Vol.1 ― 「結婚前夜」ホン・ジヨン監督“結婚は奇跡のようなこと”
恋愛は大人の将来の希望であるのか。恋愛がバラ色の希望であれば、結婚は灰色の現実である。ロマンチックだった恋愛の時期は過ぎ去り、結婚式の一週間前に人生最大の危機が訪れる。突然過去の話を持ち出して婚約破棄を求めたり、第3者が登場し心を揺るがされたり、さらには未来の姑の好みさえも2人の中をひっくり返す。「結婚って本当に難しい」という愚痴にホン・ジヨン(42歳)監督は「元々そんなものです」と観客の肩を叩いてくれる。
デビュー作「キッチン ~3人のレシピ~」(2009)で繊細な演出力を見せてくれたホン監督が自身の得意とするラブストーリーで戻ってきた。韓国で21日に公開された映画「結婚前夜」(制作:SOOFILM)は結婚式を一週間後に控え、マリッジブルー(結婚を控えた人が経験する心理的不安およびストレス)にかかった4組のカップルと1人の男性の物語をホン監督特有の温かい視線と細やかな空間演出で描いた作品だ。「結婚」という現実に愉快な笑いと愛に対する繊細な観察で手がけた細かい心理描写を適度に組み合わせ、綺麗な器に盛り付けられた。
「キッチン ~3人のレシピ~」で印象深いデビューを果たしたホン監督はその後、オムニバス映画「家族シネマ」「怖い話」や短編映画「星型の汚れ」で作品活動を続けてきた。4年ぶりの長編映画復帰をオムニバス映画に決めた彼女は「運命」と話し、特有のさっばりとした笑顔を見せた。
「結婚前夜」は制作会社SOOFILMのミン・ジンス代表が「結婚に関する話をする」という悲壮な覚悟で原案を手がけた。(ちなみに、ミン代表は未婚だ)結婚を一週間後に控えている複雑な気持ちを描こうとしたら、1組のカップルでは足りなかった。そこで、5組のカップルを登場させた。原案の愉快な魅力にハマったホン監督は「結婚前夜」の演出を引き受けることになり、5組のカップルから4組に減らし、さらにキョンス(チュ・ジフン)という人物を加えて現在のシナリオを完成させた。
「一時期、忠武路(チュンムロ:韓国の映画界の代名詞)では“スタッフが大変だと思う映画”として『バトル・オーシャン/海上決戦』と『結婚前夜』が挙げられていました。(一同爆笑) 『バトル・オーシャン/海上決戦』は時代劇だから頷けるとして、ラブコメディの『結婚前夜』が挙げられるとは、どれほど大変だったのか予想できますか?ハハハ。各カップルのシーンが4分の1ずつだからといって、準備過程も4分の1で済むとは言えませんよね。この映画は2ヶ月半で完成させました。事前作業の段階でもう負担がかかりすぎてしまいまして。幸い、結果が良くて誇りに思っています」
「結婚前夜」は結婚式を一週間後に控え、それぞれ悩みに苦しみ挫折し、それを克服していく4組のカップルの物語を描いた作品だ。過去のことで悩むテギュ(キム・ガンウ)&ジュヨン(キム・ヒョジン)、7年も付き合ったカップルの通過儀礼とも言える倦怠期を迎えたウォンチョル(2PM テギョン)&ソミ(イ・ヨニ)とその仲を揺るがすキョンス(チュ・ジフン)、国際結婚カップルのゴンホ(マ・ドンソク)&ビカ(クジャル)、宗教から家柄の問題まで何一つも合わないデボク(イ・ヒジュン)&イラ(コ・ジュニ)まで。
目を丸くするような新しいストーリーも、涙や鼻水がすべて溢れ出るような悲しいラブストーリーでもないが、「結婚前夜」は誰でも一度は経験しそうな物語を通し観客の心や頭に深く響かせる。結婚という現実を前にした4組のカップルが葛藤に耐え、あるいは意外な選択でお互いの愛を確認する過程を通じて、結婚とは、愛とは、人生とは何なのかを考えさせる。
「衣食住と同じくらい重要なのが愛だと思います。私がラブストーリーを好きな理由もそうだからです。人なら誰でも愛するような状況に置かれたいという気持ちがありますよね。夢のような恋愛がしたいという希望も増えています。結婚は思ったよりはるかに多くの努力が必要なことです。4組のカップルに、私の姿が少しずつ入っていますが、特にソミのエピソードがそうなんです(笑) 私が初恋の相手と別れた理由も、映画の監督を続けて行きたかったからです。その時の年齢ではその選択が当たり前のことでしたね」
デビュー作「キッチン ~3人のレシピ~」に続き「家族シネマ」、短編映画「星型の汚れ」、そして「結婚前夜」に至るまで。ホン監督の視線は常に家族と愛、そのどこかにあった。では、実際のホン監督の結婚生活はどのようなものだろうか。「僕の妻のすべて」「世界で一番美しい別れ」のミン・ギュドン監督と夫婦であるホン監督は“人生の価値観が似ているからこそ可能な幸せ”に恵まれているという。
「夫婦で監督なので大変ではないかと質問されることが多いですが、全くそんなことはないですね。逆に可能なことが多いです。私が子供を2人も産んでもまた監督として活動できるのは、ミン監督が夫であるから可能な部分もあります。私たち夫婦にとって人生最大の価値はお金ではありません。ヒットも、『ヒットすれば嬉しいけど、それは運命だ』とお互いに励まします。監督という職業は意志だけでできるものではありません。先読みすることができない職業が監督なのですが、このような不安感をミン監督と一緒に分かち合っています」
デビュー作「キッチン ~3人のレシピ~」(2009)で繊細な演出力を見せてくれたホン監督が自身の得意とするラブストーリーで戻ってきた。韓国で21日に公開された映画「結婚前夜」(制作:SOOFILM)は結婚式を一週間後に控え、マリッジブルー(結婚を控えた人が経験する心理的不安およびストレス)にかかった4組のカップルと1人の男性の物語をホン監督特有の温かい視線と細やかな空間演出で描いた作品だ。「結婚」という現実に愉快な笑いと愛に対する繊細な観察で手がけた細かい心理描写を適度に組み合わせ、綺麗な器に盛り付けられた。
写真=CINUSエンターテインメント
「結婚は奇跡のようなことです。無事に結婚したならば、自らを誇らしく思わないとですね。『なぜ私だけ大変なんだろう』『なぜ私の恋人だけああなんだろう』という考えから抜け出してほしいです。結婚式を控え、大変で神経が敏感になるのは当然だと言いたかったのです。人生で最も重要な二つの選択がありますね。仕事と結婚です。仕事は自分の努力で変えられるものですが、結婚はそうではありません。本当に大事なことです。ほとんどの人が結婚したからといって、みんな簡単に結婚していると思ったらダメですね。結婚を控えている観客の方がいるなら、『あなたの話を思う存分聞いてあげます』『あなただけ大変なのではありません』というメッセージを伝えたいと思いました」「キッチン ~3人のレシピ~」で印象深いデビューを果たしたホン監督はその後、オムニバス映画「家族シネマ」「怖い話」や短編映画「星型の汚れ」で作品活動を続けてきた。4年ぶりの長編映画復帰をオムニバス映画に決めた彼女は「運命」と話し、特有のさっばりとした笑顔を見せた。
「結婚前夜」は制作会社SOOFILMのミン・ジンス代表が「結婚に関する話をする」という悲壮な覚悟で原案を手がけた。(ちなみに、ミン代表は未婚だ)結婚を一週間後に控えている複雑な気持ちを描こうとしたら、1組のカップルでは足りなかった。そこで、5組のカップルを登場させた。原案の愉快な魅力にハマったホン監督は「結婚前夜」の演出を引き受けることになり、5組のカップルから4組に減らし、さらにキョンス(チュ・ジフン)という人物を加えて現在のシナリオを完成させた。
「一時期、忠武路(チュンムロ:韓国の映画界の代名詞)では“スタッフが大変だと思う映画”として『バトル・オーシャン/海上決戦』と『結婚前夜』が挙げられていました。(一同爆笑) 『バトル・オーシャン/海上決戦』は時代劇だから頷けるとして、ラブコメディの『結婚前夜』が挙げられるとは、どれほど大変だったのか予想できますか?ハハハ。各カップルのシーンが4分の1ずつだからといって、準備過程も4分の1で済むとは言えませんよね。この映画は2ヶ月半で完成させました。事前作業の段階でもう負担がかかりすぎてしまいまして。幸い、結果が良くて誇りに思っています」
「結婚前夜」は結婚式を一週間後に控え、それぞれ悩みに苦しみ挫折し、それを克服していく4組のカップルの物語を描いた作品だ。過去のことで悩むテギュ(キム・ガンウ)&ジュヨン(キム・ヒョジン)、7年も付き合ったカップルの通過儀礼とも言える倦怠期を迎えたウォンチョル(2PM テギョン)&ソミ(イ・ヨニ)とその仲を揺るがすキョンス(チュ・ジフン)、国際結婚カップルのゴンホ(マ・ドンソク)&ビカ(クジャル)、宗教から家柄の問題まで何一つも合わないデボク(イ・ヒジュン)&イラ(コ・ジュニ)まで。
目を丸くするような新しいストーリーも、涙や鼻水がすべて溢れ出るような悲しいラブストーリーでもないが、「結婚前夜」は誰でも一度は経験しそうな物語を通し観客の心や頭に深く響かせる。結婚という現実を前にした4組のカップルが葛藤に耐え、あるいは意外な選択でお互いの愛を確認する過程を通じて、結婚とは、愛とは、人生とは何なのかを考えさせる。
「衣食住と同じくらい重要なのが愛だと思います。私がラブストーリーを好きな理由もそうだからです。人なら誰でも愛するような状況に置かれたいという気持ちがありますよね。夢のような恋愛がしたいという希望も増えています。結婚は思ったよりはるかに多くの努力が必要なことです。4組のカップルに、私の姿が少しずつ入っていますが、特にソミのエピソードがそうなんです(笑) 私が初恋の相手と別れた理由も、映画の監督を続けて行きたかったからです。その時の年齢ではその選択が当たり前のことでしたね」
デビュー作「キッチン ~3人のレシピ~」に続き「家族シネマ」、短編映画「星型の汚れ」、そして「結婚前夜」に至るまで。ホン監督の視線は常に家族と愛、そのどこかにあった。では、実際のホン監督の結婚生活はどのようなものだろうか。「僕の妻のすべて」「世界で一番美しい別れ」のミン・ギュドン監督と夫婦であるホン監督は“人生の価値観が似ているからこそ可能な幸せ”に恵まれているという。
「夫婦で監督なので大変ではないかと質問されることが多いですが、全くそんなことはないですね。逆に可能なことが多いです。私が子供を2人も産んでもまた監督として活動できるのは、ミン監督が夫であるから可能な部分もあります。私たち夫婦にとって人生最大の価値はお金ではありません。ヒットも、『ヒットすれば嬉しいけど、それは運命だ』とお互いに励まします。監督という職業は意志だけでできるものではありません。先読みすることができない職業が監督なのですが、このような不安感をミン監督と一緒に分かち合っています」
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- キム・スジョン、写真 : キム・ジェチャン
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