「ゴールデンクロス」放送終了…なぜどんでん返しの結末だったのか？

※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
善と悪の共存が克明に表れた。息子カン・ドユン(キム・ガンウ)に向かって、「常に損をしながら生きなさい」「立場を変えて考えなさい」と教えた父カン・ジュワン(イ・デヨン)の叫びのように、出所したソ・ドンハ(チョン・ボソク)が“ゴールデンクロス”の再結成を夢見る笑顔は恐ろしく強烈だった。

韓国で19日に放送されたKBS 2TVの水木ドラマ「ゴールデンクロス」(脚本：ユ・ヒョンミ、演出：ホン・ソック、イ・ジンソ)の最終回で、カン・ドユンはずっと願い続けてきた復讐を完璧に成し遂げて正義を貫いたが、最後のシーンではどんでん返しが待っていた。

自分の目的のためなら殺人も平気で犯すソ・ドンハ。富の蓄積と利益のためならどんなことも厭わないマイケル・チャン(オム・ギジュン)は、最終的に罪が一つ残らず暴かれ法の裁きを受けることになったが、そこで終わりではなかった。殺人を犯したソ・ドンハは数年後に出所し、空を眺めながら微笑みを浮かべた。監獄で教化の時間を経たが、一般社会に戻ったソ・ドンハは、更生の人生を生きることなく“悪人”の姿そのままだった。いや、それよりもはるかに悪辣で不気味な姿だった。

「“ゴールデンクロス”の組織は崩壊したが、人脈だけでも生きていれば、また“ゴールデンクロス”を作ることができる」というソ・ドンハの言葉は、世界で絶対に消えることのない悪をそのまま認めた。「ゴールデンクロス」は、単純に正義が生きているという勧善懲悪の教訓的なメッセージを残すのではなく、現実の断面をそのまま見せながら、“理想的な非現実”よりも“苦い現実”を示唆し、さらに大きな反響を残した。作品の中で数回にわたって露出される「真実はファクトではなく、我々が願うものが真実だ」というセリフが、むしろ「ゴールデンクロス」が伝えたいメッセージに近かった。

特に、ドラマの中盤で海外に密航しようとしたソ・ドンハとパク・ヒソ(キム・ギュチョル)のやりとりや演技は、異常なまでに滑稽だったが、これは脚本家と監督が意図した演出と見られる。極悪非道な悪を犯したが、その真実について病的に見えるほど回避し、世間の前に自分の罪がすべてさらされる危機の瞬間が目の前に置かれたにもかかわらず、話にならないほど幼稚な言動で口論するソ・ドンハとパク・ヒソの演技は、まさに悪人の真髄を見せ、、裏に込められたメッセージが強調されるシーンだった。

「ゴールデンクロス」は、上位0.001％の秘密クラブ“ゴールデンクロス”を舞台に、彼らの暗闘と陰謀、そして彼らによって犠牲になった平凡な一家の復讐が繰り広げられる復讐劇だった。俳優カン・ドユン、チョン・ボソク、オム・ギジュン、イ・シヨンなどが熱演した。