「スティール・コールド・ウインター」キム・ユネ“神秘的な少女や学生のイメージから逃れようとは思わない”
グラビアの中で小学生だったキム・ユネが映画「スティール・コールド・ウインター」を通じて女優という名前で私たちの前に立った。24歳、見た目だけでなく演技力も大幅に成長した彼女の変化が楽しみだ。
―主演作「スティール・コールド・ウインター」を見た感想は?試写会の反応がかなり良かった。キム・ユネ:しっかり作られていたという反応で本当に良かった。足りない部分を除いては、思ったよりも映画がよくできている気がして嬉しい。私が演じたへウォン役もまた映画の中で魅力的に描かれたので褒められたんだと思う。叱られるのではないかと心配していたため、褒められても実感が湧かなかった。
―「スティール・コールド・ウインター」はどんな映画?
キム・ユネ:誤った言葉により友達を死に追いやった少年ユンス(キム・シフ)と噂の少女へウォンの美しくも切ないラブストーリーを描いた映画だ。寂しいが、暖かさも感じられる。へウォンとユンスがお互いに心を開き、心の傷を分かち合いながら理解し、愛する姿が痛いけど余韻が残る。少年と少女の感情を辿れば、映画をさらに深く楽しめる。
―劇中のスケートシーンのために猛練習をしたそうだが。
キム・ユネ:スケートは初めてで、本当にたくさんこけた。最初は誰かが引っ張ってくれないと動けないレベルだったが、毎日のように4時間程度、短くても2時間ずつスケートの練習をしたら滑れるようになった。春川(チュンチョン)の湖で撮影をしたが、氷が溶けてきて撮影が大変だった。昼の撮影の時には氷にひびが入る音が聞こえるほどだった。一度激しく転倒して尾てい骨を怪我したが、意外と見た目よりも丈夫で折れたりはしなかった(笑)
―劇中、氷の上でジャンプするシーンはどう演じたのか?
キム・ユネ:代役を使わずに自ら演じたが、スケートを履いて氷の上でジャンプをするのは少し怖かった。朝から晩までスケートを履いて氷の上で撮影をしたら、足に力が入らなくなって思わずよろけたりもした。
―それだけ簡単ではない役だった。ベッドシーンまであったので出演前に悩んだと思うが。
キム・ユネ:シナリオを受け取り、数日間悩んだ。やりたい気持ちはあっても難しい役なので、自分に上手く表現できないことが怖かった。しかし、諦められなかった。シナリオが本当に良く、へウォンという少女に惹かれた。ベッドシーンも心配だったが、むしろ経験がないためそこまで悩まなかった。周りにもベッドシーンを経験した人がいなくてアドバイスを貰うこともできなかった。撮影当日に緊張していたら、監督にこれくらいで緊張するなと言われた。
―制服を着た未成年の男女のベッドシーンが登場する。
キム・ユネ:成人でない未成年のベッドシーンを演じるので、問題になるかもしれないと思った。しかし、へウォンとユンスのベッドシーンは欲望ではなく、少年と少女の純粋な愛を表すシーンなので大丈夫だと思った。相手役のキム・シフ兄さんも人見知りする性格だが、かなり仲良くなってから撮影をしたので幸いだった。ベッドシーンが映画の最後の撮影でもあった。
―か弱そうなイメージだ。撮影をしながら体力的にきつくはなかったのか?
キム・ユネ:一見するとか弱いが、見た目よりも丈夫なので大丈夫だった。ただ気温が低くて、いつ雪が降るか分からない江原道(カンウォンド)の天候のために撮影は大変だった。
―神秘的な少女のイメージが今まで続いている。今回も制服を着た少女を演じた。
キム・ユネ:神秘的な少女や学生のイメージからあえて逃れようとは思わない。独特の初恋のイメージがあると言われるが、これも簡単につけられる修飾語ではないのではないか。特別な魅力があるという意味のようで嬉しい。ただし、この先時間が経っても神秘的な役しか似合わないと言われたらどうしようかと心配することもある。
―澄ました外見のため悪質な書き込みもあった。
キム・ユネ:誤解をたくさん受けた。グラビアでのお姫様のような姿だけを当てはめて、お姫扱いしなければならない子に見られたり、整形手術疑惑もあった。交通事故の直後に撮ったグラビアがあるが、私のむくんだ顔を見て二重の手術をしたとの悪質な書き込みが書かれたこともある。その時私は小学生で子供だった。交通事故の時、母も一緒に負傷して手術まで受けたのに、そのような反応を見ると正直とても傷ついた。
―グラビアの外の実際の性格は?
キム・ユネ:グラビアではお姫様や澄ましたイメージで撮ることが多いが、実際は明るい性格だ。ただ、人見知りで恥ずかしがり屋なので、誰かと親しくなるまでには時間がかかる。親しい人の前ではおしゃべりになる。第一印象だけで判断して誤解していた人も、話してみると誤解だったということが分かると思う。
―相手役の俳優キム・シフも人見知りする性格だ。
キム・ユネ:キム・シフ兄さんは真面目で可愛い人だ。その姿が面白い。特に、目が本当に綺麗だと思う。しかし、言葉数が少なく、人見知りなので親しくなるまでに時間がかかった。本当に恥ずかしがり屋で、撮影中でもよそよそしい時がたくさんあった。後からは親しくなったが、撮影が終わってから数ヶ月後、ポスター撮影のために再び会ったら、またよそよそしくなっていた。
―では、今まで共演した中で一番相性が良かったのは?
キム・ユネ:クァク・ドウォン先輩だ。映画「漁村の幽霊 パクさん、出張す」で共演したが、末っ子や妹のようによく接してくださった。私の話にも耳を傾けてくれて、歳が離れているけど心が温まる感じだった。先輩のおかげで撮影現場の雰囲気は常に良かった。今回「スティール・コールド・ウインター」のVIP試写会にも時間を割いて来てくださり、アドバイスもたくさんしてくれて本当に有難かった。
―モデル出身として演技をすることが簡単ではなかったと思うが。
キム・ユネ:子供の頃からモデルをしていたので、自然と子役の役者として見られるケースが多かった。演技を始めたばかりの頃は本当にたくさん緊張した。正直、現場に行くと萎縮して引け目を感じた。それを克服することが一番大変だった。
―子供の頃からモデルとして活動した。長所と短所は?
キム・ユネ:早くからモデル活動を始めたことが短所であり、長所だ。また、同年代の友達と比べて早くから社会生活を始めたので、知識が増えて強くなった。しかし、その分だけ傷付くことも多かったが、だからこそよりたくましくなったのではないだろうか。
―次回作ではどんな役を演じたいのか?
キム・ユネ:日本の映画「花とアリス」がとても好きだ。「漁村の幽霊 パクさん、出張す」や「スティール・コールド・ウインター」は日常とは多少異なる部分がある。日常で生活をする演技をしてみたい。むしろ平凡な演技のほうが難しいと言うが、そういったことを通じて少しずつ学んでいきたい。かといって次回作に制限を置いているわけではない。運動が好きなのでアクション演技にも自信がある。また、独立映画や商業映画に関しても制限を設けず、規模を問わずに自分を見せることのできる作品で演技をしたい。
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- イ・ソダム、写真 : イ・ジェハ
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