「22年目の記憶」ソル・ギョング“金日成になりきるため、体重を増量…扮装に5時間かかった”
映画「22年目の記憶」のソル・ギョングが最高の演技を披露した。監督ポン・ジュノが「ベテラン俳優だけにできる、幅広く深い演技を見せた」と話したのは虚言ではなかった。「22年目の記憶」の中のソル・ギョングの姿を見たら、誰でも彼の話に共感するはずだ。
ソル・ギョングは「22年目の記憶」でステージでの主人公を夢見るが、現実では雑事だけこなす無名俳優キム・ソングンを演じる。息子の前で自身のステージを台無しにした彼は、自身を注視していたホ教授(イ・ビョンジュン)によってあるオーディションに臨む。その後、南北サミットのリハーサルのために金日成(キム・イルソン)の代役を務めながらだんだんと金日成(キム・イルソン)になり、結局は金日成として生きていくようになる。
ソル・ギョングは今回の作品で若い時代のソングンから老人のソングンまで幅広い演技変身を見せる。このために特殊扮装をした。体重を増やし、特殊扮装までした彼は、完璧に老人ソングンに変身した。もちろん「最高の扮装は演技だ」という扮装監督ソン・ジョンヒの言葉のように、ソル・ギョングの演技力があったから可能だったといえる。
5時間も特殊扮装をしたソル・ギョングは、「パク・へイルに比べれば何でもない。パク・へイルが映画『ウンギョ』の時、約10時間も特殊扮装をした。その時はソン・ジョンヒ監督が一人で扮装をした。10時間だというが、夜9時に扮装を始め、徹夜してすぐ撮影に入ることと同じだ。パク・へイルは扮装をしたまま撮影のために5~6時間も待機したという」と話した。
また「パク・へイルが扮装する時、補助として参加した人々が扮装ができるようになり、人が多くなった。同時に、扮装が行われるために扮装にかかる時間も半分に減った。扮装するのに約5時間がかかったが、それぐらい大変だった。扮装前半は辛かったが、だんだん慣れて楽になった。ソン・ジョンヒ監督が僕の扮装をしながら、パク・へイルにすまないと言った。『ウンギョ』の時に一度やったから、パク・へイルのおかげでより短い時間で扮装ができてすまないと言った」と付け加えた。
「僕が出演する映画を見ると恥ずかしい」と話しながら、演技であっても辛い扮装作業であっても謙遜した態度で一貫するソル・ギョングは、今回の作品で自身が思い切って演技できたのもパク・へイルのおかげだと明かした。自身より先に特殊扮装をし、その姿で演技をした先輩として自身を配慮してくれたという。
ソル・ギョングは「パク・へイルだから可能だったと思う。相手がパク・へイルであったから有り難く、幸いだった。監督に『パク・へイルがいなかったら、この映画の撮影もできなかった』とも話した。特殊扮装も、現場で支えてくれるのも、いくら後輩だとしてもパク・へイルが合わせてくれると僕が負担を感じるじゃないか。そのように合わせてくれるとパク・へイルのリズムも崩れてしまう。しかし、自分が先にやってみたら十分に理解し、合わせてくれた」とパク・へイルに感謝の気持ちを伝えた。
そのようにしてソングンという人物に没頭したソル・ギョングは、金日成の代役ではなく、ソングンという息子がいる父親として映画のクライマックスに向かって走る。自身が目標として設定した部分が、映画の後半で最後のステージを披露するシーンであるだけに、この部分で演劇「リア王」のセリフを話すソル・ギョングの姿からは裏切られたと思われるほど素晴らしさを感じる。このようなソングンの姿に感心しながら悪口を叩くオ係長(ユン・ジェムン)のセリフに多くの人々が共感するのは、ソル・ギョングの演技がそれほど最高だったということを証明する。
ソル・ギョングは「撮影中、父親の世代が生きてきた人生についてたくさん悩んだ。この世代の父親たちはいつも窮しており、辛かった。荷が大きく、豊かではなかった。また、無能であっても父親としての権威を守らないといけなかった。しかし、いつの間にか老いてしまった。自我のない人生を生きた人々が、我々の父親だと感じた。僕の父もむやみに『頑張ったが、すまない』と話したことがある。僕のためにすべてのことをやってくれたにもかかわらず、すまないと言った。監督イ・へジュンの父親の話を聞くと、それがまたソングンの姿だと思った。撮影をしながら1950年代前後に生まれて乏しい時代を経験し、1960~80年代を生きてきた父親たちについてたくさん考えた」と切ない気持ちを明かした。
ソル・ギョングはインタビュー中、仕方なく金日成になり、金日成として生きるしかなかったキム・ソングンを「島のように生きた人」と評価した。一人で違う方向を見つめながら島のように生きた人だという。ソル・ギョングの体を通じてスクリーンに投影されたキム・ソングンは、離れた島であるから寂しく見えるが、そのため、より我々の父親の姿のようだ。もちろん、“演技の神”ソル・ギョングが演じたため、さらに哀切に感じられるのは否定できない事実だ。
ソル・ギョングが熱演した「22年目の記憶」は、韓国の真ん中で自身を北朝鮮の金日成国家主席だと信じている男と、そんな父のせいで人生がこじれてしまった息子の物語を描いた作品である。韓国で10月30日に公開される。
ソル・ギョングは「22年目の記憶」でステージでの主人公を夢見るが、現実では雑事だけこなす無名俳優キム・ソングンを演じる。息子の前で自身のステージを台無しにした彼は、自身を注視していたホ教授(イ・ビョンジュン)によってあるオーディションに臨む。その後、南北サミットのリハーサルのために金日成(キム・イルソン)の代役を務めながらだんだんと金日成(キム・イルソン)になり、結局は金日成として生きていくようになる。
ソル・ギョングは今回の作品で若い時代のソングンから老人のソングンまで幅広い演技変身を見せる。このために特殊扮装をした。体重を増やし、特殊扮装までした彼は、完璧に老人ソングンに変身した。もちろん「最高の扮装は演技だ」という扮装監督ソン・ジョンヒの言葉のように、ソル・ギョングの演技力があったから可能だったといえる。
5時間も特殊扮装をしたソル・ギョングは、「パク・へイルに比べれば何でもない。パク・へイルが映画『ウンギョ』の時、約10時間も特殊扮装をした。その時はソン・ジョンヒ監督が一人で扮装をした。10時間だというが、夜9時に扮装を始め、徹夜してすぐ撮影に入ることと同じだ。パク・へイルは扮装をしたまま撮影のために5~6時間も待機したという」と話した。
また「パク・へイルが扮装する時、補助として参加した人々が扮装ができるようになり、人が多くなった。同時に、扮装が行われるために扮装にかかる時間も半分に減った。扮装するのに約5時間がかかったが、それぐらい大変だった。扮装前半は辛かったが、だんだん慣れて楽になった。ソン・ジョンヒ監督が僕の扮装をしながら、パク・へイルにすまないと言った。『ウンギョ』の時に一度やったから、パク・へイルのおかげでより短い時間で扮装ができてすまないと言った」と付け加えた。
「僕が出演する映画を見ると恥ずかしい」と話しながら、演技であっても辛い扮装作業であっても謙遜した態度で一貫するソル・ギョングは、今回の作品で自身が思い切って演技できたのもパク・へイルのおかげだと明かした。自身より先に特殊扮装をし、その姿で演技をした先輩として自身を配慮してくれたという。
ソル・ギョングは「パク・へイルだから可能だったと思う。相手がパク・へイルであったから有り難く、幸いだった。監督に『パク・へイルがいなかったら、この映画の撮影もできなかった』とも話した。特殊扮装も、現場で支えてくれるのも、いくら後輩だとしてもパク・へイルが合わせてくれると僕が負担を感じるじゃないか。そのように合わせてくれるとパク・へイルのリズムも崩れてしまう。しかし、自分が先にやってみたら十分に理解し、合わせてくれた」とパク・へイルに感謝の気持ちを伝えた。
そのようにしてソングンという人物に没頭したソル・ギョングは、金日成の代役ではなく、ソングンという息子がいる父親として映画のクライマックスに向かって走る。自身が目標として設定した部分が、映画の後半で最後のステージを披露するシーンであるだけに、この部分で演劇「リア王」のセリフを話すソル・ギョングの姿からは裏切られたと思われるほど素晴らしさを感じる。このようなソングンの姿に感心しながら悪口を叩くオ係長(ユン・ジェムン)のセリフに多くの人々が共感するのは、ソル・ギョングの演技がそれほど最高だったということを証明する。
ソル・ギョングは「撮影中、父親の世代が生きてきた人生についてたくさん悩んだ。この世代の父親たちはいつも窮しており、辛かった。荷が大きく、豊かではなかった。また、無能であっても父親としての権威を守らないといけなかった。しかし、いつの間にか老いてしまった。自我のない人生を生きた人々が、我々の父親だと感じた。僕の父もむやみに『頑張ったが、すまない』と話したことがある。僕のためにすべてのことをやってくれたにもかかわらず、すまないと言った。監督イ・へジュンの父親の話を聞くと、それがまたソングンの姿だと思った。撮影をしながら1950年代前後に生まれて乏しい時代を経験し、1960~80年代を生きてきた父親たちについてたくさん考えた」と切ない気持ちを明かした。
ソル・ギョングはインタビュー中、仕方なく金日成になり、金日成として生きるしかなかったキム・ソングンを「島のように生きた人」と評価した。一人で違う方向を見つめながら島のように生きた人だという。ソル・ギョングの体を通じてスクリーンに投影されたキム・ソングンは、離れた島であるから寂しく見えるが、そのため、より我々の父親の姿のようだ。もちろん、“演技の神”ソル・ギョングが演じたため、さらに哀切に感じられるのは否定できない事実だ。
ソル・ギョングが熱演した「22年目の記憶」は、韓国の真ん中で自身を北朝鮮の金日成国家主席だと信じている男と、そんな父のせいで人生がこじれてしまった息子の物語を描いた作品である。韓国で10月30日に公開される。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- キム・ミリ、写真 : ユ・ジニョン
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