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ト・ジウォン「『優しくない女たち』で初めてのキスシーン…ぎこちなくてすごく笑いました」

OSEN
気に入った作品を終えたばかりの俳優の顔には自信と満足感が浮かぶものだ。目はキラキラして口数が増える。込み上げる感情が言葉一つ一つから感じられ、聞き手が自然に頷いてしまうほど説得力を持つ。女優ト・ジウォンとのインタビューがそうだった。

ト・ジウォンは先日終了したKBS 2TV水木ドラマ「優しくない女たち」で恋愛もせずにずっとテレビ局の看板アナウンサーとして生きてきたキム・ヒョンジョン役を担当し、キム・ヘジャ、チェ・シラと共演した。キム・ヒョンジョンは子供の頃、父を早くに亡くし、母と妹を守るために全力で生きてきた人物である。気難しそうに見えるが、心にはたくさんの傷を抱いている役どころだ。何よりキム・ヒョンジョンは押し寄せる若い後輩たちのために司会を務めていた番組をクビになる屈辱を味わった“危機の中年”を代弁する人物であった。

「すべてが父から始まったのだと思います。ヒョンジョンは母をすごく愛しています。母は神様だと言ってもいいくらいです。妹のヒョンスクとは違って、母が父によって傷ついたことを知っているため、それを慰めるために頑張ります。家族の世話もしなければならないし、妹ヒョンソクに対してもしっかりとした生活ができるよう支えられなかったという罪悪感を抱いています。だから誰も彼女の心に入ることができなかったのです。(省略)その時、ムンハクという人が現れます。この人を通じてヒョンジョンが少しずつ変わっていきます。ソン・チャンミン先輩がこう言いました。人間は変わらないと。それでも唯一変わらせられるものがあるそうです。何だと思いますか?(―愛?) その通りです。愛だそうです。ヒョンジョンはムンハクという人の愛を受けて変わることができたと。私もその言葉に共感しました」

キム・ヒョンジョンの姿はト・ジウォンという一人の人間の姿を想像させる。長い間、演技が上手い女優として評価されてきたト・ジウォンだが、今までこれといったスキャンダルがなかった。時間が経つほどに輝く美貌や鍛え込まれたボディは女性たちの憧れの対象になったが、「恋愛はしないのか?」という質問には「ドラマでするだけで満足している」と“鉄壁”な返事をする。

「恋愛ドラマを撮影して、ソン・チャンミン先輩に言われました。私の外見やこれまでの演技は、もちろん持っているものは違いますが、ヒョンジョンのような雰囲気があると。今はヒョンジョンと呼ばれています。とっつきにくい人なのでしょう。だからソン・チャンミン先輩は演技をしながら緊張を解してあげようと努力してくださったようです。本当にありがたかったです。実際にセリフの練習をする時、自分はセリフをやり取りする人ではないと言いながらも、私とは一緒にやってくれました。先輩と演技をする時は笑いすぎて何度もNGを出しました」

驚くべきことにト・ジウォンの演技人生の中で初めてのキスシーンやラブシーンだったという。「優しくない女たち」は様々な意味でト・ジウォンの女優としての人生に意味のある作品になったのである。

「初めてでした。これまで演技をしながらキスシーンもありませんでした。最初はどうすればいいんだろうと思いました。避けて通れる状況でもないし。そのまま受け入れましたね。ソン・チャンミン先輩は私がそうだと知って、緊張を解そうとすごく頑張ってくれました(笑) 公園でキスシーンがあったのですが、最後に先輩が腰を反らしたんです。そんなことをされるとは思っていませんでした。教えてもくれなかったのです。その瞬間びっくりしました。手をどこにおけばいいかもわからなかったし。額にキスされた時もすごくからかわれました。『どうしてあんなに中途半端にできるのか』と。私は勘がありません。その後、ソン・チャンミン先輩は『さすがにヒョンジョンだ。全く同じだ』と言いました。キスする時にも腰を反らされたんですが、足が宙ぶらりんになって手を置く位置も不自然でした。上げる? それとも下げる? すごく悩んでしまって、それが本当に笑えました。終わってからスタッフにもすごく笑われました」

説明をするト・ジウォンは、自分のもとにやってきたキム・ヒョンジョンという人物に見事にはまっていた。そして、このような人物を作ってくれたキム・イニョン脚本家に向けた愛情も溢れていた。それもそのはず、キム・ヘジャ、チェ・シラ、チャン・ミヒ、イ・スンジェなど演技派俳優たちが勢揃いした作品であった。何より魅力的な台本の力が大きかった。

「キム・イニョン脚本家は言葉にできないほど良い台本を書く方です。台本を読んでいる間、ずっと幸せでした。どうすればこんなセリフが書けるの?と感嘆しながら読みました。キム・ヘジャ先生もそうおっしゃっていました。『私はキム・スヒョン先生の作品にも出演したけれど、本当にその筆力に負けない考えを持つ脚本家だ。すごい』と褒めていました。キム・ヘジャ先生はそんなことを簡単に言う方ではないじゃないですか。作品を選ぶ時も厳しく選ぶ方です。そんな方がこのドラマを選択したのには理由があると思います。セリフを言っている自分自身も幸せでした」

「優しくない女たち」の世界を抜け出したト・ジウォンは、もう新しい作品にはまる準備ができていた。「少し休まなきゃ」と言いながらも「続けてやりたい」というややアイロニーな答えをする理由は「優しくない女たち」を終えた後、もう一度、もう少し深く、演技を愛するようになったためである。穏やかに流れて伝わるト・ジウォンの感性は、40代の女性のそれとは思えないほど純粋なものだった。もしかするとこのような感性が童顔の秘訣なのかもしれない。

「私の座右の銘が純粋さを失わないことです。ナイーブなのは若いうちです。それを永遠に持ち続けることはできません。すべての人が年を取れば優しくないところを持つようになります。憎んだり、嫌気が差したり、苛立ったり。ナイーブと言うには世間ずれしたところが増えます。しかし、純粋さというのは年が取っても世の中を見る観点によって異なります。肯定的に見るか、否定的に見るかにかかっています。なるべく肯定的に考えようと努力するほうです」
元記事配信日時 : 
記者 : 
チョン・ユジン
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