって戻ってくるだろう。『愛のタリオ』の撮影が終わったら一度ぐらい旅行に行ってみようかと悩んでいる(笑)」
写真=SHOWBOX MEDIA PLEX
俳優チョン・ソンが出演した「神の一手」が韓国映画の健在を証明した。今月3日、公開初日から莫大なファンを確保している「トランスフォーマー/ロストエイジ」を押さえ、映画興行ランキングで1位を獲得した。いつの間にかデビュー20年目の中年俳優になったチョン・ウソンは「神の一手」で第2の全盛期を迎えた。「神の一手」はテソク(チョン・ウソン)が賭け碁でサルス(イ・ボムス)とソンス(チェ・ジニョク)によって兄を失い、殺人の濡れ衣を着せられて刑務所に入り、復讐を夢見る話だ。テソクは刑務所で格闘技と囲碁を修練し、出所後、命をかけて兄を殺した者たちと残酷な対決を繰り広げる。
「兄の死を見守ったテソクの感情が一番重要だった」
4日、ソウル市鍾路(チョンノ)区三清洞(サムチョンドン)で会ったチョン・ウソンは若干浮かれていた。彼は「デビュー20年目である今年は戦略的に忙しく過ごしている。大変だと思ったことは一度もないし、とても楽しい」と言いながら嬉しい気持ちを表現した。また「『神の一手』はただシナリオが気に入って選んだ作品で、長い間待って作業しただけに良い結果を得られたようで気持ち良い」と話した。「昨年、『監視者たち』で映画への復帰を知らせ、良い評価を受けてほっとした。そして『神の一手』はまともなアクションを見せなければと思った作品で、現場でさらに必死になって演じたいと思った。シナリオの中で可能な限り最大限のアクションは何だろうかと悩み、身体を張って臨んだ。結果的に忠実によく反映されたと思う(笑)」
特に、今回の映画ではダサい男になったチョン・ウソンの変身が際立った。囲碁だけが好きな世間ずれした囲碁棋士のテソク。本当にあの人がチョン・ウソンなのかと思わせるほどだった。これに対しチョン・ウソンは「テソクの世間ずれして純粋な姿を見せるためにひげを生やした。急に体重を増やすことはできなかったので、大きな骨格を利用して大き目のサイズの服を着て野暮ったく見えるように表現した」と明らかにした。
「過去のテソクの感情が一番重要だった。テソクが兄の死を見ながら絶叫する感情がそのまま観客に伝わらなければならないと思った。そこだけでも上手くやれれば、テソクの変化はどんな形であれ表現できるだろうと思った。ところで今回の映画は撮影の順番が完全に逆になり、残酷になったテソクを先に撮影し、純粋な過去のテソクを後で撮影した。でも、むしろそれがより良い方向に働いたような気もする。変化したテソクをよく作っておいたので、過去のテソクを撮る時は心から湧き出る感情でもっと遊んでみようという気持ちになった」
「『神の一手』にアン・ソンギがいなかったら?目の前が真っ暗になっただろう」
チョン・ウソンはテソクを助ける目の不自由な囲碁棋士のチュニム役に俳優アン・ソンギを強く推薦したという。それでアン・ソンギが合流し、7人のメンバーが揃った。「もしアン・ソンギさんがチュニム役を拒んだら?」という取材陣の質問にチョン・ウソンは「本当に目の前が真っ暗になる。視力を失った気分だ」と話した。そう言いながら彼は「俳優は外部の状況ではなく、キャラクターで動くものだ」と自分のおかげでアン・ソンギの出演が叶ったわけではないと話した。「映画ではバランスが重要だ。アン・ソンギ先輩はテソクのそばで心強くバランスを取ってあげる重要な役割を果たした。人生を語るチュニム役を上手く演じることのできる人を探していたところ、当然アン・ソンギ先輩を思い出した。それで推薦し、幸いにも先輩が応じてくれて本当に助かった。そして、チュニムが盲技(目の不自由な人が全部覚えて囲碁を打つこと)を披露するシーンはとても美しかった」
その一方でチョン・ウソンは「キャラクターの感情交流があまりなくて残念だった。でも、それを全部収めようと欲を出したら、スピーディにそれぞれのキャラクターを充実に表現した『神の一手』にはなれなかったはずだ」と分析した。撮影中、ずっとテソクになりきっていたチョン・ウソンは「俳優たちと仲良くなるとテソクの感情が乱れる可能性もあったので、集中するため俳優たちと少し距離を置いた」と言いながらイ・シヨン(ペッコプ)との惜しいキスシーンの裏話も明かした。
「実はシナリオにはペッコプともっと濃いラブシーンもあった。でも、撮影をしながら監督の判断でそのシーンは省略された。当時、テソクとペッコプのラブシーンは“好感の始まり”という意味が大きくて、ベッドシーンが入ったら不自然に見えたと思う。実は、キスシーンもサルスが携帯で防犯カメラを見るシーンで登場するぐらいで良かったのではないかとさえ思った」
映画人チョン・ウソン「僕は準備ができている20年目の新人」
チョン・ウソンには“俳優”という言葉よりも“映画人”という言葉の方が似合う。彼は「究極の目標は映画監督になることだ。俳優としての渇きを満たすためにやりたかった作品を連続してやっているし、それで今は映画の制作までしている」と明かした。昨年「監視者たち」を皮切りに現在「神の一手」まで公開したチョン・ウソンは、短編映画「私を忘れないで」で制作兼俳優、「愛のタリオ」で俳優、「キラーの前に老人」と「3種類の色-三生」では監督まで務めた。「『私を忘れないで』の監督(イ・ユンジョン)は『グッド・バッド・ウィアード』のスクリプターだ。普段から仲が良くてシナリオを書いて僕に見せてくれたりした。その人が僕を見てキャラクターを作ってシナリオを書いたのに、出演のオファーはしてこなかった。それで、僕が先に『なぜ出演のオファーをしないのか。早合点で出演しないだろうと思ったのか』と言った。それで僕がシナリオが気に入って出演すると伝えた。でも、制作会社がシナリオを平凡な恋愛映画に変えてほしいと言ってきたので変質することを恐れて僕が制作者になった」
チョン・ウソンはこれまでの時間を振り返り、「20年間とてもたくさんの恩恵を受けて活動してきたと思う。僕はもっと上手にすることのできる準備が整った新人だと思い、少なくてもこれから20年間は楽しく働けると思う」と将来への考えを語った。彼は「これからたくさんの作品をしながら色々なことにぶつかり、さらに洗練されて一生懸命に働きたい」と言いながら、最後に「後に良い先輩、良い仲間、良い映画人、そしてチョン・ウソンとして残りたい」という言葉を残した。
「これまで俳優として生きながら、自分に余裕を持たせたことは一度もなかった。ほとんど旅行に行ったこともない。旅行に行っても3泊4日ほど経ったら仕事がしたくなって戻ってくるだろう。『愛のタリオ』の撮影が終わったら一度ぐらい旅行に行ってみようかと悩んでいる(笑)」
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- パク・ミニョン
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