“癒される”ドロ沼復讐劇!?韓国朝ドラの新機軸を打ち出した「逆境の魔女~シークレット・タウン~」見どころコラム
人と人がつながることの温もり
「逆境の魔女~シークレット・タウン~」の舞台はソウル郊外の小さな農村“クンタリ”。アメリカで養子として育ったソン・ボミはある事件に巻き込まれ、養子縁組届に書いてあったクンタリにたどり着く。村人は、事情や風習も知らず立ち入ってくるボミに「よそ者が口出しするな」「いつ村を出るんだ」と冷たく言い放つも、ボミは自身の生い立ちを探るためクンタリにとどまることに。人手不足の農作業を手伝い一緒にご飯を食べて、ひとたび“トッセ”の壁を越えると、もう家族も同然なのが韓国らしいところだ。
長さは7分!圧巻の長回し乱闘シーン
完成したシーンの長さは約7分で、これは長回しで有名な数々の名作映画と同レベル。30分強のドラマの4分の1近い分量をワンテイクで撮り上げたというから、役者も監督もツワモノである。キャラそれぞれの細やかな演技が秀逸なアンサンブルに仕上がっているので、ぜひとも画面でご確認を!
“癒やし系コメディ”と“ドロドロ復讐劇”の共存
出生の秘密・不倫・記憶喪失、果ては殺人まで犯す鉄板愛憎劇を、癒やしと笑いで包み込み次世代ジャンルに昇華させたのは、韓ドラ史上に残る名場面“キムチビンタ”を生んだ朝ドラの名作「みんなキムチ」(2014)のキム・フンドン監督。マクチャンドラマ(非現実的で、あり得ない展開のドラマ)を見尽くしている韓国の視聴者をも「マクチャンすぎる!」と驚嘆させた「愛してたみたい~すべてを奪われた女~」(2012)のパク・シウンを再びヒロインにキャスティングした。ボミの心の支えとなるスホ役のキム・ホジンと、継母スンジャ役のイ・ボヒもキム・ドンフン演出の経験者=「みんなキムチ」ファミリーというわけで、マクチャンドラマ・ファンの渇望を満たすこと間違いナシ!
親とは何か…散りばめられたメッセージ性
劇中、養子として育ったボミは、認知症の祖父と暮らすダスン・ダシク姉弟の母親代わりになっていく。実はボミ役のパク・シウンは夫である俳優チン・テヒョンと共にクリスチャンで、児童養護施設でのボランティアやチャリティー活動に熱心な韓国芸能界きってのおしどり夫婦として有名である。本作が韓国で放送中だった2019年秋、チン・テヒョン&パク・シウン夫婦は、施設での活動で交流を深めてきた大学生を養子に迎えたことをSNSで発表。正式に娘となったセヨンさんは、以前からSNSで“心でつながった家族”と紹介されていた子だった。“養子・継母との葛藤・育児放棄・育ての親”といったシチュエーションで女優パク・シウンが魂から紡ぎ出し、“逆境の魔女”へと変貌していく演技に胸を締めつけられる。
見る人を毎日元気にさせた主題歌「クンタリシャバラ」
韓国経済が順調だった1996年の翌年、IMF経済危機が起こり、韓国は倒産・失業による貧富格差の拡大と雇用不安に直面した。そんな背景もあり、「クンタリシャバラ」は元気を与えてくれる国民的応援ソングとして愛され続けているのだ。
人と触れ合う暮らしがいかに温かいものだったのかを世界中の誰もが実感している昨今、逆境にあるボミとクンタリの村人たちの密接な距離感は心底羨ましく、また懐かしい気持ちにさせてくれる。ジャンルを超越した癒やしの復讐エンタメ「逆境の魔女~シークレット・タウン~」でスッキリ爽やかな毎日を!
文:山岸由佳(「逆境の魔女~シークレット・タウン~」字幕共訳者/韓国在住)
■レンタル情報
「逆境の魔女~シークレット・タウン~」
・本日レンタル開始 Vol.1~Vol.5
GNBR-6921~GNBR-6925、第1話~第14話/本編約465分
・2020年7月3日(金)Vol.6~Vol.11
GNBR-6926~GNBR-6931、第15話~第31話/本編約595分
・2020年8月5日(水)Vol.12~Vol.17
GNBR-6932~GNBR-6937、第32話~第48話/本編約595分
・2020年9月2日(水)Vol.18~Vol.23
GNBR-6938~GNBR-6943、第49話~第64話/本編約560分
・2020年10月2日(金)Vol.24~Vol.29
GNBR-6944~GNBR-6949、第65話~第80話/本編約560分
・2020年11月6日(金)Vol.30~Vol.36
GNBR-6950~GNBR-6956、第81話~第99話/本編約665分
<仕様>
16:9 LB HDサイズ/カラー/音声:韓国語2chステレオ(ドルビーデジダル)/字幕:日本語/片面1層
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
(C)2019 MBC
※商品デザイン/組枚数/仕様は変更になる可能性がございます。
原題:みんなクンタリ/製作:2019 年/韓国/韓国放送:2019年7月16日~11月29日/MBC 毎日朝ドラマ
※U-NEXTにて2020年6月17日(水)より独占先行配信開始
■関連サイト
公式サイト:https://kandera.jp/sp/gyakkyo/
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- Kstyle編集部
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