「走る調査官」１つの手違いが真犯人を無罪に？冤罪の恐ろしさを伝える

※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
「走る調査官」が人権に対して重いメッセージを伝えた。

3日に韓国で放送されたOCN水木オリジナル「走る調査官」第6話では、違法手続きで容疑者を釈放した二つの事件が公開された。妻を殺害したという夫ヨン・ジュソク（キム・グテク）の事件と、逮捕過程で人権を侵害されたというパク・ギス（チ・デハン）の事件は関係がないように見えたが、殺人事件の真犯人がパク・ギスという事実が明かされて衝撃を与えた。真実を暴く調査官たちの痛快な活躍はもちろん、過去の自身の誤判を認めてこれを正そうとしたペ・ホンテ（チェ・グィファ）の成長は、深い感動を与えた。ここにハン・ユンソ（イ・ヨウォン）が妹の事件の犯人イ・ソンホ（チャン・ウォンヒョク）に会いに行く姿も描かれ、今後の展開に対する好奇心を刺激した。

この日、ペ・ホンテは検事時代、自身が担当した未解決事件を再び調査した。夫が唯一の容疑者だった殺人事件の担当検事だったペ・ホンテは、裁判で指紋と血痕が付いている刀を提出した。しかし任意提出の同意を受けなかった刀は適法な手続きを踏まなく、違法で収集されたと判断されて、証拠として認められなかった。一週間内に新しい証拠を探すことができないと、容疑者を釈放してくれなければならない状況に追い込まれ、ペ・ホンテは直接証拠を探した。しかし同僚検事と一緒に訪れた現場では、第3者の痕跡が発見されただけで、犯人を逮捕する核心証拠を探すことはできなかった。事件の真実に近づいていくほど、自身が間違えたことに気づいたペ・ホンテ。彼は簡単に解決できない事件のアドバイスを受けるため、ハン・ユンソに会いに行った。ハン・ユンソは悩んでいるペ・ホンテに過ちを正す方法は、過ちを認めることしかないと指摘し、ペ・ホンテは真犯人を探して現在の容疑者である夫の無罪を明かすことが最善だと思った。

人権増進委員会にも窃盗事件と関連した新しい陳情が入った。請願者パク・ギスは違法な緊急逮捕によって人権を侵害されたと主張した。彼を逮捕したク・ミニョン（ヤン・ジュホ）警衛は彼の前科記録、犯行スタイルの類似性を発見してパク・ギスが犯人だと判断、長時間潜伏してから逮捕したという。逆に上手く法の網をくぐるパク・ギスの手口を指摘した。しかし事件当日、交通安全教育を受けていたというパク・ギスのアリバイは十分だった。何よりも担当調査官ハン・ユンソから資料提出要請を受けると、事件経緯を任意同行に変更した警察の行動も怪しかった。法的な問題点を検討したように見える警察の態度に、ハン・ユンソは「前科があるからと言って、むやみに逮捕することは正義ではない」と指摘した。パク・ギスの陳述内容だけみると、逮捕過程で問題があるように見える状況だった。ハン・ユンソは、パク・ギスとク・ミニョンを通じて真実を明かすことにした。

一方互いに違う目的で現場に訪れたハン・ユンソとペ・ホンテは、あるマンションの前で出会った。請願者パク・ギスに会うためにマンションに訪れたハン・ユンソと、過去の殺人事件の証拠を探すために現場に訪れたペ・ホンテ。二人が探す人物は、まさかの同じ人だった。パク・ギスはヨン・ジュソクが妻と喧嘩して家を出た間に、犯行を犯したのだ。二つの事件の真実を探したハン・ユンソとペ・ホンテは、対質調査に出席するパク・ギスを捕らえるために機転を発揮した。彼が流した汗から採取したDNAと血痕を比べて真犯人がパク・ギスという事実を証明し、ペ・ホンテは過去の誤判を認めてヨン・ジュソクの無罪宣告を要請した。ハン・ユンソはパク・ギスを緊急逮捕したク・ミニョンには、逮捕過程で適法手続きを違反したと判断、懲戒勧告した。自身の過ちを正し、公正に調査した二人の爽快感溢れる活躍は視聴者たちに痛快感を与えた。

この日「走る調査官」は、“手続きのせいで真犯人が無罪なってしまうこともある”という現実を指摘した。人権を「溝の中で咲いた花」と表現した言葉は、人権のジレンマに対して重いメッセージを投げた。また、自身の過誤を知ったペ・ホンテの現実的な悩みは、視聴者たちの共感を得た。「ハン調査官は今まで調査過程で、ミスしたことはありますか？」という彼の質問に、ハン・ユンソの答えは簡明だった。過ちを認めて再調査し、また報告すればいいというのだ。「過ちを認める最高の方式は、無罪を証明することだと思います」というハン・ユンソのアドバイスにペ・ホンテは、無理に有罪を証明せず、恥ずかい検事にならないと決心した。ペ・ホンテの正直さと変化は検事、または人権調査官として見せる今後の活躍をさらに期待させた。

OCN水木オリジナル「走る調査官」は、韓国で毎週水曜日と木曜日の午後11時に放送されている。