「22年目の記憶」イ・へジュン監督は何故またジャージャー麺を選んだのだろうか
写真=「22年目の記憶」スチール
映画「22年目の記憶」でもやはり登場した。イ・へジュン監督のシグネチャーとも言える“ジャージャー麺”のことだ。20日の午後、ソウルロッテシネマ建大(コンデ)入口店でマスコミ配給試写会を開き、初めて公開された「22年目の記憶」は、自身を金日成(キム・イルソン)だと固く信じる男と、そのような父により人生が絡んでしまったと思う息子の話を描いた作品だ。息子のための無名俳優ソングン(ソル・ギョング)の父性溢れる人生の演劇が、残酷童話のような印象を与える映画だ。
この中でもっとも目立つ素材がジャージャー麺だ。イ・へジュン監督は前作「彼とわたしの漂流日記」でもジャージャー麺をかなりのインパクトで登場させたことがある。
2009年の「彼とわたしの漂流日記」で、主演俳優チョン・ジェヨンの「ジャージャー麺が希望だ」という台詞は有名だ。実際にジャージャー麺は、映画でバムソム(栗島)に漂流したキム氏の希望を盛り込む素材として使われた。チョン・ジェヨンとイ・へジュン監督が映画を観覧した観客と一緒にジャージャー麺を食べる、一風変わったイベントを行ったほどだった。
写真=「彼とわたしの漂流日記」スチール
特に「彼とわたしの漂流日記」でジャージャー麺配達員だった俳優パク・ヨンソが「22年目の記憶」でもジャージャー麺配達員としてドッキリ出演する関連性を保つことで、一面では韓国的文化を象徴する“ジャージャー麺”に意味を込めた様子だ。ただし「22年目の記憶」では、ジャージャー麺のほかにも台詞としてタンスユク(酢豚)、ヤンジャンピ(中華冷菜)などが登場するが、これらの料理はソングン自身と、自身が演じる金日成の間でアイデンティティの損傷を受ける過程の中、憎悪を発散する中核装置だ。ソングンが徳の厚い金日成の外見を作るにおいても、このジャージャー麺が力を発揮する。
「私は朝鮮民主主義人民共和国の主席、金日成だ」との言葉を繰り返すソングンのジャージャー麺は、我々の父と繋がり、悲しい叙情を生み出す。
映画が語ろうとすることは“家族”だ。父のソングンが金日成になるしかなかった理由は息子にある。息子のために生き、息子に最高の演劇を見せたい父が、二重の意味を持つジャージャー麺一杯に盛り込まれた。母はジャージャー麺が嫌いと言ったが、父は息子を育てるためにジャージャー麺を食べた。
南北首脳会談の際、リハーサルのために金日成の代役が存在したという歴史的事実をベースに作られた。ソル・ギョング、パク・へイル、ユン・ジェムン、イ・ビョンジュン、リュ・ヘヨンなどが出演し、韓国で30日に公開する予定だ。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- チェ・ナヨン
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