「華麗なる誘惑」チュ・サンウク“少年期を演じたナム・ジュヒョクは若くて…僕もあんな頃があったかな”
「ジャイアント」などの硬派なドラマで大活躍し、その後、「ずる賢いバツイチの恋」をはじめとするラブコメ3部作で新たな魅力を発揮したチュ・サンウクと「ボスを守れ」「7級公務員」などの“ロマコメクイーン”チェ・ガンヒ共演の、純愛と裏切りのスパイラル復讐愛憎劇「華麗なる誘惑」のDVDが好評リリース中だ。
これを記念して、1人の女性を一途に想い続ける純情男と復讐に燃える冷酷男の2つの顔を持つ主人公ヒョンウを、多様な表現力と繊細な表情で演じ分け視聴者のハートを鷲掴みにしたチュ・サンウクのインタビューが到着! 演じたキャラクターについて、初共演のチェ・ガンヒ、このドラマの共演が縁で5月に結婚予定のチャ・イェリョンについて、撮影の苦労話など、たっぷり語ってもらった。
チュ・サンウク:この作品に出演できて光栄でした。長丁場でしたが無事に終わってよかったです。楽しく演じられました。
――ドラマ「華麗なる誘惑」について、教えてください。
チュ・サンウク:かなりの長編です。長編ドラマの利点ともいうべき本作の特徴は、ミニシリーズより規模が大きく出演者が多い点です。また長い分さまざまなエピソードを盛り込んで複雑に絡み合っています。それが本作の特徴だと思います。
――チュ・サンウクさんが演じるヒョンウについてお聞かせください。
チュ・サンウク:僕の演じる役は誤解によって人生が変わってしまう。父親の敵討ちだけに没頭してきた、ある意味純粋な人物です。そのせいで、チャンスや大切なものをすべてあきらめてしまう。復讐を果たすために、全人生を懸けるんです。そんな純粋さと正義感の強さが僕と似ているかも。
――撮影前に準備したことは、何かありますか?
チュ・サンウク:まず人物像があまり明確ではなかったので監督と議論を重ねました。悲しみや喜びをはっきり表すキャラではなかった。台本を読んでも不明瞭だし、監督や脚本家に聞いても分かりづらかった。だから僕がどう演じるかによって、性格づけが変わる役だと考えたのです。この長編作でどう演じるべきかかなり悩みました。恐らくさまざまな感情を抱くのは間違いないとは思いました。難しい役でした。
――少年期を演じたナム・ジュヒョクさんの演技はいかがでしょうか?
チュ・サンウク:テレビで観ました。背が高く、男前でした。若いですし、僕もあんな頃があったかな。演技面では……最近の若手は皆演技が上手です。だから彼も多数の作品に出ている。本作ではジュヒョク君だけではなく、他の若手の俳優たちもとても演技が上手だった。共感を呼ぶ演技でした。
――ご自身が演じた、成人したヒョンウ役と比べてみていかがですか?
チュ・サンウク:正直2つの役は外見にズレがありました。“年を取ってから背が縮んだ”と言われたりもした。年をとると背が縮むものです。
――ヒョンウを演じるにあたり難しかった点は?
チュ・サンウク:ある意味、簡単な話です。“彼のすべての行動は復讐を果たすためのヒョンウが考え出したシナリオだ”こう考えれば楽です。人を利用するのも復讐のためだと考えればいい。少年期から青年期まで15年という年数差があります。そこはネックでもありました。15年間復讐のことしか考えないなんて、あまりに非現実すぎる。イルジュを利用していたといっても、15年間そばにいればさすがに情も移るでしょう。そういう意味で複雑な関係ですが、シンプルに考えれば簡単なことです。監督や俳優が、目標としていた最大のポイントがあります。もちろん復讐というテーマもサクセスストーリーも重要です。ただ最大の焦点は、真の人間の姿を表現することでした。15年間周囲を警戒し復讐に生きるなんてあり得ない。そんな人はまずいないだろうと思い、現実的な表現を試みました。
――共演のチェ・ガンヒさんとチャ・イェリョンさんについてお聞かせください。
チュ・サンウク:初共演です。チェ・ガンヒさんはラブコメ専門の女優と思われがちです。そういう役が多かったので。シリアスな役は初だとか。人間的な姿をストレートに演じていたと僕は思っています。偉そうですが1人の視聴者としての意見です。またイェリョンさんはイルジュという役の雰囲気が外見的にも演技面でもよく合っていました。
――現場でのエピソードを教えてください。
チュ・サンウク:8ヶ月間の撮影中はいろいろとありましたが……一番記憶に残っているのは今回、初めて水中での撮影に臨みました。僕は水泳はできますが水中での撮影は、かなり大変でした。スキューバダイビングのレッスンも受けました。現場の水の深さはたしか7メートル。そんな深い場所ではないのに怖かったです。ただ長時間苦労したのに使われたシーンは約10秒。大部分カットされました。でも強く印象に残っています。水中撮影は初めての経験だったので。
――体力的に厳しいものだったのではないでしょうか?
チュ・サンウク:水中なのでやはり緊張しました。“もし何かあったら?”と体力的にもキツく苦労しました。寒い季節だったので、お湯にしてもらったのですが寒かったです。
――チェ・ガンヒさんは怖がっていましたか?
チュ・サンウク:最初に僕1人でクランクイン当初に撮影を行いました。次に2人で撮りましたが、彼女も初めてで怖がっていました。でも俳優というのは“怖い”などと言いながらも、“キュー”と同時に死ぬ気で演じる。見事でしたよ。
――記憶に残っている場面はありますか?
チュ・サンウク:最初に撮影したシーンです。クランクインの日でスタッフに挨拶したものの、俳優たちは皆ぎこちない雰囲気だった。通常初日はセリフは少なく、移動シーンなどが多いため心の準備ができます。でも僕は船で土下座して感情をあらわにし、暑い中演じました。あの日は特につらく大変な思いをしました。土下座させられたうえ船は傾いている。監督には言えなかったのですが脚が痛くて、ひたすら我慢していました。足がしびれて、大変でした。
――コンテナに閉じ込められるシーンについてはいかがでしたか?
チュ・サンウク:コンテナでのチェ・ガンヒさんとの撮影は、意外とすぐ終わりました。水なしの状態での撮影は約1日かかりましたが、翌日の予定に備え水中撮影は早めに済ませた。監督もコツをつかんだので、約3時間で終わらることができました。
――ドラマの中でお薦めのシーンはどこでしょうか?
チュ・サンウク:僕の出演シーンは全部です。全話を通してね。本作の最大の特徴を挙げるなら、ドラマを観ればまた次回も観たくなるという点です。次が気になってこそ本当に面白いドラマと言えます。このドラマの最大の特徴はラストシーンです。ドラマというものは全話が面白いとは限りません。でも本作はどの話も最後の約5分が、次回が観たくなる作りになっている。不思議です。僕も次回が気になった。そこが恐らくこのドラマの最大の特徴です。台本を読むたびに感心していました。
――チョン・ジニョンさんとの共演についてはいかがでしたか?
チュ・サンウク:初共演でしたが、ジニョンさんについて噂だけは聞いていました。会ってみると聞いていたとおりいい方でした。何と言えばいいか……とにかく、とてもいい人です。演技も上手ですしね。僕が彼ぐらいの年になった時後輩たちに、あの人のように尊敬されたい。先輩としてのロールモデルです。いろいろと学ばせてもらいました。
――本作で描かれるラブストーリーについて、お聞かせください。
チュ・サンウク:普通どのドラマでもメインで描かれるのは、ラブストーリーの場合が多いです。本作ではもちろん恋愛も描かれます。ただ人物の描き方が平凡なようで実は違う。このドラマのポイントは、人が経験するさまざまな状況や感情にあります。監督も言っていた。“これは平凡なドラマじゃない”と。一見平凡なようで、他作とは違う部分がある。つまりありのままの人の姿、真の人間の姿を見せた点です。そのために監督は心血を注いでいた。恋愛もただ愛し合い幸せになって終わるのではない。十分起こり得る状況で……話自体はあり得ないことの連続ですが、表現が現実的だったから共感を得たのでしょう。
――ウンスの娘役のカル・ソウォンちゃんについて、お聞かせください。
チュ・サンウク:最近は会っていません。彼女も忙しいのでね。たいした子役です。幼い頃から演技を始め、有名な出演作も多い。韓国を代表する子役の1人でしょう。マシンのように正確で、決してセリフを間違えず完璧に準備して現場に来ます。まさに韓国を代表する子役だと思います。まさにマシンです。
――チュ・サンウクさんは子供と仲がいい方ですか?
チュ・サンウク:甥と姪が4人いますので。相手の子役に合わせる努力もしています。なぜならその方が、撮影が早く終わる。そうやって協力し合うことが大事だと思います。
――ウンスと3人で遊園地に行くシーンはいかがでしたか?
チュ・サンウク:あの日はとても暑くて。暑かったことが一番印象的でした。僕は台本を読んだ時、すごく楽しそうに演じてみようと思った。スタッフたちには大ウケでしたが、結局すべてボツになりました。“ヒョンウらしくない”と。急に人が変わったようでおかしいとね。2バージョン撮り、編集の段階で楽しいシーンはカットに。遊園地に行ったのは訳あってのことで、ただ楽しく遊ぶためではありません。遊園地は以前、ウンスが夫と別れる契機となった場所です。だから幸せな姿はそぐわなかった。
――撮影中のストレス解消法は?
チュ・サンウク:翌日に撮影がある時は飲みませんが、余裕がある時は酒を飲むこともあります。長編なので当然ストレスがたまりますよ。余談ですが通常長編ドラマの撮影の場合には、セットにカメラを3台設置し撮影します。作品の質は落ちるが撮影は早く済みます。このドラマは長編だったのに、徹夜は日常茶飯事でした。全話を通じてすべて手持ちカメラで、1シーンごとに丁寧に撮影していました。朝から始まり、翌日の昼近くまで撮影したことも。今まで出演したどの長編よりも疲れる撮影でした。
――感情表現にも苦労したでしょうね。
チュ・サンウク:ウンス役のチェ・ガンヒさんは泣かない日がなかった。泣くというのは大変な演技なのに、それが終わると続けてまた別のシーンを撮る。本当に体力を消耗します。イルジュも泣くシーンが多かった。端で見ていた僕もつらかったです。皆が苦労して完成させたドラマですがそうやって努力した分、いい結果を出せました。
――体調管理についてはどうされていますか?
チュ・サンウク:ジムに通っています。あと僕は寝つきがよく、横になった瞬間、眠りに落ちる。そしてぐっすり寝る。生まれつき寝つきがいいほうなので、コンディションも良好です。今のところはね。
――クランクアップ後すぐに、素の自分に戻れましたか?
チュ・サンウク:ドラマが終わればなるべく早く、忘れようと努めます。他の俳優たちも忘れるために旅行に出かけたり、新しいことに挑戦したり意図的にそうしています。
――ドラマで記憶に残る名ゼリフはありますか?
チュ・サンウク:いいえ。覚えてません。いいセリフは多いですが記憶にないんです。
――セリフを覚えるのは得意な方ですか?
チュ・サンウク:覚えてもすぐに忘れます。他の俳優も同じだと思いますよ。
――NGシーンはありましたか?
チュ・サンウク:不思議ですが、どんなベテラン俳優でも起こり得ることで必ず1作品に1シーンは、半日かかる場合がある。でも1作品に1シーンだけでそれ以上はないんです。僕の場合はたしか葦の野原での撮影でした。ウンスと2人で話すシーンです。日が落ちる寸前まで、なぜかどうしてもうまくできず、何十回も撮り直しました。
――セリフを間違えたのですか?
チュ・サンウク:そうです。セリフも噛むし感情表現もうまくできなかった。あのシーンは失敗でしたね。見れば分かります。変だなと思ったらその部分です。そう、葦の野原でした。
――本作に出演して何か変化はありましたか?
チュ・サンウク:演技面で、よりリアルな表現ができたと言うべきかな。役が決まると、どう演じるか先に考えてから演技に臨む場合もあれば演じながら作り上げる場合もある。チン・ヒョンウの場合は作り上げていくというよりも、何と言うか、正しい表現かは分かりませんが人間的でリアルな表現を試みました。本能的に演じました。リアルな表現をしようと努めたので、演技に深みが出たかと。今後に生かせるかな。
――「グッド・ドクター」では厳しい先輩医師、「ずる賢いバツイチの恋」ではコミカルな演技が秀逸でした。またシリアスな役も演じられますが、元々は優しいイメージをお持ちです。実際のサンウクさんはどんな性格ですか?
チュ・サンウク:自分ではサッパリしている平凡な人間だと思います。さっきの3つの役のうちでは……「ずる賢いバツイチの恋」はオーバーだがあの明るいキャラは、僕に近いと思います。
――私もそう思います。
チュ・サンウク:国民の総意でしょう。
――過去に演じた役で最も自分に近いのは?やはり「ずる賢いバツイチの恋」ですか?
ちょっとオーバーですが、そうですね。基本的には平凡で、サッパリした面白い奴です。
――日本の皆さんにメッセージをお願いします。
チュ・サンウク:今回、僕はドラマ「華麗なる誘惑」で、皆様にお会いします。「華麗なる誘惑」は非常に長いドラマであるにもかかわらず、退屈せず展開が早く続きが気になるドラマです。とても興味深いドラマですのでご覧になれば、きっとハマること間違いなしです。ぜひご覧ください。今後もよい作品でお会いしましょう。ありがとうございます。
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