「スリーデイズ」シン・ギョンス監督“込み上げる感情を抑えるシーンでユチョンは涙の男だと思いましたね”
製作費100億ウォンをかけた国家の陰謀と危険な愛に挑む、本格サスペンス・ラブストーリー超大作「スリーデイズ~愛と正義~」。3月4日(水) のDVD &Blu-rayリリースを控え、本作の演出を手掛けたシン・ギョンス監督に、撮影での裏話や見どころなどについて聞いた。
―「スリーデイズ」を演出するようになったきっかけを教えてください。またストーリー展開や演出において監督のアイデアはかなり反映されていますか?シン・ギョンス:演出をするようになったきっかけは、脚本家のキム・ウニさんのアイデアが興味深かったからです。キム・ウニさんは「サイン」や「ファントム」などを手掛けた脚本家で、ユーモラスで、キラリと光るアイデアが多い方なので、仕事自体はとても楽しかったですね。でも大統領が暗殺されるという荒唐無稽なストーリーにリアリティーを持たせるように作品の準備段階やドラマ序盤のストーリー展開では、私もかなりアイデアを出しました。ストーリーの背景となる政治的な部分や韓国社会の経済的な状況などの部分を、ドラマの流れに合わせてリアリティーが感じられるように、作り込んでいく作業はとても大変でした。
―パク・ユチョンを主役に決めた理由は何ですか?
シン・ギョンス:主役をパク・ユチョンに決めたのは、今までのドラマでは見せたことのなかった強い男らしさを前面に出した彼の新しい姿を浮き彫りにしたかったからです。
―パク・ユチョンは本格的なアクションものは初めてで、警護官役という難しい役でしたが、実際の彼の演技を見てどうでしたか?
シン・ギョンス:ダンスの経験があるからなのか、アクションシーンを演じる能力には本当に驚かされましたね。キャラクターやキャラクターの置かれた状況をすぐさま理解して役を演じきる瞬発力や心理表現にも優れていました。ドラマ撮影が進んで撮影に慣れてくると、本当に警護官そのものという感じになっていきました。それに市場で大統領を危険に晒してしまったことで自責の念にかられるシーンでは、込み上げる感情を抑えて薄らと目に涙まで浮かべる演技を披露してくれて、「パク・ユチョンは涙の男」だと思いましたね。
―パク・ユチョンとソン・ヒョンジュが演じるキャラクターの対比がドラマをより面白くしていると感じました。
シン・ギョンス:大統領警護官にとって、大統領は命をかけて守らなければならない絶対的な存在です。しかしテギョンは父の死をきっかけに挫折を経験し、さらに大統領に対して疑いを抱きはじめます。純粋だった青年が、挫折から立ち直り人間として成長していく物語を描くためには、テギョンと大統領には明確なコントラストが必要でした。最初から彼らが一つになってもいけなかったし、テギョンが否定しようとする大統領が、あまり悪人のように見えてもいけませんでした。そのためには、やはりソン・ヒョンジュが演じる苦悩する大統領が必要でした。そういった意味でも大統領役は、初めからソン・ヒョンジュ以外考えていませんでしたね。そして彼らの対比がより明確になるように演出していきました。
―大統領周辺の人々を扱ったドラマとあって、堅苦しい雰囲気のドラマだと敬遠される心配はありませんでしたか?
シン・ギョンス:ええ、ドラマの内容が重くてかなり政治的なのでとても心配しました。そのような点を克服するためにドラマをスピーディーな展開で進めるように心掛けましたし、主演のパク・ユチョンにもかなり助けられました。大統領役のソン・ヒョンジュにも助けられましたね。彼の真摯で親しみやすいキャラクターが堅苦しい政治ドラマを和らげてくれたと思っています。
―パク・ユチョンをはじめ警護官たちのスーツ姿がビシッと決まっていましたね。
シン・ギョンス:このドラマはスーツ姿やユニフォーム姿が注目されるドラマとも言えるでしょうね。撮影前、2ヶ月あまりをかけて警護官役のオーディションを行いました。オーディションで警護スーツのよく似合う俳優たちを選んで、選ばれた俳優たちには1ヶ月余りの間、アクション指導を受けてもらいました。やはり、スーツは着る人がカッコよくないといけませんから……。
―パク・ユチョンの狭い列車内でのアクションシーンはとてもリアルで迫力がありました。
シン・ギョンス:ヤンジン里事件の銃撃シーンと共に列車内でのアクションシーンはこのドラマの核心的なシーンで、武術チームが事前撮影を行ってかなり念入りに準備してくれました。実はパク・ユチョンは、これの前の撮影で肩の靭帯を負傷してしまい、ドクターからは完治には3ヶ月を要するとまで言われていたらしいです。でも鎮痛剤を打って撮影に出てくれてアクションを完璧にこなしてくれました。
―冬場の野外ロケは大変ではありませんでしたか?
シン・ギョンス:寒さに凍えて大変な撮影も多く、ケガをしてしまう場合もたびたびありましたが、現場はいつも和気あいあいとしていました。俳優たちがスタッフを気づかってくれましたし、スタッフたちも献身的でした。ただ冬だったので雪が問題になりましたね。雪が映らないように撮影地を移動する必要があったんです。たとえばボウォン巡査役のパク・ハソンが電信柱から落ちるシーンの撮影は、京畿道のスタジオの運動場でCG用の撮影を行い、本撮影は慶尚北道の亀尾で、追加撮影は雪のなかった慶州で行いました。
―撮影の際、演出には俳優からのアイデアも取り入れましたか?
シン・ギョンス:台本の多くの部分を修正しながら撮影は進められました。もちろん脚本家の許可を得てですが……。私が台本とは異なる演出を指示する時もあったし、俳優がよいアイデアを出してくれる場合もありました。特にチャン・ヒョンソンやチェ・ウォニョンは、いつも私よりもいいアイデアを出してくれて、より緊張感のある演出になりました。
―この作品を作り上げていく上でどのような点を大切にしましたか?
シン・ギョンス:彼らが大統領を殺さなければならない理由、大統領の立たされた緊迫した状況などをうまくドラマで描いてみたかったのですが、なかなか思ったようにはいきませんでした。でも、大統領と警護官の絆や韓国政財界の内部に潜む巨大な悪の実体、そういったものへもドラマを見た人たちが思いを馳せてくれるように考えていました。
―これまで多くのドラマを演出していますが、特に心に残っている作品は何ですか?
シン・ギョンス:「スリーデイズ」です。大変だった作品としては「淵蓋蘇文」が一番大変でした。チームの雰囲気では「あなたしか愛せない」、お酒を飲んだ量では「妻の誘惑」が、作品の完成度では「根の深い木-世宗大王の誓い-」です。
―監督がドラマ作りにおいて心掛けていることはありますか?
シン・ギョンス:ドラマを見てくださる視聴者の方々だけではなく、共にドラマを作っている同僚たちにとっても、ドラマを作り上げていく時間やドラマが価値あるものとなるように、そしてできあがったドラマが世の中の真実を描き出しているようにと心掛けています。
―では、最後にDVDで「スリーデイズ」をご覧になるファンの皆さんに、ここに注目してほしいというシーンや見どころを教えてください。
シン・ギョンス:どのシーンも一生懸命撮影したので、決めるのは難しいのですが、前半では警護室長室で繰り広げられるハン・テギョン(パク・ユチョン扮) と警護室長ハム・ボンス(チャン・ヒョンソン扮) との対話シーンでしょうか。見どころはですね。パク・ユチョンのアクションシーンもそうですが、大統領と彼を守るハン・テギョン警護官が、キム・ドジン(チェ・ウォニョン扮) 率いるジェシングループと闘って果たして生き残れるかどうか、はてしなく続く彼らの闘い、そして二転三転するストーリー展開などでしょうか。
「スリーデイズ~愛と正義~」
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発売元・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
(C)2014 SBS
公式サイト:http://kandera.jp/sp/3days-movie/
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- 記者 :
- Kstyle編集部
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