「結婚前夜」イ・ヨニ“突然恋に落ちるのは危険、たやすく恋に落ちることはない”
※この記事には映画「結婚前夜」の結末に関する内容が含まれています。
イ・ヨニ:うーん、楽しい結婚生活かな(笑) ただそんな風に考えた。そして子供がいて、平和な家庭を夢見ていたようだ。現実的にやむを得ない部分もあるはずだけど、そのようなことを上手く切り抜けていかなければならない。“私は諦められない”と考えるより、相手の意見を聞いて一緒に悩み、妥協点を見つけていくんだと思う。
―映画の中では結婚を間近に控えて仕事を辞めることになるが、もし実際に映画の中の状況に置かれたらどうすると思う?
イ・ヨニ:もし結婚することになったら、家庭に集中したい。子供も欲しい。そして、ある程度安定して余裕ができたら、その時にまた演技がしたい。だけど、もし夫が仕事を辞めることを望んだら、悩むと思う。
―子供が好きなようだ。子供の話をする時にひときわ表情が明るい。
イ・ヨニ:子供が好きだ。夫婦2人も良いと思うけど、2人よりも子供がたくさんいた方が良いと思う(笑)
―結婚を考えるにはまだ少し早いが、今回の映画で結婚に対する考え方や関心が変わったと思う。
イ・ヨニ:将来についてもう少し真剣に考えるようになった。それにいつかは結婚するのだから。ある程度女優として目標地点に辿りついた後、真剣に結婚の計画を立てるのも悪くないと思う。とにかく悩み事が増えた。
―結婚とは何だと思う?映画でも4人4色のカップルが登場してなんだかんだと喧嘩しながらもゴールインする。結婚とは男女が出会ってぶつかり合いながらお互いに近付いていくのではないかと思ったりする。
イ・ヨニ:だから私の欠点をよく知っていて、そんな私の未熟なところを補ってくれる人が良いと思う。結婚とは相手が私の未熟な点やミスを理解してくれると言うより、それさえも受け入れてくれる人との出会いだと思う。もちろん責任感も必要だ。結婚とは相手と一緒にするものなので、相手を尊重できる人でなければならない。そういった理由で、自分に余裕がなければ結婚は難しいと思う。
―映画にいろんなカップルが登場するが、その中で一番共感できた部分は?
イ・ヨニ:台詞に共感した。特にデボク(イ・ヒジュン)とイラ(コ・ジュニ)のカップルの台詞で、「これから、お互いのことを知っていけば良いよ」というイ・ヒジュンの台詞がある。女性は不安で、これで良いのかと将来について真剣に考えるけれど、男性は目前に迫ると「知っていけば良い」と簡単に話す。男性と女性はすごく違うと思った。テギュ(キム・ガンウ)とジュヨン(キム・ヒョジン)カップルもとても可愛らしかった。
―今回の映画は近い将来、似たような状況になっても賢く乗り越えられるヒントを教えてくれたと思う。
イ・ヨニ:もしこの人と結婚したいと思ったら、どんな問題が起きても大きく膨らませたくない。いくらでもお互いに譲歩できると思う。
―劇中で運命的な恋に落ちるが、そのような運命的な愛を信じる方なのか? もしかして今までにそのような恋愛を経験したことはあるのか?
イ・ヨニ:ないとは言えない。初めて会ったのに一目惚れしたり、会えば会うほど夢中になるような魅力を持っている人がいる。だけど、急いで決めるよりは、お互いをゆっくり知っていく方が良い。突然恋に落ちるのは危ないと思っているので、たやすく恋に落ちることはないと思う。
―イ・ヨニは実際に7年間の恋愛をしたこともないし、運命的な恋に落ちるタイプでもない。それではソミの感情を理解するのが難しかったと思うが。
イ・ヨニ:シナリオを読んだ時に似ていると思った映画があった。「テイク・ディス・ワルツ」というカナダの映画だ。ヒロインの視線が面白かった。韓国でこのような映画が作れたらいいなと思った時にちょうどソミ役を渡された。だから、自分でもやれると思った。案の定、監督もこの映画を推薦して下さった。
―ソミではなく、他の役で演じてみたいキャラクターはいなかったのか?
イ・ヨニ:それはなかった。一般的な恋愛物語より、彼と私の間に運命的な人が割り込みながら、どっちを選ぶべきなのかと葛藤する、そのように感情を理解して上手く演じてみたかった。
―テギョンは7年間付き合ってきた相手で、チュ・ジフンは運命的に出会った相手だ。映画でも2人に対するソミの態度が違う。実際はどうだったのか?
イ・ヨニ:2人のキャラクターがはっきりと違うので、自然に接し方が変わった。ウォンチョル(テギョン)はソミと7年間恋人関係だが、無口で仕事だけに没頭する人物だ。だからソミは彼にもっと関心を持ってもらいたかったし、愛されたかったようだ。それに、何かを悩んだり、考えていると彼がすぐに分かってしまうので、かえってそのような部分を隠し、もっと愛らしい愛嬌を振舞った。その反面、キョンス(チュ・ジフン)は初対面なのに、まるで以前から知っているように接してくるのでソミはそれにあきれてしまう。その部分は感じるままに自然に演じることができた。
―2人の俳優と初めて呼吸を合わせた。
イ・ヨニ:テギョンは歌手なので、少し違った感じがする。先入観ではなく、どうしても俳優たちと一緒に仕事した時間がそれほど長くないから。それに映画の中での設定は、7年間付き合っている2人だから、それだけ親密な関係であることを表現しなければならなかった。初めての挨拶で「こんにちは」という挨拶を交わす関係ではないと思ったので、会ってすぐタメ口で挨拶した。負担になるかもしれないが、このようにしてでもお互いに距離を縮めていく必要があった。幸いにもテギョンは受け入れてくれたし、同年代だったので面白かった。実際に撮影に入るまでに会話だけでなく、メールのやりとりをたくさん交わした。チュ・ジフン兄さんは監督と一緒に仕事をしたことがあったので慣れていた。監督とのコミュニケーションもよく取れていて、監督が望むことを素早く掴んでいた。映画のエンドクレジットを見ると、「そしてチュ・ジフン」と書かれている。監督と仲が良いので出演することになったが、家族のようだった。そのようなところが羨ましかった。
―テギョンは着実に演技を続けてきたが映画は今回が初めてだ。一緒に演じてみてどうだった?
イ・ヨニ:長所が多かった。それに恐れることもなかった。計算をせずに前だけを向いて進んでいるように思えた。ありのままの姿を見せても良いという自信があったのかはよく分からないが、自信に溢れる姿がとても良かった。心配したのは、彼が忙しすぎるということだった。海外でも活動し、韓国に戻ったらすぐ撮影に臨んで、そうしながら、また違う仕事をしていた。なので、映画に集中できるのかなと心配したが、撮影現場に来ると、現場で感じた通りに演技をしていた。いつも「疲れてない?」「コンディションはどう?」と聞くけど、私よりエネルギーが溢れていた。監督もそのような部分をよく褒めていた。
―ところで、個人的にはチュ・ジフンさんと運命的な恋に落ちたイ・ヨニさんのせいで、テギョンが可哀想だった(笑)
イ・ヨニ:私たちのカップルだけ結末が違う。だから、観客が見た時にお決まりの結末ではないので、面白い要素になったと思う(笑)。
―ホン・ジヨン監督がイ・ヨニさんに要求したことは何?
イ・ヨニ:他のカップルたちはなんだかんだと喧嘩をしてパワフルだ。その反面、私たちは落ち着いた恋愛だ。別の言い方をすれば、一息抜いて見ることができるカップルだが、だからと言ってただテンポが遅くなってはダメだとアドバイスして下さった。そして、2人の男性の関係の中で感情的な部分を表現しようとしたが、監督は違うとおっしゃった。やはり監督の話が合っていた。あるシーンで俳優自身で考えて1カット、監督が考えて1カットを撮影したが、やはり良かったシーンは監督が考えた方だった(笑)
―キャラクターを自分のものにするために監督とたくさん話し合ったと思う。
イ・ヨニ:実は監督と話し合う時間がそれほど多くなかった。一人で悩むタイプでもある。「こう演じてみました」と話したら、その時になって話し合う程度だった。現場が忙しかったという部分もある。でも監督との話し合いで私はただただ未熟だった。監督は経験があって、見つめる視野も広くて、優しく私のことをサポートしてくださった。
―未熟だったという意味は?
イ・ヨニ:会話の仕方にあって、私が考えていることを上手くまとめて話さなければならないのに、ただ思ったことをそのまま口にしたからだ。それにもかかわらず、監督はそれをすべて理解して下さった。後になるにつれて、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。それに女性のことは女性の方がよく知っていると言うではないか。男性監督と撮影する時とは全く違っていた。
―多くの俳優たちが出演している。いわゆるマルチキャスティングだが、現場はさぞ凄かっただろう。
イ・ヨニ:他のカップルたちも登場するので、気にならないわけにはいかない。気になるし。表には出さなかったが、微妙なライバル関係があった。監督が「昨日、撮影したカップルは息ぴったりの演技を披露したよ」と言って競争心に火をつけたこともあった。良い刺激を与えてくださった。
―時には演技力に対する批判を受けたり、時にはそうでない時もあった。本人が考える理由は何だと思うのか。一応、個人的に「結婚前夜」では良い評価を得られる思っている。
イ・ヨニ:演技において消極的に演じた時にそのように評価された。これで良いのかなと疑問を持って演じていると、集中して演技することができない。しきりに理性が演技の邪魔をする。自分で見ても、集中できていなかった。それに映画とドラマはシステムが違う。映画は自分が演じる役を準備することのできる時間的な余裕があり、人物に対して監督と話し合う時間もたくさんあるので、ドラマよりもリラックスした雰囲気で撮影することができる。
―厳しく評価されると少し気後れして、自信を失うことにもなる。そのような時はなかったのか?
イ・ヨニ:少しずつ余裕を持つことができた。それと同時に自信を持てるので、もっと何かを見せることもできるし、私の考えを盛り込んで演じることもできる。だからと言って、余裕を全部取り戻したわけではない。1年1年が経つにつれ、少しずつ余裕が生まれてくる。作品に出演するようになってからは悩みも考え事も多くなる。演技レッスンを受けて、練習もたくさんする。そして年齢を重ねるにつれて同年代の俳優が多くなるので、一緒に作業しているという感じが増してくる。そうするうちに徐々に余裕が出てくる。
―今後どんな作品に挑戦してみたいのか?
イ・ヨニ:体を動かすことが凄く好きである。アクションジャンルも好きだし、ノワールジャンルも好きだ。
―意外だ。イ・ヨニがアクションやノワールとは。想像することができない。
イ・ヨニ:本当にやってみたい。犯罪スリラーやスリラージャンルの映画は女優にほとんどチャンスが回ってこない。もっと年齢を重ねた方が上手く表現できるとも思うが。
―今までそのようなジャンルのシナリオが渡されたと思うが、自分に渡されるシナリオを一つ一つ読んでチェックする方なのか。
イ・ヨニ:(そのようなシナリオがあったのかは)覚えていない(笑) 以前とは違って今はオファーをされなくても、たくさんの作品を読んでみたい。どんな作品が渡されるのか気になる。
―もしかして事務所側がシナリオを渡さないのでは?
イ・ヨニ:(笑) 事務所の方々と私の考えは似ているので、よく判断して私に渡していると思う。
―映画の方により意欲があるようだ。今回も5年ぶりに出演した映画である。
イ・ヨニ:そうだ。映画は監督との親交が重要だと思う(笑) 親交があるからシナリオ読んで、「私のことも考えておいて下さい」と気楽に言える。あまり知らない俳優がそんなことを言うと変だから。今までたくさんの監督と親交を深める機会がそれほど多くなかった。性格自体もすぐ仲良くなるタイプでもないし。だから、たくさん関心を持ってもらえたら良いなと思った。
―チャレンジ精神が芽生えたようだ。
イ・ヨニ:上手くできる役だけを渡されるわけではない。それに、ある作品に夢中になったら、それは上手くできる役ではなく、挑戦したくなる役なのだ。そのような理由で挑戦したくなるようだ。
―久しぶりに映画が公開されるが、どんな結果が待っているのだろう。これまで出演した映画は興行成績だけを見ると、それほど満足できる結果ではないようだ。
イ・ヨニ:私の周りの人々を見ていると、映画を見る人があまりいない。友達も自分たちが見たい映画だけを見ているようだし……だから早く寒くなってほしい。どうしても季節感がある映画だから。もちろん寒くなったらドラマ撮影の時に大変だけど(イ・ヨニは韓国で12月18日から放送されるMBC新水木ドラマ「ミス・コリア」に出演する)。そして、今は多くを期待しない。以前映画に出演した時は(興行成績に)自信があった。でも結果は……(笑) 興行成績というものは誰も結果を知らない。いつ、どの部分に人々が夢中になるのか誰も分からない。
7年間恋愛をして、当たり前のように結婚を決めた。ところが、結婚まであと1週間という時、ある男性と出会った。そして心が揺れた。「この結婚、本当にするべきなのか?」…映画「結婚前夜」でイ・ヨニが演じたソミの状況である。長く付き合った彼氏への感情と見知らぬ男性との運命的な感情の間で揺れるソミの心がスクリーンの中に溶け込んでいた。そしてその中でずば抜けた美貌はより輝いていた。5年ぶりにスクリーンに戻ってきたイ・ヨニ。彼女は明らかに成長していた。
イ・ヨニは実際に7年間の恋愛経験もなく、見知らぬ男性との運命的な恋に落ちるタイプでもない。そして、結婚を考えるにはまだまだ若い。ソミの感情を表現するために様々な努力をした。これまでよりも余裕ができ、挑戦も恐れない。7年間付き合っている2人を演じるために、相手役を演じる2PMのテギョンに初めて会った時からタメ口で話した。テギョンもそのようなイ・ヨニの姿に驚いたほどだ。そして、多くの監督が今回の自分の演技を見て関心を持ってほしいと話すと共に、アクションやスリラージャンルを演じてみたいという意欲を示した。イ・ヨニに会って恋愛と結婚、そして今後の目標を聞いてみた。
イ・ヨニ:うーん、楽しい結婚生活かな(笑) ただそんな風に考えた。そして子供がいて、平和な家庭を夢見ていたようだ。現実的にやむを得ない部分もあるはずだけど、そのようなことを上手く切り抜けていかなければならない。“私は諦められない”と考えるより、相手の意見を聞いて一緒に悩み、妥協点を見つけていくんだと思う。
―映画の中では結婚を間近に控えて仕事を辞めることになるが、もし実際に映画の中の状況に置かれたらどうすると思う?
イ・ヨニ:もし結婚することになったら、家庭に集中したい。子供も欲しい。そして、ある程度安定して余裕ができたら、その時にまた演技がしたい。だけど、もし夫が仕事を辞めることを望んだら、悩むと思う。
―子供が好きなようだ。子供の話をする時にひときわ表情が明るい。
イ・ヨニ:子供が好きだ。夫婦2人も良いと思うけど、2人よりも子供がたくさんいた方が良いと思う(笑)
―結婚を考えるにはまだ少し早いが、今回の映画で結婚に対する考え方や関心が変わったと思う。
イ・ヨニ:将来についてもう少し真剣に考えるようになった。それにいつかは結婚するのだから。ある程度女優として目標地点に辿りついた後、真剣に結婚の計画を立てるのも悪くないと思う。とにかく悩み事が増えた。
―結婚とは何だと思う?映画でも4人4色のカップルが登場してなんだかんだと喧嘩しながらもゴールインする。結婚とは男女が出会ってぶつかり合いながらお互いに近付いていくのではないかと思ったりする。
イ・ヨニ:だから私の欠点をよく知っていて、そんな私の未熟なところを補ってくれる人が良いと思う。結婚とは相手が私の未熟な点やミスを理解してくれると言うより、それさえも受け入れてくれる人との出会いだと思う。もちろん責任感も必要だ。結婚とは相手と一緒にするものなので、相手を尊重できる人でなければならない。そういった理由で、自分に余裕がなければ結婚は難しいと思う。
―映画にいろんなカップルが登場するが、その中で一番共感できた部分は?
イ・ヨニ:台詞に共感した。特にデボク(イ・ヒジュン)とイラ(コ・ジュニ)のカップルの台詞で、「これから、お互いのことを知っていけば良いよ」というイ・ヒジュンの台詞がある。女性は不安で、これで良いのかと将来について真剣に考えるけれど、男性は目前に迫ると「知っていけば良い」と簡単に話す。男性と女性はすごく違うと思った。テギュ(キム・ガンウ)とジュヨン(キム・ヒョジン)カップルもとても可愛らしかった。
―今回の映画は近い将来、似たような状況になっても賢く乗り越えられるヒントを教えてくれたと思う。
イ・ヨニ:もしこの人と結婚したいと思ったら、どんな問題が起きても大きく膨らませたくない。いくらでもお互いに譲歩できると思う。
―劇中で運命的な恋に落ちるが、そのような運命的な愛を信じる方なのか? もしかして今までにそのような恋愛を経験したことはあるのか?
イ・ヨニ:ないとは言えない。初めて会ったのに一目惚れしたり、会えば会うほど夢中になるような魅力を持っている人がいる。だけど、急いで決めるよりは、お互いをゆっくり知っていく方が良い。突然恋に落ちるのは危ないと思っているので、たやすく恋に落ちることはないと思う。
―イ・ヨニは実際に7年間の恋愛をしたこともないし、運命的な恋に落ちるタイプでもない。それではソミの感情を理解するのが難しかったと思うが。
イ・ヨニ:シナリオを読んだ時に似ていると思った映画があった。「テイク・ディス・ワルツ」というカナダの映画だ。ヒロインの視線が面白かった。韓国でこのような映画が作れたらいいなと思った時にちょうどソミ役を渡された。だから、自分でもやれると思った。案の定、監督もこの映画を推薦して下さった。
―ソミではなく、他の役で演じてみたいキャラクターはいなかったのか?
イ・ヨニ:それはなかった。一般的な恋愛物語より、彼と私の間に運命的な人が割り込みながら、どっちを選ぶべきなのかと葛藤する、そのように感情を理解して上手く演じてみたかった。
―テギョンは7年間付き合ってきた相手で、チュ・ジフンは運命的に出会った相手だ。映画でも2人に対するソミの態度が違う。実際はどうだったのか?
イ・ヨニ:2人のキャラクターがはっきりと違うので、自然に接し方が変わった。ウォンチョル(テギョン)はソミと7年間恋人関係だが、無口で仕事だけに没頭する人物だ。だからソミは彼にもっと関心を持ってもらいたかったし、愛されたかったようだ。それに、何かを悩んだり、考えていると彼がすぐに分かってしまうので、かえってそのような部分を隠し、もっと愛らしい愛嬌を振舞った。その反面、キョンス(チュ・ジフン)は初対面なのに、まるで以前から知っているように接してくるのでソミはそれにあきれてしまう。その部分は感じるままに自然に演じることができた。
―2人の俳優と初めて呼吸を合わせた。
イ・ヨニ:テギョンは歌手なので、少し違った感じがする。先入観ではなく、どうしても俳優たちと一緒に仕事した時間がそれほど長くないから。それに映画の中での設定は、7年間付き合っている2人だから、それだけ親密な関係であることを表現しなければならなかった。初めての挨拶で「こんにちは」という挨拶を交わす関係ではないと思ったので、会ってすぐタメ口で挨拶した。負担になるかもしれないが、このようにしてでもお互いに距離を縮めていく必要があった。幸いにもテギョンは受け入れてくれたし、同年代だったので面白かった。実際に撮影に入るまでに会話だけでなく、メールのやりとりをたくさん交わした。チュ・ジフン兄さんは監督と一緒に仕事をしたことがあったので慣れていた。監督とのコミュニケーションもよく取れていて、監督が望むことを素早く掴んでいた。映画のエンドクレジットを見ると、「そしてチュ・ジフン」と書かれている。監督と仲が良いので出演することになったが、家族のようだった。そのようなところが羨ましかった。
―テギョンは着実に演技を続けてきたが映画は今回が初めてだ。一緒に演じてみてどうだった?
イ・ヨニ:長所が多かった。それに恐れることもなかった。計算をせずに前だけを向いて進んでいるように思えた。ありのままの姿を見せても良いという自信があったのかはよく分からないが、自信に溢れる姿がとても良かった。心配したのは、彼が忙しすぎるということだった。海外でも活動し、韓国に戻ったらすぐ撮影に臨んで、そうしながら、また違う仕事をしていた。なので、映画に集中できるのかなと心配したが、撮影現場に来ると、現場で感じた通りに演技をしていた。いつも「疲れてない?」「コンディションはどう?」と聞くけど、私よりエネルギーが溢れていた。監督もそのような部分をよく褒めていた。
―ところで、個人的にはチュ・ジフンさんと運命的な恋に落ちたイ・ヨニさんのせいで、テギョンが可哀想だった(笑)
イ・ヨニ:私たちのカップルだけ結末が違う。だから、観客が見た時にお決まりの結末ではないので、面白い要素になったと思う(笑)。
―ホン・ジヨン監督がイ・ヨニさんに要求したことは何?
イ・ヨニ:他のカップルたちはなんだかんだと喧嘩をしてパワフルだ。その反面、私たちは落ち着いた恋愛だ。別の言い方をすれば、一息抜いて見ることができるカップルだが、だからと言ってただテンポが遅くなってはダメだとアドバイスして下さった。そして、2人の男性の関係の中で感情的な部分を表現しようとしたが、監督は違うとおっしゃった。やはり監督の話が合っていた。あるシーンで俳優自身で考えて1カット、監督が考えて1カットを撮影したが、やはり良かったシーンは監督が考えた方だった(笑)
―キャラクターを自分のものにするために監督とたくさん話し合ったと思う。
イ・ヨニ:実は監督と話し合う時間がそれほど多くなかった。一人で悩むタイプでもある。「こう演じてみました」と話したら、その時になって話し合う程度だった。現場が忙しかったという部分もある。でも監督との話し合いで私はただただ未熟だった。監督は経験があって、見つめる視野も広くて、優しく私のことをサポートしてくださった。
―未熟だったという意味は?
イ・ヨニ:会話の仕方にあって、私が考えていることを上手くまとめて話さなければならないのに、ただ思ったことをそのまま口にしたからだ。それにもかかわらず、監督はそれをすべて理解して下さった。後になるにつれて、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。それに女性のことは女性の方がよく知っていると言うではないか。男性監督と撮影する時とは全く違っていた。
―多くの俳優たちが出演している。いわゆるマルチキャスティングだが、現場はさぞ凄かっただろう。
イ・ヨニ:他のカップルたちも登場するので、気にならないわけにはいかない。気になるし。表には出さなかったが、微妙なライバル関係があった。監督が「昨日、撮影したカップルは息ぴったりの演技を披露したよ」と言って競争心に火をつけたこともあった。良い刺激を与えてくださった。
―時には演技力に対する批判を受けたり、時にはそうでない時もあった。本人が考える理由は何だと思うのか。一応、個人的に「結婚前夜」では良い評価を得られる思っている。
イ・ヨニ:演技において消極的に演じた時にそのように評価された。これで良いのかなと疑問を持って演じていると、集中して演技することができない。しきりに理性が演技の邪魔をする。自分で見ても、集中できていなかった。それに映画とドラマはシステムが違う。映画は自分が演じる役を準備することのできる時間的な余裕があり、人物に対して監督と話し合う時間もたくさんあるので、ドラマよりもリラックスした雰囲気で撮影することができる。
―厳しく評価されると少し気後れして、自信を失うことにもなる。そのような時はなかったのか?
イ・ヨニ:少しずつ余裕を持つことができた。それと同時に自信を持てるので、もっと何かを見せることもできるし、私の考えを盛り込んで演じることもできる。だからと言って、余裕を全部取り戻したわけではない。1年1年が経つにつれ、少しずつ余裕が生まれてくる。作品に出演するようになってからは悩みも考え事も多くなる。演技レッスンを受けて、練習もたくさんする。そして年齢を重ねるにつれて同年代の俳優が多くなるので、一緒に作業しているという感じが増してくる。そうするうちに徐々に余裕が出てくる。
―今後どんな作品に挑戦してみたいのか?
イ・ヨニ:体を動かすことが凄く好きである。アクションジャンルも好きだし、ノワールジャンルも好きだ。
―意外だ。イ・ヨニがアクションやノワールとは。想像することができない。
イ・ヨニ:本当にやってみたい。犯罪スリラーやスリラージャンルの映画は女優にほとんどチャンスが回ってこない。もっと年齢を重ねた方が上手く表現できるとも思うが。
―今までそのようなジャンルのシナリオが渡されたと思うが、自分に渡されるシナリオを一つ一つ読んでチェックする方なのか。
イ・ヨニ:(そのようなシナリオがあったのかは)覚えていない(笑) 以前とは違って今はオファーをされなくても、たくさんの作品を読んでみたい。どんな作品が渡されるのか気になる。
―もしかして事務所側がシナリオを渡さないのでは?
イ・ヨニ:(笑) 事務所の方々と私の考えは似ているので、よく判断して私に渡していると思う。
―映画の方により意欲があるようだ。今回も5年ぶりに出演した映画である。
イ・ヨニ:そうだ。映画は監督との親交が重要だと思う(笑) 親交があるからシナリオ読んで、「私のことも考えておいて下さい」と気楽に言える。あまり知らない俳優がそんなことを言うと変だから。今までたくさんの監督と親交を深める機会がそれほど多くなかった。性格自体もすぐ仲良くなるタイプでもないし。だから、たくさん関心を持ってもらえたら良いなと思った。
―チャレンジ精神が芽生えたようだ。
イ・ヨニ:上手くできる役だけを渡されるわけではない。それに、ある作品に夢中になったら、それは上手くできる役ではなく、挑戦したくなる役なのだ。そのような理由で挑戦したくなるようだ。
―久しぶりに映画が公開されるが、どんな結果が待っているのだろう。これまで出演した映画は興行成績だけを見ると、それほど満足できる結果ではないようだ。
イ・ヨニ:私の周りの人々を見ていると、映画を見る人があまりいない。友達も自分たちが見たい映画だけを見ているようだし……だから早く寒くなってほしい。どうしても季節感がある映画だから。もちろん寒くなったらドラマ撮影の時に大変だけど(イ・ヨニは韓国で12月18日から放送されるMBC新水木ドラマ「ミス・コリア」に出演する)。そして、今は多くを期待しない。以前映画に出演した時は(興行成績に)自信があった。でも結果は……(笑) 興行成績というものは誰も結果を知らない。いつ、どの部分に人々が夢中になるのか誰も分からない。
- 元記事配信日時 :
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- ファン・ソンウン、写真 : ク・ヘジョン、翻訳 : チェ・ユンジョン
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