「26年」ペ・スビン“結局、トラウマに関する物語だ”
ペ・スビン「26年」の内容があまりにも大変だったら、キム・ジュアン(ペ・スビン)を追ってください
クラウドファンディングを通じて人々が映画のために制作費を投資してくれる姿を見て、ペ・スビンはこの映画の成功を感じたという。そこで、制作時に難しいことを経験してもあまり心配しなかったという。5万ウォンあるいは29万ウォン(約2万円)を出した市民の人々が、映画「26年」を守りあげたためだ。マスコミ試写会当時、こみあがった感情をコントロールした彼。本格的な広報活動もそろそろ終わる段階である。公開3週目、映画は観客動員数200万人を突破する所だった。共に出演した俳優たちが「26年」に対する思いを明かし、その意味を振り返った時、ペ・スビンは面白みを強調した。
「先入観や意図があると思われたかも知れませんね!まず、これはアクション・ブロックバスター映画です。だから撮影時も楽しかったです。良い俳優とともに演じていると思いました。イ・ギョンヨン先輩とは初作業ですけど『南営洞1985』では嫌味を感じるほど、とても演技のうまい方でした(笑) 本当にドラマチックに変わる俳優です。先輩とエネルギーの対決をするような感じがして面白かったです。まずは映画としての面白さが大事でした。そして、その中に我々が考えるべきものを投げるのです。とにかく現実は事実だから、そこでもっと胸を痛めるわけです。事実に基づいているので」
「26年」の客観性はキム・ジュアンの役目だった
ペ・スビンが演じたキム・ジュアンというキャラクターは、映画の中で一番真面目で感情的な動揺のない人物だ。光州(クァンジュ)民主化運動当時、鎮圧軍出身のキム・ガプセ(イ・ギョンヨン)の秘書室長で“あの人”を断罪する作戦を練るキャラクターなのだ。だが、何かが物足りなく見えるのも事実だ。映画ではキム・ジュアンがどのような理由から躊躇せずプロジェクトに参加したのか、十分に説明されていない。「他の3人のキャラクターが強いほうでした。クァク・ジンべ(チン・グ)、シム・ミジン(ハン・へジン)、クォン・ジョンヒョク(2AM スロン)のストーリーは強烈ですね。彼らのストーリーを辿っていくのも大変なのに、キム・ジュアンまでそうだったら、この事件を客観的に見るのが難しかったかもしれないと思いませんか。僕の意見としては、先立ってキム・ジュアンのストーリーが公開されなかったので、事件を客観的な視線で見ることができたと思います」
「キム・ジュアンの痛みのストーリーが公開されてはいないが、彼が一気に怨みを表現すると真実性が伝わるのではと思いました。最後まで感情を制御しようとしました。観客には『キム・ジュアンにも何かあるんだけど、それが何か』と好奇心が沸かせるようにするのが目標でした」
キム・ジュアンと「26年」のキャラクターに対してトラウマを言及した彼は「行動心理学に関心がある」と話し、映画に登場するキャラクターを分析した。
「人々がなぜある行動をするのか、いつも感心を持っています。俳優なら誰でもそうではありませんか。人を動かす原因があるけれど、それが実はトラウマです。それによって性格が分かれます。映画の中でクォン・ジョンヒョクは迷い続けるキャラクターです。クァク・ジンベは現実に最も積極的に立ち向かう炎のようなキャラクターです。シム・ミジンは怨みを胸に刻み付けていて、静かに一気に晴らす人物です。結局、彼らの行動は怨みからのものでした。“あの人”を殺そうとするエネルギーは過去の怨みから出たものですから」
「キム・ジュアンも客観性を維持しようとするが、怨みから抜け出すことはできません。元々、映画の最後の部分でキム・ジュアンが『僕は本当によく生きていきたかったけど』と話すシーンがありました。映画の流れからそのシーンを削除したけど、まさにそれがキム・ジュアンだったようです。誰よりもうまく生きていきたかったのに、変わらない現実に隔たりを感じて行動する人物でした」
「26年」と「マイ・ラティマ」を通じて“ダンディなイメージは忘れてくださいね!”
怨みを刻み付けているとはいっても、とにかくキム・ジュアンは格好いい人物だ。実際、ペ・スビンのファンたちは彼のダンディなイメージをとても愛している。ドラマや映画をするときもダンディなイメージに近いときに最も多く愛された。これに対してペ・スビンは「日ごろはあまりおしゃれじゃないけれど……」と笑った。実際の暮らしでは素朴な感じだというので、参考にしよう。彼もスーツよりはトレーニングウェアを愛しているという。
映画「26年」で今年を締めくくったペ・スビンは、「マイ・ラティマ」の公開を控えている。俳優ユ・ジテが演出したこの映画は、既に釜山(プサン)国際映画祭で公開され、好評を受けた。ペ・スビンは「ダンディなイメージを忘れるためにはこの作品を見てください」と笑いながら話した。
「マイ・ラティマ」は来年頭に公開される予定だ。これまで休まず走ってきた彼は「まもなく旅行に行くつもりだ」とし、「しばらく休憩する時間を持つまで『26年』の広報に力を入れる」と話した。
「1980年5月18日に光州(クァンジュ)で起きた民主化運動は、大学生時代によくあったデモみたいなものかなと思っていました。映画に参加してから、この時期まで至っている韓国の近代史を探る中、当時の状況を知るようになりました。実は『26年』は断罪を叫び出すよりは、覚えておきましょうとメッセージを含んだ映画です。そして、二度と繰り返さないようにしましょうというものです。誰かが主張するからといって皆参加するわけではないけれど、多く接していくうちに認識が生まれるものだと信じています」
「映画に参加することになったのも、僕の常識のレベルとのことでした。決定する時に難しさもなかったし、気持ちよかったですね。気持ちいいということは何か意味あることをしているからではないでしょうか。そこで、この映画への出演を決めたのは、本当によいことだと思います。1万5千人の投資家もそのような思いのはずです。それだけに、もっと多くの方々に見てほしいです」
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- イ・ソンピル
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