「トロットの恋人」チ・ヒョヌ“年下彼氏のアイコン?今は不倫になってしまいます”
写真=ワイツリー・メディア
除隊後、初のドラマ「トロットの恋人」を終えたチ・ヒョヌ“30代のスタート”
除隊、そして約2年ぶりのドラマ復帰。俳優チ・ヒョヌの30代はこのように始まった。人生のもう一つの山を越えただけに、少し自身を休ませてもいいはずなのに、チ・ヒョヌは入隊前もそうであったように、もう一度足を速めた。「ブランクの間、固くなっていた部分をほぐしやすい」と思ったためだった。KBS 2TV「トロットの恋人」とチ・ヒョヌは、こうやって出会った。いざ現場に帰って来たら、多くのことが変わっていた。一時“年下彼氏”のアイコンと呼ばれ、主に年上の女優と共演してきた彼だった。チ・ヒョヌは「今は撮影現場で中間的な立場になった。若い頃は『自分だけ頑張ればいい』という感じだったけれど、今は共演する後輩たちをいかに気楽にさせてあげて、演技できるようにするかも気にするようになった」と話す。
自然にチェ・チュニ(Apink チョン・ウンジ)を物心両面で支えてトップスターにするマネージャーチャン・ジュンヒョンの姿が自身と重なった。「『主人公として欲を出すべきか』と悩んだけれど、チェ・チュニの成功の過程を見せるドラマであるだけに作品のほうが重要だと思った」というチ・ヒョヌは「『セレブの誕生』(2010)のように僕が前面に出て成功するストーリーではなく、自身の欲を捨てて他人を助けて成功させるストーリーも面白かった」と振り返った。
「時にはこの子(チャン・ジュンヒョン、チ・ヒョヌの役名)が僕よりマシだと感じた部分もありました。今僕が悩んでいることを深く考えず開放して、瞬間に集中する人物でしたらから。大人げないからなのかもしれませんが、その分純粋であるのかもしれません。30代になって感じる部分が以前とは確実に異なります。普通の職場に通っている友人をみても『ここで仕事をすれば、もっと成功できるんだろうか?それとも転職したほうがいいかな』と悩んでいました。
チャン・ジュンヒョンはそれとは正反対じゃないですか。自身が好きな仕事をして、『人生短いから、マイペースでいく』と話す人ですから。一種の代理満足なのかもしれません。ある意味で僕も30になる前まではそういうふうに生きてきましたから。それで『優しいけど、生意気だ』と言われたこともありますし(笑) チャン・ジュンヒョンのように自分の考えをずけずけと言ったのです」
軍隊で生活しながら人生で一番多く考えた…これからは重量感が必要だと思った
自然に続いた話題はチ・ヒョヌの“30歳”だった。レコードショップを運営していた彼の両親は「私たちの叶えられなかった夢を叶えてほしい」とし、チ・ヒョヌ兄弟に音楽を教えた。小学校1年の時に初めてギターを手にとった彼の学生時代。成績より大事だったのは音楽だった。学校から帰ってくると、午後10時までギターを弾き、休みの時にも午後2時からは練習をしなければいけなかった。自然にバンドのセッションになり、バンドThe Nuts(ザ・ナッツ)の正式メンバーになってアルバムも発売した。演技デビューした後も長いブランクなしに作品活動を続けていった。ドラマ、映画、ラジオDJ、ミュージカルまでオファーがあれば“牛のように仕事ばっかりしていた”時代だった。20代に一番後悔していることとして「仕事ばっかりで旅行に行けなかったこと」を選んだほどだ。そんな中、2012年軍隊に入隊して、急に時間が遅くなった。チ・ヒョヌは「人間が小さくなった。そして一人で考える時間が増えた。人生の中で一番多く考えた時だ」と述べた。
「まずは、これからの道について考えました。入隊前には僕のように年をとって入隊する人がかなりいるんじゃないかと思いましたが、いませんでした。いても補職が違って親しくなるチャンスがなく、生活観も違っていましたし。一緒にいる人々と楽しく先輩後輩として過ごすことはできましたけれど、彼らの悩みと僕の悩みは異なっていました。僕が相談に乗ってあげることはできても、相談することはできませんでした。それで本をたくさん読むようになりました。知恵を切に必要としていた時でしたから。悩みがあまりに大きくなれば宗教活動をしながらいい言葉をいただいて(笑)」
まだこれといった答えを出してはいない。チ・ヒョヌは「糸口もつかんでいない。これは一生の悩みだと思う」とし、はにかむように笑った。しかし、変わったところは確実にある。「以前は(インタビューで)ずけずけと言ったけれど、今は言った後に『これでいいのかな?』と思うようになった」と話すチ・ヒョヌは「また、これまでは計画もなしに瞬間瞬間思いついたとおりに行動してきたほうだったが、今は計画的な部分も少しは必要だと思うようになった。日記を最後までつけたことが一度もなかったけれど、軍隊で日記もつけた」と述べた。
「重量感が必要だ」と思うようになりました。心を込めて伝えることが一番大事だとも思います。そう思って『トロットの恋人』の第8話の台本まで手で書いてみました。僕のセリフからト書き、お相手のセリフまで全部です。それくらい脚本家が書く文をおろそかにしてはいけないと強く思っています」
2000年代始めに、彼に栄光を与えた“年下彼氏”のキャラクターは、いつの間にか後輩たちのものになった。自らも「この歳をして年下の彼氏役をすると、それは不倫だ」と冗談を言うほどだ。しかし、“年下の彼氏”のタイトルがなくなった今、チ・ヒョヌはもっと大きな可能性を持つ役者になった。「作品によって好きになってくださる方の特徴が異なる」というチ・ヒョヌは、「様々な作品をしていたら自身に大きな財産になるのではないかと思う」と強調した。
「“年下彼氏系”のスタートを切ったことは嬉しく思います。でも、あの時は本当に何も知らないまま演技していました。21歳の男が30歳の女性の感性をわかるはずがありません。それで『なぜ僕のことを好きになってくれるんだろう』と思ったりもしました。しかし、今は年下彼氏の役はできないじゃないですか?それは不倫でしょう(笑) 今は少し重量感のある役もやってみなければいけないと思います。やったことのないジャンルをやってみる必要があるというか。「メリー&テグ 恋のから騒ぎ」(2007)のような作品もぜひもう一度きちんとやってみたいですし。
歌手として、The Nutsはそれぞれの道を探して行きましたし、僕一人でアルバムを出したいとは思っています。年内にです。軍隊にいく前に作っておいた曲があるけれど、僕のアルバムに収録しませんでした。あの時は『歌手は歌どおりになる』と思って憂鬱な曲は収録しませんでした。でも、ファンたちには歌ってあげました。今はファンたちも(あの曲を)早く発表してほしいというし、僕も『音楽で、アルバムで成功しよう』とは思わなくなりました。でも、感受性の合う方々には聞いてもらいたいですね」
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- イ・ミナ
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