「私の親友悪党たち」コ・ジュニ“ドレスは常に用意されています”
重いミリタリーブーツを外すと、小汚い足からかび臭い匂いがして、「インスタントラーメンでも食べていく?」ではなく「少し、家に入ります?」というストレートな誘いを投げかけ、激しい夜を過ごした後は親指を立てて見せる大胆さを見せるクールな女性を演じた女優コ・ジュニ(30)。彼女の変身は、恐ろしいほどだ。
犯罪アクション映画「私の親友悪党たち」(監督:イム・サンス、制作:FILMPASMAL)で素足でレッカー車を運転する、大胆でワイルドな魅力を持つナミ役を演じたコ・ジュニ。ある日、交通事故に遭った車で疑問の金が入ったカバンを発見し、次から次へと関連人物を捌いていくコ・ジュニ。一度に2回できる(?)愉快なジヌ(リュ・スンボム)だけには寛大な心が読めない人物だ。
これまで披露してきたチャドニョ(冷たい都会の女)のイメージを裏切った。聞いたことも、見たこともないユニークさで戻ってきたコ・ジュニはゾッとするほどクールなナミ役に完璧に変身した。これまで特に“影なく育った富裕層の一人娘”の役を多く演じてきたコ・ジュニにとって、やや慣れにくかったかもしれない。
「自分的にはイメージが固まっていないと思っていたのですが、みんな『都会的だ』というイメージを思い浮かべるようで。若かった時は、イメージを変えようととても努力しました。時には清純で、病気に見える悲恋のヒロインを夢見たりもしました。例えば、清純のアイコンと言えばソン・イェジン先輩ではないですか。そのように、私も修飾語が付くイメージを望んでいたのですが、今はそれが正解ではないと思っています。みなさんが作ってくれるイメージが定着する前までは、多彩な色を披露できるチャンスがあるのだと思います。将来、本当に私にぴったりな役を見つけ出したら、その時に『コ・ジュニはかけがえのない女優だったんだ』と思ってくだされば嬉しいです」
イメージが定着する前に、色々な味を経験したいというコ・ジュニ。「私の親友悪党たち」を選んだ理由にはこのような願いも込められていたが、それよりも優先的に思っていたのは他でもなくイム・サンス監督であった。
「もともとイム・サンス監督のファンでした。前作は全部見ています。最初に『私の親友悪党たち』のシナリオを渡された時、作品を読んで『やる?やめる?』と悩んでいませんでした。1ページをめくる前から『この作品は絶対にやる』という気持ちでした(笑) 読んでみたら、やはりイム・サンス監督ならではの感じがしました。簡略としていて、クールでした。漫画の本を読んでいるかのようにすぐ読めました」
イム・サンス監督への尊敬と愛着が人並み外れていたコ・ジュニ。ふっと彼女にカンヌ国際映画祭への欲望があったのではと思った時、コ・ジュニはとてもクールに潔く「全くないと言えば嘘になる」と答えてくれた。カンヌ国際映画祭を期待していたのは事実だが、それだけを夢見て走ってはいないという。捨て所のない率直さであった。
残念ながらイム・サンス監督の「私の親友悪党たち」はカンヌ国際映画祭進出には失敗した。一部は過去「蜜の味 テイスト オブ マネー」(2012)で第65回カンヌ国際映画祭に招待されたイム・サンス監督が当時白人を攻撃するような発言をし、その影響で招待されなかったという噂もあるが、とりあえず審査の結果はカンヌ国際映画祭のみが知っていることだ。残念ながらコ・ジュニはカンヌ国際映画祭のレッドカーペットを歩くという夢を諦めるしかなかった。
「イム・サンス監督がカンヌのラブコールを受けている監督であるということは、もちろん知っています。作品を選んだ時に『これを撮って、カンヌに行こう』とは思いませんでしたけど。私をはじめ、リュ・スンボム兄さん、イム・サンス監督、制作陣などみんながカンヌ国際映画祭を待っていました。監督には『ドレスは常に用意されています。今回はドレスを買ってもいいですよ』と冗談を言ったりもしました。けど、発表前に監督の父親が亡くなられたんです。みんな期待していたカンヌ国際映画祭でしたが、その時はみんなまず監督の心配をしていたんです。カンヌ国際映画祭はもう関心の外でした。まぁ、招待されなかったんですけど、映画祭ってカンヌ国際映画祭だけあるわけでもありませんので。カンヌへの野望、少しも残っていません(笑)」
カンヌ国際映画祭に関すること以外にも、その前から「私の親友悪党たち」には他の危機もあった。当初「私の親友悪党たち」は「私たちには今日がない」というタイトルでコ・ジュニ、リュ・スンボムではなくキム・ヒョジン、チョ・スンウがキャスティングされていた。撮影を控えてキム・ヒョジンが妊娠で降板し、自然とチョ・スンウまで辞退することになって新しい枠を作るしかなかった。
映画業界でキャスティングがなかったことになったり、変更されたりすることは日常茶飯事だ。だが、今回の「私の親友悪党たち」の場合は話が違っていた。撮影の準備がある程度行われてからのことであったし、すでにメディアを通じて二人のキャスティングも公式化されていた。“代打”のイメージのせいで俳優たちは出演オファーに積極的に応じなかった。上手くいってもプラスにはならず、上手くいかなければマイナスのイメージが強く残るためだ。しかし、コ・ジュニは違っていた。プレッシャーなどはなかった。
「『結婚前夜~マリッジブルー~』(2013、監督:ホン・ジヨン)以降、キム・ヒョジン姉さんと仲良くなりました。公開後、一緒にフライングヨガに通うことにしていましたが、ヨガの初日に、姉さんがなぜか吐きそうと言うんです。あの時、私は『姉さん、妊娠なのでは?』と聞いたりしました。ヒョジン姉さんの妊娠は兄さん(ユ・ジテ)より私が先に知ったと思います(笑) ヒョジン姉さんも私が『私の親友悪党たち』をすると言うと『あなたがやることになって良かった』と応援してくれました。映画を見た女優の姉さんたちも『こんなキャラクターを演じることになるとは羨ましい』と言ってくれました。ハハハ」
犯罪アクション映画「私の親友悪党たち」(監督:イム・サンス、制作:FILMPASMAL)で素足でレッカー車を運転する、大胆でワイルドな魅力を持つナミ役を演じたコ・ジュニ。ある日、交通事故に遭った車で疑問の金が入ったカバンを発見し、次から次へと関連人物を捌いていくコ・ジュニ。一度に2回できる(?)愉快なジヌ(リュ・スンボム)だけには寛大な心が読めない人物だ。
これまで披露してきたチャドニョ(冷たい都会の女)のイメージを裏切った。聞いたことも、見たこともないユニークさで戻ってきたコ・ジュニはゾッとするほどクールなナミ役に完璧に変身した。これまで特に“影なく育った富裕層の一人娘”の役を多く演じてきたコ・ジュニにとって、やや慣れにくかったかもしれない。
「自分的にはイメージが固まっていないと思っていたのですが、みんな『都会的だ』というイメージを思い浮かべるようで。若かった時は、イメージを変えようととても努力しました。時には清純で、病気に見える悲恋のヒロインを夢見たりもしました。例えば、清純のアイコンと言えばソン・イェジン先輩ではないですか。そのように、私も修飾語が付くイメージを望んでいたのですが、今はそれが正解ではないと思っています。みなさんが作ってくれるイメージが定着する前までは、多彩な色を披露できるチャンスがあるのだと思います。将来、本当に私にぴったりな役を見つけ出したら、その時に『コ・ジュニはかけがえのない女優だったんだ』と思ってくだされば嬉しいです」
イメージが定着する前に、色々な味を経験したいというコ・ジュニ。「私の親友悪党たち」を選んだ理由にはこのような願いも込められていたが、それよりも優先的に思っていたのは他でもなくイム・サンス監督であった。
「もともとイム・サンス監督のファンでした。前作は全部見ています。最初に『私の親友悪党たち』のシナリオを渡された時、作品を読んで『やる?やめる?』と悩んでいませんでした。1ページをめくる前から『この作品は絶対にやる』という気持ちでした(笑) 読んでみたら、やはりイム・サンス監督ならではの感じがしました。簡略としていて、クールでした。漫画の本を読んでいるかのようにすぐ読めました」
イム・サンス監督への尊敬と愛着が人並み外れていたコ・ジュニ。ふっと彼女にカンヌ国際映画祭への欲望があったのではと思った時、コ・ジュニはとてもクールに潔く「全くないと言えば嘘になる」と答えてくれた。カンヌ国際映画祭を期待していたのは事実だが、それだけを夢見て走ってはいないという。捨て所のない率直さであった。
残念ながらイム・サンス監督の「私の親友悪党たち」はカンヌ国際映画祭進出には失敗した。一部は過去「蜜の味 テイスト オブ マネー」(2012)で第65回カンヌ国際映画祭に招待されたイム・サンス監督が当時白人を攻撃するような発言をし、その影響で招待されなかったという噂もあるが、とりあえず審査の結果はカンヌ国際映画祭のみが知っていることだ。残念ながらコ・ジュニはカンヌ国際映画祭のレッドカーペットを歩くという夢を諦めるしかなかった。
「イム・サンス監督がカンヌのラブコールを受けている監督であるということは、もちろん知っています。作品を選んだ時に『これを撮って、カンヌに行こう』とは思いませんでしたけど。私をはじめ、リュ・スンボム兄さん、イム・サンス監督、制作陣などみんながカンヌ国際映画祭を待っていました。監督には『ドレスは常に用意されています。今回はドレスを買ってもいいですよ』と冗談を言ったりもしました。けど、発表前に監督の父親が亡くなられたんです。みんな期待していたカンヌ国際映画祭でしたが、その時はみんなまず監督の心配をしていたんです。カンヌ国際映画祭はもう関心の外でした。まぁ、招待されなかったんですけど、映画祭ってカンヌ国際映画祭だけあるわけでもありませんので。カンヌへの野望、少しも残っていません(笑)」
カンヌ国際映画祭に関すること以外にも、その前から「私の親友悪党たち」には他の危機もあった。当初「私の親友悪党たち」は「私たちには今日がない」というタイトルでコ・ジュニ、リュ・スンボムではなくキム・ヒョジン、チョ・スンウがキャスティングされていた。撮影を控えてキム・ヒョジンが妊娠で降板し、自然とチョ・スンウまで辞退することになって新しい枠を作るしかなかった。
映画業界でキャスティングがなかったことになったり、変更されたりすることは日常茶飯事だ。だが、今回の「私の親友悪党たち」の場合は話が違っていた。撮影の準備がある程度行われてからのことであったし、すでにメディアを通じて二人のキャスティングも公式化されていた。“代打”のイメージのせいで俳優たちは出演オファーに積極的に応じなかった。上手くいってもプラスにはならず、上手くいかなければマイナスのイメージが強く残るためだ。しかし、コ・ジュニは違っていた。プレッシャーなどはなかった。
「『結婚前夜~マリッジブルー~』(2013、監督:ホン・ジヨン)以降、キム・ヒョジン姉さんと仲良くなりました。公開後、一緒にフライングヨガに通うことにしていましたが、ヨガの初日に、姉さんがなぜか吐きそうと言うんです。あの時、私は『姉さん、妊娠なのでは?』と聞いたりしました。ヒョジン姉さんの妊娠は兄さん(ユ・ジテ)より私が先に知ったと思います(笑) ヒョジン姉さんも私が『私の親友悪党たち』をすると言うと『あなたがやることになって良かった』と応援してくれました。映画を見た女優の姉さんたちも『こんなキャラクターを演じることになるとは羨ましい』と言ってくれました。ハハハ」
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- チョ・ジヨン、写真 : キム・ジェチャン
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