パク・ソンウン「悪役に特化?僕はコメディーを求める人間」
映画「オフィス」(監督:ホン・ウォンチャン、制作:映画社コッ)はスリラーの仮面をかぶったホラー映画だ。この作品にパク・ソンウンが出演する。パク・ソンウンが刃物をもって登場人物を一人、二人と殺していく内容ではないかって? 驚くことに彼は今回、事件を暴く刑事を演じた。変身といえば変身、挑戦といえば挑戦だ。そして、その挑戦の結果はかなり成功したといえる。
「オフィス」は自分の家族を無残に殺害し、姿を消した平凡な会社員が再び会社に出勤している様子が防犯カメラに映り、その後、同僚に謎の事件が起きるという物語を描く。今年5月、第68回カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門に招待され、好評を受けた。
「新しき世界」「鬼はさまよう」「皇帝のために」「無頼漢 渇いた罪」をなどで強烈な眼差しと印象深い演技を披露してきたパク・ソンウンは今回「オフィス」で強直かつ愚直な刑事ジョンフンを演じた。キム・ビョングク(ペ・ソンウ)家族殺人事件を担当する広域捜査隊のチーム長ジョンフンは、鋭い勘でビョングクの会社の同僚たちに漂う妙な気配に気づく人物だ。
“悪役専門俳優”と呼ばれる彼は「コメディーを熱望する」と打ち明けた。tvN「SNL KOREA」で見せた彼のコミカルな演技をみると、理由もなく言っているわけではないことが分かる。「オフィス」でも張り詰めた緊張感が漂う中、パク・ソンウンのコミカルな本能が少しずつ出てくる。ネタバレになってしまうので明かすのは難しいが、かなり面白い。パク・ソンウンのアドリブで誕生した場面だそうだ。
「オフィス」でイメージチェンジに成功した彼は、次回作「華麗なるリベンジ」(監督:イ・イルヒョン)、「愛を歌う花」(監督:パク・フンシク)でも少しずつイメージを拡張していく見込みだ。
「オフィス」はパク・ソンウン、コ・アソン、ペ・ソンウ、キム・ウィソン、リュ・ヒョンギョン、パク・ジョンミン、イ・チェウン、オ・デファンなどが出演した。「チェイサー」「哀しき獣」などスリラーを専門に脚色してきたホン・ウォンチャン監督がメガホンを取った。韓国で9月3日に公開される。
以下、パク・ソンウンの一問一答である。
―映画を見た感想は?
パク・ソンウン:良かった。シナリオのいいところが90%以上盛り込まれていた。俳優たちの演技を見るのも面白く、退屈もしなかった。大抵マスコミ向け試写会のときは雰囲気が重いじゃないか。それでも笑いが起きた。穴はないが、ところところ息をつく余裕のある作品だ。
―出演したきっかけは?
パク・ソンウン:強いキャラクターじゃないから。冷徹でありながも人間的だ。実生活でいくらでも見られる演技に重点を置いた。
―演技の変化を渇望しているということか。
パク・ソンウン:当然だ。今もそうだ。悪役専門俳優と言われがちだから。悪役だけでなく、違う演技もしたが、話題にならなかっただけだ。俳優なら誰でもイメージチェンジに対して渇望している。
―悪役専門俳優に特化したいとは思わないのか?
パク・ソンウン:まったく。俳優を始めたときからロールモデルはロバート・デ・ニーロだ。映画「ケープ・フィアー」(監督:マーティン・スコッセシ)と「ミッドナイト・ラン」(監督:マーティン・ブレスト)だけ見ても180度どころか540度ぐらい違うじゃないか。
―「オフィス」でどんな姿を必ず見せたいと思ったのか。
パク・ソンウン:強くない姿(笑)
―シナリオを検討するとき、自分が演じる役と全体の物語のうち、どちらを先に見るのか。
パク・ソンウン:「オフィス」はストーリーが先に頭に入ってきた。読んでみると面白かった。僕が何をすればいいのかを見ていたら、やることがなかった。それも良かった。「新しき世界」で(チェ)ミンシクさんがやったのもそれだった。土台を作って後ろに引く役割。僕も「オフィス」でストーリーを立てる役割だけ果たせばいいと思った。正直、僕はやったことがない。
―惜しくはないか。
パク・ソンウン:全く。自分だけ目立とうとすると映画全体が揺らいでしまう。クレジットの順番、目立とうとする気の張り合いなんてまったく意味のないことだ。作品が大事だ。
―カンヌに行けなかった。
パク・ソンウン:その質問はパス(笑) あの時のことを思うと胸が痛むから。一番残念だったのは、映画を現地で見られなかったということだ。
―「無頼漢」「オフィス」のうち、どちらの作品でカンヌに行きたかったのか?
パク・ソンウン:「無頼漢」は僕が主人公じゃない。「オフィス」で行きたかったが、サナイピクチャーズで制作する映画「華麗なるリベンジ」の撮影があって行けなかった。セットスタジオでの撮影だったので、どうしてもスケジュールの調整ができなった。「無頼漢」ででも行きたくて(ハン)ジェドク兄さん(サナイピクチャーズ代表)にすごくお願いしたが、ダメだと言われた。サナイピクチャーズに泣かせられ、笑わせられた(「無頼漢」もサナイピクチャーズ制作の映画だ)。
―サナイピクチャーズとは特別な仲だ。
パク・ソンウン:「新しき世界」で生まれ変わったから。実際、映画「悪いやつら」のときも僕の役があったが、方言のためできなかった。そのとき、ジェドクさんがすごく申し訳ないと言っていた。それで「新しき世界」を提案してくれたが、そのときイ・ジュング役に僕の他に主演クラス4人が一緒に候補にあがった。僕だけドラマに出るタレントだった。みんなの反対を押し切って、パク・フンジョン監督とジェドク兄さんが僕のことを推薦してくれた。
―タレントと俳優は違うと思うか。
パク・ソンウン:僕は違うと思わないが、見る方は違うと思っているようだ。映画に出ると俳優で、テレビに出たら俳優じゃなくなるのか? もちろん全く違う媒体ではある。テレビ用、演劇用、映画用の演技は異なる。演劇は客席の後ろまで聞こえるように少し大げさな演技をするけれど、テレビは顔、正面中心の演技だ。一方、映画はもう少し自由だ。しかし、最近はテレビドラマもかなり自由になった。
―いつも強い男たちと演技をしていたが、今回はかなりか弱い女優たちと共演したが。
パク・ソンウン:か弱くない!(笑) みんな爪を隠している。達人なのに、達人じゃないふりをする人たちだ。それがさらに怖い。ホン・ウォンチャン監督にたくさん手伝って欲しいと言われたが、いざ撮影現場に行ってみると、僕が手伝うことはなかった。
―コ・アソンと一緒のシーンが多かった。
パク・ソンウン:アソンは僕に気楽に接してくれた。男も女も含めてそんな子は初めてだ。むしろ、男の後輩たちは僕のことを怖がる。アソンは19歳も年下なのに、すごく気楽に接した(笑)
―チームワークがとても良かった。主に誰がリードしていたのか。
パク・ソンウン:(キム)ウィソン兄さんだ。ウィソン兄さんとアソンの年の差は30歳ぐらいあるが、二人は友達のように仲がいい。時々、あんな風でいいのかと思えるほどだ。先に楽にしてくれたのがウィソン兄さんの方だ。僕はウィソン兄さんと親戚だから。
―キム・ウィソンと親戚だったのか?
パク・ソンウン:母方の又従兄弟だ。僕は昔から知っていたが、ウィソン兄さんは最近知ったそうだ。僕は前から「豚が井戸に落ちた日」(1996、監督:ホン・サンス)を“あの人が僕の又従兄弟なんだ”と思いながら見ていた(笑)
―一番出演オファーの多い役はやはり悪役なのか?
パク・ソンウン:そうだ。実際の僕はコメディーを求める人間だ。だから、tvN「SNL KOREA」でもコミカルな演技をあれだけがんばったのだ。自分と違うキャラクターを演じるとき、さらに大きな喜びを感じる。もちろん、あまりにも自分とかけ離れた姿をいきなり見せると大衆が驚くので、ゆっくり変わろうと思う。
―俳優として自身の限界や、短所は何だと思うか。
パク・ソンウン:まだ見つけていない。なぜなら、色々な役が入ってくる段階ではないため、何が限界なのかわからない。
―人気を実感する瞬間はいつなのか。
パク・ソンウン:舞台挨拶のとき? 僕への歓声が未婚俳優のときと同じぐらいだった。びっくりした。女性加入者が多いコミュニティで僕に関する書き込みがすごく多いそうだ。僕は見られないので、なんとも言えないが。少し前に中華料理店を開業したが、開業式のときも女性ファンが店を出なくて。「お客さんを入れたいから、店を出て2時間ぐらい消化してきなさい!」と言っても出てくれなかった(笑) 人気の秘訣は僕にもよくわからない。
「オフィス」は自分の家族を無残に殺害し、姿を消した平凡な会社員が再び会社に出勤している様子が防犯カメラに映り、その後、同僚に謎の事件が起きるという物語を描く。今年5月、第68回カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門に招待され、好評を受けた。
「新しき世界」「鬼はさまよう」「皇帝のために」「無頼漢 渇いた罪」をなどで強烈な眼差しと印象深い演技を披露してきたパク・ソンウンは今回「オフィス」で強直かつ愚直な刑事ジョンフンを演じた。キム・ビョングク(ペ・ソンウ)家族殺人事件を担当する広域捜査隊のチーム長ジョンフンは、鋭い勘でビョングクの会社の同僚たちに漂う妙な気配に気づく人物だ。
“悪役専門俳優”と呼ばれる彼は「コメディーを熱望する」と打ち明けた。tvN「SNL KOREA」で見せた彼のコミカルな演技をみると、理由もなく言っているわけではないことが分かる。「オフィス」でも張り詰めた緊張感が漂う中、パク・ソンウンのコミカルな本能が少しずつ出てくる。ネタバレになってしまうので明かすのは難しいが、かなり面白い。パク・ソンウンのアドリブで誕生した場面だそうだ。
「オフィス」でイメージチェンジに成功した彼は、次回作「華麗なるリベンジ」(監督:イ・イルヒョン)、「愛を歌う花」(監督:パク・フンシク)でも少しずつイメージを拡張していく見込みだ。
「オフィス」はパク・ソンウン、コ・アソン、ペ・ソンウ、キム・ウィソン、リュ・ヒョンギョン、パク・ジョンミン、イ・チェウン、オ・デファンなどが出演した。「チェイサー」「哀しき獣」などスリラーを専門に脚色してきたホン・ウォンチャン監督がメガホンを取った。韓国で9月3日に公開される。
以下、パク・ソンウンの一問一答である。
―映画を見た感想は?
パク・ソンウン:良かった。シナリオのいいところが90%以上盛り込まれていた。俳優たちの演技を見るのも面白く、退屈もしなかった。大抵マスコミ向け試写会のときは雰囲気が重いじゃないか。それでも笑いが起きた。穴はないが、ところところ息をつく余裕のある作品だ。
―出演したきっかけは?
パク・ソンウン:強いキャラクターじゃないから。冷徹でありながも人間的だ。実生活でいくらでも見られる演技に重点を置いた。
―演技の変化を渇望しているということか。
パク・ソンウン:当然だ。今もそうだ。悪役専門俳優と言われがちだから。悪役だけでなく、違う演技もしたが、話題にならなかっただけだ。俳優なら誰でもイメージチェンジに対して渇望している。
―悪役専門俳優に特化したいとは思わないのか?
パク・ソンウン:まったく。俳優を始めたときからロールモデルはロバート・デ・ニーロだ。映画「ケープ・フィアー」(監督:マーティン・スコッセシ)と「ミッドナイト・ラン」(監督:マーティン・ブレスト)だけ見ても180度どころか540度ぐらい違うじゃないか。
―「オフィス」でどんな姿を必ず見せたいと思ったのか。
パク・ソンウン:強くない姿(笑)
―シナリオを検討するとき、自分が演じる役と全体の物語のうち、どちらを先に見るのか。
パク・ソンウン:「オフィス」はストーリーが先に頭に入ってきた。読んでみると面白かった。僕が何をすればいいのかを見ていたら、やることがなかった。それも良かった。「新しき世界」で(チェ)ミンシクさんがやったのもそれだった。土台を作って後ろに引く役割。僕も「オフィス」でストーリーを立てる役割だけ果たせばいいと思った。正直、僕はやったことがない。
―惜しくはないか。
パク・ソンウン:全く。自分だけ目立とうとすると映画全体が揺らいでしまう。クレジットの順番、目立とうとする気の張り合いなんてまったく意味のないことだ。作品が大事だ。
―カンヌに行けなかった。
パク・ソンウン:その質問はパス(笑) あの時のことを思うと胸が痛むから。一番残念だったのは、映画を現地で見られなかったということだ。
―「無頼漢」「オフィス」のうち、どちらの作品でカンヌに行きたかったのか?
パク・ソンウン:「無頼漢」は僕が主人公じゃない。「オフィス」で行きたかったが、サナイピクチャーズで制作する映画「華麗なるリベンジ」の撮影があって行けなかった。セットスタジオでの撮影だったので、どうしてもスケジュールの調整ができなった。「無頼漢」ででも行きたくて(ハン)ジェドク兄さん(サナイピクチャーズ代表)にすごくお願いしたが、ダメだと言われた。サナイピクチャーズに泣かせられ、笑わせられた(「無頼漢」もサナイピクチャーズ制作の映画だ)。
―サナイピクチャーズとは特別な仲だ。
パク・ソンウン:「新しき世界」で生まれ変わったから。実際、映画「悪いやつら」のときも僕の役があったが、方言のためできなかった。そのとき、ジェドクさんがすごく申し訳ないと言っていた。それで「新しき世界」を提案してくれたが、そのときイ・ジュング役に僕の他に主演クラス4人が一緒に候補にあがった。僕だけドラマに出るタレントだった。みんなの反対を押し切って、パク・フンジョン監督とジェドク兄さんが僕のことを推薦してくれた。
―タレントと俳優は違うと思うか。
パク・ソンウン:僕は違うと思わないが、見る方は違うと思っているようだ。映画に出ると俳優で、テレビに出たら俳優じゃなくなるのか? もちろん全く違う媒体ではある。テレビ用、演劇用、映画用の演技は異なる。演劇は客席の後ろまで聞こえるように少し大げさな演技をするけれど、テレビは顔、正面中心の演技だ。一方、映画はもう少し自由だ。しかし、最近はテレビドラマもかなり自由になった。
―いつも強い男たちと演技をしていたが、今回はかなりか弱い女優たちと共演したが。
パク・ソンウン:か弱くない!(笑) みんな爪を隠している。達人なのに、達人じゃないふりをする人たちだ。それがさらに怖い。ホン・ウォンチャン監督にたくさん手伝って欲しいと言われたが、いざ撮影現場に行ってみると、僕が手伝うことはなかった。
―コ・アソンと一緒のシーンが多かった。
パク・ソンウン:アソンは僕に気楽に接してくれた。男も女も含めてそんな子は初めてだ。むしろ、男の後輩たちは僕のことを怖がる。アソンは19歳も年下なのに、すごく気楽に接した(笑)
―チームワークがとても良かった。主に誰がリードしていたのか。
パク・ソンウン:(キム)ウィソン兄さんだ。ウィソン兄さんとアソンの年の差は30歳ぐらいあるが、二人は友達のように仲がいい。時々、あんな風でいいのかと思えるほどだ。先に楽にしてくれたのがウィソン兄さんの方だ。僕はウィソン兄さんと親戚だから。
―キム・ウィソンと親戚だったのか?
パク・ソンウン:母方の又従兄弟だ。僕は昔から知っていたが、ウィソン兄さんは最近知ったそうだ。僕は前から「豚が井戸に落ちた日」(1996、監督:ホン・サンス)を“あの人が僕の又従兄弟なんだ”と思いながら見ていた(笑)
―一番出演オファーの多い役はやはり悪役なのか?
パク・ソンウン:そうだ。実際の僕はコメディーを求める人間だ。だから、tvN「SNL KOREA」でもコミカルな演技をあれだけがんばったのだ。自分と違うキャラクターを演じるとき、さらに大きな喜びを感じる。もちろん、あまりにも自分とかけ離れた姿をいきなり見せると大衆が驚くので、ゆっくり変わろうと思う。
―俳優として自身の限界や、短所は何だと思うか。
パク・ソンウン:まだ見つけていない。なぜなら、色々な役が入ってくる段階ではないため、何が限界なのかわからない。
―人気を実感する瞬間はいつなのか。
パク・ソンウン:舞台挨拶のとき? 僕への歓声が未婚俳優のときと同じぐらいだった。びっくりした。女性加入者が多いコミュニティで僕に関する書き込みがすごく多いそうだ。僕は見られないので、なんとも言えないが。少し前に中華料理店を開業したが、開業式のときも女性ファンが店を出なくて。「お客さんを入れたいから、店を出て2時間ぐらい消化してきなさい!」と言っても出てくれなかった(笑) 人気の秘訣は僕にもよくわからない。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- キム・スジョン、写真 : イ・ソンファ
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