「隻眼の虎」クァク・ジンソクが“CGで消される隻眼の虎役”を選んだ理由とは
「その隻眼の虎が僕です。顔も出ないのに、出演した理由ですか?」
「隻眼の虎」(監督:パク・フンジョン、制作:サナイピクチャーズ)のもう一人の主人公である虎。体重400kg、身長3m80cmの隻眼の虎は、圧倒的な重さと速度感で期待以上の結果物として誕生した。CGの技術とイ・モゲ撮影監督の卓越した撮影、壮大な音響技術の完璧な調和が成し遂げた成果だ。
しかし、ここにはなくてはならない存在があった。それは他でもなく虎役を演じる俳優だった。100%CGで誕生した隻眼の虎であったため、関節ごとにマーカーを付けて演技をするモーションキャプチャーではなく、言葉通り現場で虎を演じる代役の俳優が必要だった。その主人公が俳優クァク・ジンソクだ。
ソウルアクションスクール第8期出身であるクァク・ジンソクは、リュ・スンワン監督の映画「シティ・オブ・バイオレンス-相棒-」「史上最強スパイMr.タチマワリ!~爆笑世界珍道中~」「生き残るための3つの取引」「ベルリンファイル」をはじめ「グッド・バッド・ウィアード」などあらゆるアクション映画に欠かさず登場していた。ドキュメンタリー「私たちはアクション俳優だ」にも出演した。
クァク・ジンソクは「隻眼の虎」で虎の代役を務めた。俳優たちとスタッフたちの動線、視線の置き方、演技において一種のガイドラインが必要だったためだ。仕上げの作業を行うチームがCGで消しやすくするために、青の衣装を着て撮影現場で常に“本物の虎”であるかのように唸りながら演じた。
「最初は猟師隊のオーディションを受けて合格しました。その後に連絡がありました。隻眼の虎を演じる俳優が必要だということでした。顔を見せられる猟師隊を諦めて隻眼の虎を選びました。僕にとっては大きなチャンスだったのです。顔が出ないとしても、絶対に隻眼の虎を演じたかったです。商業映画で主人公としてじっくりと演技ができる、この上ないチャンスでした。隻眼の虎はモーションキャプチャーで作られた虎ではありません。モーションキャプチャーは関節ごとにマーカーをつけて、そのマーカーがデータ化されてキャラクターが作られるのですが、隻眼の虎は100%CGです。僕は“消しやすい”青の衣装を着て徹底して俳優、スタッフの仕事をしやすくする役でした」
虎の動き、習性を徹底的に研究したクァク・ジンソクは、撮影現場で自らを本物の隻眼の虎であると思い込みはじめた。石に足がかかって転ぶことがあっても、必死に山の中を動きまわり、喉が痛むまで隻眼の虎のように咆哮した。その結果、最初は違和感を感じていた俳優たちもいつの間にか彼を本物の虎だと見てくれるようになったという。
「パク・フンジョン監督が最初は動き中心のディレクションをしていましたが、後半になるにつれて感情の演技を指示するようになりました。正直、最初は『こいつがどれだけ頑張れるだろう』と思っていたようです。僕はどうせCGで消される存在でしたので。僕が僕の跡を残せるのは、シーンごとに最善を尽くして、感情を持って演技を披露することしか道がありませんでした。そうしてこそ相手役のリアクションを通じて僕の跡が残ると思ったからです」
クァク・ジンソクはチェ・ミンシクと初共演した日、撮影現場の随所を走って回ったという。チェ・ミンシクという存在感に圧倒されることを懸念するのは後の問題であった。「僕が隻眼の虎役を選んだ理由の一つは、チェ・ミンシク先輩でした。チェ・ミンシク先輩は虎と呼吸を合わせるのが難しいと何回も話しましたが、現場では全くそのような感じではありませんでした。先輩はいたずらもよくしましたし、冗談もたくさん言いました。むしろ僕のほうが役に溶け込むために隅っこに行って一人でいたりもしたんです(笑)」
「意外と感情の演技をたくさんしました。洞窟の中で死んだ小虎を舐めるシーンを撮った日が特に記憶に残っています。毎日の撮影表に『今日の一言』という欄があって、助監督が“お知らせ”みたいなことを書いて置くのですが、洞窟のシーンを撮った日は『今日は隻眼の虎の感情のシーンがあります。集中できるように配慮しましょう』という一言を書いてくださいました。その時からすでに感動した状態で撮影を始めました。感謝しました。ああ、僕を本物の虎として見てくださっている。僕を信じてくださっていると思えて」
クァク・ジンソクは現在映画「阿修羅」(監督:キム・ソンス、制作:サナイピクチャーズ)の撮影に励んでいる。「阿修羅」で共演するファン・ジョンミン主演の映画「ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~」(監督:イ・ソクフン、制作:JKフィルム)と「隻眼の虎」が12月16日の同じ日に公開されたことについては「よりによってジョンミン兄さんと同じ日に当たることになって」と言い、笑顔を見せた。
顔は登場しないが、俳優たちの眼差しと映画の随所に強烈な跡を残したクァク・ジンソク。彼はインタビューの最後に「芸能人よりは役者になりたい」と伝え、目を輝かせた。クァク・ジンソクが次回作ではどのような印象を残すのか、期待が集まっている。
「隻眼の虎」(監督:パク・フンジョン、制作:サナイピクチャーズ)のもう一人の主人公である虎。体重400kg、身長3m80cmの隻眼の虎は、圧倒的な重さと速度感で期待以上の結果物として誕生した。CGの技術とイ・モゲ撮影監督の卓越した撮影、壮大な音響技術の完璧な調和が成し遂げた成果だ。
しかし、ここにはなくてはならない存在があった。それは他でもなく虎役を演じる俳優だった。100%CGで誕生した隻眼の虎であったため、関節ごとにマーカーを付けて演技をするモーションキャプチャーではなく、言葉通り現場で虎を演じる代役の俳優が必要だった。その主人公が俳優クァク・ジンソクだ。
ソウルアクションスクール第8期出身であるクァク・ジンソクは、リュ・スンワン監督の映画「シティ・オブ・バイオレンス-相棒-」「史上最強スパイMr.タチマワリ!~爆笑世界珍道中~」「生き残るための3つの取引」「ベルリンファイル」をはじめ「グッド・バッド・ウィアード」などあらゆるアクション映画に欠かさず登場していた。ドキュメンタリー「私たちはアクション俳優だ」にも出演した。
クァク・ジンソクは「隻眼の虎」で虎の代役を務めた。俳優たちとスタッフたちの動線、視線の置き方、演技において一種のガイドラインが必要だったためだ。仕上げの作業を行うチームがCGで消しやすくするために、青の衣装を着て撮影現場で常に“本物の虎”であるかのように唸りながら演じた。
「最初は猟師隊のオーディションを受けて合格しました。その後に連絡がありました。隻眼の虎を演じる俳優が必要だということでした。顔を見せられる猟師隊を諦めて隻眼の虎を選びました。僕にとっては大きなチャンスだったのです。顔が出ないとしても、絶対に隻眼の虎を演じたかったです。商業映画で主人公としてじっくりと演技ができる、この上ないチャンスでした。隻眼の虎はモーションキャプチャーで作られた虎ではありません。モーションキャプチャーは関節ごとにマーカーをつけて、そのマーカーがデータ化されてキャラクターが作られるのですが、隻眼の虎は100%CGです。僕は“消しやすい”青の衣装を着て徹底して俳優、スタッフの仕事をしやすくする役でした」
虎の動き、習性を徹底的に研究したクァク・ジンソクは、撮影現場で自らを本物の隻眼の虎であると思い込みはじめた。石に足がかかって転ぶことがあっても、必死に山の中を動きまわり、喉が痛むまで隻眼の虎のように咆哮した。その結果、最初は違和感を感じていた俳優たちもいつの間にか彼を本物の虎だと見てくれるようになったという。
「パク・フンジョン監督が最初は動き中心のディレクションをしていましたが、後半になるにつれて感情の演技を指示するようになりました。正直、最初は『こいつがどれだけ頑張れるだろう』と思っていたようです。僕はどうせCGで消される存在でしたので。僕が僕の跡を残せるのは、シーンごとに最善を尽くして、感情を持って演技を披露することしか道がありませんでした。そうしてこそ相手役のリアクションを通じて僕の跡が残ると思ったからです」
クァク・ジンソクはチェ・ミンシクと初共演した日、撮影現場の随所を走って回ったという。チェ・ミンシクという存在感に圧倒されることを懸念するのは後の問題であった。「僕が隻眼の虎役を選んだ理由の一つは、チェ・ミンシク先輩でした。チェ・ミンシク先輩は虎と呼吸を合わせるのが難しいと何回も話しましたが、現場では全くそのような感じではありませんでした。先輩はいたずらもよくしましたし、冗談もたくさん言いました。むしろ僕のほうが役に溶け込むために隅っこに行って一人でいたりもしたんです(笑)」
「意外と感情の演技をたくさんしました。洞窟の中で死んだ小虎を舐めるシーンを撮った日が特に記憶に残っています。毎日の撮影表に『今日の一言』という欄があって、助監督が“お知らせ”みたいなことを書いて置くのですが、洞窟のシーンを撮った日は『今日は隻眼の虎の感情のシーンがあります。集中できるように配慮しましょう』という一言を書いてくださいました。その時からすでに感動した状態で撮影を始めました。感謝しました。ああ、僕を本物の虎として見てくださっている。僕を信じてくださっていると思えて」
クァク・ジンソクは現在映画「阿修羅」(監督:キム・ソンス、制作:サナイピクチャーズ)の撮影に励んでいる。「阿修羅」で共演するファン・ジョンミン主演の映画「ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~」(監督:イ・ソクフン、制作:JKフィルム)と「隻眼の虎」が12月16日の同じ日に公開されたことについては「よりによってジョンミン兄さんと同じ日に当たることになって」と言い、笑顔を見せた。
顔は登場しないが、俳優たちの眼差しと映画の随所に強烈な跡を残したクァク・ジンソク。彼はインタビューの最後に「芸能人よりは役者になりたい」と伝え、目を輝かせた。クァク・ジンソクが次回作ではどのような印象を残すのか、期待が集まっている。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- キム・スジョン、写真 : チョ・ソンジン
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