「ゆれながら咲く花」クァク・ジョンウク“思いやりと愛でオ・ジョンホも人間らしくなった”
「学校は子どもたちが変わる過程を見せる場所」
クァク・ジョンウク、いやオ・ジョンホと顔を合わせていると、すぐこんなことを言わなければならない気がした。「ジョンホ、学校にはなぜ来なかったのか? お父さんを連れてきなさい」と。しかし、世界で一番悪い表情で睨むオ・ジョンホがいるべきところに、正しい姿勢で微笑んだまま質問に耳を傾けるクァク・ジョンウクがいた。KBS 2TV「ゆれながら咲く花」の最終回が放送された28日の翌日、スンリ高校2年2組の一番の問題児だったオ・ジョンホ役のクァク・ジョンウク(24)に会った。オ・ジョンホ特有のアフロヘアを端正に整えた彼は「髪にうんざりしたので、すぐに変えました」と笑った。
友だちを殴り、担任のチョン・インジェ(チャン・ナラ)の手首をひねるという統制不可能なオ・ジョンホの姿がまだ記憶に新しい今、礼儀正しくドアも開けてくれるクァク・ジョンウクに対して何だか違和感があった。初登場から制服を着てタバコをくわえていたオ・ジョンホとは違って、喫煙者ではないクァク・ジョンウクは、撮影の合間に“タバコタイム”(役は学生だが、役者は成人たち)の時にぼーっと立っていたという制作陣の話を思い出した。
「ゆれながら咲く花」の最終回の最後のシーン、冬休みが始まり、空っぽの教室でチョン・インジェはオ・ジョンホを待っていた。「学校を辞める」と数日間欠席しているオ・ジョンホが終礼が終わる前までに来れば、3年に進級することができるためだ。結局オ・ジョンホは姿を現さなかったが、以前として彼を待っている教師たちの表情は妙に明るかった。
「ジョンホ、こいつは何でこんなことを?俳優としても気になった」
―それでオ・ジョンホは終礼に行きましたか?行かなかったんですか?クァク・ジョンウク:個人的にジョンホは……行けなかったと思います。その教室に現れる勇気がなかったと思います。行ったとしても、先生のところだけ行ったんじゃないでしょうか。まだそれくらいプライドが重要な子ですから。
―最初にオ・ジョンホ役のオファーを受けた時はリスクがあると思ったのではないですか。校内暴力の加害者ですから、CMも入らないと思いますし。
クァク・ジョンウク:キャラクターそのものが弱くて、CMはそもそも念頭にありませんでした。しかし、ジョンホが携帯をいじるシーンが多くて、『この調子なら携帯のCMが入るんじゃないか』と思いましたが、やっぱり入らないですね(笑)
初めのころまでは唯一の悪役でプレッシャーがあったのは事実です。最初の登場から友だちを殴ってタバコを吸う役だったので、脚本家の方にこの子は何でこんなことをするんですかと聞きました。この子がこのようになったのには、理由がなくはないだろうと思いました。そして、そんな中で2年生まで我慢していたのにも、はっきりとした理由があったはずですし、本当に悪い子だったら、すでに退学になっていたでしょう。
―終わったらその意味が分かりそうですか?
クァク・ジョンウク:ジョンホが学校に行く理由は父親だと思います。あんなに父親に殴られて大変な思いをしながらも、結局背負わなければならない理由でしたから。最後には「父が怪我をして金を稼がなければならない」と学校を辞める決心をしますが、結局仕事に就いて父親と一緒に住みたかったので高校卒業の意志があったのです。
そんな状況であるため、ジョンホは友だちのイ・ジフン(イ・ジフン)が職業学校に行くのを嫌っていました。ジフンのように職業学校に行きたいけど、家庭の事情でそれはできないし、そうなると遠くなり離れそうなのでさらに強く出るのです。コ・ナムスン(イ・ジョンソク)とパク・フンス(キム・ウビン)の間のトラウマと似たようなものだと思います。ナムスンもサッカー選手になろうとするフンスが離れるのではないかと心配していたように。
「リュ・スンボム先輩の演技を参考……ヤクザよりはチンピラ」
写真=(有)学校文化産業専門会社
クァク・ジョンウクがオ・ジョンホ役を取るためにオーディションでパスすべき台詞は「おい、タバコあるか」の一言だった。イ・ミンホン監督は「僕が退社するまでにきちんとしたキャラクターが出来上がらないと一緒にできない」と脅したという。クァク・ジョンウクは、午前11時から夜9時までその台詞だけを根気強く練習し、そこから発生したストレスのおかげで、いらだたしさいっぱいのオ・ジョンホのキャラクターに合格できたという。―最初はオ・ジョンホ役をするには弱く見えるという評価を受けたそうですね。だんだんきつくなれた秘訣は?
クァク・ジョンウク:思ってもいなかった役に困惑して迷いました。それで初めに僕が演じたジョンホは少し優しく映っています。監督に『あなたに与えられたチャンスが無くなるかもしれない』と言われても、勘が掴めなかったんです。ジョンホがぶつかるジョンソクさんとウビンさんは僕より図体が大きいじゃないですか。この子が小さいけど強い理由を探さなければなりませんでした。
どうすれば制圧できるかを考えながらリュ・スンボム先輩の演技を参考にしました。ヤクザではなくチンピラだと思いました。第3~4話でジョンホがナムスンにものすごく殴られるシーンがありました。殴られる回数と強さから見て、植物人間になるはずですが、次の日堂々と学校に出てまたつっかかります。それを見ながらジョンホの武器は根性と簡単には折れないプライドだと思いました。
―最終話でカン・セチャン(チェ・ダニエル)先生に「学校は行かなくても悪い生き方はしない」と言いながら初めて涙を流しました。それまで毒気づいていたオ・ジョンホも少しずつ変わったことについて自らも実感しましたか?
クァク・ジョンウク:どうしても変化する過程が一番目に見えるキャラクターでした。すでに設定上に変化が予定されてもいますし。家庭問題などで大変な思いをしながら完成されたキャラクターが第1話のジョンホでしたから、いつでも変化する可能性が無限に開いていたと思いました。もちろん、ジョンホが許せるプライドのラインについては十分に変わったと思います。
変わるべきだと思いましたし、変わると思いました。元々愛情が足りない子だったじゃないですか。愛と思いやりを与え続けると、この子もそろそろ“人間”になっていくと思いました。プライドをことができませんでしたが、徐々に変わっていく姿を見せました。
ジョンホが表では不良で事件事故を起こしてばかりですが、結局は変わることができる点で、すべての学生が同じだと思います。そして、学生が変わっていく過程を見せてくれる場所が学校だと思いました。人間を作って教える場所です。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- イ・ヒョンジン
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