「ジャンゴ 繋がれざる者」レオナルド・ディカプリオ“悪役を演じ、奴隷制度の惨状を知らせたかった”
写真=イ・ジョンミン
お兄さんが韓国にやってきた。フレッシュだった10代を経て、20代にたくさんの女性ファンをときめかせたレオナルド・ディカプリオは、30代になってより一層成熟した印象を与えた。彼の眼差しには深みがあり、口調からは自信を感じ取るとこができ、初めて訪れた韓国への好奇心も見せた。7日午後、ソウル江南(カンナム)区駅三洞(ヨクサムドン)にあるザ・リッツ・カールトンホテルで、俳優レオナルド・ディカプリオの記者会見が行われた。レオナルド・ディカプリオは、映画「ジャンゴ 繋がれざる者」(監督:クエンティン・タランティーノ)のプロモーションのために韓国を訪れた。
「韓国に着いて、まだホテルの外に出られずにいる」と残念な気持ちを表現したレオナルド・ディカプリオは、「韓国の人々がとても親切だということをよく知っている。そんな韓国で、僕の映画を紹介することができてすごく嬉しい。たくさんの方々に映画を好きになってもらいたい」と語り始めた。
「ジャンゴ 繋がれざる者」は、医者であるキング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)の助けを借りて自由を手にした奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)が、妻のブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)に再会するため、農場主カルヴィン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)に立ち向かう話を描いた映画である。「レザボアドッグス」「キル・ビル」などを演出したクエンティン・タランティーノ監督がメガホンを取った。
クエンティン・タランティーノでなければ、作れなかった映画
劇中でレオナルド・ディカプリオが演じたカルヴィン・キャンディは、悪辣な農場主だ。1850年代、アメリカ南部の現実がそうだったように、黒人奴隷を売買し、奴隷を自分の所有物だと思っている。レオナルド・ディカプリオは、「人種差別が激しかったアメリカ南部が、どれだけ倫理的に腐敗していたのかを描いた映画だった」と説明し、「クエンティン・タランティーノと一緒に働いたのは、とても良い機会だった。彼は、映画の限界を押し通す監督だ」と話した。「事実でないことは一つもない。むしろ、(奴隷制度の)現実はより凄惨だったと知っている。当時の状況を再解釈する過程で、『ジャンゴ 繋がれざる者』には多様なジャンルが混合された。スパゲッティ・ウェスタンと童話のような話まで盛り込まれ、クエンティン・タランティーノのような監督でなければ作れなかったと思う」
サミュエル・L・ジャクソンやジェイミー・フォックスなどの黒人俳優は、撮影中レオナルド・ディカプリオに支持を送り続けたという。レオナルド・ディカプリオは、「最初は、撮影現場でとても迷ったが、二人が『徹底的にやっていかないと当時の惨状を知らせることができない』と話してくれた」と言い、「二人の応援のおかげで、難しいテーマを扱ったキャラクターを演じることができたし、これまで試みたことのない演技をすることができた」と感謝の気持ちを表した。
レオナルド・ディカプリオが「ジャンゴ 繋がれざる者」で一番気に入ったシーンは、自宅の食堂でジャンゴ、キング・シュルツらと出会うシーンだ。彼はこのシーンに対し、「人物間の素敵な力学関係がよく表現されたシーン」と説明し、「このシーンを、韓国のたくさんの観客の皆さんにも見てもらいたい」と希望を語った。引き続き彼は、「奴隷であるジャンゴとバウンティハンター(賞金稼ぎ)、キング・シュルツの関係も気に入ると思う」と付け加えた。
マーティン・スコセッシ vs クエンティン・タランティーノ
レオナルド・ディカプリオは俳優であるが、映画会社(Appian Way Productions)の代表でもある。この映画会社で制作した2本の映画「アビエイター」「ザ・ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」は、全てマーティン・スコセッシ監督が演出した。着実に息を合わせるマーティン・スコセッシ監督に対し、レオナルド・ディカプリオは、「大変光栄だ。マーティン・スコセッシ監督は、映画史を知り尽くしている人物」と評した。また、レオナルド・ディカプリオは、「ジャンゴ 繋がれざる者」で一緒に作業したクエンティン・タランティーノ監督に対し、「ビデオ屋の店員として働いた経験があるからか、B級映画にとても詳しい。何より世界中の観客とどのようにコミュニケーションすればいいのかを知っている」と語った。また、レオナルド・ディカプリオは、「二人の監督は、映画の大切さをよく知っていて、アメリカが誇る偉大な監督だ。コインの両面のような存在である」と絶賛した。
「ハリウッドのスタジオシステムでは、僕が演じられるキャラクターが限られているが、今は、直接制作会社を立ち上げ、様々な役を演じることができるようになった。まるで宝くじに当たった気分だが、最近、僕が出演した映画には、“富を探しにいく人物”という共通点がある。「華麗なるギャツビー」「ジャンゴ 繋がれざる者」「ザ・ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」もそうだ。僕はとても運がいいと思う。僕がやりたいと思う映画をすることができるからだ」
レオナルド・ディカプリオは、映画を選ぶ基準について、「僕が希望することは、世界中の人が共感できる映画を撮ることだ。それが僕の潜在意識の中にあるようだ。今の経済危機を見たとき、富と関連した映画を撮ったことも僕の潜在意識が一定の役割をしたのではないかと思う」と付け加えた。
レオナルド・ディカプリオは、7日午後6時30分、ソウル・永登浦(ヨンドゥンポ)にあるTIMES SQUAREでレッドカーペット・イベント行い、韓国のファンたちと出会った。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- イ・ジョンミン、イ・オンヒョク
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