「優しい嘘」キム・ヒエ“ユ・アインさんの演技を見て刺激をたくさんもらった”
「スポットライト、シャンパン、綺麗な洋服は…5分で終わる幸せ」
完璧な人生、完璧な幸せは多分存在しないだろうが、少なくとも人々にとって女優キム・ヒエはまさに“完璧な人生の主人公”そのものだ。40代半ばにもかかわらず、歳月の流れが感じられない美貌、依然として愛されている女優としての人生、賢い妻や二人の子供の母親としての尊敬。しかし、キム・ヒエはこのすべてが「本当のキム・ヒエの幸せではない」と言い切った。
韓国で3月13日に公開される映画「優しい嘘」(監督:イ・ハン、制作:ユビユFilm)で21年ぶりにスクリーン復帰を果たすキム・ヒエは4日、取材陣とのインタビューで映画に対する愛情、女優そして人間キム・ヒエとしての人生について率直に語った。
「私は人が思うような完璧な幸せを満喫してはいません。記者団の写真撮影に応じて、綺麗な洋服を着て華やかなスポットライトを受けながらシャンパンを片手に持ってパーティーをするでしょう? それは5分で終わるような幸せ。私も家に帰れば子供たちの母親で、夫の妻ですよ。夫の実家に行けば皿洗いは私の担当です。正直、『私はキム・ヒエなのに。外では優遇されてばかりなのに』と思う時もあります。けれど、華やかな照明の中の姿が本当の私の姿だと思った瞬間、不幸が始まるのです。歯止めが効かず、空の上まで飛んでいきそうな自分を落ち着かせ、足を地に付かせようとしなければなりません。女優キム・ヒエと人間キム・ヒエの間でバランスを取ることが必要なのです」(キム・ヒエ)
「優しい嘘」は何も言わずこの世を去った14歳の少女チョンジ(キム・ヒャンギ)が隠していた秘密を探っていく母ヒョンスク(キム・ヒエ)と姉マンジ(コ・アソン)、そして友人ファヨン(キム・ユジョン)と周辺人物のストーリーを描いた。「ワンドゥギ」の原作者であるキム・リョリョン作家とイ・ハン監督が再び意気投合した作品である。キム・ヒエはやや違和感があるほどクールで気の強い母ヒョンスク役を務め、愉快でありながらも繊細な演技で観客を虜にする。
同映画は大切な人を失った人々が悲しみを克服し、成長していく過程を淡々としたタッチで温かく描いた。その過程を通して誰かに何も考えず発した言葉がナイフや毒にもなる可能性があるというメッセージを届け、自らについて振り返らせる作品である。
「言葉による傷は、必ず周りの人が受けるでしょう。家族や友人、兄弟、姉妹など親しい関係であるという理由だけで、大切な人に何も考えず発した言葉が相手の心には傷として残っている場合が多いですよね。何かを忘れてしまうことは、その瞬間は悲しいですが、心の傷にはならないでしょう? 私の場合、言葉で受けた傷は何十年経っても胸に刺さっています」(キム・ヒエ)
偶然にもCMを通じて芸能界デビューを果たし、30年以上自身の領域を確実に整えてきたキム・ヒエは、「私は生活のために演技をする役者だ。正直、生活のためではないという人がいるのだろうか。お金は無関係だという人がいたら手を挙げてほしい。ご両親がみんな財閥なわけはないだろう。生活のためという言葉がなぜ恥ずかしいのか理由が分からない。自分がよくできる仕事でお金を稼ぐことができれば、幸せなことではないだろうか」と特有の堂々とした一面を見せた。
以下はキム・ヒエとの一問一答である。
―出演する前から原作者キム・リョリョン脚本家のファンであると聞いた。
キム・ヒエ:「ワンドゥギ」を映画で先に見て、「優しい嘘」の小説を読んだ。「ワンドゥギ」もそうだが、簡単に描ける題材ではないのに温かい幸せを感じることができた。私自身子供を持つ母親なので、遠い国の話には思えず、リアリティがあった。
キム・ヒエ:ええ。正直「花よりお姉さん」の放送を見て衝撃を受けた。新しいイメージの私ができたということが不思議にも思えたが、怖い感じもした。でも、時間が経ってから考えてみると制作陣が先を見越して考えたことだった。視聴者がそんな私に親近感を抱くだろうと予想していたのだ。ターニングポイントになったという点でありがたい。
―メディア向け試写会で泣いた理由は何か。
キム・ヒエ:元々自分の演技を見るのが苦手だ。しかも久しぶりの映画出演だったので、本当に見ていられなかった。またうちの子達(子役を演じたコ・アソン、キム・ヒャンギ、キム・ユジョン)がどんな演技をしたか気になっていたが、本当によくできていた。ふっと触ると泣き出しそうな10代の感性を本当に上手に表現していた。その瞬間「私のことだけ心配していたら良かったんだ、要らない心配だったんだ」という気がして込み上げるものがあり、涙を流してしまった。
―自身も幼い頃デビューした。子役出身の俳優たちを見ると、切ない感じはしないか。
キム・ヒエ:確かにする。けれど、私がデビューした当時と今は状況がかなり違うようだ。幼くして社会生活を始めると、受ける衝撃というのがある。私はそれが大変だったが、最近は全くそうではないようだった。コ・アソンちゃんも健康的に自己管理もしながら一生懸命に頑張っていた。コ・アソンちゃんはビールを一杯飲んだり、サッカーを見に行ったりするらしい。「ああゆう娘がいたら本当にいいな」と思うほどだった。
―実際にキム・ヒエ自身はどのような娘なのか?
キム・ヒエ:父が数年前に亡くなった。母は本当に苦労していた。私は母にとって夫同然の存在。夫であり、友人であり、大事な娘である。私も私のような娘がいたらいいな(笑)
―隣人の独身男性チュ・サンバク役のユ・アインとJTBCドラマ「密会」で衝撃的なラブストーリーを演じることになった。
キム・ヒエ:ユ・アインさんは本当にスマートな俳優だ。役に溶け込んで演じきっていた。その姿を見て、私のほうが先輩なのに刺激を受ける部分が多くあった。ユ・アインさんは「優しい嘘」ではとても個性のあるキャラクターじゃないか(笑) 「密会」では全く違う一面を披露する。カッコよくて若々しい容姿で、セクシーな魅力まで兼ね備えてしかも天才ピアニストの役だ。本当に魅力的なキャラクター。
―ますます大胆な役に挑戦しているようだ。またJTBCドラマに連続して出演している特別な理由があるか。
キム・ヒエ:両方とも計画されたものではない。デビュー当時は想像もしていなかったキャラクターだ。キム・スヒョン先生が発想の転換という観点から「私の男の女」に私をキャスティングしてくださった。それからあらゆる魔性の女というキャラクターのオファーが来るようになった(笑) JTBCは「妻の資格」のアン・パンソク監督への信頼もあり、また縁があった。もちろんもっと多くの視聴者が見る地上波というのも重要だが、私を信じてくれた人との約束も重要である。
―SBS「ヒーリングキャンプ~楽しいじゃないか~」に出演して以来、反響が熱い。夫であるイ・チャンジンさんの反応はどのようなものだったのか。
キム・ヒエ:正直ひやひやしていたが、何の言葉もなかった。こんな人だから私たちは夫婦になれたんだと思えた。多分妻が女優で、テレビに出て自分や夫婦の話をすると本当に嫌になるだろう。けれど、夫は知らないふりをしてくれる。私も夫のTwitterは見ない。もちろん偶然アクセスしたことはあるけど、明らかに韓国語なのに見てもよく分からなかった(一同爆笑) 夫の話によると私の出演したドラマを見たことがないそうだ。ある夫婦は台詞の練習相手にもなってくれるみたいだけど、それは想像もできない。恥ずかしい。私たち夫婦はお互いを放っておくからこそ長く一緒に暮らせたと思う。
―ここ数年間映画やバラエティ番組、ドラマまで精力的な活動を展開している。
キム・ヒエ:意図したことではない。映画は2年前に始めたもので、ドラマも早くから決まっていたものだ。「花よりおじいさん」を見て本当に面白かった。大御所の先生たちが前に出て健康的な笑いを届けるという点を尊敬し幸せだと思った。そして私もその機会に恵まれ、出演を決めた。心境の変化などがあったわけではない(笑)
―二人の息子が母親の才能を譲り受け、俳優になりたいと言ったら?
キム・ヒエ:長男が今年で高校1年生になったが、私のことを「先輩」と呼んでいる(笑) その度に私は「あなた、これは誰でもできる仕事ではないの?」と言う(笑) 軽い気持ちで始めるのではないかと心配になる。
―「優しい嘘」の観客動員数について予想は?
キム・ヒエ:ドラマの場合、視聴率が本当に良くても自分で恥ずかしいと思う作品があるが、一方では視聴率が良くなくても誇らしい作品がある。「優しい嘘」は文句の付け所のないシナリオであった。だから出演を決めた。ヒットしてほしいが、欲張りたくはない。
完璧な人生、完璧な幸せは多分存在しないだろうが、少なくとも人々にとって女優キム・ヒエはまさに“完璧な人生の主人公”そのものだ。40代半ばにもかかわらず、歳月の流れが感じられない美貌、依然として愛されている女優としての人生、賢い妻や二人の子供の母親としての尊敬。しかし、キム・ヒエはこのすべてが「本当のキム・ヒエの幸せではない」と言い切った。
韓国で3月13日に公開される映画「優しい嘘」(監督:イ・ハン、制作:ユビユFilm)で21年ぶりにスクリーン復帰を果たすキム・ヒエは4日、取材陣とのインタビューで映画に対する愛情、女優そして人間キム・ヒエとしての人生について率直に語った。
「私は人が思うような完璧な幸せを満喫してはいません。記者団の写真撮影に応じて、綺麗な洋服を着て華やかなスポットライトを受けながらシャンパンを片手に持ってパーティーをするでしょう? それは5分で終わるような幸せ。私も家に帰れば子供たちの母親で、夫の妻ですよ。夫の実家に行けば皿洗いは私の担当です。正直、『私はキム・ヒエなのに。外では優遇されてばかりなのに』と思う時もあります。けれど、華やかな照明の中の姿が本当の私の姿だと思った瞬間、不幸が始まるのです。歯止めが効かず、空の上まで飛んでいきそうな自分を落ち着かせ、足を地に付かせようとしなければなりません。女優キム・ヒエと人間キム・ヒエの間でバランスを取ることが必要なのです」(キム・ヒエ)
「優しい嘘」は何も言わずこの世を去った14歳の少女チョンジ(キム・ヒャンギ)が隠していた秘密を探っていく母ヒョンスク(キム・ヒエ)と姉マンジ(コ・アソン)、そして友人ファヨン(キム・ユジョン)と周辺人物のストーリーを描いた。「ワンドゥギ」の原作者であるキム・リョリョン作家とイ・ハン監督が再び意気投合した作品である。キム・ヒエはやや違和感があるほどクールで気の強い母ヒョンスク役を務め、愉快でありながらも繊細な演技で観客を虜にする。
同映画は大切な人を失った人々が悲しみを克服し、成長していく過程を淡々としたタッチで温かく描いた。その過程を通して誰かに何も考えず発した言葉がナイフや毒にもなる可能性があるというメッセージを届け、自らについて振り返らせる作品である。
「言葉による傷は、必ず周りの人が受けるでしょう。家族や友人、兄弟、姉妹など親しい関係であるという理由だけで、大切な人に何も考えず発した言葉が相手の心には傷として残っている場合が多いですよね。何かを忘れてしまうことは、その瞬間は悲しいですが、心の傷にはならないでしょう? 私の場合、言葉で受けた傷は何十年経っても胸に刺さっています」(キム・ヒエ)
偶然にもCMを通じて芸能界デビューを果たし、30年以上自身の領域を確実に整えてきたキム・ヒエは、「私は生活のために演技をする役者だ。正直、生活のためではないという人がいるのだろうか。お金は無関係だという人がいたら手を挙げてほしい。ご両親がみんな財閥なわけはないだろう。生活のためという言葉がなぜ恥ずかしいのか理由が分からない。自分がよくできる仕事でお金を稼ぐことができれば、幸せなことではないだろうか」と特有の堂々とした一面を見せた。
以下はキム・ヒエとの一問一答である。
―出演する前から原作者キム・リョリョン脚本家のファンであると聞いた。
キム・ヒエ:「ワンドゥギ」を映画で先に見て、「優しい嘘」の小説を読んだ。「ワンドゥギ」もそうだが、簡単に描ける題材ではないのに温かい幸せを感じることができた。私自身子供を持つ母親なので、遠い国の話には思えず、リアリティがあった。
写真=CGV ムービーコラージュ
―tvN「花よりお姉さん」のおかげで従来のイメージが突然変化したような感じはしなかったか。キム・ヒエ:ええ。正直「花よりお姉さん」の放送を見て衝撃を受けた。新しいイメージの私ができたということが不思議にも思えたが、怖い感じもした。でも、時間が経ってから考えてみると制作陣が先を見越して考えたことだった。視聴者がそんな私に親近感を抱くだろうと予想していたのだ。ターニングポイントになったという点でありがたい。
―メディア向け試写会で泣いた理由は何か。
キム・ヒエ:元々自分の演技を見るのが苦手だ。しかも久しぶりの映画出演だったので、本当に見ていられなかった。またうちの子達(子役を演じたコ・アソン、キム・ヒャンギ、キム・ユジョン)がどんな演技をしたか気になっていたが、本当によくできていた。ふっと触ると泣き出しそうな10代の感性を本当に上手に表現していた。その瞬間「私のことだけ心配していたら良かったんだ、要らない心配だったんだ」という気がして込み上げるものがあり、涙を流してしまった。
―自身も幼い頃デビューした。子役出身の俳優たちを見ると、切ない感じはしないか。
キム・ヒエ:確かにする。けれど、私がデビューした当時と今は状況がかなり違うようだ。幼くして社会生活を始めると、受ける衝撃というのがある。私はそれが大変だったが、最近は全くそうではないようだった。コ・アソンちゃんも健康的に自己管理もしながら一生懸命に頑張っていた。コ・アソンちゃんはビールを一杯飲んだり、サッカーを見に行ったりするらしい。「ああゆう娘がいたら本当にいいな」と思うほどだった。
―実際にキム・ヒエ自身はどのような娘なのか?
キム・ヒエ:父が数年前に亡くなった。母は本当に苦労していた。私は母にとって夫同然の存在。夫であり、友人であり、大事な娘である。私も私のような娘がいたらいいな(笑)
―隣人の独身男性チュ・サンバク役のユ・アインとJTBCドラマ「密会」で衝撃的なラブストーリーを演じることになった。
キム・ヒエ:ユ・アインさんは本当にスマートな俳優だ。役に溶け込んで演じきっていた。その姿を見て、私のほうが先輩なのに刺激を受ける部分が多くあった。ユ・アインさんは「優しい嘘」ではとても個性のあるキャラクターじゃないか(笑) 「密会」では全く違う一面を披露する。カッコよくて若々しい容姿で、セクシーな魅力まで兼ね備えてしかも天才ピアニストの役だ。本当に魅力的なキャラクター。
―ますます大胆な役に挑戦しているようだ。またJTBCドラマに連続して出演している特別な理由があるか。
キム・ヒエ:両方とも計画されたものではない。デビュー当時は想像もしていなかったキャラクターだ。キム・スヒョン先生が発想の転換という観点から「私の男の女」に私をキャスティングしてくださった。それからあらゆる魔性の女というキャラクターのオファーが来るようになった(笑) JTBCは「妻の資格」のアン・パンソク監督への信頼もあり、また縁があった。もちろんもっと多くの視聴者が見る地上波というのも重要だが、私を信じてくれた人との約束も重要である。
―SBS「ヒーリングキャンプ~楽しいじゃないか~」に出演して以来、反響が熱い。夫であるイ・チャンジンさんの反応はどのようなものだったのか。
キム・ヒエ:正直ひやひやしていたが、何の言葉もなかった。こんな人だから私たちは夫婦になれたんだと思えた。多分妻が女優で、テレビに出て自分や夫婦の話をすると本当に嫌になるだろう。けれど、夫は知らないふりをしてくれる。私も夫のTwitterは見ない。もちろん偶然アクセスしたことはあるけど、明らかに韓国語なのに見てもよく分からなかった(一同爆笑) 夫の話によると私の出演したドラマを見たことがないそうだ。ある夫婦は台詞の練習相手にもなってくれるみたいだけど、それは想像もできない。恥ずかしい。私たち夫婦はお互いを放っておくからこそ長く一緒に暮らせたと思う。
―ここ数年間映画やバラエティ番組、ドラマまで精力的な活動を展開している。
キム・ヒエ:意図したことではない。映画は2年前に始めたもので、ドラマも早くから決まっていたものだ。「花よりおじいさん」を見て本当に面白かった。大御所の先生たちが前に出て健康的な笑いを届けるという点を尊敬し幸せだと思った。そして私もその機会に恵まれ、出演を決めた。心境の変化などがあったわけではない(笑)
―二人の息子が母親の才能を譲り受け、俳優になりたいと言ったら?
キム・ヒエ:長男が今年で高校1年生になったが、私のことを「先輩」と呼んでいる(笑) その度に私は「あなた、これは誰でもできる仕事ではないの?」と言う(笑) 軽い気持ちで始めるのではないかと心配になる。
―「優しい嘘」の観客動員数について予想は?
キム・ヒエ:ドラマの場合、視聴率が本当に良くても自分で恥ずかしいと思う作品があるが、一方では視聴率が良くなくても誇らしい作品がある。「優しい嘘」は文句の付け所のないシナリオであった。だから出演を決めた。ヒットしてほしいが、欲張りたくはない。
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- キム・スジョン
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