Vol.2 ― 放送終了「奇皇后」チ・チャンウクの再発見、皆を泣かせたこの男
※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
MBC月火ドラマ「奇皇后」(脚本:チャン・ヨンチョル、演出:ハン・ヒ)の主人公、俳優チ・チャンウクを見た人々の共通した反応だ。今回のドラマを通じて第2の全盛期を切り開いたと言っても過言ではない。再発見という修飾語は勿体ない。これまで彼の魅力が発掘されていなかっただけだ。放送終了まで視聴者の目を引きつけた最高の“シーンスティラー”(シーン泥棒)であった。
韓国で29日に放送終了となった「奇皇后」ではキ・スンニャン(ハ・ジウォン)と皇帝タファン(チ・チャンウク)がすべての敵を取り除く場面が描かれた。タファンは自身の影のように慕っていた右腕ゴルタ(チョ・ジェユン)がメバク商団の頭であるという事実を知って大きな衝撃を受けた。
タファンはゴルタが与える薬に毒が入っていることに気付いた。ゴルタはタファンが眠っていると勘違いし、「新しい皇帝が擁立されるまでは死なないでください。ただ長く患っていればいいんです」と囁いた。タファンはゴルタさえ自身を裏切ったということに震えた。普段から家族より大事に思っていた人がゴルタであった。幼い頃から自身を守ってくれた右腕の裏切りは、誰の裏切りよりも痛くて切なものであった。タファンの病態はそのように悪化していった。
タファンはゴルタと皇太后(キム・ソヒョン)が結託し、陰謀を企んだことにも気付いた。タファンは彼らを一堂に会させ、粛清した。タファンはゴルタになぜ自身を裏切ったのかと聞いた。しかしゴルタは「私は裏切ったことなどありません。皇帝は一度も私の主であったことはなかったです。私の主はお金、それだけです」と答えた。タファンは改めて傷付き、彼を直接殺したが、顔には苦痛の涙が流れていた。
タファンは主人公キ・スンニャンほど変化の幅の広い人物だ。文字すら読めない無筆な皇帝から、残酷な宮殿の世界に目覚めるまでの変化を経験する人物だ。チ・チャンウクはキャラクターの変化に合わせ、それに相応しい演技で視聴者を頷かせた。スンニャンの後ろだけを追いかけていたキュートな男から、執着によって狂気に満ちていく姿まで多彩な魅力を見せつけた。敵ヨンチョル(チョン・グクファン)の前で身体を震わせ、無気力な姿を見せたタファンはみんなに恐怖を与える暴君に変わった。
タファンは最も不幸なキャラクターの一人だ。虎視眈々と彼の座を狙う人々に囲まれて生きてきた。味方だと信じていた人々も最後には彼を裏切った。彼が信じているのはたった一人、スンニャンだけだったが、愛する女性さえも完全に手にすることのできない可憐な男だ。結局その狂気がワン・ユ(チュ・ジンモ)まで殺させたが、決して憎むことはできない人物だ。スンニャンへの執着をロマンチックに描いたためだ。
タファンは一生をスンニャンを完全に手にすることはできないという不安の中で暮らした。周りの繰り返される裏切り、残酷な権力の争いの中で生きた可憐な人物だ。チ・チャンウクはそんなタファンをただの愚か者として演じず、哀れな姿をアピールして視聴者を自身の味方にした。特にチョ・ジェユンを殺すチ・チャンウクの演技は最終話の最高のハイライトであった。涙を流しながらゴルタに刀を振るうタファンの顔は憎悪、悩み、苦痛に満ちていた。チ・チャンウクがそれだけタファンというキャラクターに深く溶け込んでいたということだ。
今回の作品をきっかけに、チ・チャンウクの演技の人生は確実に変わるであろう。演じきれる演技の幅が広いということを証明して見せた。チ・チャンウクはタファンを自身だけの色で演じきる賢さを発揮した。チ・チャンウクでないタファンは想像もできないほどだ。
写真=MBC「奇皇后」スクリーンショット
「こんなに演技の上手い俳優だった?」MBC月火ドラマ「奇皇后」(脚本:チャン・ヨンチョル、演出:ハン・ヒ)の主人公、俳優チ・チャンウクを見た人々の共通した反応だ。今回のドラマを通じて第2の全盛期を切り開いたと言っても過言ではない。再発見という修飾語は勿体ない。これまで彼の魅力が発掘されていなかっただけだ。放送終了まで視聴者の目を引きつけた最高の“シーンスティラー”(シーン泥棒)であった。
韓国で29日に放送終了となった「奇皇后」ではキ・スンニャン(ハ・ジウォン)と皇帝タファン(チ・チャンウク)がすべての敵を取り除く場面が描かれた。タファンは自身の影のように慕っていた右腕ゴルタ(チョ・ジェユン)がメバク商団の頭であるという事実を知って大きな衝撃を受けた。
タファンはゴルタが与える薬に毒が入っていることに気付いた。ゴルタはタファンが眠っていると勘違いし、「新しい皇帝が擁立されるまでは死なないでください。ただ長く患っていればいいんです」と囁いた。タファンはゴルタさえ自身を裏切ったということに震えた。普段から家族より大事に思っていた人がゴルタであった。幼い頃から自身を守ってくれた右腕の裏切りは、誰の裏切りよりも痛くて切なものであった。タファンの病態はそのように悪化していった。
タファンはゴルタと皇太后(キム・ソヒョン)が結託し、陰謀を企んだことにも気付いた。タファンは彼らを一堂に会させ、粛清した。タファンはゴルタになぜ自身を裏切ったのかと聞いた。しかしゴルタは「私は裏切ったことなどありません。皇帝は一度も私の主であったことはなかったです。私の主はお金、それだけです」と答えた。タファンは改めて傷付き、彼を直接殺したが、顔には苦痛の涙が流れていた。
タファンは主人公キ・スンニャンほど変化の幅の広い人物だ。文字すら読めない無筆な皇帝から、残酷な宮殿の世界に目覚めるまでの変化を経験する人物だ。チ・チャンウクはキャラクターの変化に合わせ、それに相応しい演技で視聴者を頷かせた。スンニャンの後ろだけを追いかけていたキュートな男から、執着によって狂気に満ちていく姿まで多彩な魅力を見せつけた。敵ヨンチョル(チョン・グクファン)の前で身体を震わせ、無気力な姿を見せたタファンはみんなに恐怖を与える暴君に変わった。
タファンは最も不幸なキャラクターの一人だ。虎視眈々と彼の座を狙う人々に囲まれて生きてきた。味方だと信じていた人々も最後には彼を裏切った。彼が信じているのはたった一人、スンニャンだけだったが、愛する女性さえも完全に手にすることのできない可憐な男だ。結局その狂気がワン・ユ(チュ・ジンモ)まで殺させたが、決して憎むことはできない人物だ。スンニャンへの執着をロマンチックに描いたためだ。
タファンは一生をスンニャンを完全に手にすることはできないという不安の中で暮らした。周りの繰り返される裏切り、残酷な権力の争いの中で生きた可憐な人物だ。チ・チャンウクはそんなタファンをただの愚か者として演じず、哀れな姿をアピールして視聴者を自身の味方にした。特にチョ・ジェユンを殺すチ・チャンウクの演技は最終話の最高のハイライトであった。涙を流しながらゴルタに刀を振るうタファンの顔は憎悪、悩み、苦痛に満ちていた。チ・チャンウクがそれだけタファンというキャラクターに深く溶け込んでいたということだ。
今回の作品をきっかけに、チ・チャンウクの演技の人生は確実に変わるであろう。演じきれる演技の幅が広いということを証明して見せた。チ・チャンウクはタファンを自身だけの色で演じきる賢さを発揮した。チ・チャンウクでないタファンは想像もできないほどだ。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- キム・ジヒョン
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