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Vol.2 ― 「サウスバウンド/南へ走れ」ハン・イェリ“イ・ジェフンは成功例、私はこれからがスタート!”

oh!my star

独立映画のスターハン・イェリ「今はフィールドに出てボールを蹴る時」

「Giraffe&Africa」の大胆で純粋だった女子高生は、それから独立映画(配給会社を通さず、制作者が直接映画館に売り込む映画)で様々なキャラクターに進化してきた。韓国の伝統舞踊を専攻したハン・イェリは、偶然のチャンスで演技に出会い、いつの間にか商業映画二本に出演した女優になっていた。

「サウスバウンド/南へ走れ」を通じて大衆にとって馴染みのある女優として成長しつつあるハン・イェリだが、本人は「まだスタートしたばかりだと思います」と静かに話した。演技のキャリアだけで言うと6年とも言えるが、毎回初めてのようであるとハン・イェリは落ち着いた声で話を続けた。

「まず『ハナ~奇跡の46日間~』の撮影の時は、気が気でなかったので分からなかったです。商業映画であることを明らかに感じた瞬間は、むしろ広報活動をしてインタビューを行う時でした。自分も知らない間に緊張していて、ストレスを受けていました。『これは大変なことなんだ』『俳優が映画を責任を持ってするのって、簡単ではないんだ』と感じました。

映画は一本ごとに長期に及びます。一本の映画を撮影して公開されるまで、1年はかかりますから。そのため、毎回新しい気持ちになります。だから、演技のキャリアが6年目というよりは、これで2年になったと言ったほうがふさわしいと思います。商業映画をする前までは自分で楽しく学芸会のようにやっていたとするなら、今はフィールドに出てボールを蹴らなければならない選手になったのです。誰かにとってお金になる女優になり始めたのが、昨年からではないかと思います」

写真=映画会社コミ

独立映画と商業映画のバランス、イ・ジェフンは成功例!

ハン・イェリは女優として明白な考えを持っていた。これから商業映画で顔を知らせ続けていく過程の中にいながらも、独立映画に対してもおろそかにしてはいなかった。「サウスバウンド/南へ走れ」以降、今年公開する「同窓生」「ザ・スパイ シークレット・ライズ」「幻想の中の君」のうち、最後の映画のカテゴリーが独立映画に分類されるためだ。女優としての認知度を上げるためにドラマに出演するかどうかも気になった

「台本が良ければドラマもやってみたい思いは当然あります。でも、良い役柄でないならば闇雲にやってはいけないという思いも強いです。映画よりダイレクトに視聴者に接することになるので、より気をつけて、慎重にならなければと思います」

少し話を横道にそらしてみることにした。同じ事務所のイ・ジェフンについて聞いてみた。ハン・イェリとイ・ジェフンは同い年(数え年で30歳)の俳優で、独立映画から着実に段階を踏んで上がっているという共通点も持っている。

「近況は時々聞いています。ジェフンの映画(『パパロッティ』『怒りの倫理学』)も間もなく公開しますから。ジェフンがいなくて残念ではありますが、彼にとって今の時期が必要だと思います。静かに休息を取った後、さらに良い姿で出て来てくれますから。軍隊という通常でない経験なので、演技の幅を広げることもできますし。

私は常にジェフンを支える人でありたいですし、良い演技仲間としてお互いに応援し合いたいです。のちに同じ作品で出会って、多くの方々に感動も与えたいですし。でも、私はジェフンに追いつけなさそうです。ファンの反応が、爆発的じゃないですか!(笑)」


舞踊と演技の間隙?「舞踊は一生やるつもり!」

前にも触れたが、ハン・イェリは演技よりは舞踊のキャリアのほうが長い。子供の頃から始めて、大学での専攻も韓国舞踊だ。これまで演技しながら時間を割いて公演もしてきたので、今後の歩みが気になった。

「舞踊は、一生やりたいと思っています。ステージだけにこだわる必要はないと思います。いつからか、ダンスが好きで始めたので、自分のために踊るのも良い方法だと思います。もちろん、多くの方にダンスを披露すると嬉しいですが、個人的には踊りながらとても癒されてエネルギーも得ることができます。舞踊をやめる考えはまったくありません。『幻想の中の君』を撮影する時も、公演の準備をしていましたし、舞踊祭にも出ていました」

落ち着いて明瞭に考えを整理しているハン・イェリも、いつの間にか30歳が目の前にきている。童顔に似合わない“3”という数字。普通の女優にとっては30という歳が負担に感じられたりもする。

「心はまだ21歳ですけど?(笑) 20歳の時漠然と、早く30歳になりたいと思ったりしました。『うまく歳をとろう。充実させなければ』と思っていた頃でした。歳をとるほど明確になる部分があります。冒険をすることは減るかもしれませんが、明確になる部分に集中できる、そうすべき時期だと思います。

20代が物理的に大変な時期だったなら、それ以降は精神的に頑張らなければならないと思います。今後の30代に期待していますし、その時期をうまく生きて初めて、私の40代を誰かに期待してもらうことができると思います」

そういう意味でハン・イェリは、自分自身に“幸せ”についての質問をしばしば投げる。この世に生まれて来たなら、幸せに生きなければならないというのがハン・イェリの人生観だった。しかし、毎日一瞬一瞬が幸せになるはずはない。本人もそれについてはよく認識していた。

「一瞬一瞬、いつも幸せになることはできません。しかし、生きているそれ自体が幸せで、感謝することができると思います。幸せというのは、何か条件が必要なわけではなく、自らが平穏な状態であることだと思います。幸せというのは実は不確かなもので、これだと特定して言うことはできないじゃないですか。幸せというのは、もともと不確かなものなのでしょう。だから皆幸せを追っていくのだと思います。

誰かに『幸せ?』と聞かれたら、私は『うん』と答えるほうです。実際、基準を下げると幸せになるんです。幸せの基準が違うだけでしょう。映画『サウスバウンド/南へ走れ』も、それを語っているのだと思います。他人が持っているものを義務的に追うのではなく、皆が違うと言っても自分が正しい時もあるので、自分が間違っていると考えるとだめなんです。『自分を否定すること、それはつまり自分の幸せを裏切ること』、私は映画からこのことを感じました。だからこの映画が好きです!」
元記事配信日時 : 
記者 : 
イ・ジョンミン、イ・ソンピル、写真 : イ・ジョンミン
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