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「愛人がいます」チ・ジ二“愛において完成というものはない”

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年を取るということは悲しいことではなく、素晴らしいことだ。木が年を取るにつれ、年輪という美しい模様が一つずつ描かれるようにチ・ジニは、作品の中で俳優として日常生活の中で一人の男として素敵な香りを放っている。愛とは何なのか、人生が何であるかを知っている男のロマンスは、どのくらい真実なのだろう。素敵な俳優チ・ジニの恋愛はより一層美しい。

―「愛人がいます」は余韻が残る作品だったと思う。

チ・ジニ:作品が終わるとすべての作品に名残惜しさを感じる。「愛人がいます」は、とても綺麗にまとまった感じがする。余計なものがなくて、すべてを脱ぎ捨てた感じかな。だからとてもさっぱりした。満足度の高いドラマと言えるだろう。台本はもちろん、監督の演出と俳優たちの演技、すべてが完璧だった。だから終わった後に、名残惜しさを感じなかった。その代わりに、このような組み合せがまたあるかと皆で話した。明後日、「愛人がいます」の出演陣たちが集まることになり、スケジュールを終えてそこに寄る予定だ。

―数多くの作品をやってきたが、「愛人がいます」チームが最高だとおもうのか?

チ・ジニ:一緒にお仕事をした方々のおかげで最高だと感じたようだ。共演者の足りない部分を僕が少しでも満たすところもあったし、僕の足りない部分を共演者たちが満たしてくれた。約8ヶ月の間、問題なく無事に終えることができたということだけでも、いい組み合せだと言えるだろう。実は、人と人がやることだからそれほど簡単ではない。

―結末に至りドラマのストーリーに少し力を失ったのではないかと視聴者たちの心配の声もあった。

チ・ジニ:おそらく結末を別の見方で解釈をしたのだと思う。そう考えたのなら、その方たちにはそれが合っているが、そのように考えていない方たちもいると思う。人によって結末はそれぞれ違うと思う。そうでなければならないし、ジンオンとヘガンにたくさんの苦痛と心の傷があった。どん底まで落ちた痛みだ。子供が死んで、別れて、悪魔のように変わる妻を見た。守るために努力をしたが、自分が愛した女性が、自分のことを愛してないということが分かったので、別れるしかなかった。結末はそれにもかかわらず2人が再開し、また恋に落ちて一緒に住むことになる。それが普通の人々の日常だ。お互いが初恋だったジンオンとヘガンが、もし2人が恋愛の経験がもっとあったら、ここまで至らなかっただろう。初恋だったから、より純粋な姿だった。ヘガンにとって成功するという目的がはっきりしていたが、ジンオンにはそのような悩みがなかった。ただ愛だけを考えていただろう。僕が思うには、2人が色んな経験をしたから今後の2人の生活が幸せなのだ。恐らく既にどん底まで落ちたから、これ以上の苦痛はないだろう。夫婦喧嘩をしたり、意見の違いが生じるかもしれないが、たぶん幸せに暮らせると思う。

―自分の夫と不倫をしたという独特な題材で話題になった。

チ・ジニ:チ・ジニの立場からは実は理解できない部分もある。自分の立場で見たジンオンは到底理解できないし、他人に被害を与える人物だった。ところが、ジンオンの立場で見ると理解ができた。脚本家の先生が書いてくれた台詞は、本当に素晴らしかった。父に対するトラウマがあり、母に対するトラウマもある。そして腹違いの姉との問題もあった。その過程でジンオンがやらなければならないことは何があるのだろう。そうするうちにある女性と出会い、一人の女性に集中しなければならない状況で、ジンオンだったら十分にそうできたと思う。でも、ジンオンの状況を知らずに、ただ近くで見ている時は理解できないキャラクターだ。そのようなジンオンの姿が不倫のように見えたかもしれない。

特に、ソルリといる姿が不倫のように見えたのかもしれない。「愛人がいます」は難しいドラマだった。後になって考えてもそのようなストーリーが続いてくる。僕がこうしているのは君を愛しているからか、現実を避けるための手段なのかよく分からない。結局、ジンオンにとってソルリは手段であり、方法だったのだ。「恋人がいます」は「愛する人がいます」と同じ言葉だ。ジンオンには、ヘガンしかいなかった。ヘガンには、ジンオンしかいなかった。ソルリはジンオンだった。でも、ジンオンはソルリではなかった。

―制作発表会で満足できる恋愛模様をお見せしたいと話したが、満足できる演技ができたのか?

チ・ジニ:僕は最善を尽くしたが、視聴者の方々がどう受け入れてくれたのか分からない。ただし、それほど悪くなかったようだ(笑) 多くの方々が怒りながらも、共感できた作品だったと思う。特に多くの方々が集中して見てくれた。実はこのようなことは周りでも起きていることだ。恋愛の演技は本当にしたかったけど、僕の年代ではできる役があまりない。でも、「愛人がいます」に出会えて幸運だった。

―感情の幅が広かった作品だったが、大変なことはなかったのか?

チ・ジニ:スケジュールの面では完璧だった。深夜12時が過ぎて終わったことがほとんどなかった。夜中の1時が過ぎて終わったのが2~3回あったかな? 本当に良かった。監督がドラマに疎かでもなかった。事前に準備したので、素晴らしい映像と完璧な作品が仕上がることができた。感情面においては僕だけではなく、皆が複雑だった。ヘガン、ソルリ、2人とも複雑だった。本当に深みのあるドラマだった。監督とコンセプト会議をした後、僕が少しでも間違った点があったら、監督がその都度指摘してくださった。台詞一つ一つのニュアンスが違うので、そのことについてたくさん話し合った。

―「愛人がいます」は結婚した人にとって大きな共感を得た作品だった。

チ・ジニ:「温かい一言」でもそうだし、「愛人がいます」もそうだし、私たちが拒否しようとしても拒否できないストーリーを描いている。嫌だからといって消えるものでもない。不倫は自分の話ではなく、周りにありそうなストーリーなのだ。繊細な部分の問題だと思うが、繊細な面では2作品とも立派な作品だと思う。繊細な部分が好きだから人々が共感できたのだと思う。結婚した方々が真剣に見てくれたことだけでもありがたいことだ。

―奥さんの反応はどうだったのか?

チ・ジニ:人によって違うので、感情移入はしないようにと言った(笑) あれは仕事で、僕はあなたの夫だと言っておいた(笑)

―ジンオンが女性視聴者から熱い反応を得た。

チ・ジニ:女性たちがジンオンのことを好きになったきっかけは、ヘガンへの変わらない愛があったからだと思う。そのため、怒りが収まらなかったのだ。ジンオンが理解できた理由はヘガンが記憶を失い皆が彼女のことに気づけなかったが、ジンオンだけが気づく。「僕の妻だから」と言う。「誰もが違うと言っても、僕の妻だから僕には分かる」と言う部分が感動的だった。女性視聴者の方々も自分の夫が自分のことに気づいてくれたらと思い、ジンオンのことを好きになってくれたのかもしれない。

―「君の体は君のものではない。僕のものだ」という最後の台詞がとても印象深かった。

チ・ジニ:ジンオンだったから可能だったと思う。違う人だったら鳥肌が立ったかもしれない(笑) 実は、ジンオンは一途な愛を見せた。僕は男らしいスタイルではないが、優しい告白もしない(笑) 不親切なようで不親切でもない、面白くないようで面白い。僕の考えだが(笑)

―「愛人がいます」はどんなドラマだったのか?

チ・ジニ:満足度が本当に高かった作品だ。ジンオンはよく泣く方だが、僕はあまり泣かない方だ。それで、ジンオンの立場でこの涙をどう表現すればいいだろうとたくさん悩んだ。チ・ジニはそんなに簡単に涙を流さない。でも、最近は感情に少し波が出来てきた。どう調整すればいいだろうと考えている。最近は深い意味を持って書かれた台本があまりないが、「愛人がいます」は本当に深みのある台本なので、勉強して読むしかない状況だった。それに、僕は考えてもいなかった、今までの繰り返しではない違う演出を見た時、本当に嬉しかった。僕がより成長した気がする。俳優たちの呼吸も同じだ。俳優たちの呼吸がとても良くてさらに成長することができた。

―最近、涙を流した記憶があるのか?

チ・ジニ:幸いにも僕は記憶力があまりよくない。それで気楽に生きている(笑)

―キム・ヒョンジュと呼吸を合わせた。

チ・ジニ:多くの視聴者がドラマを見ながら、僕たちが本当によく合うことを感じたと思う。演技面では言うまでもない。きっとキム・ヒョンジュの配慮があっただろう。演技の他にも、違う多くの部分で似ていることをたくさん感じた。それで、お互いに笑うことが多かった。ありがたいことだ。「波乱万丈!ミス・キムの10億作り」を撮影した時もよかったが、今回はそれ以上にもっと良かった。無駄なエネルギーを消費しなかったことが大きな長所だ。

ヘガンを思い浮かべた時、キム・ヒョンジュ以外に他の女優は考えられない。約束もしていないのに、お互いに似た服を着てくることも多かった。そんなことから始めて、細かい部分で驚くことが多かった。今考えていることを話す時も「え、君も?」と驚くことがあった。

―40代以後、素敵な俳優になりたいと話したことがある。

チ・ジニ:40歳を過ぎてもラブストーリーに出演したいと考えている。今まで100%満足しているわけではないが、今のところ悪くはない感じだと思う。50代でも魅力的でセクシーな俳優になりたい。以前まで40代のラブストーリーはぎこちない部分があった。僕たちが先駆者的な役割を果たさなければならないと思う。僕たちがどうするかによって、後輩が披露できる演技の幅が広がると思う。たくさん努力しなければならない。最近は30代も、昔の20代ほど何かを選択して決定することが上手くできない気がする。いくつかの理由はあると思うが、40代になってようやく何かを選択して決定するように見える。僕たちは20代ぐらいから選択を下したのに、最近の20代はとても子供っぽい。私が年を取ったからそう見えるのかな(笑) 40歳はとても素敵な年齢であるに違いない。40代になったら、より面白くて、かっこよくなる。

―ファン・ジョンミン、チョ・スンウとの親交が話題になっている。一緒に「花より青春」に出演してほしいと望む視聴者も多い。

チ・ジニ:ジョンミン兄さんがスンウに演技を教えてくれと言っているが、自分たちだけ上手くやって僕に教えてくれない(一同爆笑) 僕が自分たちの立場を奪うかもしれないと思って教えてくれないのかな(笑) スンウに「演技を教えて」と言ったら、スンウは「兄さんは上手じゃん。とても面白く見ているよ」と言う。感謝する。でも、僕はあまり上手くない。あの2人は高校の時から優れた演技力が有名で、僕は違う。2人の演技を見ているだけても胸がいっぱいだ。兄さんと弟が僕を見た時、恥ずかしく思われないように頑張らなければならないと思っている。

―今後、どんな作品に挑戦したいのか?

チ・ジニ:もっと年を取って力が衰える前にアクションをやりたい。僕が運動を熱心にするのは、熱心に演技をするための基本としてやっている。最近、基本的にやっている運動は歩くことだ。あまり無理してはいけない。約1~2時間ぐらい歩きながら、少しずつ運動量を増やしていこうと思っている。昔は走っていたが、今は歩いている(笑)

―「愛人がいます」を愛してくれた視聴者に一言お願いする。

チ・ジニ:集中して見ないと簡単に接近できないドラマだったのに、最後まで分析しながら見てくれて本当に感謝する。俳優たち全員の満足度が高いドラマで、最後まで楽しく撮影できた。僕たちが上手くやったからではなく、皆さんが面白く見てくれたおかげなので感謝する。僕たちのドラマを見る視聴者は何度も繰り返して見る傾向があった。これからも今よりもっと良い姿をお見せするために努力するつもりだ。

―「愛人がいます」は最終的に、愛のドラマだった。チ・ジ二が考える“愛”はどんなものなのか?

チ・ジニ:ドラマを通じて僕も多くのことを学んだ。愛するという理由で愛する人の心を痛めたり、束縛するのは危険なことだと思う。愛について完璧に分かる人はいるはずがないのに、愛について知っていると考えることはとても危険なことだ。ありのままの相手を尊重しなければならないと思う。もし恋をするとしても、水平的な構図で人間対人間として会うべきだというのが僕の考えだ。簡単ではないはずだが、そうしなければならない。そうじゃないと、とても不幸になるかもしれないと思った。愛しているなら、相手と深い会話をしてみるのはどうだろうか。自分が知っていることや、自分が考えていることが相手の本心ではないことに気づくかもしれない。僕も同じだ。愛する人について、すべてのことを知っていると思っているが、間違っているかもしれない。愛において完成というものはない。死ぬ時、最後が美しかったらそれを完成と言えるだろう。その前には、絶えずに努力を続けなければならない。愛は何度も喧嘩して、仲直りするようなものだと思う(笑) そうしているうちに喧嘩する時間を減らすノウハウができる。もちろん、簡単ではないだろう。難しいことだ。だからより一層面白い。
元記事配信日時 : 
記者 : 
チャン・ジンリ、写真 : ク・ヘジョン、翻訳 : チェ・ユンジョン、ナ・ウンジョン
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