「蒼のピアニスト」チェ・シラ“激しい感情表現の中にも品位を保って、と監督から要望がありました”
韓国を代表するトップ女優チェ・シラが、6年ぶりに現代劇出演作となったドラマ「蒼のピアニスト」。本作では、韓国の大手楽器メーカー・プソングループ会長夫人として実の息子イナ(チ・チャンウク) を成功に導くため、夫の愛人の息子ジホ(チュ・ジフン) にあらゆる謀略を仕掛ける母=悪女を演じた。圧倒的な存在感と美しさで視聴者を魅了し続けるチェ・シラに話を聞いた。
―「蒼のピアニスト」の出演を決めた具体的な理由を教えてください。チェ・シラ:実は「インス大妃」の撮影が終わって少し休むつもりだったのですが、「インス大妃」が終わる一ヶ月ほど前に「ぜひチェ・シラさんと一緒にやりたい」とチェ・ヨンフン監督から積極的なオファーをいただきました。「蒼のピアニスト」のキャラクターは、どちらかといえば、きつい女性ですが現代劇という点に惹かれました。「千秋大后(チョンチュテフ)」「インス大妃」と時代劇が続いたので、洗練された姿で現代劇に出演して、ガラッと変わった私を見せたいと思っていた……そんな願望を満足させてくれる役でした。財閥一家に嫁いで、のちに会長となり会社を率いる立場になります。華麗で洗練された衣装で頭から足の先まで、ガラッと変身とできます。その外見に魅力を感じたんです。役柄については俳優なので何でもやります。「インス大妃」で演じた女主人公も鋼鉄の女でしたが、今回も同様に強靭な女性なんです。ヨンランは洗練された外見から分かるように、一筋縄ではいかないキャラクターです。女性として母親としてさまざまな顔を見せます。両極端を行き来する役なので出演を決めました。
―2人の息子とのシーンが多いですよね。相手役ではありませんが若い俳優と共演する気分はいかがですか?
チェ・シラ:楽しいですよ。和気あいあいとやっています。深刻なシーンが多くて、ふざける状況ではないけど、撮影の合間におしゃべりしています。楽しく笑いながら、いいムードで仕事ができています。2人とも違った魅力で優しくてステキです。
―ヨンランという役柄についてシノプシスで読んだ時、どんな第一印象でしたか?
チェ・シラ:第1話から第4話までは、息子のために夫や姑からどんな侮辱を受けても、ひたすら耐えています。夫が外で生ませた長男も大事にする……この上なく優しい母親像が描かれます。それなのに夫が全財産を長男に譲ると言った瞬間、ヨンランは豹変するんです。その豹変するところが私は気に入りました。とても魅力的な女性なんです。何とも言えない魅力。全財産を奪われまいと自分の子を庇護するんです。ここまでやるのかと思うくらい極端な行動をとります。一度線を越えると、息子に対する過保護がエスカレートします。でも それは人の常ですね。結局は暴走して行くところまで行く……そんな状況が展開します。
―チュ・ジフンさん、チ・チャンウクさんと初めて会った時の印象や共演してみた印象は?
チェ・シラ:ドラマの設定がシリアスなので、イナは暗い感じの役柄です。幼い頃のジホは田舎育ちで天真爛漫な子でした。それが青年になって争いに巻き込まれます。2人ともシリアスな役だけど、実際の性格は、明るいです。ジホは冗談をよく言うし、イナは わんぱく坊主みたい。最初は生真面目かと思ったけど気楽なタイプでしたね。共演者として助かっています。
―撮影の合間の休憩時間に話しかけたりしましたか?
チェ・シラ:私たちは、会うと挨拶代わりにまずハグをするんです。食事したのか聞いたり体調について確認したり……いろいろ話します。最初、2人は私のことを“先輩”と呼んでいたのですが、ある時から“お母さん”になったんです。「お姉さんと呼んで」と言ったけど、母親役だからか“お母さん”が呼びやすいみたい。制作発表会の時、遠くから小さな声で“お姉さん”と呼んでくれたらしいですが、撮影後にはそう呼んでくれると期待しています。私も「イナ」「ジホ」と呼びました。あえて役名にするんです。自分の息子だと体にしみ込ませるためにもね。
―ヨンランをこんな悪女で演じてほしいとなど、監督から特別な要望はありましたか?演技に関する話し合いはされましたか?
チェ・シラ:ええ、話し合いました。監督から私に要望もありました。最終的には行くところまで行くわけだし、感情表現もかなり激しいものになります。それでも私らしい品位を守ってほしいと、監督に要求されました。俳優には それぞれ個性があり、長所がありますよね。演じる者によって悪役がより憎らしく見えることもあれば、共感されることも哀れに思われることもあります。監督は私の持っている長所をヨンランの人物像に生かしてほしいと言ったんです。そんな話をしました。今もその要求は変わりません。私もヨンランは無条件で悪いと思いません。置かれた状況のせいです。周りの人たちや状況によって追い詰められてこうなったと念頭において演じています。そこがポイントです。
―ヨンランのどこに注目して見てもらいたいですか?
チェ・シラ:親は子供のためなら何も恐れず、命さえも投げ出せます。ヨンランもそんな母親だと思って見れば、彼女の行動を十分理解できるでしょう。やり過ぎとは思っても納得できるはず、そんな気がしています。私のファッションにも注目してほしいです。髪形 、メイク、口紅の色、アクセサリー、バッグなどです。ドラマをご覧になる日本の主婦をはじめ、女性の皆さんに関心を持ってほしいです。魅力を感じていただけると信じています。
―息子2人の演技の見どころを教えてください。
チェ・シラ:2人とも感情表現が上手なんです。ジホもイナも自然な感じで涙を流していました。まず長男ジホは、独特なムードがあります。だから雰囲気のあるシーンを演じる時に、いい味を出します。イナの場合は今まで善良な役ばかりで悪役が初めてでした。彼は目が大きいんです。反対にジホは目が細いでしょ。イナがその大きな瞳で涙をこぼすんです。何て言うか、ジホが流す涙とまた違う感じがしました。叫んでセリフを言う演技も魅力的です。
―このドラマの魅力とは?
チェ・シラ:このドラマは映像がとても美しいんです。最高の撮影監督と照明スタッフ、ユーモラスな演出家までいて現場のムードもいい。1話から4話の映像を見るとまるで映画です。それ以降の映像でも出演者が美しく映っています。すごくムードを感じさせるし映像全体のツヤも高級感があって、映像美にあふれています。出演者も個性的な面々です。共演者の1人チャ・ファヨンさん(ヨンランの継母役) には、独特の優雅さがあります。どんなセリフを言っても、決して品位を失いません。出演者それぞれの個性がうまく表現されています。それから、ストーリー展開が早いので飽きることがありません。魅力にあふれたドラマです。
―最後に日本の視聴者にメッセージをお願いします。
チェ・シラ:「蒼のピアニスト」は運命の皮肉に翻弄される天才ピアニストたちと、彼らをめぐる恋模様 、そして残酷な母性を描いたドラマです。ぜひご覧ください。そして応援してくださいね。
「蒼のピアニスト」DVD情報
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GNBF-3178 本編約約670分 第11話~第20話収録
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(チュ・ジフン、チン・セヨン)、ミュージックビデオ
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<通常特典>12Pブックレット
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2013年9月4日(水)発売
GNBF-3179 本編約660分
<特典映像>メイキング、キャストインタビュー
(チ・チャンウク、チェ・シラ)、ミュージックビデオ
<初回限定特典>サイン&メッセージ入りポートレート(チュ・ジフン、チ・チャンウク)<通常特典>12Pブックレット
各DVD5枚組 ¥17,745(税込)
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2012年 / 韓国SBS 放送 / 全30話 / 原題:다섯손가락
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「蒼のピアニスト」日本語版製作委員会
発売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント / TBS
販売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント
「蒼のピアニスト」DVD公式サイト
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- Kstyle編集部
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